JP2574023B2 - 物理量検出装置 - Google Patents

物理量検出装置

Info

Publication number
JP2574023B2
JP2574023B2 JP63335377A JP33537788A JP2574023B2 JP 2574023 B2 JP2574023 B2 JP 2574023B2 JP 63335377 A JP63335377 A JP 63335377A JP 33537788 A JP33537788 A JP 33537788A JP 2574023 B2 JP2574023 B2 JP 2574023B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
physical quantity
output
torque
temperature
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63335377A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02181623A (ja
Inventor
裕 野々村
祐司 西部
正顕 阿部
正治 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP63335377A priority Critical patent/JP2574023B2/ja
Priority to US07/460,235 priority patent/US5062062A/en
Publication of JPH02181623A publication Critical patent/JPH02181623A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2574023B2 publication Critical patent/JP2574023B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Indication And Recording Devices For Special Purposes And Tariff Metering Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は物理量検出装置、特に被測定体の物理量(た
とえば伝達トルク等)を測定する物理量検出装置の改良
に関する。
[従来の技術] 背景技術 各種の回転駆動装置において、伝達トルク等の物理量
を正確にかつ簡易に測定することが望まれており、この
ようにして伝達トルク等の物理量の測定を行うことがで
きれば、各種の産業分野における駆動装置の分析あるい
は運転状態を把握する上で極めて便利なものとなる。
通常、この種の回転駆動装置としては各種の原動機が
知られており、特に車両のエンジン,電気自動車の電動
モータあるいは産業用モータは各種産業分野に幅広く利
用されており、このような回転駆動装置の運転状態を正
確に把握しその分析を行うためには、その回転数と並ん
で伝達トルクの測定を正確に行うことが必要とされる。
特に、車両用エンジンなどにおいて、エンジン自体あ
るいはその駆動力伝達機構であるトランスミッション,
プロペラシャフト,差動ギアなどの各種駆動系における
伝達トルクを測定することにより、エンジンの点火時期
制御,燃料噴射量制御,トランスミッションの変速時期
あるいは変速比制御を良好に行い、これらの最適制御に
より車両の燃費を改善し、また運転特性を向上させるこ
とができる。
また、産業用モータにおいても、伝達トルクの正確な
測定を行うことができれば回転駆動系の最適制御および
診断が可能となり、エネルギー効率および運転特性の向
上を図ることができる。
従来の技術 このため、従来より各種のトルク検出装置の提案が行
われており、その中の1つとして回転磁性体を介して伝
達されるトルクを磁性歪みを利用して非接触で測定する
装置が知られている。
すなわち、回転駆動系を介してトルクを伝達する場合
に、回転駆動系のトルク伝達用回転体、例えば回転軸や
クラッチ板などには伝達トルクに比例した歪みが発生す
ることが知られている。従って、トルクを伝達する回転
磁性体の磁歪量を磁気センサを用いて検出すれば、その
伝達トルクを非接触で測定することができる。
第7図および第8図には、前述したトルク検出装置の
磁気センサ12を、車両用エンジンのトルク伝達機構に設
けた場合の一例が示されており、ここにおいて第7図は
磁気センサ12の側面を概略的に示し、第8図は第7図の
XIII−XIII断面を概略的に示している。
周知のように、エンジンで発生したトルクは伝達軸10
を介して図示しない回転フライホイールに伝わり、この
フライホイールと摩擦係合するクラッチ板を介してトラ
ンスミッション側へ伝達される。
このようにしてトルクの伝達が伝われると、トルク伝
達軸10や、クラッチ板,フライホイールなどの回転板に
は、伝達トルクの大きさに比例した大きさの歪εの異方
性が生じる。従って、トルク伝達系が強磁性体を用いて
形成されている場合には、発生する歪みεの異方性の大
きさを磁歪効果を用いて磁気的に検出すれば、伝達され
るエンジントルクの測定を行うことができる。
このため、前述したトルク検出装置では、トルクが伝
達される回転体を回転磁性体とするために、トルク伝達
軸10あるいはフライホイールそのものを強磁性体を用い
て形成したり、あるいはこれらトルク伝達軸10またはフ
ライホイールの表面に強磁性体を付着させる。そして、
この回転磁性体に向け磁気センサ12を所定間隔で離隔的
に対向配置している。
ここにおいて、前記磁気センサ12は、トルク伝達軸10
と平行に配置されたコ字状の励磁コア14と、この励磁コ
ア14の内側に直交配置されたコ字状の検出コア18とを含
み、前記励磁コア14に励磁コイル16を巻き回し、前記検
出コア18に検出コイル20を巻き回すことにより形成され
ている。
第10図には前記トルク検出装置のブロック図が示され
ている。励磁コイル16には交流電源22から正弦波電圧が
印加され、磁気センサ12と対向するトルク伝達軸10を交
番磁化している。このとき、トルク伝達軸10を介してト
ルクが伝達されると、トルク伝達軸10内に応力が発生し
磁歪効果により前記励磁方向と直交する方向に磁束成分
が生じる。この磁束成分は、前記磁気センサ12の検出コ
イル20を用い誘導電圧とし検出され、交流増幅器24で増
幅された後、検波器26を用いて整流検波され、この整流
検波信号S(以後トルク検出信号と呼ぶ)がトルク検出
信号として出力される。
トルク検出信号Sは、伝達トルクに依存する成分とト
ルクに依存しないオフセット成分の和として出力されて
いる。そのため前記トルク検出信号Sからオフセット成
分を減算することが必要となる。
特に、前記オフセット成分の大きさは、伝達トルクが
0であるにもかかわらず回転磁性体の回転に伴い不規則
に変化する(第12図)。このため回転磁性体の各ポジシ
ョンで、しかるべきオフセット成分を減算するという手
法が、トルク検出の高精度化には必要となる。
特開昭62−55533,55534には、このような手法を採用
した従来装置が示されている。この従来装置は、回転磁
性体を介して伝達され、複数の回転角度位置を変極点と
するトルクを、前記各変極点区間毎に測定するものであ
る。そして、その特徴は前記回転磁性体の回転角に依存
して磁気センサから出力されるオフセット信号を前記各
変極点区間毎に予め設定しておき、回転磁性体の回転角
および変極点を表すタイミング信号に基づき、磁気セン
サから出力される検出信号からオフセット信号を減算
し、各変極点区間毎のトルク平均値を出力することにあ
る。これにより、回転磁性体を介して伝達されるトルク
を各変極点区間毎にオフセット成分に影響されることな
く測定することをができる。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、この従来のトルク検出装置は、以下に詳述す
る2つの問題を有していた。
(a) まず、この従来装置は、回転磁性体の回転に伴
うオフセット成分の変動については考慮しているもの
の、トルクに依存する出力、すなわちトルク検出感度の
変動については全く考慮していない。このため、トルク
検出精度を高める上で限界があるという問題があった。
すなわち、この種のトルク検出装置では、回転磁性体
の表面に生ずる磁気的特性の変化を利用して、トルク検
出を行っている。このため、その検出精度が被測定体の
磁気特性のバラツキに大きく依存する。従って、被測定
体内、すなわち回転磁性体内で磁気特性が不均一に分布
している場合には、そのトルク検出信号(センサ出力)
は印加トルクが一定にもかかわらず、第13図に示すよう
軸回転に伴い変動してしまう。
本発明者らは、このようなトルク検出信号の変動原因
についての検討を進めた。トルク検出信号Sは、次式に
示すように印加トルクTqの関数で表現される。
S=Sens・Tq+Offs …(1) ここでSensを感度,Offsをオフセット出力とする。感
度とは単位トルク当りの検出出力の増加量、オフセット
出力とは印加トルク零の時のセンサ出力である。
本発明者らは、その検討を進め、前記第(1)式に示
