JP2968283B2 - 座標入力装置用タブレット - Google Patents

座標入力装置用タブレット

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は二次元座標入力装置に関し、特にΧ方向及び
Y方向に直交配列されたループコイル群が埋設されたタ
ブレットの構造に関する。
〔従来の技術〕
第7図は従来のタブレットのΧ方向及びY方向に直交
配列されたループコイル群の詳細な構成図である。個々
のループコイルは互いに平行に延びる一対の線状電極か
らなり、一対の線状電極はそれらの一端において電気的
に接続されておりループを構成するとともに、他端部は
外部の駆動回路に接続される様になっている。従来これ
らのループコイル群はフォトリソグラフィー及びエッチ
ング技術を用いて一体の回路基板上に形成されていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら従来のタブレットにおいてはループコイ
ル群がフォトリソグラフィー及びエッチングにより形成
された一体の回路基板により構成されている為、製造上
の理由からタブレットの平面寸法に限界があり、最大で
もA0またはB0のサイズのものしか製造できなかった。近
年画像処理技術の高度な発展により実寸法大の図形等を
直接入力し処理する事のできる二次元座標入力装置の要
求が益々高まってきている。しかしながら従来の座標入
力装置においては、構造上及び製造上の理由からタブレ
ットを大型化する事ができず市場の要求に十分応える事
ができなかった。
加えてタブレットの電極と外部駆動回路の電気的接
続、及びタブレット内における電極の相互接続は半田付
け等の手仕事により行われていた為極めて作業能率が悪
く製造工程上も問題となっていた。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明は従来技術の上記問題点に鑑みなされたもので
あり、タブレットの大型化を目的とし、併わせて効率的
に製造のできる改良されたタブレットの構造を提供する
事を目的とする。
上記目的を達成する為、本発明によれば、改良された
タブレットは容易に組立可能な複数の部分から構成され
ている。第1図は本発明に係るタブレットの分解平面図
であり組立前の状態を示している。図面の簡略化の為、
第1図は一方向に延びるループコイル群のみを示してい
るが、これと直交するループコイル群は平面的に見て重
ねられた状態で配置される。タブレット1のうちΧ方向
に延びるループコイル群は組立可能な3つの部分すなわ
ち平面センサ11、配線基板14及び平面コネクタ17から構
成される。図示しないY方向ループコイル群もΧ方向ル
ープコイル群と同一の構造を有し組立てた後ループコイ
ル群が互いに直交する様に平面的に重ねられる。平面セ
ンサ11は所定の間隔で平行配列された線状電極膜群12が
形成されている可撓性平面基材13からなる。具体的に
は、上記平面センサは、上側の可撓性平面基材と、この
基材の一平面に形成された線状電極膜片群と、下側の可
撓性平面基材と、この基材の一平面に形成された他の線
状電極膜片群と、両線状電極膜片群を導通的且つ対面的
に接着する為の導電接着層とからなる。あるいは、上記
平面センサは、該線状電極膜群を接着層を介して上下か
ら挟持する一対の可撓性平面基材からなる。可撓性平面
基材13の表面に形成された線状電極膜12は保護膜によっ
て覆われているが、両端部のみは電気接続をとる為露出
している。
配線基板14の裏面には点線で示す様に所定の間隔で配
列された電極端子群15が形成されている。配線基板14の
下端部と平面センサ11の上端部を重ね合わせ接着する事
により電極端子群15は電気的且つ個別的に線状電極膜群
12に対面接続される。配線基板14の表面には実線で示す
様に電極パタン16が形成されている。図示する様に、電
極パタン16はスルーホールを介して選択的に一対の電極
端子間を電気的に接続しており、選択的に一対の線状電
極膜12をそれらの一端部で直列接続する事により一ター
ンのループコイルを構成する。
平面コネクタ17の裏面及び表面には配線パタンが形成
