JP2701564B2 - 原子炉格納容器 - Google Patents

原子炉格納容器

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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉格納容器内の事故
時の圧力上昇を抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉格納容器は、特開昭63−75594 号
公報に開示されているように、炉心を内蔵した原子炉圧
力容器が配備される空間であるドライウエルと圧力抑制
室とを包含している。その圧力抑制室はプール水を内蔵
し、そのプール水領域である圧力抑制プールとその上方
の空間であるウエットウエルとから成り、ドライウエル
がベント管によりプール水中に連通されている。この圧
力抑制室は外周囲が外周プールに囲われている。
【0003】この様な原子炉格納容器において、炉心で
加熱されて高温高圧蒸気と成った原子炉圧力容器内の冷
却材は原子炉圧力容器から原子炉格納容器外へ配管を通
して供給されるが、その配管の途中で破断が生じると、
高温高圧蒸気がドライウエル内に漏出(冷却材喪失の事
故)して充満し、ドライウエル内に充満されていた窒素
を同伴してベント管経由で圧力抑制プール水中に放出さ
れ、ここで蒸気は凝縮され、窒素は不凝縮性気体として
ウエットウエル内に蓄積される。この凝縮により圧力抑
制プール水の水温は高まり、外周プール水水温との間で
温度差を生じる。圧力抑制室と外周プールとの間の格納
容器壁は伝熱性のよい鋼製壁であるから、前述の温度差
を生じると、圧力抑制プール水が保有する熱は原子炉格
納容器の壁を通して外周プール水に移行する。この様
に、事故時に原子炉格納容器内の熱を他の動的機器を使
用せずに原子炉格納容器外に排出して原子炉格納容器内
の圧力を抑制し、もって原子炉格納容器の健全性を確実
なものとする。
【0004】又、動的機器を用いないで自然に原子炉格
納容器からの放熱を促すものは、自然放熱型格納容器と
呼ばれ、動的機器を用いないので信頼性が良い。
【0005】この様に、原子炉の安全設計で想定するこ
とになっている冷却材喪失の事故時に圧力抑制機能を有
する原子炉格納容器にあって、格納容器外周部に冷却水
プールを備えた自然放熱型格納容器は、圧力抑制室から
格納容器壁を介して外周プールへ熱を伝え格納容器を冷
却し、格納容器の圧力上昇を抑制する。この自然放熱型
格納容器を相対的に出力が大きいプラントに適用する場
合、事故時に炉心から格納容器内に放出される崩壊熱が
出力に比例して増大する結果、格納容器外への放熱量も
増大させる必要がある。
【0006】自然放熱型格納容器からの放熱量を増大す
る方法としては、圧力抑制室から外周プールへの伝熱面
積を増大させる方法がある。
【0007】原子炉格納容器壁を伝熱面として用いる場
合、格納容器径を大きくする方法と、ベント管水深を深
くして伝熱に有効な領域を高さ方向に拡げる方法によっ
て、伝熱面積を拡大することができる。しかし、原子炉
格納容器径の増大は格納容器の耐圧能力の低下をもたら
し、その耐圧能力の低下による圧力抑制室の許容温度の
低下を来たし、放熱特性の減少につながり好ましくな
い。また、ベント管水深を深くすると、事故後初期に大
量の蒸気が急激に圧力抑制室に流入する際に圧力抑制プ
ール水の盛り上がりが大きくなるためプール水上方の空
間を高くしたり、圧力抑制室内の構造物の強度を増大さ
せる必要があり好ましくない。
【0008】格納容器径の拡大あるいはベント管水深を
深くすることなしに伝熱面積を拡大する従来技術とし
て、特開昭64−91089号公報及び特開平2−181696号公報
に記載のように、外周プール水を圧力抑制室内部を通過
する管により循環させ、格納容器壁を介しての自然放熱
に加えて圧力抑制室内部を通過する管からの放熱を利用
した方法がある。
【0009】他の従来技術として、日本原子力学会「1
989年秋の大会」で発表されたように、圧力抑制プー
ル内に対流促進板を設置し、圧力抑制プール下部領域に
おけるプール水の循環を促進させて、圧力抑制プール内
の温度成層化現象を緩和することにより、原子炉からの
熱を吸収するに有効な圧力抑制プール領域及び放熱のた
めの伝熱面積を上下に拡大する方法がある。
【0010】また、圧力抑制プールだけではなくウエッ
トウエルをも格納容器壁を利用して冷却する従来技術と
しては、特開平2−227699 号に示されるように、格納容
器全体を流路で囲い、その流路に空気を流通させて冷却
する方法がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
圧力抑制プールからの放熱によって高温となった外周プ
ール水を循環させているため、ベント管出口より下側の
領域では、常に外周プール側の温度が先に高くなる。こ
のためその領域では外周プールから圧力抑制室に向かっ
て伝熱が起こり、ベント管出口より上方で外周プールへ
放熱した熱を下の領域で再び圧力抑制室に吸収する結果