す感度およびオフセット出力が、被測定体内での磁気特
性のバラツキにより変動することを確認した。
これを式で表すと以下のようになる。ただし、温度T
は一定とする。
S(P)=Sens(P)・Tq+Offs(P) …(2) ここで、Pは回転磁性体の回転位置(測定点の位置)
である。
ここにおいて、感度Sens(P)とオフセット信号Offs
(P)は、各々第11図,第12図に示すように変化する。
当然ながら、回転磁性体が回転するとトルク検出信号S
(P)は、印加トルク一定の場合でも第13図に示すよう
に変動する。
従って、前述した従来装置のように、回転磁性体の回
転に伴うオフセット成分Offs(P)の変動についてのみ
考慮しても、トルクに依存する出力、すなわちトルク検
出感度Sens(P)の変動についても考慮しなければ、伝
達トルクTqをより高精度で測定できないことは明らかで
ある。
また、以上説明した被測定体内での磁気特性のバラツ
キの原因としては、 1.組成のバラツキ 2.組織のバラツキ 3.残留応力の分布 などが考えられる。従って、被測定体の製造工程を洗練
し、組成・組織が均一で、残留応力の分布のないものを
作れば、前述した問題は解決されるであろうが、そのた
めには徹底的な製造工程管理が必要となり現実的には不
可能である。
(b) また、従来のトルク検出装置は、トルク検出信
号の温度依存性について考慮されていない。このため、
この面からもその検出精度を高める上で限界があるとい
う問題があった。
すなわち、本発明者らが検討したところによると、前
記第(1)式に示す感度およびオフセット出力は、検出
装置の温度が変化すると共に変動することが確認され
た。第14図および第15図には、感度,オフセット出力の
温度依存特性Sens(T)、Offs(T)の一例が示されて
いる。
これを式で示すと以下のようになる。ただし、回転体
の回転位置Pは一定とする。
S(T)=Sens(T)・Tq+Offs(T) …(3) ここで、Tは、トルク検出装置の温度である。
この原因としては、センサを構成している材料および
被測定体の物性値が温度変化により変動すること、ある
いはセンサと被測定体との間隙(クリアランス)が、熱
膨張係数の違いにより変化することなどが考えられる。
従って、第16図に示すように、この従来装置では、印
加トルクが一定の場合でも検出装置の温度変化と共にト
ルク検出信号(センサ出力)が変動してしまい、十分な
検出精度を得ることができないという問題があった。
以上説明したように、従来のトルク検出装置は、
(a),(b)で詳述した問題点を有しているため、そ
のトルク検出精度が必ずしも十分でなかった。
しかし、近年、自動車,工作機械等の回転駆動制御系
においては、低回転領域から高応答でトルク検出可能な
センサが必要とされており、特にエンジンあるいはトラ
ンスミッション等の最適制御を行うためには、停止から
高回転、低温から高温という広い測定範囲において、伝
達される瞬時トルクを応答性よく、高精度に検出可能で
あることが要求されている。
このため、前記(a),(b)で詳述した問題を早急
に解決することが必要とされる。
[発明の目的] 本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたも
のであり、その第1の目的は、被測定体の回転または往
復運動位置によるオフセット出力変動および感度変動の
影響を受けることなく、トルク等の物理量をリアルタイ
ムで高精度に検出できる物理量検出装置を得ることにあ
る。
また、本発明の第2の目的は、温度によるオフセット
出力変動および感度変動を補正することにより、温度変
化の影響を受けることなく、物理量をリアルタイムで精
度よく検出することができる物理量検出装置を得ること
にある。
[問題点を解決するための手段] 前記目的を達成するために、請求項1の発明は、 回転または往復運動する被測定体の運動位置を任意の
数に分割されたセグメント区間として検出する位置検出
手段と、 前記被測定体の物理量を検出する物理量センサと、 前記物理量センサの出力を、オフセット成分と物理量
検出感度成分の各係数を含む係数群をもった補正演算式
で補正する補正手段と、 を含み、 前記補正手段は、 前記係数群を、前記各セグメント区間毎に独自に設定
されたデータとして記憶する係数記憶手段と、 前記位置検出手段の検出信号に基づき、対応する係数
群を前記係数記憶手段から読出して前記補正演算式に設
定し、前記物理量センサの出力を前記補正演算式に基づ
き補正演算処理し、オフセット成分と感度を補正する補
正演算手段と、 を含む物理量検出装置であって、 前記係数群を各セグメント区間毎に予め演算する補正
係数群演算手段を有し、 この補正係数群演算手段は、 前記被測定体の運動位置を検出するとともに、検出位
置を対応するセグメント区間検出信号として出力する位
置検出手段と、 前記物理量センサの出力較正用の較正物理量信号を出
力する較正信号発生手段と、 位置検出手段からセグメント区間検出信号が出力され
る度に、物理量センサの出力と較正信号発生手段から出
力される較正物理量信号を各セグメント区間毎に記憶す
る波形メモリと、 前記波形メモリに各セグメント区間毎に記憶された物
理量センサの出力と較正物理量信号とに基づき、オフセ
ット成分と物理量検出感度成分の各係数を含む前記補正
演算式の係数群を各セグメント区間毎に演算する係数演
算手段と、 を含むことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、 請求項1において、 前記波形メモリは、各セグメント区間毎に複数組の物
理量センサ出力および較正物理量信号を記憶し、 前記係数演算手段は、波形メモリに記憶された複数組
の物理量センサ出力および較正物理量信号を各セグメン
ト区間毎に読出し、その物理量センサ出力群及び較正物
理量信号群の誤差平均和が最少となるよう各セグメント
区間の係数群を演算により求めることを特徴とする。
請求項3の発明は、 請求項1,2のいずれかにおいて、 前記補正係数群演算手段は、 物理量検出装置の動作温度を検出する温度検出手段を
有し、 位置検出手段からセグメント区間検出信号が出力され
るたびに、物理量センサの出力と、較正物理量信号と、
温度検出手段の検出温度とを各セグメント区間毎に記憶
するように形成され、 前記係数演算手段は、 波形メモリに各セグメント区間毎に記憶されたデータ
に基づき、前記補正演算式の温度係数群を演算すること
を特徴とする。
原理 次に本発明の原理を、回転体を介して伝達されるトル
クを測定する場合を例にとり説明する。
(a) まず、回転体の回転角度、すなわち測定位置に
よるセンサ出力変動について説明する。
前にも述べたように、感度(第11図参照)とオフセッ
ト出力(第12図参照)は、回転位置Pによって変化する
ことが実験より確認されている。そして、センサから出
力されるトルク検出信号S(P)は、回転位置Pの関数
として、例えば以下にように表されることは前述したと
おりである。
S(P)=Sens(P)・Tq+Offs(P) …(2) ここでPは、測定位置を示す回転位置(回転体の角
度)とする。
従って、この第(2)式から、伝達トルクTqは次式で
求められることになる。ただし、温度Tは一定とする。
同式からも明らかなように、予め回転体の回転位置P
に対応した感度Sens(P)およびオフセット信号Offs
(P)を求めておけば、物理量センサから出力されるト
ルク検出信号S(P)を前記第(4)式に代入するのみ
で、感度変動およびオフセット出力変動を補正し、正確
な伝達トルクS(P)を得ることができる。
本発明の特徴は、回転体の回転位置を予め任意の数の
セグメント区間P″に分割しておき、前記第(4)式に
示す補正演算式の係数群、すなわち、感度Sens
(P″)、オフセット信号Offs(P″)を各セグメント
区間P″毎に予め求めておくことにある。このようにす
ることにより、物理量センサから出力されるトルク検出
信号S(P″)を、各セグメント区間P″毎にそれぞれ
独自の係数をもった前記補正演算式に基づき演算処理
し、オフセット成分と感度を補正し伝達トルクを求める
ことができる。
全セグメント数をNpとすると、セグメント区間P″と
回転位置Pとの関係は、次式で表わされる。
均等に分割されているときのセグメント幅Wpは、P/Np
となる。
(b) 次に、もう一つの問題点である、温度変化によ
るセンサ出力の変動について説明する。
前にも述べたように、感度(第14図参照)とオフセッ
ト(第15図参照)が温度変化によって変動することは、
実験より確認されている。したがって、前記(1)式に
示すトルク検出信号S(T)は以下のように表される。
ただし、回転位置Pは一定とする。
S(T)=Sens・f1(T)・Tq +Offs・f2(T) …(5) ここでf1(T),f2(T)は、温度Tの関数(例え
ば、温度の一次関数あるいは多次関数、または指数関数
等)である。
ここで留意する点は、被測定体表面内での磁気特性不
均一分布によるトルク検出信号の変動と、温度変化によ
るトルク検出信号の変動とは、おたがいに独立した事象
として取扱っている点である。
このため、温度Tの関数で表される感度Sens(T)、
オフセット信号Offs(T)は、回転位置Pの関数で表さ
