JP2967809B2 - 裏込め注入材料 - Google Patents

裏込め注入材料

Info

Publication number
JP2967809B2
JP2967809B2 JP8263100A JP26310096A JP2967809B2 JP 2967809 B2 JP2967809 B2 JP 2967809B2 JP 8263100 A JP8263100 A JP 8263100A JP 26310096 A JP26310096 A JP 26310096A JP 2967809 B2 JP2967809 B2 JP 2967809B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
strength
cement
liquid
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8263100A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10101393A (ja
Inventor
康弘 鈴木
謙介 金井
眞悟 蛇見
裕明 鈴木
要 青山
貴 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP8263100A priority Critical patent/JP2967809B2/ja
Publication of JPH10101393A publication Critical patent/JPH10101393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2967809B2 publication Critical patent/JP2967809B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル工事等に
おいて地山の緩みと路面沈下の防止及び地下水の漏洩防
止の目的で、構造物と地山との間に充填する裏込め注入
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】各種工事によって発生する構造物と地山
との空間は、軟弱土質等の場合、地山のゆるみが進行
し、路面沈下等の問題が発生すため、充填性に優れ、し
かも早期に強度発現する裏込め注入材料を使用しなけれ
ばならない。
【0003】そこで、一般に早期強度が要求される裏込
め注入材料として、セメント、水、粘土鉱物、遅延剤を
混合したものをA液、水ガラスをB液として、A、B液
を種々の割合に加えてゲル化させたものが用いられる。
【0004】たとえば下水道、共同溝、地下鉄等の工事
では、トンネル内の作業空間の確保のため、裏込め注入
材料A、B液の混合装置、貯蔵タンクと実際の注入位置
とは数百メートルから数キロメートル離れる場合がほと
んどで、その間は2系統で配管して、ポンプにより圧送
し、地山への注入地点でA、B液を混合してゲル化さ
せ、注入している。
【0005】それら注入材料のうち、セメント及び水ガ
ラスは強度発現材、粘土鉱物はセメントの沈降防止材と
して使用されている。
【0006】そして、粘土鉱物としては、ほとんどの場
合ベントナイトと呼ばれる膨潤性の粘土鉱物が使用され
ており、この膨潤性はベントナイト中に含まれるモンモ
リロナイトによって決定する。モンモリロナイトは層状
構造をしており、この層間に水を取り込むことによって
膨潤し、液の粘性を上げてA液中のセメントの沈降を防
止している。
【0007】また、セメントは、その種類にもよるが、
ポルトランドセメントであれば注水後、Ca、SO4
Na、K等の各種のイオンを溶出し、飽和、過飽和溶液
から水和物として析出し、数時間から1日で硬化を開始
し、その後ゆっくりと強度が発現していく。セメントの
水和は数ケ月から1年で強度発現をほぼ完了するが、完
全ではなく、その後何年にもわたって強度発現してい
く。
【0008】さらに、水ガラスは、二酸化ケイ素とアル
カリを融解して得られたケイ酸アルカリ塩を濃厚水溶液
としたもので、Na2OとSiO2を含む、粘着剤として
ガラスの接合等に用いられる。
【0009】そして、このような裏込め注入材料を使用
する場合には、A,B両液を混合し、ゲル化したものを
空隙に充填し、その後硬化して強度を発現していく。裏
込め注入材料のゲル化はA液中に含まれるセメントより
溶出したCaイオンとB液の水ガラス中に含まれるSi
3 イオンとの比が1:1に近いほど鎖状、網目状にな
る確立が増し、ゲル化するまでの時間(以下、ゲルタイ
ムという)が早くなる。
【0010】現在一般に用いられている裏込め注入材料
において、Caイオンはセメントより供給されるが、溶
液中に存在するCaイオンの量は水ガラス中のSiO3
イオンの量と比較して非常に少ないため、セメント量を
増やすとCaイオンが増えるのでゲルタイムは短くなる
が、水ガラス量を増やすとゲルタイムは長くなる。
【0011】一方、ゲルの強度は極初期においては、溶
液中のCaイオンと水ガラスのSiO3 イオンとの反応
によるため弱いものであるが、まだ反応していないSi
3イオンがゲル化以降もセメントから溶出してくるC
aイオンと反応し、強度が増加して、水ガラスの反応は
数時間から1日以内で終わる。
【0012】このため、セメント量が多いものほど、C
aイオンの量が増え、極初期の強度が上がり、1日以内
の初期強度は高くなる。水ガラスを増加させると、セメ
ント量が一定では溶液中のCaイオン濃度は変わらない
ため、極初期では反応量が多くても、鎖状、網目状の反
応物になっていないため、極初期の強度は小さくなる。
しかし、数時間から1日後にはセメントから徐々に溶出
してくるCaイオンと水ガラスのSiO3イオンが反応
するため、強度は回復し、水ガラス量の少ないものより
も大きくなる。
【0013】以上より裏込め注入材料における各材料の
配合と物性との関係は次表1のようになる。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明が解決しようとする課題】裏込め注入を行うトン
ネル工事の地盤には砂質土、粘性土等種々のものがあ
り、埋立地等の臨海部や河川の地下等では地盤が軟弱
で、地下水等の流入が多い場所、或いは地下水の流速が
速いような場所が多数ある。
【0016】これらの空隙への裏込め注入材料の充填時
に、地下水に流されないために、ゲルタイムを短時間に
設定することが望ましく、地盤が軟弱であるために初期
強度はできるだけ高く、耐久性の面より長期の強度もよ
り高い方が望ましい。
【0017】そこで、ゲルタイムを短くし、初期強度を
増加させ、長期強度も増加させるためには、上記従来技
術においては、配合中のセメント量を増加させることが
考えられる。
【0018】しかしながら、セメント量を増加した場
合、裏込め注入材料A液中のセメントの沈降防止のため
にベントナイトも増加させなければならず、ベントナイ
トを増加させるとA液中の粘度が上がり、混合装置から
注入現場への配管による圧送が困難となる。
【0019】そのため、水ガラスを減少させることによ
ってゲルタイムを短くすることも考えられるが、この場
合は反応物の量が少なくなるので、数時間以降の強度が
小さくなるという問題がある。
【0020】また、次の事項も重要な課題となってい
る。
【0021】トンネルの掘進が数百メートルから数キロ
メートルになる場合、裏込め注入材料A液も数百メート
ルから数キロメートルの配管内で圧送することになる。
【0022】この場合、トンネル掘進が各種段取り替
え、掘進トラブル等により、一時的に停止することがあ
る。
【0023】掘進停止の理由によっては、停止期間が長
期にわたることもあり、この場合、配管内のA液を一度
すべて排出することで、配管内の固化による配管づまり
を防止することとなる。
【0024】しかし、実際の現場では、掘進停止(裏込
め注入停止)が半日から1日程度のごく短期であること
が多く、このような半日から1日程度の掘進停止は頻繁
に発生する。このような場合、掘進停止のごとにA液の
排出,清浄等を行うことは合理的でなく不経済である。
【0025】そこで、A液の硬化スピードをコントロー
ルし、半日から1日後の再圧送が可能であるように圧送
可能な粘性を保持しておく必要が生じる。
【0026】
【課題を解決するための手段】 ゲル極初期強度、数時間後の強度、長期強度を増加
し、ゲルタイムを短縮する手段 そこで、セメントの沈降防止作用を持つケイ酸カルシウ
ム水和物をベントナイトの代わりにA液に使用すること
により、上記の問題点を解決した。
【0027】つまり、ケイ酸カルシウム水和物はSiO
2 、CaO、H2Oよりなり、水と混合すると水中にカ
ルシウムイオンを溶出するため、ベントナイトを用いた
A液よりも溶液中のカルシウムイオン濃度が高くなり、
これに水ガラスの含まれたB液を加えると、ベントナイ
トを使用したゲルよりも強度の大きなゲルを作ることが
できる。さらにはA液中のカルシウム濃度が高いために
ゲルタイムも短くすることができる。
【0028】よって、ケイ酸カルシウム水和物を使用す
ることで、ゲルの極初期強度、数時間後の強度、長期強
度を高くでき、ゲルタイムを短くすることができ、上記
問題点をすべて解決することができる。
【0029】また、ケイ酸カルシウム水和物はA液1m3
中に40kgより少ない場合ではA液中のセメントが沈降し
てしまい、沈降防止作用がなくなり、カルシウムイオン
の濃度がそれほど上がらないためにゲルタイムの短縮及
びゲル強度の増加への影響が少なく、実用的でない。30
0kg より多い場合ではA液中のカルシウムイオン濃度が
高くなりすぎるために、B液と混合した場合にゲルタイ
ムが非常に短くなり、注入口付近の配管内でゲル化して
しまうため実用に供しないものとなる。
【0030】 配管内で1日程度流動性を保持する手
段 一方、配管内で1日程度静置された状態で再圧送する場
合、再圧送までにA液の硬化進行、及び凝集等による高
粘性化を防止し、再圧送可能とする手段としてセメント
