JP2968073B2 - エンジンの排気装置 - Google Patents

エンジンの排気装置

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JP2968073B2
JP2968073B2 JP6012691A JP6012691A JP2968073B2 JP 2968073 B2 JP2968073 B2 JP 2968073B2 JP 6012691 A JP6012691 A JP 6012691A JP 6012691 A JP6012691 A JP 6012691A JP 2968073 B2 JP2968073 B2 JP 2968073B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの排気装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両には、エンジンの排気ガス
を排出するために排気装置が設けられるが、縦置き搭載
型エンジンを備えた車両においては、排気装置に、エン
ジン近傍から車両後端部にわたって車両前後方向に伸長
する排気管が設けられる。そして、排気音を低減するた
めに、通常、排気管の中間部にはプリサイレンサが介設
され、また排気管の後端部にはメインサイレンサが設け
られる。ここで、プリサイレンサないしメインサイレン
サは、比較的体積が大きいので、これらとプロペラシャ
フト等との間の干渉を避けるために、エンジン出力軸の
軸線の延長線すなわちほぼ車両中心線に対して車両幅方
向にオフセットした位置に配置される(例えば、実開平
2−64712号公報参照)。したがって、排気管は、
少なくとも中間部から後端部にかけて、車両中心線に対
して車両幅方向にオフセットして配置されることにな
る。
【0003】このように、基本的には車両前後方向に伸
長する排気管においては、普通、その前端部近傍の部分
と、中間部分と、後端部近傍の部分とが、夫々支持部材
を介して車両本体側(パワープラント系を含む)に取り付
けられる。ここで、各支持部材には、排気管側と車両本
体側との間の相対変位ないし振動を吸収するために、ゴ
ムその他の弾性材料からなる弾性部材(防振材)が設けら
れる。具体的には、例えば、支持部材は、弾性部材と、
一端が車両本体側に固定され他端が弾性部材の上部に連
結される上側ハンガ部材と、一端が排気管側に固定され
他端が弾性部材の下部に連結される下側ハンガ部材とで
構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる支持
部材においては、平面的にみて、弾性部材の変位しうる
範囲いわゆる変位しろが、方向によって異なるといった
特性をもつ。例えば、細長いハンガ部材を弾性部材を貫
通させて、これらを連結するようにした普通の支持部材
では、連結部分において、ハンガ部材が伸長する方向に
ついては、ハンガ部材によって弾性部材の変形が規制さ
れるので、変位しろが小さくなり、他方これと直交する
方向については、弾性部材の変形がそれほど規制されな
いので、変位しろが大きくなる。そして、支持部材は、
弾性部材の変位しろが大きい方向については、排気管と
車両本体側との間の相対変位ないし振動を有効に吸収す
ることができるが、変位しろが小さい方向についてはこ
れらをそれほど吸収することができない。
【0005】ところで、縦置き搭載型エンジンを備えた
車両においては、エンジンないしトランスミッションの
ローリングによって、排気管に、車両幅方向の変位ない
し振動が惹起される。そして、排気管が前記のように中
間部以降で車両中心線に対してオフセットして配置され
ている場合には、ローリングによる車両幅方向の変位な
いし振動が助長される。他方、加減速時の慣性力あるい
は熱膨張によって、排気管には、車両前後方向の変位な
いし振動が惹起される。したがって、排気管には、少な
くとも車両幅方向と車両前後方向の変位ないし振動が発
生することになる。しかしながら、上記従来の支持部材
においては、弾性部材の変位しろが小さい方向について
は、排気管の変位ないし振動を有効に吸収することがで
きないので、すべての方向の変位ないし振動を有効に吸
収できるわけではなく、このため排気管に強い応力が発
生し、その耐久性が低下するといった問題がある。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、排気管と車両本体側との間
の相対変位ないし振動を有効に吸収して、排気管の耐久
性の向上を図ることができる、縦置き搭載型エンジンの
