JP2968194B2 - ワイヤプルコンベヤ装置のヘッド部 - Google Patents

ワイヤプルコンベヤ装置のヘッド部

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鍋 正 広 真
井 敏 治 福
俊 也 室
場 正 文 羽
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤプルコンベ
ヤ装置のヘッド部に関する。
【0002】
【従来の技術】砕石、砂利、砂、土砂、セメント等のバ
ラ物の従来のベルトコンベヤによる搬送は、搬送ライン
の全線に亘って剛性の高いフレームを設置する必要があ
る。したがって、高価な装置となり大量・長期間に亘る
工事など充分な償却が期待できる工事にしか適用できな
い。
【0003】また、コンベヤベルトは、キャリヤローラ
に支持されるので、積込み量には限度があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、積込み量が
多く、かつ、安価なワイヤプルコンベヤ装置のヘッド部
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、移動・
固定自在なヘッド部及びテール部と、これらヘッド部及
びテール部の間に張設されたコンベヤ本体と、前記ヘッ
ド部及びテール部の間に移動・固定自在に配設されて前
記コンベヤ本体を支持する中間支柱とからなり、前記コ
ンベヤ本体は可撓性部材で構成され両端縁に複数の吊り
金具を介して紐状体が取付けられ、前記ヘッド部、テー
ル部、中間支柱には前記紐状体を上下から挟持する複数
組のローラが設けられたワイヤプルコンベヤ装置におい
て、前記ヘッド部は、ベース部と、該ベース部に設けら
れたワイヤロープ張力修正装置と、該装置により前記ベ
ースに対し搬送方向に前後移動自在なフレームと、該フ
レームに設けられた駆動ドラム及び駆動モータと、前記
フレームの上面に設けられ前記駆動ドラム側から対向す
る方向に縮幅される複対のラインプーリ及び該方向に中
央部の深さが深くなる複組のキャリヤローラと、前記コ
ンベヤ本体の復路部分に下方から圧接する押えローラと
を備えている。
【0006】更に本発明によれば、ワイヤロープ張力修
正装置は、ベースに支持された駆動軸及び従動軸と、該
駆動軸に固設された外側スプロケットと駆動モータの駆
動スプロケットとの間に張設された外側チェーンベルト
と、前記駆動軸及び従動軸にそれぞれ固設された内側ス
プロケットの間に張設され、途中にフレーム連結板が介
装された内側チェーンベルトと、前記ベースに設けられ
たラックと、前記フレームに設けられ前記ラックに係止
される爪とを備えている。したがって、本発明ではワイ
ヤロープの張力の修正と、コンベヤ本体の反転と、コン
ベヤ本体の駆動とを実行できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。
【0008】図1及び図2において、ワイヤプルコンベ
ヤは、ヘッド部10と、テール部20と、これらヘッド
部10とテール部20との間を走行されるコンベヤ本体
1とからなり、両者10、20の間隔が大きい場合に
は、中間においてコンベヤ本体1を支持する中間支柱3
0、30が設けられ、また、中間において積込みを行う
場合は、積込み用の中間支柱30Aが設けられる。
【0009】図3及び図4において、コンベヤ本体1の
コンベヤベルト2は、金網、布、剛性ゴム等の可撓性部
材で構成されている。そのコンベヤベルト2の両端縁に
は、間隔D(例えば1m)毎に吊り金具3の一端がボル
ト結合されている。そして、これら複数の吊り金具3の
他端には、抱え込むようにして紐状体すなわちワイヤロ
ープ4が取付けられている。
【0010】図5ないし図7において、、ヘッド部10
のベース11には、全体を符号40で示すワイヤロープ
張力修正装置を介して枠状のフレーム12が矢印Fで示
す搬送方向に前後移動自在に設けられている。なお、以
後搬送方向F側を前方とする。
