JP2004333357A - 原子炉格納容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】過酷事故を想定しても比較的安全で、建設コストの上昇を抑えた原子炉格納容器を提供する。
【解決手段】原子炉格納容器41は、一次原子炉格納容器36と、一次原子炉格納容器を収容し耐圧性を有する二次原子炉格納容器42とを備える。一次原子炉格納容器は、原子炉圧力容器2を収容するドライウェル11と、圧力抑制プールを収容するウェットウェル18と、ドライウェルと圧力抑制プールとを連絡するベント管20と、を有する。二次原子炉格納容器は一次原子炉格納容器を収容し耐圧性を有する。ウェットウェルの気相部と二次原子炉格納容器の気相部は、隔離連通切替手段45を介して連絡されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原子力発電プラントに供せられる原子炉格納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の沸騰水型原子炉(BWR)で、非常用炉心冷却系(ECCS)等の安全系がポンプ等の動的機器により構成されているものは動的安全炉と呼ばれ、これに対し、安全系がタンク等の静的機器で構成され、内部に貯蔵された冷却水を重力等により原子炉内に注入する方式のものは静的安全炉と呼ばれている。
【0003】
動的安全炉のBWRで実用されている代表的なものには改良型BWR(ABWR)がある。最近では、さらにABWRに原子炉格納容器の冷却等に一部静的安全系を取り入れた炉概念も検討されている。以下、このABWRについて図14によりその概要を説明する。
【0004】
図14において、炉心1は原子炉圧力容器(RPV)2の内部に収納されている。RPV2の下端にはインターナルポンプ66が10基程度設置され、冷却水を炉心に供給している。RPV2は上部ドライウェル(上部DW)14と下部ドライウェル(下部DW)15とからなるDW11内部に設置され、下部DWを円周状(環状)に取り囲むように圧力抑制室(ウェットウェル:WW)18が設置され、その内部に圧力抑制プール(SP)19を貯えている。DW11とSP19はベント管20により連結されている。
【0005】
DW11とWW19は円筒上の一体構造をなしており、一次原子炉格納容器(PCV)36を構成している。PCV36の設計圧力は例えば3.16kg/cmであり、頑健な厚さ2mの鉄筋コンクリート壁とその内面に放射性物質の漏洩抑制の目的でステンレス鋼ライナー(図示せず。)を張り巡らした構造となっている。
【0006】
PCV36はさらに原子炉建屋(R/B)69の内部に設置されている。R/B69は同じくコンクリート製で、建屋としての頑健性や耐震性は非常に優れているが、内部の圧力上昇に対しては耐圧性を有していない。これは、PCV36の外部であって、かつ、R/B69の内部の空間で圧力上昇を伴う配管破断事故が発生した場合に、ブローアウトパネル(図示せず。)を作動させて、意図的に十分な開口部を形成させ、圧力を建屋外部に逃がす設計が取られているためである。
【0007】
R/B69は、PCV36の内部で発生する配管破断事故時には圧力上昇はPCV36の内部に限定され、R/B69内部を非常用ガス処理系(SGTS)(図示せず。)により大気よりも負圧に維持し、放射性物質を環境に直接漏洩させないことを安全機能としている。しかし、設計基準事故を上回る過酷事故が発生した場合には、PCV36内部の圧力や温度が設計条件を超え、PCV36が加圧破損や、加温破損したり、破損しないまでも、漏洩が発生する可能性がある。
【0008】
PCV36の内部は、BWRの場合は窒素により置換されており、酸素濃度を低く抑えてある。このため、炉心燃料等から水素が発生してもPCV36の内部では、爆轟はおろか燃焼も発生しないように管理されている。しかし、仮に、PCV36から加圧により漏洩が発生すると、高濃度の水素がR/B69の内部に放出され、雰囲気中の酸素と反応して爆轟するおそれがある。
【0009】
次に、従来の静的安全炉のBWRの例について以下に説明する。従来のBWRの静的安全炉の中で、代表的かつ最新のものにESBWRがある。以下、このESBWRについて図15および図16によりその概要を説明する。
【0010】
図15において、炉心1は原子炉圧力容器(RPV)2の内部に収納されている。炉心1はシュラウド3により外周部分を覆われ、炉水4により冷却されている。冷却水は給水配管5より供給され、ダウンカマー6を重力により下降し、炉心1に流入し加熱され炉蒸気となる。炉蒸気はチムニー7を上昇し、気水分離器8およびドライヤー9を経て、さらに主蒸気管10を経てタービン系(図示せず。)に供給される。気水分離器8で除去された水分は再び冷却水となり、給水配管5から供給される冷却水と混合し、ダウンカマー6を下降して再び炉心1に循環する。この冷却水の循環はシュラウド3およびチムニー7の外部と内部の冷却水の重力差による自然循環で行なわれる。
【0011】
次に、図16において、RPV2は、ドライウェル(DW)11の内部に設置され、RPVサポート12によりRPVスカート13を介して固定される。DW11のRPVサポート12よりも上部の空間を上部DW14、下部の空間を下部DW15と呼ぶ。また、下部DW15の壁面でRPVサポート12を支持しているが、この部分をペデスタル72と呼ぶ。ABWRおよびESBWR以前のBWRではペデスタル72は下部DW15の壁面で共用されることなく独立して設置されていた。
【0012】
上部DW14には重力落下式炉心冷却系(GDCS)プール37が設置され、GDCSプール37とRPV2は、爆破弁(隔離弁)16を介して配管17により連結されている。図16ではGDCSプール37は左上だけに示しているが、実際は水量を確保するため、上部DW14の床面積の半分以上を占める範囲に設置されている。また、上部DW14の下に円周状に圧力抑制室(WW)18が設置され、この内部に同じく円周状に圧力抑制プール(SP)19が設置されている。
【0013】
DW11とSP19は、多数本存在するベント管20を介して連結される。SP19の高さは炉心1の高さ以上の位置に設置されている。また、SP19とRPV2は爆破弁(隔離弁)21を介して配管22で接続されている。これはSP19内の水を重力によりRPV2内に注水する際に使用される。GDCSプール37およびSP19からRPV2内に重力で冷却水を注入する際にRPV2を急速に減圧する必要があり、この目的で減圧弁23が多数設けられている(図には1個のみを示す)。この減圧弁23も爆破弁である。
【0014】
DW11の上部には、原子炉隔離時コンデンサー(IC)プール24と静的格納容器冷却系(PCCS)プール25が設置され、それぞれ冷却水を貯えている。ICプール24内にはIC熱交換器26が設置され、IC熱交換器26は隔離弁27を介して配管28によりRPV2と連結されている。同じくPCCSプール25内にはPCCS熱交換器29が設置され、PCCS熱交換器29は吸込み配管30によりDW11の気相部分に接続され、気相戻り配管31によりSP19と接続され、液相戻り配管32によりPCCSドレンタンク33に接続されている。PCCSドレンタンク33はさらに、注水配管34により爆破弁35を介してRPV2に接続されている。