排気装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、エンジン近傍から車両後端部近傍に
わたって配置され中間部に容積室が介設された排気管
と、該排気管を夫々エンジン近傍の部分と容積室と後端
部近傍の部分とで弾性部材を介して支持する複数の支持
部材とが設けられた縦置き搭載型エンジンの排気装置に
おいて、排気管のエンジン近傍の部分を支持する支持部
材の弾性部材の向きが、容積室を支持する支持部材の弾
性部材の向きに対してほぼ直角方向に設定されていて、
排気管のエンジン近傍の部分を支持する支持部材が、そ
の弾性部材の車両幅方向の変位しろが車両前後方向の変
位しろに対して大きくなるように形成され、容積室を支
持する支持部材が、その弾性部材の車両前後方向の変位
しろが車両幅方向の変位しろに対して大きくなるように
形成され、かつ容積室を支持する支持部材の近傍にダイ
ナミックダンパが設けられていることを特徴とするエン
ジンの排気装置を提供する。
【0008】第2の発明は、第1の発明にかかるエンジ
ンの排気装置において、容積室が、エンジン出力軸の軸
線に対して車両幅方向にオフセットして配置されている
ことを特徴とするエンジンの排気装置を提供する。ま
た、第3の発明は、(a)エンジン近傍から車両後端部
近傍にわたって配置された排気管と、(b)排気流れ方
向にみて上流側から下流側に向かって順に排気管に介設
された第1、第2及び第3の容積部と、(c)第1の容
積部の上流側で、排気管を弾性部材を介して車体本体側
に連結する第1の支持部材と、(d)第2の容積部を、
弾性部材を介して車体本体側に連結する第2の支持部材
と、(e)第2の容積部と第3の容積部との間で、排気
管を弾性部材を介して車体本体側に連結する第3の支持
部材と、(f)第3の容積部の下流側で、排気管を弾性
部材を介して車体本体側に連結する第4の支持部材と、
(g)第2の支持部材の近傍に配置され、第2の容積部
に固定されたダイナミックダンパとが設けられているこ
とを特徴とする縦置き搭載型エンジンの排気装置を提供
する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1と図2とに示すように、車両には、第1,第2バン
ク1,2を備えたV型エンジンEが、縦置きにすなわち
気筒列が車両前後方向(図1,図2では左右方向)を向く
ようにして配置され、このエンジンEの後側(図1,図2
では右側)にトランスミッション3が配置されている。
【0010】そして、エンジンEの排気ガスを排出する
ために、エンジン近傍から車両後端部近傍にわたって車
両前後方向に伸長する排気管系Hが設けられている。こ
の排気管系Hにおいては、第1バンク1側の各気筒の排
気ガスが第1排気通路4に排出される一方、第2バンク
2側の各気筒の排気ガスが第2排気通路5に排出される
ようになっている。そして、両排気通路4,5内の排気
ガスは、集合部6で合流して1つの集合排気通路7に流
入し、順に、3元触媒を用いた触媒コンバータ8と、プ
リサイレンサ9とを通って、メインサイレンサ10に流
入し、この後第1,第2テールパイプ11,12を通って
外部に流出するようになっている。
【0011】以下、排気管系Hの具体的構造を説明す
る。排気管系Hの前部には、エンジンEないしトランス
ミッション3の第1バンク1側の側方に配置される第1
排気管14と、第2バンク2側の側方に配置される第2
排気管15とが設けられている。ここで、第1排気管1
4と第2排気管15とは、平面的にみれば、エンジンE
ないしトランスミッション3の出力軸の軸線L(以下、
単に出力軸軸線Lという)、すなわちほぼ車両中心線に
対してほぼ線対称となるような形状に形成ないし配置さ
れている。なお、第1,第2排気管14,15の前端部
は、夫々対応する排気マニホールド(図示せず)に接続さ
れるようになっている。
【0012】そして、トランスミッション3の後端部近
傍において、第1,第2排気管14,15の後端部には、
三叉構造のY字排気管16が接続されている。このY字
排気管16には、触媒コンバータ8が介設された本体部
17と、夫々本体部17から分岐する、管長の短い第1
分岐管部18と、第1分岐管部18よりは管長が長い第
2分岐管部19とが設けられている。Y字排気管16
は、平面的にみれば、本体部17の軸線が出力軸軸線L
とほぼ一致するような位置に配置されている。ここで、
第1排気管14と第1分岐管部18とは、第1排気管1
4のフランジ部14aと、第1分岐管部18のフランジ
部18aとをボルト締結することによって連結され、同
様に第2排気管15と第2分岐管部19とは、第2排気
管15のフランジ部15aと、第2分岐管部19のフラ
ンジ部19aとをボルト締結することによって連結され
ている。上記構成において、第1分岐管部18は、管長
が短いのでその剛性が高くなり、他方第2分岐管部19
は、管長が長いのでその剛性が比較的低くなり適度な弾
力性を備えている。なお、前記の第1排気通路4は、第
1排気管14と第1分岐管部18とで構成され、第2排
気通路5は、第2排気管15と第2分岐管部19とで構
成されていることになる。
【0013】Y字排気管16の本体部17の後端部に
は、第1集合排気管21が接続され、この第1集合排気
管21の後端部にはさらに第2集合排気管22が接続さ
れている。したがって、前記の集合排気通路7は、Y字
排気管16の本体部17と、第1,第2集合排気管21,
22とで構成されていることになる。そして、第1集合
排気管21には、比較的体積の大きいプリサイレンサ9
が介設され、また第2集合排気管22の後端部には、比
較的体積の大きいメインサイレンサ10が接続されてい
る。なお、メインサイレンサ10の後端部には排気経路
長の短い第1テールパイプ11が接続され、前端部には
排気経路長の長い第2テールパイプ12が接続され、排
気管系Hは、エンジンEの運転状態に応じて排気ガスの
排出経路を変える、いわゆる可変サイレンサ方式となっ
ている。
【0014】ここで、第1集合排気管21は、平面的に
みれば、Y字排気管16(本体部17)との接続部のやや
後方で車両幅方向右側に湾曲し、この湾曲部より後方で
は出力軸軸線Lに対して、車両幅方向右側にオフセット
して配置されている。この第1集合排気管21に接続さ
れた第2集合排気管22も、同様にオフセットして配置
されている。これに伴って、プリサイレンサ9とメイン
サイレンサ10も、出力軸軸線Lに対して、車両幅方向
右側にオフセットして配置されている。このように、第
1,第2集合排気管21,22と両サイレンサ9,10と
が出力軸軸線Lに対してオフセットして配置されている
ので、これらとプロペラシャフト等の動力系統(図示せ
ず)との間に干渉が起こりにくくなり、車両のレイアウ
ト性の向上が図られる。
【0015】そして、排気管系Hは、これと車両本体側
との間に生じる相対変位ないし振動を吸収できるように
して、車両本体側(エンジンEとトランスミッション3
とを含む)に取り付けられるが、以下この取付構造ない
し防振構造を説明する。基本的には、第1排気管14の
フランジ部14aと、プリサイレンサ9の後端部と、第
2集合排気管22の後寄りの部分と、第1,第2テール
パイプ11,12の前寄りの部分とが、夫々第1〜第4
支持部材25〜28を介して車両本体側に連結され、こ
れによって排気管系Hが車両本体側に取り付けられてい
る。なお、第1,第2排気管14,15は、夫々、これら
が接続される排気マニホールド(図示せず)によっても、
支持・固定される。
【0016】図3と図4とに示すように、第1支持部材
25は、実質的に、ゴム等の弾性材料からなる弾性部材
31(防振材)と、トランスミッションケース3aの下面
に固定されたブラケット30の後端部下面に一端が連結
され、他端が弾性部材31の上部に連結される上側ハン
ガ部材32と、一端が第1排気管14のフランジ部14
aに連結され、他端が弾性部材31の下部に連結される
下側ハンガ部材33とで構成されている。なお、トラン
スミッション3の振動を抑制するために、ブラケット3
0の下面にはダンパ34が取り付けられている。
【0017】弾性部材31は、トランスミッションケー
ス3aの後端部近傍において、出力軸軸線Lのやや下方
に配置されている。そして、上側ハンガ部材32は、弾
性部材31との連結部では、平面的にみれば、出力軸軸
線Lとほぼ重なるように伸長しつつ弾性部材31を貫通
してこれに連結されている。また、下側ハンガ部材33
も、弾性部材31との連結部では、平面的にみれば、出
力軸軸線Lとほぼ重なるように伸長しつつ弾性部材31
を貫通してこれに連結されている。つまり、上側ハンガ
部材32と下側ハンガ部材33とは、弾性部材31との
連結部分では、上下方向に離間して、車両前後方向に平
行に伸長している。この場合、弾性部材31は、両ハン
ガ部材32,33によってその伸長方向すなわち車両前
後方向には、弾性変形が規制されるのでその変位しうる
範囲いわゆる変位しろが小さくなる。これに対して、車
両幅方向には、弾性変形がそれほど規制されないので変
位しろが大きくなる。つまり、第1支持部材25の弾性
部材31は、トランスミッションケース3aと排気管系
H(第1排気管14)との間の、車両幅方向の相対変位な
いし振動を効果的に吸収できることになる。
【0018】ところで、一般に、トランスミッションケ
ース3aには、トランスミッション出力軸にかかるトル
クの反力によって、このトルク方向とは逆方向にトラン
スミッションケース3aを回転させようとする力が惹起
され、このためトランスミッションケース3aには、こ
れを出力軸軸線Lまわりに回動させるような変位ないし
振動、いわゆるローリングが生じる。このため、トラン
スミッションケース3aの下面は、車両幅方向に変位な
いし振動することになる。ここで、トランスミッション
ケース3aの車両幅方向の変位ないし振動がそのまま排
気管系Hに伝達されると、排気管系Hが車両幅方向に変
位ないし振動し、排気マニホールドとの連結部等に衝撃
力が加わり、排気管系Hの耐久性の低下を招くことにな
る。
【0019】しかしながら、本案では、前記したとお
り、第1支持部材25の弾性部材31が、トランスミッ
ションケース3aと排気管系Hとの間の車両幅方向の相
対変位ないし振動を吸収するので、トランスミッション
ケース3aから排気管系Hへの変位ないし振動の伝達が
抑制され、排気管系Hの耐久性が高められる。なお、前
記したとおり、第1支持部材25は、車両前後方向には
変位しろが小さいので、この方向の相対変位ないし振動
は吸収しにくくなる。しかしながら、車両前後方向につ
いては、排気管系Hは、エンジンEに固定された排気マ
ニホールドに連結・固定されている関係上、実質的にト
ランスミッションケース3aとほぼ一体的に変位するの
で、排気管系Hとトランスミッションケース3aとの間
の相対変位は極めて小さく、とくに不具合は生じない。
【0020】第1支持部材25においては、上側ハンガ
部材32が、平面的にみて、出力軸軸線L位置でトラン
スミッションケース3aに連結され、したがって排気管
系Hは車両幅方向のほぼ中央部で支持されている。この
ため、排気管系Hが左右のバランスを保って支持され、
排気管系Hに振動が生じにくくなり、排気管系Hの耐久
性が高められる。
【0021】また、前記したとおり、第1分岐管部18
の剛性が高いので、これと隣接するフランジ部14aま
わりの剛性も高くなる。そして、下側ハンガ部材33
が、この剛性の高いフランジ部14aに連結されている
ので、排気管系Hが強固に支持され、その耐久性が高め
られる。
【0022】図5〜図7に示すように、第2支持部材2
6は、実質的に、ゴム等の弾性材料からなる弾性部材3
6と、一端が車体側(例えばサイドフレーム)に連結さ
れ、他端が弾性部材36の上部に連結される上側ハンガ
部材37と、一端がプリサイレンサ9の後端部9aに連
結され、他端が弾性部材36の下部に連結される下側ハ
ンガ部材38とで構成されている。
【0023】そして、上側ハンガ部材37は、弾性部材
36との連結部では、車両幅方向に伸長しつつ弾性部材
36を貫通してこれに連結されている。また、下側ハン
ガ部材38は、弾性部材36との連結部では、平面的に
みて、上側ハンガ部材37とほぼ重なるようにして車両
幅方向に伸長しつつ弾性部材36を貫通してこれに連結
されている。つまり、上側ハンガ部材37と下側ハンガ
部材38とは、弾性部材36との連結部分では、上下方
向に離間して、車両幅方向に平行に伸長している。この
場合、弾性部材36は、車両幅方向には、両ハンガ部材
37,38によって弾性変形が規制されるので、その変
位しろが小さくなるが、車両前後方向には弾性変形がそ
れほど規制されないので、変位しろが大きくなる。した
がって、弾性部材36は、車体と排気管系Hとの間の車
両前後方向の相対変位ないし振動を有効に吸収すること
ができる。
【0024】また、プリサイレンサ9の後端部9a近傍
には、実質的に、取付ブラケット51とラバー52とお
もり53とからなるダイナミックダンパ50が設けられ
ている。このダイナミックダンパ50は、プリサイレン
サ後端部9aと第1集合排気管21とに固定された取付
部材54に、複数の締結ボルト55を用いて固定されて
いる。ここで、取付ブラケット51とラバー52とおも
り53とはほぼ車両前後方向に直列に連結されているの
で、おもり53は、車両前後方向と直交する方向に変位
しやすくなる。したがって、ダイナミックダンパ50
は、排気管系Hの車両前後方向と直交する方向の振動、
すなわち車両幅方向と上下方向の振動を有効に抑制する
ことができる。
【0025】ところで、一般に、車両の発進時、停止時
等の加減速時には、車輪とほぼ一体的に加減速される車
体と、車体に搭載されたパワープラント系(エンジンE
とトランスミッション3とを含む動力系統)との間に、
パワープラント系の慣性に起因する相互作用が生じ、パ
ワープラント系と車体との間には車両前後方向の相対変
位ないし振動が惹起される。ここで、排気管系Hは、エ
ンジンEに固定された排気マニホールドに連結されてい
る関係上、基本的には、パワープラント系とともに車体
に対して車両前後方向に相対変位ないし振動する。この
ため、排気管系Hと車体とが強固に連結されていると、
排気系Hに車両前後方向の応力が惹起され、その耐久性
の低下を招くことになる。
【0026】また、排気管系Hは、その内部を高温の排
気ガスが流れるので温度変化範囲が広く、かつ車両前後
方向にかなり長いので、熱膨張ないし収縮により、車両
前後方向に比較的大きく伸縮する。このため、排気管系
Hと車体とが強固に連結されていると、排気系Hに車両
前後方向の応力が惹起され、その耐久性の低下を招くこ
とになる。
【0027】しかしながら、前記したとおり、本案で
は、排気管系Hを車体に連結する第2支持部材26の弾
性部材36が、排気管系Hと車体との間の車両前後方向
の相対変位ないし振動を有効に吸収するので、排気管系
Hには強い応力が発生せず、排気管系Hの耐久性が高め
られる。
【0028】また、前記したとおり、ローリングによる
トランスミッションケース3aの車両幅方向の変位ない
し振動は、第1支持部材25によって、排気管系Hへの
伝達が効果的に抑制されるものの、多少の変位ないし振
動は伝達される(図3,図4参照)。そして、排気管系H
は、プリサイレンサ9のやや前方以降では、出力軸軸線
Lに対して車両幅方向右側にオフセットして配置されて
いるので、この部分では上記車両幅方向の変位ないし振
動が増幅されるおそれがある。しかしながら、本案で
は、前記したとおり、車両幅方向あるいは上下方向の振
動を低減するダイナミックダンパ50が設けられている
ので、プリサイレンサ9まわりの排気管系Hの車両幅方
向の変位ないし振動が抑制され、排気管系Hには強い応
力が発生しない。
【0029】図8と図9とに示すように、第3支持部材
27は、実質的に、ゴム等からなる弾性部材41と、一
端が車体側に連結され、他端が弾性部材41の上部に連
結される上側ハンガ部材42と、一端が取付部材43を
介して第2集合排気管22に連結され、他端が弾性部材
41の下部に連結される下側ハンガ部材44とで構成さ
れている。この第3支持部材27の構造は、基本的には
第2支持部材26の場合と同様であり(図5〜図7参
照)、弾性部材41は、とくに車体と排気管系Hとの間
の車両前後方向の相対変位ないし振動を効果的に吸収で
きるようになっている。
【0030】図10と図11とに示すように、第4支持
部材28は、実質的に、ゴム等からなる弾性部材46
と、一端が車体側に連結され、他端が弾性部材46の上
部に連結される上側ハンガ部材47と、一端が第1,第
2テールパイプ11,12に連結され、他端が弾性部材
46の下部に連結される下側ハンガ部材48とで構成さ
れている。この第4支持部材28の構造も、基本的には
第2支持部材26の場合と同様であり(図5〜図7参
照)、弾性部材46は、車体と排気管系Hとの間の車両
前後方向の相対変位ないし振動を効果的に吸収できるよ
うになっている。
【0031】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、エンジン近
傍部分の支持部においては、支持部材の弾性部材の車両
幅方向の変位しろが、車両前後方向の変位しろに対して
大きくなっているので、排気管とパワープラント系との
間の車両幅方向の相対変位ないし振動が有効に吸収され
る。このため、ローリングによるパワープラント系の車
両幅方向の変位ないし振動の、排気管への伝達が抑制さ
れ、排気管の耐久性が高められ、その信頼性の向上が図
られる。さらに、容積室部分の支持部においては、支持
部材の弾性部材の車両前後方向の変位しろが、車両幅方
向の変位しろに対して大きくなっているので、排気管と
車体との間の相対変位ないし振動が有効に吸収される。
このため、車両の加減速あるいは熱膨張によって排気管
に車両前後方向の変位ないし振動が生じても、排気管に
強い応力が発生せず、排気管の耐久性が高められる。ま
た、ダイナミックダンパによって、容積室まわりの排気
管の車両幅方向の振動と上下方向の振動とが低減される
ので、さらに排気管の耐久性が高められ、その信頼性の
向上が図られる。
【0032】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、少なくとも
容積室近傍より後方では、排気管がエンジン出力軸の軸
線から車両幅方向にオフセットして配置されるので、排
気管と動力伝達系等との干渉が起こりにくくなり、車両
のレイアウト性の向上が図られる。また、第3の発明に
よれば、パワープラント系の車両幅方向の変位ないし振
動の、排気管への伝達が抑制され、排気管の耐久性が高
められ、その信頼性の向上が図られる。また、ダイナミ
ックダンパによって、第2の容積部まわりの排気管の車
両幅方向の振動と上下方向の振動とが低減されるので、
さらに排気管の耐久性が高められ、その信頼性の向上が
図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエンジンの排気装置の平面説明
図である。
【図2】図1に示す排気装置の側面立面説明図である。
【図3】排気装置の、第1支持部材まわりの平面説明図
である。
【図4】排気装置の、第1支持部材まわりの側面立面説
明図である。
【図5】排気装置の、第2支持部材まわりの側面立面説
明図である。
【図6】排気装置の、第2支持部材まわりの一部断面平
面説明図である。
【図7】排気装置の、第2支持部材まわりの一部断面後
面立面説明図である。
【図8】排気装置の、第3支持部材まわりの平面説明図
である。
【図9】排気装置の、第3支持部材まわりの側面立面説
明図である。
【図10】排気装置の、第4支持部材まわりの平面説明
図である。
【図11】排気装置の、第4支持部材まわりの側面立面
説明図である。
【符号の説明】
E…エンジン H…排気管系 L…エンジン出力軸軸線 9…プリサイレンサ 14…第1排気管 15…第2排気管 16…Y字排気管 21…第1集合排気管 22…第2集合排気管 25…第1支持部材 26…第2支持部材 31…弾性部材 36…弾性部材 50…ダイナミックダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−12020(JP,A) 実開 昭62−179320(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 7/08 F01N 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン近傍から車両後端部近傍にわた
    って配置され中間部に容積室が介設された排気管と、該
    排気管を夫々エンジン近傍の部分と容積室と後端部近傍
    の部分とで弾性部材を介して支持する複数の支持部材と
    が設けられた縦置き搭載型エンジンの排気装置におい
    て、 排気管のエンジン近傍の部分を支持する支持部材の弾性
    部材の向きが、容積室を支持する支持部材の弾性部材の
    向きに対してほぼ直角方向に設定されていて、 排気管のエンジン近傍の部分を支持する支持部材が、そ
    の弾性部材の車両幅方向の変位しろが車両前後方向の変
    位しろに対して大きくなるように形成され、容積室を支
    持する支持部材が、その弾性部材の車両前後方向の変位
    しろが車両幅方向の変位しろに対して大きくなるように
    形成され、かつ容積室を支持する支持部材の近傍にダイ
    ナミックダンパが設けられていることを特徴とするエン
    ジンの排気装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジンの排気装
    置において、 容積室が、エンジン出力軸の軸線に対して車両幅方向に
    オフセットして配置されていることを特徴とするエンジ
    ンの排気装置。
  3. 【請求項3】 エンジン近傍から車両後端部近傍にわた
    って配置された排気管と、 排気流れ方向にみて上流側から下流側に向かって順に上
    記排気管に介設された第1、第2及び第3の容積部と、 上記第1の容積部の上流側で、上記排気管を弾性部材を
    介して車体本体側に連結する第1の支持部材と、 上記第2の容積部を、弾性部材を介して車体本体側に連
    結する第2の支持部材と、 上記第2の容積部と上記第3の容積部との間で、上記排
    気管を弾性部材を介して車体本体側に連結する第3の支
    持部材と、 上記第3の容積部の下流側で、上記排気管を弾性部材を
    介して車体本体側に連結する第4の支持部材と、 上記第2の支持部材の近傍に配置され、上記第2の容積
    部に固定されたダイナミックダンパとが設けられている
    ことを特徴とする、縦置き搭載型エンジンの排気装置。
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