JP3159820B2 - 原子炉格納設備 - Google Patents

原子炉格納設備

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JP3159820B2 JP02416293A JP2416293A JP3159820B2 JP 3159820 B2 JP3159820 B2 JP 3159820B2 JP 02416293 A JP02416293 A JP 02416293A JP 2416293 A JP2416293 A JP 2416293A JP 3159820 B2 JP3159820 B2 JP 3159820B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉格納設備に係わ
り、特に原子炉の安全設計で想定する配管破断事故に対
する原子炉の長期冷却性能の向上に好適な原子炉格納設
備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の沸騰水型原子炉では、配管破断事
故を想定した時に原子炉格納容器内に噴出した蒸気によ
る圧力上昇を抑制するために、蒸気を圧力抑制室内のサ
プレッションプールに導いて凝縮させる。さらに長期冷
却過程では、一般的にはサプレッションプール水をポン
プ、熱交換器からなる残留熱除去系を用いて冷却し、原
子炉格納容器の除熱を行う。
【0003】特開平3−215792号公報、特開平2
−253196号公報及び特開平3−75593号公報
に記載の原子炉では、原子炉格納容器内に冷却水プール
を設け、冷却水プール内に隔離時凝縮器を設け、主蒸気
管及びドライウェルからの蒸気を隔離時凝縮器で凝縮
し、冷却水プール水の沸騰蒸気を原子炉格納容器外へ排
気することによって原子炉格納容器内の熱を原子炉格納
容器外に放出する。この場合、特開平2−253196
号公報及び特開平3−75593号公報に記載の原子炉
では、原子炉格納容器外へ排気する冷却水プール水の沸
騰蒸気をインジェクタ、冷却塔、外部冷却水プールから
なる外部冷却手段で冷却する。
【0004】また、特開平4−9694号公報に記載の
ような外周プール方式の原子炉格納容器では、サプレッ
ションプール水に伝えられた熱が、原子炉格納容器壁を
通して外周プールに伝えられ、外周プール水の沸騰によ
って原子炉格納容器内の熱を大気中に放出する。長期冷
却過程において、外周プール水が蒸発した後の原子炉格
納容器の冷却手段としては、外周プール上部と下部に流
路を設け、プール水蒸発後の原子炉格納容器壁を空冷に
よって冷却する。
【0005】さらに、特開平2−47586号公報に記
載のように、サプレッションプール内の熱交換器に海水
を供給してサプレッションプール水を冷却し、原子炉格
納容器を除熱するものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】サプレッションプール
水をポンプ、熱交換器からなる残留熱除去系を用いて冷
却し、原子炉格納容器の除熱を行う従来技術では、ポン
プ等の動的機器を用いるため、原子炉の信頼性を向上で
きない。
【0007】特開平3−215792号公報に示した従
来技術では、冷却水プールの冷却水が蒸発した後、隔離
時凝縮器を冷却することができないため、原子炉格納容
器内の除熱性能が低下する。したがって、長期にわたっ
て原子炉格納容器を冷却するためには、冷却水プールの
容積を大幅に増加するか、外部水源及びポンプ等の機器
によって冷却水プール内に給水する必要がある。冷却水
プールの容積を増加すると原子炉格納容器が大型化し、
原子炉の製造に係わる経済性が低下する。外部水源を用
いる場合には、原子炉の製造にかかわる経済性が低下す
るとともに、ポンプ等の動的機器を用いるため、原子炉
の信頼性を向上できない。
【0008】また、隔離時凝縮器の伝熱管が破断した場
合を想定すると、原子炉内の蒸気の大気中への放出を防
止するために、隔離時凝縮器への流路を閉じるなければ
ならず、隔離時凝縮器による原子炉格納容器の除熱機能
が失われる。
【0009】また、特開平2−253196号公報及び
特開平3−75593号公報に記載の従来技術では、イ
ンジェクタで凝縮された冷却水は外部冷却水プールより
流下した冷却水と共に流下し、流量調節オリフィスで配
分された流量の一部が冷却水プールに戻され、残りが冷
却塔を経由して外部冷却水プールに戻される。この場
合、隔離時凝縮器を包囲する冷却水プールの水位が上昇
するとインジェクタの作動が停止してしまうので、水位
を適切に保つために流量調整オリフィスの微妙な設定が
必要である。したがって、インジェクタの作動の信頼性
を確保するためには流量調整オリフィスの開度を制御す
るための高価な制御機器をを配置する必要があり、原子
炉の製造に係わる経済性が低下する。また、動的機器を
用いるため、原子炉の信頼性を向上できない。
【0010】また、冷却塔に戻された冷却水は冷却塔内
でスプレイされ冷やされるが、冷却塔は大気と連通して
いるので、完全閉ループの構成になっていない。このた
め、隔離時凝縮器の伝熱管が破断した場合を想定する
と、原子炉内の蒸気の大気中への放出を防止するため
に、隔離時凝縮器への流路を閉じるなければならず、隔
離時凝縮器による原子炉格納容器の除熱機能が失われ
る。
【0011】また、特開平4−9694号公報に示した
従来技術では、外周プール水が蒸発した後は、水による
除熱から空冷による除熱に移行するため熱伝達率が低下
し、原子炉格納容器壁の伝熱面積が不足して、原子炉格
納容器内の除熱性能が低下する。空冷による除熱で原子
炉格納容器を冷却するためには、原子炉格納容器を大型
化して壁面積を大幅に増加する必要があり、原子炉の製
造に係わる経済性が低下する。
【0012】さらに、特開平2−47586号公報に示
した従来技術では、原子炉格納容器内に外部の海水を導
入するため、原子炉格納容器内の海水配管の破断も想定
する必要がある他、ポンプ等の動的機器で海水を供給す
るため、経済性が低下するとともに、原子炉の信頼性も
向上できない。
【0013】本発明の目的は、原子炉の長期冷却時に原
子炉格納容器を除熱する冷却水プールを有する原子炉格
納設備において、ポンプ等の動的機器や外部水源を用い
ずにプール水を補給しかつ放射性物質を大気中に放出す
ることなく長期にわたる原子炉格納容器の除熱を可能に
し、原子炉の経済性及び信頼性と安全性を向上する原子
炉格納設備を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧
力容器と、前記原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容
器と、前記炉心で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原
子炉格納容器外の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前
記原子炉格納容器内に空間ドライウェルと、冷却水を保
有するサプレッションプール及びサプレッションプール
の上方の気相部であるウェットウェルを有する圧力抑制
室と、前記ドライウェルとサプレッションプールとを結
ぶベント管とを備え、更に事故後の長期冷却過程で前記
原子炉格納容器を除熱する冷却水プールを有する原子炉
格納設備において、前記冷却水プールの水面より上方に
位置すると共に、該冷却水プールと閉ループで結ばれ、
前記原子炉格納容器の除熱によって加熱され沸騰する前
記冷却水プールの冷却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷
却水プールに戻す凝縮手段を設け、前記凝縮手段は、前
記冷却水プールの水面より上方の位置で前記原子炉格納
容器外に設置された伝熱管と、前記伝熱管を冷却する手
段とを有し、冷却水プールで発生した蒸気が伝熱管を流
れて凝縮し、その凝縮水を静水頭によって冷却水プール
に戻すことを特徴とする原子炉格納設備を提供する。
【0015】
【0016】
【0017】また上記目的を達成するため、本発明は、
核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記
原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器と、前記炉心
で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子炉格納容器外
の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記原子炉格納容
器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有するサプレッ
ションプール及びサプレッションプールの上方の気相部
であるウェットウェルを有する圧力抑制室と、前記ドラ
イウェルとサプレッションプールとを結ぶベント管とを
備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原子炉格納容器
