JP3202053B2 - 腸溶性造粒物 - Google Patents

腸溶性造粒物

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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、胃液中においては難溶
性を示し、腸液中においては溶解性に優れた造粒物に係
り、更に詳しくは、口から摂取した後、胃では溶解せ
ず、腸管において初めて溶解し、腸管で乳酸菌生菌体等
の生理活性物質を多量に溶出し得る腸溶性造粒物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、体内において、腸内細菌叢の有益
菌とされているビフィズス菌、一般乳酸菌等を増加さ
せ、有害菌とされている大腸菌、バクテロイデス菌等の
増殖を抑制し、常在性細菌叢を改善することにより、消
化器系の種々の疾患の予防、治療を行うことが試みられ
ている。上記有益菌を増加させる方法としては、これら
を含有する飲食物や錠剤を摂取する方法が挙げられる。
【0003】しかしながら、ビフィズス菌や乳酸菌は、
pH4.5以上、嫌気性、36〜42℃の条件で培養さ
れるものであり、特に、pH4.2以下、溶存酸素の存
在、45℃以上の高温においては急激に死滅する。従っ
て、ビフィズス菌や乳酸菌を単にそのまま口から直接摂
取すると、胃液(pH1.0〜1.5、HCl 0.2
〜0.5重量%(以下、%と記す))によって死滅し、
腸管内での利用効率が著しく損なわれる。
【0004】従来、例えば、特開昭60−255731
号公報に記載されているようなビフィズス菌体顆粒の製
法が提案されている。この方法は、糖類、有機酸等の賦
形剤及び硬化油と共にビフィズス菌体を造粒することに
より、造粒時の圧力損傷を緩和し、ビフィズス菌体の生
残率を高める方法である。
【0005】しかしながら、この方法においては、顆粒
中におけるビフィズス菌体の生残率は高まるものの、こ
の顆粒を人工胃液(pH1.2)で処理すると、ビフィ
ズス菌体は死滅する。したがって、口より上記顆粒を摂
取した場合、胃液によって相当数の菌体が死滅し、腸内
に生菌体のまま達する割合は少なくなる。また、このよ
うに造粒された菌体は、空気との接触面積が大きいの
で、菌体の活性を保持するための特別な保存方法が必要
である。
【0006】前記欠点を解決する方法として、特開昭6
0−141281号公報に開示されている方法が挙げら
れる。この方法は、アルギン酸ナトリウム、澱粉等の保
護膜形成溶液と生菌体とを混合し、内径1mm以下の細
孔ノズルを用いて凝固液中に滴下し、凝固させ、乾燥し
た後、油脂でコーティングするものである。
【0007】しかしながら、この方法では、生菌体含有
溶液槽と、それを滴下するための細孔ノズルと、生菌体
含有溶液を凝固させるための凝固槽と、凝固した後洗
浄、回収乾燥させるための装置等特別な装置が必要であ
る。また、ノズル1回当りの滴下量が少ないために、生
産に長時間を要し、量産化しにくいという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、経口摂取した後、低pHの胃内では溶解せず、腸
管において初めて溶解し、胃液のpHの影響を受けて、
乳酸菌生菌体等の生理活性物質が死滅等することなく、
腸管で多量に溶出し得、また、長期保存しても生理活性
物質の活性が低下することのない保存性安定な腸溶性造
粒物を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、被造粒物
が生理活性物質であり、かつ、下記(A)層としてA 1
もしくはA 2 が下記(B)層及び下記(C)層に示され
る層で順次被覆されてなることを特徴とする腸溶性造粒
物によって達成される。 (A)A1被造粒物を被覆する油脂及び賦形剤含有層。
2被造粒物、油脂及び賦形剤含有層。 (B)油脂含有層。 (C)小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の
含水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なく
とも1つを含有してなる層。
【0010】すなわち、本発明者らは、経口摂取した
後、胃液で溶解することなく、腸内消化液によって溶解
