JP2967826B2 - 摩擦損失測定装置 - Google Patents

摩擦損失測定装置

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JP2967826B2 JP63076579A JP7657988A JP2967826B2 JP 2967826 B2 JP2967826 B2 JP 2967826B2 JP 63076579 A JP63076579 A JP 63076579A JP 7657988 A JP7657988 A JP 7657988A JP 2967826 B2 JP2967826 B2 JP 2967826B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は摩擦損失測定装置に関する。
(従来の技術) 例えば、往復動シールに用いられている従来の摩擦損
失測定装置について第2図を参照して説明する。
第2図において、ピストン1は小径部と大径部とを有
し、その小径部側の一端が固定されている。このピスト
ン1の大径部の外周には、長手方向に沿って2個所に取
付けられたシール2を介してシリンダ3が摺動可能に設
けられている。2個のシール2、ピストン1及びシリン
ダ3で囲まれる空間には、ピストン1に接続されたガス
供給管4から、ピストン1に設けられた連通孔1aを通し
てガスが供給される。上記シリンダ3の軸部はリニアガ
イドベアリング5を介して支持され、更にコネクティン
グロッド6と連結されている。このコネクティングロッ
ド6にはクランクシャフト7が回転自在に挿入され、こ
のクランクシャフト7の両端部は主軸受8によって軸支
され、その一端に取付けられたモータ9によって回転す
るようになっている。
上記2個のシールの摩擦力は、例えばピストン1の小
径部に歪みゲージ10を取付けることにより測定すること
ができる。ただし、実際の機器においては、摩擦力とし
ての値よりも、摩擦仕事(いわゆる摩擦損失すなわち単
位時間当りの(摩擦力×摺動距離))としての値が要求
されることが多い。そこで、従来は摩擦損失の測定装置
として、以下の2つのうち少なくともいずれか一方が使
用されているが、それぞれ問題点がある。
摩擦力の平均値とシリンダ3の平均速度とから求める
もの。具体的には、歪みゲージ10の出力をブリッジ回路
11及びストレインアンプ12を介して記録計26に入力す
る。一方、クランクシャフト7の近傍に回転検出器21を
設け、その出力を回転計22、回転計用のアンプ23を介し
て記録計26に入力する。この結果、記録計26にはシリン
ダ3の往復動に応じた摩擦力の変動を示すチャートが描
かれる。このチャートをもとにして、摩擦力の平均値と
シリンダ3の平均速度(単位時間当りの摺動距離)とを
掛合わせて摩擦損失を求める。
しかし、一般的に摩擦力はシリンダ2の速度に応じて
大きく変動するため、記録計26のチャートから摩擦力の
平均値を求めようとしても極めて不正確になり、摩擦損
失の測定誤差が大きくなる。
トルクメータの平均指示値と回転数とから求める方
法。具体的には、クランクシャフト7の途中にトルクメ
ータ24を設け、その出力をトルクメータ用のアンプ25を
介して記録計26に入力する。一方、と同様に回転検出
器21の出力を回転計22、回転計用のアンプ23を介して記
録計26に入力する。この結果、記録計26ではトルクメー
タ24の指示値とクランクシャフト7の回転数との関係を
示すチャートが描かれる。このチャートをもとにして摩
擦損失を求める。
しかし、トルクメータ24の指示値は、シール2での摩
擦損失分のほかにもリニアガイドベアリング5及び主軸
受8での摩擦損失分を含んだ値となるため、シール2の
摩擦損失の測定誤差が大きくなる。
(発明が解決しようとする課題) 以上のように、従来は特に往復動における摩擦損失の
測定に関しては摩擦力の速度依存性や軸受摩擦損失によ
る測定誤差が大きく、また測定にも手間がかかった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
り、測定誤差が小さく、かつ能率的な測定が可能な摩擦
損失測定装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の摩擦損失測定装置は、固定部材とこの固定部
材に接触しながら周期的に往復動を繰り返す摺動部材と
の間に働く摩擦損失を測定する装置において、上記摺動
部材の一周期の往復動に要する時間よりも短い微小時間
毎に上記両部材間に生じる摩擦力を検出する手段と、上
記と同一の微小時間毎の上記両部材間の相対速度を検出
する手段と、同時に検出された微小時間毎の摩擦力と相
対速度との積を、上記摺動部材の一周期の往復動に要す
る時間に対応するように積分して摩擦損失を演算する手
段とを具備したことを特徴とするものである。
本発明において、微小時間毎に試片間に生じる摩擦力
を検出する手段としては、例えば試片の一方に取付けら
れた歪みゲージおよびそれに付属する電気回路が使用さ
れる。また、微小時間毎の試片間の相対速度を検出する
手段としては、例えば回転運動を往復動に変換する機構
の場合、回転側に設けられたロータリーエンコーダ及び
それに付属する電気回路や、往復動側に設けられた変位
計及びそれに付属する電気回路が使用される。
(作用) 本発明の摩擦損失測定装置では、摩擦力と試片間の相
対速度とを同時に検出することにより微小時間毎の摩擦
損失を求め、それを積分することにより、直接的に摩擦
損失を求めることができる。したがって、摩擦力の速度
依存性や軸受の摩擦損失分による摩擦損失の測定誤差を
抑えることができ、しかも能率よく測定することができ
る。
(実施例) 以下、本発明の摩擦損失測定装置を往復動シールに適
用した実施例について第1図を参照して説明する。
第1図において、ピストン1は小径部と大径部とを有
し、その小径部側の一端が固定されている。このピスト
ン1の大径部の外周には、長手方向に沿って2個所に取
付けられたシール2を介してシリンダ3が摺動可能に設
けられている。2個のシール2、ピストン1及びシリン
ダ3で囲まれる空間には、ピストン1に接続されたガス
供給管4から、ピストン1に設けられた連通孔1aを通し
てガスが供給される。上記シリンダ3の軸部はリニアガ
イドベアリング5を介して支持され、更にコネクティン
グロッド6と連結されている。このコネクティングロッ
ド6にはクランクシャフト7が回転自在に挿入され、こ
のクランクシャフト7の両端部は主軸受8によって軸支
され、その一端に取付けられたモータ9によって回転す
るようになっている。
上記ピストン1の小径部には歪みゲージ10が取付けら
れ、その出力はブリッジ回路11、ストレインアンプ12、
A/D変換器13を介して所定サンプリング時間毎のデジタ
ル信号として摩擦損失演算器17に入力される。一方、ク
ランクシャフト7の他端にはロータリーエンコーダ14が
取り付けられ、その出力はロータリーエンコーダ用のア
ンプ15、A/D変換器17を介して所定サンプリング時間毎
のクランク回転角がデジタル値として摩擦損失演算器17
に入力され、シリンダ速度に変換される。更に、摩擦損
失演算器17では、同時にサンプリングされた摩擦力、シ
リンダ速度及びサンプリング時間を掛合わせたものを1
サイクルにわたって積分する(加え合せる)ことによ
り、摩擦損失が算出される。したがって、摩擦力の速度
依存性や、リニアガイドベアリング5及び主軸受8の摩
擦損失分による摩擦損共の測定差を抑ることができ、し
かも能率よく測定することができる。
なお、測定誤差を小さくするためには、サンプリング
時間を短くすればよいことは勿論である。また、上記実
施例では微小ん時間内の試片間の相対速度を検出する手
段として、クランクシャフト7に取付けられたロータリ
ーエンコーダ14、アンプ15及びA/D変換器16を用いた
が、シリンダ3近傍に変位計を設けこれに上記と同様な
電気回路を接続した機構を用いてもよいし、クランクシ
ャフト7にマークを付けて上死点あるいは下死点等のみ
を検出し、その間の相対速度は回転速度から算出するよ
うにした機構を用いてもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の摩擦損失測定装置によれ
ば、測定誤差が小さく、しかも能率的に測定が行なえる
など、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例における摩擦損失測定装置を示
す構成図、第2図は従来の摩擦損失測定装置を示す構成
図である。 1……ピストン、2……シール、3……シリンダ、4…
…ガス供給管、5……リニアガイドベアリング、6……
コネクティングロッド、7……クランクシャフト、8…
…主軸受、9……モータ、10……歪みゲージ、11……ブ
リッジ回路、12……ストレインアンプ、13……A/D変換
器、14……ロータリーエンコーダ、15……ロータリーエ
ンコーダ用アンプ、16……A/D変換器、17……摩擦損失
演算器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定部材とこの固定部材に接触しながら周
    期的に往復動を繰り返す摺動部材との間に働く摩擦損失
    を測定する装置において、上記摺動部材の一周期の往復
    動に要する時間よりも短い微小時間毎に上記両部材間に
    生じる摩擦力を検出する手段と、上記と同一の微小時間
    毎の上記両部材間の相対速度を検出する手段と、同時に
    検出された微小時間毎の摩擦力と相対速度との積を、上
    記摺動部材の一周期の往復動に要する時間に対応するよ
    うに積分して摩擦損失を演算する手段とを具備したこと
    を特徴とする摩擦損失測定装置。
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