【0015】
原子炉格納容器(PCV)36は、DW11とWW18により構成される。PCV36の外壁部分は鉄筋コンクリート製で気密性を維持するために気相部分の内面にはステンレス鋼製のライナー(図示せず。)が張られている。また、DW11の最上部は開閉が可能な鋼製のPCVヘッド38が設置されている。
【0016】
PCV36内の気相部は酸素濃度を低く抑えるため、通常運転時は窒素雰囲気により置換されている。これは、事故時に原子炉から放出される水素の爆燃および爆轟を回避する目的で実施されており、従来より多くのBWRプラントで実施されている手段である。
【0017】
DW11のさらに上部はコンクリート製のドーム天井39で覆われている。DW11の上部には小容量の燃料プール(図示せず)とドライヤー・セパレーター(DS)ピット(図示せず)も設置されている。PCV36の外部にはさらに航空機の落下等の事象に対応できるように外部事象防護壁55が設置されている。
【0018】
ESBWRでは、原子炉建屋69(図14)とSGTSは存在せず、原子炉事故時の放射性物質の漏洩に対する二重格納機能は有していない。一方、従来の多くのBWRで採用されている原子炉建屋69は、天井部分は軽量構造となっており航空機の落下等に対する外部事象防護機能は有していない。
【0019】
このように構成されるESBWRにあっては、ECCSのポンプや非常用の電源である非常用ディーゼル発電機等の動的機器が存在せず、重力等の自然の力により事故時の炉心冷却およびPCV冷却が可能であり、仮に冷却材喪失事故等の発生を仮定してみても、動的機器の故障がないため、その後に炉心溶融事故に発展する可能性は極めて低くなる特性を有している。GDCSプール37およびSP19からの注水が重力により行なわれるため、動的安全炉のように事故後長時間経ってECCSのポンプが故障して炉心損傷に至る可能性が排除されている点が、動的安全炉に比べて優れている。
【0020】
ESBWRは、RPV2の急速な減圧が可能な大破断冷却材喪失事故の場合に特に冷却が容易に行なえる特性がある。さらに、極めて低い確率で炉心損傷事故が発生することを前提に、万全の安全性を確保するため、PCV36を設置し、公衆の被曝線量を低く抑える設計とする必要がある。このためPCV36内で炉心溶融事故が発生したことをあえて想定しても、PCV36の健全性を維持し、放射性物質の環境への放出がほとんど発生しないように設計されている。
【0021】
具体的には、炉心溶融事故時に発生する水蒸気については吸込み配管30よりPCCS熱交換器29に導かれて冷却凝縮し、PCCSドレンタンク33を介してRPV2内に戻すことにより、炉心溶融事故時の水蒸気によるPCVの加圧と加温を安全上問題がない範囲に緩和することが可能な設計となっている。
【0022】
事故が発生する前にPCV36内に存在していた窒素および炉心等で発生した水素は、DW11とWW18の圧力差により吸込み配管30よりPCCS熱交換器29に自然に導かれる。しかし、窒素および水素は非凝縮性であるため、気相戻り配管31を通ってSP19に放出され、WW18の気相部分に流入する。このドライビング・フォースとなっているのはDW11とWW18の圧力差であり、これはDW11側に存在する炉心溶融デブリからの崩壊熱による発熱で発生する水蒸気による加圧に起因している。その結果、水素と窒素がWW18の気相空間に閉じ込められて圧縮され、WW18の圧力が上昇する。
【0023】
さらに、DW11は水蒸気による加圧により若干高圧に維持される。しかし、非凝縮性ガスである水素と窒素がWW18気相部の狭い空間に押し込まれること(圧縮、コンプレッション)により、やがてWW18気相部の圧力上昇が発生する。このようなメカニズムによりPCV36の圧力が上昇する。
【0024】
PCV圧力を抑えるためにはWW18の気相空間体積をできるだけ大きくとる必要がある。この目的でESBWRでは、気相ベント管でWW18の気相部とGDCS37の気相部を連結したり、WW11の下部にある機器室40と気相ベント管で連結して、これらの空間に水素と窒素を放出することが行なわれる。
【0025】
下部の機器室40に大量の水素が流入すればそこで空気中の酸素と反応して水素爆轟が発生するおそれもある。これを回避するためには、下部の機器室40をPCV36の内部と同様に、プラント運転中は窒素ガスにより置換する必要がある。しかし、この機器室40には残留熱除去系熱交換器のような実際には事故後の炉心冷却上有効な設備が収納されており、事故後の復旧対応でこの機器室40に運転員が立ち入ることが想定される。ところが、WW18の気相部と機器室40が連絡され、機器室40が窒素ガス置換された場合、酸素がなくまた、放射能で室内が汚染されてしまうため、運転員の立ち入りは困難になってしまう。
【0026】
ESBWRのPCV36は頑健な鉄筋コンクリート製である。さらに、その内面に放射性物質の漏洩を防ぐためにステンレス鋼製のライナーを張る必要があり、これがまた多額のコスト発生要因となっている。放射性物質が事故時に一番存在するDW11の壁面が直接外部環境との境界となる構造を有していることと、PCV圧力が高くなるために、高価なステンレス鋼ライナーをPCV36の内面に張り巡らせる必要がある。
【0027】
さらに、ESBWRは静的安全炉であり、従来の動的安全BWRが保有していた原子炉建屋とSGTSによる放射能閉じ込めに関する二重格納機能を持っておらず、この点では、従来のBWRプラントよりも安全性が低下してしまう。外部事象防護壁55には気密性はなく、放射能の閉じ込め機能は有していない。
【0028】
また、PCCSが付いているとはいえ、その冷却水量は有限である。冷却水の枯渇を回避するためにはPCCSプール25の容量を大きくすれば良いが、そのためにはPCVが大型化し経済的に不利となる。ESBWのプラント出力は135万KWeという大出力のものであり、これをまかなう炉心から事故後に放出される崩壊熱を冷却するために、PCCSプール25の容量は既に1000m程度とかなり大容量のものとなっている。ESBWRでは、PCV36の外側には原子炉建屋が存在せず、さらに大容量のPCCSプール25を設置する配置スペースは確保困難となっている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
従来の動的安全BWRでは、設計基準を大幅に超えるような過酷事故を考えると原子炉格納容器の健全性が損なわれるおそれがあった。一次原子炉格納容器の健全性が損なわれた場合、その外部を取り囲む原子炉建屋には耐圧性がなく二重格納容器としての積極的な安全機能は期待できない設計となっていた。また、従来の静的安全BWRの設計では、動的システムが存在せず、過酷事故時のPCV圧力が高くなり、PCVの建設コストが高く、事故後長期間の安全性確保が人的操作や非安全系に依存しなければならないという課題があった。
【0030】
また、水素を事故時に機器室内に放出する場合、水素爆轟するおそれがあった。放射能汚染により、また、水素爆轟を回避するために下部の機器室を窒素で置換すると、事故後の復旧対応で運転員が機器室に立ち入ることが困難になるという課題があった。次世代の新型BWRの原子炉格納容器の設計としては、事故時の圧力が低く、事故時圧力および放射能の漏洩抑制に対して二重格納機能があり、半永久的に冷却継続が可能で、水素爆轟もなく、必要な場所には運転員の立ち入りが自由に行なえるものであることが望ましい。
本発明は、これらの課題を解決するものであって、過酷事故を想定しても比較的安全で、建設コストの上昇を抑えた原子炉格納容器を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するものであって、請求項1に記載の発明は、原子炉圧力容器を収容するドライウェルと、圧力抑制プールを収容するウェットウェルと、前記ドライウェルと前記圧力抑制プールとを連絡するベント管と、を有する一次原子炉格納容器と、前記一次原子炉格納容器を収容し耐圧性を有する二次原子炉格納容器と、前記ウェットウェルの気相部と前記二次原子炉格納容器の気相部とを連絡する通路部と、この通路部に設けられた隔離連通切替手段と、を備えたことを特徴とする。
【0032】
また、請求項3に記載の発明は、原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器において、前記原子炉圧力容器の外側でかつ前記原子炉格納容器の内側に、運転床が形成され、この運転床の上方を気密に覆う覆いが前記原子炉格納容器の内側にしかも前記原子炉格納容器の内壁から間隔をおいて形成されており、この覆いの内側の雰囲気の酸素濃度をこの覆いの外側とは独立に変えられるように構成されていること、を特徴とする。
【0033】
また、請求項10に記載の発明は、インターナルポンプによる強制循環型の沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器を収容するドライウェルと、圧力抑制プールを収容するウェットウェルと、を有する原子炉格納容器において、前記ドライウェルは、上部ドライウェルと、この上部ドライウェルよりも下方に位置する下部ドライウェルとからなり、前記上部ドライウェルと下部ドライウェルとが開口部もしくは連絡配管によって連結されており、前記上部ドライウェルの底部にはダイアフラムフロアがあって、前記原子炉圧力容器内に収容された炉心の上端部が前記ダイアフラムフロアよりも下方に位置し、前記上部ドライウェルと前記圧力抑制プールとはベント管により連絡され、前記下部ドライウェルと前記ウェットウェルとは前記炉心の上端部よりも低い位置には直接の連絡口を持たず、前記ダイアフラムフロアよりも低い位置の前記原子炉圧力容器側壁部に配管を設け、その配管は弁を介して前記下部ドライウェル内に開口し、前記原子炉圧力容器に接続された配管に対し前記一次格納容器内で破断口が生じる事故が発生した際に流出する冷却材および非常用炉心冷却系による注入水が、前記原子炉格納容器の内部を前記ダイアフラムフロアの高さまで冠水し、この冠水した水が前記破断口もしくは前記弁および配管を介して前記原子炉圧力容器内に浸水することにより原子炉圧力容器内の水位を前記炉心上端部よりも高く維持できるように構成されていること、を特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。なお、図1から図8は本発明による二重原子炉格納容器(DCV)を静的安全炉のBWRに供する場合の実施の形態を、また、図9および図10は同じく動的安全炉のBWRに供する場合の実施の形態を示すものである。なお、従来技術と同一もしくは類似の部分、または、相互に同一もしくは類似の部分には同一符号を付して、重複説明は省略する。
【0035】
[第1の実施の形態]
図1により、本発明による原子炉格納容器(CV)の第1の実施の形態を説明する。
本発明の第1の実施の形態が図13に示した従来例と異なる点は、一次原子炉格納容器(PCV)36の外部にさらに耐圧性の二次原子炉格納容器(SCV)42を設け、WW18の気相部とSCV42の気相部を隔離連通切替手段(ICSS)45により連結したことにある。内蔵する原子炉は静的安全BWRの場合の例を示している。ICSS45は、通常時は隔離状態にあり、設定した差圧に達するとWW18の気相部からSCV42の気相部へ気体を流す機能を有しており、ICSS45としては、ラプチャーディスク、真空破壊弁、自動隔離弁等が利用可能である。
【0036】
ラプチャーディスクは、設定した圧力差で配管内に設置した円盤状の仕切り板を破壊して雰囲気を連通可能とするものであり、作動後の隔離閉鎖機能はない。したがって、作動後は雰囲気は順方向にも逆方向にも差圧に応じて流れることが可能である。
【0037】
真空破壊弁は高信頼度の気相逆止弁である。設定した圧力差で作動して雰囲気を連通可能とするが、圧力差が低下すると再び閉鎖し流路を隔離する。雰囲気は、順方向には流れるが逆方向には流れることはない。順方向への連通機能も逆方向への隔離機能も高信頼度で実施する必要がある場合等に使用されている。
【0038】
自動隔離弁は、電動弁や空気作動弁等で設定した圧力差で自動的に開閉する。一度開状態にした後は、開状態を維持することも再び閉鎖状態に戻すことも可能である。電動弁の場合には作動に若干時間がかかる。一方、空気作動弁は作動時間は速いがアキュムレーターの設置が必要になる。
【0039】
隔離連通切替手段(ICSS)45は、それぞれの弁の特性を考慮して適宜選択することができる。これらのICSS45に共通した機能は通常時は隔離状態にあり、設定した差圧に達すると順方向に雰囲気を流すことである。したがって、これらのICSS45は、原子炉が通常の運転中は隔離状態にあり、PCV36とSCV42は分離している。WW18気相部の圧力上昇を伴わない過渡事象や小規模な冷却材喪失事故(LOCA)の場合も、これらのICSS45は隔離状態に維持される。
【0040】
一方、万一、大破断LOCAや過酷事故が発生した場合は、WW18の気相部の圧力が上昇し、ICSS45の作動設定差圧に達するとICSS45が作動し、WW18の気相部とSCV42の気相部が連通される。これによりWW18気相部に蓄積する水素および窒素等の非凝縮性ガスによるPCV36の過大な圧力上昇をSCV42の内部に放出し、PCV36の圧力上昇を大幅に緩和できる。
【0041】
また、SCV42は耐圧性のコンクリート構造として放射性物質の漏洩を抑制するためステンレス製のライナーもしくは樹脂コーティングによるライナーを設置する。下部DW15の床部分には耐熱性の部材からなるコアキャチャー46を設置し、溶融炉心がCVの下部を溶融貫通したり、あるいは、放射性物質が漏洩することがないように二重の防護機能を設ける。
【0042】
さらに、過酷事故時には大量の水素がSCV42の内部に放出されるので、空気雰囲気のままでは水素爆轟するおそれがある。このリスクを排除するためにSCV42内部の雰囲気も窒素で置換し通常の空気雰囲気よりも酸素濃度を低く維持する。
【0043】
この実施の形態では、過酷事故時の圧力上昇に対する圧力障壁の機能をPCV36だけで受け持つのではなく、SCV42と分担することにより原子炉格納容器(CV)41の圧力を低く維持することが可能となる。従来の原子炉格納容器は設計基準を大幅に超えるような過酷事故を想定すると、圧力は設計圧力を超えてしまうが、この実施の形態によれば過酷事故時の圧力を設計圧力の範囲に抑えることが可能となる。
【0044】
例えば、SCV42の空間自由体積はWW18の空間自由体積のおよそ5倍から6倍となる。したがって、過酷事故時のCV圧力を従来の1/5から1/6とすることが可能となり、容易に設計圧力以下に抑制することが可能となる。
【0045】
また、この実施の形態によれば、小口径配管破断や過渡事象のようにPCV36内部の大幅な圧力上昇を伴わない事象の場合には、ICSS45は作動しないので、PCV36の内部のみに事象を閉じ込めることが可能となる。
【0046】
一方、大口径配管破断事故や過酷事故のようにPCV36の圧力が大幅に上昇する虞のある事象の場合には、ICSS45が作動して、非凝縮性ガスをSCV42内部に放出することによりPCV36の圧力上昇を防止することが可能となる。
【0047】
過酷事故時には大量の水素がSCV42内部に移行するがSCV42内の雰囲気は事前に窒素により置換され、酸素濃度を低く制限しているので水素爆轟が発生する可能性はない。過酷事故時には炉心燃料から大量の放射性物質が放出されるおそれがあるが、その大部分は粒子状であり、SP19のスクラビング機能によりSP19水中に保持される。
【0048】
SP19の壁面が直接環境と接している構造の原子炉格納容器では、このSP水が環境に漏洩すると保持している粒子状の放射性物質が環境中に放出されるおそれがある。本実施の形態では、SP19はPCV36内に位置し、さらにその外部をSCV42で隔てて二重に覆われているため、SP19水が直接環境に漏洩し保持している粒子状の放射性物質が環境に流出する可能性を排除できる。
【0049】
一方、過渡事象は比較的発生頻度の高い事象であるから、その度に主蒸気逃がし弁(SR弁)が作動して炉蒸気がSP19に移行して凝縮し、その際、放射性物質もわずかにWW18の気相部に移行することが想定される。この実施の形態では、この過渡事象時の放射性物質の移行をWW18気相部までにとどめることが可能となる。その結果、過渡事象時に放射性物質がSCV42内に移行しSCV42が汚染することを防止可能となる。過渡事象の場合であっても、定期検査や燃料交換時にSCV42内に入って作業を行なう運転員の放射線被曝の可能性を排除できる。
【0050】
また、この実施の形態では、機器室40の雰囲気を他の一次原子炉格納容器36内の区画の雰囲気と独立に変えられるように、機器室40が気密に構成されている。そして、機器室40内の空気の一部または全部を窒素により置換し、酸素濃度を通常の空気よりも低減することができる。また、他の区画の雰囲気とは独立に通常の空気雰囲気に戻すことができる。これにより、事故後の復旧対応でこの機器室40に運転員が立ち入ることが必要な場合は、機器室40内だけ酸素濃度を高めてここに運転員が立ち入れるようにできる。
【0051】
[第2の実施の形態]
次に、図2により本発明による第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は第1の実施の形態の変形例であって、運転床(オペフロ)47の上部の空間を側壁48と天井49で囲みオペフロ空間50を作り、SCV42のその他の空間と分離可能な構成としている。本実施の形態の意図するところは以下の通りである。
【0052】
過酷事故時に隔離連通切替手段(ICSS)45が作動すると大量の水素ガスがSCV42内部に移行してくる可能性がある。PCV36の内部は従来のBWRにおいても事故前から常に窒素ガスで置換し酸素濃度を低減している。これにより、炉心燃料等から大量の水素ガスが発生しても水素爆轟の発生の可能性が全くないように設計されている。これは、BWRの優れた安全性の一つである。
【0053】
しかるに、ICSS45の作動により大量の水素がSCV42内に放出されると、SCV42内の雰囲気が空気で酸素濃度が十分に高い場合は、水素爆轟が発生する可能性が生じてくる。これは、CV内の雰囲気を窒素で置換せずに空気雰囲気のまま運転している加圧水型軽水炉(PWR)の場合に一般に存在する過酷事故時の重大、かつ、最大のリスクの一つである。
【0054】
このようなリスクの高い設計を排除するためには前述の通りSCV42の内部も常時窒素で置換して酸素濃度を低減して運転することが求められる。しかし、SCV42の自由空間体積は約5万m程度あり、これを燃料交換のプラント停止時に毎回空気雰囲気に戻し、運転再開時にまた窒素で置換することは設備的にも時間的にも大きな負担となる。前述の通りPWRでいまだにCVを窒素置換できないのはこのためである。
【0055】
本実施の形態では、オペフロ空間50をSCV42内の独立した空間として構成することにより、燃料交換停止時に立ち入る必要のあるオペフロ空間50だけを空気雰囲気に戻し、また、運転再開時に窒素置換することを可能とするものである。オペフロ空間50の自由空間体積は1.5万m程度であり、従来のPCV36と同程度であるから雰囲気を窒素で置換することは容易となる。
【0056】
また、天井49等にICSS51を設置することにより、過酷事故時には水素ガスがオペフロ空間50の内部にも流入できるようにしている。これにより過酷事故時には、SCV42内部のより広大な空間体積を用いて水素ガスによる圧力上昇を緩和できる構成としている。その一方で、空気雰囲気に戻す空間体積はより狭いオペフロ空間50だけで済むようにしている。
【0057】
このように構成された本実施の形態では、SCV42内を常時窒素で置換して酸素濃度を低減して運転することが現実的に可能となり、過酷事故時の水素爆轟のリスクを下げることが可能となる。
【0058】
水素による圧力上昇を緩和するためには、大型のCVを採用することが望まれる。しかし、大型のCVは空気雰囲気のまま運転せざるを得ないため、逆に、水素爆轟によりCVそのものの健全性が損なわれてしまうおそれがあった。従来のPWRの概念開発では、常にこのジレンマがあった。
【0059】
本実施の形態によれば、PWR同様の大型のCVを採用していながら過酷事故時の水素爆轟のリスクを排除した軽水炉史上初めての原子力プラント概念を提供可能となる。なお、本発明は、BWRプラントに限らず、CV内にオペフロを有する原子力発電プラントの全てに適用が可能であることはいうまでもない。
【0060】
このように構成された本実施の形態においては、さらに以下の効果が得られる。過酷事故時にICSS45が作動すると、大量の水素だけではなく放射性の希ガスと有機ヨウ素がSCV42の内部に放出される。これら以外の粒子状の放射性物質や無機ヨウ素は、SP19を通過する際にほとんどがスクラビングによりSP19内にとどまり、WW18の気相部に移行して来ない。しかし放射性の希ガスと有機ヨウ素は全く水溶性を示さず全てWW18の気相部に移行し、さらにSCV42の内部に放出されてしまう。
【0061】
幸いにもこの段階ではSCV42内部の圧力上昇は少なく、これらの放射性物質がSCV42の外部に漏洩していく量は極わずかに限定される。しかし、その後、SP19の温度が上昇し、水蒸気が発生するようになるとSCV42の内圧が上昇していく。
【0062】
SCV42の内圧が上昇するとSCV42の漏洩率が上昇するが、本実施の形態の構成ではオペフロ天井部に設置されたICSS51が作動し、水蒸気に随伴して非凝縮性ガスの水素と窒素、さらに放射性希ガスと有機ヨウ素はオペフロ空間50の中に移行する。これによりSCV外周部44はSP19から連続的に供給される水蒸気で主に占められ、放射性希ガスと有機ヨウ素はオペフロ空間50内に閉じ込められる。その結果、SCV42の壁面から大気中に漏洩する放射性ガスの量を大幅に低減することが可能となる。
この効果を高めるためにオペフロ空間50に蒸気凝縮プールを設け、あるいは、燃料プールを用いて、ICSS51から流入する蒸気を凝縮することも可能である。
【0063】
さらに、本実施の形態によれば、従来のBWRおよびPWRに比べて放射性物質の閉じ込め機能が大幅に向上する。設計基準を大幅に超えるような過酷事故が発生してオペフロ空間50の中に放射性希ガスと有機ヨウ素が移行した場合であっても、オペフロ空間50の外部を別途SCV42等の壁面が隔てて二重に格納しているため、オペフロ空間50の壁面および天井が直接環境と接している場合に比べて放射性希ガスと有機ヨウ素の環境放出量可能性を著しく下げることが可能となる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、以下の効果が得られる。オペフロ47の下部にはPCCS熱交換器29とIC熱交換器26の安全上重要な機器が設置されている。SCV42に加えてオペフロ空間50は厚さ1m程度のコンクリート製の天井49と側壁48で取り囲まれ、二重となっているため、上部から航空機等が落下して来た場合でも、これらのPCCS熱交換器29とIC熱交換器26等の安全上重要な機器を防護する能力はオペフロ空間50が一重である場合に比較してさらに向上する。また、オペフロ空間50をコンクリート製の天井49と側壁48で防護することは燃料プールの防護上も効果的である。
【0065】
[第3の実施の形態]
次に図3により本発明に係わる原子炉格納容器の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は第2の実施の形態の変形例であって、二次原子炉格納容器として鋼製二次原子炉格納容器(SSCV)54を用いることを特徴とする。
【0066】
このように構成された本実施の形態では、SSCV54自体に機密性があるので、内面にライナーを設置する必要がなくなり、コストが大幅に削減可能となる。また、鋼製であるので、外部への放熱効果が向上し、過酷事故時等にCVの圧力と温度をより低く保つ効果が期待できる。
【0067】
原子炉格納容器を単に鋼製とした場合には原子炉格納容器の内圧が上昇すると漏洩率が増大し放射性ガスの環境放出量が増大する可能性があるが、本実施の形態では第2の実施の形態と同様にオペフロ空間50の内部に放射性の希ガスと有機ヨウ素を保持可能であるため、鋼製のSSCV54で構成しても放射性ガスが環境に漏洩する可能性およびその場合の漏洩する量を大幅に低減できる。
また、本実施の形態によれば、さらに以下の効果が得られる。
【0068】
PCCSプールの冷却水の枯渇を仮定すると、SP19の温度上昇が起こり、WW18気相部に水蒸気が発生し、この水蒸気がSCV42の内部に隔離連通切替手段45を介して放出される。このとき、SCV外周部44に水蒸気だけでなく非凝縮性の水素と窒素が大量に存在すると、SSCV54の壁面で水蒸気が凝縮するとSSCV54の壁面近傍は非凝縮ガスが占めてしまい、水蒸気は壁面に効率的に接触することができなくなってしまう。このため、非凝縮性ガスが断熱材のように壁面に居座り水蒸気の冷却が効率的に行なえなくなる可能性がある。
【0069】
しかし、本実施の形態によれば、水蒸気のSCV42の内部への放出より、SCV42の内圧が上昇するとともに、既に放出されていた水素と窒素がオペフロ空間50の内部に圧力差により押し込まれる。これにより、SCV外周部44はWW18気相部から連続的に供給される水蒸気により主に占められるようになる。SCV外周部44がほぼ水蒸気で占められので、鋼製のSSCV54での水蒸気の冷却が連続的に高効率で行なうことが可能となる。
【0070】
[第4の実施の形態]
次に、図4により本発明に係わる第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は第6の実施の形態の変形例であって、SSCV54の外部にさらにコンクリート製の外部事象防護壁55を設けたことを特徴とする。
【0071】
このように構成された本実施の形態においては航空機等の落下を想定してもSSCV54およびその内部の設備の健全性を維持することが可能となる。本実施の形態では、オペフロ空間50を別途厚さ1m程度のコンクリート製の天井49と側壁48により防護しているため、外部事象防護壁55の厚さを約60cmと薄くし軽量化することが可能である。
なお、更なる変形例として、外部事象防護壁55を、第1〜第3の実施の形態に適用することも可能である。
【0072】
[第5の実施の形態]
次に、図5により本発明に係わる第5の実施の形態を説明する。本実施の形態は第4の実施の形態の変形例であって、外部事象防護壁55に外気取入れ口56と外気放出口57を設けたことを特徴とする。本実施の形態では、外気取入れ口56を高所としているため、さらに流路壁58を設置して外気の下降と上昇を促進する構造としている。外気取入れ口56を下方に設置する場合は流路壁58は必須ではない。
【0073】
このように構成された本実施の形態においては、過酷事故時等にSSCV54内の温度が上昇すると自然に外気による冷却が可能となり、事故後半永久的にSSCV54の冷却が可能となる。事故直後は炉心燃料からの崩壊熱が高いため、PCCS熱交換器29およびPCCSプール25により直接PCV36内部の冷却を行なう。PCCSによる冷却が継続している間は、SSCV54の内部は高温にはならない。
【0074】
しかし、事故後1日程度で前記PCCSプール25の冷却水が枯渇すると炉心燃料から発生した熱は水蒸気となってPCCS熱交換器29およびベント管20を介してSP19に移行する。この際、PCCS熱交換器29では水蒸気はもはや凝縮されずに、SP19に到達して凝縮される。これによりSP19が飽和に達し、WW18の気相部に水蒸気が発生し、隔離連通切替手段(ICSS)45を介してしてSSCV54の気相部に移行し、SSCV54の圧力と温度が上昇する。
【0075】
SSCV54の壁面が高温になることによりSSCV54外壁部分の空気の温度が上昇し、外気放出口57から放出される。これを補うように外気取入れ口56から外気が流入し、連続的にSSCV54の壁面を冷却する。これによりSSCV54の温度上昇は抑制される。事故後1日を経過すると炉心燃料からの崩壊熱は十分に低減するため、このような外気の自然循環による冷却でCV41の冷却が可能となる。
【0076】
[第6の実施の形態]
次に、図6により本発明に係わる第6の実施の形態を説明する。本実施の形態は第7の実施の形態の変形例であって、WW18の外壁面に凝縮水還流装置59を設けたことを特徴とする。凝縮水還流装置59は凝縮水を収集する凝縮水サンプ60と隔離弁61とWW18内部に接続された配管を構成要素とする。
【0077】
このように構成された本実施の形態においては過酷事故時にSP18のプール水が加熱されて水蒸気が発生し、隔離連通切替手段(ICSS)45を通ってSCV外周部44を上昇する。この水蒸気は、外気の自然冷却により冷却されたSSCV54の壁面によって冷却されて凝縮水となり、冷却水を凝縮水還流装置59によりSP19に戻すことが可能となる。これによりSP19の水位を維持することが可能となり、さらには、SP19と均一化された炉水により炉心燃料の冷却が半永久的に可能となる。
【0078】
本実施の形態においては、運転員操作や非安全系の動作に期待することなく、CV41と炉心1の冷却が半永久的に可能となる。従来のESBWRではPCCSの水源が枯渇した段階で運転員操作もしくは非安全系にPCCSプール25への冷却水の補給を行なわないとPCV36が加圧破損に至るおそれがあったが、本実施の形態によれば、この課題を根本的に解決可能となる効果が得られる。
【0079】
[第7の実施の形態]
次に、図7により本発明に係わる第7の実施の形態を説明する。本実施の形態は第6の実施の形態の変形例であって、ICプール24にSSSCV54内部に開放されたIC蒸気放出ライン65とIC凝縮水還流装置62を設けたことを特徴とする。
【0080】
このように構成された本実施の形態では、ICプール24で発生した水蒸気をSSCV54の壁面で冷却して再びICプールに還流することが可能となり、ICプール24およびIC熱交換器26による炉心の冷却が半永久的に可能となる。長時間の外部電源喪失が発生した場合に、ICプール24とIC熱交換器26による炉蒸気の冷却を継続すると、ICプール24の冷却水は約1日で枯渇してしまう。これは、従来のESBWRのIC蒸気放出ラインは直接外気中に水蒸気を放出する設計となっているためである。これをもしPCV36内部に放出すると、PCV36の温度圧力が上昇し、いずれ破損してしまうため外気中に放出せざるを得ないという課題があった。
【0081】
本実施の形態は、外気の自然冷却によりSSCV54の冷却が可能なため、IC蒸気放出ライン65により、水蒸気をSSCV54の内部に放出しこれを冷却凝縮することにより、ICプールに還流しICプールの水位を維持可能となる。これにより半永久的にICによる炉心冷却を継続可能となる。
【0082】
[第8の実施の形態]
次に、図8により本発明に係わる第8の実施の形態を説明する。本実施の形態は第7の実施の形態の変形例であって、RPV2の下部にインターナルポンプ66を約10台程度設置することを特徴とする。
【0083】
このように構成された本実施の形態においては、冷却水を炉心1に強制的に供給できるため、原子炉の出力を例えば170万KWeと極めて高くすることが可能となる。その際、炉心燃料の装荷量を増やした場合、過酷事故時に発生する可能性のある水素の量もこれに比例して増大してしまう。従来のESBWRでは大量水素の発生の可能性はPCV36の健全性を脅かす最大の要因であって、これがネックとなり原子炉出力の上限が決まっていた。
【0084】
本実施の形態の二重原子炉格納容器では、CV41の圧力は大幅に緩和されるため、原子炉出力の上昇にとっては、CV圧力は制約要因とはならない。その結果、インターナルポンプ66を設置することにより、原子炉出力を障害なく上昇させることが可能となる。これにより、発電単価が大幅に低減する効果が得られる。
【0085】
ESBWRは静的安全炉でGDCSを用いるため、RPVの長さを非常に長くして原子炉内の冷却水を大量に保持している必要がある。このため、建設コストがこの部分では上昇せざるを得ない。一方、プラント出力を増大してもRPVやPCVはあまり大きくする必要はない。したがって、本実施の形態のようにインターナルポンプが設置可能となり、プラント出力を大きくできることは経済性上の効果が非常に大きい。
【0086】
また、インターナルポンプ66により、冷却材の炉心流量を容易に制御可能となり、炉心の出力制御を簡便に行なえるようになり、制御棒による出力制御をあまり行なう必要がなくなる。これにより制御棒駆動系はステップ幅の大きい従来型のロッキングピストン方式が採用可能となり、コストの大幅な低減が図れる効果もある。ESBWRでは、よりステップ幅が小さいファインモーション型の制御棒駆動系を用いる必要があることからコスト上昇の問題があり、制御棒本数を低減するなどの炉心設計上極めて困難な設計を選択する必要があったが、本実施の形態ではこのような困難な設計を回避できる効果が得られる。
【0087】
[第9の実施の形態]
次に、図9により本発明に係わる第9の実施の形態を説明する。本実施の形態は第8の実施の形態の変形例であって、本発明による二重原子炉格納容器の内部に、動的安全炉であるABWRと同様のRPV2とPCV36を設置したことを特徴とする。SP19がPCV36の最下部にある点は図11に示す従来のABWRの場合と同じである。SP19の冷却水は動的ECCSの水源となっており、冷却材喪失事故時等にRPV2およびDW11内に注入される。
【0088】
本実施の形態が従来のABWRと異なる点は、RPV2がABWRのものより約2m以上長く、これにより炉心1の上端がダイアフラムフロア67よりも低い位置にあり、動的ECCSにより冷却水を注入し下部DW15およびペデスタル72の内部を冠水すると炉心1を上端まで完全に冠水できる点にある。ペデスタル72内の冷却水は破断口もしくは爆破弁(図示せず。)を介してRPV2内に侵入し、炉心1を冠水する。
【0089】
本実施の形態が従来のABWRと異なるもう一つの点は、重力落下式炉心冠水系(GDCF)68をSSCV外周部44に設置したことである。GDCF68としては、ウェットウェル18の気相部の壁面に隔離連通切替手段(ICSS)45を設置し、上部ドライウェル14の外部に凝縮水サンプ、凝縮水ドレンタンク、配管、隔離弁を配置する。
【0090】
これにより、ウェットウェル18からSSCV54内にラプチャーディスク45を介して放出される水蒸気をSSCV54の壁面で冷却凝縮し、その凝縮水をGDCF68より配管および隔離弁を介し、下部ドライウェル15内に冷却水を重力により注水する。SSCV54の壁面を介して外気により冷却された凝縮水がペデスタル72に還流され、ペデスタル72を常に冠水し炉心の冠水維持が可能となる。
【0091】
従来のABWRでは、冷却材喪失事故時等にはPCV36の圧力が高くなり、仮にもしGDCF68を設置したとしてもPCV36の外部から重力でPCV36の内部に内圧に打ち勝って注水することは不可能であった。しかし、本実施の形態では、隔離連通切替手段(ICSS)45が作動しWW18の内圧とSSCV54の内圧は均圧化されている。DW11の内圧とWW18の内圧の差は、ベント管20の水没水深(数m)で決まっており、最大でも0.5気圧程度の差圧しかない。したがって、GDCF68の高さを数mとれば水頭差により冷却水がDW11内部に注入可能となる。
【0092】
このように構成された本実施の形態においては、ABWRのような動的安全炉の場合であっても、事故後半永久的に外気の自然冷却によりCV41の冷却と炉心1の冠水維持が可能になる。この長期冷却モードの維持にはいかなる動的安全系の作動も必要としない。仮にECCSが事故後長時間後に故障して停止してしまっても、本実施の形態では、炉心の冷却を維持することが可能である。即ち、本発明による二重原子炉格納容器により静的に安全性の維持が可能となる。
【0093】
このようなプラント概念にあっては、動的ECCSはもはや、事故直後の炉心およびPCV内への冷却水注入を行ない、ペデスタル72および炉心1の短期的な冠水達成のみを行なえば良い。事故後長時間経つと電源喪失や大地震の発生の可能性も考える必要が出てくるが、本実施の形態では、仮にそのような大地震の発生を想定しても、CV41の内部だけで独立して安全性の維持が可能となる。大地震により海水系の故障や外部電源の喪失が長期にわたっても、本実施の形態では、粛々として安全性が維持される。プラント外部からの支援なしに安全性の維持が可能となる。
【0094】
[第10の実施の形態]
次に、図10より本発明に係わる第10の実施の形態を説明する。本実施の形態は第9の実施の形態の変形例であって、WW18はPCV36の最上部に位置する。これによりレイズドSP70の水位を高く維持することが可能となり、配管および爆破弁を介してレイズドSP70内の水をRPV2内に導くことにより炉心1を常に冠水することが可能となる。
【0095】
このようなレイズドSPタイプのPCVは従来から考案されていたが、主蒸気配管等をレイズドSP70の下部から外部に導出する構造となるため、下部DWの空間体積が大きくなる傾向があった。そのため冷却材喪失事故時に下部DW15内に流入するSP水量を確保するためにSP水位を高くとる必要がある。DW11内部をベント管20の入り口部分まで満水しないとレイズドSP70に冷却水が還流しない構造となるため、最初からレイズドSP70の水量を大量に保有しておく必要がある。その結果、WW気相部体積が低減し、事故時のPCV圧力が許容できないほど高くなってしまう。
【0096】
これを回避しようとするとSP水位を低くして水量を確保するためにPCVの内径を大きくする必要がある。その結果、経済的に成立しないものになってしまうという課題があった。冷却水を別途、外部から注入する方法もあるがPCV内圧が高いため別途ポンプが必要になり、経済性および信頼性が低下するという課題があった。このような事情から実際にレイズドSPを用いた実炉は存在していない。
【0097】
上記のように構成された本実施の形態にあっては、WW18の気相部の圧力は隔離連通切替手段(ICSS)45からSSCV54内に放出されるので、WW18の気相部体積を確保するためにWW18の気相部高さを高くとる必要がなくなり、レイズドSP70の水位を十分に高くとり、SP水量を多量に確保することが可能となる。また、同様の理由により、WW18内の圧力が低いため、凝縮水還流装置59を設けることにより、重力により凝縮水をレイズドSP70に容易に還流し、レイズドSP70の水位を高く維持することが可能となる。さらに、必要に応じ、オペフロ空間50等に冷却水タンク(図示せず。)を設置し重力によりレイズドSP70に冷却水を補充することも容易に可能である。
【0098】
本実施の形態では、CV41は外気により冷却され、レイズドSPに凝縮水が還流し、さらにプール水が重力によりRPV2内に注入されるため、いっさいの動的システムの運転を継続することなく半永久的にプラントの安全性維持が可能となる。本実施の形態では炉心上端部とレイズドSP水との高低差が第8の実施の形態に比べてより大きく取れるため、炉心の冠水維持がより高信頼度で実施できる利点が得られる。
【0099】
[その他の実施の形態]
以上、本発明の具体的な実施の形態について説明したが、これらの実施の形態の特徴を種々に組み合わせることも可能である。例えば、第8の実施の形態(図8)は第7の実施の形態にインターナルポンプ66を組み合わせた例であるが、インターナルポンプ66を第1〜第6の実施の形態と組み合わせることも可能である。
【0100】
【発明の効果】
放射性物質の漏洩防止に対してPCV内保持、SPによるスクラビング、さらに、二次原子炉格納容器壁による保持の効果があり、過酷事故時の環境への放射能放出の可能性およびその場合の放射能放出量を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉格納容器の第1の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図2】本発明に係る原子炉格納容器の第2の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図3】本発明に係る原子炉格納容器の第3の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図4】本発明に係る原子炉格納容器の第4の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図5】本発明に係る原子炉格納容器の第5の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図6】本発明に係る原子炉格納容器の第6の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図7】本発明に係る原子炉格納容器の第7の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図8】本発明に係る原子炉格納容器の第8の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図9】本発明に係る原子炉格納容器の第9の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図10】本発明に係る原子炉格納容器の第10の実施の形態を示す模式的立断面図。
【図11】従来のABWRで採用されている原子炉格納容器を示す模式的立断面図。
【図12】従来のESBWRの原子炉圧力容器を示す模式的立断面図。
【図13】従来のESBWRの原子炉格納容器を示す模式的立断面図。
【符号の説明】
1…炉心、2…原子炉圧力容器(RPV)、3…シュラウド、4…炉水、5…給水配管、6…ダウンカマー、7…チムニー、8…気水分離器、9…ドライヤー、10…主蒸気配管、11…ドライウェル(DW)、12…RPVサポート、13…RPVスカート、14…上部DW、15…下部DW、16…隔離弁(爆破弁)、17…配管、18…圧力抑制室(ウェットウェル:WW)、19…圧力抑制プール(SP)、20…ベント管、21…隔離弁(爆破弁)、22…配管、23…減圧弁、24…原子炉隔離時コンデンサー(IC)プール、25…静的格納容器冷却系(PCCS)プール、26…IC熱交換器、27…隔離弁、28…配管、29…PCCS熱交換器、30…吸込み配管、31…気相部戻り配管、32…液相戻り配管、33…PCCSドレンタンク、34…注水配管、35…隔離弁、36…一次原子炉格納容器(PCV)、37…重力落下式炉心冷却系(GDCS)プール、38…PCVヘッド、39…ドーム天井、40…機器室、41…原子炉格納容器(CV)、42…二次原子炉格納容器(SCV)、44…SCV外周部、45…隔離連通切替手段(ICSS)、46…コアキャッチャー、47…運転床(オペフロ)、48…側壁、49…天井、50…オペフロ空間、51…隔離連通切替手段(ICSS)、52…レールサポート、53…クレーンガイドレール、54…鋼製二次原子炉格納容器(SSCV)、55…外部事象防護壁、56…外気取入れ口、57…外気放出口、58…流路壁、59…凝縮水還流装置、60…凝縮水サンプ、61…隔離弁、62…IC凝縮水還流装置、63…IC凝縮水サンプ、64…切替え弁、65…IC蒸気放出ライン、66…インターナルポンプ(RIP)、67…ダイアフラムフロア、68…重力落下式炉心冠水系(GDCF)、69…原子炉建屋(R/B)、70…上部圧力抑制プール(レイズドSP)、71…非常用炉心冷却系(ECCS)、72…ペデスタル。