となる。すなわち、ベント管出口より下側の領域での蓄
熱の増大は期待できるが、外周プールへの放熱面積的に
は増大ではなく減少の因子となる。また、この従来技術
では、伝熱管内の水の循環の継続性についても考慮され
ていない。水の循環は、伝熱管内と外周プール内の温度
の違いによる密度差に基づいている。伝熱管内と外周プ
ールの水は、圧力抑制室からの放熱により加熱され密度
が軽くなりプール上部に蓄積される。この蓄積は、伝熱
管と外周プールの両方で同様に起こるとともに、外周プ
ールが大気開放であることから最終的には両方の領域が
その飽和温度(100℃)の水で満たされ、両領域に温
度差が確保できず水の循環が停止することになる。
【0012】上記の原子力学会で発表された放熱量増大
に関する他の従来技術では、圧力抑制プール内に設置し
た対流促進板により圧力抑制プール内の水を循環させて
おり、上述の技術で考慮していなかった問題点を解消し
てベント管出口より下部の領域の活用および循環の継続
性を達成できるが、圧力抑制室と外周プール間の伝熱面
として原子炉格納容器壁のみを用いており、伝熱面積の
拡大が圧力抑制プールの高温領域の拡大量に制限される
ため、より一層の放熱量の拡大を望む場合に圧力抑制プ
ールの拡大を伴う。このことは原子炉格納容器の大型化
を伴う。
【0013】上記の空気冷却を行う従来技術では、空気
流通による壁面での熱伝達率が、プール水中での対流熱
伝達率に比べて小さく、必要な放熱特性を達成するに大
きな伝熱面積を必要とするとともに、上述の圧力抑制プ
ールの許容温度を上昇させるという点についても考慮さ
れていない。
【0014】これらの、従来技術による原子炉格納容器
の放熱特性を、より大出力な原子力プラントに適合すべ
く、より一層向上させるには、原子炉格納容器を大型化
して放熱面積を拡大することが考えられるが、原子炉格
納容器の大型化を伴う問題点がある。
【0015】したがって、本発明の目的は、大型化を伴
うことを極力抑制しつつも従来の原子炉格納容器の放熱
特性を向上させより大出力の原子力プラントに適用する
に好適な放熱手段を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1手段は、炉心を内蔵
した原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器が配備され
たドライウエルと、前記ドライウエルを収納した格納容
器と、プール水領域とウエットウエル空間とから成る圧
力抑制室と、前記ドライウエルと前記プール水中とを連
通する流路とを備えた原子炉格納容器において、前記プ
ール水の水面上方に前記プール水の蒸発抑制手段を備え
たことを特徴とした原子炉格納容器である。
【0017】第2手段は、第1手段において、前記格納
容器は少なくとも圧力抑制室のプール水領域が前記プー
ル水と内面において接する鋼製の壁により構成され、前
記鋼製の壁の外周面に対する冷却手段を備えていること
を特徴とした原子炉格納容器である。
【0018】第3手段は、炉心を内蔵した原子炉圧力容
器が配備されたドライウエルと、圧力抑制プール水を保
有する圧力抑制室と、前記ドライウエルと前記圧力抑制
プール水中を連通するベント管と、前記圧力抑制プール
水に接して前記圧力抑制プール水の外周囲を囲う鋼製の
壁と、前記壁の外周面に接して冷却水を内蔵出来る外周
プールとを備えた原子炉格納容器において、前記圧力抑
制室内の圧力抑制プール上方に位置するウエットウエル
を、前記圧力抑制プール水の水面と接する領域とそうで
ない領域に区画し、前記両領域を前記区画面よりも狭い
面積の流路で連通するとともに、圧力抑制プール水水面
に接しない領域を冷却する手段を備えたことを特徴とし
た原子炉格納容器である。
【0019】第4手段は、第3手段において、圧力抑制
プール水水面に接しない領域の下部と圧力抑制プール水
中を連通する流路を設けたことを特徴とした原子炉格納
容器である。
【0020】第5手段は、炉心を内蔵した原子炉圧力容
器が配備されたドライウエルと、圧力抑制プール水を保
有する圧力抑制室と、前記ドライウエルと前記圧力抑制
プール水中を連通するベント管と、前記圧力抑制プール
水に接して前記圧力抑制プール水の外周囲を囲う鋼製の
壁と、前記壁の外周面に接して冷却水を内蔵出来る外周
プールとを備えた原子炉格納容器において、前記圧力抑
制プール水水面に、前記圧力抑制プール水よりも飽和蒸
気圧が低く、かつ密度が小さい疎水性物質の層を形成し
たことを特徴とした原子炉格納容器である。
【0021】第6手段は、炉心を内蔵した原子炉圧力容
器が配備されたドライウエルと、圧力抑制プール水を保
有する圧力抑制室と、前記ドライウエルと前記圧力抑制
プール水中を連通するベント管と、前記圧力抑制プール
水に接して前記圧力抑制プール水の外周囲を囲う鋼製の
壁と、前記壁の外周面に接して冷却水を内蔵出来る外周
プールとを備えた原子炉格納容器において、前記圧力抑
制プール水水面下方にて前記ベント管の出口高さの上下
となる各位置で前記圧力抑制プール水中に開かれたそれ
ぞれ少なくとも一つ以上の開口部を有し、前記上下の各
開口部を上下方向に連結して内部に前記圧力抑制プール
水が通る対流促進管が前記外周プール内にあることを特
徴とした原子炉格納容器である。
【0022】第7手段は、第6手段において、前記上方
の開口部と前記ベント管の出口との高さの差が、前記ベ
ント管の出口と前記下方の開口部との高さの差より大き
いことを特徴とした原子炉格納容器である。
【0023】第8手段は、第6手段又は第7手段におい
て、前記外周プール内に上下に分けて夫々配備されたヘ
ッダ管と、前記上方のヘッダ管と前記下方のヘッダ管と
を連通する複数の伝熱管とによって前記対流促進管を構
成したことを特徴とした原子炉格納容器である。
【0024】第9手段は、炉心を内蔵した原子炉圧力容
器が配備されたドライウエルと、圧力抑制プール水を保
有する圧力抑制室と、前記ドライウエルと前記圧力抑制
プール水中を連通するベント管と、前記圧力抑制室の外
周囲を囲う鋼製の壁と、前記圧力抑制プール水に対応す
る前記壁の外周面に接して冷却水を内蔵出来る外周プー
ルとを備えた原子炉格納容器において、前記外周プール
の冷却水水面よりも高い位置で前記壁に接する他の冷却
水を内蔵できるウエットウエル冷却水プールを前記外周
プールとは独立に備えることを特徴とした原子炉格納容
である。
【0025】第10手段は、第9手段において、前記ウ
エットウエル冷却水プールに対応する前記圧力抑制室内
の前記壁にリング状構造物を備えたことを特徴とした原
子炉格納容器である。
【0026】第11手段は、第3手段又は第4手段又は
第5手段において、第6手段から第8手段までのいずれ
か一手段に記載の対流促進管を備えたことを特徴とした
原子炉格納容器である。
【0027】第12手段は、第3手段又は第4手段又は
第5手段において、前記鋼製の壁に沿って圧力抑制プー
ル水中にあり、その上端が前記ベント管の出口より高い
位置に、その下端がベント管の出口よりも低い位置に成
る高さ関係であり、前記上端と前記ベント管の出口の高
さの差を前記ベント管の出口と前記下端の高さの差より
大きくして配備した対流促進板を備えていることを特徴
とした原子炉格納容器である。
【0028】第13手段は、第3手段又は第4手段又は
第5手段又は第6手段又は第7手段又は第8手段又は第
11手段又は第12手段において、第9手段に記載のウ
エットウエル冷却水プール又は第10手段に記載のウエ
ットウエル冷却水プールとリング状構造物を備えたこと
を特徴とした原子炉格納容器である。
【0029】第14手段は、プール水領域と、その領域
に接する気相領域とから成り、前記プール水領域中に蒸
気の吐出口を臨ませてある圧力抑制室において、前記プ
ール水の水面上方に前記プール水の蒸発抑制手段を備え
たことを特徴とした圧力抑制室である。
【0030】第15手段は、原子炉格納容器内の漏洩蒸
気を圧力抑制室内のプール水中に放出して凝縮し、前記
凝縮による前記プール水中の蓄熱を前記原子炉格納容器
外へ排出する方法において、前記圧力抑制室内の不凝縮
性気体と前記プール水からの蒸気との混合流体を前記不
凝縮性気体と前記プール水からの蒸気とに分別し、前記
分別後の蒸気を前記プール水を包含する区画に残存さ
せ、前記分別後の不凝縮気体を前記区画とは流通自在な
他の区画に収集することを特徴とした原子炉格納容器内
の圧力抑制方法である。
【0031】第16手段は、原子炉格納容器内の漏洩蒸
気を圧力抑制室内のプール水中に放出して凝縮し、前記
凝縮による前記プール水中の蓄熱を前記原子炉格納容器
外へ排出する方法において、前記プール水から前記圧力
抑制室内気相空間への前記プール水の沸騰による蒸気移
行を行いながら前記プール水表面と前記圧力抑制室内気
相空間との接触を断つことにより、前記プール水の蒸発
開始を圧力抑制室気相空間の蒸気分圧の飽和温度から前
記圧力抑制室気相空間の全圧力の飽和温度に変えたこと
を特徴とした原子炉格納容器内の圧力抑制方法である。
【0032】第17手段は、原子炉格納容器内の漏洩蒸
気を圧力抑制室内のプール水中に放出して凝縮し、前記
凝縮による前記プール水中の蓄熱を前記原子炉格納容器
外へ排出する方法において、前記圧力抑制室への前記蒸
気の放出位置の高さよりも高い位置の前記プール水の領
域と前記蒸気の放出位置の高さよりも低い位置の前記プ
ール水領域とを連通し、前記連通途中の前記プール水を
冷却して温度依存による密度を高めて前記蒸気の放出位
置の高さよりも高い位置の前記プール水の領域から前記
蒸気の放出位置の高さよりも低い位置の前記プール水領
域への循環駆動力を得ることを特徴とした原子炉格納容
器内の圧力抑制方法である。
【0033】
【作用】第1手段の作用は、ドライウエルに漏れでた高
温高圧蒸気がドライウエル内の不凝縮性気体とともに圧
力抑制室のプール水中に圧送されて、蒸気は凝縮され、
不凝縮性気体はウエットウエルに溜る。この凝縮により
圧力抑制プール水は昇温するものの蒸発抑制手段により
蒸発が抑制されるから、従来はウエットウエルの蒸気分
圧の飽和温度から始まるプール水の蒸発が、ウエットウ
エルの全圧力の飽和温度から始まる。このために、同じ