【0011】図9ないし図12において、ベース11
は、一対のレール11aと、レール11a、11aに直
交するずれ止め用の複数のビーム11bとからなってい
る。その4本のビーム11bに直交し、ワイヤロープ張
力修正装置30の枠状の一対の支持フレーム41が立設
されている。この支持フレーム41、41の前後には、
駆動軸42及び従動軸43が回転自在に支持されてい
る。その駆動軸42の一方(図示の例では左側)の支持
フレーム41の外側には、外側スプロケット44が固設
されており、これら両軸42、43のフレーム41、4
1の内側には、それぞれ一対の内側スプロケット45、
45がそれぞれ固設されている。この外側スプロケット
44と、左側のフレーム41に固設された減速機付きの
駆動モータ46の駆動スプロケット46aとの間には、
外側チェーンベルト47が張設されている。また、内側
スプロケット45a、45bの間には、内側チェーンベ
ルト48が張設され、そのチェーンベルト48には、フ
レーム連結板49が介装されている。したがって、図1
1において駆動モータ46により外側スプロケット44
を反時計方向に回動すると、駆動軸42を介して内側ス
プロケット45a、45bが同方向に回動され、連結板
49が搬送方向に移動されるようになっている。そし
て、図7に示すようにフレーム連結板49、49には、
フレーム12の両側部が連結されている。なお、駆動モ
ータ46には、ワイヤロープ4の張力を一定に保つため
の図示しないロードセルが接続されている。
【0012】図8において、そのフレーム12は、下端
部に軸支された複対のホイール12aによりレール11
a、11aに移動自在に支持され、これらレール11
a、11aの上面には、ラック50がそれぞれ設けられ
ている。また、フレーム12には、ラック50に係合す
る爪50a(図5)が設けられている。そして、部材4
1、50及び50aによりワイヤロープ張力修正装置4
0が構成されている。
【0013】図5ないし図7に戻り、フレーム12の前
部には、駆動モータ13で駆動される駆動ドラム14が
設けられ、その駆動ドラム14の両端縁には図13及び
図14に示すように、一対のワイヤロープ用環状溝14
aが形成され、外周部には、コンベヤベルト2の往路部
分2aに駆動力を伝える縞状胴部14bが形成されてい
る。
【0014】また、フレーム12の上面には、駆動ドラ
ム14側から後方に縮幅される複対(図示の例では3
対)のラインプーリ15と、同じく後方に向けて中央部
の深さH(図15)が深くなる複対(図示の例では3
組)のキャリヤローラ16とが設けられている。また、
先頭のラインプーリ15の下方には、押えローラ17、
17が設けられている。そして、コンベヤベルト2の往
路部分2aはキャリヤローラ16で中央部の深さHが逐
次浅くされると共に、ワイヤロープ4、4がラインプー
リ15、15で逐次拡げられ、フラットな状態で駆動ド
ラム14に移行されるようになっている。また、駆動ド
ラム14で反転された復路部分2bには押えローラ1
7、17が下方から圧接され、駆動力が有効に伝達され
るようになっている。
【0015】図16及び図17において、テール部20
には、移動、固定が自在な支持シュー21が設けられ、
その支持シュー21の上には、枠状のフレーム22が立
設されている。このフレーム22には、コンベヤベルト
2に追従して回転するテールドラム23が設けられ、ま
た、ヘッド部10と同様なキャリヤローラ16及びライ
ンプーリ15が設けられている。なお、図中の符号24
は、コンベヤベルト2の復路部分2bを支持する押えロ
ーラである。そして、テール部20は、フレーム22の
ブラケット22aを図示しないブルトーザで矢印の方に
牽引してワイヤロープ4、4に張力を与えるようになっ
ている。なお、図中の符号25は積込み部である。
【0016】図18ないし図20において、中間支柱3
0には、移動、固定が自在な一対の支持シュー31が設
けられ、これら支持シュー31、31の上には枠状のフ
レーム32が立設されている。そのフレーム32の上面