されており、平面コネクタ17の上端と平面センサ11の下
端を互いに重ね合わせて電気的に接続する事により、ル
ープコイル群は外部の電磁駆動回路に導かれる。
〔作用〕
本発明によればΧ方向ループコイル群及びY方向ルー
プコイル群を構成する部材の各々は中央部の平面センサ
11とその両端部に配置される配線基板14及び平面コネク
タ17とから組立てられる。平面センサ11は可撓性平面基
材13からなり、組立前においてはあらかじめロール状に
巻き取られている。従って線状電極膜12の長手方向に沿
った寸法には実質上何ら制限はなく、所望の仕様に応じ
て適宜裁断する事ができる。また長尺状の可撓性平面基
材13を横方向に複数枚連ねる事により所望の寸法の平面
センサ11を得る事ができる。さらに平面センサ11の上端
部に接続される配線基板14は構造的に大面積を要しない
ので従来のガラスエポキシ等からなる剛性のプリント配
線基板を用いる事ができる。同様にして平面センサ11の
下端部に接続される平面コネクタ17も従来のプリント配
線基板もしくはフレキシブルプリント配線板を用いる事
ができる。特にフレキシブルプリント配線板を用いれば
外部電磁駆動回路との接続に自由度が増す。
〔実 施 例〕
以下添付図面に従って本発明の好適な実施例を詳細に
説明する。併わせて本発明に係るタブレットを用いた二
次元座標入力装置の構成及び動作も説明する。
第2図A乃至第2図Gは本発明に係るタブレットの第
1の実施例を示す。第2図Aは平面センサ11の製造工程
を示す部分横断面図である。平面センサ11は上側の可撓
性平面基材131と下側の可撓性平面基材132とからなる積
層構造を有する。これら可撓性平面基材は例えば100μ
mの厚みを有するポリイミドフィルム又はPETフィルム
から構成されている。上側可撓性平面基材131の一平面
には所定の間隔を有して配列された線状電極膜片群121
が形成されている。線状電極膜片群121は可撓性平面基
材131の全面に亘って15μmの厚みで金属アルミニウム
を真空蒸着した後選択的にエッチングして得られる。同
様にして下側の可撓性平面基材132の一平面にも同一の
形状にパタニングされた線状電極膜片群122が形成され
ている。両線状電極膜片群121及び122は整列対向配置さ
れ両者の間に異方性導電接着膜が介在している。異方性
導電接着膜18は熱硬化性の樹脂の中に直径20μm〜37μ
mの溶融金属粒子が分散している組成を有する。この様
に重ね合わされた状態で加熱下、積層構造の上下から一
対のローラで圧力を加え上下の可撓性平面基材131及び1
32を貼り合わせる。
第2図Bは上記の様にして製造された平面センサの積
層構造を示す部分横断面図である。加熱下溶融した異方
性導電接着膜18は熱変形し上下の平面基材間に充填され
熱硬化して上下平面基材131及び132を互いに接合する。
この際上下に対向する線状電極膜片121及び122はその間
に介在する溶融金属粒子181によって電気的に接続され
る。電気的に接続された一対の線状電極膜片が1本の線
状電極膜12を構成する。この様に異方性導電接着膜18は
その膜方向にのみ導電性を有し平面方向には実質的に電
気絶縁性を備えている。
第2図Cは平面センサ11の上端部と配線基板14の下端
部との接着工程を示す部分横断面図である。平面センサ
11の上端部においては部分的に下側可撓性平面基材132
が除かれており、上側の可撓性平面基材131に形成され
た線状電極膜片群121が露出している。一方配線基板14
の下端部には電極端子群15が形成されている。線状電極
膜片群121の配列間隔は電極端子群15の配列間隔と一致
しており、両者は個別的に且つ対面的に配置する事が可
能である、両者の間には異方性導電接着膜18が介在して
いる。この状態でホットプレスにより上下から熱及び圧
力を加え可撓性平面基材131と配線基板14を圧着する。
第2図Dは上述した工程により圧着された平面センサ
11と配線基板14の接続構造を示す部分横断面図である。
図示する様に線状電極膜片群121と電極端子群15は1対
1の関係で互いに電気的に接続される。なお、配線基板
14は通常のガラスエポキシ材料からなり電極端子群15は
