JPH0462327B2 - - Google Patents

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JPH0462327B2
JPH0462327B2 JP19681785A JP19681785A JPH0462327B2 JP H0462327 B2 JPH0462327 B2 JP H0462327B2 JP 19681785 A JP19681785 A JP 19681785A JP 19681785 A JP19681785 A JP 19681785A JP H0462327 B2 JPH0462327 B2 JP H0462327B2
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torque
offset
signal
rotation angle
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JP19681785A
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Yutaka Nonomura
Jun Sugyama
Hirobumi Komatsubara
Masaharu Takeuchi
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Priority to US06/903,139 priority patent/US4697459A/en
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はトルク測定装置、特に回転磁性体を介
して伝達されるトルクを磁気歪みをもつて非接触
で測定する改良されたトルク測定装置に関するも
のである。
[従来技術] 背景技術 各種の回転駆動装置において、伝達トルクを正
確にかつ簡易に測定することが必要であり、種々
の産業分野における駆動装置の分析あるいは運転
状態の把握に極めて好適である。
通常、この種の回転駆動装置としては、各種の
原動機が知られており、特に車両のエンジン、電
気自動車の電動モータあるいは産業用モータとし
てほとんどあらゆる産業分野に利用されており、
このような回転駆動装置の運転状態を分析するた
めには、その回転数と並んで、トルク測定が正確
に行われる必要がある。
特に、車両用エンジン等においては、エンジン
自体あるいはその駆動力伝達機構であるトランス
ミツシヨン、プロペラシヤフト、差動ギア等各種
の駆動系のトルクを計測することにより、点火時
期制御、燃料噴射量制御、変速時期あるいは変速
比制御に利用され、これらの分析結果に基づいて
車両の燃費を改善し、あるいは運転特性を向上さ
せる等各種の利用に供することができる。
また、産業用モータにおいても、正確なトルク
測定に基づいて回転駆動系の最適制御及び診断作
用を行うことが可能となる。
従来技術 ところで、回転駆動系を介してトルクを伝達す
る場合に、回転駆動系内においてトルクを伝達す
る回転体、例えば回転軸やクラツチ板等には伝達
トルクに比例した歪みが発生し、従つて、この歪
み量を検出することにより、伝達トルクの測定を
行うことができる。
このため、従来より回転体内に発生した歪み量
を磁歪効果を用いて検出する装置が周知であり、
この装置によれば、トルクを伝達する回転体の一
部を強磁性体を用いて形成し、この回転磁性体の
磁歪量を磁気センサを用いて検出し、前記伝達ト
ルクを非接触で測定していた。
ここにおいて、前記磁気センサの検出信号は、
伝達トルクに依存する成分とトルクに依存しない
オフセツト成分の和として出力されているため、
正確なトルク測定を行うためには、磁気センサの
出力から前記オフセツト成分を減算することが必
要となる。
しかし、従来の測定装置では、前記オフセツト
成分の大きさが回転磁性体の回転に伴い不規則に
変化するにもかかわらず、これらを常に一定の値
とみなし、磁気センサの出力から予め定められた
一定の値をオフセツト成分として減算していた。
このため、従来の測定装置は、伝達トルクの測
定を正確に行うことができず、特にオフセツト成
分が大幅に変動する場合には、その測定値が極め
て不正確なものになるという問題があつた。
第8図及び第9図には、車両用エンジンのトル
ク伝達機構に設けられたトルク測定装置が概略的
に示されており、第8図には、トルク測定装置の
側面の概略が示され、第9図には第8図の−
断面図が概略的に示されている。
周知のように、エンジンで発生したトルクは、
回転軸10を介して図示しない回転ヘライホイー
ルに伝わり、このフライホイールと摩擦接合する
クラツチ板を介してトランスミツシヨン側へ伝達
される。
このようにして、トルクの伝達が行われると、
トルクを伝達する回転軸10や、クラツチ板、フ
ライホイール等の回転板には、伝達トルクの大き
さに比例した大きさの歪みεの異方性が生じる。
従つて、トルク伝達系が強磁性体をもつて形成さ
れている場合には、、発生する歪みの異方性の大
きさを磁歪効果を用いて磁気的に非接触で検出
し、伝達されるエンジントルクの測定を行うこと
ができる。
このため、トルク測定装置においては、トルク
が伝達される回転体を回転磁性体とするために、
回転軸10あるいはフライホイールそのものを強
磁性体を用いて形成したり、あるいはこれら回転
軸10又はフライホイールの表面に強磁性体を付
着させ、このようにして形成された回転磁性体に
向け、磁気センサ12を所定間隔で離隔的に対向
配置している。
ここにおいて、使用される磁気センサ12は、
回転軸10と平行に配置されたコ字状の励磁コア
14と、この励磁コア14の内側に直交配置され
たコ字状の検出コア18と、を含み、前記励磁コ
ア14に励磁コイル16を巻回し、前記検出コア
18に検出コイル20を巻回することにより形成
されている。
第10図には、前記磁気センサ12を用いて形
成された電気回路が示されており、励磁コイル1
6には、交流電源22から正弦波電圧が印加さ
れ、磁気センサ12と対向する回転軸10を交番
磁化する。
この際、回転軸10を介してトルクが伝達され
ている場合には、この回転軸10内に応力が発生
し磁歪効果により前記励磁方向と直交した方向に
磁束成分が生じる。この磁束成分が検出コイル2
0により誘起電圧として検出され、交流増幅器2
4にて増幅された後、検波器26にて整流検波さ
れる。
そして、この整流検波信号に含まれるオフセツ
ト成分は、一定値として取扱われ、その値はオフ
セツト減算値28にて減算処理されたのち、トル
クに比例した信号として出力される。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、磁気センサ12の検出信号中に含まれ
るオフセツト成分は常に一定の大きさではなく、
その値は不規則に変化する。
これにもかかわらず、従来の測定装置では、オ
フセツト成分の大きさを常に一定の値とみなして
いるため減算器28が検波器26の検出信号から
減算するオフセツト信号の値が、実際のオフセツ
ト成分の値と異なつたものとなり、正確なトルク
測定を行うことができないという問題があつた。
第11図には、前記整流器26から出力される
電圧A0の信号波形が示されており、図中Siは
100Nmのトルクを伝達した場合に出力される電
圧波形を表し、S0iは伝達トルク0に設定した場
合には検波器26から出力される電圧波形、すな
わちオフセツト電圧波形を表している。
同図からも明らかなように、検波器26から出
力される信号にはその大きさが不規則に変化する
オフセツト成分が含まれていることが理解され
る。
本発明者は、このようなオフセツト成分を除去
するため、その発生原因を分析したところ、次の
ような項目がその原因となることを解明した。
(a) 磁気センサの対向する回転磁性体(第8図、
第9図においては回転軸10)の残留歪み。
(b) 回転磁性体の磁気的な不均一。
(c) 磁気センサと回転磁性体との相対位置関係の
変動。
(d) 磁気センサにて発生する高周波信号のクロス
トーク。
(e) 電気回路の処理により発生するオフセツト。
ここにおいて、(d)、(e)の原因によつて引き起こ
されるオフセツト成分はその値が一定であり、ま
た、(c)の項目によつて引き起されるオフセツト成
分も、磁気センサ12の回転磁性体に対する配置
を適切に設定することにより、ほぼ一定となし得
る。
これに対し、(a)、(b)の項目により引き起される
オフセツト成分の大きさを一定とするためには、
回転磁性体の機械的性質の残留歪み、透磁率、飽
和磁束密度、容易磁化方向等の磁気的性能を均一
とすることが必要とされる。
しかし、円周方向全域に渡つて均一な磁気特性
を有するよう回転磁性体を形成することは実際上
不可能であり、従つて、前記(a)、(b)の項目によつ
て引き起こされるオフセツト成分を一定とするこ
とができない。
この結果、第11図の波形Siで示す如く、検波
器26から出力される信号A0は、伝達されるト
ルクが一定の場合であつても、オフセツト成分に