れる感度Sens(P)、オフセット信号Offs(P)と、前
記温度依存関数f1(T),f2(T)との積として次式の
ように表されることとなる。
Sens(T)=Sens(P)・f1(T) Offs(T)=Offs(P)・f2(T) …(6) 従って、2つの変動原因を同時に考慮した場合、トル
ク検出信号S(P,T)は、以下の式ように表される。
S(P,T)=Sens(P)・f1(T)・Tq +Offs(P).F2(T) …(7) そこで、式(7)をトルクTqについて求めると次式が
得られる。
ここで、 である。
従って、トルク検出信号S(P,T)に A/f1(T)を乗じ、 B(P)・(f2(T)/f1(T)) を加えるという補正演算を施してやることにより、測定
位置Pおよび温度Tに依存することのないトルク検出信
号が得られる。補正係数AおよびBは、勿論、測定位置
Pの関数である。
ここにおいて、感度およびオフセット出力が温度に対
して一次関数的に変化すると仮定すると、f1(T),f2
(T)は次式で表される。
f1(T)=a1+b1・T …(11) f2(T)=a2+b2・T …(12) ここで、a1,a2,b1,b2は定数とする。
従って、予め前記(11),(12)式に示す感度の温度
依存関数の係数a1,b1と、オフセット信号の温度依存関
数の係数a2,b2を予め求めておけば、前記第(8)式に
基づき、温度変化に伴う前記検出感度およびオフセット
成分の変動を補正し、温度変化の影響を受けることなく
伝達トルクTqの測定を行うことが可能となる。
(c) ところで、前記第(4)式に示す補正演算式を
用いるためには、前述したように、これら各補正演算式
に用いられる係数群を予め各セグメント区間P″毎に求
めておく必要がある。
また、前記(8)式に示す補正演算式を用いるために
は、前述した係数群以外に、さらにa1,a2,b1,b2の温度
係数を予め求めておく必要がある。
本発明の特徴は、このような補正演算式の係数群を予
め各セグメント区間P″毎に求め、さらに必要に応じ前
記温度係数を予め求める補正係数群演算手段を設けたこ
とにある。
以下に、その原理を、例えば第(8)(11)(12)式
に示す補正演算式に用いる係数群A(P),B(P),a1,
a2,b1,b2を求める場合を例にとり説明する。
(d) 係数A(P),B(P)の決定原理 前記第(9)式および第(10)式より、A(P),B
(P)は、次式で表わされる。
したがって、これらA(P),B(P)を求めるために
は、感度Sens(P),オフセット信号Offs(P)を各セ
グメント区間P″毎に求めてやればよい。
これら感度およびオフセット信号は、物理量セグメン
トの出力S(P)と、真の伝達トルクTqを用いて次式で
表わされることは前述したとおりである。
したがって、各セグメント区間毎に感度およびオフセ
ット信号を求めるためには、感度Sens(P)およびオフ
セット信号Offs(P)を未知数とする二元連立1次方程
式を解いてやればよい。
しかし、センサ等を用いて伝達トルクの測定を行う
と、このセンサ出力S(P)には、計測上生ずる誤差ε
が含まれることは避けられない。これを式で表わすと次
のようになる。
S(P)=Sens(P)・Tq+Offs(P)+ε…(2′) このように、センサ出力S(P)には誤差εが含まれ
るため、単に感度およびオフセット信号の二元連立1次
方程式を解いても感度Sensおよびオフセット信号Offsを
十分な精度で決定することはできない。
(e) このような誤差εの影響を受けることなく、感
度およびオフセット信号を決定するためには、次のよう
にすればよい。
e−1) まず、理解を容易にするために、物理量セン
サを回転体の所定位置Pに固定し、センサに対する回転
体の位置Pが一定の場合を想定する。
この場合には、感度およびオフセット信号は、回転体
の回転の影響を受けないため、この値は次式で示すよう
に定数となる。
Offs≒a …(13) Sens≒b …(14) したがって、前記(2′)式は、これら定数a,bを用
いて次式で表わされる。
S=a+bTq+ε …(15) 次に、回転体の伝達トルクTqが予め知られているもの
とし、この伝達トルクTqに対応して物理量センサから出
力される信号Sを測定する。この測定は、伝達トルクTq
の値を変えてn回行われる。この測定の結果、伝達トル
クTqとセンサ出力Sのデータ対は次のように表わされ
る。
このとき、第i回目の測定により得られるデータを前
記第(15)式に代入すると、この式は次のように表わさ
れる。
Si=a+bTqi+ε …(17) ここで、誤差平方和Qを次式で表わし、 この誤差平方和Qが最少となるようにa,bを求めるこ
とができれば、測定に伴う誤差εを最少とする定数a,b
を一義的に決定できる。
このようなa,bを求めるためには、前記第(18)式を
a,bで微分する。Qは最小値をとるようにするため、そ
の微分値を0とする。このようにすると、この微分演算
式は次式で表わされる。
この連立微分方程式を解くと、a,bは次式で表わされ
る。
この係数a,bは、誤差平方Qを最少とする値である。
このため、次式で示すように十分な精度で、オフセット
信号および感度を表わすものと見なすことができる。
Offs≒a …(23) Sens≒b …(24) なお、このようにして求めたオフセット信号および感
度の精度を保証するためには、データ数nが多く、かつ
各データが有意に測定範囲を覆っていることが重要であ
る。
e−2) なお、以上は物理量センサを回転体上の一点
に固定し、感度およびオフセット信号を求める場合であ
るが、実際に伝達トルクを測定するためには、回転体と
物理量センサとは離隔的に対向配置され、物理量センサ
に対する回転体の回転位置(セグメント区間P″)が時
事刻々と変化する。
したがって、これら各セグメント区間P″毎に前記
(e−1)で詳述した手法を用いて、そのオフセット信
号および感度を求めてやればよい。
このため、ここでは、回転体1回転する360゜を、p
個のセグメント区間に分割する。そして、セグメント区
間P″毎に印加トルクTqおよびセグメント出力S
(P″)を測定しながら回転体をr回転してやる。これ
により、のべm個(ただし、m=p×r)のセグメント
区間についての測定が行われる。
このとき、回転体を1回転する毎に全セグメント区間
についての測定が行われるため、回転体をr回転する
と、同一のセグメント区間について合計r回の測定が行
われる。
ここでは、このような測定を、印加トルクTqの値を変
化させ、n回行う。このような測定を行うと、次のよう
なデータ群を得ることができる。
この結果、次式で示すように、各セグメント区間Pに
ついてn×r個のデータ対からなるデータ小群が得られ
ることが理解されよう。
したがって、任意のセグメント区間Phにおいて、この
ように求められたデータ小群を用い、前述した(21),
(22)式の演算を行えば、次式で示すように、このセグ
メント区間Phにおけるオフセット信号Offs(Ph)、感度
Sens(Ph)を得ることができる。
このような演算を繰り返し、全セグメント区間につい
て感度およびオフセット信号の係数群 を求める。
このようにして、本発明によれば、各セグメント区間
P毎に、補正演算式に用いられる独自の係数群、すなわ
ち、オフセット成分と感度を求めることができる。
また、前記第(9)式、第(10)に示す係数A,Bを各
セグメント区間毎に求める場合には、前記第(29)式で
表わされる各セグメント区間毎のオフセット信号および
感度を第(9)式、第(10)に代入してやればよい。こ
れより、各セグメント区間毎に、独自の係数群 を得ることができる。
(f)温度補正係数の決定原理 なお、前記(29)、(30)の係数群は、いずれも検出
装置の温度Tが一定のときの値である。
これを温度Tの変化に応じて補正するためには、次式
を用いなければならないことは前述した。
Sens(T)=Sens(P)・f1(T) Offs(T)=Offs(P)・f2(T) …(6) f1(T)=a1+b1・T …(11) f2(T)=a2+b2・T …(12) 従って、検出温度Tに基づき補正演算を行う場合に
は、前記(11),(12)式に用いられる各温度係数a1,b
1,a2,b2を求めてやる必要がある。
このため、本発明では、前記(25)式に示すデータ群
を、温度Tをパラメータとしてl回求めている。これに
より、次式で示すように、温度Tkをパラメータとしたl
個のデータ群が得られる。
ところで、回転体の回転による変動成分Sens(P),O
ffs(P)と、温度Tによる変動成分f1(T),f2(T)
は互いに独立であると考えてよい。
したがって、温度Tを一定とした場合に、印加トルク
Tqとセンサ出力Sの値として、平均値qi,を用い
れば、前記第(6)式は次式で与えられることになる。 =ens・f1(T)・qi +ffs・f2(T) …(31) となる。ただし 本発明では、前記(34),(35)式で示す感度および
オフセット信号の平均値を、温度Tkをパラメータとして
l個求める。これにより、各温度Tkに対応した感度平均
値およびオフセット平均値からなるデータ群が得られ
る。
このようにして求めたデータ群と、前記(11),(1
2)とを用い、前記(d)で述べた手法(すなわち、係
数A、Bの決定原理で述べた手法)と同様な手法で、
ensとffsの温度依存関数(ここでは一次関数近似)に
用いられる近似係数b10,a10,b20,a20を次式により求め
る。
ensk=a10+b10・Tk+ε ここにおいて、補正演算に用いる係数a1,b1,a2,b2
相対値であることから、これらの値は、a10,b10,a20,b
20を用い、次式に基づき求めることができる。
このようにして、本発明によれば、温度Tの補正に用
いられる係数a1,b1,a2,b2を求めることができる。
[作 用] 次に本発明の作用を説明する。
本発明の物理量検出装置は、回転または往復運動する
被測定体の回転または往復運動位置を任意の数のセグメ
ント区間に分割しておく。そして、物理量センサを用い
て被測定体の物理量を検出し、このセンサ出力を各セグ
メント区間毎にそれぞれ独自の係数をもった補正演算式
に基づき演算処理する。これにより、オフセット成分と
感度を補正し、真の物理量を検出している。
ここにおいて、前記補正演算式として第(4)式を用
いれば、被測定体の回転または往復運動位置に起因する
感度変動およびオフセット出力変動を補正し、物理量を
求めることができる。
また、前記補正演算式として、第(8)式を用いれ
ば、被測定体の回転または往復運動位置のみならず、温
度による感度変動およびオフセット出力温度変動を同時
に補正し、より正確な物理量を測定することができる。
本発明の特徴は、補正係数群演算手段を用い、前記各
補正演算式に用いられる係数群を、各セグメント区間毎
に求めることにある。
このため、本発明の装置は、予め被測定体の回転また
は往復運動位置を任意の数のセグメントに分割してお
く。そして、位置検出手段を用いて、被測定体の回転角
度位置または往復運動位置を検出するとともに、検出さ
れた位置を対応するセグメント区間の検出信号として出
力する。
また、本発明の装置は、物理量センサの出力と比較す
るための較正物理量信号を出力する較正信号発生手段が
設けられている。
この較正信号発生手段は、被測定体の実際の物理量を
較正物理量信号として出力するよう形成する必要があ
る。
そして、位置検出手段がセグメント検出信号を出力す
る毎に、物理量センサの出力と較正信号発生手段から出
力される較正物理量信号が波形メモリに書込まれる。こ
れにより、波形メモリには各セグメント区間毎に、物理
量センサの出力とこれと対をなす較正物理量信号が書込
まれることになる。
ここにおいて、前記セグメント区間の数は、被測定体
の1回転または1往復当りp個とする。このようにする
と、被測定体が1回転または1往復運動すると、波形メ
モリにはp組のセンサ出力および較正物理量信号が入力
される。
(a)感度およびオフセット信号の演算 ここにおいて、前記第(4)式または第(8)式の補
正演算式に用いられる係数のうち、感度Sens(P)およ
びオフセット信号Offs(P)は次のようにしてい求めら
れる。
まず、温度Tを一定にし、被測定体のr回転またはr
往復分のデータを波形メモリに書込む。これにより、波
形メモリには▲[Tqj,Sjm j=1▼のデータ群が書込まれ
る。ただし、m=p×rである。
このようなデータの書込みを、物理量Tqをパラメータ
として、異なる物理量でn回行う。これにより、波形メ
モリには、次式で示すように、2×n×m個のデータが
書込まれる。
このようにして求めたデータ群を、各セグメント位置
Phについて整理すると、そのデータ小群は、前述したよ
うに、次式で表わされることになる。
そして、係数演算手段は、各セグメント区間Ph毎に求
めたデータ小群を、前記(27)、(28)式に代入し、各
セグメント区間Phについて感度Offs(Ph)、Sens(Ph
を係数として求める。このようにして、本発明の係数演
算手段は、P個に分割された各セグメント区間について
の係数群 を求める。
また、このようにして求めた感度およびオフセット信
号を、前記(9),(10)式に代入することにより、次
式で示すよう、各セグメント区間毎に補正演算式の係数
A,Bを求めることができる。
(b)温度係数の演算 また、本発明の物理量検出装置は、前記第(8)式を
用いて補正演算を行う場合には、(11),(12)式に示
す温度係数a1,b1,a2,b2を予め求めておく。
このような温度係数の演算は、次のような手順で行わ
れる。まず検出装置の動作温度Tをパラメータとして、
異なるl個の温度Tk(ただし、1≦K≦l)に対し、そ
れぞれ前記(25)式に示すデータを繰返し測定し、その
データを波形メモリへ書込む。
このようにして、求めたデータ群は、前述したように
次式で表わされる。
そして、補正演算手段は、このようにして求めたデー
タ群を各温度Tk毎にグループ分けする。そして、各グル
ープ毎に(34),(35)式の演算を行い、感度およびオ
フセット信号の平均値を求める。これにより、次式で示
すように、各温度Tk毎に、感度、オフセット群の平均値
が得られることになる。
そして、このようにして求めたデータ群を用い、(3
8)〜(45)式に基づき、温度係数a1,b1,a2,b2を求め
る。
このようにして、本発明によれば、前記(11),(1
2)で示す温度関数に用いられる係数群を求めることが
できる。
以上説明したように、本発明によれば、前記(4)ま
たは(8)式に示す補正演算式の係数群を、物理量の測
定を開始する前に予め正確に求めることができる。この
ため、前記(4)または(8)式に示す補正演算式を用
い、被測定体の物理量を、被測定体の運動位置および動
作温度の変化のいずれの影響を受けることなく、正確に
測定することが可能となる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、被測定体の回
転又は往復運動に伴い、物理量センサの検出感度および
その出力信号中に含まれるオフセット成分が変動する場
合でも、この変動分をリアルタイムで補正することがで
きるように補正演算式の係数群を決定することができ
る。このため、被測定体の物理量を、被測定体の停止、
低速運動領域から高速運動領域までリアルタイムでかつ
高精度に測定することが可能となる。
また、本発明によれば、検出装置の動作温度の変化に
伴う物理量センサの検出感度およびその出力信号中に含
まれるオフセット成分の変動を補正することができるよ
う、補正演算式の温度係数群を予め求めることもでき
る。このため、低温から高温という広い温度条件の下で
も正確に物理量の測定を行うことが可能となる。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づき説明する。
トルク検出装置 第23図には、本発明をトルク検出装置に適用した場合
の好適な実施例が示されている。
このトルク検出装置は、トルク伝達軸10に対し離隔的
に対向配置された磁気センサ12を用い、伝達軸10内に発
生する磁歪量を検出している。
第5図および第6図には、磁気センサ12の概略が示さ
れており、第5図にはその側面の概略、第6図にはその
正面が示されている。
実施例において、磁気センサ12はトルク伝達軸10と平
行に配置された励磁コア14と、この励磁コイ14の内側に
直交配置された検出コア18と、を含み、これ各コア14,1
8にそれぞれ励磁コイル16および検出コイル20を巻回す
ことにより形成されている。
第9図には、前記磁気センサ12の励磁コイル16に接続
された駆動回路30と、検出コイル20に接続された検出信
号処理回路32の一例が示されている。
前記駆動回路30は、発振器34および交流増幅器36を含
み、発振器34から出力される正弦波または三角波等の対
称交流波形電圧を交流増幅器36を介して励磁コイル16に
印加し、トルク伝達軸10を交番磁化している。
これにより、磁気センサ12の検出コイル20は、トルク
印加時にトルク伝達軸内に発生する磁歪量を起電力とし
て検出し、その検出信号を検出信号処理回路32へ向け出
力する。
前記検出信号処理回路は、濾波器38,交流増幅器40お
よび検波器42を含み、検出コイル20の出力電圧を直流検
波し、この直流検波信号をトルク検出信号(実施例では
アナログ信号)として出力している。
本発明の第1の特徴は、トルク伝達軸10の回転に伴う
トルク検出信号(センサ出力)Sの変動(第13図)、す
なわちトルク検出感度の変動(第11図)およびトルク検
出信号S中に含まれるオフセット成分の変動(第12図)
を補正し、これらの影響を受けることなく伝達トルクの
測定を正確に行うことにある。
このため、本発明の装置には、トルク伝達軸10の回転
角を検出する回転角検出器50と、トルク検出信号S中に
含まれるオフセット成分が予め設定登録されたオフセッ
ト信号発生器60と、トルク検出信号Sの感度が予め設定
登録された感度信号発生器70とを含む。
前記回転角検出器50は、予めトルク伝達軸10の回転角
θを任意の数のセグメント区間に分割しておき、検出回
転角θを対応するセグメント区間の検出信号P′として
出力するよう形成されている。
本実施例において、この回転角検出器50は、トルク伝
達軸10の回転角θを検出する角度検出部52と、予め回転
体10の回転角θを任意の数のセグメント区間に分割して
おき、検出回転角θを対応するセグメント区間検出信号
P′に変換出力するセグメント区間検出部54とを含む。