配線基板に貼り合わされた銅の薄膜を選択的にエッチン
グする事により形成される。また本実施例においては線
状電極膜片群の端部と電極端子群は異方性導電接着材に
より接合されているが、これに限られるものではない。
例えば対向する電極膜の両面または片面に半田被覆を形
成し熱を加えて接着しても良い。
第2図Eは平面センサ11と配線基板14の接続構造を示
す部分縦断面図である。第2図Dの横断面図が線状電極
膜の方向に沿って切断されているのに対して第2図Eの
縦断面図は線状電極膜に直交する方向に切断されてい
る。図示する様に下側の可撓性平面基材132は端部にお
いて部分的に切り取られており、上側の可撓性平面基材
131に形成されている線状電極片121が露出している。こ
の露出している線状電極膜片121に対して電極端子15が
対面配置されている。この様に本発明によれば平面セン
サ11の露出した端部に配線基板14を位置決めして配置し
加熱及び加圧工程により簡単に電極接続を行う事が可能
である。
第2図Fは平面センサ11と平面コネクタ17の接続構造
を示す部分縦断面図である。平面センサ11はその他端部
においても下側の可撓性平面基材132が部分的に切り取
られており上側の可撓性平面基材131に形成された線状
電極膜片群121の端部が露出している。この露出した平
面センサ11の端部に対して平面コネクタ17が接着され
る。この接着は同様にして異方性導電接着膜を用いて行
われる。平面コネクタ17は通常のプリント配線基板171
及びこれと接続するフレキシブルプリント配線基板172
により構成されている。この様に通常の剛性のあるプリ
ント基板171を介してフレキシブルプリント基板172によ
り外部回路との接続をとる様にすれば接続の自由度が向
上する。
第2図Gは上記に説明した様に組立てられたタブレッ
トの平面図である。但しΧ方向のループコイル群を構成
する部材のみを示し、Y方向のループコイル群を構成す
る部材は省略されている。本実施例においては横方向の
タブレット寸法幅を大きくとる為、2枚の可撓性平面基
材13を並列に並べて平面センサ11を構成している。平面
センサ11の上端部は共通の配線基板14に熱圧着されてお
り個々のループコイルが形成される。また平面センサ11
の下端部は平面コネクタを構成するプリント配線基板17
1に熱圧着されている。またプリント配線基板171には複
数のフレキシブルプリント板172が接続しており、この
フレキシブルプリント板172はマルチプレクサ等からな
るΧ方向ループコイル群選択回路303xに接続している。
選択回路303xはタブレット11から分離した他のプリント
基板上に搭載されている。この様に本発明によれば、平
面センサ11を構成する可撓性平面基材13はもともとロー
ル状に巻かれおり長手方向の寸法は自由に設定できる。
加えて平面センサ11の幅寸法も可撓性平面基材を複数並
列に並べる事によりいくらでも大きくとる事が可能であ
る。さらに平面センサ11と配線基板14及び平面センサ11
と平面コネクタ17は熱圧着により極めて簡単に接続する
事が可能である。
第2図Hは第2図Gに示す基本的なタブレット部材を
組込んだタブレットブロックの断面図である。図示する
様に、Χ方向のループコイル群を有するタブレット部材
とY方向のループコイル群を有するタブレット部材を重
ねてタブレットブロックの箱体101に収納する。タブレ
ット部材1と箱体101の間には下側補強板102とハニカム
材料板103が挿入されている。またタブレット部材1の
上面には上側補強板104が載置されておりその上には天
板105が配置されている。
第2図Iは第2図Hに示すタブレットブロックの要部
の分解斜視図である。Χ方向のループコイル群を有する
タブレット部材1の下面には下側補強板102が配置され
ている。この下側補強板102は例えばベニヤの板から構
成される。また図示しないがΧ方向のループコイル群を
有するタブレット部材1の上面にはY方向のループコイ
ル群を有する他のタブレット部材1が重ねられている。
Χ方向のループコイル群とY方向のループコイル群は互
いに直交する様に配置されている。さらに図示しないY
