JP2968089B2 - 被覆用素材及びそれを用いた腸溶性造粒物 - Google Patents

被覆用素材及びそれを用いた腸溶性造粒物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、胃液中においては難溶
性であるが、腸液中においては溶解性に優れた被覆用素
材及びそれを用いた造粒物に係り、更に詳しくは、口か
ら摂取した後、胃では溶解せず、腸管において初めて溶
解し、腸管で乳酸菌生菌体等の生理活性物質を多量に溶
させ得る被覆用素材及びそれを用いた腸溶性造粒物に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ヒトの腸内には100兆個にも
のぼる細菌が棲息し、その種類は400種を超えると言
われている(ビフィズス菌の科学.馬田三夫.P83−
84参照)このような多種多様な細菌によって構成さ
れている腸内細菌叢のうちで、例えば、ビフィズス菌
(Bifidobacterium)や乳酸菌(例え
ば、Lactobacillus,Leuconost
oc,treptococcus)等の腸内活性菌
は、宿主(ヒト)に対して有害な代謝産物を生成しない
ばかりでなく、それらを生成する有害細菌の増殖を抑制
する働きがある。そこで、このような性質に注目して飲
食物や錠剤中に腸内活性菌を添加し、これを摂取するこ
とによって、腸内細菌叢を腸内活性菌の優勢な細菌叢に
改善し、消化器系の種々の疾患の予防、治療に役立てる
試みがなされている。
【0003】しかしながら、ビフィズス菌や乳酸菌は、
pH4.5以上、嫌気性、36〜42℃の条件で培養さ
れるものであり、特に、pH4.2以下、溶存酸素の存
在、45℃以上の高温においては急激に死滅する。従っ
て、ビフィズス菌や乳酸菌を単にそのまま口から直接摂
取すると、胃液(pH1.0〜1.5、HCl0.2〜
0.5重量%(以下、%と記す))によって死滅し、腸
管内での利用効率が著しく損なわれる。
【0004】従来、例えば、特開昭60−255731
号公報に記載されているようなビフィズス菌体顆粒の製
法が提案されている。この方法は、糖類、有機酸等の賦
形剤及び硬化油と共にビフィズス菌体を造粒することに
より、造粒時の圧力損傷を緩和し、ビフィズス菌体の生
残率を高める方法である。
【0005】しかしながら、この方法においては、顆粒
中におけるビフィズス菌体の生残率は高まるものの、こ
の顆粒を人工胃液(pH1.2)で処理すると、ビフィ
ズス菌体は死滅する。したがって、口より上記顆粒を摂
取した場合、胃液によって相当数の菌体が死滅し、腸内
に生菌体のまま達する割合は少なくなる。また、このよ
うに造粒された菌体は、空気との接触面積が大きいの
で、菌体の活性を保持するための特別な保存方法が必要
である。
【0006】上記欠点を解決する方法として、特開昭6
0−141281号公報に開示されている方法が挙げら
れる。この方法は、アルギン酸ナトリウム、澱粉等の保
護膜形成溶液と生菌体とを混合し、内径1mm以下の細
孔ノズルを用いて凝固液中に滴下し、凝固させ、乾燥し
た後、油脂でコーティングするものである。
【0007】しかしながら、この方法では、生菌体含有
溶液槽と、それを滴下するための細孔ノズルと、生菌体
含有溶液を凝固させるための凝固槽と、凝固した後洗
浄、回収乾燥させるための装置等特別な装置が必要であ
る。また、ノズル1回当りの滴下量が少ないために、生
産に長時間を要し、量産化しにくいという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、口から摂取した後、胃では溶解しにくく、腸管に
おいて溶解し、胃液のpHの影響を受けて、乳酸菌生菌
体等の生理活性物質を死滅等させることなく、腸管で多
量に溶出させ得る、また、長期保存しても生理活性物質
の活性を低下させることのない保存安定性に優れた被覆
用素材及びそれを用いた腸溶性造粒物を提供するにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記
(A)及び(B)の複合層よりなることを特徴とする被
覆用素材によって達成される。 (A)油脂及び賦形剤含有層。 (B)小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の
含水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なく
とも1つを含有してなる層また、上記の目的は、 被造粒物が下記(A)及び(B)
に示される2層で被覆されてなることを特徴とする腸溶
性造粒物によって達成される。 (A)油脂及び賦形剤含有層。 (B)小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の
含水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なく
とも1つを含有してなる層また、上記の目的は、乳酸菌が下記(A)及び(B)に
示される2層で被覆されてなることを特徴とする腸溶性
乳酸菌造粒物によって達成される。 (A)油脂及び賦形剤含有層。 (B)小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の
含水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なく
とも1つを含有してなる層。
【0010】すなわち、本発明者らは、経口摂取した
後、胃液で溶解しにくく、腸内消化液によって溶解し、
かつ、長期保存中に生理活性物質の活性低下を生じない
腸溶性造粒物について検討を行った。その結果、菌体等
の被造粒物を(A)油脂と賦形剤とを含有する層(長期
保存性安定化層)と、(B)小麦、大豆、米、コラーゲ
ン及びゼラチン由来の含水アルコール可溶性蛋白質もし
くはツェインの少なくとも1つを含有してなる層(低p
H域安定化層)との2層よりなる造粒物にすると、胃液
で溶解しにくいので、経口摂取後に生理活性物質が胃液
による影響を受けず、腸管内で生理活性を発揮し、ま
た、長期保存中空気との接触がなく、保存性安定な腸溶
性造粒物とすることができることを見出し、本発明に到
達した。
【0011】次に、本発明を詳しく説明する。本発明に
用いる被造粒物は、乳酸菌(好ましくは生菌数106
/g以上)、ビフィズス菌、酵母等経口摂取した後生体
内(特に腸管内)での利用性が高い微生物や、これらの
エキス、あるいはペプチド等の微生物増殖因子等、胃液
による影響を受けやすい各種生理活性物質等が挙げられ
る。上記微生物は、凍結乾燥された菌体粉末を用いると
よい。
【0012】次に、上記被造粒物を被覆する2層のう
ち、造粒物を長期間にわたって安定化させるための
(A)層(以下、「A層」と記す)には油脂と賦形剤
とが用いられる。本発明において、被覆とは、被覆層
に、被造粒物が混在している場合も含むものである。ま
ず、油脂としては、ヤシ油、パーム油、大豆油、菜種
油、カカオ脂等の植物性油脂やそれらを硬化させた硬化
油等の固体脂やライスワックス、キャンデリラワック
ス、蜂蜜ろう等の食用ワックス等が挙げられる。これら
油脂の融点は、被造粒物の生残性を阻害しない程度の低
温域での均一分散性、展延性の点で30〜45℃が好ま
しい。
【0013】また、同じくA層に用いる賦形剤として
は、馬鈴薯、とうもろこし、米、麦等を原料とする澱粉
や卵、乳、穀類、豆類等を原料とする蛋白質やぶどう
糖、乳糖、蔗糖、麦芽糖等の糖類が挙げられ、これらは
単独でも数種組合せてて用いてもよい。
【0014】次に、上記被造粒物を被覆する2層のう
ち、被造粒物を低pHで安定化させるための(B)層
(以下「B層」と記す)には、とうもろこし中に含まれ
るツェインや、小麦,大豆,米,コラーゲン及びゼラチ
ンに由来する含水アルコール可溶性蛋白質が用いられ
れらは単独でも2種以上併用してもよい。また、
例えば、ツェインをアルカリ処理した後、アセトン抽出
をして得られる分子量5,000〜40,000のツェ
インペプチド等の分画物を用いたり、上記未処理ツェイ
ンとツェインペプチドとを併用してもよい。これらの中
でも、ツェインを用いると、より耐胃液性に優れ、好適
である。また、上記含水アルコール可溶性蛋白質に水溶
性蛋白質を10%程度混合して用いてもよい。
【0015】また、B層には、含水アルコール可溶性蛋
白質の均一溶解分散性を高めるために、必要に応じて、
可塑剤を用いるとよい。可塑剤としては、グリセリン脂
肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤
や、グリセリン、糖アルコール等が挙げられる。この中
でも、特に、グリセリン脂肪酸エステルが含水アルコー
ル可溶性蛋白質の均一溶解分散性、及び被造粒物に被覆
した時の均一被覆性の点で好適である。可塑剤の添加量
は、含水アルコール可溶性蛋白質の量によっても異なる
が、B層溶液全体重量中の0.8%程度がよい。
【0016】上記A層及びB層の被造粒物への被覆は、
A層及びB層のどちらを先に被覆してもよい。A層を先
に被覆した後、B層を被覆した場合は、より耐胃液性に
優れ、また、造粒物を製造する際の作業効率が良好であ
る。逆に、B層を先に被覆した後、A層を被覆した場合
は、より粒度の小さい造粒物を得ることができる。ま
た、本発明の腸溶性造粒物は、A層、B層を交互に何層
か被覆、形成させ、多層造粒物としてもよい。
【0017】次に、上記被造粒物、A層、B層を用いて
本発明の腸溶性造粒物は、例えば、次のようにして製造
することができる。すなわち、A層を先に被覆する場合
には、まず、被造粒物と賦形剤とを混合し、これに予め
液状に溶融させた油脂を加えて保温しながら混合攪拌す
る。保温温度は、油脂の均一分散性、被造粒物の熱変性
防止の点で、好ましくは45℃以下、更に好ましくは3
0〜45℃にする。
【0018】また、油脂の使用量は、A層全体重量中の
10〜30%とすることが望ましい。油脂が10%未満
であると、被造粒物表面を十分に油脂で被覆することが
出来ず、長期保存性、耐胃液性が悪くなる傾向にある。
逆に、30%を超えると、造粒時に滑り現象が生じ、造
粒しにくい傾向になる。また、賦形剤の使用量は適宜設
定すれば良いが、油脂の均一分散性、被造粒物への油脂
被覆適性、造粒適性の点からA層全体重量中の30〜8
0%であることが望ましい。
【0019】次に、上記混合物を攪拌しながら、造粒装
置に供給し、造粒する。造粒装置としては、例えば、ス
クリーン付き造粒機、エクストルーダー等が挙げられ、
冷却手段を備えたものが造粒物を早く固形化できるので
好適である。
【0020】このようにして得られたA層被覆物に、B
層を噴霧・浸漬等によって被覆する。すなわち、まず、
含水アルコール可溶性蛋白質を含水アルコール中に分
散、溶解する。ここで用いる含水アルコールは、アルコ
ール濃度85〜95%程度が望ましい。即ち、この範囲
を逸脱すると、含水アルコール可溶性蛋白質の含水アル
コール中への均一分散、溶解性が悪くなる傾向にある。
また、このとき、含水アルコール可溶性蛋白質と含水ア
ルコールの比率は、含水アルコール可溶性蛋白質1に対
し含水アルコール6〜14にすることが均一溶解性、分
散性の点で望ましい。また、このとき、必要に応じて可
塑剤を加える。
【0021】次に、含水アルコールに分散溶解した溶液
をA層造粒物表面に施与しながら乾燥する工程を繰返し
てB層を形成させる。施与する方法としては、噴霧、浸
漬等が挙げられる。例えば、噴霧する場合には、レボリ
ングパン等の転動機や、流動乾燥機、遠心流動造粒乾燥
機等を用いれば良い。
【0022】このようにして得られた腸溶性造粒物の全
体重量中、含水アルコール可溶性蛋白質は、好ましくは
5〜50%、更に好ましくは15〜35%含まれている
ことが望ましい。含水アルコール可溶性蛋白質が5%未
満だと、耐胃液性が悪くなる傾向にあり、逆に、50%
を超えると、口中での食感が悪くなる傾向にある。
【0023】このようにして得られた腸溶性造粒物は、
そのまま経口摂取するようにしてもよく、あるいは粉末
ジュースやチューインガム、キャンディのセンターに利
用するようにしてもよい。また、香料、乳製品等を加え
て打錠した保健食品としてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の被覆用素材は、
油脂及び賦形剤を含有するA層(長期保存性安定化層)
と、小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の
水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なくと
も1つを含有するB層(低pH域安定化層)との2層か
らなることにより、胃液中では溶解しにくく、腸内にお
て溶解する。すなわち、本発明の被覆用素材を用いて
腸内生理活性物質等を被覆した造粒物は、口から摂取し
た後に胃液による影響を受け難く、腸管内でその生理活
性を発揮することができる。また、長期保存性が安定で
ある。また、従来の造粒装置等を用いて連続的に製造す
ることができるので量産化することも可能である。
【0025】次に、本発明を実施例に基づき具体的に説
明する。
【0026】〔実施例1〕ラクトバチルス アシドフィ
ラス(Lactobacillus acidophi
lus)の乾燥乳酸菌体粉末(生菌数1010個/g)2
7重量部(以下、部と記す)と、脱脂粉乳170部及び
ぶどう糖28部の賦形剤とを混合し、この混合物に、4
0℃で溶融したパーム油脂75部を加えて攪拌した後、
孔径0.8mmのスクリーンを設けた押出顆粒機にて長
さ1.5〜2mmのA層被覆物を得た。
【0027】次に、ツェイン75部をエタノール水溶液
488部(エタノール375部,水113部)に少量ず
つ添加しながら分散溶解させ、次いで、グリセリン脂肪
酸エステル4部を添加し、被覆溶液とした。そして、遠
心造粒乾燥機を用い、ローター回転数120rpm,品
温25℃,ブロアー150L/minの条件下で上記A
層被覆物に上記被覆溶液を噴霧し、最終的にツェイン2
2%,油脂19%の腸溶性造粒物を得た。
【0028】〔比較例1〕実施例1において、被覆溶液
を用いない他は実施例1と同様にして造粒物を得た。
【0029】〔比較例2〕実施例1において、パーム油
脂を水に置換する他は実施例1と同様にして造粒物を得
た。
【0030】上記実施例1,比較例1・2で得られた造
粒物1.00gを正秤し、人工胃液(0.12M−HC
l,NaCl2%,ペプシン0.32%,pH1.2)
50gに3時間浸漬し、次に、これを濾過し、得られた
残留物を滅菌水で洗浄後、直ちに人工腸液(0.1M−
KH2 PO4 ,0.1M−Na2 HPO4 ・2H2 O,
1:6,pH7.5)に37℃,2時間浸漬した。この
浸漬後の乳酸菌の残存生菌数を平板培養の常法で調べ
た。また、初期生菌数は、人工腸液のみ(人工胃液の浸
漬せず)の浸漬後の生菌数を調べた。更に、各造粒物を
20℃で4ケ月間保存した後の生菌数を調べた。その結
果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】上記の結果から、本発明の腸溶性造粒物は
耐胃液性に優れた造粒物であった。また、保存性も安定
であった。
【0033】〔実施例2〜5〕油脂使用量(A層被覆物
全体重量中に占める重量%)を表2の割合にする他は実
施例1と同様にして造粒物を得た。得られた造粒物の耐
胃液性を実施例1と同様にして調べた。尚、油脂の増減
に伴い、脱脂粉乳量を調整した。以上の結果を表2に示
す。
【0034】
【表2】
【0035】表2の結果から、油脂30%添加に於ても
生菌数は高く、造粒時に滑性現象が起こらず、造粒適性
が良好であった。
【0036】〔実施例6〜8〕実施例1のツェインを表
3の様に含水アルコール可溶に分画した各々の含水アル
コール可溶性蛋白質に代える他は実施例1と同様にして
造粒物を調製し、生菌数を測定した。その結果を表3に
示す。
【0037】
【表3】
【0038】上記の結果から、含水アルコール可溶性の
蛋白質を用いた本発明の腸溶性造粒物は胃液耐性に優れ
た造粒物であった。
【0039】〔実施例9〜13〕実施例1のツェインの
含有量を表4の様に代える他は、実施例1と同様にして
造粒物を調製し、生菌数を測定した。以上の結果を表4
にあわせて示す。
【0040】
【表4】
【0041】表4の結果から、ツェイン含有量が15%
以上であると、特に、被造粒物が胃液耐性を発揮し良好
であった。
【0042】〔実施例14〕実施例1の乾燥乳酸菌体末
を生菌数109 個/g含有するラクトバチルス カゼイ
(Lactobacillus casei)とストレ
プトコッカス サーモフィラス(Streptococ
cus thermophillus)とを併用した乾
燥乳酸菌体末に置換する他は実施例1と同様に行った。
その結果、残存生菌数は107 個/gで良好であった。
【0043】〔実施例15〕実施例1の乾燥乳酸菌体末
を生菌数109 個/g含有するビフィドバクテリウム
ロングム(Bifidobacterium long
um)の乾燥ビフィズス菌体末に置換する他は実施例1
と同様に行った。常法に従い、この生菌数の確認として
嫌気ジャーを用いて嫌気条件下で培養を行った。その結
果、残存生菌数は107 個/gで良好な結果が得られ
た。
【0044】〔実施例16〕実施例15の賦形剤をビフ
ィズス菌の増殖因子とされるオリゴ糖を使用し、次の通
りにする他は実施例15と同様に行った。すなわち、脱
脂粉乳150部,ぶどう糖18部,オリゴ糖30部の賦
形剤から成る混合物とした。得られた腸溶性造粒物の残
存生菌数は107 個/gと略同等で良好であった。
【0045】〔実施例17〕実施例1の被覆溶液をツェ
インとゼラチンを併用し、次の様にする他は実施例1と
同様に行った。ゼラチン8部を水113部に溶解し、エ
タノール375部を加えた溶媒溶液にツェイン75部を
少量ずつ添加しながら分散溶解し、次いで糖アルコール
4部を添加したものを被覆溶液とした。得られた腸溶性
造粒物の残存生菌数は108 個/gと同等で良好であっ
た。
【0046】〔実施例18〕ラクトバチルス アシドフ
ィラス(Lactobacillus acidoph
ilus)の乾燥乳酸菌体末(生菌数1010個/g)の
被造粒物にツェイン75部をエタノール水溶液488部
(エタノール375部,水113部)と分散溶解した被
覆溶液を遠心乾燥造粒機にて被覆乾燥した。次に、脱脂
粉乳100部,粉糖50部と溶融したパーム硬化油脂1
50部との混合物を該被覆乾燥物に回転釜を用いて被覆
し、腸溶性造粒物を得た。得られた腸溶性造粒物は初期
生菌数108 個/g,残存生菌数は108 個/gであ
り、本発明の構成要件を満たしていた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 35/78 C12N 1/20 C C12N 1/20 A23G 3/00 101 // A23G 3/00 101 3/30 3/30 A23L 2/00 Q

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)及び(B)の複合層よりなるこ
    とを特徴とする被覆用素材。 (A)油脂及び賦形剤含有層。 (B)小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の
    含水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なく
    とも1つを含有してなる層
  2. 【請求項2】被造粒物が下記(A)及び(B)に示され
    る2層で被覆されてなることを特徴とする腸溶性造粒
    物。 (A)油脂及び賦形剤含有層。 (B)小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の
    含水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なく
    とも1つを含有してなる層
  3. 【請求項3】乳酸菌が下記(A)及び(B)に示される
    2層で被覆されてなることを特徴とする腸溶性乳酸菌造
    粒物。 (A)油脂及び賦形剤含有層。 (B)小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の
    含水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なく
    とも1つを含有してなる層
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