には、コンベヤベルト2の往路部分2aを支持する2対
のガイド装置33が設けられ、下部には、コンベヤベル
ト2の復路部分2bを支持するキャリヤローラ36が設
けられている。
【0017】図3及び図4をも参照し、前記ガイド装置
33は、ワイヤロープ4を支持する2個のワイヤ受けロ
ーラ34と、そのローラ34と協働してワイヤロープ4
を挟持する1個のワイヤ浮き上り防止用のタイヤローラ
35とが設けられている。そして、両ローラ34、34
及び35は図示しない手段で外側方に付勢されており、
搬送物Wによりコンベヤベルト2の往路部分2aの撓み
に応じ、距離Lだけ移動できるようになっている。
【0018】図21において、積み込み用の中間支柱3
0Aには、受けホッパ37と、3個のキャリヤローラ1
6が複数列設けられ、搬送物Wの荷重を支えるようにな
っている。そして、キャリヤローラ36は、コンベヤベ
ルト2の復路部2bを支えるために設けられている。
【0019】次に作用について説明する。
【0020】コンベヤベルト2に搬送物Wを積むと図3
に示すように、コンベヤベルト2は下方に湾曲する。し
たがって、吊り金具3には、長手方向の張力が発生し、
ワイヤロープ4がワイヤ受けローラ34の環状溝34a
から外れようとするが、ローラ34と共にワイヤロープ
4を挟持しているタイヤローラ35に抑えられ、浮き上
がって外れるのが防止される。
【0021】また、ヘッド部10において、コンベヤベ
ルト2の往路部分2aは、復路部分2bに下方から圧接
された押えローラ17、17によりワイヤロープ4、4
に十分な張力が与えられると共に、駆動ドラム14の縞
状胴部14bで駆動力が有効に伝達される。
【0022】また、前記往路部分2aは、ラインプーリ
15とキャリヤローラ16とで搬送方向に逐次拡巾さ
れ、フラットな状態で駆動ドラム14に移行され、反転
する際に、搬送物Wが排出される。
【0023】また、ワイヤロープ4、4の張力が低下し
た場合は、ロードセルからの信号に基づいて駆動モータ
46が作動し、フレーム12全体を前方に移動すること
により、張力を大きくするように修正する。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
るワイヤプルコンベヤ装置がスムーズに作動するべく工
夫されたものであり、以下に記載されるような効果を奏
する。 (1) 搬送物の重みで、中央部が凹んだコンベヤ本体
は、このヘッド部によりスムーズに反転し搬送物を排出
できる。 (2) ワイヤロープだけで駆動力を伝える場合、長い
ベルトコンベヤ本体を動かすことはできないが、本ヘッ
ド部では、ベルトコンベヤ本体にも駆動力を伝えるよう
に工夫したため、長いベルトコンベヤ本体を駆動でき
る。 (3) ワイヤプルコンベヤ装置の稼働時には、ワイヤ
ロープに緊張力を加えることが必要であるが、この力に
よりワイヤロープに伸びが発生する。この伸びの量は、
搬送物の量に応じて常時変動するが、本発明の張力修正
装置により、一定の緊張力を与えることができ、ワイヤ
プルコンベヤのスムーズな動きが確保できる。 (4) 従来より積込み量を増すことができる。 (5) 搬送物が包み込まれるためコンベアが傾斜して
いてもころがり落ちにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したヘッド部を備えたワイヤプル
コンベヤを示す全体側面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】ベルト本体を示す巾方向の断面図。
【図4】図3の斜視図。
【図5】本発明の実施の一形態を示す側面図。
【図6】図5の上面図。
【図7】図5の前面図。
【図8】図7のフレームのホイール回りの拡大図。
【図9】ワイヤロープ張力調整装置を示す上面図。
【図10】図9の前面図。
【図11】図9の側面図。
【図12】図9の内側チェーンベルトを示す側面図。
【図13】駆動ドラムを示す上半部を断面で示した側面
図。
【図14】図13の外周部を示す断面図。
【図15】図5のA−A矢視断面図。