前記角度検出部52は、ロータリエンコーダをを用い回
転角度信号θを得るよう形成することが一般的である。
ロータリエンコーダとしては、磁気式,光式等があり、
実施例では、光式ロータリーエンコーダをトルク伝達軸
10に取付け回転角度信号θを検出している。
また、前記セグメント区間検出部54は、トルク伝達軸
10の回転角を1度毎に360個のセグメント区間に分割し
ておき、検出回転角θに基づき対応するセグメント区間
の検出信号P′を出力するよう形成されている。
また、前記オフセット信号発生器60には、トルク伝達
軸10の回転角θに依存して、前記検出信号処理回路32か
ら出力されるトルク出力信号Sに含まれるオフセット信
号が、各セグメント区間毎に予め設定されている。本実
施例では、360゜の回転角が1度毎に360個のセグメント
区間に分割されている。このため、実施例のオフセット
信号発生器60には、各セグメント区間P″に対応した36
0個のオフセット信号Offs(P″)が登録されている。
また、感度信号発生器70は、同様にトルク伝達軸10の
回転角θに依存している前記センサ12の感度に相当する
信号が、前記各セグメント区間毎に予め設定登録されて
いる。本実施例では、360個に分割された各セグメント
区間P″に対応した360個の感度Sens(P″)が予め設
定登録されている。
そして、前記補正演算回路80は、回転角検出器50から
出力されるセグメント区間検出信号P′に基づき、オフ
セット信号発生器60および感度信号発生器70から、対応
するセグメント区間のオフセット信号Offs(P″)およ
び感度Sens(P″)を読み出す。そして、読み出したオ
フセット信号および感度を、検出信号処理回路32から出
力されるトルク検出信号Sと共に前記第(4)式に代入
し、オフセット成分と感度の補正演算を行い、演算され
た伝達トルクTqを出力している。
ところで、前記第(4)式に示すオフセット信号およ
び感度は、温度による影響を受けやすく、温度の変化す
る測定条件下では、その測定精度にバラツキが生じてし
まう。
本発明の第2の特徴はこのような温度変化の影響を受
けることなく、伝達トルクの測定をより正確に行なうこ
とある。
このため、本発明のトルク検出装置は、トルク検出装
置の温度を検出する温度検出器90と、オフセット信号の
温度依存関数の係数が予め設定された温度補正用オフセ
ット係数信号発生器62と、感度の温度依存関数の係数が
予め設定された温度補正用感度係数信号発生器72を含
む。
前記温度検出器90は、どの部位の温度をもって温度補
正するかによりその温度検出箇所が異なるが、一般的に
はトルク検出出力特性に最も影響を及ぼす部分の温度を
測定することが好ましい。このような温度検出箇所とし
ては、センサ部あるいはトルク伝達軸10とすることが考
えられるが、本実施例では、磁気センサ12の温度を検出
出力するように形成されている。
また、このような温度検出器90は、熱電対あるいは赤
外線センサ等各種のセンサを用いて形成することができ
るが、一般的には、測定対象が静止物体の場合には熱電
対を、測定対象がトルク伝達軸10のように回転体である
場合には赤外線センサ等を使用する。実施例では、熱電
対を用いて、磁気センサ12の温度検出を行っている。
また、本実施例の装置は、感度およびオフセット出力
が、温度に対して一次関数的に変化するものと仮定し、
前記第(11)式,第(12)式に示す関数を温度依存関数
として用いる。
そして、前記温度補償用オフセット係数信号発生器62
には、前記第(12)式に示すオフセット信号温度依存関
数の係数a2,b2が予め設定登録されている。さらに、温
度補正用感度係数発生器72には、第(11)式に示す感度
温度依存関数の係数a1,b1が登録されている。
そして、実施例の補正演算回路80は、所定のタイミン
グ毎に温度検出器90から出力される検出温度Tと、各係
数信号発生器62,72に設定登録された係数を読み出し、
前記第(12)式,第(11)式に示す温度依存関数の演算
を行う。
そして、オフセット信号発生器60,感度信号発生器70
から読み出されるオフセット信号および感度と、前述し
たように演算して求めた温度依存関数との検出信号処理
回路32から出力されるトルク検出信号Sとを、それぞれ
前記第(8)式に代入し、伝達トルクTqを演算出力す
る。
このようにすることにより、トルク伝達軸10の回転位
置Pによるオフセット出力変動および感度変動を補正す
る共に、温度Tによるオフセット出力変動および感度変
動も同時に補正し、伝達トルクの測定を極めて高い精度
で行うことが可能となる。
本実施例の補正演算回路80は、このような補正演算を
行うために、演算器82,第1のタイミング信号発生器84
および第2のタイミング信号発生器86を含む。
前記第1のタイミング信号発生器84は、トルク検出タ
イミングに合せて一定の時間間隔Δtで動作する。そし
て、回転角検出器50から出力されるセグメント検出信号
P′を読出アドレスとしてオフセット信号発生器60およ
び感度信号発生器70へ向け出力し、これら発生器60,70
から対応するセグメント区間P″のオフセット信号Offs
(P″)および感度信号Sens(P″)を演算器82へ向け
出力させる。
また、前記第2のタイミング信号発生器86は、一定時
間毎にタイミング信号を温度検出器90および各係数信号
発生器62,72へ向け出力する。これにより、温度検出器9
0は、検出温度Tを演算器82へ向け出力する共に、各係
数発生器62,72は、設定された係数を演算器82へ向けそ
れぞれ出力する。
そして、演算器82は、このようにして入力される各信
号および検出信号処理回路32から出力されるトルク検出
信号Sを用い、前記第(8)式に基づき伝達トルクTqを
演算出力する。
このようにすることにより、本実施例のトルク検出装
置によれば、トルク伝達軸10の回転によるオフセット出
力変動および感度変動をリアルタイムで補正することが
でき、さらに温度によるオフセット出力変動および感動
変動をも同時に補正し、伝達トルクを高精度で検出する
ことが可能となる。
補正係数群演算回路 ところで、このような補正演算を行うためには、前記
(8)式に表わされる補正演算式の係数群を予め演算
し、この係数群を、オフセット信号発生器60、感度信号
発生器70、温度補償用オフセット係数信号発生器62、温
度係数信号発生器72へそれぞれ設定登録してやることが
必要となる。
第1図には、このような係数群の演算を行う補正係数
群演算回路の好適な第1実施例が示されている。
本実施例では、第23図に示すセンサ12、検出信号処理
回路32、回転角検出器50および温度検出器90をそのまま
用いるため、ここではその詳細な説明は省略する。
実施例の補正係数群演算回路は、トルク伝達軸10の回
転位置を対応するセグメント区間検出信号として出力す
る角度検出器50と、検出装置の動作温度Tを検出する温
度検出器90と、較正物理量信号を較正信号として出力す
る較正信号発生器200とを含む。
本実施例において、前記角度検出器50および温度検出
器90は、第23図に示す装置において用いられる角度検出
器50および温度検出器90をそのまま用い、その出力信号
を波形メモリ210へ向け出力している。
また、前記較正信号発生器200は、トルク伝達軸10を
介して実際に伝達されるトルクTqを、磁気センサ12の出
力信号Sを較正するための較正信号として出力するよう
に形成されている。この較正信号発生器200は、トルク
の測定範囲、軸の停止から高回転、低温から高温に至
り、センサ出力Sを較正するに十分な精度と応答性を有
する較正信号を出力するように形成する必要がある。こ
のため、実施例では歪ゲージとテレメータからなるトル
クメータを用い、トルク伝達軸10を介して伝達されるト
ルクTqを直接測定し、これを較正信号Tqとして出力する
ように形成されている。
そして、波形メモリ210は、角度検出器50からセグメ
ント区間検出信号P′が出力されるごとに、磁気センサ
12から出力されるトルク検出信号Sと、較正信号発生器
200から出力される較正信号Tqおよび温度検出器90から
出力される検出温度Tをデジタル化し、記憶する。この
ように、波形メモリ210は、トルク伝達軸10の回転速度
に依存することなく、角度検出器50から出力されるセグ
メント区間検出信号P′に同期して入力データ(S、T
q、T)を記憶する。本実施例では、1回転当り360個の
セグメントに分割されている。このため、トルク伝達軸
10が1回転すると、360組のデータ(S、Tq、T)を記
憶することになる。
本実施例は、前述した発明の原理の項で述べたよう
に、(25)式で表わされるデータ群を、動作温度Tをパ
ラメータとして、異なる温度Tkでl回測定し、その測定
データを波形メモリ210へ順次書込む。これにより、波
形メモリ210内には、(36)式で表わされるデータ群が
記憶されることになる。
なお、実施例の波形メモリ210は、このようにして、
入力されるデータ群を、各セグメント区間毎に記憶する
ように形成されている。
そして、係数演算器220は、波形メモリ210内に各セグ
メント区間毎に記憶されたデータに基づき、(4)式又
は(8)式に表わされる補正演算式の係数群を、各セグ
メント区間毎に演算する。
実施例の係数演算器220は、総和器222、乗算器224、
割算器226、減算器228、レジスタ232および制御器234を
含む。そして、波形メモリ210から読出されたデータ
は、222〜230の各演算器へ送られ、ここで、所定の演算
処理を施され、各演算器の出力はレジスタ232へ書込ま
れることになる。
このとき、前記制御器234は第3図および第4図に示
すフローチャートに基づき、レジスタ232内のデータ
と、波形メモリ210内のデータを、222〜230の各演算器
へ入出力する制御を行い、これら演算器に、前記(2
7)、(28)、(34)、(35)、(38)〜(45)式の演
算を行わせる。そして、前述したように、次式で表わさ
れる各セグメント区間毎の補正係数群を求め、 さらに、温度補正係数a1,b1,a2,b2を求める。
そして、このようにして求められた係数群は、PROM
(プログラマブル リード オンリー メモリ)250に
記憶される。
したがって、前記第2図に示すオフセット信号発生器
60,感度信号発生器70,温度補正用オフセット係数発生器
62,温度補正用感度係数発生器72を、前記PROM250を用い
て形成することにより、前記(8)式を用いた補正演算
を、各セグメント区間毎に行い、停止から高回転、低温
から高温に至るまで、瞬時トルクを高精度で測定するこ
とが可能となる。
特に、従来は、トルク伝達軸10を取替えた場合に、高
精度でトルク測定を行うことができなかったが、本実施
例によれば、補正係数用のPROM250M250を取替えるだけ
で簡単にトルク測定を行うことができ、極めて便利なも
のとなることが理解されよう。
具 体 例 第2図には第1図に示す補正係数群演算回路の具体的
な回路構成が示されている。
本実施例において、前記較正信号発生器200は、歪ゲ
ージ202、ロータリトランス204、較正信号処理回路206
を含む。前記歪ゲージ202は、トルク伝達軸10上にブリ
ッジ回路として貼着されており、伝達トルクTqによる回
転軸10の歪みを検出する。
そして、歪ゲージ202と、較正信号処理回路206との間
は、ロータリトランス204で回転自在に結合され、歪ゲ
ージ202の出力は、このロータリートランス204を介して
較正信号処理回路206へ向け出力される。そして、較正
信号処理回路206は、歪ゲージ202によって検出された伝
達トルクをセンサ出力較正用の較正信号Tqとして波形メ
モリ210へ向け出力する。
また、本実施例の温度検出器90は、熱電対94、温度信
号処理回路96を含み、磁気センサ12の温度を検出し、そ
の検出温度Tを波形メモリ210へ向け出力している。
ここにおいて、温度信号処理回路96は、熱電対94の検
出する温度に室温補償、増幅を施し、検出温度Tを波形
メモリ210に記憶する最適な電圧レベルの信号として出
力するように形成されている。
また、実施例の角度検出器50は、角度検出部としての
光式ロータリーエンコーダ52aと、セグメント区間検出
部としての位置信号処理回路54aとを含む。前記比較式
ロータリーエンコーダ52aは、トルク伝達軸10に設けら
れている。そして位置信号処理回路54aは、光式ロータ
リーエンコーダ52aの出力に基づき、トルク伝達軸10が
1回転する毎に基準位置検出信号を出力するとともに、
トルク伝達軸10が1度回転する毎にセグメント区間検出
信号P′を波形メモリ210へ向け出力するように形成さ
れている。
なお、角度検出部52としては、前記光式ロータリーエ
ンコーダ52aに替え、例えば磁気式のロータリーエンコ
ーダを用いてもよく、また絶対位置を検出するアブソリ
リュートエンコーダを用いてもよい。
また、実施例の波形メモリ210は、サンプルホールド
回路212、マルチプレクサ214、A/D変換器216およびメモ
リ218を含む。そして、角度検出器50から検出されるセ
グメント区間検出信号P′に同期して、検出信号処理回
路32から出力されるトルク検出信号Sと、較正信号発生
器200から出力される較正信号Tqと、温度検出器90から
検出される検出温度Tとを同時にサンプルホールドす
る。そして、サンプルホールドされたこれら3個のデー
タは、マルチプレクサ214を介してA/D変換器216に入力
され、ここでデジタル信号に変換された後、メモリ218
に記憶される。
ここにおいて、前記A/D変換器216は、12ビットのA/D
変換を行うように形成されている。その理由は波形メモ
リ210のアナログ−デジタル変換精度を、補正係数とし
て0.1%とするためである。
また、波形メモリ210の動作スピードは、データ記憶
スピードを決定する上で重要な要素である。例えば回転
速度を6,000rpmのトルク伝達軸10から、回転角で1度毎
にデータを記憶するとすれば、100×360×3=108kHzの
データ処理速度が必要となる。その理由は、トルク伝達
軸10の1秒当りの回転数は、6,000rpm×(1/60)=100
回転であり、また1回転当りのセグメント数は360個で
あり、しかも本実施例では3チャンネル分のアナログ/
デジタル変換を同時に行っているからである。
一般的には、波形メモリ210内に回転速度で1,000rpm
程度でデータを記憶すれば十分である。したがって、A/
D変換器216のアナログ−デジタル変換スピードは、18kH
z程度の変換周波数を用いれば十分である。なお、実施
例では余裕を見て100kHz以上の変換周波数を持つA/D変
換器216が用いられている。
また、本実施例ではデータの同時性が重要であるた
め、サンプルホールド回路212として3チャンネル分の
データを同時にサンプルホールドできるものを用いた。
また、波形メモリ210として、特に高速動作が必要な
ものでは、サンプルホールド回路212から出力される3
チャンネル分のデータを同時にアナログ−デジタル変換
できるよう、3個のA/D変換器216を用いデータを並列処
理するように形成するようにするのが好ましい。
また、本実施例の係数演算器220は、積和演算器240、
マイクロコンピュータ242、RAM244およびROM246を含
む。
そして、前記ROM246には、マイクロコンピュータ242
の動作プログラムが書込まれており、また、前記RAM244
は第1図に示すレジスタ232として機能するように形成
されている。
また、前記積和演算器240は、第1図に示す222〜230
の各演算器と同じ働きをし、しかも各演算をパイプライ
ン的に並列処理できるように形成されている。
そして、マイクロコンピュータ242は、ROM246内に格
納された動作プログラムにしたがい、前記第1図に示す
制御器234と同じ役割を果し、メモリ218からRAM244への
データ転送、積和演算器240へのデータの受渡し、また
この演算器240の演算結果を受取りRAM244へ格納する動
作を行うよう形成されている。
そして、このマイクロコンピュータ242は、このよう
な演算により得られる補正演算式の係数群を、PROM250
へ書込み記憶する。
本実施例は以上の構成からなり、次にその作用を説明
する。
まず、前記(4)式または(8)式に用いられる係数
A,Bを、各セグメント区間毎に求める動作について説明
する。
第3図には、このような係数A,Bを求める演算動作の
一例が示されている。本実施例では、まず、検出装置の
温度Tを一定に保ち、しかも平均印加トルクTqを一定に
する。そして、このとき波形メモリ210に入力される信
号S,Tq,Tを、セグメント区間検出信号Pに同期して、ト
ルク伝達軸12のr回転分だけメモリ218内に記憶する。
第19図には、このようにしてメモリ218内に書込まれ
たセンサ出力Sと、較正信号発生器200から出力される
瞬時トルクTqの1回転分のデータが示されている。な
お、このデータ測定に際し、温度T=60℃、平均印加ト
ルクq=10kgfmとした。
この測定では、平均印加トルクqが一定であるが、
瞬時印加トルクTqは変化している。したがって、センサ
出力Sは、瞬時印加トルクTqに対応した変化を示し、し
かもトルク伝達軸10の回転に伴う感度の変動およびオフ
セット成分の変動を重畳した値となる。
第19図では、1回転分のデータを示したが、本実施例
においては、r回転分のデータが記憶される。ここでは
r=22回転とした。
このr回転分のデータを平均印加トルクqを変化さ
せることにより、n回測定し、これを波形メモリ210に
記録する。
第20図には、このように平均印加トルクqをパラメ
ータとして求めたn組のデータ群が示されている。
そして、このようにして求めたデータ群を第21図に示
すようにセグメント区間P″毎の小データ群に分類し、
各セグメント区間P″毎にトルクとセンサ出力のテー
ブルを作成する。
そして、このようにして作成された各セグメント区間
毎の小データ群を(27)、(28)式に代入し、各セグメ
ント区間毎のオフセット信号Offs(P″)および感度Se
ns(P″)を求める。第11図および第12図にはこのよう
にして求めた感度およびオフセット信号が示されてい
る。このようにして求められた感度およびオフセット信
号は、各セグメント区間毎にPROM250へ書込まれる。
前述したように、磁気センサ12から出力されるセンサ
出力Sは、トルク伝達軸の回転に伴う感度変動(第11
図)およびオフセット出力変動(第12図)のために、印
加トルクTqは一定の場合でも第16図に示すように変化し
てしまう。したがって、従来装置では、トルク伝達軸10
を介して伝達される瞬時トルクTqを精度良く測定するこ
とができなかった。
しかし、本発明によれば、第11図および第12図に示す
ように、トルク伝達軸10の回転位置Pに対応した感度Se
ns(P″)およびオフセット信号Offs(P″)を各セグ
メント区間P″毎に演算し、予めPROM250内にトルクし
ておく。このため、磁気センサ12の出力信号Sを、各セ
グメント区間P″毎にそれぞれ独自の係数群をもった補
正演算式、例えば(4)式を用い補正演算処理し、感度
とオフセット成分の補正を行うことができる。
これにより、第17図に示すように、瞬時トルクTqを一
定に制御すると、磁気センサ12からはトルク伝達軸10の
回転位置に依存しないほぼフラットな特性をもった検出
信号Sが出力される。このため、トルク伝達軸10の停止
から高回転まで瞬時トルクTqを高精度に検出することが
可能となる。
また、第4図には、前記(8)式に示す温度係数a1,b
1,a2,b2を求めるための演算動作の一例が示されてい
る。
第20図に示すデータ群は、温度Tが一定の場合のデー
タ群であるが、このような温度係数a1,b1,a2,b2を求め
る場合には、温度Tをパラメータとして第20図に示すよ
うなデータ群を異なる温度でl回測定し、第22図に示す
ようなデータ群を求める。そして、このようにして求め
たデータ群を波形メモリ210内に記録する。
そして、係数演算器220は、第22図に示すように、各
温度Tについてのデータ群のそれぞれについて(34)、
(35)を用い平均感度および平均オフセット信号を求め
る。
第14図、第15図には、このようにして求めた平均感度
および平均オフセット信号の温度依存特性が表わされて
いる。同図に示すように、平均感度および平均オフセッ
ト信号は、温度Tの関数として変化することが理解され
よう。
このため、従来のトルク検出装置では、磁気センサ12
から出力される信号Sが、第16図に示すように、温度T
の変化により変化してしまい、正確なトルク検出を行う
ことができなかった。
これに対して、本発明の装置は、第14図および第15図
に示すように温度Tをパラメータとして求めた平均感度
および平均オフセット信号を用い、前記(38)〜(45)
式に基づき、その温度係数a1,b1,a2,b2を求めこれをPRO
M250に記憶させる。
すなわち、第14図、第15図に示すように温度Tの関数
として得られた平均感度および平均オフセット信号を次
式で近似して、その係数a1,b1,a2,b2を係数演算器220に
より求める。
Sens(T)=ens・f1(T) =ens・(a1+b1T) …(46) Offs(T)=ffs・f2(T) =ffs・(a2+b2T) …(47) そして、これら各温度係数a1,b1,a2,b2をPROM250内に
書込む。
したがって、このようにして求めた温度係数群と、前
述したように求めた各セグメント区間毎の係数群を用い
ることにより、前記(8)式に基づき磁気センサ12のセ
ンサ出力Sに対する補正演算を行うことができる。これ
により、トルク伝達軸10の回転位置のみならず、温度T
の変化による影響を受けることなく、トルク伝達軸10を
介して伝達される平均トルクTqをより正確に測定するこ
とが可能となる。
第18図には、このようにして求めた瞬時トルクTqの温
度依存特性が示されている。なお、同図においては、平
均トルクTqは一定に制御されているものとする。
同図から明らかなように、本実施例の装置によれば、
0〜150℃にわたる広範囲な温度領域で、ほぼフラット
な検出出力を得ることができ、このことからも本実施例
の装置によれば、温度Tの影響を受けることなく、瞬時
トルクTqを高い精度で測定することが可能となる。
なお、前記各実施例においては、センサ検出出力に位
置補正と温度補正を施す場合を例にとり説明したが、本
発明はこれ以外に、直線性の補正機能を付加することも
可能である。すなわち、トルク測定においてよく見られ
る現象として、高トルク側でトルク検出出力が飽和する
という傾向にあるということが挙げられる。こうした問
題に対し、本発明を用いて直線性を補正することによ
り、より高精度なトルク測定を行うことが可能となる。
この場合には、例えば補正変換テーブル等を採用すれば
よい。
また、前記実施例においては、係数演算器220とし
て、マイクロコンピュータ242とRAM244とが別体に形成
されたものを例にとり説明したが、これ以外に、例えば
RAMが集積された1チップマイクロコンピュータを用い
てもよく、またデータ領域とプログラム領域を分離し、
専用の積和演算器を有し、高速演算が可能なDSP(Degit
al Signal Processor)を用いてもよい。
また、前記実施例においては、1組の総和器222、乗
算器224、割算器226、減算器228および加算器230を用い
た場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限らず、
これら各演算器を複数組設け、これら複数組の減算器を
互いに結合し、その演算を並列に行うことにより、係数
群の演算をより高速で行うよう形成してもよい。
また、前記各実施例では被測定体として回転運動する
トルク伝達軸を例にとり説明したが、本発明はこれに限
らず、並進往復運動するトルク伝達体に対しても同様に
適用可能であることは言うまでもない。この場合には、
位置検出手段は、被測定体の往復運動位置を任意の数の
セグメント区間に分割し、被測定体の測定位置を対応す
るセグメント区間信号として出力するように形成すれば
よい。
また、前記実施例ではヘッド型磁気センサを用いた場
合を例にとり説明したが、リング形状の磁気センサを用
いた場合にも適用可能であることはいうまでもなく、ま
たこれ以外に磁気センサ以外の他のタイプの物理量セン
サを用いた場合においても適用可能であることはいうま
でもない。
また、前記実施例では、本発明のトルク検出装置に対
し適用した場合を例にとり説明したが、本発明はこれに
限らず、これ以外の他の物理量、例えば力、歪、圧力、
温度、反射率を検出する物理量センサを用いた場合で
も、同様にして被測定体の位置および温度変動の影響を
補正できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るトルク検出装置に用いられる補
正係数群演算回路の好適な実施例を示すブロック回路
図、 第2図は、第1図に示す補正係数群演算回路の具体的な
回路構成を示すブロック回路図、 第3図および第4図は、第1図および第2図に示す補正
係数群演算回路の動作を示すフローチャート図、 第5図および第6図は、前記第1図および第2図に示す
補正係数群演算回路に用いられる磁気センサの概略説明
図、 第7図および第8図は、従来技術において用いられる磁
気センサの概略説明図、 第9図は、第1図および第2図に示す回路に用いられる
磁気センサ用の駆動回路および検出信号処理回路のブロ
ック回路図、 第10図は、従来のトルク検出装置のブロック回路図、 第11図および第12図は、回転体上の測定位置による感度
およびオフセット信号の変動を示す説明図、 第13図は、磁気センサから出力される補正前のトルク検
出出力の説明図、 第14図および第15図は、温度による感度およびオフセッ
ト信号の変動を示す説明図、 第16図は、温度補正を行う前のトルク検出出力の説明
図、 第17図は、感度およびオフセット信号の変動を補正した
後のトルク検出信号の説明図、 第18図は、温度補正を行った後のトルク検出出力の説明
図、 第19図〜第21図は、第1図、第2図に示す回路の波形メ
モリ内に記憶されるデータと、係数演算により取扱われ
るデータの形状を示す説明図、 第22図は、温度補正係数を演算するために、波形メモリ
内に記憶されたデータ群を係数演算器により取扱うため
のデータ形状を示す説明図、 第23図は、第1図および第2図に示す補正係数群演算回
路により演算された補正係数群を用いて、磁気センサの
出力を各セグメント区間毎に補正演算するトルク検出装
置の一例を示すブロック回路図である。 10……トルク伝達軸 12……磁気センサ 50……位置検出器 90……温度検出器 200……較正信号発生器 220……係数演算器
フロントページの続き (72)発明者 阿部 正顕 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 竹内 正治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−124835(JP,A) 特開 昭61−248664(JP,A) 特開 昭61−237183(JP,A) 特開 昭63−302336(JP,A) 特開 昭63−33634(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転または往復運動する被測定体の運動位
    置を任意の数に分割されたセグメント区間として検出す
    る位置検出手段と、 前記被測定体の物理量を検出する物理量センサと、 前記物理量センサの出力を、オフセット成分と物理量検
    出感度成分の各係数を含む係数群をもった補正演算式で
    補正する補正手段と、 を含み、 前記補正手段は、 前記係数群を、前記各セグメント区間毎に独自に設定さ
    れたデータとして記憶する係数記憶手段と、 前記位置検出手段の検出信号に基づき、対応する係数群
    を前記係数記憶手段から読出して前記補正演算式に設定
    し、前記物理量センサの出力を前記補正演算式に基づき
    補正演算処理し、オフセット成分と感度を補正する補正
    演算手段と、 を含む物理量検出装置であって、 前記係数群を各セグメント区間毎に予め演算する補正係
    数群演算手段を有し、 この補正係数群演算手段は、 前記被測定体の運動位置を検出するとともに、検出位置
    を対応するセグメント区間検出信号として出力する位置
    検出手段と、 前記物理量センサの出力較正用の較正物理量信号を出力
    する較正信号発生手段と、 位置検出手段からセグメント区間検出信号が出力される
    度に、物理量センサの出力と較正信号発生手段から出力
    される較正物理量信号を各セグメント区間毎に記憶する
    波形メモリと、 前記波形メモリに各セグメント区間毎に記憶された物理
    量センサの出力と較正物理量信号とに基づき、オフセッ
    ト成分と物理量検出感度成分の各係数を含む前記補正演
    算式の係数群を各セグメント区間毎に演算する係数演算
    手段と、 を含むことを特徴とする物理量検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記波形メモリは、各セグメント区間毎に複数組の物理
    量センサ出力および較正物理量信号を記憶し、 前記係数演算手段は、波形メモリに記憶された複数組の
    物理量センサ出力および較正物理量信号を各セグメント
    区間毎に読出し、その物理量センサ出力群及び較正物理
    量信号群の誤差平均和が最少となるよう各セグメント区
    間の係数群を演算により求めることを特徴とする物理量
    検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1,2のいずれかにおいて、 前記補正係数群演算手段は、 物理量検出装置の動作温度を検出する温度検出手段を有
    し、 位置検出手段からセグメント区間検出信号が出力される
    たびに、物理量センサの出力と、較正物理量信号と、温
    度検出手段の検出温度とを各セグメント区間毎に記憶す
    るように形成され、 前記係数演算手段は、 波形メモリに各セグメント区間毎に記憶されたデータに
    基づき、前記補正演算式の温度係数群を演算することを
    特徴とする物理量検出装置。
JP63335377A 1988-12-30 1988-12-30 物理量検出装置 Expired - Fee Related JP2574023B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63335377A JP2574023B2 (ja) 1988-12-30 1988-12-30 物理量検出装置
US07/460,235 US5062062A (en) 1988-12-30 1989-12-29 Torque detecting apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63335377A JP2574023B2 (ja) 1988-12-30 1988-12-30 物理量検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02181623A JPH02181623A (ja) 1990-07-16
JP2574023B2 true JP2574023B2 (ja) 1997-01-22

Family

ID=18287859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63335377A Expired - Fee Related JP2574023B2 (ja) 1988-12-30 1988-12-30 物理量検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2574023B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017156265A (ja) * 2016-03-03 2017-09-07 シンフォニアテクノロジー株式会社 零点設定方法、評価装置およびプログラム
JP2019060854A (ja) * 2017-08-11 2019-04-18 ベントリー・ネバダ・エルエルシー 磁歪式トルクセンサのための改善された間隙補償

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000241202A (ja) * 1999-02-24 2000-09-08 Denso Corp センサ装置
JP4736508B2 (ja) * 2005-03-31 2011-07-27 株式会社デンソー 物理量検出方法及びセンサ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017156265A (ja) * 2016-03-03 2017-09-07 シンフォニアテクノロジー株式会社 零点設定方法、評価装置およびプログラム
JP2019060854A (ja) * 2017-08-11 2019-04-18 ベントリー・ネバダ・エルエルシー 磁歪式トルクセンサのための改善された間隙補償
JP7088775B2 (ja) 2017-08-11 2022-06-21 ベントリー・ネバダ・エルエルシー 磁歪式トルクセンサのための改善された間隙補償

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02181623A (ja) 1990-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU620135B2 (en) Magnetostrictive torque sensor
US5062062A (en) Torque detecting apparatus
Meydan Application of amorphous materials to sensors
GB2269009A (en) Magneto-optic torque measuring system with temperature compensation
JP2574023B2 (ja) 物理量検出装置
Wang et al. Research and calibration experiment of characteristic parameters of high temperature resistance strain gauges
JP2574022B2 (ja) 物理量検出装置
JPH0462327B2 (ja)
US7143656B2 (en) Reduced axial movement error in a torque-sensing system
Liu et al. The state-of-art and prospect of contactless torque measurement methods
JPH0462328B2 (ja)
JPH0726880B2 (ja) 物理量検出装置
JPH1114474A (ja) 波動減速機における伝達トルク検出装置および方法
JPH11295106A (ja) 弾性カップリング用トルクセンサ
JP3500966B2 (ja) 応力測定方法及び近似関数の特定方法
RU2722339C1 (ru) Способ измерения крутящего момента на валу двигателя
JPS6273101A (ja) 渦電流式高温用変位計
SU1643961A1 (ru) Способ определени крут щего момента
RU2367903C1 (ru) Устройство для измерения угловых перемещений
SU491052A1 (ru) Устройство дл замера моментов
SU1046604A1 (ru) Устройство дл измерени деформаций вращающихс тел
SU939930A1 (ru) Устройство дл измерени пластической деформации издели
JP2979708B2 (ja) 精密磁束密度測定装置
SU1362980A1 (ru) Способ статической градуировки фазоимпульсного преобразовател крут щего момента
Angeid Noncontacting torquemeters utilizing magneto-elastic properties of steel shafts

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees