JP3149606B2 - 原子炉格納容器の冷却システム - Google Patents

原子炉格納容器の冷却システム

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JP3149606B2
JP3149606B2 JP05037593A JP5037593A JP3149606B2 JP 3149606 B2 JP3149606 B2 JP 3149606B2 JP 05037593 A JP05037593 A JP 05037593A JP 5037593 A JP5037593 A JP 5037593A JP 3149606 B2 JP3149606 B2 JP 3149606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力プラントの格納
容器冷却システムに係り、ポンプ等の動的機器を使用し
ない静的な冷却システムの性能を向上させるに好適なも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉格納容器冷却システムのうち、ポ
ンプ等の動的機器を使用しない静的な冷却システムは動
的な機器が無い分故障が少なくて信頼性が高い。
【0003】その静的な冷却システムによる原子炉の格
納容器冷却系の一形式として、特開平4−98198号
公報や特開平4−136794号公報に記載された凝縮
式放熱系がある。
【0004】これは、原子炉格納容器の圧力境界の外側
に冷却水プールを設け、その内部に原子炉容器からの配
管あるいは格納容器内の気相空間と接続する凝縮器(熱
交換器)を設置したものである。
【0005】この技術では、設計上考慮することになっ
ている冷却材喪失等の事故発生時、原子炉圧力容器内で
発生した蒸気を凝縮器に導き凝縮させる。この時、凝縮
器で凝縮しきれなかった未凝縮蒸気を、原子炉格納容器
の気相空間から凝縮器に流入する不凝縮性気体ととも
に、原子炉格納容器内の圧力抑制プール水中へ配管(ガ
スベント管)を通して排出し、そのプール水中で凝縮さ
せその熱量をそのプールの顕熱として蓄え、事故時にお
ける原子炉格納容器の圧力上昇を抑制する。
【0006】この凝縮式放熱系について、圧力抑制プー
ル中に排出されるガスベント管からの未凝縮蒸気による
熱流動挙動は、文献「Proc. of Fifth InternationalTo
pical Meeting on Reactor Thermal Hydraulics, Vol I
I (Sept.,1992)」の頁547−555に記載されてい
る。
【0007】他の従来例である、特開昭63−1995
号公報には、プール内への蒸気吐出装置として、原子炉
圧力容器内の蒸気を吐出管(ベント管)及びS/R弁を
介してプール水中に吐出する手段として、吐出管(ベン
ト管)の吐出口を水平な管に穴を複数個開けてその穴か
ら蒸気をプール水中に吐出し、吐出状態が細かい状態に
て且つ隣接する穴からの吐出蒸気泡と容易には合体しな
い分散密度の穴の配置を備えている構成が示されてい
る。
【0008】この特開昭63−1995号公報には、凝
縮式放熱系にその蒸気吐出装置を組み合わせることにつ
いては記述されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の凝縮式放熱系で
は、通常運転中、原子炉圧力容器を囲む格納容器の気相
空間に封入してある不凝縮性気体が冷却系が作動する事
故時に蒸気とともに凝縮器内に流入し、凝縮性能を劣下
させる。
【0010】この凝縮性能劣化の結果、凝縮しきれなか
った未凝縮蒸気の対策として、該熱交換器から圧力抑制
プールにガスベント管が設置してあり、未凝縮蒸気を圧
力抑制プール水中に導き凝縮させる。
【0011】しかし、従来の技術では、圧力抑制プール
水中に排出される未凝縮蒸気の熱量は、ガスベント管が
没している水深にあるプール水の顕熱として吸収される
としており、圧力抑制プール水内の熱流動挙動には考慮
を払っていなかった。
【0012】前述の文献に記載された圧力抑制プール中
の熱流動挙動は、以下の様となる。
【0013】ガスベント管から圧力抑制プール水中に排
出された未凝縮蒸気は、そのプール水により凝縮され
る。
【0014】しかし、流入する未凝縮蒸気の量が小さい
ため、ガスベント管出口のごく近傍のプール水を高温と
することで凝縮が終了する。この凝縮により生じた高温
水は、ガスベント管に沿った薄い(10cm〜15cm)温
度境界層を形成して圧力抑制プール水面まで上昇する。
【0015】さらに、ガスベント管出口付近の凝縮で高
温となる領域が小さいため、高温により浮力の発生する
圧力抑制プール水の体積が小さく、圧力抑制プール水中
の流動を誘起することができず、ガスベント管近傍を除
いたバルク水は停滞したままである。
【0016】また、圧力抑制プール水中には、そのプー
ル水面からの下降流を誘起する冷却手段も無い。このた
め、ガスベント管に沿って上昇する高温水は、圧力抑制
プールのバルク水と混合されることが無い。