【図16】テール部を示す側面図。
【図17】図16の上面図。
【図18】中間支柱を示す側面図。
【図19】図18の正面図。
【図20】搬送物を積んだ状態の図18の正面図。
【図21】積込み用の中間支柱を示す正面図。
【符号の説明】
1・・・コンベヤ本体 2・・・コンベヤベルト 2a・・・コンベヤベルトの往路部分 2b・・・コンベヤベルトの復路部分 3・・・吊り金具 4・・・ワイヤロープ 10・・・ヘッド部 11・・・ベース 11a・・・レール 11b・・・ビーム 12、22、32・・・フレーム 12a・・・ホイール 13・・・駆動モータ 14・・・駆動ドラム 14a・・・ワイヤロープ用環状溝 14b・・・縞状胴部 15・・・ラインプーリ 16、36・・・キャリヤローラ 17・・・押えローラ 20・・・テール部 21、31・・・支持シュー 23・・・テールドラム 25・・・積込み部 30・・・中間支柱 30A・・・積込み用の中間支柱 33・・・ガイド装置 34・・・ワイヤ受けローラ 34a・・・環状溝 35・・・タイヤローラ 37・・・受けホッパ 40・・・ワイヤロープ張力修正装置 41・・・支持フレーム 42・・・駆動軸 43・・・従動軸 44・・・外側スプロケット 45・・・内側スプロケット 46・・・駆動モータ 46a・・・駆動スプロケット 47・・・外側チェーンベルト 48・・・内側チェーンベルト 49・・・フレーム連結板 50・・・ラック 50a・・・爪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室 俊 也 新潟県新潟市万代1丁目3番4号 鹿島 建設株式会社 北陸支店内 (72)発明者 羽 場 正 文 東京都小平市小川東町2602番地11 (56)参考文献 特公 昭44−11092(JP,B1) 実公 昭38−20113(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65G 17/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動・固定自在なヘッド部及びテール部
    と、これらヘッド部及びテール部の間に張設されたコン
    ベヤ本体と、前記ヘッド部及びテール部の間に移動・固
    定自在に配設されて前記コンベヤ本体を支持する中間支
    柱とからなり、前記コンベヤ本体は可撓性部材で構成さ
    れ両端縁に複数の吊り金具を介して紐状体が取付けら
    れ、前記ヘッド部、テール部、中間支柱には前記紐状体
    を上下から挟持する複数組のローラが設けられたワイヤ
    プルコンベヤ装置において、前記ヘッド部は、ベース部
    と、該ベース部に設けられたワイヤロープ張力修正装置
    と、該装置により前記ベースに対し搬送方向に前後移動
    自在なフレームと、該フレームに設けられた駆動ドラム
    及び駆動モータと、前記フレームの上面に設けられ前記
    駆動ドラム側から対向する方向に縮幅される複対のライ
    ンプーリ及び該方向に中央部の深さが深くなる複組のキ
    ャリヤローラと、前記コンベヤ本体の復路部分に下方か
    ら圧接する押えローラとを備えていることを特徴とする
    ワイヤプルコンベヤ装置のヘッド部。
  2. 【請求項2】 ワイヤロープ張力修正装置は、ベースに
    支持された駆動軸及び従動軸と、該駆動軸に固設された
    外側スプロケットと駆動モータの駆動スプロケットとの
    間に張設された外側チェーンベルトと、前記駆動軸及び
    従動軸にそれぞれ固設された内側スプロケットの間に張
    設され、途中にフレーム連結板が介装された内側チェー
    ンベルトと、前記ベースに設けられたラックと、前記フ
    レームに設けられ前記ラックに係止される爪とを備えて
    いる請求項1記載のワイヤプルコンベヤ装置のヘッド
    部。
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