JP2009150846A - 原子炉格納容器およびそれを用いた原子力プラント - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の加圧水型原子炉に圧力抑制室を設置可能にする。
【解決手段】加圧水型原子炉の炉心1を収めた原子炉圧力容器2および蒸気発生器3を格納する原子炉格納容器に、格納容器本体7と、この格納容器本体7を上部容器10と下部容器11とに隔てるダイアフラム隔壁9と、貯水可能な圧力抑制プール13を備えて気相部が上部容器10と連通する圧力抑制室12と、圧力抑制プール13と下部容器11とを連結するLOCAベント管15とを備える。原子炉冷却材圧力バウンダリーを構成する原子炉圧力容器2あるいは蒸気発生器3などの機器、および、コールドレグ配管4あるいはホットレグ配管5などの配管は、下部容器11に格納される。
【選択図】図1

Description

本発明は、加圧水型原子炉の原子炉格納容器およびそれを用いた原子力プラントに関する。
一般的に、軽水炉(LWR)には、非常用炉心冷却系(ECCS)などの安全系が設けられる。この安全系として、ポンプなどの動的機器を用いた原子炉は、動的安全炉と呼ばれる。これに対して、安全系が、タンクなどの静的機器を用いた原子炉は静的安全炉と呼ばれる。
沸騰水型軽水炉(BWR)の代表的な静的安全炉としては、ESBWR(自然循環冷却式受動安全BWR)がある(たとえば非特許文献1参照)。また、加圧水型軽水炉(PWR)の代表的な静的安全炉としては、AP1000がある(たとえば非特許文献1参照)。
ESBWRにおいて、炉心は原子炉圧力容器(RPV)の内部に収納されている。原子炉圧力容器はドライウェル(DW)の内部に設置され、ドライウェルのRPVスカートおよびベッセルサポートよりも上部の空間を上部DW、下部の空間を下部DWと呼ぶ。上部ドライウェルの下には圧力抑制室(WW)が設置され、内部に圧力抑制プール水(SP水)が蓄えられている。
ドライウェルと圧力抑制プールは12本存在するLOCAベント管を介して連結されている。原子炉格納容器(PCV)はドライウェルと圧力抑制室により構成される。また、上部DWの内部には、重力落下式ECCS(GDCS)プールが設置されている。
原子炉の冷却系配管が破損するなどして原子炉冷却材が流出する冷却材喪失事故(LOCA)が発生すると、まず、ドライウェル内の圧力が上昇し、LOCAベント管内の水位を水平ベント管の位置まで押し下げ、ドライウェル内の雰囲気が圧力抑制プール水の中に進入する。雰囲気中の水蒸気は圧力抑制プール水により全量凝縮するが、窒素などの非凝縮性ガスは圧力抑制プール水では凝縮しないため、圧力抑制室の気相部に移行し蓄積される。
この過程が継続することにより、ドライウェル内部はほぼ水蒸気だけが占めて、もともとドライウェル内に存在した窒素などの非凝縮性ガスは、全量圧力抑制室の気相部に移行する。この過程の駆動エネルギーは、全てドライウェル内に放出された水蒸気の圧力である。
これにより、圧力抑制室の気相部内では非凝縮性ガスが圧縮加圧されて、圧力抑制室の圧力が上昇する。この圧力上昇がPCVの最終到達圧力を決定するため、ドライウェルと圧力抑制室の気相自由空間体積比を0.6程度以上にする必要がある。
気相体積比が小さく、たとえば、0.1であれば、非凝縮性ガスの圧縮加圧だけで圧力抑制室の圧力は約1MPa(約10kg/cm)に達してしまう。そこで、気相体積比を大きく保つために、BWRの設計ではドライウェルの体積を極力小さくする努力が行われて来た。
ドライウェルの体積が大きい場合は、それに応じて圧力抑制室の気相体積も大きくする必要があり、事実上大きなドライウェルを2個設けるような非合理な設計になってしまう。LOCA発生後のドライウェルの圧力は、LOCAベント管内の水深と圧力抑制プール水の水深の水頭差分だけ、圧力抑制室の圧力よりも常に高く維持される。その差圧は0.05MPa(0.5kg/cm)程度以下である。
また、ドライウェルの上部には、動的機器を用いずに重力や自然循環力を利用した静的安全機能を有する静的格納容器冷却系(PCCS)プールが設置され、PCCSプール水が貯えられている。PCCSプール内にはPCCS熱交換器が設置され、PCCS熱交換器は吸込み配管によりドライウェル内の雰囲気を吸引し雰囲気中の水蒸気を凝縮する。その際、雰囲気中に含まれている窒素などの非凝縮性ガスはPCCSベント配管により圧力抑制プール水へベントされる。
凝縮水は凝縮水戻り配管によりGDCSプールに戻され、再びECCS水源としてRPV内に注入される。PCCSがこのようにドライウェルの雰囲気を吸引し、非凝縮性ガスを圧力抑制プール水にベントする際の駆動源はドライウェルと圧力抑制室の間に維持されている圧力差(圧力勾配)である。