を除熱する冷却水プールを有する原子炉格納設備におい
て、前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共
に、該冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格
納容器の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プー
ルの冷却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに
戻す凝縮手段を設け、前記凝縮手段は、前記冷却水プー
ルの水面より上方の位置で前記原子炉格納容器外に設置
された凝縮タンクと、前記凝縮タンク内に設置され冷却
材が流れるダクトとを有し、冷却水プールで発生した蒸
気が凝縮タンク内を流れて凝縮し、その凝縮水を静水頭
によって冷却水プールに戻すことを特徴とする原子炉格
納設備を提供する。
【0018】また上記目的を達成するため、本発明は、
核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記
原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器と、前記炉心
で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子炉格納容器外
の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記原子炉格納容
器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有するサプレッ
ションプール及びサプレッションプールの上方の気相部
であるウェットウェルを有する圧力抑制室と、前記ドラ
イウェルとサプレッションプールとを結ぶベント管とを
備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原子炉格納容器
を除熱する冷却水プールを有する原子炉格納設備におい
て、前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共
に、該冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格
納容器の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プー
ルの冷却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに
戻す凝縮手段を設け、前記凝縮手段は、前記冷却水プー
ルの水面より上方の位置で前記原子炉格納容器外に設置
された冷却水タンクと、前記冷却水プールの水面近傍と
前記冷却水タンクの気相空間とを連通し冷却水プールか
ら冷却水タンクに蒸気を供給する配管と、前記冷却水プ
ールの水中と前記冷却水タンクの水中とを連通し冷却水
タンクから冷却水プールに凝縮水を戻す配管とを有する
ことを特徴とする原子炉格納設備を提供する。
【0019】また上記目的を達成するため、本発明は、
核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記
原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器と、前記炉心
で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子炉格納容器外
の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記原子炉格納容
器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有するサプレッ
ションプール及びサプレッションプールの上方の気相部
であるウェットウェルを有する圧力抑制室と、前記ドラ
イウェルとサプレッションプールとを結ぶベント管とを
備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原子炉格納容器
を除熱する冷却水プールを有する原子炉格納設備におい
て、前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共
に、該冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格
納容器の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プー
ルの冷却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに
戻す凝縮手段を設け、前記凝縮手段は、前記冷却水プー
ルから蒸気を供給する配管と前記冷却水プールに凝縮水
を戻す配管とに設けられ、冷却水プールの温度上昇に感
応して溶ける可容性の栓を有し、原子炉の通常運転時に
は前記凝縮手段内に冷却水を充填し、事故時において前
記可容性の栓が溶けて前記配管が連通することを特徴と
する原子炉格納設備を提供する。凝縮手段内に冷却水を
充填する代わりに、凝縮手段内を低圧力状態としてもよ
い。
【0020】また上記目的を達成するため、本発明は、
核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記
原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器と、前記炉心
で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子炉格納容器外
の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記原子炉格納容
器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有するサプレッ
ションプール及びサプレッションプールの上方の気相部
であるウェットウェルを有する圧力抑制室と、前記ドラ
イウェルとサプレッションプールとを結ぶベント管とを
備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原子炉格納容器
を除熱する冷却水プールを有する原子炉格納設備におい
て、前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共
に、該冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格
納容器の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プー
ルの冷却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに
戻す凝縮手段を設け、前記凝縮手段は、前記冷却水プー
ルに凝縮水を戻す配管に一端を連通し、他端を前記凝縮
手段の最上部より上方の位置で大気中に開放する圧力調
整管を更に有することを特徴とする原子炉格納設備を提
供する。
【0021】また上記目的を達成するため、本発明は、
核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記
原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器と、前記炉心
で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子炉格納容器外
の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記原子炉格納容
器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有するサプレッ
ションプール及びサプレッションプールの上方の気相部
であるウェットウェルを有する圧力抑制室と、前記ドラ
イウェルとサプレッションプールとを結ぶベント管とを
備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原子炉格納容器
を除熱する冷却水プールを有する原子炉格納設備におい
て、前記冷却水プールの水面より上方の位置で前記原子
炉格納容器外に設置され、オーバーフロー管を有する水
プール凝縮器と、前記冷却水プールから前記水プール凝
縮器内の水中に蒸気を供給する配管及び前記オーバーフ
ロー管から前記冷却水プールに凝縮水を戻す配管とを有
することを特徴とする原子炉格納設備を提供する。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【作用】配管破断事故を想定した場合に、炉心の崩壊熱
で発生した蒸気は、ベント管に流入し、ベント管出口か
らサプレッションプール内に吹き込まれサプレッション
プール水中で凝縮し、原子炉格納容器内の圧力が抑制さ
れる。
【0026】事故後の原子炉格納容器の長期冷却に隔離
時凝縮器を用いる原子炉では、原子炉格納容器内の蒸気