し、かつ、長期保存中に生理活性物質の活性低下を生じ
ない腸溶性造粒物について検討を行った。その結果、
(A)A1被造粒物を被覆する油脂と賦形剤とを含有す
る層、もしくは、A2被造粒物、油脂及び賦形剤とを含
有する層(長期保存安定化層)と(C)小麦、大豆、
米、コラーゲン及びゼラチン由来の含水アルコール可溶
性蛋白質もしくはツェインの少なくとも1つを含有して
なる層(低pH域安定化層)との2層よりなる造粒物に
すると、経口摂取しても胃液で溶解せず、腸管で溶解し
て生理活性を発揮し得、また、長期保存中、空気との接
触がほとんどなく、保存性の安定した腸溶性造粒物とな
ることを見いだした。更に、(A)層と(C)層との間
に、(B)油脂含有層(水、アルコールに安定な層)を
設けると、被造粒物に、製造工程中の水、アルコールが
吸着し、被造粒物が変質することを防止できることを見
いだし本発明に到達した。
【0011】次に、本発明を詳しく説明する。本発明に
用いる被造粒物は、乳酸菌(好ましくは生菌数106
/g以上)、ビフィズス菌、酵母等経口摂取した後生体
内(特に腸管内)での利用性が高い微生物や、これらの
エキス、あるいはぺプチド等の微生物増殖因子等、胃液
による影響を受けやすい各種生理活性物質である。上記
微生物は、凍結乾燥、減圧噴霧乾燥された菌体粉末を用
いるとよい れらは、単独でも、2種以上組み合せて
もよい。
【0012】次に、上記被造粒物を被覆する3層のう
ち、造粒物を長期間にわたって安定化させるための
(A)層には、油脂と賦形剤とを用いる。本発明におい
て、(A)層における被覆とは、被覆層に、被造粒物が
混在している場合も含むものである。
【0013】まず、油脂としては、ヤシ油、パーム油、
大豆油、菜種油、カカオ脂等の植物性油脂やそれらを硬
化させた硬化油等の固体脂やライスワックス、キャンデ
リラワックス、蜂蜜ろう等の食用ワックス等が挙げられ
る。これら油脂の融点は、被造粒物の生残性を阻害しな
い程度の低温域での均一分散性、展延性の点で30〜4
5℃が好ましい。
【0014】また、(A)層に用いる賦形剤としては、
馬鈴薯、とうもろこし、米、麦等を原料とする澱粉や
卵、乳、穀類、豆類等を原料とする蛋白質やぶどう糖、
乳糖、蔗糖、麦芽糖等の糖類等が挙げられ、これらは単
独でも数種組合せて用いてもよい。
【0015】本発明の造粒物は、被造粒物を水、アルコ
ールに対して安定化させるために、油脂層((B)層)
を形成させる。使用する油脂は、上記(A)層に使用す
る油脂と同様のものが挙げられる。
【0016】次に、上記被造粒物を被覆する3層のう
ち、被造粒物を低pHで安定化させるための(C)層に
小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の含水
アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なくとも
1つを含有させるれらは単独でも2種以上併用して
もよい。また、例えば、ツェインをアルカリ処理した
後、アセトン抽出をして得られる分子量5,000〜4
0,000のツェインペプチド等の分画物を用いたり、
上記未処理ツェインとツェインペプチドとを併用しても
よい。これらの中でも、ツェインを用いると、より耐胃
液性に優れ、好適である。また、上記小麦、大豆、米、
コラーゲン及びゼラチン由来の含水アルコール可溶性蛋
白質もしくはツェインの少なくとも1つに水溶性蛋白質
を10重量%(以下、%と記す)程度混合し、乾燥した
乾燥物を用いてもよい。
【0017】また、(C)層には、小麦、大豆、米、コ
ラーゲン及びゼラチン由来の含水アルコール可溶性蛋白
質もしくはツェインの均一溶解分散性を高めるために、
必要に応じて、可塑剤を用いるとよい。可塑剤として
は、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル等の乳化剤や、グリセリン、糖アルコール等が挙げ
られる。この中でも、特に、グリセリン脂肪酸エステル
小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の含水
アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの均一溶解分
散性、及び被造粒物に被覆した時の均一被覆性の点で好
適である。可塑剤の添加量は、小麦、大豆、米、コラー
ゲン及びゼラチン由来の含水アルコール可溶性蛋白質も
しくはツェインの量によっても異なるが、(C)層溶液
全体重量中の0.8%程度がよい。
【0018】次に、上記被造粒物、(A)〜(C)層を
用いて本発明の腸溶性造粒物は、例えば、次のようにし
て製造することができる。すなわち、まず、被造粒物と
賦形剤とを混合し、これに予め液状に溶融させた油脂を
加えて保温しながら混合攪拌する。保温温度は、油脂の
均一分散性、被造粒物の熱変性防止の点で、好ましくは
45℃以下、更に好ましくは30〜45℃にする。
【0019】また、(A)層の油脂の使用量は、造粒物
全体重量中、5〜30%となるようにすることが望まし
い。油脂が5%未満であると、被造粒物表面を十分に油
脂で被覆することが出来ず、長期保存性、耐胃液性が悪
くなる傾向にある。逆に、30%を超えると、造粒時に
滑り現象が生じ、造粒し難い傾向になる。また、賦形剤
の使用量は、適宜設定すれば良いが、油脂の均一分散
性、被造粒物への油脂被覆適性、造粒適性の点から造粒
物全体重量中、5〜45%とすることが望ましい。
【0020】次に、上記混合物を攪拌しながら、造粒装
置に供給し、造粒する。造粒装置としては、例えば、ス
クリーン付き造粒機、エクストルーダー等が挙げられ、
冷却手段を備えたものが造粒物を早く固形化できるので
好適である。
【0021】このようにして得られた(A)層被覆物
を、20℃以下で、数時間静置し、熟成させるとよい。
この熟成を行わないと、保形性に劣るようになる傾向が
ある。また、熟成を20℃を超えた温度で行うと、相互
結着を起こすことがある。
【0022】次に、上記(A)層被覆物に、油脂を造粒
物全体重量中、好ましくは5〜15%被覆する。油脂が
5%未満であると、被造粒物への水やアルコールの吸着
を起こし易く、逆に、15%を超えると、被造粒物も含
有量の低下並びに形状が過大になる傾向にある。また、
被覆する方法は、レボリングパン、流動乾燥機、遠心流
動造粒乾燥機等により、溶融した30〜40℃の油脂を
噴霧するか、または、粉末状の油脂を(A)層被覆物に
添加し、溶融して油脂層を形成させるようにすればよ
い。
【0023】次に、(C)層を噴霧・浸漬等によって被
覆する。すなわち、まず、小麦、大豆、米、コラーゲン
及びゼラチン由来の含水アルコール可溶性蛋白質もしく
はツェインを含水アルコール中に分散、溶解する。ここ
で用いる含水アルコールは、アルコール濃度85〜95
%程度が望ましい。即ち、この範囲を逸脱すると、
麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の含水アル
コール可溶性蛋白質もしくはツェインの含水アルコール
中への均一分散、溶解性が悪くなる傾向にある。
【0024】また、このとき、小麦、大豆、米、コラー
ゲン及びゼラチン由来の含水アルコール可溶性蛋白質も
しくはツェインと含水アルコールの比率は、小麦、大
豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の含水アルコール
可溶性蛋白質もしくはツェイン1に対し含水アルコール
6〜14にすることが均一溶解性、分散性の点で望まし
い。また、このとき、必要に応じて可塑剤を加える。
【0025】次に、含水アルコールに分散溶解した溶液
を(B)層被覆物表面に施与し、乾燥する工程を繰返し
て(C)層を形成させる。施与する方法としては、噴
霧、浸漬等が挙げられる。例えば、噴霧する場合には、
上記油脂被覆のときと同様に、レボリングパン等の転動
機や、流動乾燥機、遠心流動造粒乾燥機等を用いれば良
い。
【0026】このようにして得られた腸溶性造粒物の全
体重量中、小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由
来の含水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少
なくとも1つは、好ましくは5〜50%、更に好ましく
は10〜30%含まれていることが望ましい。小麦、大
豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の含水アルコール
可溶性蛋白質もしくはツェインの少なくとも1つが5%
未満だと、耐胃液性が悪くなる傾向にあり、逆に、50
%を超えると、口中での食感が悪くなる傾向にある。
【0027】このようにして得られた腸溶性造粒物は、
そのまま経口摂取するようにしてもよく、あるいは粉末
ジュースやチューインガム、キャンディのセンターに利
用するようにしてもよい。また、香料、乳製品等を加え
て打錠した保健食品としてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明の腸溶性造粒物
は、油脂及び賦形剤を含有する(A)層(長期保存性安
定化層)と、油脂を含有する層(B)層と、小麦、大
豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の含水アルコール
可溶性蛋白質もしくはツェインの少なくとも1つを含有
してなる(C)層(低pH域安定化層)との3層により
腸内生理活性物質の被造粒物が被覆されているので、胃
液中で造粒物が溶解することなく、生理活性物質が、口
から摂取した後に胃液による影響を受けず、腸管内でそ
の生理活性を発揮することができる。また、長期保存性
が安定である。
【0029】また、(B)層を設けることにより、水、
アルコールを吸着し、変質し易い被造粒物を用いても、
(C)層形成の製造工程中に使用する水、アルコール
に、被造粒物が影響を受けることなく、安定な被造粒物
を得ることができる。また、従来の造粒装置等を用いて
連続的に製造することができるので量産化することも可
能である。
【0030】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。 〔実施例1〕ラクトバチルス アシドフィラス(Lac
tobacillus acidophilus)の乾
燥乳酸菌体粉末(生菌数1010個/g)27重量部(以
下、部と記す)及びプランタゴオバタ粉末28部と、賦
形剤として脱脂粉乳170部とを混合し、この混合物
に、40℃で溶融したパーム油脂85部を加えて攪拌し
た後、孔径0.8mmのスクリーンを設けた押出顆粒機
にて長さ1.5〜2mmの(A)層被覆物を得た。
【0031】次に、(A)層被覆物を、送風の温度調整
が可能な回転機に投入し、40℃で溶融したパーム油脂
50部をスプレーにて全表面に施与した後、冷送風にし
て油脂を固化し、(B)層を形成した。
【0032】次に、ツェイン75部をエタノール水溶液
488部(エタノール375部,水113部)に少量ず
つ添加しながら分散溶解させ、次いで、グリセリン脂肪
酸エステル4部を添加し、被覆溶液とした。そして、遠
心造粒乾燥機を用い、ローター回転数120rpm,品
温25℃,ブロアー150L/minの条件下で上記
(B)層被覆物に上記被覆溶液を噴霧、乾燥し、最終的
にツェイン17%,油脂31%の腸溶性造粒物を得た。
【0033】〔比較例1〕実施例1において、油脂層
((B)層)を形成しない他は実施例1と同様にして造
粒物を得た。
【0034】〔比較例2〕実施例1において、油脂層を
得るために用いた油脂を前工程の油脂に合わせて135
部の油脂を(A)層に用い、その他は実施例1と同様に
して造粒物を得た。
【0035】〔比較例3〕実施例1において、被覆溶液
を用いない他は実施例1と同様にして造粒物を得た。
【0036】上記実施例1,比較例1〜3で得られた造
粒物1.00gを正秤し、人工胃液(0.12M−HC
l,NaCl2%,ペプシン0.32%,pH1.2)
50gに2時間浸漬し、次に、これを濾過し、得られた
残留物を滅菌水で洗浄後、直ちに人工腸液(0.1M−
KH2 PO4 ,0.1M−Na2 HPO4 ・2H2 O,
1:6,pH6.8)に37℃,1時間浸漬した。この
浸漬後の乳酸菌の残存生菌数を平板培養の常法で調べ
た。また、初期生菌数は、人工腸液のみ(人工胃液の浸
漬せず)の浸漬後の生菌数を調べた。更に、各造粒物を
20℃で4ケ月間保存した後の生菌数を調べた。その結
果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】上記の結果から、実施例の腸溶性造粒物は
耐胃液性に優れた造粒物であった。また、保存性も安定
であった。一方、比較例1、2は、(B)層を形成させ
なかったため、プランタゴオバタがエタノール水溶液を
吸着して変質し、混在している乳酸菌にも影響を与え
た。
【0039】〔実施例2〜5〕油脂使用量(造粒物全体
重量中に占める重量%)を表2の割合にする他は実施例