PCCSベント管の圧力抑制プール水内の水没水深は、LOCAベント管の水平ベント管よりも高く設定されている。このため、LOCA直後の急激なブローダウン現象が終息し、穏やかで安定的な水蒸気の凝縮過程に移行すると、水蒸気の凝縮のためにLOCAベントは使用されなくなる。一方、水蒸気の凝縮には、PCCS熱交換器のみが用いられる。また、非凝縮性ガスのベントには、PCCSベント管のみが用いられる。
このようにPCCSには、非凝縮性ガスを圧力抑制室へベントする機能があるため、仮に過酷事故が発生して大量の水素ガスが発生しても、PCCS熱交換器内に水素ガスが滞留して静的冷却機能を喪失しないように設計されている。もし、この機能がなければ、PCCS熱交換器は、最初は水蒸気を効率よく凝縮できるが、水素や窒素などの非凝縮性ガスが内部に滞留して、すぐに水蒸気の吸引が不可能になってしまう。
逆に、ドライウェルと圧力抑制室の間の差圧が維持されていれば、この差圧を静的駆動源として非凝縮性ガスを効率よくベントしながら、ドライウェル内の水蒸気を無制限に吸引凝縮できる。このため、適切なPCCS熱交換器容量とPCCSプール水量を確保すれば、原子炉格納容器の形状や炉心出力がどのようなものであっても適用可能である。すなわち、PCCSの設置可能性は、ノード間の差圧を確保するための圧力抑制室の設置可能性に依存し、圧力抑制室の設置可能性は、ドライウェル空間と圧力抑制室の気相体積比が十分大きく確保できるかに依存している。
図7は、従来の静的安全PWR(AP1000)に用いられる原子炉格納容器立断面図である。
AP1000において、炉心1は、原子炉圧力容器(RPV)2の内部に収納されている。原子炉圧力容器は、2基の蒸気発生器(SG)3と、それぞれコールドレグ配管4およびホットレグ配管5により連結されている。また、1次冷却材ポンプ(RCP)6が、蒸気発生器3の下部に直接設置されている。これらの原子炉圧力バウンダリーを構成する機器および配管は、全て原子炉格納容器(CV)77の内部に格納されている。
AP1000の原子炉格納容器77は、ラージドライと呼ばれるPWRで最も代表的な格納容器であり、鋼製である。鋼製を採用しているのは、事故時に外気で冷却を行うためである。なお、AP1000以外のPWRプラントでは、ラージドライCVの材質はむしろプレストレスト・コンクリート製の場合が多い。
原子炉格納容器の内部には、内部燃料交換用水タンク(IRWST)8が設置されている。この内部燃料交換用水タンク8は、コールドレグ配管4などが破断する冷却材喪失事故が発生した場合には、重力落下式ECCSとして機能する。この重力落下式ECCSは、他の静的ECCSとともに、原子炉格納容器下部をコールドレグ配管よりも高い位置まで水没冠水する。
その後、循環スクリーンが開き、常に、原子炉圧力容器2内に水が流入し炉心燃料の冷却が安全に行われる設計となっている。原子炉圧力容器2内に流入した水が炉心燃料の崩壊熱で熱せられると水蒸気が発生し、原子炉格納容器77の気相部に充満し、原子炉格納容器77内の温度と圧力が上昇する。
原子炉格納容器77の外部には、遮蔽建屋71が設置されている。遮蔽建屋71の最上部には、静的格納容器冷却系(PCS)冷却水プール72が設けられ、その内部にPCS冷却水73が蓄えられている。LOCA時には、このPCS冷却水73を原子炉格納容器77の上部から散布する。また、遮蔽建屋71の外気取り入れ口74から流入した空気がバッフル板75と原子炉格納容器77の壁面の間の空間を自然循環力で上昇し、遮蔽建屋71の最上部にある外気放出口76より大気中に放出される。このPCS冷却水73の散布と、空気の循環によって原子炉格納容器77が安全に冷却される設計となっている。
このようにAP1000は、外部動力電源を全く必要としない静的安全系のみで、事故時に炉心1と原子炉格納容器77とを極めて高い信頼度で冷却可能な設計となっている。
IAEA−TECDOC−1391、"Status of advanced light water reactor designs 2004"、IAEA、2004年5月、p.207−p.231、p.279−p.306
AP1000の電気出力は約1,117MWeであるが、蒸気発生器の基数を3基に増やすことによって、容易に1,700MWeクラスにまで出力を増加可能である。しかし、炉心の熱出力が増加することにより、LOCA時の原子炉格納容器の圧力も上昇する。
LOCA時の原子炉格納容器の圧力上昇を緩和するには、原子炉格納容器を若干大型化すればよい。また、原子炉格納容器の冷却に、現状の空冷および水冷による静的格納容器冷却機能以外に静的安全BWRで採用されているPCCS方式が採用できると、より信頼性が高くなる。PCCSは、熱出力に応じて熱交換器の容量と冷却水の量を増やすだけで、いくらでも除熱能力を増加することが可能である。