を主蒸気管から隔離時凝縮器内に流入させて凝縮する。
蒸気の凝縮による伝熱で冷却水プール水中の冷却水は沸
騰し、蒸気が原子炉格納容器外に排気されることによっ
て原子炉格納容器は除熱される。
【0027】事故後の原子炉格納容器の長期冷却に外周
プールを用いる原子炉では、原子炉格納容器内の圧力抑
制室から原子炉格納容器壁を介して原子炉格納容器の熱
を外周プールに伝え、外周プール冷却水が沸騰すること
によって原子炉格納容器は除熱される。
【0028】そして本発明では、隔離時凝縮器用または
外周プールの冷却水プールの水面より上方に位置すると
共に、冷却水プールと閉ループで結ばれ、原子炉格納容
器の除熱によって加熱され沸騰する冷却水プールの冷却
水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに戻す凝縮
手段を設けている。この凝縮手段により、冷却水プール
は除熱されるとともに、冷却水が自然力である重力によ
って半永久的に冷却水プールに供給されるため、冷却水
プールによる原子炉格納容器の長期冷却が可能になる。
【0029】また、凝縮手段から冷却水が冷却水プール
に戻されるので、冷却水プール内の必要冷却水量は少な
くてもよく、冷却水プール及び原子炉格納容器の小型化
が可能となる。また、凝縮手段は伝熱管、ダクト等で構
成できるので、原子炉格納容器から離れた任意の場所に
設置でき、原子炉格納容器10の寸法上の制約によるこ
となく設計可能である。
【0030】さらに、隔離時凝縮器の伝熱管破断等によ
って原子炉格納容器内の放射性物質が冷却水プール内に
漏洩する場合を想定しても、凝縮手段は閉ループで構成
され外界から遮断されているため、原子炉格納容器内の
放射性物質が外界に放出されることはない。
【0031】配管に可容性の栓を設け、凝縮手段内に冷
却水を充填するか凝縮手段内を低圧力状態としておくこ
とにより、事故前に当該配管及び凝縮手段の内部には空
気等の不凝縮性気体が存在しないために、凝縮手段の事
故時の伝熱性能が向上し安全性がさらに向上する。ま
た、この伝熱性能の向上によって凝縮手段の容量を低減
できるので、原子炉の経済性が向上する。
【0032】冷却水プールに凝縮水を戻す配管に圧力調
整管を設けることにより、冷却水プールにおける加圧、
減圧を防止できるので、原子炉の安全性がさらに向上す
る。
【0033】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1及び図2により
説明する。本実施例は、本発明を鉄筋コンクリート製格
納容器を有するABWR型の原子炉格納設備に適用した
ものである。
【0034】図1において、本実施例の原子炉格納設備
は鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器10を有し、原
子炉格納容器10内にはコンクリート構造壁16によっ
てドライウェル11と圧力抑制室14とが作られ、圧力
抑制室14は冷却水を保有するサプレッションプール1
2とその上方の気相であるウェットウェル13とで構成
されている。サプレッションプール12とドライウェル
11は多数のベント管17で連通される。ドライウェル
11内に原子炉圧力容器1が設置される。この原子炉圧
力容器1内には核燃料からなる炉心2が内蔵され、炉心
2で発生した蒸気は、主蒸気管3を通って原子炉格納容
器10外のタービンに供給され、タービンの駆動源とし
て利用された蒸気の凝縮水は給水管4を通り、原子炉圧
力容器1に供給される。炉心2における冷却水の循環は
循環ポンプ166によって行われる。
【0035】ドライウェル11内には、自動減圧弁23
及びその排気をサプレッションプール12内のプール水
中に吹き込む排気管25からなる自動減圧系が設けられ
る。自動減圧系は、原子炉圧力容器1内の冷却水水位が
炉心2にとって危険な低水位となったときに自動減圧弁
23を開く制御系を備える。
【0036】この原子炉格納容器10内には、重力落下
式注水装置として、冷却水タンク90と弁99、逆止弁
97を有する注水配管93が設けられる。また、蓄圧式
注水装置として、高圧蓄圧タンク20と弁81と逆止弁
26からなる注水配管24が設けられる。
【0037】また、図2に示した原子炉格納設備では、
原子炉圧力容器1Aの形状が細長く、炉心2が原子炉格
納容器10の下方に位置している。また、サプレッショ
ンプール12と原子炉圧力容器1内を弁83、逆止弁8
4を有する炉心冠水系配管22で連通し、事故時の長期
冷却時にサプレッションプール12の水位と原子炉圧力
容器1内の水頭差で冷却水を原子炉圧力容器1内に注水
し、炉心2を冠水する冠水系が設けられる。この冠水系
を設けた場合、炉心2の長期冷却性能がさらに向上す
る。以下の実施例では、作用については冠水系を設けな
い場合の図面を用いて説明しているが、それぞれの実施
例は、冠水系を設けた場合と設けない場合のどちらにも
適用可能である。
【0038】次に、本実施例による原子炉格納設備の特
徴となる構造を図1を用いて説明する。原子炉格納容器
10内には隔離時凝縮器112と、隔離時凝縮器112
を内包する冷却水プール113とが設けられ、主蒸気管
3と隔離時凝縮器112の蒸気入口を隔離弁28を有す
る管路114で連通し、隔離時凝縮器112の凝縮水出
口とサプレッションプール12の水中を管路116で連
通する。
【0039】原子炉格納容器10外の冷却水プール11
3の水面より上方に、伝熱管106、空冷用ダクト10
4、ダクト支持部105からなる凝縮器を設け、冷却水
プール113の気相空間と伝熱管106の上部を管路1
01で連通し、冷却水プール113と伝熱管106の下
部を逆止弁103を有する管路102で連通する。管路
101には真空破壊弁140が設けられ、冷却水プール
113が負圧になった場合、空気を管路101に導入し
冷却水プール113を大気圧に保つ機能を有する。空冷
用ダクト104は、上部と下部が大気中に開放されてお
り、空気の流通が可能な構造となっている。
【0040】次に、本実施例による原子炉格納設備の作
用を説明する。主蒸気配管破断等の事故を想定すると、
主蒸気管3の破断口からドライウェル11へ流出した蒸
気がベント管17からサプレッションプール12に流入
して凝縮される。また、主蒸気管3からの蒸気が、隔離
時凝縮器112によって凝縮され、その凝縮水が管路1
16を通ってサプレッションプール12に流入すること
によって原子炉格納容器10内の圧力が抑制される。蒸
気の凝縮によって冷却水プール113内の冷却水に熱が
伝わり、原子炉格納容器10内が除熱されて圧力上昇が
抑制される。
【0041】冷却水プール113における冷却水の沸騰
で発生した蒸気は、管路101を通り、伝熱管106に
流入する。伝熱管106の周囲の空気は、伝熱管106
内の蒸気によって加熱され、加熱された空気は浮力によ
って空冷用ダクト104内を上昇する。空冷用ダクト1
04内の空気によって冷却された伝熱管106内の蒸気
は凝縮し、重力によって伝熱管106内を下降し、管路
102を通って冷却水プール113内に戻る。
【0042】冷却水プール113内における冷却水の沸
騰、伝熱管106内の蒸気凝縮によって、冷却水プール
113は除熱されるとともに、冷却水が自然力である重
力によって半永久的に冷却水プール113に供給される
ため、隔離時凝縮器112及び冷却水プール113によ
る原子炉格納容器10の長期冷却が可能になる。
【0043】また、本実施例による伝熱管106及び空
冷用ダクト104からなる凝縮器を用いない場合、冷却
水プール113内の冷却水の蒸気は原子炉格納容器10
外に放出されるため、冷却水プール113内には多量の
冷却水を溜めておく必要があるが、本実施例の凝縮器を
用いた場合には、冷却水が冷却水プール113に戻さ
れ、冷却水プール113内の必要冷却水量は減少するた
め、冷却水プール113及び原子炉格納容器10の容積
を小さくできる。
【0044】また、本実施例の伝熱管106及び空冷用
ダクト104からなる凝縮器は、原子炉格納容器10外
の任意の場所に設置可能であり、原子炉格納容器10の
寸法上の制約によることなく設計可能であり、大容量の
凝縮器を設置できる。
【0045】さらに、隔離時凝縮器112の伝熱管破断
等によって原子炉格納容器10内の放射性物質が冷却水
プール113内に漏洩する場合を想定しても、管路10
1、伝熱管106、管路102の内部は外界から遮断さ
れているため、原子炉格納容器10内の放射性物質が外
界に放出されることはない。
【0046】したがって、本実施例によれば、事故時に
おいて隔離時凝縮器による原子炉格納容器の長期の除熱
が可能になるため、原子炉の安全性が向上する。隔離時
凝縮器の伝熱管破断等の事故を想定しても、原子炉格納
容器内の物質が外界に放出されることが無いため、原子
炉の安全性がさらに向上する。また、原子炉格納容器寸
法を小型化できるため、原子炉の製造に係る経済性が向
上する。また、自然力である重力によって隔離時凝縮器
の冷却水プールに冷却水を供給できるため、機器の信頼
性が向上する。
【0047】本発明の第2の実施例を図3により説明す
る。第1の実施例で示した原子炉格納設備において、原
子炉格納容器10外の冷却水プール113水面より上方
に、伝熱管106及び冷却水プール107からなる凝縮
器を設け、冷却水プール113の気相空間と伝熱管10
6の上部を管路101で連通し、冷却水プール113と
伝熱管106の下部を逆止弁103を有する管路102
で連通する。管路101には真空破壊弁140が設けら
れ、冷却水プール113が負圧になった場合、空気を管
路101に導入し冷却水プール113を大気圧に保つ機
能を有する。冷却水プール107は、上部が大気中に開
放されている。
【0048】主蒸気配管破断等の事故を想定すると、隔
離時凝縮器112によって加熱される冷却水プール11
3内の冷却水の沸騰で発生した蒸気は、管路101を通
り、伝熱管106に流入する。伝熱管106の周囲の冷
却水が伝熱管106内の蒸気によって加熱されて冷却水
プール107内で対流するとともに、伝熱管106内の
蒸気は凝縮し、重力によって伝熱管106内を下降し、
管路102を通って冷却水プール113内に戻る。
【0049】冷却水プール113内における冷却水の沸
騰、伝熱管106内の蒸気凝縮によって、冷却水プール
113は除熱されるとともに、冷却水プール107内の
冷却水が全量蒸発するまでは、冷却水プール113に冷
却水が自然力である重力によって供給されるため、冷却
水プール113による原子炉格納容器10の長期冷却が
可能になる。
【0050】また、本実施例による伝熱管106、冷却
水プール107からなる凝縮器を用いない場合、冷却水
プール113内の冷却水は原子炉格納容器10外に蒸発
するため、冷却水プール113内には多量の冷却水を溜
めておく必要があるが、本実施例の凝縮器を用いた場合
には、冷却水プール113に冷却水が戻され、冷却水プ
ール113内の必要冷却水量は減少するため、原子炉格
納容器10の容積を小さくできる。
【0051】また、本実施例の伝熱管106、冷却水プ
ール107からなる凝縮器は、原子炉格納容器10外の
任意の場所に設置可能であり、原子炉格納容器10の寸
法上の制約によることなく設計可能であり、大容量の凝
縮器を設置できる。
【0052】さらに、隔離時凝縮器112の伝熱管破断
等によって原子炉格納容器10内の放射性物質が冷却水
プール113内に漏洩する場合を想定しても、管路10
1、伝熱管106、管路102の内部は外界から遮断さ
れているため、原子炉格納容器10内の放射性物質が外
界に放出されることはない。
【0053】さらに、第1の実施例と比較して、伝熱管
106から冷却水プール107内の冷却水への伝熱が沸
騰伝熱であるため熱伝達率が高く、冷却水プール113
の容量及び伝熱管106の伝熱面積を低減できる。
【0054】したがって、本実施例によれば、事故時に
おいて、隔離時凝縮器による原子炉格納容器の長期の除
熱が可能になるため、原子炉の安全性が向上する。隔離
時凝縮器の伝熱管破断等の事故を想定しても、原子炉格
納容器内の物質が外界に放出されることが無いため、原
子炉の安全性がさらに向上する。また、原子炉格納容器
寸法を小型化できるため、原子炉の製造に係る経済性が
向上する。また、自然力である重力によって隔離時凝縮
器の冷却水プールに冷却水を供給できるため、機器の信
頼性が向上する。さらに、冷却水プールの容量及び伝熱
管の伝熱面積を低減できるため、原子炉の製造に係る経
済性がさらに向上する。
【0055】本発明の第3の実施例を図4により説明す
る。第1の実施例で示した原子炉格納設備において、管
路101及び管路102中に可容性栓108及び可容性
栓109を取付けるとともに、伝熱管106内に予め冷
却水を充填する。可容性栓108及び可容性栓109に
は、高温状態で溶ける物質を用い、特に冷却水プール1
13内の冷却水が沸騰する時、その蒸気温度で完全に溶
けるものとする。管路101には真空破壊弁140が設
けられ、冷却水プール113が負圧になった場合、空気
を管路101に導入し、冷却水プール113を大気圧に
保つ機能を有する。
【0056】事故時において、冷却水プール113が沸
騰するのにともない可容性栓108と可容性栓109が
溶け、管路101、伝熱管106、管路102及び冷却
水プール113が連通する。これによって、管路10
1、伝熱管106、管路102内の冷却水が冷却水プー
ル113に流入するとともに、冷却水プール113の気
相空間から蒸気が伝熱管106に流入し、凝縮が開始さ
れる。
【0057】事故前に、管路101、伝熱管106、管
路102の内部には空気等の不凝縮性気体が存在しない
ために、伝熱管106内における事故時の伝熱性能が可
容性栓108と可容性栓109を用いない場合と比較し
て、大幅に向上する。
【0058】伝熱性能の向上によって、冷却水プール1
13の容量と伝熱管106及び空冷用ダクト104から
なる凝縮器の容量を低減できるので、原子炉の経済性が
向上する。
【0059】本実施例によれば、冷却水プールによる原
子炉格納容器の除熱性能が向上するため、原子炉の安全
性がさらに向上する。また、原子炉格納容器寸法及び凝
縮器の寸法を小型化できるため、原子炉の製造に係る経
済性がさらに向上する。
【0060】なお、本実施例は第1の実施例の格納設備
に可溶性の栓を設けたが、第2の実施例に可溶性の栓を
設けてもよい。また、伝熱管106内に予め冷却水を充
填したが、代わりに伝熱管106内を低圧力状態として
もよい。この場合も、事故前に、管路101、伝熱管1
06、管路102の内部には空気等の不凝縮性気体が少
なくなっているため、伝熱管106内における事故時の
伝熱性能が大幅に向上する。
【0061】本発明の第4の実施例を図5により説明す
る。第1の実施例で示した原子炉格納設備において、原
子炉格納容器10外の冷却水プール113水面より上方
に冷却水プール107からなる凝縮器を設け、冷却水プ
ール107の水面下方に開口部を有し蒸気を吹き込む蒸
気吹き込み管110と、冷却水プール107の水面近傍
に開口部を有するオーバーフロー管111とを設ける。
冷却水プール113の気相空間と蒸気吹き込み管110
を管路101で連通し、冷却水プール113とオーバー
フロー管111を逆止弁103を有する管路102で連
通する。冷却水プール107は上部が大気中に開放さ
れ、かつその部分に放射性物質を吸収するフィルタ10
7Aが取付けられている。
【0062】事故時において、冷却水プール113にお
ける冷却水の沸騰で発生した蒸気は、管路101を通
り、蒸気吹き込み管110から冷却水プール107の水
中に吹き込まれる。吹き込まれた蒸気は凝縮し、冷却水
プール107内の水温が上昇するとともに、凝縮水によ
って冷却水プール107内水位は上昇する。水位の上昇
によってオーバーフローした冷却水は、重力によってオ
ーバーフロー管111、管路102を通り冷却水プール
113に戻る。
【0063】冷却水プール107で沸騰が始まるまで
は、冷却水プール107からの冷却水の蒸発はほとんど
無く、冷却水プール113の水位は維持される。したが
って、冷却水プール107の容量を大きくすることによ
って、冷却水プール113の除熱性能が維持され、原子
炉の長期にわたる冷却が可能になる。また、これによっ
て、冷却水プール113の必要冷却水量も減るため、原
子炉格納容器10を小型化できる。なお、本実施例の冷
却水プール107は、原子炉格納容器10外の任意の場
所に設置できるため、冷却水プール107の大容量化は
容易である。
【0064】さらに、第1及び第2の実施例と比較し
て、蒸気吹き込み管110から冷却水プール107内の
冷却水への伝熱が直接凝縮伝熱であるため熱伝達率が高
く、冷却水プール113の容量を低減できる。
【0065】また、隔離時凝縮器112の伝熱管破断等
によって原子炉格納容器10内の放射性物質が冷却水プ
ール113内に漏洩する場合を想定しても、フィルタ1
07Aにより放射性物質は吸着されるので、原子炉格納
容器10内の放射性物質が外界に放出されること防止で
きる。
【0066】本実施例によれば、事故時において、隔離
時凝縮器による原子炉格納容器の長期の除熱が可能にな
るため、原子炉の安全性が向上する。隔離時凝縮器の伝
熱管破断等の事故を想定しても、原子炉格納容器内の物
質が外界に放出されることが無いため、原子炉の安全性
がさらに向上する。原子炉格納容器寸法を小型化できる
ため、原子炉の製造に係る経済性が向上する。また、自
然力である重力によって隔離時凝縮器の冷却水プールに
冷却水を供給できるため、機器の信頼性が向上する。ま
た、冷却水プールの容量をさらに低減できるため、原子
炉の製造に係る経済性がさらに向上する。
【0067】なお、図示しないが、本実施例に第3の実
施例の可溶性の栓を適用することもできる。
【0068】本発明の第5の実施例を図6により説明す
る。第1の実施例で示した原子炉格納設備において、冷
却水タンク119からなる凝縮器を設け、冷却水プール
113の水面近傍と冷却水タンク119の気相空間を管
路117で連通する。また、冷却水タンク119の液相
部と冷却水プール113の液相部を管路118で連通す
る。管路101には真空破壊弁140が設けられ、冷却
水プール113が負圧になった場合、空気を管路101
に導入し冷却水プール113を大気圧に保つ機能を有す
る。
【0069】事故時において、冷却水プール113の冷
却水が沸騰して蒸発し、冷却水プール113の液面が管
路117の冷却水プール113側の開口部より下降する
と、冷却水プール113の気相部から蒸気が冷却水タン
ク119の気相空間に流入する。これにより、冷却水タ
ンク119内の冷却水が静水頭によって、管路118を
通り冷却水プール113内に流入する。また、冷却水タ
ンク119の気相空間に流入した蒸気は冷却水タンク1
19の大気中への自然放熱で凝縮し、冷却水タンク11
9内の冷却水になる。一方、冷却水の流入によって冷却
水プール113内の水位は上昇し、管路117の冷却水
プール113側の開口部に達する。管路117内には水
位が形成され、冷却水タンク119への気相の流入が停
止するため、管路118から冷却水プール113への冷
却水の流入は停止する。以上の作用によって、冷却水プ
ール113内の水位は一定に維持され、冷却水プール1
13の水位低下による原子炉格納容器10の除熱性能の
低下が防止される。
【0070】本実施例の冷却水タンク119は、原子炉
格納容器10外の任意の場所に設置できる。したがっ
て、冷却水タンク119を大容量とし、長期に渡って原
子炉を冷却することも可能である。
【0071】本実施例によれば、事故時において、隔離
時凝縮器による原子炉格納容器の長期の除熱が可能にな
るため、原子炉の安全性が向上する。隔離時凝縮器の伝
熱管破断等の事故を想定しても、原子炉格納容器内の物
質が外界に放出されることが無いため、原子炉の安全性
がさらに向上する。また、原子炉格納容器寸法を小型化
できるため、原子炉の製造に係る経済性が向上する。さ
らに、自然力である重力によって隔離時凝縮器の冷却水
プールに冷却水を給水できるため、機器の信頼性が向上
する。
【0072】なお、図示しないが、本実施例に第3の実
施例の可溶性の栓を適用することもできる。
【0073】本発明の第6の実施例を図7により説明す
る。第1の実施例で示した原子炉格納設備において、管
路102に一端を連通し、他端を伝熱管106の最上部
より上方の大気中に連通する圧力調整管134を設け
る。圧力調整管134は圧力調整用なので、小径のパイ
プであればよい。
【0074】事故時において、伝熱管106及び空冷用
ダクト104からなる凝縮器の除熱性能が一時的に低下
した場合、冷却水プール113で発生した蒸気が伝熱管
106内で凝縮せず、冷却水プール113の圧力がわず
かに上昇する可能性がある。また、凝縮器の除熱性能が
一時的に向上した場合、伝熱管106内での凝縮量が増
加して冷却水プール113の圧力がわずかに減少する可
能性がある。加圧時においては、圧力調整管134によ
って蒸気が大気中に放出され、冷却水プール113の圧
力上昇を防止でき、減圧時においては、圧力調整管13
4内の冷却水が冷却水プール113内に流入することに
よって圧力低下を防止できる。
【0075】圧力調整管134は小径にできるので、隔
離時凝縮器112の伝熱管破断等によって原子炉格納容
器10内の放射性物質が冷却水プール113内に漏洩す
る場合を想定しても、原子炉格納容器10内の放射性物
質が外界に放出されること実質的に防止できる。この放
射性物質の放出の防止をさらに確実にする場合には、圧
力調整管134の出口に放射性物質を吸収するフィルタ
を取付ければよい。
【0076】本実施例によれば、冷却水プール113の
加圧、減圧を防止できるため、原子炉の安全性がさらに
向上する。
【0077】なお、図示しないが、本実施例に第3の実
施例の可溶性の栓を適用することもできる。また、第2
の実施例に本実施例の圧力調整管を設けてもよい。
【0078】本発明の第7の実施例を図8により説明す
る。第1の実施例で示した原子炉格納設備において、原
子炉格納容器10外の冷却水プール113水面より上方
に、凝縮タンク119A、タンク支持部105A及び冷
却用ダクト104Aからなる凝縮器を設け、冷却水プー
ル113の気相空間と凝縮タンク119Aの上部を管路
101で連通し、冷却水プール113と凝縮タンク11
9Aの下部を逆止弁103を有する管路102で連通す
る。管路101には真空破壊弁140が設けられ、冷却
水プール113が負圧になった場合、空気を管路101
に導入し冷却水プール113を大気圧に保つ機能を有す
る。冷却用ダクト104Aは、上部と下部が大気に開放
されており、空気の流通が可能な構造となっている。
【0079】事故時において、冷却水プール113にお
ける冷却水の沸騰で発生した蒸気は、管路101を通
り、凝縮タンク119Aに流入する。凝縮タンク119
A内を通るダクト104A内の空気は、凝縮タンク11
9A内の蒸気によって加熱され、加熱された空気は浮力
によってダクト104A内を上昇する。ダクト104A
内の空気によって冷却された凝縮タンク119A内の蒸
気は凝縮し、凝縮タンク119Aの下部にたまり、重力
によって管路102を通って冷却水プール113内に戻
る。
【0080】したがって、本実施例によっても第1の実
施例と同等の効果が得られる。
【0081】なお、図示しないが、本実施例に第3の実
施例の可溶性の栓を適用することもできる。また、本実
施例に第6の実施例の圧力調整管を設けてもよい。
【0082】本発明の第8の実施例を図9により説明す
る。第1の実施例で示した原子炉格納設備において、原
子炉格納容器10外の冷却水プール113水面より上方
に、伝熱管106及び海水137からなる凝縮器を設
け、冷却水プール113の気相空間と伝熱管106の上
部を管路101で連通し、冷却水プール113と伝熱管
106の下部を逆止弁103を有する管路102で連通
する。管路101には真空破壊弁140が設けられ、冷
却水プール113が負圧になった場合、空気を管路10
1に導入し冷却水プール113を大気圧に保つ機能を有
する。
【0083】事故時において、冷却水プール113にお
ける冷却水の沸騰で発生した蒸気は、管路101を通
り、伝熱管106に流入する。伝熱管106内の蒸気は
海水137と熱交換して凝縮し、重力によって伝熱管1
06内を下降し、管路102を通って冷却水プール11
3内に戻る。
【0084】本実施例では、空気の凝縮手段が海水を用
いた水冷であり、凝縮効率が高く、また、海水はほぼ無
尽蔵にあることから半永久的に蒸気を凝縮できる。
【0085】したがって、本実施例によれば、事故時に
おいて、隔離時凝縮器112による長期の除熱が可能に
なるため、原子炉の安全性がさらに向上する。
【0086】なお、図示しないが、本実施例に第3の実
施例の可溶性の栓を適用することもできる。また、本実
施例に第6の実施例の圧力調整管を設けてもよい。
【0087】本発明の第9の実施例を図10により説明
する。本実施例は、本発明を鋼製格納容器を有するBW
R型の原子炉格納設備に適用したものである。
【0088】図10において、本実施例の原子炉格納設
備はコンクリート構造壁16による構造物とこの構造物
を覆う鋼製の原子炉格納容器10Aとを有し、このコン
クリート構造壁16と鋼製の原子炉格納容器10Aとに
よってドライウェル11と圧力抑制室14とが作られて
いる。コンクリート構造壁16による構造物の上面は、
核燃料要素等の原子炉圧力容器1内に存在するものを取
扱装置80で取り扱うための運転階30とされる。
【0089】ドライウェル11内に原子炉圧力容器1が
設置される。この原子炉圧力容器1内には核燃料からな
る炉心2が内蔵され、炉心2で発生した蒸気は、主蒸気
管3を通って原子炉格納容器10外のタービンに供給さ
れ、タービンの駆動源として利用された蒸気の凝縮水は
給水管4を通り、原子炉圧力容器1に供給される。炉心
2における冷却水の循環は循環ポンプ166によって行
われる。
【0090】圧力抑制室14は冷却水を保有するサプレ
ッションプール12とその上方の気相であるウェットウ
ェル13とで構成されている。サプレッションプール1
2とドライウェル11は多数のベント管17で連通され
る。サプレッションプール12とウェットウェル13は
コンクリート構造壁16により外周部分12a,13a
及び外周部分12b,13bに分割されている。これら
サプレッションプール12とウェットウェル13の外周
部分12a,13aと外周部分12b,13bはそれぞ
れコンクリート構造壁16に形成された複数の連通孔1
8,18aにより連通し、プール水及び気相は連通孔1
8,18aを通って内外周で循環可能である。
【0091】原子炉格納容器10Aの外周は外周プール
15で囲まれており、原子炉格納容器10Aの鋼製の壁
面から外周プール15への熱伝達によりサプレッション
プール12内の冷却水を冷却する。また、原子炉格納容
器10Aの中央から上部にかけて、原子炉格納容器10
Aの外側に空冷用ダクト33が設けられ、空気取入口3
2から入りダクト87から出る空気によって原子炉格納
容器10Aの外壁面が空冷される。
【0092】外周部のウェットウェル13aと運転階3
0の空間部は圧力開放板31で仕切られており、事故時
にウェットウェル13の圧力が上昇した場合には、圧力
開放板31が破壊されて、ウェットウェル13と運転階
30の空間部が連通される構造となっている。これによ
って、ウェットウェル13の体積が増加し、事故時の圧
力上昇をさらに抑制できる。
【0093】ドライウェル11内には、自動減圧弁23
及びその排気をサプレッションプール12内のプール水
中に吹き込む排気管25からなる自動減圧系が設けられ
る。自動減圧系は、原子炉圧力容器1内の冷却水水位が
炉心2にとって危険な低水位となったときに自動減圧弁
23を開く制御系を備える。
【0094】また、サプレッションプール12と原子炉
圧力容器1内を弁83、逆止弁84を有する炉心冠水系
配管22で連通し、事故時の長期冷却時にサプレッショ
ンプール12の水位と原子炉圧力容器1内の水頭差で冷
却水を原子炉圧力容器1内に注水し、炉心2を冠水する
冠水系が設けられる。
【0095】この原子炉格納容器10内には、重力落下
式注水装置として、冷却水タンク21と弁82、逆止弁
27を有する注水配管25が設けられる。また、蓄圧式
注水装置として、蓄圧タンク20と弁18と逆止弁26
からなる注水配管24が設けられる。
【0096】原子炉格納容器10外のガ外周プール15
の水面より上方に、伝熱管106、空冷用ダクト10
4、ダクト支持部105からなる凝縮器を設け、外周プ
ール15の気相空間と伝熱管106の上部を管路101
で連通し、外周プール15と伝熱管106の下部を逆止
弁103を有する管路102で連通する。管路101に
は真空破壊弁140が設けられ、外周プール15が負圧
になった場合、空気を管路101に導入し外周プール1
5を大気圧に保つ機能を有する。空冷用ダクト104
は、上部と下部が大気中に開放されており、空気の流通
が可能な構造となっている。
【0097】次に、本実施例による原子炉格納設備の作
用を説明する。主蒸気配管破断等の事故を想定すると、
主蒸気管3の破断口からドライウェル11へ流出した蒸
気が、ベント管17からサプレッションプール12に流
入して凝縮される。蒸気の凝縮によってサプレッション
プール12の冷却水温度が上昇し、原子炉格納容器10
A内の圧力が上昇する。サプレッションプール12から
外周プール15へ、原子炉格納容器10Aの鋼製の壁面
を通して熱が伝えられ、外周プール15の水温が上昇し
て、沸騰を開始する。この外周プール15への伝熱によ
って、サプレッションプール12が除熱され、原子炉格
納容器10A内の圧力が抑制される。
【0098】外周プール15における冷却水の沸騰で発
生した蒸気は、管路101を通り、伝熱管106に流入
する。伝熱管106の周囲の空気は、伝熱管106内の
蒸気によって加熱され、加熱された空気は、浮力によっ
て空冷用ダクト104内を上昇する。空冷用ダクト10
4内の空気によって冷却された伝熱管106内の蒸気は
凝縮し、重力によって伝熱管106内を下降し、管路1
02を通って外周プール15内に戻る。
【0099】外周プール15内における冷却水の沸騰、
伝熱管106内の蒸気凝縮によって、外周プール15は
除熱されるとともに、冷却水が自然力である重力によっ
て半永久的に供給されるため、外周プール15による長
期の冷却が可能になる。
【0100】また、本実施例による伝熱管106、空冷
用ダクト104、ダクト支持部105からなる熱交換器
によって、本実施例の熱交換器を用いない場合と比較し
て外周プール15内の必要冷却水量は減少するため、原
子炉格納容器10の直径を小さくできる。
【0101】さらに、本実施例の熱交換器は、原子炉格
納容器10外の任意の場所に設置可能であり、原子炉格
納容器寸法は、本実施例の熱交換器の大きさに制限され
ることなく設計可能である。
【0102】また、外周プール115は鋼製の格納容器
10Aによりその内部とは隔離され、かつ管路101、
伝熱管106、管路102の内部は外界から遮断されて
いるため、原子炉格納容器10A内の放射性物質が外界
に放出されることはない。
【0103】したがって、本実施例によれば、事故時に
おいて外周プールによる原子炉格納容器の長期の除熱が
可能になるため、原子炉の安全性が向上する。また、原
子炉格納容器内の物質が外界に放出されることが無いた
め、原子炉の安全性がさらに向上する。また、原子炉格
納容器寸法を小型化できるため、原子炉の製造に係る経
済性が向上する。また、自然力である重力によって外周
プールに冷却水を供給できるため、機器の信頼性が向上
する。
【0104】なお、図示しないが、本実施例の外周プー
ル15に、第2〜第8の実施例で示した凝縮器、冷却水
タンク119、可容性栓108、109等を適用するこ
ともできる。
【0105】本発明の一参考例を図11により説明す
る。第1の実施例で示した原子炉格納設備において、管
路101に送風機141を設けて蒸気を伝熱管106、
空冷ダクト104からなる凝縮器に供給し、管路102
にポンプ142を設けて凝縮水を冷却水プール113に
供給する。冷却水プール113への凝縮水の供給にポン
プ142を用いることにより、凝縮器を原子炉格納容器
10より下方に設置することも可能になる。これによ
り、凝縮器を任意の場所に設置できるので、原子炉の設
計に係る自由度を拡大でき、原子炉の設置に係る土木作
業等を軽減できる。
【0106】なお、送風機141は、必ずしも設ける必
要はないが、特に管路101の圧力損失が大きい場合に
蒸気を強制的に輸送するのに用いるのが好ましい。
【0107】本参考例によれば、原子炉の設置に係る経
済性を向上できる。
【0108】なお、図示しないが、本参考例のポンプ1
42及び送風機141からなる強制循環方式は第2〜第
8の実施例及び第9の外周プール方式の実施例にも適用
可能である。
【0109】本発明の他の参考例を図12により説明す
る。第1の実施例で示した原子炉格納設備において、冷
却水プール113内にプール水と気相空間内に位置する
ように冷却器143からなる凝縮器を設置し、送風器1
45によって冷却器143内に空気を送風し、排気管1
44によって空気を大気中に排気する。この冷却器14
3によって冷却水プール113内の蒸気を凝縮するとと
もに、冷却水プール113内冷却水を冷却する。これに
より、隔離時凝縮器112及び冷却器146による原子
炉格納容器10の長期冷却と冷却水プール113の容量
低減が可能になる。
【0110】本参考例によれば、事故時において、隔離
時凝縮器による原子炉格納容器の長期の除熱が可能にな
るため、原子炉の安全性が向上する。原子炉格納容器寸
法を小型化できるため、原子炉の製造に係る経済性が向
上する。また、隔離時凝縮器の伝熱管破断等の事故を想
定しても、原子炉格納容器内の物質が外界に放出される
ことが無いため、原子炉の安全性がさらに向上する。
【0111】なお、図示しないが、冷却気14に流す冷
却材は海水であってもよい。また、本参考例の冷却器1
43、排気管144、送風器145からなる冷却システ
ムは、第9の実施例で示した外周プール方式の原子炉格
納設備の外周プールにも適用可能である。
【0112】本発明の第10の実施例を図13により説
明する。本実施例は、本発明を新型転換炉の外周プール
方式の原子炉格納容器を有する原子炉格納設備に適用し
たものである。
【0113】図13において、ウォータドラム128か
ら循環ポンプ166によって供給される冷却水は、入口
管群129から原子炉127に入り、出口管群126に
流れ、蒸気ドラム124で気水分離される。鋼製の原子
炉格納容器120内には、燃料交換装置131、調温ユ
ニット122、循環送風機123等が設置される。原子
炉格納容器120の外周には、外周プール133が設け
られ、原子炉格納容器120内の蒸気放出プール132
から外周プール133への伝熱によって原子炉格納容器
120が除熱される。
【0114】原子炉格納容器120外に、伝熱管10
6、空冷用ダクト104、ダクト支持部105からなる
熱交換器を設け、外周プール133の気相空間と伝熱管
106の上部を管路101で連通し、外周プール133
と伝熱管106の下部を逆止弁103を有する管路10
2で連通する。空冷用ダクト104は、上部と下部が大
気中に開放されており、空気の流通が可能な構造となっ
ている。
【0115】入口管群129破断等の事故を想定する
と、原子炉格納容器120内に流出した蒸気が蒸気放出
プール132に流入して凝縮される。蒸気の凝縮によっ
て蒸気放出プール132の冷却水温度が上昇し、原子炉
格納容器120内の圧力が上昇する。蒸気放出プール1
32から外周プール133へ、原子炉格納容器120の
壁面を通して熱が伝えられ、外周プール133の水温が
上昇して、沸騰を開始する。この外周プール133への
伝熱によって、蒸気放出プール132が除熱され、原子
炉格納容器120内の圧力が抑制される。
【0116】外周プール133における冷却水の沸騰で
発生した蒸気は、管路101を通り、伝熱管106に流
入する。伝熱管106の周囲の空気は、伝熱管106内
の蒸気によって加熱され、加熱された空気は、浮力によ
って空冷用ダクト104内を上昇する。空冷用ダクト1
04内の空気によって冷却された伝熱管106内の蒸気
は凝縮し、重力によって伝熱管106内を下降し、管路
102を通って外周プール133内に戻る。
【0117】外周プール133内における冷却水の沸
騰、伝熱管106内の蒸気凝縮によって、外周プール1
33は除熱されるとともに、冷却水が自然力である重力
によって半永久的に供給されるため、外周プール133
による長期の冷却が可能になる。また、本実施例による
伝熱管106、空冷用ダクト104、ダクト支持部10
5からなる熱交換器によって、本実施例の熱交換器を用
いない場合と比較して外周プール133内の必要冷却水
量は減少するため、原子炉格納容器120の直径を小さ
くできる。本実施例の熱交換器は、原子炉格納容器12
0外の任意の場所に設置可能であり、原子炉格納容器寸
法は、本実施例の熱交換器の大きさに制限されることな
く設計可能である。
【0118】また、外周プール133は鋼製の格納容器
120によりその内部とは隔離され、かつ管路101、
伝熱管106、管路102の内部は外界から遮断されて
いるため、原子炉格納容器120内の放射性物質が外界
に放出されることはない。
【0119】したがって、本実施例によれば、事故時に
おいて、外周プールによる長期の除熱が可能になるた
め、原子炉の安全性が向上する。また、原子炉格納容器
内の物質が外界に放出されることが無いため、原子炉の
安全性がさらに向上する。また、原子炉格納容器寸法を
小型化できるため、原子炉の製造に係る経済性が向上す
る。さらに、自然力である重力によって外周プールに冷
却水を供給できるため、機器の信頼性が向上する。
【0120】なお、図示はしないが、本実施例に先の一
及び他の参考例を適用してもよい。また、外周プールに
代え隔離時凝縮器を設置し、その冷却水プールに対して
第1〜第8の実施例を適用してもよい。
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、事故時において原子炉
格納容器の長期の除熱が可能になるため、原子炉の安全
性が向上する。隔離時凝縮器の伝熱管破断等の事故を想
定しても、原子炉格納容器内の物質が外界に放出される
ことが無いため、原子炉の安全性がさらに向上する。ま
た、原子炉格納容器寸法を小型化できるため、原子炉の
製造に係る経済性が向上する。また、自然力である重力
によって冷却水プールに冷却水を供給できるため、機器
の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による原子炉格納設備の
縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例において、炉心冠水系を
配置した場合の原子炉格納設備の縦断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例における原子炉格納設備
の縦断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例における原子炉格納設備
の縦断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例における原子炉格納設備
の縦断面図である。
【図6】本発明の第5の実施例における原子炉格納設備
の縦断面図である。
【図7】本発明の第6の実施例における原子炉格納設備
の縦断面図である。
【図8】本発明の第7の実施例における原子炉格納設備
の縦断面図である。
【図9】本発明の第8の実施例における原子炉格納設備
の縦断面図である。
【図10】本発明の第9の実施例における原子炉格納設
備の縦断面図である。
【図11】本発明の一参考例における原子炉格納設備の
縦断面図である。
【図12】本発明の他の参考例における原子炉格納設備
の縦断面図である。
【図13】本発明の第10の実施例における原子炉格納
設備の縦断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−80596(JP,A) 特開 昭63−33697(JP,A) 特開 昭64−28592(JP,A) 特開 平3−75593(JP,A) 特開 平3−41395(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 15/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力
    容器と、前記原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器
    と、前記炉心で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子
    炉格納容器外の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記
    原子炉格納容器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有
    するサプレッションプール及びサプレッションプールの
    上方の気相部であるウェットウェルを有する圧力抑制室
    と、前記ドライウェルとサプレッションプールとを結ぶ
    ベント管とを備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原
    子炉格納容器を除熱する冷却水プールを有する原子炉格
    納設備において、 前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共に、該
    冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格納容器
    の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プールの冷
    却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに戻す凝
    縮手段を設け、 前記凝縮手段は、前記冷却水プールの水面より上方の位
    置で前記原子炉格納容器外に設置された伝熱管と、前記
    伝熱管を冷却する手段とを有し、冷却水プールで発生し
    た蒸気が伝熱管を流れて凝縮し、その凝縮水を静水頭に
    よって冷却水プールに戻すことを特徴とする原子炉格納
    設備。
  2. 【請求項2】核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力
    容器と、前記原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器
    と、前記炉心で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子
    炉格納容器外の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記
    原子炉格納容器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有
    するサプレッションプール及びサプレッションプールの
    上方の気相部であるウェットウェルを有する圧力抑制室
    と、前記ドライウェルとサプレッションプールとを結ぶ
    ベント管とを備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原
    子炉格納容器を除熱する冷却水プールを有する原子炉格
    納設備において、 前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共に、該
    冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格納容器
    の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プールの冷
    却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに戻す凝
    縮手段を設け、 前記凝縮手段は、前記冷却水プールの水
    面より上方の位置で前記原子炉格納容器外に設置された
    凝縮タンクと、前記凝縮タンク内に設置され冷却材が流
    れるダクトとを有し、冷却水プールで発生した蒸気が凝
    縮タンク内を流れて凝縮し、その凝縮水を静水頭によっ
    て冷却水プールに戻すことを特徴とする原子炉格納設
    備。
  3. 【請求項3】核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力
    容器と、前記原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器
    と、前記炉心で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子
    炉格納容器外の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記
    原子炉格納容器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有
    するサプレッションプール及びサプレッションプールの
    上方の気相部であるウェットウェルを有する圧力抑制室
    と、前記ドライウェルとサプレッションプールとを結ぶ
    ベント管とを備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原
    子炉格納容器を除熱する冷却水プールを有する原子炉格
    納設備において、 前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共に、該
    冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格納容器
    の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プールの冷
    却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに戻す凝
    縮手段を設け、 前記凝縮手段は、前記冷却水プールの水面より上方の位
    置で前記原子炉格納容器外に設置された冷却水タンク
    と、前記冷却水プールの水面近傍と前記冷却水タンクの
    気相空間とを連通し冷却水プールから冷却水タンクに蒸
    気を供給する配管と、前記冷却水プールの水中と前記冷
    却水タンクの水中とを連通し冷却水タンクから冷却水プ
    ールに凝縮水を戻す配管とを有することを特徴とする原
    子炉格納設備。
  4. 【請求項4】核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力
    容器と、前記原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器
    と、前記炉心で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子
    炉格納容器外の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記
    原子炉格納容器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有
    するサプレッションプール及びサプレッションプールの
    上方の気相部であるウェットウェルを有する圧力抑制室
    と、前記ドライウェル とサプレッションプールとを結ぶ
    ベント管とを備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原
    子炉格納容器を除熱する冷却水プールを有する原子炉格
    納設備において、 前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共に、該
    冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格納容器
    の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プールの冷
    却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに戻す凝
    縮手段を設け、 前記凝縮手段は、前記冷却水プールから蒸気を供給する
    配管と前記冷却水プールに凝縮水を戻す配管とに設けら
    れ、冷却水プールの温度上昇に感応して溶ける可容性の
    栓を有し、原子炉の通常運転時には前記凝縮手段内に冷
    却水を充填し、事故時において前記可容性の栓が溶けて
    前記配管が連通することを特徴とする原子炉格納設備。
  5. 【請求項5】核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力
    容器と、前記原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器
    と、前記炉心で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子
    炉格納容器外の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記
    原子炉格納容器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有
    するサプレッションプール及びサプレッションプールの
    上方の気相部であるウェットウェルを有する圧力抑制室
    と、前記ドライウェルとサプレッションプールとを結ぶ
    ベント管とを備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原
    子炉格納容器を除熱する冷却水プールを有する原子炉格
    納設備において、 前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共に、該
    冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格納容器
    の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プールの冷
    却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに戻す凝
    縮手段を設け、 前記凝縮手段は、前記冷却水プールから蒸気を供給する
    配管と前記冷却水プールに凝縮水を戻す配管とに設けら
    れ、冷却水プールの温度上昇に感応して溶ける可容性の
    栓を有し、原子炉の通常運転時には前記凝縮手段内を低
    圧力状態とし、事故時において前記可容性の栓が溶けて
    前記配管が連通することを特徴とする原子炉格納設備。
  6. 【請求項6】核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力
    容器と、前記原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器
    と、前記炉心で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子
    炉格納容器外の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記
    原子炉格納容器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有
    するサプレッションプール及びサプレッションプールの
    上方の気相部であるウェットウェルを有する圧力抑制室
    と、前記ドライウェルとサプレッションプールとを結ぶ
    ベント管とを備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原
    子炉格納容器を除熱する冷却水プールを有する原子炉格
    納設備において、 前記冷却水プールの水面より上方に位置すると共に、該
    冷却水プールと閉ループで結ばれ、前記原子炉格納容器
    の除熱によって加熱され沸騰する前記冷却水プールの冷
    却水の蒸気を凝縮しその凝縮水を冷却水プールに戻す凝
    縮手段を設け、 前記凝縮手段は、前記冷却水プールに凝縮水を戻す配管
    に一端を連通し、他端を前記凝縮手段の最上部より上方
    の位置で大気中に開放する圧力調整管を更に有すること
    を特徴とする原子炉格納設備。
  7. 【請求項7】核燃料からなる炉心を内蔵する原子炉圧力
    容器と、前記原子炉圧力容器を内蔵する原子炉格納容器
    と、前記炉心で発生した蒸気を原子炉圧力容器から原子
    炉格納容器外の施設へ輸送する主蒸気管とを有し、前記
    原子炉格納容器内に空間ドライウェルと、冷却水を保有
    するサプレッションプール及びサプレッションプールの
    上方の気相部であるウェットウェルを有する圧力抑制室
    と、前記ドライウェルとサプレッションプールとを結ぶ
    ベント管とを備え、更に事故後の長期冷却過程で前記原
    子炉格納容器を除熱する冷却水プールを有する原子炉格
    納設備において、 前記冷却水プールの水面より上方の位置で前記原子炉格
    納容器外に設置され、オーバーフロー管を有する水プー
    ル凝縮器と、 前記冷却水プールから前記水プール凝縮器内の水中に蒸
    気を供給する配管及び前記オーバーフロー管から前記冷
    却水プールに凝縮水を戻す配管とを有することを特徴と
    する原子炉格納設備。
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