JPH05323084A - 原子炉格納容器 - Google Patents

原子炉格納容器

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JPH05323084A
JPH05323084A JP4124486A JP12448692A JPH05323084A JP H05323084 A JPH05323084 A JP H05323084A JP 4124486 A JP4124486 A JP 4124486A JP 12448692 A JP12448692 A JP 12448692A JP H05323084 A JPH05323084 A JP H05323084A
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JP
Japan
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pressure
condenser
pipe
well
gas
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JP4124486A
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English (en)
Inventor
Hidefumi Araki
秀文 荒木
Yoshiyuki Kataoka
良之 片岡
Tadashi Fujii
正 藤井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】冷却材喪失事故時にコンデンサ80の除熱作用
によってドライウェル3の圧力がウェットウェル6の圧
力より小さくなると逆止弁53が開き、ウェットウェル
6のガスがガス排出管74〜コンデンサ80〜吸入管9
0という経路を逆流してドライウェル3へ戻される。ド
ライウェルとウェットウェルの圧力が等しくなると、こ
の流れは停止し、その後も炉心部分から発生する崩壊熱
によってドライウェル3の圧力がウェットウェルの圧力
より高くなり、不凝縮性ガスは吸入管90〜コンデンサ
80〜ガス排出管74という向きに流れ出し、逆止弁5
3は再び閉じる。 【効果】真空破壊弁の故障が起こっても安全に冷却材喪
失事故後の格納容器の冷却を行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉に係り、原子炉
の安全設計で想定することになっている冷却材喪失時
に、ポンプ等の動的な機器を使用せず、炉心を冷却し、
炉心で発生する崩壊熱を長期に渡り格納容器外部に放熱
し、格納容器内の圧力上昇を抑制するのに好適な沸騰水
型原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉の安全設計で想定しなければなら
ない冷却材喪失事故時に、ポンプなどの動的機器を用い
ない受動的な冷却機構によって、炉心から発生する崩壊
熱を除去する原子炉設備が提案されている。特開平3−1
80799 号公報に記載があるように、ドライウェルまたは
主蒸気管から吸入した蒸気を凝縮するコンデンサを設置
し、コンデンサを冷却するプール水の蒸発によって外部
へ放熱するのが、有力な手法の一つである。
【0003】主蒸気管に接続した配管を通して、原子炉
圧力容器内で発生した蒸気をコンデンサに導入する方法
では、コンデンサで凝縮した凝縮水を戻り配管を経由し
て原子炉圧力容器に戻す。このような構成は、原子炉隔
離時の冷却系として兼用することが可能であるという特
徴を持つ。一方、ドライウェルに連通する配管から、ド
ライウェル内に放出された蒸気を導入する方法では、重
力を駆動力として炉心部分に注水する重力落下水タンク
に凝縮水を供給することが提案されている。この方法で
は、冷却材喪失事故が起こってから、ポンプなどの動力
を必要としないことはもちろん、コンデンサを動作させ
るための弁の操作すら必要としない点に特徴がある。ど
ちらの場合にも、最終的には凝縮水は炉心部へ戻され、
再び、炉心部の冷却に用いられるが、コンデンサの凝縮
性能に悪影響を及ぼす不凝縮性のガスは、ガス排出管を
通して圧力が低いウェットウェル内に排出される。
【0004】これらのコンデンサを用いた方法は、ドラ
イウェルを冷却し、結果として不凝縮性ガスをウェット
ウェルへ移行させるので、時間の経過とともに、コンデ
ンサによる蒸気の凝縮量が炉心部分の崩壊熱によって発
生する蒸気の量を上回ることにより、ドライウェル内の
圧力が下がり始める。ドライウェル内の圧力がウェット
ウェル内の圧力よりも相対的に低くなると、ドライウェ
ルの構造壁が外側から中心方向への向きを持った力を受
けることになる。円柱型の容器はこのような外側からの
応力に対して非常に弱く、この応力に対応可能な構造壁
を設計・施工するのは格納容器の大きさ,建設コストの
面などから非現実的である。
【0005】そこで、コンデンサを備えた自然放熱型格
納容器には、ドライウェル内の圧力がウェットウェル内
の圧力よりもある程度低くなると、ドライウェルとウェ
ットウェルを連通し、不凝縮性ガスをドライウェルに戻
す弁(真空破壊弁と呼ばれている)が必要である。この
真空破壊弁は、現行の沸騰水型原子炉設備にも採用され
ており、格納容器冷却スプレイが動作したあと、蒸気が
凝縮してドライウェルの圧力が低下した際に動作して構
造壁の健全性を保っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】真空破壊弁は、弁の両
側の圧力差によって動作する機械的部品であり、通常は
作動しない非常用機器であるため、サーベイランス試験
を行なうこと等によって保守がなされている。万一、原
子炉設備で冷却材喪失事故が起きた場合、自然放熱設備
が作動しドライウェルとウェットウェルが冷却される過
程で、真空破壊弁はドライウェルとウェットウェルの圧
力バランスの変化に応じて開閉の動作を繰り返す。
【0007】この開閉動作の過程で、万一、弁機構の故
障が起きて一系統以上の真空破壊弁が誤って開くと、ド
ライウェルとウェットウェルが連通して両者の圧力が等
しくなり、ベント管から圧力抑制プールへ流入し凝縮す
る蒸気の量が減少し、コンデンサの出口と入口の圧力差
を駆動力としたガスの流れが殆んど生じなくなるため、
不凝縮性ガスがコンデンサの凝縮管内に蓄積し、除熱特
性が劣化する。
【0008】そこで本発明は、コンデンサを備えた自然
放熱型格納容器において、万一、真空破壊弁が故障して
も効果的に格納容器の冷却を行なうことを第1の目的と
する。本発明の第2の目的は、コンデンサを備えた自然
放熱型格納容器において、従来型の機械的動作を行なう
真空破壊弁を排除し、弁機構が故障する可能性を更に減
らすことによって、より効果的に冷却材喪失事故後の格
納容器の冷却を行なうことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的を達
成するための手段は、コンデンサのガス排出管に、ウェ
ットウェルのガスが流入可能な逆止弁機構を介した配管
を設けることを特徴とする。この配管を通して、ウェッ
トウェルの圧力がドライウェルの圧力を上回った場合、
ウェットウェルのガスがコンデンサのガス排出管からコ
ンデンサの凝縮管内部へ逆流し、ドライウェルに戻され
る。
【0010】本発明の第2の目的を達成するための手段
は、ウェットウェル中に通じる開口部を持った容器を圧
力抑制室内に設置し、凝縮管と吸入管を経由してドライ
ウェルに連通するコンデンサのガス排出管の配管内に、
冷却材を保持可能な空間部分を設け、その出口部分を容
器の中に注入される冷却材に浸るように挿入して配置す
ることを特徴とする。この水封機構により、ウェットウ
ェルの圧力がドライウェルの圧力を限度を越えて上回っ
た場合に両空間を連通することが可能となる。
【0011】
【作用】上記の第1の目的を達成するための手段によれ
ば、ドライウェルの圧力がウェットウェルの圧力を下回
った場合に、従来のように構造壁を貫通してドライウェ
ルとウェットウェルを直接に連通する配管を用いず、既
設のコンデンサのガス排出管〜凝縮管〜吸入管を通して
ウェットウェルの不凝縮性ガスをドライウェルに戻すこ
とが可能である。
【0012】格納容器の冷却過程で、万一、ガス排出管
に接続した逆止弁機構が開固着する故障を起こした場
合、ドライウェルの蒸気はコンデンサの凝縮管内を経由
してウェットウェルに流入する。このとき、この系統の
圧力損失がもともと大きいうえ、圧力損失は流速が大き
くなると急激に大きくなるため、この開固着した系統を
通過可能な流量は限定され、流入した蒸気は凝縮される
ため、ウェットウェルに流入する未凝縮蒸気の量は抑制
される。結果として、ドライウェルとウェットウェルの
圧力差が大きい状態を保持するので、他の正常な系統の
コンデンサにも蒸気が流入し除熱が行なわれる。不凝縮
性ガスは、少なくとも開固着した系統を経由して全量が
ドライウェルからウェットウェルへ移行するため、正常
な系統の凝縮管内にも不凝縮性ガスが蓄積せず、良好な
熱伝達特性を維持することが可能である。
【0013】第2の目的を達成するための手段によれ
ば、ドライウェルの圧力がウェットウェルの圧力よりも
低くなると、圧力抑制室の中に設置した容器中に保持さ
れている冷却材がコンデンサのガス排出管を逆流して吸
い上げられる。冷却材はガス排出管の途中に設けた空間
部分に保持されるので、空間部分とガス排出管の出口部
分の水頭圧差に系統の圧力損失を加えた値より大きなド
ライウェルとウェットウェルの差圧があれば冷却材の吸
い上げは継続する。これにより容器内の水位がガス排出
管の出口位置よりも低くなると、ウェットウェルの気相
中に対してガス排出管が開口し、ウェットウェルのガス
がコンデンサ側に吸入されることにより、圧力の低くな
ったドライウェル中へ再注入される。
【0014】このようにして、ドライウェル内に不凝縮
性ガスを戻すことにより、ドライウェルの圧力がウェッ
トウェルの圧力を下回ることが抑制される。ガスを吸引
する駆動力となるこの圧力差が小さくなると、配管途中
に設置した空間部分に保持されていた冷却材は、重力に
より再び容器中に戻される。このように、従来の機械的
動作を行なう逆止弁機構を用いずに、開固着などの故障
の要因を考える必要がない手段で、ドライウェルがウェ
ットウェルに対して負圧となることを制限することが可
能である。
【0015】
【実施例】第1の実施例を、図1及び図2により説明す
る。対象とする格納容器は、炉心1を内包する原子炉圧
力容器2,原子炉圧力容器2を格納するドライウェル3
と、ドライウェル3の外周に設置された圧力抑制プール
5とその上部の気相空間であるウェットウェル6から成
る圧力抑制室4,ドライウェル3と圧力抑制プール5を
連結するベント管7,原子炉容器2より上部に位置し逆
止弁28を介して原子炉容器2と連結された蓄圧注水タ
ンク25,炉心1よりも上部に位置し逆止弁29を介し
て原子炉容器2と連結された重力落下水タンク26等か
ら構成されている。
【0016】本実施例の特徴となる要素は、ドライウェ
ル3に開口する吸入管90に接続されたコンデンサ8
0,コンデンサ80を冷却するコンデンサプール81,
コンデンサ80において凝縮した冷却材を重力落下水タ
ンク26へ注入させる凝縮水戻り管72,コンデンサ8
0に流入した不凝縮性ガスを圧力抑制プール内に放出す
るガス排出管73,74である。
【0017】この実施例では、ガス排出管73と74の
途中に逆止弁53を、ウェットウェル6のガスがガス排
出管73と74の中に流れる向きに取り付ける。
【0018】本実施例での動作を、図を用いて説明す
る。
【0019】原子炉設備の設計上、考慮しなければなら
ない主蒸気管破断などの冷却材喪失事故後、炉心1で
は、制御棒70が挿入されて核分裂反応が停止した後も
長期にわたり崩壊熱が発生し、冷却材の蒸発が継続す
る。原子炉圧力容器2から破断箇所を通じてドライウェ
ル3内に放出された高温高圧の蒸気は、通常運転時にド
ライウェル内に充填されている不凝縮性ガスとともに、
ベント管7を通して圧力抑制プール5へ流入すると同時
に、コンデンサ80の吸入管90を通してコンデンサ内
部へ流入する。
【0020】圧力抑制プール5に流入した蒸気は、プー
ル水と接触することにより圧力抑制プール内で凝縮し、
不凝縮性ガスはウェットウェル6へ蓄積する。圧力抑制
プール5内では、蒸気凝縮の際に発生する潜熱によりベ
ント管の出口付近のプール水が加熱され、対流によりベ
ント管の出口から上方のプール水温がほぼ一様に上昇す
る。この温度上昇につれて、プール表面から蒸発が起こ
りウェットウェル6内の蒸気分圧も上昇し空間の圧力が
上昇する。ドライウェル3の圧力が、ベント管7の圧力
抑制プールへ通じる出口部分の圧力よりも低くなると、
このベント管を経由した蒸気の流入は停止し、基本的な
放熱はコンデンサによって行なわれる。コンデンサ80
の管内で凝縮された凝縮水は、凝縮水戻り管72を通っ
て重力落下水タンク26へ流入する。この注水は、原子
炉圧力容器2の圧力低下に伴い、逆止弁29を通して注
入される冷却材を補充する。コンデンサプール81内で
は、コンデンサ80の凝縮管から伝わる凝縮潜熱により
プール水が加熱され、自然対流により水温が上昇する。
この温度上昇につれて、プール表面からプール水の蒸発
が起こり、蒸気がコンデンサ排気管76を通して原子炉
建屋外へ放出される。
【0021】炉心1の崩壊熱によって発生する蒸気はこ
れらの効果によって凝縮され、崩壊熱の発生量は時間と
ともに減衰するので、次第に原子炉容器2の圧力は低下
する。この圧力低下に伴い、蓄圧注水タンク25,重力
落下水タンク26および冠水系27から圧力差,重力差
によって段階的に冷却水が原子炉容器2に注水され、炉
心1の冠水が維持される。
【0022】蒸気がコンデンサ80及びベント管7を経
由して圧力抑制プール5に流入する過程で、ドライウェ
ル3にあった不凝縮性ガスが全量ウェットウェル6側に
移行するので、ドライウェルの圧力はドライウェルが冷
却されるとともにその温度の飽和蒸気圧力となる。一
方、ウェットウェル6では、全圧力は蒸気分圧と移行し
た不凝縮性ガスの分圧の和となる。このような理由か
ら、ドライウェルの冷却が進行して、炉心部に発生する
崩壊熱量を放熱量が上回るとドライウェルの圧力がウェ
ットウェルの圧力よりも低くなる。
【0023】その結果、逆止弁53が開状態となり、ウ
ェットウェルのガスがガス排出管74を上向きに逆流
し、コンデンサ80の凝縮管,吸入管90を経由してド
ライウェル3に注入される。この後、ドライウェルとウ
ェットウェルの圧力差が小さくなると、このガスの流れ
が停止し、逆止弁53が閉じる。
【0024】格納容器の冷却過程で、コンデンサ80を
経由して圧力抑制プール5内へ流入する蒸気と不凝縮性
ガスの流速が小さい場合、コンデンサの除熱特性が悪化
し、ドライウェルの圧力はより高くなる。すると、コン
デンサ及び圧力抑制プール内へ流入する蒸気及び不凝縮
性ガスの流速が大きくなり、コンデンサの凝縮管内に滞
留して熱伝達率を悪化させる不凝縮性ガスもウェットウ
ェル側に移動するので、除熱特性が改善され、ドライウ
ェルの圧力が下がる。そうすると再びガスの流速は小さ
くなる。このような過程の繰り返しにより、ドライウェ
ルとウェットウェルの圧力差がある範囲内で均衡を保っ
たまま、格納容器8内の温度と圧力はある値まで漸近的
に下降してゆく。
【0025】次に、このコンデンサを用いた複数の自然
放熱系統のうち一部の系統の逆止弁53が故障した場合
の動作を説明する。
【0026】ある一つ以上の系統の逆止弁53が開固着
を起こした場合、健全な系統では、吸入管90,コンデ
ンサ80の伝熱管,ガス排出管73,74の内部を流体
が流動する際の摩擦による圧力損失と、ガス排出管73
の圧力抑制プール中へのサブマージェンスに起因する水
圧の和に相当する圧力損失がある。一方、逆止弁53が
開固着した系統では、水中へのサブマージェンスに起因
する水圧がなくなるので、圧力損失は正常な系統よりも
少ない。そこで、逆止弁が開固着した系統への蒸気の流
入量が最も多くなるが、系統の圧力損失は流速が大きく
なると急激に大きくなるため、この開固着した系統を通
過可能な流量は限定される。さらに、流入した蒸気は凝
縮されるため、ウェットウェルに流入する未凝縮蒸気の
量は著しく抑制される。
【0027】この時、他の正常な系統のコンデンサにも
蒸気が流入し除熱が行なわれるが、開固着した系統を通
して不凝縮性ガスがウェットウェルへ移行するので、凝
縮管内に不凝縮性ガスが蓄積することがなく、良好な熱
伝達特性を維持することが可能である。
【0028】一方、逆止弁53の閉固着に対しては、正
常な系統からドライウェルに不凝縮性ガスが注入される
ので、ドライウェルの圧力の過度の低下を防ぐという観
点からは問題ない。また、コンデンサ80の除熱動作時
には逆止弁53は閉じるべきであるため、閉固着の影響
は全くなく、除熱性能という観点からも問題はない。こ
のように、本実施例によれば、従来提案されている真空
破壊弁とは異なり、弁の故障が発生しても、ドライウェ
ルとウェットウェルの間の構造壁77に負担をかけるこ
となく、かつ長期にわたって炉心から発生する崩壊熱を
除去可能である。
【0029】第二の実施例を、図3により説明する。
【0030】本実施例では、図1を用いて説明した実施
例とは異なり、吸入管90が主蒸気管78に接続されて
おり、凝縮水戻り管72は電動弁84を介して原子炉圧
力容器2に接続されている。さらに、ガス排出管74も
電動弁85を介して、圧力抑制プール5の水中に連通し
ている。
【0031】通常運転時、電動弁84,85は閉じられ
ており、コンデンサ80の凝縮管,ガス排出管74及び
凝縮水戻り管72の内部は、冷却材で満たされている。
事故後、電動弁84,85を開くことにより、冷却材は
それぞれ凝縮水戻り管72から原子炉圧力容器2内へ、
ガス排出管74から圧力抑制プール5へ排出される。主
蒸気隔離弁79を閉じることにより、炉心1の部分から
発生した蒸気は、主蒸気管78を経由して、コンデンサ
80で凝縮される。凝縮水は、重力を駆動力として、凝
縮水戻り管から、原子炉圧力容器へ戻される。この実施
例では、始めのうちは原子炉圧力容器内の高温高圧の蒸
気だけがコンデンサに流入するので、凝縮管の熱伝達率
が大きく、放熱量が大きいという利点がある。他の動作
は、図1を用いて説明した実施例の場合と同様である。
【0032】第三の実施例を、図4により説明する。
【0033】本実施例の特徴的な構成要素として、ガス
排出管74と73の間に位置する配管51,ガス排出管
74の先端部分を内包し、ウェットウェル6に開口する
容器52がある。容器52は、圧力抑制室4の構造壁に
対してステンレス鋼などの支持部材を用いて固定する。
容器52を設置する位置は、ベント管7から比較的離れ
た位置とし、容器の底面と側面が圧力抑制プールの保有
する冷却材に浸る高さとする。容器52の深さは、容器
の上端部分とガス排出管73の先端位置の水頭圧差が、
圧力抑制プールの液面とベント管7の出口との水頭圧差
より小さくなるように設定する。また、ガス排出管73
から容器52内を通過して不凝縮性ガスが排出される際
に、冷却材が同伴して溢れ出さない程度に容器52の内
径と配管51の外径の間隔を設定する。これらの条件に
加えて、容器52の内容積のうち配管51の占める体積
を除いた内容積が、配管51の内容積よりも小さくなる
ように製作する。
【0034】図を用いて本実施例の動作を説明する。通
常運転時、電動弁84,85は閉じており、コンデンサ
80の凝縮管,ガス排出管74及び凝縮水戻り管72の
内部は、冷却材で満たされている。事故後、電動弁8
4,85を開くことにより、冷却材はそれぞれ凝縮水戻
り管72から原子炉圧力容器2内へ、ガス排出管74か
ら配管51とガス排出管73を経由して容器52へ排出
される。容器52内が満水状態になったら、余分な冷却
材は圧力抑制プール5へオーバーフローする。
【0035】主蒸気隔離弁79を閉じることにより、炉
心1部分から発生した蒸気は、主蒸気管78を経由し
て、コンデンサ80で凝縮される。
【0036】コンデンサの管内で凝縮された凝縮水は、
凝縮水戻り管72を通って落下し、原子炉圧力容器2に
注入される。
【0037】コンデンサプール81内では、コンデンサ
80の凝縮管から伝わる凝縮潜熱によりプール水が加熱
され、自然対流により水温が上昇する。この温度上昇に
つれて、プール表面からプール水の蒸発が起こり、蒸気
がコンデンサ排気管76を通して原子炉建屋外へ放出さ
れる。
【0038】図5に示すように、不凝縮性ガスはガス排
出管74,配管51,ガス排出管73を通り、ガス排出
管73内に形成されていた水位を管の出口部分まで押し
下げ、容器52の蓄える冷却材中を上昇してウェットウ
ェル6へ放出される。
【0039】コンデンサ中で凝縮しなかった蒸気も、ガ
ス排出管74,配管51,ガス排出管73を通り、容器
52の蓄える冷却材中へ流入する。冷却材中で蒸気が凝
縮し、容器中の冷却材と混合することにより、冷却材の
温度が上昇する。この凝縮により容器中の冷却材の容量
が増加すると、容器上部の温度が高い冷却材から圧力抑
制プール5中にオーバーフローする。
【0040】ドライウェルの冷却が進行するとドライウ
ェルの圧力がウェットウェルの圧力よりも低くなる。そ
の結果、容器52中の冷却材が、図6のようにコンデン
サのガス排出管73内を吸い上げられる。ドライウェル
圧力とウェットウェル圧力の差が、配管51とガス排出
管73の出口部分の水頭圧差にコンデンサ80を含めた
配管系の圧力損失を加えた値を上回れば、冷却材は断面
積の大きな配管51内に流入し、液面の上昇が小さくな
るため、出口部分からの吸い上げは継続する。これによ
り容器52内の水位がガス排出管73の出口位置よりも
低くなると、図7に示すようにウェットウェル6の気相
中に対してガス排出管73が開口し、ウェットウェルの
ガスがコンデンサ80側に向かって吸入されることによ
り、圧力の低くなったドライウェル3中へ再注入され
る。このような経路でウェットウェルに蓄積した不凝縮
性ガスをドライウェル中に戻すことにより、ウェットウ
ェルの圧力がドライウェルの圧力を超過することはな
い。この機構が動作するために必要な圧力差は、配管5
1とガス排出管73の出口の高さの差によって決定する
ので、従来の機械的動作をする逆止弁機構を用いた場合
よりも高感度に動作させる事が可能である。ドライウェ
ルとウェットウェルの圧力差が小さくなると、配管51
内に保持されていた冷却材は、重力により、再び、容器
52中に戻される。
【0041】本実施例において予め容器52に冷却材を
注入しておき、図8に示すように、コンデンサ80の吸
入管90をドライウェル3に開口させて設置してもよ
い。このとき、凝縮水戻り管72は重力落下水プール2
6に注水するように設置する。この重力落下水プールの
動作は、図1を用いて説明した実施例の場合と同様であ
る。この実施例では電動弁84,85は不要となり、事
故時にこれらの電動弁を操作することが不要となる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、万一、真空破壊弁の開
固着が起こっても安全に冷却材喪失事故後の格納容器の
冷却を行なうことができる。また、水封機構を用いてウ
ェットウェルの不凝縮性ガスをドライウェルに戻すこと
により、弁機構が開固着する可能性を更に減少させ、よ
り安全に冷却材喪失事故後の格納容器の冷却を行なうこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による原子炉格納容器の部分
縦断面図。
【図2】本発明の一実施例による原子炉格納容器の縦断
面図。
【図3】本発明の第二の実施例による原子炉格納容器の
部分縦断面図。
【図4】本発明の第三の実施例による原子炉格納容器の
部分縦断面図。
【図5】容器中へ排出される不凝縮性ガスの流れを示す
説明図。
【図6】配管へ吸い上げられる冷却材を示す説明図。
【図7】ガス排出管から吸入されるガスの流れを示す説
明図。
【図8】本発明の第四の実施例による原子炉格納容器の
部分縦断面図。
【符号の説明】
3…ドライウェル、6…ウェットウェル、53…逆止
弁、73,74…ガス排出管、80…コンデンサ、90
…吸入管。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却材漏洩などの事故時にドライウェルか
    ら圧力抑制室内に移行した不凝縮性の気体がコンデンサ
    の配管内を通って再び前記ドライウェル内に逆流するこ
    とを特徴とする原子炉格納容器。
  2. 【請求項2】原子炉圧力容器を格納するドライウェル
    と、圧力抑制プールを保有する圧力抑制室と、前記圧力
    抑制室と前記ドライウェルを連結するベント管と、炉心
    部分から発生する崩壊熱を除去可能なコンデンサを有す
    る原子炉設備において、前記圧力抑制プールの水中に連
    通する前記コンデンサのガス排出管に、逆止弁機構を介
    して前記圧力抑制室内のガスが流入可能な配管を接続し
    たことを特徴とする原子炉格納容器。
  3. 【請求項3】請求項2において、ウェットウェルに通じ
    る開口部を持った容器を前記圧力抑制室内に設置し、前
    記コンデンサの前記ガス排出管の配管内に、冷却材を保
    持可能な空間部分を設け、前記ガス排出管の出口部分を
    前記容器の内部に設置した原子炉格納容器。
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