ウエットウエル圧力下においても、圧力抑制プール水温
度をより高い温度で存在させることが出来る。このため
に、圧力抑制プールと原子炉格納容器外との温度差を大
きくして放熱効果を向上できる。
【0034】第2手段の作用は、第1手段の作用におい
て、圧力抑制プールが伝熱性の良い鋼製の壁を介して冷
却手段に冷却されるから温度差がより大きくなり、放熱
効果がより一層良くなる。
【0035】第3手段の作用は、ドライウエルに漏れで
た高温高圧蒸気がドライウエル内の不凝縮性気体ととも
に圧力抑制室のプール水中に圧送されて、蒸気は凝縮さ
れ、不凝縮性気体はウエットウエルに溜る。蒸気が凝縮
する際にプール水に移行した熱によりプール水は蒸発し
てプール水に面した領域はその蒸発蒸気と不凝縮性気体
の混合流体が存在する。他の領域は比較的低温であるか
らその混合流体が他の領域に入って来ると混合流体中の
蒸気は凝縮して液体と成り圧力は低下し、他の部屋には
蒸気のほとんど無い不凝縮性気体の領域と成り、プール
水に面した領域は逆にほぼ蒸気だけの領域になり、格納
容器の耐圧を考慮するに比較的圧力の高いウエットウエ
ルの蒸気圧力を考慮すれば良い状態と成り、プール水の
許容温度を格納容器の耐圧相当の飽和蒸気温度にまで高
めることが出来、その分だけ圧力抑制プールとその外側
との間の温度差を大きく出来、放熱能力が高まる。そし
て、両領域間は狭い流路で連通されているから、他の領
域への混合流体の侵入は徐々に行われて混合流体中の蒸
気に対する凝縮が間に合わなくなることを抑制でき、確
実に不凝縮性気体と蒸気との分別収集が可能となる。
【0036】第4手段の作用は、第3手段の作用を、圧
力抑制プール水水面に接しない領域から圧力抑制プール
水中へ凝縮した流体を戻して不凝縮性気体の充満度合い
を高めて確実に成すようにできる。
【0037】第5手段の作用は、ドライウエルに漏れで
た高温高圧蒸気がドライウエル内の不凝縮性気体ととも
に圧力抑制室のプール水中に圧送されて、蒸気は凝縮さ
れ、不凝縮性気体はウエットウエルに溜る。この凝縮に
より圧力抑制プール水は昇温するものの、プール水面に
浮遊した疎水性物質の層によりプール水表面と圧力抑制
室内気相空間との接触が断たれるから、従来はウエット
ウエルの蒸気分圧の飽和温度から始まるプール水の蒸発
が、ウエットウエルの全圧力の飽和温度から始まる。こ
のために、同じウエットウエル圧力下においても、圧力
抑制プール水温度をより高い温度で存在させることが出
来る。このために、圧力抑制プールと原子炉格納容器外
との温度差を大きくして放熱効果を向上できる。
【0038】第6手段は、ドライウエルに漏れでた高温
高圧蒸気がドライウエル内の不凝縮性気体とともに圧力
抑制室のプール水中に圧送されて、蒸気は凝縮され、不
凝縮性気体はウエットウエルに溜る。この凝縮によりベ
ント管出口よりも上層の圧力抑制プール水が昇温する。
その高温のプール水は対流促進管を通って外周プールに
より冷却され、その冷却により対流促進管内のプール水
の密度が大きくなり、下方降下してベント管出口よりも
下層の圧力抑制プール内に戻るという循環流が生じる。
この様な循環により冷却が促進されて、放熱効果が上が
る。
【0039】第7手段は、第6手段の作用において、対
流促進管の上方の開口部とベント管の出口との高さの差
が、ベント管の出口と対流促進管の下方の開口部との高
さの差より大きいから、循環が維持できる密度差が長期
に確実に維持できる作用が得られる。
【0040】第8手段の作用は、第6手段の作用又は第
7手段の作用において、圧力抑制プール水が、上方のヘ
ッダ管から複数の伝熱管に分流して再度下方のヘッダ管
に合流させられるから、放熱面積が広い割には格納容器
を貫通する流路が少なくてすみ、格納容器の健全性と放
熱の向上とを両立できる。
【0041】第9手段の作用は、ドライウエルに漏れで
た高温高圧蒸気がドライウエル内の不凝縮性気体ととも
に圧力抑制室のプール水中に圧送されて、蒸気は凝縮さ
れ、不凝縮性気体はウエットウエルに溜る。この凝縮に
より圧力抑制プール水は昇温して蒸発し、ウエットウエ
ルに蒸気も溜る。この蒸気はウエットウエル冷却水プー
ルにより冷却されて凝縮される。又外周プールにより圧
力抑制プールは冷却される。これら両者の冷却により、
格納容器内の圧力が抑制される。ウエットウエル冷却水
プールは外周プールとは独立しているから、ウエットウ
エル冷却水プールのプール水の水頭が外周プールのプー
ル水の水頭と累積して格納容器の同一個所に加わること
が無いから、水冷による冷却効果の良さを維持しながら
も、格納容器の健全性を維持できる。
【0042】第10手段の作用は、第9手段の作用に記
載の原子炉格納容器において、ウエットウエル冷却水プ
ールに対応する圧力抑制室内の壁をリング状構造物で補
強してより一層の格納容器の健全性を達成できるし、そ
のリング状構造物が凝縮面積を拡大するので冷却効果が
より高まる。
【0043】第11手段の作用は、第3手段の作用又は
第4手段の作用又は第5手段の作用において、第6手段
の作用から第8手段の作用までのいずれか1手段の作用
を重畳させて放熱効果を向上できる。