【0017】すなわち、凝縮領域が小さいため、凝縮に
よる圧力抑制プール水温の局所的上昇が比較的に大き
く、かつ周囲のバルク水と十分に混合すること無く圧力
抑制プール水面まで上昇し、そのプール水面に到達した
高温水は、そのプール水面近くに蓄積される。
【0018】この結果、事故時において、圧力抑制プー
ルの水温は、水面に近い上層だけが高温となる。言い替
えれば、圧力抑制プールのプール水が、吸熱源として、
十分有効に使用されていない。
【0019】このような状態においては、原子炉格納容
器の事故時における圧力挙動とそれに耐えるべき原子炉
格納容器強度の観点から、次の課題がある。
【0020】すなわち、前述のように、圧力抑制プール
の水面に近い上層のみが高温となると、その高温水によ
って圧力抑制プールの上部にある気相空間ウェットウエ
ルの温度を上昇させ、該空間の蒸気分圧を上昇させる。
【0021】事故時における原子炉格納容器の圧力は、
ウェットウエルの不凝縮性気体の分圧と蒸気分圧の和に
対応しているため、蒸気分圧の上昇は、事故時における
原子炉格納容器の圧力の上昇を意味し、その圧力に耐え
るために原子炉格納容器の強度を増大しなければならな
い。
【0022】あるいは、圧力抑制プールに蒸気分圧の上
昇を伴う未凝縮蒸気が流入しないように、原子炉格納容
器上部の冷却水プール中に設置させた熱交換器の伝熱面
積を拡大することが必要になる。この場合も、熱交換器
の伝熱面積を拡大することにあわせ高い位置にある冷却
水プールの容量を増大しなければならず、耐震強度を増
す観点から原子炉格納容器の強度を増大しなければなら
ない。
【0023】いずれの方策も原子炉格納容器の強度増大
に帰着し、格納容器の壁厚さの増加など構造部材が増
大、ひいてはプラントのコストが増大する。
【0024】本発明では、上記の課題を解決することを
目的としている。すなわち、凝縮式放熱系を使用する原
子炉格納容器の冷却システムにおいて、圧力抑制プール
に排出される未凝縮蒸気によるそのプール表層のみの高
温化を防止し、そのプール水温の均一化によってそのプ
ールを吸熱源として十分に活用し、事故時における原子
炉格納容器の圧力を低減しその信頼性を向上させるとと
もに、原子炉格納容器の設計強度を低減するに好適な、
原子炉格納容器の冷却システムを提供することを目的と
している。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ための第1手段は、凝縮式放熱系の熱交換器から圧力抑
制プール水中に連通されたガスベント流路を備えている
原子炉格納容器の冷却システムにおいて、前記圧力抑制
プール水中のガスベント流路部分にベント流体の上昇抑
制手段が前記ガスベント流路の流路面積よりも水平方向
に拡張されて備わり、前記上昇抑制手段は最大気液接触
面積形成レベルよりも下方の位置に前記圧力抑制プール
水への連通口を前記ガスベント流路の流路面積よりも広
範囲に備えていることを特徴とした原子炉格納容器の冷
却システムであり、同じく第2手段は、第1手段におい
て、上昇抑制手段は、ガスベント流路へ複数の方向から
連通接続され突端が閉鎖された水平な配管と、前記配管
の管軸を含む水平面よりも下方のレベルに限定して前記
配管に備わる圧力抑制プール水と連通自在な開口とから
成ることを特徴とした原子炉格納容器の冷却システムで
あり、同じく第3手段は、第1手段において、上昇抑制
手段は、ガスベント流路の外周囲に水平方向に拡張され
て装備され、拡張先突端が下方へ下げられている堰であ
ることを特徴とした原子炉格納容器の冷却システムであ
り、同じく第4手段は、第1手段において、ガスベント
管の圧力抑制プール水中への水深領域内の前記圧力抑制
プール水を冷却する熱交換器が付加されていることを特
徴とした原子炉格納容器の冷却システムである。
【0026】
【作用】第1手段によれば、熱交換器からガスベント流
路を通って送られてきた未凝縮蒸気ガスは水平方向に拡
張されたベント流体の上昇抑制手段により捕捉され、こ
こで液相としての圧力抑制プール水と気液接触面で接し
て凝縮される。未凝縮蒸気は凝縮促進されて圧力抑制プ
ール内に排出される。さらには、上昇抑制手段から外側
の圧力抑制プール水への放熱作用も有って、上昇抑制手
段から圧力抑制プールへは低温化された流体が広範囲に
排出され、熱交換器のガスベント先を圧力抑制プール内
にしても、圧力抑制プール水面温度、ひいては原子炉格
納容器の圧力を低下させる。
【0027】第2手段によれば、第1手段による作用に
加えて、未凝縮蒸気は、ガスベント流路から各水平な配
管に入り、各水平な配管は、管軸を含む水平面よりも下
方のレベルに限定して圧力抑制プール水と連通自在な開
口を備えるから、各水平な配管内では、管軸を含む水平
面よりも上部に未凝縮蒸気が気相として捕捉されて上昇
が抑制され、管軸を含む水平面よりも下部には、圧力抑
制プール水が液相として存在することと成る。そして、
未凝縮蒸気は、各水平な配管内で圧力抑制プール水と接
して凝縮されるほか、各水平な配管から外側への放熱に