一方、PCCSを採用するためには、非凝縮性ガスを排出するために区画間の差圧を静的駆動源として使用するため圧力抑制室を設ける必要がある。しかし、PWRのラージドライ型CVは、数万m程度の自由空間体積があり、これは、BWRのドライウェル自由空間体積の約10倍である。このため、BWRと同程度の体積の圧力抑制室を設置した場合は、約10倍の非凝縮性ガスの圧縮加圧によりLOCA時の圧力が約1MPa(約10kg/cm)にも達する可能性がある。このため、LOCA時に、CV破損に至る可能性がある。
つまり、PWRの原子炉格納容器を圧力抑制型にするために、BWRと同じような圧力抑制室を設置すると、かえって原子炉格納容器圧力が極めて高くなってしまう。逆に、この圧力でも破損しないラージドライCVを設計すると、コストが極めて高くなり、現実的ではない。
BWRのドライウェル体積がPWRのCV体積の1/10にまで小さくできるのは、蒸気発生器などの大型機器や外部再循環ループなどがなく、格納が必要な圧力バウンダリーの機器が少ないためである。一方、PWRでは、出力規模の拡大に伴い蒸気発生器の基数も増加し、たとえば4ループのPWRプラントの原子炉格納容器の自由空間体積は約8万mにもなる。このため、このような大出力4ループPWRプラントでは、静的に格納容器を冷却することは困難である。
そこで本発明は、加圧水型原子炉を備えた大型の原子力プラントに圧力抑制室を設置可能にすることを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、加圧水型原子炉の炉心を収めた原子炉圧力容器および蒸気発生器を格納する原子炉格納容器において、本体と、前記本体を、第1区画と、前記原子炉圧力容器および蒸気発生器を含む原子炉冷却材圧力バウンダリーを構成する機器および配管を格納する第2区画と、に隔てるダイアフラム隔壁と、貯水可能な圧力抑制プールを備えて気相部が前記第1区画と連通する圧力抑制室と、前記圧力抑制プールと前記第2区画とを連結するLOCAベント管と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、加圧水型原子炉を備えた原子力プラントにおいて、本体と、この本体を第1区画と第2区画とに隔てるダイアフラム隔壁と、貯水可能な圧力抑制プールを備えて気相部が前記第1区画と連通する圧力抑制室と、前記圧力抑制プールと前記第2区画とを連結するLOCAベント管と、を備えた格納容器と、前記第2区画に格納されて炉心を収めた原子炉圧力容器および蒸気発生器を含む原子炉冷却材圧力バウンダリーを構成する機器および配管と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、加圧水型原子炉を備えた大型の原子力プラントに圧力抑制室を設置することができる。
本発明に係る加圧水型原子力プラントの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る原子炉格納容器の第1の実施の形態における立断面図である。
加圧水型原子炉を備えた原子力プラントは、炉心1およびその炉心1を収納する原子炉圧力容器2を有している。原子炉圧力容器2は、それぞれコールドレグ配管4およびホットレグ配管5によって、たとえば2基の蒸気発生器3と連結されている。1次冷却材を炉心1および蒸気発生器3に循環させる1次冷却材ポンプ6は、たとえば蒸気発生器3の下部に直接設置されている。これらの機器および配管によって、原子炉冷却材圧力バウンダリーが構成されている。加圧水型原子炉の原子炉格納容器は、これらの原子炉冷却材圧力バウンダリーを構成する機器および配管を格納している。
本実施の形態の原子炉格納容器は、格納容器本体(MCV)7と、ダイアフラム隔壁9とを備えている。格納容器本体7は、たとえば平板に円筒を載せて、その円筒の上端を半球状の蓋で覆った形状に鉄筋コンクリートで形成されている。ダイアフラム隔壁9は、たとえば水平方向に広がっている。
格納容器本体7は、ダイアフラム隔壁9で、第1区画と第2区画とに隔てられている。ここでは、第1区画を上部容器10、第2区画を下部容器11と呼ぶこととする。本実施の形態において、上部容器10は、下部容器11よりも上方に設けられている。ダイアフラム隔壁9に、上部容器10と下部容器11との差圧が所定の圧力以上になったときに開放する真空破壊弁19を設置してもよい。原子炉冷却材圧力バウンダリーを構成する機器および配管は、すべて下部容器11の内部に格納されている。
また、原子炉格納容器には、圧力抑制室12が設けられている。圧力抑制室12は、圧力抑制プール13を備えている。圧力抑制プール13は、貯水可能に形成されていて、通常時にはたとえば水深約5m以上となるように圧力抑制プール水14が貯えられている。圧力抑制プール水14は、たとえば硼酸水である。また、本実施の形態では、圧力抑制室12は、上部容器10の内部に設けられている。圧力抑制室12のたとえば上面は上部容器10の他の部分と連通するように開放されている。
さらに、原子炉格納容器には、下部容器11と圧力抑制プール13とを連結するLOCAベント管15が設けられている。圧力抑制プール13とLOCAベント管15との接続部には、水平方向に延びる水平ベント管16を設けてもよい。
LOCAベント管15および水平ベント管16には、たとえばBWRに用いられているものと同一形状のものを使用することができる。また、下部容器11とLOCAベント管15を連結させているため、通常時には圧力抑制プール水14が下部容器11に流れ落ちないようにダイアフラム隔壁9の一部を円周状に水深以上に立ち上げたライザー部17が形成されている。
LOCAベント管15の本数は、約10本から約50本程度であり、必要に応じて変更してよい。PWRの原子炉格納容器の内径は約45mもあるため、ベント管設置部分の周長は約100mもあり、最大約50本のベント管の設置も問題なく可能である。実際には、下部容器11の体積が十分に大きいため、冷却材喪失事故(LOCA)直後の圧力上昇(1次ピーク)は厳しくなく、ベント管本数は約10本程度にまで削減することも可能である。
格納容器本体7の内部には、内部燃料交換用水タンク8が設けられている。コールドレグ配管4などが破断するLOCAが発生した場合には、重力落下式ECCSとして機能し、他の静的ECCSとあいまって原子炉格納容器下部をコールドレグ配管4よりも高い位置まで水没冠水することができる。その後は、循環スクリーンが開き、常に、原子炉圧力容器2内に水が流入し炉心燃料の冷却が安全に行われる設計となっている。原子炉圧力容器2内に流入した水が炉心燃料の崩壊熱で熱せられると水蒸気が発生し、格納容器本体7の気相部に充満し、格納容器本体7内の温度と圧力が上昇する。
ダイアフラム隔壁9の鉛直方向位置は、ポーラークレーン18よりも下方に配置される機器が下部容器11の内部に納まるように設定される。格納容器本体7の全体の自由空間体積が約80,000mである場合、たとえば下部容器11の自由空間体積を約50,000mとし、上部容器10の自由空間体積を約30,000mとする。この場合、気相体積比を約0.6にすることができる。
気相体積比が0.6の場合、上部容器10内での非凝縮性ガスの圧縮加圧による圧力上昇は、設計基準事故の場合、約0.265MPa(1.67kgf/cmg)と十分に低く抑えることが可能になる。また、大量の水素発生が加わる苛酷事故の場合であっても、約0.35MPa(2.5kgf/cmg)と十分に低くなる。
このように、本実施の形態の原子炉格納容器を用いることにより、たとえば1,700MWeクラスの大型の加圧水型原子炉を備えた原子力プラントであっても、圧力抑制室12が設置可能となる。これは、従来のラージドライ型の原子炉格納容器のドーム部分など、原子炉格納容器の一部をダイアフラム隔壁9で隔てて大空間を設け、この大空間を圧力抑制室12の気相部として実質的に活用しているためである。
図2は、本実施形態におけるLOCA時の圧力変化を示すグラフである。なお、LOCAベント管15の本数は12本または50本とし、図2には、比較のため代表的なラージドライ型原子炉格納容器のLOCA時の圧力変化を併せて示した。
図2に示すように、本実施の形態の圧力抑制型原子炉格納容器を使用すると、LOCA時の原子炉格納容器圧力は十分に低くなる。LOCAベント管15の本数を12本と少なくしても、原子炉格納容器圧力は従来のBWRのピーク圧力と同じレベルに抑制される。LOCAベント管15の本数が50本の場合には、LOCA直後の1次ピークはほとんど発生しないほど圧力を低く抑制できる。このため、格納容器本体7の材質は、鋼製、プレストレス・コンクリート製、鉄筋コンクリート製のいずれも使用可能となる。
従来の代表的なラージドライ型原子炉格納容器を用いたPWRの場合、LOCA時の2次ピーク圧力が高く、代表的RCCVの最高使用圧力を超えてしまう場合がある。このため、代表的なラージドライ型原子炉格納容器の材質は、鋼製かプレストレスト・コンクリート製に限定されていた。
たとえば比較的小型の原子力プラントの場合には、格納容器本体7を鋼製とすることができる。この場合には、格納容器本体7の外部に遮蔽建屋(図7参照)を設ける。しかし、鋼製では大型化が困難であり、1,700MWeクラスの場合には、たとえばプレストレスト・コンクリート製とする。
しかし、プレストレスト・コンクリート製CV(PCCV)は常にテンドン(tendon)による引き締めが必要であり、その管理が大変である。また、テンドンによる締め付け力のため外力に弱く、そのままでは大型旅客機の落下事故に耐えられない場合がある。この場合には、経済性が悪化するものの、外部をさらに鉄筋コンクリート製の防護建屋で二重に保護しておけばよい。
本実施の形態の原子炉格納容器では、LOCA時の圧力は圧力抑制室12の効果で低く抑えられるため、設計圧力が低く、合理的な鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器(RCCV)が採用可能となる。ドーム部を含めてRCCVの壁厚を2m以上とすることにより、単独で旅客機などの大型航空機の落下事故にも十分耐えることが可能となる。また、遮蔽機能も高いため、外部を二重に遮蔽建屋で覆う必要がなく、極めて合理的な設計が可能となる。さらに、RCCVは耐震性にも非常に優れているという長所がある。
また、圧力抑制プール13から下部容器11に延びるドレン配管を設けてもよい。この場合、圧力抑制プール水14を硼酸水としておくと、圧力抑制プール水14を、事故時に下部容器11内にドレンして下部容器11の冠水水源として使用することができる。
さらに、圧力抑制プール13から原子炉圧力容器2に延びる原子炉注入配管を設けてもよい。この場合も、圧力抑制プール水14を硼酸水としておくと、事故時に圧力抑制プール水14を重力落下式ECCSに用いて原子炉圧力容器2内に注水することもできる。
上部容器10は、下部容器11とダイアフラム隔壁9で遮断されているため常時窒素雰囲気で置換して酸素濃度を低く維持することが可能である。これにより、過酷事故時に炉心燃料の酸化により水素ガスが発生し、上部容器10にベントされて水素濃度が蓄積し可燃限界を超えた場合であっても、水素の爆轟をほぼ完全に阻止することができる。
一方、下部容器11内は通常の空気雰囲気のままであるため、通常運転中に内部に運転員が入って機器の健全性を確認することが可能である。事故時に大量の水素が発生しても、下部容器11の体積は約50,000mと大きく、また、大量の水蒸気により水素濃度が希釈されるため、下部容器11内で水素の爆轟が発生するおそれはきわめて小さい。
圧力抑制プール13で水蒸気が凝縮した際に、水素濃度は高まるが、上述のように上部容器10内の雰囲気は酸素濃度が低く制限されているため爆轟が発生するおそれはきわめて小さい。
また、ダイアフラム隔壁9に真空破壊弁19を設けると、下部容器11内に残存する水蒸気が何らかの理由により急激に凝縮した場合であっても、上部容器10と下部容器11との間で圧力を等しくすることができる。その際にも、すでに、上部容器10内で爆轟限界以下に希釈された雰囲気が下部容器11に流入するので爆轟が発生するおそれはきわめて小さい。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明に係る原子炉格納容器の第2の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の原子炉格納容器は、格納容器本体7の外部に静的格納容器冷却系(PCCS)建屋20を設け、静的格納容器冷却系21を設置したものである。静的格納容器冷却系21は、PCCS建屋20内に設けられたPCCSプール22と、PCCS熱交換器24を有している。PCCSプール22は、PCCSプール水23を貯水可能に形成されている。PCCS熱交換器24は、PCCSプール水23に水没するように配置されている。PCCS熱交換器24には、一方の端部が下部容器11に開放した吸込み配管25が接続されている。また、PCCS熱交換器24には凝縮水を下部容器11に戻す戻り配管26が接続されている。さらに、PCCS熱交換器24で凝縮されない非凝縮性ガスを上部容器10に送るPCCSベント管27が設けられている。
本実施の形態の原子炉格納容器も、第1の実施の形態と同様に、原子炉格納容器の一部をダイアフラム隔壁9で隔てて大空間を設け、この大空間を圧力抑制室12の気相部として実質的に活用している。このため、たとえば1,700MWeクラスの大型の加圧水型原子炉を備えた原子力プラントであっても、圧力抑制室12が設置可能となる。
また、LOCAなどの事故が発生すると下部容器11内に放出された水蒸気は、非凝縮性ガスととともにノード間の圧力差によってPCCS熱交換器24に導かれる。吸込み配管25は常時開の状態にあるため、事故後に弁を開けるような操作は全く必要とされない。
吸込み配管25の下部容器11内の開口位置は、事故後に下部容器11が冠水する位置よりも上であればどこでもよい。より高い位置にすれば浮力で上部に滞留しやすい水素ガスを優先的に吸引する効果がある。逆に、より低くすれば窒素と酸素をより吸引する効果があるが、その違いはわずかである。
PCCS熱交換器24で凝縮された水蒸気は、戻り配管26を通って重力により下部容器11内に戻され、内部燃料交換用水タンク8などの静的ECCSの水源として使用される。PCCS熱交換器24で凝縮されない窒素や水素などの非凝縮性ガスは、PCCSベント管27によって上部容器10内の圧力抑制プール13内にベントされる。
本実施の形態のPCCSベント管27は、配置効率の観点から、格納容器本体7の壁面の内部に埋設されている。しかし、PCCSベント管27は、格納容器本体7の内部を通しても良いし、外部を通しても良い。
PCCSベント管27は、高さが約30mとなるが、下部容器11と上部容器10の間には常に圧力差が維持されているため問題なくベントされる。つまり、事故時に下部容器11内に放出されたエネルギーを差圧として使用して、他に何の駆動源も必要とすることなく非凝縮性ガスが排出される。
凝縮水を重力により下部容器11内に戻すために、PCCSプール22およびPCCS熱交換器24の鉛直方向位置は、ある程度高くしなければならない。そこで、PCCSプール22およびPCCS熱交換器24は、たとえば燃料プール建屋28の上に設置する。この場合には、PCCS建屋20と燃料プール建屋28とを一体化することができる。
なお、PCCSプール22には、耐圧性は要求されず、発生した水蒸気を放出させるため外気に一部開放されている。PCCS建屋20は安全機能を有するため、航空機落下事故対策や耐震設計は行う必要があるが、炉格納容器本体7のように耐圧設計とする必要はない。すなわち、燃料プール建屋28と設計条件がほぼ同一であるため、両者の一体化は効率が良い。ただし、勿論、PCCS建屋20を燃料プール建屋28と独立に設けても問題はない。その場合には、下部の空間を動的ECCSなどの収納に使用することができる。
[第3の実施の形態]
図4は、本発明に係る原子炉格納容器の第3の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の原子炉格納容器では、圧力抑制室12は下部容器11の内部に設けられる。圧力抑制室12は、圧力抑制プール13に貯えられた圧力抑制プール水14の水面がコールドレグ配管4よりも高くなるように配置される。コールドレグ配管4よりも高い位置に設置する目的は、圧力抑制プール水14を重力落下式ECCSの水源として使用して、原子炉圧力容器2の内部に重力で注入可能とするためである。
また、圧力抑制室12の気相部は気相ベント管29によって上部容器10と連通している。なお、本実施の形態では、配置効率の観点から、気相ベント管29を格納容器本体7の壁面の内部に埋設しているが、格納容器本体7の内部を通しても良いし、外部を通しても良い。いずれにしても、気相ベント管29により、圧力抑制室12の気相部に非凝縮性ガスが蓄積して圧縮加圧されることが回避される。
本実施の形態では、原子炉格納容器の一部をダイアフラム隔壁9で隔てて大空間を設け、さらにこの大空間(上部容器10)と圧力抑制室12とを気相ベント管29で連通させている。これにより、上部容器10内の空間を圧力抑制室12の気相部として実質的に活用している。このため、たとえば1,700MWeクラスの大型の加圧水型原子炉を備えた原子力プラントであっても、圧力抑制室12が設置可能となる。
また、事故前から雰囲気として存在していた下部容器11内の大量の窒素や、事故後に大量に発生する可能性のある水素などの非凝縮性ガスは、水蒸気の圧力でLOCAベント管15を通って圧力抑制プール13内にベントされる。
下部容器11内には、他に蒸気発生器3などの大型の機器があるため、下部容器11内に設置される圧力抑制室12は配置上の制限を受ける。このため、圧力抑制室12の気相部の体積を、あまり大きくすることはできない。しかし、本実施の形態では、気相ベント管29によって非凝縮性ガスを上部容器10の大空間に排出できるため、圧力抑制室12の気相部で非凝縮性ガスが圧縮加圧されることをほぼ完全に回避することができる。
気相ベント管29の入口には、ラプチャーディスク30を設けてもよい。このラプチャーディスク30は、通常運転中に圧力抑制室12の気相部と上部容器10とを遮断する。これにより、過渡変化時に圧力抑制室12内に炉水が一部放出され、若干の放射能が放出された場合であっても、上部容器10の汚染を防止できる。しかし、上部容器10に運転員が立ち入る機会は少ないため、ラプチャーディスク30は必須のものではない。
圧力抑制プール水14を硼酸水とすると、燃料交換用水としても、重力落下式ECCSの水源としても使用可能である。この場合、内部燃料交換用水タンクを設置しなくてもよい。さらに、静的格納容器冷却系21を設置することにより、事故時に原子炉格納容器を、高い信頼度で冷却することができる。
また、仮に、圧力抑制プール水14の温度が100℃に抑制されると、水蒸気分圧は約0.1MPa(1kgf/cm)である。120℃の場合は、約0.2MPa(2kgf/cm)となり、原子炉格納容器の圧力はそれだけ高くなる。このようにPCCS21による格納容器本体7の静的冷却では、圧力抑制プール水14の温度を低くすることが極めて重要となる。そこで、凝縮水の戻り配管26は、圧力抑制プール13に凝縮水を戻すように配置されている。このような配置により、圧力抑制プール水14の高温化を抑制することもできる。また、水蒸気分圧を低下させ、事故時の原子炉格納容器内の圧力を低下させる。凝縮水を静的ECCSの水源として利用することも可能となる。
[第4の実施の形態]
図5は、本発明に係る原子炉格納容器の第4の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の原子炉格納容器では、圧力抑制室12は下部容器11の外部に設けられる。圧力抑制室12は、必要とされるLOCAベント管15の本数に応じて格納容器本体7の外周を取り巻くように円周上全てに設置しても良いし、部分的に設置しても良い。下部容器11と圧力抑制プール13とは、LOCAベント管15によって連通している。圧力抑制室12の気相部は、気相ベント管29で上部容器10と連通している。このように、圧力抑制室12を格納容器本体7の外部に設置すると、格納容器本体7の内部の機器の配置に、全く影響を与えることがない。
本実施の形態では、原子炉格納容器の一部をダイアフラム隔壁9で隔てて大空間を設け、さらにこの大空間(上部容器10)と圧力抑制室12とを気相ベント管29で連通させている。これにより、上部容器10内の空間を圧力抑制室12の気相部として実質的に活用している。このため、たとえば1,700MWeクラスの大型の加圧水型原子炉を備えた原子力プラントであっても、圧力抑制室12が設置可能となる。
また、本実施の形態例では、PCCS建屋20は圧力抑制室12の上部に一体化して建造されている。PCCS建屋20の内部には、静的格納容器冷却系21が設置され、事故時の原子炉格納容器の冷却を高い信頼度で行うことができるようになっている。
[第5の実施の形態]
図6は、本発明に係る原子炉格納容器の第5の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の原子炉格納容器は、第4の実施の形態とPCCSプール22およびPCCS熱交換器24の位置が異なっている。本実施の形態において、静的格納容器冷却系プール22およびPCCS熱交換器24は、上部容器10内に設けられている。
上部容器10内には、他に大型の機器が設置されておらず配置スペースに余裕があるので、このような配置とすることにより配置効率が非常に向上する。また、静的格納容器冷却系21は、重要な安全機能を有しているので、航空機落下事故に対して最も強固に防護されている格納容器本体7内に設置することにより、プラントの安全性が向上する。なお、本実施の形態では、上部容器10内に設置する例を示しているが、配置上のスペースが確保できれば、下部容器11の内部に設置しても航空機落下事故に対して同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、原子炉格納容器の一部をダイアフラム隔壁9で隔てて大空間を設け、さらにこの大空間(上部容器10)と圧力抑制室12とを気相ベント管29で連通させている。これにより、上部容器10内の空間を圧力抑制室12の気相部として実質的に活用している。このため、たとえば1,700MWeクラスの大型の加圧水型原子炉を備えた原子力プラントであっても、圧力抑制室12が設置可能となる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施してもよい。
本発明に係る原子炉格納容器の第1の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る原子炉格納容器の第1の実施の形態におけるLOCA時の圧力変化を示すグラフである。 本発明に係る原子炉格納容器の第2の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る原子炉格納容器の第3の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る原子炉格納容器の第4の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る原子炉格納容器の第5の実施の形態における立断面図である。 従来の静的安全PWRに用いられる原子炉格納容器立断面図である。
符号の説明
1…炉心、2…原子炉圧力容器、3…蒸気発生器、4…コールドレグ配管、5…ホットレグ配管、6…1次冷却材ポンプ、7…格納容器本体、8…内部燃料交換用水タンク、9…ダイアフラム隔壁、10…上部容器、11…下部容器、12…圧力抑制室、13…圧力抑制プール、14…圧力抑制プール水、15…LOCAベント管、16…水平ベント管、17…ライザー部、18…ポーラークレーン、19…真空破壊弁、20…PCCS建屋、21…静的格納容器冷却系、22…PCCSプール、23…PCCSプール水、24…PCCS熱交換器、25…吸込み配管、26…戻り配管、27…PCCSベント管、28…燃料プール建屋、29…気相ベント管、30…ラプチャーディスク、71…遮蔽建屋、72…静的格納容器冷却系(PCS)冷却水プール、73…PCS冷却水、74…外気取り入れ口、75…バッフル板、76…外気放出口、77…原子炉格納容器

Claims (15)

  1. 加圧水型原子炉の炉心を収めた原子炉圧力容器および蒸気発生器を格納する原子炉格納容器において、
    本体と、
    前記本体を、第1区画と、前記原子炉圧力容器および蒸気発生器を含む原子炉冷却材圧力バウンダリーを構成する機器および配管を格納する第2区画と、に隔てるダイアフラム隔壁と、
    貯水可能な圧力抑制プールを備えて気相部が前記第1区画と連通する圧力抑制室と、
    前記圧力抑制プールと前記第2区画とを連結するLOCAベント管と、
    を有することを特徴とする原子炉格納容器。
  2. 前記圧力抑制室は、前記第1区画の内部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器。
  3. 前記圧力抑制室は前記第2区画の内部に設けられ、前記気相部と前記第1区画とを連結する気相ベント管をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器。
  4. 前記圧力抑制室は、前記本体の外部に設けられ、前記気相部と前記第1区画とを連結する気相ベント管をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器。
  5. 前記圧力抑制室の雰囲気は酸素濃度が空気よりも低くなるように窒素で置換されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の原子炉格納容器。
  6. 前記第2区画の雰囲気は酸素濃度が空気よりも低くなるように窒素で置換されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の原子炉格納容器。
  7. 前記圧力抑制プールには硼酸水が貯えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の原子炉格納容器。
  8. 前記圧力抑制室は前記炉心よりも上部に位置し、前記圧力抑制プールに貯えられた水を重力によって前記原子炉圧力容器内に注入する原子炉注入配管をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の原子炉格納容器。
  9. 前記圧力抑制プールは前記第2区画よりも上部に位置し、前記圧力抑制プールに貯えられた水を重力によって前記第2区画内に落下させるドレン配管をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の原子炉格納容器。
  10. 貯水可能なPCCSプールと、
    前記PCCSプールの内部に設けられたPCCS熱交換器と、
    前記第2区画から前記PCCS熱交換器に延びる吸込み配管と、
    前記PCCS熱交換器から前記圧力抑制プールに延びて前記吸込み配管から導入されたガスのうち非凝縮性ガスを排出するPCCSベント管と、
    前記PCCS熱交換器で凝縮された水を前記第2区画に戻す戻り配管と、
    を有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の原子炉格納容器。
  11. 前記PCCSプールは、前記本体の外部に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の原子炉格納容器。
  12. 前記PCCSプールは、前記本体の内部に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の原子炉格納容器。
  13. 前記本体はプレストレスト・コンクリート製または鉄筋コンクリート製であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の原子炉格納容器。
  14. 前記本体は鋼製であり、かつ前記本体の外部に設けられた鉄筋コンクリート製の遮蔽建屋を有することを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の原子炉格納容器。
  15. 加圧水型原子炉を備えた原子力プラントにおいて、
    本体と、この本体を第1区画と第2区画とに隔てるダイアフラム隔壁と、貯水可能な圧力抑制プールを備えて気相部が前記第1区画と連通する圧力抑制室と、前記圧力抑制プールと前記第2区画とを連結するLOCAベント管と、を備えた格納容器と、
    前記第2区画に格納されて炉心を収めた原子炉圧力容器および蒸気発生器を含む原子炉冷却材圧力バウンダリーを構成する機器および配管と、
    を有することを特徴とする原子力プラント。
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