【0044】第12手段の作用は、第3手段の作用又は
第4手段の作用又は第5手段の作用において、対流促進
板でプール水の対流領域を拡大して鋼製の壁からの放熱
を向上させ、放熱作用の向上が成される。
【0045】第13手段の作用は、第3手段の作用又は
第4手段の作用又は第5手段又は第6手段の作用又は第
7手段の作用又は第8手段の作用又は第11手段の作用
又は第12手段の作用において、ウエットウエル冷却水
プールでウエットウエルも水冷して冷却効果を高めると
ともに水冷によるプール水の荷重分布を外周プールとは
分散して格納容器の健全性を維持する作用が加わる、又
はそれに加えて、リング状構造物で格納容器を補強して
より健全性を高め、さらにはリング状構造物が凝縮面を
広げる作用を成して冷却効果をより高める作用が加わ
る。
【0046】第14手段の作用は、プール水領域に蒸気
が吐出されると、蒸気は凝縮されてプール水が昇温し、
蒸発しようとするがその蒸発は蒸発抑制手段により抑制
され、従来気相の蒸気分圧の飽和温度から始まる蒸発
を、気相の全圧力の飽和温度から始まるように変更でき
るので、同じ圧力下においてもプール水をより高い温度
で存在できるように出来る。このために、プールとその
外側との温度差を大きくして外側への放熱量を大きく出
来る。
【0047】第15手段の作用は、冷却材喪失事故によ
る圧力抑制室内の不凝縮性気体とプール水からの蒸気と
の混合流体を前記不凝縮性気体と前記プール水からの蒸
気とに分別してプール水許容温度を格納容器耐圧の飽和
蒸気温度とし、プール水温度と格納容器外温度との差を
大きくする作用が得られる。その大きな温度差により放
熱効果が向上する。
【0048】第16手段の作用は、冷却材喪失事故によ
り昇温したプール水から気相空間への蒸発作用を抑制し
て、プール水の蒸発を気相の全圧力の飽和温度から始ま
るようにし、プール水を高い温度に存在させる。このこ
とにより、プール水温度と格納容器外温度との差を大き
くする作用が得られる。その大きな温度差により放熱効
果が向上する。
【0049】第17手段の作用は、冷却材喪失事故によ
り昇温した上層のプール水と下層のプール水中を連通す
る流路内のプール水が冷却されて密度が高められ、降下
することにより循環力が得られ、昇温した上層のプール
水が下層のプール水中へ循環し、プール水中の温度の均
等化を成し、プール水中での蓄熱領域の拡大と放熱効率
の高い領域の拡大とが成される。そのプール水は循環途
中においても冷却されるから循環途中の放熱も有って、
全体として放熱効果が良くなる。
【0050】
【実施例】原子炉格納容器の圧力抑制室の許容温度は、
次のように定まる。原子炉格納容器の圧力バウダリーで
ある容器壁に接するウエットウエルの圧力はウエットウ
エル内の不凝縮気体分圧と蒸気分圧の和である。事故時
における不凝縮性気体分圧の最高値は通常運転時に原子
炉格納容器内にある全ての不凝縮性気体がウエットウエ
ルに蓄積されるので原子炉格納容器の全気相体積とウエ
ットウエル体積の比から定まるものである。また、蒸気
分圧は圧力抑制プール表面温度の飽和蒸気圧として定ま
る。事故時において、この両圧力の和であるウエットウ
エルの圧力が容器の耐圧以下となるように、すなわち蒸
気分圧が容器の耐圧と不凝縮性気体分圧の差の圧力以下
となるように、圧力抑制プール温度を制限する必要が有
り、これが許容温度になる。
【0051】本発明の基本的実施例は大きく分けて四例
である。
【0052】第1の基本的実施例では、以下の動作によ
り圧力抑制室の許容温度を上昇させて外周囲との温度差
を大きくし、大きな温度差により大量の熱を外周囲に放
熱作用を得る。即ち、事故時に原子炉格納容器のドライ
ウエルの不凝縮性気体は原子炉容器から放出される蒸気
に押し出されかつ同伴されてベント管から圧力抑制プー
ルに流入する。この時不凝縮性気体は、まず圧力抑制プ
ール表面に接する空間(以下第1空間と称する)に蓄積
しその領域の圧力を上昇させた後、圧力差に基づいて、
区画された別の空間(以下第2空間と称する)に流入す
る。その後、ベント管を通して圧力抑制プールに蒸気が
流入しプール中で凝縮する結果、圧力抑制プールの水温
が上昇し、第1空間の蒸気分圧が上昇し全圧力も上昇す
る。第1空間内では気相の循環・混合が制限されていな
いので、不凝縮性気体と蒸気が均一に混合される。この
気相は第2空間との圧力差により、第1空間から第2空
間に流入する。第2空間は冷却されており、前記の作用
により不凝縮性気体を伴って流入してきた蒸気の一部あ
るいは全部を凝縮する結果、第2空間の圧力は、第1空
間の圧力より低くなる。
【0053】これにより、再び第1空間から不凝縮性気
体を伴った蒸気が第2空間に流入する。この動作が繰り
返されることによって、ウエットウエル内の不凝縮性気
体は全て第2空間に蓄積される。第2空間から第1空間
への気相の戻りは制限されているため、第1空間は、蒸
気のみが満たされ該空間の圧力としては、蒸気圧力だけ
を考慮すれば良い状態になる。この時第2空間で必要と
される冷却量は、両空間をつなぐ流路を通って流入する
蒸気を第1空間での温度より低くするための量であり、
大きな量を必要としない。
【0054】また、ウエットウエルを区画する方法は、
上下方向に区画するなどにより、原子炉格納容器の大き
さに影響を与えることはない。以上の動作の結果、圧力
抑制プールの許容温度としては、容器耐圧の飽和蒸気温
度とする作用を得る。これにより、原子炉格納容器壁の
板厚を変えること無く同一の圧力容器耐圧条件下で、許
容される圧力抑制プール水温を上昇させることができ、
ひいては圧力抑制プールと外周プール間の温度差を増大
し、放熱特性を向上させる作用を得る。この結果、原子
炉格納容器形状が同じであってもより大出力のプラント
に適用が可能となる。
【0055】第2の基本的実施例では、以下の動作によ
り圧力抑制室の温度を上昇させて外周囲との温度差を大
きくし、大きな温度差により大量の熱を外周囲に放熱作
用を得る。即ち、圧力抑制プール表面に、例えばシリコ
ンオイルやスピンドルオイルのような、飽和蒸気圧が低
く、水より密度が小さい疎水性物質の層を形成させる
と、疎水性物質の層でプール水とウエットウエルは隔離
された状態になる。疎水性物質の温度は圧力抑制プール
表面の水温に等しくなるが、飽和蒸気圧が低いため温度
上昇によるウエットウエルの圧力増加は小さい。その
内、圧力抑制プールの温度が上昇し、ウエットウエルの
圧力が低く保たれているので、圧力抑制プールの水が沸
騰を始める。圧力抑制プールの沸騰で発生した蒸気は表
面の疎水性物質の層を通過しウエットウエルに流入し圧
力を上昇させる。ただし、ウエットウエルはプール表面
とは隔離されているため湿度が低く過熱蒸気(温度が蒸
気分圧に対する飽和温度より高い)の状態となる。そし
て、ウエットウエルの全圧力(不凝縮性気体分圧と蒸気
分圧の和)が圧力抑制プールの水温の飽和圧力になると
圧力抑制プールの沸騰が停止する。この現象が繰り返さ
れるわけである。すなわち、プール表面に疎水性物質の
層を形成させたことにより、従来はウエットウエルの蒸
気分圧の飽和温度からはじまるプール水の蒸発を、ウエ
ットウエルの全圧力の飽和温度から始まるようにするこ
とができる。言い替えれば、同じウエットウエル圧力下
においても、圧力抑制プール水温度をより高い温度で存
在できるようにすることができる。ウエットウエルを冷
却した場合、前述の手段においてウエットウエルを区画
する構造壁の部分を疎水性物質によって代用していると
考えることもできる。以上の理由により本手段では、ウ
エットウエル内の許容される蒸気分圧が同じ(容器の耐
圧が同じ)でも許容される圧力抑制プール水温を上昇さ
せることができ、ひいては圧力抑制プールと外周プール
間の温度差を増大し、放熱特性を向上させる作用を得
る。この結果、原子炉格納容器形状が同じであってもよ
り大出力のプラントに適用が可能となる。
【0056】第3の基本的実施例では、以下の動作によ
り原子炉格納容器からの放熱量を大きくしている。即
ち、冷却材喪失時に圧力容器からドライウエルへ放出さ
れた蒸気は、ベント管を通して圧力抑制プール内に導か
れプール水中で凝縮する。これにより、ベント管出口よ
りも上部の圧力抑制プール水温が上昇し、ベント管出口
における蒸気凝縮による加熱で形成されるプール内の対
流によって、該領域の温度は一様な高温状態となる。一
方この時点では、ベント管出口より下部のプール水温は
上昇せず、ベント管出口の高さに温度成層が形成され
る。この時、本手段の対流促進管の上下端間における圧
力抑制プールと対流促進管の密度状態を考えてみる。ベ
ント管出口より上方の圧力抑制プールは相対的に高温で
あり密度は小さく、対流促進管側は相対的に低温で密度
が大きい状態である。この結果、考慮している区間の下
端における水頭(密度と高さの積:ρgh)は、対流促
進管側が大きいため対流促進管内を流下して圧力抑制プ
ール内に流入する循環が形成される。これにより、圧力
抑制プール上方の高温水が対流促進管の上部に流入する
が、対流促進管はより低温の外周プール中に浸されてい
るため管壁を通して放熱が起こり、徐々に低温となって
対流促進管内を流下する。この作用により、ベント管出
口より上方では常に対流促進管側の密度ひいては水頭が
大きい状態が維持され、対流促進管を下向きに流れる循
環の駆動力が形成されている。一方ベント管出口より下
側の区間では、循環により対流促進管側がまず高温とな
るため上記の循環の駆動力を打ち消す方向の密度(水
頭)状態となるが、対流促進管の下端の位置を適正に設
定する(すなわち、対流促進管の下端の位置を上方で形
成された下向きの駆動力を完全に打ち消すことがない位
置とする)ことにより対流促進管を下向きに流れる循環
を維持しつつ、かつベント管出口より下側の領域に相対
的に高温の水を流入させることができる。この作用でベ
ント管出口より下の領域に流入した温水が該領域の水温
を上昇させ、このことがベント管出口より下側の領域に
おいて形成される循環の駆動力を打ち消す方向の密度
(水頭)状態を解消し、循環を促進させる。以上の作用
の繰返しにより、ベント管出口より下側の領域の水温も
継続的に上昇させる作用を得る。この時、ベント管出口
より下方の領域の水温は、対流促進管下端から流入する
水温にほぼ等しくなるので、外周プール水温より低くな
ることはない。これにより、圧力抑制プールのベント管
出口より下方の低温領域に相対的に高温のプール水を恒
常的に循環させ、炉心からの熱を吸収する領域を増大さ
せるとともに、外周プールへの放熱に関する伝熱面積を
高温となる圧力抑制プール領域に対応した原子炉格納容
器壁だけではなく対流促進管壁も伝熱面として利用でき
る。対流促進管は、常識的に原子炉格納容器直径より小
さいので、原子炉格納容器耐圧に影響を与えることなく
任意に設置することができるので、原子炉格納容器寸法
・原子炉格納容器耐圧を変更することなく伝熱面積を増
大させることができ、ひいては放熱量を増大させる作用
を得る。この結果、原子炉格納容器の主要寸法などが同
じであってもより大出力のプラントに適用が可能とな
る。
【0057】第4の基本的実施例では、以下の動作によ
り原子炉格納容器からの放熱量を大きくしている。即
ち、原子炉格納容器外周に冷却水プールを備えた自然放
熱型原子炉格納容器において、圧力抑制室のプール水領
域だけでなくウエットウエル領域にも熱的に接するよう
に外周プールの水位を高くすれば、ウエットウエルを冷
却することができる。しかし、通常時に原子炉格納容器
内が常圧の場合には、原子炉格納容器の外周プールと接
する領域に圧力抑制プールと外周プールの水位差に相当
する圧力がかかる。そこで、原子炉格納容器の外周部に
圧力抑制室のプール水領域に熱的に接する外周プールと
ウエットウエル領域に熱的に接するウエットウエル冷却
水プールを独立に備えることにより、原子炉格納容器に
かかるプールの水頭圧を低減しつつ広い範囲を水冷によ
る冷却を成し、放熱を促進する。
【0058】以上の基本的な実施例は、実施上互いに干
渉することがないので、それぞれを組合せて使用するこ
とができる。この場合、それぞれの効果が重畳され、そ
れぞれの手段を単独で用いた場合よりも効果を大きくす
ることができる。
【0059】以下に具体的な各実施例につき図面に基づ
き説明する。
【0060】第1の基本的実施例を図1により説明す
る。本実施例は、本発明を直径34mの鋼製原子炉格納
容器に適用した例である。ここで原子炉格納容器直径を
34mとしたのは、これだけの寸法があれば、電気出力
600MW級から1500MW級のプラントについては
原子炉容器,配管系および運転に必要な主要機器を、配
置上の観点からは標準的に収容できることによる。な
お、以下で述べる他の実施例も、同じ直径の格納容器を
対象としている。対象とする格納容器は、炉心1を内包
する原子炉圧力容器2、原子炉圧力容器2の外周に設置
された圧力抑制プール5とその上部の気相空間ウエット
ウエル6から成る圧力抑制室4,ドライウエル3と圧力
抑制プール5を連結するベント管7,鋼製の原子炉格納
容器壁8に接し前記圧力抑制プール5の外側に設置され
た外周プール9から構成されている。その他の構成要素
としては、原子炉容器2より上部に位置し逆止弁28を
介して原子炉容器2と連結された蓄圧注水タンク25と
重力落下水タンク26、ならびに圧力抑制プール5と原
子炉容器2を逆止弁を介して連結する冠水系27があ
る。
【0061】本実施例の特徴となる構成要素は、次のも
のである。前記ウエットウエル6は、区画壁63により
圧力抑制プール表面に接する第1空間61とそうでない
第2空間62に区画され、両空間は区画壁63を貫通す
る配管64で連通してあるとともに、第2空間の底部と
圧力抑制プール水中をつなぐ配管65が設けられてい
る。また、ウエットウエルの第2空間の位置にある鋼製
格納容器壁8の外側には、下部から空気を吸い込み建屋
の上部から排出する空気流路66が設けられている。こ
の圧力抑制室部分の拡大図を図2に示す。
【0062】図1および図2により、本実施例の動作を
説明する。原子炉の安全設計で想定する冷却材喪失事故
時には、原子炉圧力容器2内の冷却材は高温高圧の蒸気
としてドライウエル3へ流出する。炉心1には制御棒
(図示せず)が挿入され核分裂反応が停止するが、炉心
ではその後も長期に渡り崩壊熱が発生する。この時、原
子炉容器2の圧力低下に従い、蓄圧注水タンク25,重
力落下水タンク26および冠水系27から圧力差,重力
差で冷却水が原子炉容器2に注水され、炉心1の冠水が
維持される。炉心1での崩壊熱はこの冷却水の蒸発によ
り除去され、破断箇所から蒸気がドライウエル3に放出
される。
【0063】これにより、ドライウエル3の圧力が上昇
しベント管7内の水を押し下げ、蒸気は圧力抑制プール
5に流入してプール水中で凝縮される。この時ドライウ
エル内にあった不凝縮性気体は放出された蒸気に押し出
されかつ同伴されて圧力抑制プールに流入し、プール中
を上昇して第一空間61に蓄積される。この蓄積によ
り、第1空間61の圧力は上昇するため、不凝縮性気体
は配管64を通って第2空間62に流入する。ドライウ
エルからウエットウエルへの不凝縮性気体の移行は、想
定した事故発生後の数分間で終了し、それ以降は原子炉
容器2から放出される蒸気のみが圧力抑制プールに流入
する。