の硬化を遅延させる遅延剤を用いることとした。
【0031】遅延剤は公知のものとして、有機系のもの
では、グルコン酸、グルコヘプトン酸等のオキシカルボ
ン酸やケトカルボン酸、脂肪酸、糖類、糖アルコール
類、リグニスルホン酸等があり、無機系のものでは、フ
ッ化物やリン酸塩、ホウ酸塩等が使用できる。
【0032】しかし、本発明のA液は、セメントとケイ
酸カルシウム水和物とからなることを特徴としており、
このようなA液の安定性(低粘性を保持する)を与える
混和剤は未だかつて報告されておらず、本発明者が鋭意
研究を重ねた結果、サッカロースをA液のセメント重量
比で0.1 %〜2.0 %添加することで低粘性を確保し、か
つブリーディング性能も他の遅延剤に比べて優れている
ことが見出された。
【0033】つまり、以下のような作用により、サッカ
ロースが優れていることがわかった。ケイ酸カルシウム
水和物の持つ沈降防止作用は、水溶液中の固体粒子表面
の電気二重層による反発力と、固体粒子間に働く分子間
力による引力とをコントロールして、粒子同士によるフ
ロックを形成させ、そのフロック内部に水を閉じ込めて
セメントの沈降を防いでいる。
【0034】しかし、サッカロース以外の遅延剤は、固
体粒子表面の電気二重層に影響を与え、反発力が大きく
なるために、粒子同士によるフロックが形成しにくく、
また形成した場合でもその形成力が弱く、沈降防止の効
果が小さくなってしまうが、サッカロースの場合は電気
二重層への影響がほとんどないため、ケイ酸カルシウム
水和物の持つ沈降防止効果は変わらない。
【0035】サッカロースの混合量は、セメント重量比
で0.1 %よりも少ない場合では、低粘性の保持が不十分
であり、2.0 %よりも多い場合には、固化体強度の低下
を招き、問題である。
【0036】サッカロースの最適配合量は、セメント重
量比で0.4 %である。
【0037】また、上記のように水ガラスの量によって
もゲルタイム、強度等に影響を及ぼすので、実用上使用
できる範囲は、A液:B液が100 :4〜25であることが
好ましい。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0039】実施例1 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100g、に水
を加えて1L としたA液を調製し、粘度測定した後、24
時間後のブリーディング率を測定した。
【0040】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表2に示す。
【0041】比較例1 普通セメント250g、ベントナイト100gに水を加えて1L
としたA液を調製し、粘度測定した後、24時間後のブリ
ーディング率を測定した。
【0042】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表2に示す。
【0043】比較例2 普通セメント350g、ベントナイト100gに水を加えて1L
としたA液を調製し、粘度測定した後、24時間後のブリ
ーディング率を測定した。
【0044】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表2に示す。
【0045】比較例3 普通セメント350g、ベントナイト130gに水を加えて1L
としたA液を調製し、粘度測定した後、24時間後のブリ
ーディング率を測定した。
【0046】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表2に示す。
【0047】比較例4 普通セメント250g、ベントナイト100gに水を加えて1L
としたA液を調製し、粘度測定した後、24時間後のブリ
ーディング率を測定した。
【0048】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液70
mLをB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。こ
のときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28日
強度を測定した。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】実施例1では、従来よりブリーディング低
減材料として用いられているベントナイトを使用した裏
込め注入材料の試験結果である比較例1に比べて、混練
直後の粘度が小さく、ゲルタイムが短く、強度が大きく
なっている。
【0051】また、比較例2ではゲルタイムを短くし、
1時間及び6時間強度を大きくするためにセメント量を
増加させているが、それに伴いブリーディングが増加し
てしまっている。
【0052】さらに、比較例3では比較例2のブリーデ
ィングを小さくするために、ベントナイト量を増やして
いるが、粘度がそれとともに大きくなってしまい、ポン
プ圧送に問題が生じる。
【0053】そこで、比較例4では、B液の量を減らし