方向ループコイル群を有するタブレット部材1の上面に
は上側補強部材104が搭載されている。この上側補強部
材104は例えば非金属の板から構成されておりタブレッ
ト部材表面の僅かな凹凸を取除く為に用いられる。
第3図A及び第3図Bは本発明に係るタブレットの他
の実施例を示す。第3図Aは 他の実施例に係る平面センサを示す部分横断面図であ
る。この平面センサは線状電極膜群12を接着層133及び1
34を介して上下から挟持する一対の可撓性平面基材131
及び132から構成されている。上下一対の可撓性平面基
材131及び132は例えば膜厚25μmを有するポリイミドフ
ィルムもしくはポリエチレンテレフタレートフィルムか
らなる。また線状電極膜群12は上下いずれかの可撓性平
面基材に接着層を介して貼られたアルミニウム薄膜をエ
ッチングにより線状にパタニングして得られる。この様
にして形成された線状電極膜群を覆う様に他の可撓性平
面基材が接着層を介して圧着される。本実施例において
は平面センサ11はラミネート構造を有し極めて薄い膜厚
を有している。可撓性平面基材の材質を透明なプラスチ
ックフィルムとする事により透視可能な平面センサが可
能となり実用上の価値が高まる。すなわち透視型の平面
センサを用いれば、入力すべき図形の表面タブレットを
重ねてその上からスタイラスペンにより図形の座標位置
を指定する事ができるからである。
第3図Bは第3図Aに示す平面センサの端部と配線基
板端部の接着工程を示す部分横断面図である。図示する
様に平面センサ11の端部において下側の可撓性平面基材
132は部分的に除かれており線状電極膜群12の端部が露
出している。この露出している線状電極膜群12に対向し
て電極端子群15が対向配置される。線状電極膜群12と電
極端子群15の間には異方性導電接着膜18が挿入されてい
る。この状態でホットプレスにより上下から熱及び圧力
を加え平面センサ11と配線基板14を熱圧着するのであ
る。
最後に第4図乃至第6図を参照して本発明に係るタブ
レットを用いた二次元座標入力装置の構成及び動作を説
明する。
第4図はスタイラスペン2(以下、単にペンと称す)
の詳細な構造を示す断面図で、合成樹脂等の非金属素材
からなるペン軸21の内部にその先端寄りから、ボールペ
ン等の芯体22と、該芯体22を摺動自在に収容し得る透孔
を備えたフェライトコア23、コイルバネ24、スイッチ25
1、フェライトコア23の周囲に巻回されたコイル252、コ
ンデンサ253及び254からなる同調回路25とが一体的に組
合されて内蔵され、その後端にはキャップ26が取付けら
れてなっている。
前記コイル252とコンデンサ253は第5図にも示す様に
互いに直列に接続され、周知の共振回路を構成してお
り、コイル252及びコンデンサ253のパラメータL及びC
は所定の周波数foにおいて、電圧と電流の位相が同相で
共振(同調)する値に設定されている。すなわち を満す様に設定されている。また、コンデンサ254はス
イッチ251を介してコンデンサ253の両端に並列に接続さ
れており、スイッチ251がオンとなった時、前述した共
振回路における電流の位相を遅らせ、後述する受信信号
の位相を所定角度遅らせる作用を行う。なお、スイッチ
251はペン軸21を手等で保持し、芯体22の先端を、例え
ばタブレット1の上面に押付ける事によってペン軸21内
に押込むと、その後端によりコイルバネ24を介して押圧
され、オンとなる如くなっている。
第5図は同調回路25とともに位置検出回路3の詳細を
示すブロック図である。同図において、301は制御回
路、302は信号発生回路、303x及び303yはΧ方向及びY
方向の選択回路である。また、304x,304yは送受切替回
路、305はΧY切替回路、306は受信タイミング切替回路
である。また、307は帯域フィルタ(BPF)であり、これ
は信号検出機能を有する。また、308は検波器、309は低
域フィルタ(LPF)であり、これらは後述する制御回路3
01を含めて座標読み取り機能を有する。また、310及び3
11は位相検波器(PSD)、312及び313は低域フィルタ(L