よっても、低温化される。凝縮済みの蒸気は低温化され
た液体として開口から広い範囲に圧力抑制プール水中に
放出されて、熱交換器のガスベント先を圧力抑制プール
内にしても、圧力抑制プール水面温度、ひいては原子炉
格納容器の圧力を低下させる。
【0028】第3手段によれば、第1手段による作用に
加えて、ガスベント流路から出た未凝縮蒸気は、圧力抑
制プール中を上昇する過程で堰で上昇が抑制されて気液
接触により、未凝縮蒸気は凝縮されて低温化される。凝
縮された流体は、堰の突端先を越えて圧力抑制プール内
に拡散されて、熱交換器のガスベント先を圧力抑制プー
ル内にしても、圧力抑制プール水面温度、ひいては原子
炉格納容器の圧力を低下させる。
【0029】第4手段によれば、第1手段による作用に
加えて、熱交換器で圧力抑制プール水を冷却してその圧
力抑制プール水を下降させ、圧力抑制プール水に対流を
引き起こさせる。これにより、圧力抑制プール水の全体
に熱を分散させて、事故後の長期にわたる冷却及び圧力
抑制機能をより良く維持する。
【0030】
【0031】
【実施例】第1実施例を以下に説明する。
【0032】発明が適用される原子力プラントは図1に
示すように、燃料集合体で構成された炉心1,炉心1を
収容する原子炉圧力容器2,原子炉圧力容器2を囲むド
ライウエル空間3,ドライウエル空間3とベント管45
で接続されていて原子炉圧力容器2の外周に位置する圧
力抑制プール4と、その上部の気相空間ウェットウエル
5が、図中の太線で示した原子炉格納容器の圧力境界6
の内部に設けられる。
【0033】圧力境界6は大部分がコンクリート壁面に
鉄板を装着することにより構成されて、その鉄板の面が
圧力境界面とされる。
【0034】圧力境界6の外側上部に冷却水プール10
を備え、この冷却水プール10水中に水没させた熱交換
器11が設けられている。この冷却水プール10の気相
空間は、排気管19により、大気に接続されている。
【0035】熱交換器11の入り口側(図では上側ヘッ
ダ)は、原子炉格納容器の圧力境界6を貫通した配管1
2によりドライウエル3と連通しており、出口側(図で
は下側ヘッダ)の液相となる部分は凝縮水戻り管13に
より原子炉格納容器内のプール30水中と連通してお
り、さらにその出口側(図では下側ヘッダ)の気相領域
となる部分はガスベント管15により圧力抑制プール4
水中と連通接続されている。
【0036】原子炉格納容器内のプール30水中は、注
水用配管14により逆止弁18を介して原子炉圧力容器
2内と接続されている。また、ガスベント管15(主
管)の圧力抑制プール4水中の出口部には、水平方向に
配管16(枝管)がガスベント管15と連通して取り付
けられる。このガスベント管15と配管16は下方から
の構造材17により、圧力抑制プール4水中で支持され
ている。
【0037】ガスベント管15の出口部に取り付けられ
た水平方向の配管16は、図2及び図3に示すように、
配管16の管軸を含む水平面より下方の部位に水平より
も下向きに複数の開口20が設けられている。配管16
の突端面は閉鎖されている。
【0038】原子炉圧力容器2内で発生した蒸気をター
ビン(図示せず)へ送るための主蒸気管7の破断等、設
計上考慮することになっている冷却材喪失事故時におい
て、その破断孔からドライウエル3に流出した高温高圧
な蒸気は事故発生直後の短期間を除き、通常運転時にド
ライウエル3に封入されている不凝縮性気体とともに配
管12を通り熱交換器11に流入する。これは、ガスベ
ント管15の出口の水深がベント管45の出口水深より
浅いため、出口にかかる水頭が小さいためである。
【0039】なお、事故発生直後の短期間は、多量の蒸
気が瞬時に破断孔からドライウエル3内に流入してドラ
イウエル3内の圧力を高める。このため、蒸気と不凝縮
性気体はガスベント管15とベント管45の水頭に打ち
勝つので、両方の管から分散して圧力抑制プール4に流
入し、蒸気が凝縮されて過度の圧力上昇を抑制する。
【0040】事故後の時間が経過すると、ドライウエル
3内の圧力が低減して蒸気吹き出し口の水深位置の深い
ベント管45からの圧力抑制プール4への流入は無くな
り、吹き出し口水深位置の浅いガスベント管15からの
圧力抑制プール4への流入が継続する。このために、原
子炉格納容器内の冷却と圧力上昇抑制は継続される。こ
のように、長期に渡って原子炉格納容器内の冷却と圧力
上昇抑制が達成されて安全が確保される。
【0041】この事故後初期を経過してのガスベント管
15からの圧力抑制プール4への流入流量は事故後初期
と異なり少なくなっており、且つガスベント管15の吹
き出し位置の水深位置の深さも浅いことも有って、圧力
抑制プール4内のプール水の水深全域にわたる対流は期
待出来づらくなる。
【0042】熱交換器11にドライウエル3から流入し
た蒸気と不凝縮性気体の混合ガスと冷却水プール10の
水温との温度差により、その混合ガスが持つ熱は冷却水
プール10へ放熱されてその混合ガス中の蒸気が凝縮す
る。
【0043】冷却水プール10へ伝えられた熱は、冷却