Claims (13)

  1. 原子炉圧力容器を収容するドライウェルと、圧力抑制プールを収容するウェットウェルと、前記ドライウェルと前記圧力抑制プールとを連絡するベント管と、を有する一次原子炉格納容器と、
    前記一次原子炉格納容器を収容し耐圧性を有する二次原子炉格納容器と、
    前記ウェットウェルの気相部と前記二次原子炉格納容器の気相部とを連絡する通路部と、
    この通路部に設けられた隔離連通切替手段と、
    を備えたことを特徴とする原子炉格納容器。
  2. 前記二次原子炉格納容器内の雰囲気を含めて原子炉格納容器内の空気の少なくとも一部を窒素により置換し原子炉格納容器内の酸素濃度を通常の空気よりも低減できるように構成されていること、を特徴とする請求項1記載の原子炉格納容器。
  3. 原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器において、
    前記原子炉圧力容器の外側でかつ前記原子炉格納容器の内側に、運転床が形成され、この運転床の上方を気密に覆う覆いが前記原子炉格納容器の内側にしかも前記原子炉格納容器の内壁から間隔をおいて形成されており、この覆いの内側の雰囲気の酸素濃度をこの覆いの外側とは独立に変えられるように構成されていること、
    を特徴とする原子炉格納容器。
  4. 原子炉事故時に運転員の立ち入り操作を必要とする機器を配置した機器室をさらに有し、この機器室の雰囲気の酸素濃度を前記一次原子炉格納容器内の他の区画の雰囲気とは別個に変えことができるように構成されていること、を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の原子炉格納容器。
  5. 前記二次原子炉格納容器は鋼製であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の原子炉格納容器。
  6. 前記二次原子炉格納容器の外側をコンクリート製の外部事象防護壁で覆ったことを特徴とする請求項5に記載の原子炉格納容器。
  7. 前記外部事象防護壁には外気取入れ口と外気放出口が設けられ、前記外部事象防護壁と二次原子炉格納容器の間に沿って通気できるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の原子炉格納容器。
  8. 前記ウェットウェルから前記二次原子炉格納容器内に放出される水蒸気を前記二次原子炉格納容器の内壁面により冷やすことによって凝縮させ、該凝縮水を前記圧力抑制プールに還流する凝縮水還流装置を設置したこと、を特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の原子炉格納容器。
  9. 前記ドライウェルの上部に原子炉隔離時コンデンサープールが配置され、その原子炉隔離時コンデンサープールの排出水蒸気を前記二次原子炉格納容器内に放出し、前記二次原子炉格納容器の壁面により前記排出水蒸気の冷却を行ない、凝縮水を前記原子炉隔離時コンデンサープールに還流する凝縮水還流装置を設置したこと、を特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の原子炉格納容器。
  10. インターナルポンプによる強制循環型の沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器を収容するドライウェルと、圧力抑制プールを収容するウェットウェルと、を有する原子炉格納容器において、
    前記ドライウェルは、上部ドライウェルと、この上部ドライウェルよりも下方に位置する下部ドライウェルとからなり、前記上部ドライウェルと下部ドライウェルとが開口部もしくは連絡配管によって連結されており、
    前記上部ドライウェルの底部にはダイアフラムフロアがあって、前記原子炉圧力容器内に収容された炉心の上端部が前記ダイアフラムフロアよりも下方に位置し、
    前記上部ドライウェルと前記圧力抑制プールとはベント管により連絡され、
    前記下部ドライウェルと前記ウェットウェルとは前記炉心の上端部よりも低い位置には直接の連絡口を持たず、
    前記ダイアフラムフロアよりも低い位置の前記原子炉圧力容器側壁部に配管を設け、その配管は弁を介して前記下部ドライウェル内に開口し、
    前記原子炉圧力容器に接続された配管に対し前記一次格納容器内で破断口が生じる事故が発生した際に流出する冷却材および非常用炉心冷却系による注入水が、前記原子炉格納容器の内部を前記ダイアフラムフロアの高さまで冠水し、この冠水した水が前記破断口もしくは前記弁および配管を介して前記原子炉圧力容器内に浸水することにより原子炉圧力容器内の水位を前記炉心上端部よりも高く維持できるように構成されていること、
    を特徴とする原子炉格納容器。
  11. 前記ドライウェルおよびウェットウェル全体を収容する鋼製の二次原子炉格納容器と、
    前記ウェットウェルの気相部の壁面に設置された隔離連通切替手段と、
    前記上部ドライウェルの外部に保持された重力落下式炉心冠水系と、
    をさらに有し、
    前記ウェットウェルから前記二次原子炉格納容器内に前記隔離連通切替手段を介して放出される水蒸気を前記二次原子炉格納容器の壁面で冷却凝縮し、該凝縮水を前記重力落下式炉心冠水系より配管および隔離弁を介し、前記下部ドライウェル内に重力により注水するように構成されていること、
    を特徴とする請求項10に記載の原子炉格納容器。
  12. 内蔵する原子炉はインターナルポンプによる強制循環型の沸騰水型原子炉を収納する原子炉格納容器であって、
    前記ウェットウェルは、前記一次原子炉格納容器の最上部に位置して前記上部ドライウェルの周囲を環状に取り囲み、前記ウェットウェルの内部に水位が炉心上端部よりも上方に位置する上部圧力抑制プールを保持し、
    配管および隔離弁を介して前記原子炉圧力容器および前記ドライウェル内部に前記上部圧力抑制プール水を重力により注入可能とし、
    前記ウェットウェルの気相部の壁面に隔離連通切替手段を設置したこと、
    を特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の原子炉格納容器。
  13. 前記隔離連通切替手段は、ラプチャーディスク、真空破壊弁、隔離弁のいずれかであることを特徴とする請求項1、11または12のいずれかに記載の原子炉格納容器。
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