PF)であり、これらは後述する制御回路301を含めてス
イッチのオン・オフ識別機能を有する。また、314x及び
314yは駆動回路、315x及び315yは増幅器である。
次に前記装置の動作をその構成とともに説明するが、
まず、タブレット1とペン2との間で位置検出の為の電
磁波が送受信される動作並びにこの際得られる信号につ
いて、第6図に従って説明する。
前記制御回路301は周知のマイクロプロセッサ等より
構成され、信号発生回路302を制御するとともに、選択
回路303x及び303yを介してタブレット1の各ループコイ
ルの選択を制御し、また、ΧY切替回路305及び受信タ
イミング切替回路306に対して座標検出方向Χ及びYの
切替を制御し、さらにまた、低域フィルタ309,312,313
からの出力値をアナログ・ディジタル(A/D)変換し、
後述する演算処理を実行してペン2により指定された位
置の座標値を算出し、さらにそのスイッチの状態を識別
し、これらを図示しないホストコンピュータ等の上位装
置に送出する。
選択回路303xは前記Χ方向のループコイル群に含まれ
るループコイルを順次選択するものであり、また、選択
回路303yは前記Y方向のループコイル群に含まれるルー
プコイルを順次選択するものであり、それぞれ制御回路
301からの制御情報に基づいて動作する。
送受切替回路304xは前記選択されたΧ方向のループコ
イルを駆動回路314x並びに増幅器315xに時分割的に交互
に接続するものであり、また、送受切替回路304yは前記
選択されたY方向のループコイルを駆動回路314y並びに
増幅器315yに時分割的に交互に接続するものであり、こ
れらは後述する送受切替信号に従って動作する。
信号発生回路302は所定の周波数fo、例えば500kHzの
矩形波信号A、該矩形波信号Aの位相を所定角度遅らせ
た信号A′(図示せず)、所定の周波数fk、例えば15.6
25kHzの送受切替信号B及び受信タイミング信号Cを発
生する。前記矩形波信号Aは位相検波器310に送出され
るとともに図示しない低域フィルタにより正弦波信号に
変換されΧY切替回路305を介して駆動回路314x又は314
yのいずれか一方に送出される。また、矩形波信号A′
は位相検波器311に送出され、送受切替信号Bは送受切
替回路304x及び304yに送出され、さらに受信タイミング
信号Cは受信タイミング切替回路306に送出される。
今、制御回路301よりΧ方向のループコイル群の掃引
を選択する制御情報がΧY切替回路305及び受信タイミ
ング切替回路306に入力されているとすると、前記正弦
波信号は駆動回路314xに送出され平衡信号に変換され、
さらに送受切替回路304xに送出される。該送受切替回路
304xは送受切替信号Bに基づいて駆動回路314x及び増幅
器315xを周期T毎に交互に選択する為、送受切替回路30
4xより選択回路303xに出力される信号は時間T(=1/2
fk、ここでは32μsec)毎に500kHzの信号を出したり出
さなかったりする信号Dとなる。
前記信号Dは選択回路303xを介してタブレット1のΧ
方向の選択されたループコイルに送出され、該ループコ
イルは前記信号Dに基づく電磁波を発生する。
この際、タブレット1上にてペン2が略直立状態、す
なわち使用状態に保持されていると、前記信号Dに基づ
く電磁波はペン2のコイル252を励振し、その同調回路2
5に信号Dに同期した誘導電圧Eを発生させる。
その後、信号Dにおいて信号無しの期間、すなわち受
信期間に入ると選択されていたループコイルは増幅器31
5x側に切替えられる。該ループコイルより発生した電磁
波は直ちに消滅するが、前記誘導電圧Eは同調回路25内
の損失に応じて徐々に減衰する。
一方、上記誘導電圧Eに基づいて同調回路25を流れる
電流はコイル252を励起し電磁波を発信させる。該共振
電磁波は増幅器315xに接続されたループコイルを逆に励
振する為、該ループコイルにはコイル252から発した電
磁波による誘導電圧が発生する。該誘導電圧は受信期間
の間のみ送受切替回路304xより増幅器315xに送出され増
幅されて受信信号Fとなり、さらに受信タイミング切替
回路306に送出される。
受信タイミング切替回路306にはΧ方向又はY方向の
選択制御情報のいずれか一方、ここではΧ方向の選択制
御情報と、実質的に送受切替信号Bの反転信号である受
信タイミング信号Cとが入力されており、該信号Cがハ
イ(H)レベルの期間は受信信号Fを受け入れ、ロー
(L)レベルの期間は何も受け入れない為、その出力に
は信号G(実質的に受信信号Fと同一)が得られる。
前記信号Gは帯域フィルタ307に送出されるが、該帯
域フィルタ307は周波数foを固有の振動数とするセラミ
ックフィルタであり、前記信号G中の周波数fo成分のエ
ネルギーに応じた振幅hを有する信号H(厳密には、数
個の信号Gが帯域フィルタ307に入力され収束した状態
において)を検波器308及び位相検波器310,311に送出す
る。
前記検波器308に入力された信号Hは検波・整流さ
れ、信号Iとされた後、遮断周波数の充分低い低域フィ
ルタ309にて前記振幅hのほぼ1/2に対応する電圧値、例
えばVxを有する直流信号Jに変換され、制御回路301に
送出される。
前記信号Jの電圧値Vxはペン2と選択されたループコ
イルとの間の距離に依存した値、ここではほぼ距離の4
乗に反比例した値を示し、ループコイル群が順次選択的
に切替えられると変化する為、制御回路301において、
各ループコイル毎に得られる電圧値Vxをディジタル値に
変換し、これらの値に演算処理を実行する事により、ペ
ン2により指定されたΧ方向の入力伝値の座標値が算出
される。なお、ペン2によるY方向の指定位置の座標値
についても同様にして算出される。
また一方、位相検波器310には前記矩形波信号Aが検
波信号として入力されており、この時、スイッチ251が
オフであって、信号Hの位相が矩形波信号Aの位相とほ
ぼ一致しているとすると、ちょうど信号Hを正側に反転
した信号(実質的に信号Iと同一)を出力する。この信
号は前記同様の低域フィルタ312にて振幅hのほぼ1/2に
対応する電圧値を有する直流信号(実質的に信号Jと同
一)に変換され、制御回路301に送出される。
また、位相検波器311には矩形波信号A′が検波信号
として入力されているが、前述した様にスイッチ251が
オフであって、信号Hの位相が矩形波信号A′の位相に
対して所定角度進んでいるとすると、正側及び負側に成
分を有する信号を出力する。この信号は前記同様の低域
フィルタ313にて直流信号に変換され制御回路301に送出
されるが、位相検波器311の出力信号は正側及び負側に
成分を有する為、低域フィルタ313の出力の電圧値は低
域フィルタ312の出力の電圧値に比べてかなり小さい値
となる。
ここで、ペン2のスイッチ251がオンになると、同調
回路25を流れる電流の位相は誘導電圧Eに対して遅れ、
受信信号Fの位相も所定角度遅れる。すなわち矩形波信
号A′の位相とほぼ一致する事になる。従って、この時
の帯域フィルタ307の出力Hは位相検波器310によって正
側及び負側に成分を有する信号とされ、低域フィルタ31
2の出力は前述したスイッチ251がオフの場合の低域フィ
ルタ313の出力とほぼ同じ電圧値となるが、位相検波器3
11によって正側に反転した信号とされ、低域フィルタ31
3の出力は前記同様、振幅hのほぼ1/2に対応する所定の
電圧値を有する直流信号となる。
この様にスイッチ251がオフの場合は低域フィルタ312
の出力に所定の電圧値が得られ、また、スイッチ251が
オンであれば低域フィルタ313の出力に所定の電圧値が
得られる為、制御回路301において、低域フィルタ312及
び313の出力値を監視する事により、スイッチ251がオフ
であるか又はオンであるかを識別する事ができる。な
お、ここで識別されたスイッチ251のオン(又はオフ)
の状態を示す入力情報は、ペン2による指定位置の座標
値のうちで実際に読み取るべき値を指定する情報等とし
て使用される。
なお、本実施例においては、各ループコイルは一対の
線状電極膜の直列接続からなり、ターン数は1である
が、感度を上げる為に、各ループコイルを複数ターンで
構成しても良い。
又、本発明に係るタブレットを用いた上述の二次元座
標入力装置は、本発明に係るタブレットを利用した一例
にすぎず、従来のいわゆる電磁誘導方式の座標入力装置
にも利用できる事は明らかである。
〔発明の効果〕
上述した様に本発明によれば、ループコイル群を有す
るタブレット部材は、平面センサ、配線基板及び平面コ
ネクタの3部材から構成されており組立可能となってい
る。平面センサは線状電極膜群が形成された可撓性の平
面基材から構成されており、この可撓性平面基材はロー
ルから所望の長手寸法分だけ切出して用いる事ができる
ので大型のタブレット部材を製造する事ができる。また
この可撓性平面基材を幅方向に並列に複数本並べる事に
より横方向の寸法も所望により適宜設定する事ができ
る。従って本発明に係るタブレット部材は従来の様に寸
法的な限界は無く市場の要求に応じていくらでも大型の
タブレットを構成する事が可能であるという効果があ
る。加えて平面センサと配線基板の接続及び平面センサ
と平面コネクタの接続は異方性導電接着膜を用いて熱圧
着により極めて容易に行う事ができるので製造コストの
低減が図れるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図はタブレット部材の分解平面図、第2図Aはタブ
レット部材の主要構成要素である平面センサの製造工程
を示す部分横断面図、第2図Bは平面センサの積層構造
を示す部分横断面図、第2図Cは平面センサ端部と配線
基板端部の接着工程を示す部分横断面図、第2図Dは平
面センサと配線基板の接着構造を示す部分横断面図、第
2図Eは平面センサと配線基板の接続構造を示す部分縦
断面図、第2図Fは平面センサと平面コネクタの接続構
造を示す部分縦断面図、第2図Gはタブレット部材の平
面図、第2図Hはタブレットブロックの断面図、第2図
Iはタブレットブロック要部の分解斜視図、第3図Aは
平面センサの他の実施例を示す部分横断面図、第3図B
は他の実施例に係る平面センサの端部と配線基板端部の
接着工程を示す部分横断面図、第4図は本発明に係るタ
ブレットに座標を入力する為のスタイラスペンの断面
図、第5図はスタイラスペンの同調回路及び位置検出回
路の詳細なブロック図、第6図は第5図に示す回路の動
作を説明する為の信号波形図、及び第7図はループコイ
ル群の構成図である。 1……タブレット、11……平面センサ、 12……線状電極膜、13……可撓性平面基材、 14……配線基板、15……電極端子、 16……電極パタン、17……平面コネクタ、 18……異方性導電接着膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 洋一 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目23番4 号 株式会社ワコム内 (72)発明者 萩原 照善 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目23番4 号 株式会社ワコム内 (72)発明者 牧野 好伸 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目23番4 号 株式会社ワコム内 (72)発明者 杉山 敬一 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目23番4 号 株式会社ワコム内 (56)参考文献 実開 昭62−151640(JP,U) 実開 昭61−33140(JP,U) 実開 昭61−201233(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06F 3/03 325

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の間隔で平行配列された第一の線状電
    極膜群が形成されている可撓性平面基材からなる第一の
    平面センサと、 所定の間隔で平行配列された第二の線状電極膜群が形成
    されている可撓性平面基材からなり、第一の線状電極膜
    群に対して第二の線状電極膜群が平面的に見て直交する
    様に重ねられた第二の平面センサと、 上記線状電極膜群の一端部に対して電気的且つ個別的に
    対面接続可能な様に配列された電極端子群が形成されて
    おり、且つ選択的に一対の電極端子間を電気的に接続し
    ている電極パタンが形成されており、選択的に一対の線
    状電極膜を一端部で直列接続する事によりループコイル
    の群を構成する為の配線基板と、 上記線状電極膜群の他端部に電気的に接続され、ループ
    コイル群を外部駆動回路に導く為の平面コネクタとから
    なる座標入力装置用タブレットであって、 上記各平面センサは、上側の可撓性平面基材と、この基
    材の一平面に形成された線状電極膜片群と、下側の可撓
    性平面基材と、この基材の一平面に形成された他の線状
    電極膜片群と、両線状電極膜片群を導通的且つ対面的に
    接着する為の導電接着層とからなることを特徴とする座
    標入力装置用タブレット。
  2. 【請求項2】配線基板に設けられた電極端子群は、膜方
    向にのみ導電性を有する異方性導電接着膜を介して可撓
    性平面基材に設けられた線状電極膜群の一端部に接着さ
    いることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置用
    タブレット。
  3. 【請求項3】上記平面コネクタは該ループコイル群を時
    分割的に掃引し電磁波の送信及び受信を行う外部電磁駆
    動回路に接続可能であることを特徴とする請求項1に記
    載の座標入力装置用タブレット。
  4. 【請求項4】所定の間隔で平行配列された第一の線状電
    極膜群が形成されている可撓性平面基材からなる第一の
    平面センサと、 所定の間隔で平行配列された第二の線状電極膜群が形成
    されている可撓性平面基材からなり、第一の線状電極膜
    群に対して第二の線状電極膜群が平面的に見て直交する
    様に重ねられた第二の平面センサと、 上記線状電極膜群の一端部に対して電気的且つ個別的に
    対面接続可能な様に配列された電極端子群が形成されて
    おり、且つ選択的に一対の電極端子間を電気的に接続し
    ている電極パタンが形成されており、選択的に一対の線
    状電極膜を一端部で直列接続する事によりループコイル
    の群を構成する為の配線基板と、 上記線状電極膜群の他端部に電気的に接続され、ループ
    コイル群を外部駆動回路に導く為の平面コネクタとから
    なる座標入力装置用タブレットであって、 上記各平面センサは、該線状電極膜群を接着層を介して
    上下から挟持する一対の可撓性平面基材からなることを
    特徴とする座標入力装置用タブレット。
  5. 【請求項5】上記平面コネクタは該ループコイル群を時
    分割的に掃引し電磁波の送信及び受信を行う外部電磁駆
    動回路に接続可能であることを特徴とする請求項4に記
    載の座標入力装置用タブレット。
  6. 【請求項6】所定の間隔で平行配列された第一の線状電
    極膜群が形成されている可撓性平面基材からなる第一の
    平面センサと、 所定の間隔で平行配列された第二の線状電極膜群が形成
    されている可撓性平面基材からなり、第一の線状電極膜
    群に対して第二の線状電極膜群が平面的に見て直交する
    様に重ねられた第二の平面センサと、 上記線状電極膜群の一端部に対して電気的且つ個別的に
    対面接続可能な様に配列された電極端子群が形成されて
    おり、且つ選択的に一対の電極端子間を電気的に接続し
    ている電極パタンが形成されており、選択的に一対の線
    状電極膜を一端部で直列接続する事によりループコイル
    の群を構成する為の配線基板と、 上記線状電極膜群の他端部に電気的に接続され、ループ
    コイル群を外部駆動回路に導く為の平面コネクタとから
    なる座標入力装置用タブレットであって、 上記平面コネクタはフレキシブルプリント配線板を含む
    ことを特徴とする座標入力装置用タブレット。
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