て、ゲルタイムを短くし、1時間後の強度を大きくして
いるが、6時間以降の強度が小さくなり、問題である。
【0054】以上のように、従来より用いられているベ
ントナイトを使用した裏込め注入材料では、セメント
量、水ガラス量、ベントナイト量をどのように変化させ
ても、ゲルタイムを短く、初期強度を大きくしながら、
低ブリーディング性能及び低粘性を保持することができ
ないが、ケイ酸カルシウム水和物を用いた実施例1では
ゲルタイムを短く、強度を大きくしながら低ブリーディ
ング及び低粘性の裏込め注入材料を作ることができる。
【0055】実施例2 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物をそれぞれ
40、100 、200 、300gに水を加えて1L としたA液を調
製し、24時間後のブリーディング率を測定した。
【0056】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルタイムを
測定した。結果を表3に示す。
【0057】比較例5 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物をそれぞれ
20、400gに水を加えて1L としたA液を調製し、24時間
後のブリーディング率を測定した。
【0058】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルタイムを
測定した。結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】ケイ酸カルシウム水和物が20g/L ではブリ
ーディング率が大きく、400g/Lではゲルタイムが非常に
短くなってしまうため、実用的ではない。
【0061】実施例3 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100 g 、遅
延剤としてサッカロース1gに水を加えて1L としたA
液を調製し、24時間後の粘度を測定した。結果を表4に
示す。
【0062】
【表4】
【0063】比較例6 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100 gに水
を加えて1L としたA液を調製し、24時間後の粘度を測
定した。結果を表4に示す。
【0064】実施例のように遅延剤を使用したものは、
24時間後も十分圧送可能な低粘性を保持しており、遅延
剤を混入していないものは、高粘性となり、再圧送に問
題がある。
【0065】実施例4 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100 g 、サ
ッカロース1gに水を加えて1L としたA液を調製し、
12時間後の粘度及び24時間後のブリーディング率、粘度
を測定した。
【0066】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表5に示す。
【0067】比較例7 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100 g、グ
ルコン酸ナトリウム1gに水を加えて1L としたA液を
調製し、12時間後の粘度及び24時間後のブリーディング
率、粘度を測定した。
【0068】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表5に示す。
【0069】比較例8 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100 g 、グ
ルコース1gに水を加えて1L としたA液を調製し、12
時間後の粘度及び24時間後のブリーディング率、粘度を
測定した。
【0070】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表5に示す。
【0071】比較例9 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100 g 、ク
エン酸三ナトリウム1gに水を加えて1L としたA液を
調製し、12時間後の粘度及び24時間後のブリーディング
率、粘度を測定した。
【0072】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表5に示す。
【0073】
【表5】
【0074】実施例4ではブリーディングは小さく、24
時間後の粘度も低く保たれ、強度にも何ら問題は見られ
ない。
【0075】比較例7,8,9では12時間後までの粘性
は実施例4とほとんど変わりがなく、12時間程度の掘進
停止では問題なく使用できるが、実施例4で用いたサッ
カロースと比較してセメントの硬化遅延性が弱いため
に、24時間後の粘度は大きくなってしまうため、掘進停
止が24時間に及ぶ場合には使用できない。
【0076】実施例5 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100 g 、サ
ッカロースを0.25g(セメント重量比0.1 %)、1g(0.4
%)、2.5g(1.0 %)、5.0g(2.0 %)に水を加えて1
L としたA液を調製し、24時間後のブリーディング率、
粘度を測定した。
【0077】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表5に示す。
【0078】比較例10 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100 g 、サ
ッカロースを0.1g(セメント重量比0.04%)、7.5g(3.0
%)に水を加えて1L としたA液を調製し、24時間後の
ブリーディング率、粘度を測定した。
【0079】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液10
0mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを得た。
このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強度、28
日強度を測定した。結果を表6に示す。
【0080】
【表6】
【0081】サッカロースがセメント重量比0.04%で
は、24時間後の粘性が大きく、3.0 %では、長期強度が
低くなり実用上問題となる。
【0082】実施例6 普通セメント250g、ケイ酸カルシウム水和物100 g 、サ
ッカロース1g に水を加えて1L としたA液を調製し、
24時間後のブリーディング率、粘度を測定した。
【0083】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液4
0、100 、150 、250mL をB液として、A液とB液を混
合してゲルを得た。このときのゲルタイム、1時間強
度、6時間強度、28日強度を測定した。結果を表7に
示す。
【0084】比較例11 普通セメント250g、ベントナイト100 g 、サッカロース
1g に水を加えて1LとしたA液を調製し、24時間後の
ブリーディング率、粘度を測定した。
【0085】またJIS 3号水ガラスの75VOL %水溶液3
0、300mL をB液として、A液とB液を混合してゲルを
得た。このときのゲルタイム、1時間強度、6時間強
度、28日強度を測定した。結果を表7に示す。
【0086】
【表7】
【0087】比較例11のように、B液が30mLではゲルタ
イムが非常に短く、これでは注入口でゲル化してしまう
ため、実用上使用できない。また、B液が300mL ではゲ
ルタイムが非常に長すぎることと、1時間の強度が非常
に低いため、地下水による流出や地山の緩みの危険があ
り、問題である。
【0088】
【発明の効果】叙上のように、本発明は、裏込め注入材
料のA液として従来のベントナイトに代えてケイ酸カル
シウム水和物を使用したため、ベントナイトを用いたA
液よりも溶液中のカルシウムイオン濃度が高くなり、ま
た水ガラスの含まれたB液を加えることによってベント
ナイトを使用したゲルよりも強度の大きなゲルを作るこ
とができ、その結果、従来の裏込め注入材料に比べてゲ
ルタイムを短くすることができるとともに、ゲルの極初
期強度、数時間後の強度、長期強度を高くできるという
効果を得た。
【0089】さらに、凝結遅延剤を添加した場合には、
裏込め注入材料を配管内で1日程度静置した状態で再圧
送する場合でも、粘度が不当に高くなることもなく、再
圧送に支障を生ずることもないという利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 22:08) C09K 103:00 (72)発明者 蛇見 眞悟 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住友大阪セメント株式会社 中央研究所 セメント・コンクリート研究所内 (72)発明者 鈴木 裕明 東京都千代田区神田美土代町1番地 住 友大阪セメント株式会社内 (72)発明者 青山 要 東京都千代田区神田美土代町1番地 住 友大阪セメント株式会社内 (72)発明者 宇野 貴 東京都千代田区神田美土代町1番地 住 友大阪セメント株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 28/00 C09K 17/10 C09K 17/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A液及びB液を混合して地盤の空隙部等
    の所望箇所に注入する裏込め注入材料であって、A液が
    Ca/Siのモル比が1.0 〜4.0 であり強熱減量が5〜
    35%であるケイ酸カルシウム水和物、セメント、及び
    水を混合したスラリーであり、且つB液が水ガラスであ
    ることを特徴とする裏込め注入材料。
  2. 【請求項2】 A液1m3中にケイ酸カルシウム水和物40
    〜300kg が含有されている請求項1記載の裏込め注入材
    料。
  3. 【請求項3】 凝結遅延剤がA液のセメントの重量比で
    0.1 〜2.0 %添加されている請求項1記載の裏込め注入
    材料。
  4. 【請求項4】 凝結遅延剤がサッカロースである請求項
    3記載の裏込め注入材料。
  5. 【請求項5】 A液:B液の容積比が100 :4〜25であ
    る請求項1乃至4のいずれかに記載の裏込め注入材料。
JP8263100A 1996-10-03 1996-10-03 裏込め注入材料 Expired - Fee Related JP2967809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8263100A JP2967809B2 (ja) 1996-10-03 1996-10-03 裏込め注入材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8263100A JP2967809B2 (ja) 1996-10-03 1996-10-03 裏込め注入材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10101393A JPH10101393A (ja) 1998-04-21
JP2967809B2 true JP2967809B2 (ja) 1999-10-25

Family

ID=17384830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8263100A Expired - Fee Related JP2967809B2 (ja) 1996-10-03 1996-10-03 裏込め注入材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2967809B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106675451A (zh) * 2015-11-06 2017-05-17 刘宏 建筑工程渗漏水治理的缓释止水胶
CN114436618A (zh) * 2022-01-24 2022-05-06 中国地质大学(北京) 注浆充填材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10101393A (ja) 1998-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5512096A (en) Flexible grouting composition
EP0351417A1 (en) CEMENT GROUT COMPOSITION INCLUDING DAIRY.
US20140221534A1 (en) Tunneling annulus grout
Hurley et al. Sodium silicate stabilization of soils: A review of the literature
JPH10168452A (ja) 水ガラス系懸濁型グラウト剤とそれを用いた地盤注入固 結法
JP2967809B2 (ja) 裏込め注入材料
JPH10168451A (ja) 懸濁型グラウト剤とそれを用いた地盤注入固結法
US20150027346A1 (en) Tunneling annulus grout
JPH0953071A (ja) 掘削残土の処理方法
WO2020008794A1 (ja) ボルト定着用セメント組成物及びボルト定着工法
JP2869852B2 (ja) 地盤注入工法
KR102148423B1 (ko) 자연토와 흙 고화제를 이용한 친환경 하천 하상 차수공법, 바닥면 포장공법, 및 구조체 제조방법
JPH11124574A (ja) グラウト材及びグラウト注入工法
JP3186829B2 (ja) 土木用材料
JP3549620B2 (ja) 水中グラウト材及びそれを用いた水中グラウト工法
JP4080416B2 (ja) 地盤注入剤及び地盤注入工法
JPH11293244A (ja) 地盤固結改良剤
JP3143583B2 (ja) 土木用材料およびこれを用いた施工方法
JP3400892B2 (ja) 凝結調整剤、注入材組成物、及びそれを用いた地盤の改良法
JP3618275B2 (ja) グラウト注入工法およびグラウト注入材
JP2004196922A (ja) 地盤固結用アルカリ性シリカ、その製造装置および地盤固結材
JPH11293245A (ja) 懸濁型グラウト剤
JPH11349942A (ja) 地盤固結改良剤ならびに懸濁型グラウト剤とそれを用いた地盤改良方法
JPH1053763A (ja) スラグ主成分型のグラウト剤
JPH09165576A (ja) スラグ系高強度グラウト剤

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees