JP2965312B2 - 非常用復水器系 - Google Patents

非常用復水器系

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JP2965312B2
JP2965312B2 JP2073644A JP7364490A JP2965312B2 JP 2965312 B2 JP2965312 B2 JP 2965312B2 JP 2073644 A JP2073644 A JP 2073644A JP 7364490 A JP7364490 A JP 7364490A JP 2965312 B2 JP2965312 B2 JP 2965312B2
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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は軽水型原子炉の非常用復水器系に係わり、特
に、軽水型原子炉の原子炉隔離時に原子炉一次系(沸騰
水型原子炉)または原子炉二次系(加圧水型原子炉)の
熱を除去するのに好適な非常用復水器系に関する。
〔従来の技術〕
従来の非常用復水器系としては、特開昭63−275992号
公報に記載の沸騰水型原子炉に設置したものがあり、そ
の概略を第9図に示す。第9図において、何らかの原因
で原子炉圧力容器1がタービン系から隔離された場合、
原子炉は制御棒の挿入により防止するが、炉心部2では
長期にわたり崩壊熱が発生する。従来の非常用復水器系
50においては、かかる原子炉隔離時に、復水配管23に設
置した隔離弁25を開放することにより、崩壊熱で発生し
た蒸気を主蒸気管9から分岐した蒸気配管22を介して復
水器21に導く。復水器21に導かれた蒸気は、ここで凝縮
することにより熱を系外に伝え、凝縮した水は復水配管
23を介して復水の水頭圧により原子炉圧力容器1に戻
る。
復水器21の熱除去容量を適切に設定することにより、
原子炉圧力容器1の圧力を抑制しつつ、かつ冷却材の系
外への流出を伴なうことなく、炉心2で発生する崩壊熱
を長期にわたり除去することができる。また、復水器21
で凝縮した水は水頭圧により原子炉圧力容器1に戻るの
で、起動時における隔離弁25の動作を除けば外部動力に
よらず静的な力だけで機能し、高い信頼性が得られる。
また、他の非常用復水器系としてはnuclear engineer
ing international,1989,11月号に記載のものがある。
これは現在検討されている新型の沸騰水型原子炉に適用
するものであり、その概略を第10図に示す。この非常用
腹水器系51は、上述のものと同様に、原子炉隔離時の崩
壊熱を原子炉圧力容器1から系外に除去すると共に、万
一、冷却材喪失事故(LOCA)が発生したと想定した場合
にも、ベント配管35に設置したベント弁37を開け、復水
器21内に混入した非凝縮性ガスを格納容器3のウェット
ウエル5に放出することにより蒸気凝縮率の低減を回避
し、格納容器3のドライウエル4内の蒸気も復水器21で
凝縮させるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上述した従来の非常用復水器系50,51にお
いては、蒸気配管22にも隔離弁24が配置されているが、
これは非常のプラント運転時には常時開放し、復水器21
の熱交換チューブの破損等の故障が生じたときに閉鎖
し、破損の修復を行うものである。このため、通常のプ
ラント運転時には、原子炉圧力容器1は復水器21に常時
連通し、復水器21で常に微量の蒸気の凝縮が発生してお
り、プラントの熱損失を招いていた。また、復水器21の
設計に際しては常時高温・高圧状態にさらされる待機時
の環境条件を考慮する必要があった。
また、第10図に示す非常用復水器系51では、上述した
問題と共に、ベント弁37が誤開放されると冷却材が系外
に流出する可能性があった。
したがって、本発明の目的は、通常運転時において復
水器を原子炉圧力容器から隔離することにより、熱損失
の防止、環境条件の緩和、冷却材喪失事故の発生ポテン
シャル削除を図った非常用復水器系を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、蒸気配管および
復水配管にそれぞれ弁を設置した非常用復水器系におい
て、プラントの通常運転時にはこれら弁を共に閉鎖し、
原子炉隔離時にはこれら弁を共に開放する制御手段を設
け、この制御手段が、原子炉隔離時における少なくとも
復水配管に配置された弁の開放に際して、まずこれを部
分開度まで開放し、次いでこの部分開度を所定時間保持
した後に全開させるものである。この部分開度は好まし
くは5〜10%である。
また、上記目的を達成するため、本発明は、蒸気配管
および復水配管にそれぞれ弁を設置した非常用復水器系
において、プラントの通常運転時にはこれら弁を共に閉
鎖し、原子炉隔離時にはこれら弁を共に開放する制御手
段を設けるとともに、上記弁のうち少なくとも復水配管
に設置された弁と並列に設置されたバイパス配管と、こ
のバイパス配管に設置され、かつ復水配管に設置された
弁の部分開度を上回らない開口面積を有するバイパス弁
とをさらに備え、制御手段は、原子炉隔離時における少
なくとも復水配管に設置された弁の開放に際して、まず
バイパス弁を開放し、次いで所定時間経過後に復水配管
に設置された弁を開放するものである。
この場合好ましくは、制御手段は、さらに、上記弁を
共に開放し、復水器を起動した後、原子炉圧力容器の温
度が低下し始めると復水配管に設置された弁とバイパス
弁の少なくとも一方の弁開度を調整し、温度の低下率を
ほぼ一定とするものである。
〔作用〕
このように構成した本発明においては、プラントの通
常運転時には蒸気配管および復水配管に設置された弁を
共に閉鎖することにより、復水器が原子炉圧力容器から
隔離されるのでプラントの熱損失が防止され、かつ復水
器は大気圧および常温に維持されるので復水器の待機時
の環境条件が緩和される。また、復水器にベント弁を設
けた場合、通常運転時にベント弁が誤開放されたとして
も復水器が原子炉圧力容器から隔離されているので、冷
却材が系外に流出することがなく、冷却材喪失事故の発
生ポテンシャルが低減する。
また、本発明のように、通常運転時に蒸気配管および
復水配管に配置された弁を共に閉鎖した場合、復水器は
大気圧および常温に維持されているので、非常用復水器
系の起動時に弁を開放する際に、水撃波や蒸気凝縮振動
等の不測の荷重が加わる危険性がある。このため、本発
明では、原子炉隔離時における弁の開放に際して、まず
部分開度まで開放し、次いでこの部分開度を所定時間保
持した後に全開させるものであり、これにより復水器の
暖機運転が十分に行われ、復水器起動時の水撃波や蒸気
凝縮振動等の発生を防止する。
また、復水配管に設置された弁の部分開度を上回らな
いバイパス弁を設置し、まずバイパス弁を開放し、次い
で所定時間経過後に復水配管に設置された弁を開放する
ことによっても、同様に暖機運転が行われ、復水器起動
時の水撃波や蒸気凝縮振動等の発生が防止される。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図〜第3図により説明
する。
第1図において、1は炉心2を内部に有する沸騰水型
原子炉の原子炉圧力容器であり、圧力容器1は格納容器
3内に設置されている。格納容器3はドライウエル4と
ウェットウエル5とを有し、ドライウエル4内に原子炉
圧力容器1が配置され、ウェットウエル5はドライウエ
ル4の下方に位置している。ウェットウエル5には冷却
水プール6が形成され、ドライウエル4とウェットウエ
ル5とは多数のベント管7を介して相互に連通してい
る。ベント管7の下端には所定の水侵深さで冷却水プー
ル6中に開口する排出口8が設けられている。また、原
子炉圧力容器1には主蒸気管9および復水管10が設けら
れている。
以上は沸騰水型原子炉の一般的構造であり、この原子
炉に本実施例の原子炉隔離時に使用する非常用復水器系
20が設置されている。非常用復水器系20は、格納容器3
の上部に設置された復水器21と、主蒸気管9と復水器21
とを接続し、復水器21に蒸気を導く蒸気配管22と、復水
器21と原子炉圧力容器1とを接続し、復水を原子炉圧力
容器に戻す復水配管23とを有し、蒸気配管22と復水配管
23には、それぞれ、通常運転時には閉鎖される隔離弁2
4,25が設置されている。
復水器21には蒸気配管22により導かれた原子炉一次系
の蒸気を通す多数の細管を有する構造を有し、細管の周
囲は二次系の水(非放射化水)26で満たされている。
また、非常用復水器系20の保守点検、特に隔離弁24,2
5の保守点検の際に、原子炉圧力容器1との連絡を断つ
ため、蒸気配管22には通常開の弁27が設置され、復水配
管23には圧力容器1に向かう方向の流れのみ許す逆止弁
28が設置されている。
さらに、非常用復水器系20の起動を判断するために、
原子炉圧力容器1には圧力計29および水位計30が設置さ
れ、その検出信号がコントローラ31に入力される。コン
トローラ31はこれらプラントパラメータに基づきプラン
トの運転状態を判断し、原子炉隔離事象と判断された場
合に隔離弁24,25に制御信号を出力し、これら弁を開放
する。それ以外の場合、すなわち、プラントが通常運転
時にあるときは、隔離弁24,25の制御は行わず、これら
弁を共に閉鎖しておく。
このように、プラントの通常運転時に隔離弁24,25を
共に閉鎖することにより、圧力容器1が復水器21から隔
離される結果、通常運転時の熱損失が防止され、また復
水器21は大気圧および常温に維持されるので、復水器の
待機時の環境条件が緩和される。
次に、非常用腹水器系20の起動時の動作を第2図に示
す起動ロジックにより説明する。
圧力計29および水位計30により原子炉圧力容器1の圧
力および水位が検出され、これらプラントパラメータが
コントローラ31に読み込まれている。コントローラ31で
は、まず読み込んだ原子炉圧力容器の圧力から、その圧
力が上昇し、その状態が一定時間継続したかどうかを判
断する。原子炉圧力容器1の圧力は、通常運転時は約72
気圧に一定維持されている。原子炉隔離時には、炉心2
は制御棒の挿入により停止するものの、炉心2の崩壊熱
で発生する蒸気のため原子炉圧力容器1の圧力は徐々に
増加する。このため、原子炉圧力容器1の圧力が通常運
転時よりも2〜3気圧以上増加し、これが一定時間継続
すると、原子炉隔離事象と判断して、非常用復水器系20
の起動を行う。
これと同時に、コントローラ31では、読み込まれた原
子炉水位からその水位が低下したかどうかを判断する。
一般に、原子炉隔離事象に至る前に、その原因によって
は水位の低下が生じることがある。したがって、その水
位の低下を検出し、水位が一定レベル以下に低下すると
その後原子炉隔離事象に至ると予測し、前もって非常用
復水器系20の起動を行う。
非常用復水器系20の起動は隔離弁24,25に開信号を出
力することにより行う。この隔離弁24,25の開動作は以
下のように行う。
上述したように本実施例では、通常運転時は隔離弁2
4,25は閉鎖されている。このため、復水器21は大気圧お
よび常温に維持されており、この状態で隔離弁24,25を
急に開放すると、水撃波や蒸気凝縮振動等の不測の荷重
が加わる危険性がある。そこで、本実施例では、第3図
に示すように、まず隔離弁24,25を、一旦、例えば5〜1
0%の部分弁開度まで開放し、この部分開度を以下に定
める所定期間t1保持し、その後全開操作をするものであ
る。
部分開度を保持する所定時間T1は復水器21の暖機運転
に要する時間であり、一例として復水器21内に初期に存
在した水が置換する時間T2の2〜3倍を確保する。この
所定時間T1は以下の(1)式および(2)式のように表
わすことができる。
T1=(2〜3)×T2 …(1) ここで、 M :復水器内の初期存在水量 A :隔離弁の部分弁開度流路面積 (配管の流量面積の5〜10%) g :重力加速度 ΔP:原子炉圧力容器と復水器の水頭圧 ν :復水の比容積 K :非常用復水器のシステム圧力損失係数 このように隔離弁24,25を開放することにより、復水
器21の暖機運転が可能となり、起動時の水撃波や蒸気凝
縮振動を防止し、安全な非常用復水器系20の起動が可能
となる。
なお、隔離弁24,25の開放に際して、これら弁を両方
とも上記のように開けるのではなく、これらの一方の弁
のみをそのように開け、他方の弁は直ちに全開するよう
にしても、上記のように開けた一方の弁の流量制御機能
により実質的に同様の効果を得ることができる。この場
合、上記のように開ける弁、すなわち、部分開度を経て
全開する弁は、流量制御は蒸気よりも水の方が確実かつ
容易に行えることから、復水配管23の隔離弁25とするの
が望ましい。
また、隔離弁24,25を上記のように部分開度を経て全
開するのではなく、徐々に開放するようにしてもよく、
これによっても復水器21の暖機運転を行い、同様の効果
を得ることができる。
以上のように、本実施例によれば、プラントの通常運
転時には蒸気配管22に設置された隔離弁24および復水配
管23に設置された隔離弁25を弁に閉鎖するので、通常運
転時の熱損失が防止され、かつ復水器21は大気圧および
常温に維持されるので、復水器の待機時の環境条件が緩
和されるという効果が得られる。また、原子炉隔離時に
は隔離弁24,25の開放に際して、復水器21の暖機運転を
可能としているので、起動時の水撃波や蒸気凝縮振動を
防止することができ、非常用復水器系20の安全な起動が
可能である。
本発明の他の実施例を第4図および第5図により説明
する。本実施例は、原子炉隔離時および冷却材喪失事故
(LOCA)時の両方に機能する非常用復水器系の例であ
る。
第4図において、本実施例の非常用復水器系20Aは、
第1図に示す構成に加えて、復水器21中に蓄積する非凝
縮性ガスをウェットウエル5に排出するベント配管35
と、主蒸気管9から分岐し、ドライウエル4と復水器21
を接続する分岐配管36とをさらに有し、ベント配管35に
はベント弁37が設置され、分岐配管36には隔離弁38が設
置されている。プラントの通常運転時には、隔離弁24,2
5と共にベント弁37及び隔離弁38も閉鎖され、復水器21
を大気圧に維持する。ベント配管5の排出口35aはウェ
ットウエルの冷却水プール6中とし、かつその水侵深さ
は、ドライウエル4をウェットウエル5に連絡するベン
ト管7の排出口8の水侵深さより浅く設置する。
また、非常用復水器系20Aの起動を判断するために、
圧力計29,水位計30に加えて、格納容器3のドライウエ
ル4の圧力を検出する圧力計39が設置され、コントロー
ラ31Aはこれらにより検出されたパラメータに基づきプ
ラントの運転状態を判断し、隔離弁24,25,38およびベン
ト弁37を開閉する制御信号を出力する。
本実施例の非常用復水器系20Aの起動時の動作を第5
図に示す起動ロジックにより説明する。
本実施例においては、原子炉隔離時あるいはLOCA時の
事象をプラントパラメータにより区分し、最適の運転と
なるように非常用復水器系20Aの起動ロジックが組まれ
ている。
すなわち、第5図(A)に示すように、圧力計29で原
子炉圧力容器1の圧力高信号を検出した場合にはコント
ローラ31Aは原子炉隔離事象と判断し、蒸気配管22の隔
離弁24と復水配管23の隔離弁25とを開放する。このと
き、ベント配管35のベント弁37およびドライウエル4と
復水器21を接続する分岐配管36の隔離弁38は閉鎖したま
まである。隔離弁24,25の開放に際して、これら弁を第
3図に示すように部分開度を経て全開することは前述し
た実施例と同様である。
一方、第5図(B)に示すように、水位計30で原子炉
水位の低信号を検知し、かつ圧力計39で格納容器圧力の
高信号を検知した場合、コントローラ31AはLOCA事象と
判断し、この場合も蒸気配管22の隔離弁24および復水配
管23の隔離弁25を第3図に示す手順にしたがって開放す
る。これにより、LOCA時に原子炉圧力容器1内の蒸気を
復水器21に導いて炉心2で発生した熱を除去し、ドライ
ウエル4への熱の放出を軽減する。
また、LOCA後、長期において原子炉圧力容器1の圧力
がドライウエル4の圧力程度まで減少した場合、ドライ
ウエル4内の雰囲気が原子炉圧力容器1内に流入するの
で、ドライウエル4内の非凝縮性ガスが復水器21内に混
入し、蒸気凝縮率が低減することが考えられる。したが
って、第5図(C)に示すように、非常用復水器系20A
が起動されていることと、原子炉圧力容器1の圧力とド
ライウエル4との差圧が低下したことが検出された場
合、コントローラ31Aはベント配管35に設置したベント
弁37を開き、復水器21内に混入した非凝縮性ガスをドラ
イウエル4の圧力とウェットウエル5の圧力との差圧を
利用してウェットウエル5の空間に排出する。このと
き、ベント配管35の排出口35aの水侵深さがベント管7
の排出口8の水侵深さより浅いことにより、非凝縮性ガ
スの排出は確実に行える。
さらに、LOCA後、長期においてはドライウエル5と復
水器21を接続する分岐配管36の隔離弁38を開放し、ドラ
イウエル5の雰囲気を復水器21で冷却することもでき
る。
本発明のさらに他の実施例を第6図〜第8図により説
明する。本実施例は、原子炉隔離時および冷却材喪失事
故(LOCA)時の両方に機能する非常用復水器系で、隔離
系の開度を制御することなしに復水器の暖機運転を可能
としたものである。
第6図において、本実施例の非常用復水器系20Bは、
第4図の実施例の構成に加えて、蒸気配管22の隔離弁24
に並列に設置されたバイパス蒸気配管40と、腹水配管23
と隔離弁25に並列に配置されたバイパス復水配管41とを
さらに有し、バイパス蒸気配管40およびバイパス復水配
管41にはそれぞれコントローラ31Bにより制御される隔
離弁42,43が設置されている。ここで、隔離弁42,43の開
放時の流路面積は、第1図の実施例で第3図に示した隔
離弁24,25の部分開度の流路面積を上回らないように設
定する。また、通常運転時において、隔離弁24,25,38お
よびベント弁37に加えて、隔離弁42,43も閉鎖され、復
水器21を大気圧に維持している。
本実施例の非常用復水器系21Bの起動時の動作を第7
図に示す起動ロジックにより説明する。
本実施例において、原子炉隔離事象またはLOCA事象を
判断するまでのロジックは、第7図(A)および(B)
に示すように第4図の実施例と同じである。原子炉隔離
事象またはLOCA事象であると判断されると本実施例では
第7図(D)に示すロジックにより開弁操作を行う。
すなわち、非常用復水器系20Bを起動するに際し、隔
離弁24,25の開放に先立ってバイパス蒸気配管40の隔離
弁42およびバイパス復水配管41の隔離弁43をまず開放
し、復水器21の暖機に要する時間T1の後、隔離弁24,25
を開放する。これによっても、前述の実施例と同様に復
水器21の暖機が可能であり、同様の効果が得られる。
LOCA後、長期において原子炉圧力容器1の圧力がドラ
イウエル4の圧力程度まで減少した場合、ベント弁37を
開放し、復水器21に混入した非凝縮性ガスを排出し、蒸
気凝縮率の低減を防止するのは、第7図(C)に示すよ
うに第4図の実施例と同じである。
そして、本実施例ではさらに、非常用復水器系20Bが
起動した後、長期において原子炉圧力容器1の温度が低
下し始めると、第8図に示すロジックにしたがって復水
器21に流入する蒸気流量かつ/または復水器21から流出
する復水流量を制御することにより温度の低下率をほぼ
一定にする制御を行う。
すなわち、コントローラ31Bには飽和温度と蒸気圧と
の関係が予め記憶してあり、圧力計29で検出した原子炉
圧力容器1の圧力から所定の時間間隔でそれに対応する
飽和温度を求め(手順S1)、その飽和温度の変化を時間
で割ることにより温度低下速度を求め(手順S2)、求め
た温度低下速度を設定値と比較し(手順S3)、所定値よ
り小さい場合にはバイパス配管の隔離弁42,43の弁開度
を増加し(手順S4)、設定値と同じ場合は隔離弁42,43
の弁開度を保持し(手順S5)、設定値より大きい場合は
隔離弁42,43の弁開度を減少する(手順S6)よう、隔離
弁42,43を制御する。このように隔離弁42,43の弁開度を
制御することにより、原子炉圧力容器1の温度の低下率
を設定値に対応してほぼ一定となる。ここで、その設定
値は55℃/hr以下の任意の値とする。
このように非常用復水器系20Bの起動後において、原
子炉圧力容器1の温度低下率を一定とすることにより、
原子炉圧力容器1の温度変化を緩和することができる。
なお、この温度低下率を一定にするための制御は、非
常用復水器系起動時の隔離弁の制御と同様に隔離弁42,4
3の一方、好ましくはバイパス復水配管41の隔離弁43の
みの弁開度を調整することにより行ってもよい。また、
隔離弁42,43ではなく、メインの蒸気配管22および復水
配管23に設置された隔離弁24,25の弁開度を調整するこ
とにより行ってもよい。さらに、これら弁の操作は、自
動ではなく手動により行ってもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、通常運転時において非常用復水器系
を原子炉一次系から隔離するようにしたので、以下の効
果を得ることができる。
通常運転時の熱損失の防止。
非常用復水器の待機時の環境条件の緩和。
冷却材喪失事故の発生ポテンシャルの低減。
また、非常用復水器系の起動時における弁の開放に際
して、部分開度を経て全開するか、バイパス弁を開けて
からメインの弁を開けるので、復水器の暖機運転が行わ
れ、水撃波や蒸気凝縮振動等の発生を防止できる。
さらに、弁開度を調整することにより一次系の温度低
下率をほぼ一定にするので、原子炉の温度変化を緩和す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による沸騰水型原子炉の非常
用復水器系の概略図であり、第2図はその非常用復水器
系の起動ロジックを示す図であり、第3図はその起動ロ
ジックにおける隔離弁の制御方法を示す図であり、第4
図は本発明の他の実施例による沸騰水型原子炉における
非常用復水器系の概略図であり、第5図(A),第5図
(B)および第5図(C)はその非常用復水器系の起動
ロジックを示す図であり、第6図は本発明のさらに他の
実施例による沸騰水型原子炉の非常用復水器系の概略図
であり、第7図(A)〜第7図(D)はその非常用復水
器系の起動ロジックを示す図であり、第8図はその非常
用復水器系の温度低下時の弁の制御方法を示すフローチ
ャートであり、第9図および第10図はそれぞれ従来の非
常用復水器系を示す図である。 符号の説明 1……原子炉圧力容器 3……格納容器 9……主蒸気管 20;20A;20B……非常用復水器系 21……復水器 22……蒸気配管 23……復水配管 24,25……隔離弁 29……圧力計 30……水位計 31;31A;31B……コントローラ(制御手段) 40……バイパス蒸気配管 41……バイパス復水配管 42,43……隔離弁

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軽水型原子炉の原子炉隔離時に、炉心の崩
    壊熱で発生した蒸気を蒸気配管を介して復水器に導き凝
    縮させ、凝縮した水をその水頭圧により復水配管を介し
    て原子炉圧力容器に戻す非常用復水器系において、 前記蒸気配管および復水配管にそれぞれ配置された弁
    と、プラントの通常運転時には前記弁を共に閉鎖し、原
    子炉隔離時には前記弁を共に開放する制御手段とを備
    え、かつ、前記制御手段は、原子炉隔離時における少な
    くとも前記復水配管に設置された弁の開放に際して、ま
    ずこれを部分開度まで開放し、次いでこの部分開度を所
    定時間保持した後に全開させることを特徴とする非常用
    復水器系。
  2. 【請求項2】請求項1記載の非常用復水器系において、
    前記部分開度は5〜10%であることを特徴とする非常用
    復水器系。
  3. 【請求項3】軽水型原子炉の原子炉隔離時に、炉心の崩
    壊熱で発生した蒸気を蒸気配管を介して復水器に導き凝
    縮させ、凝縮した水をその水頭圧により復水配管を介し
    て原子炉圧力容器に戻す非常用復水器系において、 前記蒸気配管および復水配管にそれぞれ配置された弁
    と、プラントの通常運転時には前記弁を共に閉鎖し、原
    子炉隔離時には前記弁を共に開放する制御手段と、前記
    弁のうち少なくとも前記復水配管に設置された弁と並列
    に設置されたバイパス配管と、前記バイパス配管に配置
    され、かつ前記復水配管に設置された弁の部分開度を上
    回らない開口面積を有するバイパス弁とを備え、かつ、
    前記制御手段は、原子炉隔離時における少なくとも前記
    復水配管に設置された弁の開放に際して、まず前記バイ
    パス弁を開放し、次いで所定時間経過後に前記復水配管
    に設置された弁を開放することを特徴とする非常用復水
    器系。
  4. 【請求項4】請求項3記載の非常用復水器系において、
    前記制御手段は、さらに、前記弁を共に開放し、前記復
    水器を起動した後に、前記原子炉圧力容器の温度が低下
    し始めると、前記復水配管に設置された弁とバイパス弁
    の少なくとも一方の弁開度を調製し、前記温度の低下率
    をほぼ一定とすることを特徴とする非常用復水器系。
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