より不規則に変動することとなる。従つて、検波
器26の出力A0から単に一定の値をオフセツト
信号成分として減算しても、減算器28の出力
E0は、第12図に示す如く、脈動し、正確なト
ルク測定を行うことができないことが理解され
る。
このため、このような測定装置では、回転磁性
体が所定数回転する間に出力されるオフセツト成
分の平均値を求めておき、この値をオフセツトデ
ータとして予め減算器28に設定する。そして、
検波器24の出力信号A0からオフセツト平均値
を漸次減算し、回転磁性体が所定数回転するごと
にこの減算値Eの平均値を求め、この平均値Eに
基づき伝達トルクの測定を行うことも考えられ
る。
しかし、このような対策を施しても、回転磁性
体を介して伝達されるトルクの大きさは、回転磁
性体の所定回転毎の平均値として求められるのみ
であり、伝達トルクの大きさを高い検出分解能で
リアルタイム測定することができず、特に、伝達
トルクが頻繁に変動するような場合には、これを
正確に測定することができないという問題があつ
た。
また、このように平均値に基づきトルク測定を
行う装置では、トルクの検出精度及び再現性が十
分でなくその有効な対策が望まれていた。
発明の目的 本発明は、このような従来の課題に鑑みなされ
たものであり、その目的は、磁気センサの検出す
る信号からオフセツト成分を正確に除去し、応答
性の良い正確なトルク測定を行うことの可能なト
ルク測定装置を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 構 成 前記目的を達成するため本発明の装置は、トル
クを伝達する回転磁性体の磁歪量を磁気センサを
用いて検出し、前記伝達トルクを磁気センサの検
出する磁歪量に基づき非接触で測定するトルク測
定装置において、 前記回転磁性体の回転角を表すタイミグ信号を
出力するタイミング信号発生器と、 前記回転磁性体の回転角に依存して磁気センサ
から出力されるオフセツト信号が予め設定され、
前記タイミング信号に基づき回転角に応じたオフ
セツト信号を順次出力するオフセツト信号発生器
と、 前記磁気センサの検出信号からオフセツト信号
を減算する減算器と、 を含み、前記減算器の出力に基づき回転磁性体の
伝達トルクの測定を行うことを特徴とする。
ここにおいて、前記回転磁性体としてはトルク
が伝達される回転体部分であれば、回転軸部分あ
るいは回転円板部分のいずれを用いることも可能
である。
また、前記回転磁性体は、強磁性材料を用いて
形成することが好ましく、例えば、トルクを伝達
する回転体の周囲にその円周方向に沿つて強磁性
体を貼着して形成しても良く、あるいは前記回転
体そのものを強磁性体を用いて形成しても良い。
また、磁気センサから出力される信号をデジタ
ル的に処理する場合には、前記オフセツト信号発
生器は、予め回転磁性体の各回転角におけるオフ
セツト信号をデータとして記憶したメモリを用い
て形成し、タイミング信号発生器から出力される
タイミング信号に基づき回転角に対応するオフセ
ツト信号を順次出力するよう形成することが好ま
しい。
また、これとは逆に磁気センサから出力される
信号をアナログ的に処理する場合には、前記オフ
セツト信号発生器として波形発生器を用い、タイ
ミング信号発生器から出力されるタイミング信号
に基づき、回転磁性体の回転角に対応したオフセ
ツト信号をアナログ波形として出力するよう形成
することが好ましい。
発明の原理 次に、本発明のトルク測定装置の原理について
説明する。
本発明を行うにあたり、発明者は、磁気センサ
の出力中に含まれるオフセツト成分の検討、解析
を行つた。
この結果、第11の信号Soiで示すごとく、こ
のオフセツト成分は、回転磁性体が1回転するご
とに同一波形となつて表れる特性を有することが
確認された。
すなわち、このオフセツト成分は、回転磁性体
の回転角に依存して周期的に変化し、回転磁性体
が1回転するごとに同一波形となつて現われる。
従つて、回転磁性体が同一の回転角度位置を通
過する際、磁気センサから出力される信号中に含
まれるオフセツト成分は、常にその大きさが等し
い値となることが理解される。
本発明は、このようなオフセツト成分の特性に
着目してなされたものであり、その特徴的事項
は、回転磁性体の0〜360°の範囲の回転角に依存
したオフセツト信号をオフセツトデータとして予
め設定しておき、磁気センサの出力信号から前記
回転角に応じたオフセツト信号を順次減算出力す
ることにある。
このようにすることにより、本発明によれば、
磁気センサの検出出力からオフセツト成分を確実
に除去し、オフセツト成分による影響を受けるこ
となく伝達トルクの測定を正確に行うことができ
る。
[作用] 本発明は以上の構成からなり、次にその作用を
説明する。
本発明の装置を用いて伝達トルクの測定を行う
と、磁気センサからは第11図に示すごとく、回
転磁性体の伝達トルクを表す信号Siがオフセツト
成分を含んだ状態で出力される。
これに対し、本発明においては、オフセツト信
号発生器内に、前記回転磁性体の回転角に依存し
たオフセツトデータが予め設定されており、回転
角を表すタイミングし号に基づき回転角に応じた
オフセツト信号を順次出力している。
そして、減算器内において、磁気センサから出
力される検出信号から前記オフセツト信号を減算
して出力する。
このようにして、本発明によれば、磁気センサ
が出力信号から回転角に依存したオフセツト成分
を確実に除去することができることから、磁気セ
ンサの検出出力に基づき、オフセツト成分に影響
されることなく、伝達トルクの測定をリアルタイ
ムで行うことができる。
第2図には、100Nmの一定トルクを回転磁性
体を介して伝達した際、減算器から出力される信
号の一例が示されており、同図からも明らかなよ
うに、本発明によれば、磁気センサの検出出力か
らオフセツト成分をリアルタイムで除去すること
ができるため、従来の測定装置では不可能であつ
た回転磁性体の1回転以下の分解能を発揮し、伝
達トルクの測定をリアルタイムで行うことが可能
となる。
更に、本発明によれば、磁気センサから出力さ
れる信号からオフセツト成分をその都度リアルタ
イムで減算処理し、伝達トルクの測定を行うこと
ができるためトルクの測定を高精度でかつ再現性
良く行うことが可能となる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、回転磁
性体を介して伝達されるトルクの測定を、リアル
タイムでかつ正確に行うことが可能となる。
[実施例] 次に、本発明の好適な実施例を図面に基づき説
明する。なお、前記実施例と対応する部材には同
一符号を付しその説明は省略する。
第1実施例 構 成 第3図及び第4図には、本発明にかかるトルク
測定装置の磁気センサ部分の概略が示されてお
り、第3図にはその側面の概略、第4図にはその
正面側の概略が示されている。
本実施例において、磁気センサ12は、回転軸
10と平行に配置された励磁コア14と、この励
磁コア14の内側に直交配置された検出コア18
と、を含み、これら各コア14,18にそれぞれ
励磁コイル16及び検出コイル20を巻回するこ
とにより形成されている。
第1図には、本実施例の装置の電気回路が示さ
れており、磁気センサ12の励磁コイル16に
は、発振器30から交流増幅器32を介して正弦
波又は3角波等の対称交流波形電圧が印加され、
回転軸10を交番磁化する。
このようにしてトルクを伝達することにより回
転軸10内に発生する歪みを、検出コイル20に
より起電力として検出し、この検出信号を増幅器
34、検波器36及びA/D変換器38を介して
減算器40に入力している。
また、前記回転軸10の回転角はタイミング信
号発生器42により検出され、タイミング信号発
生42は、この検出回転角を表すタイミング信号
をA/D変換器38、減算器40及びメモリ44
に入力している。
実施例において、前記タイミング信号発生器4
2は、回転軸10の基準位置信号θ0と回転角度信
号θとを検出し、回転軸10が1度回転すること
にその回転角を表すタイミング信号を出力してい
る。そして、前記A/D変換器38は、このよう
にしてタイミング信号発生器42からタイミング
信号が入力されるたびに、検波器36から出力さ
れる整流検波信号Siをアナログ信号からデジタル
信号に変換し、減算器40に向け出力してる。
また、実施例において、前記メモリ44はオフ
セツト信号発生器として用いられており、このメ
モリ44内には、回転軸10の回転角に依存した
オフセツトデータが書込み記憶されている。
ここにおいて、例えば磁気センサ12の出力信
号からオフセツト成分を減算除去する作業を、回
転軸10が1度回転するごとに繰返して行おうと
する場合には、前記メモリ44内に、回転軸10
の0〜360度までの回転角に依存した360個のオフ
セツトデータを、回転軸10の回転角と1対1の
対応関係で指定されたアドレスをもつて書込み記
憶する。
そして、タイミング信号発生器42からタイミ
ング信号が出力されるたびに、メモリ44は、回
転軸10の回転角に対応したオフセツト信号S′oi
を減算器42に向け出力する。
減算器40は、タイミング信号発生器42から
出力されるタイミング信号に同期して、A/D変
換器65から入力される磁気センサ12の検出信
号Dからオフセツト信号S′0iを減算し、信号Eと
して出力する。
作 用 本実施例は以上の構成からなり、次に、その作
用を四気筒ガソリンレシプロエンジンの駆動系シ
ヤフトを伝達するトルクを測定する場合を例にと
り説明する。
周知のように、四気筒レシプロエンジンのトル
ク出力は、吸気、圧縮、爆発、排気という四サイ
クルにおける出力変化が四気筒分合成されたもの
であり、ここにおいて、1つの気筒に着目する
と、この気筒は爆発工程において大きな正のトル
クを出力し、他の工程ではトルクを少し消費しそ
の出力は負の値となる。
そして、このレシプロエンジンに含まれる4つ
の気筒は、気筒番号で1、3、4、2の順に爆発
工程を順次行つており、各気筒の爆発工程及び他
の一連の工程は、気筒番号で1、3、4、2の順
に180度づつ(1/2回転づつ)位相がずれた状態で
行われる。
従つて、ある1つの気筒が爆発工程でトルクを
発生しているときには、他の3つの気筒はトルク
を少しづつ消費しており、結局エンジンから出力
されるトルクは、全気筒のトルク値の緩和となる
ため各気筒の爆発工程付近において最大値を示す
ことになる。
第5図及び第6図には、このような四気筒ガソ
リンレシプロエンジンの駆動系シヤフトを伝達す
るトルクを測定した際の検波器36の出力信号Si
及び減算器40の出力信号Eが示されている。
本実施例のトルク測定装置を用いて、前記四気
筒ガソリンレシプロエンジンの駆動系シヤフトを
伝達するトルクを測定する場合には、まず励磁コ
イル16に、発振器30から周波数及び振幅一定
の交流電圧を印加し、強磁性体を用いて形成され
た回転軸10を交番磁化する。
このとき、検出コイル20には、前記交番磁化
に直交した方向に誘起されたトルクに依存した信
号成分Stiと、トルクに依存しないオフセツト成
分S0iと、が加算された交流電圧が検出信号Siと
して誘起され、この検出信号Siが増幅器34、検
波器36を介して出力される。従つて、検波器3
6から整流検波して出力される信号Siは、 Si=Sti+Soi ……(1) で表わされる。
第5図は、このようにして検波器36から検出
出力される磁気センサ12の検出信号Siを表して
おり、図中Aは回転軸10を介して負荷を接続
し、エンジンから平均100Nmの定常トルクを出
力している際の検出信号を表し、Bは無負荷状
態、すなわちトルク零でエンジンを運転している
ときの検出信号を表している。
ここにおいて、無負荷時には、検出センサ12
の検出するトルクに依存する信号Stiは零である
ため、Si=Soiとなり、従つて、第5図に示す検
出信号Bはオフセツト成分Soiそのものを表すこ
とになる。
ここにおいて、このオフセツト成分Soiは、同
図からも明らかなように、回転角度に依存し、
360度周期で同一波形となる。
このため、本実施例装置は、予め0〜360度の
範囲内の各回転各に対応するオフセツト成分Soi
を測定し、これをオフセツトデータとしてメモリ
44内に予め格納しておく。そして、検波器36
から検出出力される信号Siからメモリ44内に格
納されたオフセツト信号S′oiを減算することによ
り、トルクに依存する成分Stiのみからなる検出
信号Eを出力する。
すなわち、実施例の装置においては、タミング
信号発生器24から、回転軸10が1度回転する
毎にその回転角を表すタイミング信号がA/D変
換器38、減算器40及びメモリ44に向け出力
され、A/D変換器65は、タイミング信号が入
力される毎に、検波器36から出力される信号Si
をデジタル信号に変換して減算器40に出力し、
これと同時にメモリ44はタイミング信号が入力
されると同時にタイミング信号により表される回
転角に対応するアドレスから、オフセツト信号
S′oi値を減算器40に向け出力する。
そして、減算器40は、タイミング信号が入力
される毎に検出信号Siとオフセツト信号S′oiとを
次式に基づき演算する。
E=Si−S′oi ……(2) ここにおいて、A/D変換器38から入力され
る検出信号Siに含まれるオフセツト成分Soiは、
前述したように、メモリ44から出力されるオフ
セツト信号S′oiと等しく、従つて、前記第2式は
次式のように表され、減算器40からは伝達トル
クに比例した成分Stiのみからなる検出信号Eを
リアルタイムで出力することができる。
E=Si−S′oi =(Sti+Soi)−S′oi =Sti ……(3) 第6図は、このようにして減算器40から出力
される検出信号Eを表しており、その縦軸は前記
第5図に比し約5倍のスケールで表されている。
同図から明らかなようにレシプロエンジン特有の
トルク出力波形が回転角1度の分解能で良好に測
定できる。
また同図からも明らかなように、本実施例のト
ルク測定装置では、トルクの測定を回転軸10が
1度回転する毎に行つているが、この値は要求さ
れる回転角分解能、回転数、A/D変換及びメモ
リアクセス時間、減算演算時間等の各種フアクタ
によつて決定されるものである。例えば本実施例
のように、トルク検出を回転数6000RPMの条件
の下で1度毎に行う場合には、 60/(6000×360)=28×10-6(s)以内の時間です
べての信号処理を行う必要があるが、この程度の
時間があれば充分余裕をもつてその信号処理を行
うことが可能であり、今日の信号処理技術では、
同様の条件のもとで、0.1度ごとに前記トルク測
定を行うことも容易である。
また、このような高い分解能が要求されない場
合には、前記トルクの測定を例えば、30度毎とい
つたようにおおまかに行うことも可能であり、こ
のようにすることによりトルク測定装置をより安
価に形成することも可能である。
以上説明したように、本実施例によれば、従来
装置では、測定が不可能であつた瞬時トルクの測
定をも容易に行うことができ、本実施例の装置を
例えばレシプロエンジンの伝達トルクの測定に用
いた場合に、エンジンの各気筒の爆発により発生
したトルクをそれぞれ分離して測定するこも可能
であり、エンジンの測定、制御、診断を良好に行
うことが可能となる。
また、本実施例の測定装置を、電気式モータの
駆動系における伝達トルクの測定に用いた場合に
は、モータの磁極数によるトルクの変動をも正確
に検出することが可能となり、同様にモータの測
定、制御、診断を良好に行うことができ、また、
これ以外にもその他の用途、例えば工業機械、ロ
ボツト等におけるトルクの測定にも幅広く用いる
ことが可能となる。
また、本実施例の装置を、例えば分解能の低い
トルク測定に用いた場合においても、検出信号か
らオフセツト成分を正確に除去することができる
ので、従来装置に比し、より精度の高いかつ再現
性の良い測定を行うことが可能となる。
なお、前記第1実施例は、測定信号をデジタル
的に処理する回路を用いて形成されているが、本
発明の装置は、これに限らず、測定信号をアナロ
グ的に処理することも可能である。
第2実施例 第7図には、本発明の好適な第2実施例が示さ
れており、本実施例の特徴的事項は、第1実施例
において行つたデジタル演算処理をアナログ演算
処理に置換えて行うことにある。
このため、本実施例の測定装置は、前記第1図
に示す装置のA/D変換器38、タイミング信号
発生器42、メモリ44、減算器48の替りに、
アナログ減算器40、タイミング信号をアナログ
出力するタイミング信号発生器42、オフセツト
信号発生器としてのアナログ波形発生器50を用
いて形成されている。
ここにおいて、前記タイミング信号発生器42
は、前記実施例の場合と同様にして回転磁性体の
回転角を検出し、この回転角を表すタイミング信
号をアナログ波形発生器に50に向け出力する。
実施例において、このアナログ波形発生器50
には、前記第5図の波形Bで示される0〜360度
の範囲のオフセツト成分がオフセツトデータとし
て予め設定されており、タイミング信号発生器4
2から出力されるタイミング信号に基づき、回転
角に対応したアナログ電圧波形をオフセツト信号
S′oiとして減算器42に向け出力する。
そして、減算器40は、検波器36から入力さ
れる磁気センサ12の検出信号Siからこのオフセ
ツト信号S′oiを減算し、この減算値Eを出力す
る。
このようにして、本実施例の装置によれば、磁
気センサ12の検出する検出信号からオフセツト
信号をアナログ的に減算処理することにより、オ
フセツト成分に影響されることなく伝達トルクの
測定をリアルタイムでかつ再現性良く行うことが
可能となる。
特に、本実施例の装置は、測定データをアナロ
グ信号処理するため、前記デジタル方式に比し、
極めて高速な演算を行い、そのトルク測定をより
高い分解能で行うことが可能となり、また測定信
号をアナログ信号という連続量として取扱うた
め、減算器40からはまろやかな検出信号を得る
ことができ、デジタル信号処理を行う場合に見ら
れる量子雑音の発生を有効に防止することが可能
となる。
なお、前記第1および第2の実施例において
は、磁気センサ12として、励磁コア及び検出コ
アを十字に交差したものを用いた場合を例にとり
説明したが、本発明はこれに限らず、例えば回転
磁性体を取巻くリング状のコアを2個設け、その
一方を励磁コア、他方を検出コアとして用いるこ
とも可能である。
また、本発明においては、磁気センサ12と
し、複数のコアを組合せて形成された励磁コア
群、検出コア群を用いることも可能であり、更に
複数のポールを持つ各種形状のコアを用いること
も可能である。
ところで、以上の説明は[発明が解決しようと
する問題点]において、分析したオフセツト成分
のうち項目(a)、(b)が回転に伴い周期的に変動し、
項目(c)、(d)、(e)は安定で一定であるとして行つた
が、ここで項目(c)すなわち「磁気センサと回転磁
性体との相対位置関係の変動」があつた場合で、
かつ、この変動が回転に同期して同期的に変動す
る場合も回転角に依存したオフセツト変動となる
ので本発明の方法により除去できることは明らか
である。
例えば磁気センサと回転磁性体との位置合せが
不正確で芯ずれしている場合、クリアランスが回
転に伴い周期的に変化することにより、オフセツ
トが周期的に変動するので、本発明の方法により
効果的に除去することができる。
特に、磁気センサ12として、リング状のコア
と、回転磁性体の周囲に巻回されたコイルとを有
するものを用いた場合には、磁気センサの取付け
誤差により発生する回転周波数変動を効果的に除
去し、検出精度と応答性を更に向上させることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかるトルク測定装置の好適
な第1実施例を示すブロツク図、第2図は第1図
に示す装置の減算器から出力される信号の一例を
示す波形図、第3図及び第4図は第1実施例にお
いて用いられる磁気センサの概略説明図、第5図
及び第6図は第1実施例の装置を用いて四気筒レ
シプロエンジンから出力されるトルクの測定を行
つた場合の検波器及び減算器の出力信号波形図、
第7図は本発明の好適な第2実施例を示すブロツ
ク図、第8図及び第9図は従来のトルク測定装置
に用いられる磁気センサの概略説明図、第10図
は従来のトルク測定装置のブロツク図、第11図
及び第12図は第10図に示すトルク測定装置の
検波器及び減算器の出力信号波形図である。 10……回転磁性体として回転軸、12……磁
気センサ、40……減算器、42……タイミング
信号発生器、44……オフセツト信号発生器とし
てのメモリ、50……オフセツト信号発生器とし
てのアナログ波形発生器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 トルクを伝達する回転磁性体の磁歪量を磁気
    センサを用いて検出し、前記伝達トルクを磁気セ
    ンサの検出する磁歪量に基づき非接触で測定する
    トルク測定装置において、 前記回転磁性体の回転角を表すタイミング信号
    を出力するタイミング信号発生器と、 前記回転磁性体の回転角に依存して磁気センサ
    から出力されるオフセツト信号が予め設定され、
    前記タイミング信号に基づき回転角に応じたオフ
    セツト信号を順次出力するオフセツト信号発生器
    と、 前記磁気センサの検出信号からオフセツト信号
    を減算する減算器と、 を含み、前記減算器の出力に基づき回転磁性体の
    伝達トルクの測定を行うことを特徴とするトルク
    測定装置。 2 特許請求の範囲1記載の装置において、前記
    オフセツト信号発生器は、予め回転磁性体の各回
    転角に依存したオフセツト信号を記憶したメモリ
    を含み、タイミング信号発生器から出力されるタ
    イミング信号に基づき回転角に応じたオフセツト
    信号を出力することを特徴とするトルク測定装
    置。 3 特許請求の範囲1記載の装置において、オフ
    セツト信号発生器は、予め回転磁性体の各回転角
    に依存したオフセツト信号を記憶した波形発生器
    を含み、タイミング信号発生器から出力されるタ
    イミング信号に基づき回転角に依存したオフセツ
    ト信号をアナログ波形として出力することを特徴
    とするトルク測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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