1と同様にして造粒物を得た。得られた造粒物の耐胃液
性を実施例1と同様にして調べた。尚、(A)層の油脂
の増減に伴い、脱脂粉乳量を調整した。以上の結果を表
2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2の結果から、油脂30%添加に於て
も、造粒時に滑性現象が起こらず、造粒適性が良好で、
生菌数は高かった。また、(B)層の油脂5〜15%の
被覆効果により、耐胃液性の造粒物であった。
【0042】〔実施例6〜8〕 実施例1のツェインを表3の様に含水アルコール可溶に
分画した大豆蛋白、小麦蛋白及びゼラチンに代える他は
実施例1と同様にして造粒物を調製し、生菌数を測定し
た。その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】上記の結果から、大豆蛋白、小麦蛋白及び
ゼラチンを用いた本発明の腸溶性造粒物は胃液耐性に優
れた造粒物であった。
【0045】〔実施例9〜13〕実施例1のツェインの
含有量を表4の様に代える他は、実施例1と同様にして
造粒物を調製し、生菌数を測定した。以上の結果を表4
にあわせて示す。
【0046】
【表4】
【0047】表4の結果から、ツェイン含有量が10%
以上であると、特に、被造粒物が胃液耐性を発揮し良好
であった。
【0048】〔実施例14〕実施例1の乾燥乳酸菌体末
を生菌数109 個/g含有するラクトバチルス カゼイ
(Lactobacillus casei)とストレ
プトコッカス サーモフィラス(Streptococ
cus thermophillus)とを併用した乾
燥乳酸菌体末に、プランタゴオバタ粉末をポリデキスト
ロースに置換する他は実施例1と同様に行った。その結
果、残存生菌数は107 個/gで良好であった。
【0049】〔実施例15〕実施例1の乾燥乳酸菌体末
を生菌数109 個/g含有するビフィドバクテリウム
ロングム(Bifidobacterium long
um)の乾燥ビフィズス菌体末に、プランタゴオバタ粉
末を大豆蛋白質と海草粉末に等量で置換する他は実施例
1と同様に行った。常法に従い、この生菌数の確認とし
て嫌気ジャーを用いて嫌気条件下で培養を行った。その
結果、残存生菌数は107 個/gで良好な結果が得られ
た。
【0050】〔実施例16〕実施例15の賦形剤をビフ
ィズス菌の増殖因子とされるオリゴ糖を使用し、次の通
りにする他は実施例15と同様に行った。すなわち、脱
脂粉乳150部,ぶどう糖18部,オリゴ糖30部の賦
形剤から成る混合物とした。得られた腸溶性造粒物の残
存生菌数は107 個/gと略同等で良好であった。
【0051】〔実施例17〕実施例1の被覆溶液をツェ
インとゼラチンを併用し、次の様にする他は実施例1と
同様に行った。ゼラチン8部を水113部に溶解し、エ
タノール275部を加えた溶媒溶液にツェイン75部を
少量ずつ添加しながら分散溶解し、次いで糖アルコール
4部を添加したものを被覆溶液とした。得られた腸溶性
造粒物の残存生菌数は108 個/gと同等で良好であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 35/74 A61K 35/74 A C12N 1/04 C12N 1/04 1/20 1/20 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/42 A23L 1/00 A23L 1/30 A61K 9/14 A61K 9/20 A61K 35/74 C12N 1/04 C12N 1/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被造粒物が生理活性物質であり、かつ、
    下記(A)層としてA 1 もしくはA 2 が下記(B)及び下
    記(C)に示される層で順次被覆されてなることを特徴
    とする腸溶性造粒物。 (A)A1被造粒物を被覆する油脂及び賦形剤含有層。
    2被造粒物、油脂及び賦形剤含有層。 (B)油脂含有層。 (C)小麦、大豆、米、コラーゲン及びゼラチン由来の
    含水アルコール可溶性蛋白質もしくはツェインの少なく
    とも1つを含有してなる層。
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