JP2969106B1 - 自動メッキ装置 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 メッキ槽内で被メッキ物を移動させるた
めのレール、送りローラ、シャフト等のメンテナンスや
修理に手間が掛からないようにする。 【解決手段】 適宜長さごとに区分したレール２０を連
続させてメッキ槽１７内に水平に設け、区分したレール
２０ごとにその両側に設けられている送りローラ２１を
固着した回転可能なシャフト２２と共に昇降させ得るよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板等の
平板状被メッキ物を連続的にメッキ槽内に送り、メッキ
をする自動メッキ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来のメッキ装置の一例を示す斜
視図、図５は図４の縦断側面図であって、図５に示すよ
うな枠状のハンガー４にクリップ５で複数の被メッキ物
６を係止し、このハンガー４をメッキ槽１の上縁に掛け
渡した支持杆２，３を介して図４、図５に示すようにメ
ッキ槽１内に吊り下げ、被メッキ物６にメッキを施して
いた。

【０００３】しかしこの装置は、複数の被メッキ物６を
一つ一つクリップ５でハンガー４に係止してメッキ槽１
内に吊り下げたり、メッキが完了した後にはハンガー４
をメッキ槽１から引上げて、再びクリップ５を操作して
複数の被メッキ物６を一つ一つハンガー４から取り外す
必要があるため、極めて手間が掛かっていた。

【０００４】そこで省力化を図るため、図６の縦断正面
図に示すような自動メッキ装置が使用されるようになっ
てきた。

【０００５】図６に示す自動メッキ装置は、図６の紙面
に垂直の方向に長いメッキ槽７の底部に支持台８を設
け、支持台８上には、上面の中心にＶ字型溝９を有する
レール１０をメッキ槽７の全長に亘って取り付け、レー
ル１０の両側には、水平の送りローラ１１を固着した鉛
直の回転可能なシャフト１２を、レール１０の長手方向
に間隔をおいて設けてある。

【０００６】更に、シリンダ１３で昇降できるようにし
た陽極１４をメッキ液１５の中に差し込み、一部のシャ
フト１２及び送りローラ１１を陰極に接続し、被メッキ
物１６をレール１０の一端でＶ字型溝９の上に載せ、被
メッキ物１６の両面を送りローラ１１で挟んだ状態にし
て、レール１０の両側で対向しているシャフト１２を回
転駆動装置で互いに反対方向に回転させる。

【０００７】これによって被メッキ物１６はメッキ液１
５の中に浸漬された状態で、送りローラ１１の回転によ
りレール１０上面のＶ字型溝９に案内されてレール１０
の一端から他端まで移動する。この移動の間に被メッキ
物１６はメッキされた状態になるので、レール１０の他
端において被メッキ物１６をメッキ槽７から取り出すこ
とにより、被メッキ物１６に対するメッキ作業が連続的
に能率よく行われることになる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上述した図６に示す従
来の自動メッキ装置は、メッキ槽７の全長に亘って１本
の長いレール１０が取り付けられており、そのレール１
０の両側には、送りローラ１１を固着した鉛直の回転可
能なシャフト１２が多数設けられており、しかも、これ
らのレール１０、送りローラ１１、シャフト１２はメッ
キ液１５の中に設置されているためメンテナンスが難し
く、これらの部品が故障した場合には、メッキ液１５を
メッキ槽７から抜き出して修理し、修理が完了した後に
は再びメッキ槽７の中にメッキ液１５を貯留する作業を
行っていた。

【０００９】このため従来の自動メッキ装置は、メッキ
槽７内で被メッキ物１６を移動させるためのレール１
０、送りローラ１１、シャフト１２等のメンテナンスや
修理に手間が掛かる問題があった。

【００１０】本発明は、このような問題を解決し、メッ
キ槽内で被メッキ物を移動させるためのレール、送りロ
ーラ、シャフト等のメンテナンスや修理に手間が掛から
ないようにした自動メッキ装置を提供することを目的と
するものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、適宜
長さごとに区分したレールを連続させてメッキ槽内に水
平に設け、該区分したレールごとにその両側に設けられ
ている送りローラを固着した回転可能なシャフトと共に
昇降させ得るようにしたことを特徴とする自動メッキ装
置に係るもので、区分したレールごとにその両側に設け
られている送りローラを固着した回転可能なシャフトと
共に上昇させて、メンテナンスや修理を容易に行うこと
ができる。

【００１２】請求項２の発明は、区分したレールの被メ
ッキ物移動方向上手側の端部に、凸円弧状の角部を形成
したことを特徴とする請求項１記載の自動メッキ装置に
係るもので、被メッキ物がレールの区分箇所を通過する
際に、レールの端部に引っ掛かることなく通過すること
ができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
に基づいて説明する。

【００１４】図１は、本発明の実施の形態の一例を示す
側面図であって、図の左右方向に長いメッキ槽１７の中
にはメッキ液１８が入れられており、メッキ槽１７内の
底部近くには、支持台１９，１９，…と共に長さ方向に
適宜長さごとに区分した水平のレール２０，２０，…
が、メッキ槽１７の全長に亘って連続して設けられてい
る。

【００１５】これらの適宜長さごとに区分されているレ
ール２０，２０，…は、上方から見ると一直線に並んで
いて、各レール２０の両側に位置するように、水平の送
りローラ２１を固着した鉛直の回転可能な複数のシャフ
ト２２が、レール２０の長手方向に間隔をおいて支持台
１９，１９，…の上に設けられており、適宜陰極に接続
されている。

【００１６】各支持台１９には、吊り上げワイヤ等の昇
降装置２３が取り付けられていて、区分されているレー
ル２０ごとに、レール２０の両側に設けられているシャ
フト２２と共に昇降させることができるようになってい
る。

【００１７】図２は、本発明に使用するレール２０の実
施の形態の一例を図３のＩＩ−ＩＩより見た拡大縦断側
面図、図３は、図２のＩＩＩ−ＩＩＩより見た縦断正面
図であって、図３に示すようにレール２０上面の中心に
は、図６に示した従来のレール１０と同様にＶ字型溝２
４が設けられている。

【００１８】図２に示すように、各レール２０のＶ字型
溝２４の底面２５よりも下方の箇所の右端には、水平に
凹んだ凹部２６が形成されていて、それよりも上方は、
水平に突出した突出部２７になっている。

【００１９】また各レール２０のＶ字型溝２４の底面２
５よりも下方の箇所の左端には、上述の凹部２６に密に
嵌まる形状の突出部２８が形成されていて、それよりも
上方は、上述の突出部２７が密に嵌まる形状の凹部２９
になっている。更にレール２０のＶ字型溝２４の底面２
５の左端は、凸円弧状の角部３０になっている。

【００２０】隣接の区分されているレール２０がそれぞ
れ下降した状態になっている時には、図２に示すように
右側のレール２０の突出部２８は左側のレール２０の凹
部２６に密に嵌まり、右側のレール２０の凹部２９に左
側のレール２０の突出部２７が密に嵌まって、それぞれ
のＶ字型溝２４の底面２５は、同一水準面に揃うように
なる。

【００２１】図１に示す全てのレール２０が下降してい
る状態の時、図示しない被メッキ物は、メッキ槽１７内
の最も左側のレール２０のＶ字型溝２４（図３参照）の
上に載せられ、メッキ液１８の中に浸漬されて両面をロ
ーラ２１で挟まれた状態で、ローラ２１の回転によりメ
ッキ槽１７内を左方から右方へ移動しながらメッキされ
る。

【００２２】図２に示すように、レール２０のＶ字型溝
２４の底面２５の左端は凸円弧状の角部３０になってい
るため、適宜長さごとに区分した水平のレール２０，２
０，…が隣り合っている箇所において、右側のＶ字型溝
２４の底面２５の水準が若干高くなっているようなこと
があっても、被メッキ物が左側のレール２０から右側の
レール２０に載り移る際に被メッキ物は凸円弧状の角部
３０に誘導されて、引っ掛かることなく次のレール２０
のＶ字型溝２４に移動することができる。

【００２３】レール２０や、その両側にある送りローラ
２１、シャフト２２のいずれかをメンテナンスや修理を
する際には、図１の左側から、区分されているレール２
０と共にシャフト２２を昇降装置２３を順次上昇させ、
メンテナンスや修理をするレール２０及び送りローラ２
１、シャフト２２に至るまで上昇させると、メッキ槽１
７からメッキ液１８を抜き出すことなく、該当のレール
２０及び送りローラ２１、シャフト２２をメッキ槽１７
の外でメンテナンスや修理を行うことが可能になる。

【００２４】レール２０及び送りローラ２１、シャフト
２２のメンテナンスや修理が完了した後は、そのレール
２０及び送りローラ２１、シャフト２２を昇降装置２３
で吊り下げて元の位置に下降し、その左側のレール２０
及び送りローラ２１、シャフト２２を順次昇降装置２３
で元の位置に下降すれば、再びメッキ作業を行うことが
できるようになる。

【００２５】

【発明の効果】請求項１の発明は、区分したレールごと
にその両側に設けられている送りローラを固着した回転
可能なシャフトと共に上昇させることができるので、メ
ッキ槽からメッキ液を抜き出すことなく、レール、送り
ローラ２１、シャフト２２のメンテナンスや修理を容易
に行うことができる効果がある。

【００２６】請求項２の発明は、被メッキ物がレールの
区分箇所を通過する際に凸円弧状の角部に誘導されて、
レールの端部に引っ掛かることなく通過することができ
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の一例を示す側面図であ
る。

【図２】本発明に使用するレールの実施の形態の一例を
図３のＩＩ−ＩＩより見た拡大縦断側面図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩより見た縦断正面図であ
る。

【図４】従来のメッキ装置の一例を示す斜視図である。

【図５】図４の縦断側面図である。

【図６】従来の自動メッキ装置の一例を示す縦断正面図
である。

【符号の説明】

１７ メッキ槽 ２０ レール ２１ 送りローラ ２２ シャフト ３０ 凸円弧状の角部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜長さごとに区分したレールを連続さ
   せてメッキ槽内に水平に設け、該区分したレールごとに
   その両側に設けられている送りローラを固着した回転可
   能なシャフトと共に昇降させ得るようにしたことを特徴
   とする自動メッキ装置。
2. 【請求項２】 区分したレールの被メッキ物移動方向上
   手側の端部に、凸円弧状の角部を形成したことを特徴と
   する請求項１記載の自動メッキ装置。