水プール10水の蒸発により、排気管19を通って大気
中へ放出され、事故時における炉心で発生し原子炉格納
容器内に放出される崩壊熱の除去を行う。
【0044】一方、熱交換器11内の凝縮水は流下し
て、出口側ヘッダの最低位置に接続している凝縮水戻り
管13を通って、原子炉格納容器内のプール30に戻
り、そこから注水用配管14を通って原子炉圧力容器2
に注水される。この注水によって、炉心1の冷却が行わ
れる。
【0045】ところで、不凝縮性気体の存在による凝縮
性能の劣下等の影響により熱交換器11で凝縮しきれな
かった蒸気は、不凝縮性気体とともにガスベント管15
を通って圧力抑制プール4に流入し凝縮される。
【0046】この時、ガスベント管15の出口部に取り
付けられた水平方向の配管16の作用により、圧力抑制
プール4に流入する蒸気の凝縮及び凝縮によって生じた
高温水の挙動は次のようになる。
【0047】ガスベント管15の出口に取り付けた水平
方向の配管16には配管16の管軸を含む水平面より下
方の部位に水平よりも下向きの開口20が設けられてい
る。このため、図3に示すようにガスベント管15を下
降した未凝縮蒸気21は水平方向の配管16の上部に滞
留するとともに、圧力抑制プール4水との接触・混合に
より凝縮する。
【0048】その凝縮によって生じた高温水22は、水
平方向の配管16の中に広がり、複数の下向きの開口2
0を通って圧力抑制プール4のバルク水中に流入する。
【0049】水平方向の配管16内に滞留し広がった蒸
気及び高温水からは、図3中の白抜き矢印で示したよう
に配管16の上部の面を介して圧力抑制プール4のバル
ク水に伝熱が起こる。
【0050】水平方向の配管16を設けない従来技術の
場合は、従来の技術の項に記載した文献に示された如
く、図4に示すように未凝縮蒸気21は、ガスベント管
15の出口近傍のみに広がり圧力抑制プール4水と接触
・混合する。
【0051】この従来例による凝縮は狭い領域で起こ
り、低温である圧力抑制プール4水との混合量が小さい
ため相対的に高温となる。また、相対的に少量の水が高
温となるため、浮力も大きくなり、生じた相対的に高温
な水23はガスベント管15の周囲に薄い温度境界層を
形成して上昇し圧力抑制プール4水面に広がる。この上
昇過程では、温度境界層を形成し相対的に大きな速度で
上昇するため、プールのバルク水との混合は小さく、圧
力抑制プール4水面に高温のまま到達し広がる。
【0052】温度境界層の理論によれば、ガスベント管
15に沿って上昇する温度境界層の厚さは、ガスベント
管15の出口から圧力抑制プール水面に上昇するに従っ
て発達し厚くなるが、圧力抑制プール4水面でもガスベ
ント管15の管外表面から10cm〜15cm程度の厚さに
しかならない。
【0053】それに対し本実施例では、水平面より下向
きの開口のみを持つ水平方向の配管16を取り付けたこ
とで、上述のように未凝縮蒸気21がプール水と接触・
混合する領域が水平方向の配管断面領域に広がる。水平
方向の配管の長さを、上述の温度境界層厚さより長くす
れば、接触・混合する領域を確実に広げられる。
【0054】この作用により、未凝縮蒸気と混合する圧
力抑制プール4水の量が増大し、配管16の上側の面を
介しての伝熱の効果と相乗して、生じる高温水の温度が
低下する。また、生じた高温水は複数の開口を通って水
平方向に分散してバルク水中に流出する。
【0055】これらのことにより、高温水がガスベント
管15に沿った薄い温度境界層を形成することなく、広
い領域に周囲のバルク水との温度差が相対的に小さな水
が広がる。この結果、単位体積あたりの浮力が小さく上
昇速度が小さい状態で、相対的に大きな体積の高温水が
圧力抑制プール4内のバルク水中を上昇する。この上昇
過程では、上昇速度が遅いこと及び上昇する領域が広い
ことにより、バルク水との混合が促進されるため、プー
ル水温が均一化しプール表面に到達する水温を低下させ
ることができる。
【0056】冷却材喪失事故時の原子炉格納容器の圧力
は、圧力抑制プール4の上部の気相空間ウェットウエル
5の不凝縮性気体の分圧と蒸気分圧の和であるウェット
ウエル5の圧力を基準にして定まる。
【0057】上述の従来技術と本実施例について、圧力
抑制プール4水面温度に対応して定まるウェットウエル
温度とウェットウエル圧力の事故時の時間変化の概要
を、図5a,図5bに比較して示す。
【0058】図5a,図5bは横軸に事故後の時間をと
り、図5aがウェットウエル温度、図5bがウェットウ
エル圧力を従来例と本実施例とにおいて比較して表示し
ており、破線が従来技術,実線が本実施例を示してい
る。
【0059】本実施例では上述のように、未凝縮蒸気と
プール水の混合を十分に行っており、圧力抑制プール4
水温の均一化が図られ、そのプール4水面の温度のみが
高くなる従来技術に比べ、圧力抑制プール4水面温度が
低下し、それに対応して定まるウェットウエル5の温度
も低下させることができる。
【0060】ウェットウエル5内の蒸気分圧は、ウェッ
トウエル5内の温度の飽和圧力であるから、温度が低い
ほど蒸気分圧も低い。その結果、ウェットウエル5内の
圧力も本実施例の方が低くなり、ひいては原子炉格納容
器各部の圧力も低くなる。
【0061】温度の違いに対する蒸気の飽和圧力の違い
は、100℃以上で顕著に増大する特性を有している。
そのため、ウェットウエル5内の温度が100℃以上と
なった事故後長期では、圧力の違いが顕著となる。
【0062】すなわち、本実施例では圧力抑制プール4
水の吸熱能力を広い領域について活用している結果、冷
却材喪失事故時の原子炉格納容器圧力を長期的に低く抑
制することができる。
【0063】また、図1に示した実施例において、原子
炉格納容器の圧力境界6の外側上部にある冷却水プール
10中に水没した熱交換器11の入り口側配管12を、
ドライウエル3に開放するのではなく、隔離弁を介して
主蒸気管7に接続し、通常運転時は隔離弁を閉状態と
し、原子炉圧力容器2の水位低下や原子炉格納容器の圧
力上昇の信号に基づく事故発生信号によって該隔離弁を
開くシステムとしても、上述の作用と同じ作用が得られ
るものであり、冷却材喪失事故時の原子炉格納容器圧力
を長期的に低く抑制することができる。
【0064】図6及び図7により、第2実施例を説明す
る。
【0065】図6に示した第2実施例は、前述の図1の
第1実施例と比べて、原子炉格納容器の圧力境界6の外
側上部にある冷却水プール10中に水没した熱交換器1
1から圧力抑制プール4水中へつながるガスベント管1
5の出口部の形状が異なっている。
【0066】すなわち、本実施例では、図7に示すよう
に、ガスベント管15に圧力抑制プール4水中の出口上
方位置に全周囲において、上昇流を堰止めるように上側
に凸形状の張り出し24を水平方向に張り出して設置し
ている。
【0067】さらに、設置した張り出し24は、上述の
ように最大でも10cm〜15cm程度となるガスベント管
15に沿った温度境界層厚さより水平方向の長さを長く
している。
【0068】張り出し24は、圧力抑制プール4底部に
繋がる構造材17に構造材25で接続され支持される。
その他の構成は第1実施例と同じなので説明を省略す
る。
【0069】この張り出し24により、事故時にガスベ
ント管から排出される未凝縮蒸気21は若干の上昇後に
堰止められ水平方向に広がり、圧力抑制プール4のバル
ク水と接触・混合して凝縮する。
【0070】この時、張り出しの水平方向長さが上昇流
となる温度境界層厚さより長いため、張り出し24に堰
止められず上昇してしまうことがない。
【0071】また、凝縮によって生じた高温水も張り出
しの下側で水平方向に広がりバルク水と混合した後、張
り出し24の淵を回ってバルク水中を上昇する。
【0072】さらに、張り出し24の下側に滞留する未
凝縮蒸気及び凝縮水から、張り出しを介してバルク水へ
の放熱がある。
【0073】これらの作用により、排出される未凝縮蒸
気とプール水との混合を水平方向の広い範囲で行わせプ
ール水温の均一化を行わせることができる。この結果、
前述の従来技術に比べ事故時における圧力抑制プール4
の表面温度の上昇を抑制し、原子炉格納容器の長期間の
圧力抑制が可能となる。
【0074】図8に示した第3実施例では、ガスベント
管15の出口の上方に、上部にゆくにつれて水平方向の
距離が長くなるように、張り出し24を多段に設けてい
る。
【0075】その他の構成は第1実施例と同じなので説
明を省略する。
【0076】この実施例によれば、下段の張り出し24
に堰止められて水平方向に広がって圧力抑制プール4の
バルク水と混合後、下段の張り出し24の淵を回って、
上昇する高温水が再び上段の張り出し24に堰止められ
てバルク水と混合する。
【0077】このように張り出し24を多段とすること
により、圧力抑制プール4水中を上昇する高温水の滞留
時間を長くすることができるので、ガスベント管15か
ら排出される未凝縮蒸気と圧力抑制プール水との混合を
促進し、プール水温の均一化を確実ならしめることがで
きる。
【0078】図9により第4実施例を説明する。
【0079】本実施例では、ガスベント管15の出口形
状等は従来技術と同じであるが、原子炉格納容器の圧力
境界6の外側で圧力抑制プール4の横に冷却水プール3
1を設置し、冷却水プール31水中に熱交換器32を水
没させ、該熱交換器32と圧力抑制プール4水をガスベ
ント管15の水没している高さ方向の範囲にわたり、水
平な複数の配管を上下多段に配備した配管群33により
連続的に接続している。その他の構成は第1実施例と同
じなので説明を省略する。
【0080】本実施例による事故時の圧力抑制プール4
の流動挙動は、図9中の矢印で示した通り、ガスベント
管15の出口で未凝縮蒸気の凝縮により生じた相対的に
高温の水がガスベント管15に沿って圧力抑制プール水
面まで上昇した後、圧力抑制プール水面に広がった高温
水が配管群33を通り熱交換器32へ流入し、冷却水へ
放熱されることで、その高温水は低温水と成って下降流
となる。
【0081】ここで、圧力抑制プール4と熱交換器32
の連通を複数の配管群33とし連続的な連通としている
ことで、熱交換器32内で下降流が停滞してしまうこと
なく圧力抑制プール4内への低温水の流入が実現でき
る。
【0082】この動作をガスベント管15の水深にわた
り行う結果、圧力抑制プール4内の対流・混合が促進さ
れ、圧力抑制プール4水温の均一化がはかれ、圧力抑制
プール4水面のみの温度上昇を防止できる。
【0083】これにより、上述の他の実施例と同様に、
原子炉格納容器の長期間の圧力抑制が可能となる。
【0084】なお、原子炉格納容器の圧力境界6の外側
に設置した冷却水プール31は、熱交換器32からの放
熱により温度は上昇するが、冷却水プール31水面から
の蒸発蒸気が排気管34を通って大気中に放出されるの
で圧力の上昇はなく、建家の強度はプール水の重量を保
持することに対応すればよい。
【0085】また、冷却水プール31は、原子炉格納容
器の圧力抑制プール4の横にあり、凝縮式放熱系の熱交
換器11を収納する冷却水プール10に比べ相対的に重
心が低く、耐震設計上の強度増加の必要性も小さい。
【0086】図10により第5実施例を説明する。
【0087】本実施例では、圧力抑制プール4と原子炉
格納容器の圧力境界6の外側の冷却水プール31内に水
没させた熱交換器32との連通手段を、配管群ではなく
スリット状の単一流路35としている。図9に示した配
管群33とした第4実施例では配管群33の配管と配管
の高さ方向の間に圧力抑制プール4水の流通を阻害する
壁が存在するのに対し、本実施例では高さ方向に流通の
障害となる壁をなくすことができる。その他の構成は第
4実施例と同じなので説明を省略する。
【0088】これにより、本実施例の基本的な動作は前
述の第4実施例と同様であるのに加え、圧力抑制プール
4と熱交換器32の圧力抑制プール4水の流通が、より
確実となり、圧力抑制プール4水の対流・混合が促進さ
れるとともに、原子炉格納容器の圧力境界6の貫通部の
数を削減できる効果がある。
【0089】図11により、第6実施例を説明する。
【0090】本実施例では、圧力抑制プール4の水中で
ガスベント管15が水没している高さ方向の範囲に対応
して、熱交換器36を設置し、該熱交換器36と原子炉
格納容器の圧力境界6の外側で圧力抑制プール4の横に
設けた冷却水プール31とを、上下の配管37と38に
より連通させている。
【0091】また、熱交換器36は、配管37及び38
と原子炉格納容器壁に繋がる構造材39で支持されてい
る。その他の構成は第4実施例と同じなので説明を省略
する。
【0092】圧力抑制プール4内では、図中の矢印で示
した通り、ガスベント管15の出口で未凝縮蒸気の凝縮
により生じた相対的に高温の水がガスベント管15に沿
って圧力抑制プール4水面まで上昇した後、そのプール
水面に広がった高温水が熱交換器36に接して冷却され
て下降流とされる。
【0093】その下降流により、圧力抑制プール4水の
対流が促進されてバルク水との混合が促進され、圧力抑
制プール4水温の均一化がはかられる。
【0094】熱交換器36の内部の冷却水は、圧力抑制
プール4からの放熱により昇温して密度が小さくなり、
上部の配管37を通って冷却水プール31へ流入し冷却
水プール31水面に至るとともに、下部の配管38を通
って低温の冷却水プール31水が熱交換器36内に流入
する。
【0095】これにより、圧力抑制プール4と熱交換器
36内の温度差が維持され、圧力抑制プール4水中には
定常的に熱交換器36近傍から下降流が形成され、圧力
抑制プール4水の混合が行われる。
【0096】この結果、事故時において圧力抑制プール
4水面のみの温度上昇を防止して、原子炉格納容器の長
期間の圧力抑制が達成できる。
【0097】図12の第7実施例では、圧力抑制プール
4の中でガスベント管15が水没している高さ方向の範
囲に上部の気相空間であるウェットウエル5の領域の一
部を加えた高さ方向範囲に熱交換部40を設置し、該熱
交換部40は上方で原子炉格納容器の圧力境界6を貫通
して、外部の冷却水プール42に接続されている。
【0098】また、熱交換部40は、構造材41により
原子炉格納容器壁に繋がれ支持されている。その他の構
成は第4実施例と同じなので説明を省略する。
【0099】圧力抑制プール4内では、上述の図11に
示した第6実施例と同様に、熱交換部40によって下降
流が形成され、圧力抑制プール4水の混合が促進され、
水温の均一化がはかれる。
【0100】圧力抑制プール4からの放熱を受けて温度
が上昇した熱交換部40内の冷却水は、温度上昇により
密度が小さくなったことにより熱交換部40内を上昇し
て原子炉格納容器の圧力境界6の外部にある冷却水プー
ル42の水面に到達する。
【0101】この場合、冷却水プール42水面だけが高
温となっても、放熱の受側である熱交換部40の温度が
上昇することがないので、圧力抑制プール4との温度差
は維持され、熱移動に関する作動上の問題は無い。
【0102】また、冷却水プール42の水面からの蒸発
蒸気は、排気管34により大気放出され、圧力上昇は起
こらず、建家の強度はプール水の重量を保持することに
対応すればよい。
【0103】さらに、圧力抑制プール4水面の上部の気
相空間ウェットウエル5から熱交換部40への放熱によ
り、原子炉格納容器の事故時における健全性維持の観点
から、次の効果がある。
【0104】凝縮式放熱系では、基本的に原子炉圧力容
器2を囲むドライウエル空間3を冷却して、不凝縮性気
体はウェットウエル5へ排出して蓄積する。このため、
事故後の冷却過程では、ドライウエル3の冷却が大きく
圧力が、ウェットウエル5の圧力より低くなることがあ
る。
【0105】この時に生じるウェットウエル5側からの
圧力は、ウェットウエル5とドライウエル3を区画して
いる隔壁50にとって、強度上の耐力が小さい外圧とな
る。
【0106】ウェットウエル5の圧力がドライウエル3
の圧力より大きくなった場合、隔壁50の損傷を防止す
るため、真空破壊弁と呼ばれる一種の逆止弁43が設け
られている。
【0107】この逆止弁43は、ウェットウエル5の圧
力がドライウエル3の圧力より大きくなった場合、圧力
差に従って開きウェットウエル5とドライウエル3の圧
力を均圧にするように作動する。
【0108】従来では、この逆止弁43にリークがある
と、事故時にドライウエル3からウェットウエル5に直
接蒸気が流入し、事故時における原子炉格納容器圧力を
高くするため、これを抑制するために逆止弁43の流路
面積を小さくするとともに隔壁50の強度を増して、リ
ークの影響を回避している。
【0109】本実施例では、真空破壊弁43のリーク等
により、ウェットウエル5に直接蒸気が流入しても、ウ
ェットウエル5内に露出してある熱交換部40により凝
縮され蒸気分圧の上昇、ひいては原子炉格納容器の圧力
上昇を防止できる。
【0110】これにより、事故時における原子炉格納容
器の信頼性を向上させるとともに、真空破壊弁43を大
型化して数を削減したり隔壁50の強度低減により、使
用物量、ひいてはコスト低減が実現できる。
【0111】また、熱交換部40と冷却水プール42と
の連通する部分が、原子炉格納容器の圧力境界6を貫通
する部分が少ないため、原子炉格納容器の信頼性を向上
できる。
【0112】図13により第8実施例を説明する。
【0113】本実施例は、ガスベント管15の圧力抑制
プール4中の出口部形状を、図1から図3の第1実施例
で示した配管16とするとともに、さらには、図10で
示した原子炉格納容器の圧力境界6の外側の冷却水プー
ル31を装備し、該冷却水プール31中に水没させて熱
交換器32を設置し、その熱交換器32と圧力抑制プー
ル4水中とをほぼ配管16の水深深さに渡ってスリット
状の単一流路で連通させたものである。他の部分は第1
実施例及び第5実施例と同じであるので説明を省略す
る。
【0114】本実施例によれば、ガスベント管15の出
口の水平方向の配管16により未凝縮蒸気と圧力抑制プ
ール4水との混合領域を拡大し局所高温化を防止する作
用と、熱交換器35により圧力抑制プール4水を下降流
としてそのプール4内の対流・混合を促進する効果が相
乗して、そのプール4内の温度均一化を確実ならしめる
ことが問題無く実現できる。
【0115】図14に第9実施例を示す。
【0116】本実施例は、図6の第2実施例で述べたガ
スベント管15の出口上方に水平方向の張り出し24を
設けるとともに、図12の第7実施例で述べた圧力抑制
プール4とウェットウエル5の領域をカバーする熱交換
部40を設置したもので、その他は第2実施例や第7実
施例と同じであるので説明を省略する。
【0117】この実施例によっても、ガスベント管15
から通ってきた未凝縮蒸気と圧力抑制プール4水の混合
領域を拡大し局所高温化を防止する作用と、熱交換部4
0による圧力抑制プール4水の下降流でそのプール4内
の対流・混合を促進する効果を相乗せしめ、そのプール
4内の温度均一化を確実ならしめることが問題無く実現
できる。
【0118】以上のように、図1から図8に述べた技術
と、図9から図12に示した技術は、設置上及び作用上
互いに干渉することがないので、各々の実施例を組み合
わせることに問題は無い。
【0119】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、原子炉格納容
器冷却システムにおける凝縮式放熱系の熱交換器からの
未凝縮蒸気と圧力抑制プール水との混合領域を拡大する
とともに、圧力抑制プール水中内で出来るだけ広い気液
接触面にて再度凝縮を一層促進して低温化させて原子炉
格納容器内の圧力をより良く低下させることが出来るか
ら、原子炉格納容器冷却システムの作動が必要な事故時
の信頼性を向上するとともに原子炉格納容器の設計強度
を小さくしてコストの低減効果が得られる。
【0120】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果を、配管構成により達成出来る。
【0121】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
による効果を、配管構成によらずに容易に達成出来る。
【0122】請求項4の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、圧力抑制プール水に下降流を付与
して圧力抑制プール水を広範囲に滞留させて圧力抑制プ
ール水温度を上下方向広範囲に均一にして、圧力抑制プ
ール水面温度の上昇を抑制し、原子炉格納容器内の圧力
を低下させることが出来るから、原子炉格納容器冷却シ
ステムの作動が必要な事故時の信頼性を向上するととも
に原子炉格納容器の設計強度を小さくしてコストの低減
効果がガスベント管からの吹き出しによる作用によるも
の以上に良く得られる。
【0123】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による原子炉格納容器の縦
断面図である。
【図2】図1に示したガスベント管出口部分の斜視図で
ある。
【図3】図1に示したガスベント管出口の断面図であ
る。
【図4】従来技術における圧力抑制プール内の流動状況
を示す模式図である。
【図5】(a)は第1実施例と図4の従来技術とのウェ
ットウエルの温度と事故後の時間変化の比較を示すグラ
フ図である。(b)は第1実施例と図4の従来技術との
ウェットウエルの圧力と事故後の時間変化の比較を示す
グラフ図である。
【図6】本発明の第2実施例による原子炉格納容器の縦
断面図である。
【図7】図6のガスベント管出口部分の縦断面図であ
る。
【図8】本発明の第3実施例によるガスベント管出口部
分の縦断面図である。
【図9】本発明の第4実施例による原子炉格納容器の縦
断面図である。
【図10】本発明の第5実施例による原子炉格納容器の
縦断面図である。
【図11】本発明の第6実施例による原子炉格納容器の
縦断面図である。
【図12】本発明の第7実施例による原子炉格納容器の
縦断面図である。
【図13】本発明の第8実施例による原子炉格納容器の
縦断面図である。
【図14】本発明の第9実施例による原子炉格納容器の
縦断面図である。
【符号の説明】
1…炉心、2…原子炉圧力容器、3…ドライウエル、4
…圧力抑制プール、5…ウェットウエル、6…圧力境
界、10…冷却水プール、11…凝縮式放熱系の熱交換
器、12…配管、13…凝縮水戻り管、14…注水用配
管、15…ガスベント管、16…水平方向の配管、18
…逆止弁、19,34…排気管、20…開口、21…蒸
気、24…張り出し、30…プール、31…冷却水プー
ル、32,36…熱交換器、33…配管群、35…スリ
ット状の単一流路、40…熱交換部、50…隔壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 秀文 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 エネルギー研究 所内 (72)発明者 岩田 安隆 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平4−128693(JP,A) 特開 平2−71193(JP,A) 特開 平4−344495(JP,A) 特開 平4−256894(JP,A) 特表 平4−505214(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 9/004 C21C 15/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凝縮式放熱系の熱交換器から圧力抑制プー
    ル水中に連通されたガスベント流路を備えている原子炉
    格納容器の冷却システムにおいて、前記圧力抑制プール
    水中のガスベント流路部分にベント流体の上昇抑制手段
    が前記ガスベント流路の流路面積よりも水平方向に拡張
    されて備わり、前記上昇抑制手段は最大気液接触面積形
    成レベルよりも下方の位置に前記圧力抑制プール水への
    連通口を前記ガスベント流路の流路面積よりも広範囲に
    備えていることを特徴とした原子炉格納容器の冷却シス
    テム。
  2. 【請求項2】請求項1において、上昇抑制手段は、ガス
    ベント流路へ複数の方向から連通接続され突端が閉鎖さ
    れた水平な配管と、前記配管の管軸を含む水平面よりも
    下方のレベルに限定して前記配管に備わる圧力抑制プー
    ル水と連通自在な開口とから成ることを特徴とした原子
    炉格納容器の冷却システム。
  3. 【請求項3】請求項1において、上昇抑制手段は、ガス
    ベント流路の外周囲に水平方向に拡張されて装備され、
    拡張先突端が下方へ下げられている堰であることを特徴
    とした原子炉格納容器の冷却システム。
  4. 【請求項4】請求項1において、ガスベント管の圧力抑
    制プール水中への水深領域内の前記圧力抑制プール水を
    冷却する熱交換器が付加されていることを特徴とした原
    子炉格納容器の冷却システム。
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