【0064】圧力抑制プール5内での蒸気凝縮の際に発
生する潜熱によりベント管出口13付近のプール水が加
熱され、対流によりベント管出口13から上方のプール
水温がほぼ一様に上昇する。この温度上昇につれて、プ
ール表面から蒸発が起こり第1空間61内の蒸気分圧も
上昇し空間の圧力が上昇する。そして、発生した蒸気が
第1空間61に残存している不凝縮性気体を同伴して第
2空間62に流入する。第2空間62に流入した蒸気は
鋼製の格納容器壁8を介して外側の流路66を通る空気
に放熱し壁面で凝縮後、配管65を通って圧力抑制プー
ル5に戻る。
【0065】第2空間62を冷却する自然通風冷却は、
単位面積当りの冷却能力は小さいが、伝熱面となる格納
容器壁8の面積が広いことおよび配管64を通って流入
する蒸気量が少ないことから、第2空間62に流入した
蒸気を凝縮し第1空間61よりも低温の状態を維持する
ことができる。
【0066】ここで、配管64では第1空間61から来
る気体の流れにより、また配管65では配管が浸ってい
る圧力抑制プール水によって、一旦第2空間62に流入
した不凝縮性気体が第1空間61に戻ることが防止され
る。以上のように前記の動作の項で説明した動きが繰り
返されることにより、不凝縮性気体のほぼ全量が第2空
間62に蓄積され、第1空間61は圧力抑制プール表面
温度に等しい温度の蒸気に満たされる。
【0067】ところで、想定した事故時における格納容
器からの基本的な放熱は、高温となった圧力抑制プール
5から鋼製格納容器壁を介して外周プール9への放熱に
よって達成される。本実施例による放熱特性の向上を、
図3により説明する。
【0068】図は想定した事故後の時間に対する格納容
器圧力の変化について、本実施例を適用した場合としな
い場合について比較している。図中破線で示した本実施
例を適用しない場合、時間の経過につれて圧力抑制プー
ル水温が上昇し格納容器圧力が上昇するが、圧力抑制プ
ール水温の上昇にともない外周プールへの放熱量も増加
し、ついには炉心で発生する崩壊熱を上回り格納容器圧
力は低下を始め、格納容器圧力を容器の耐圧以下に抑え
ている。この成立しているプラント出力を規格化した出
力1.0 と定義する。図中実線のAで示した本実施例を
採用した規格化したプラント出力1.0 の場合は、動作
の項に述べたように、格納容器圧力は不凝縮性気体の分
圧と蒸気分圧の和ではなく蒸気分圧のみを考慮すれば良
いため、想定した冷却材喪失事故時の最高圧力は低いも
のとなっている。すなわち、本実施例では、この低くな
った圧力に対応して圧力抑制プール水温の上昇が許容さ
れ、大気開放されてその上限温度が100℃に制限され
る外周プールとの温度差を拡大できるため、放熱特性が
向上し、同一寸法の格納容器をより大出力のプラントに
適用できる。本実施例では圧力抑制プールの許容温度を
約122℃から約144℃に上昇させることができる。
本実施例を適用した場合、格納容器の圧力抑制は図中実
線のBで示すように規格化したプラント出力1.6 で成
立し、適用可能なプラント出力を1.6 倍とすることが
できる。
【0069】なお、格納容器圧力が低下傾向に移ると、
第2空間62の圧力が第1空間61の圧力より高くな
り、第2空間62内に蓄積されていた不凝縮性気体の一
部が配管64を通って第1空間61に戻るが、この時点
では放熱量が崩壊熱を上回っており、放熱特性上問題と
はならない。この不凝縮性気体の戻りを防止したい場合
は、該配管64途中に逆止弁を設置するだけで良い。ま
た、本実施例では、第2空間62での凝縮水の戻り配管
65を設けているが、この配管を設けなくても事故時に
第2空間に水が溜るだけであり、動作上問題はない。
【0070】別の実施例を、図4により説明する。本実
施例で上述の実施例と異なっている点は、格納容器壁8
側で区画壁63に段差を持たせ、第2空間62を下側に
拡張して、その拡張した領域が圧力抑制プール5の水位
よりも上部にある外周プール水と熱的に接するようにす
るとともに、凝縮水が戻るための配管65を、第2空間
62で下側に拡張した領域の底部に設けたことである。
本実施例のようなプール水による冷却は、上述で述べた
空気の自然通風に比べ放熱特性が良く、第2空間62の
冷却に必要な伝熱面積を小さくすることができるので、
大きな伝熱面積を必要とし格納容器の相対的に上部の領
域での設置,保守が必要になる空気冷却の手段を不要な
ものとすることができる。実施例全体における放熱特性
は、図3により説明したものと同じである。
【0071】第2の基本的実施例を図5により説明す
る。図1に示した実施例との相違点は、ウエットウエル
6を区画する構造体を設ける変わりに、圧力抑制プール
5表面に100℃以上でも飽和蒸気圧が低く、水より密
度が小さい、例えば、シリコンオイルやスピンドルオイ
ルのような疎水性物質の層51を形成する点である。本
実施例では、事故時初期に蒸気とともにドライウエルか
ら移行する不凝縮性気体は、圧力抑制プール水5および
疎水性物質の層51を通過してウエットウエル6に蓄積
する。一方、ベント管7から流入する蒸気はプール水中
で凝縮し、プール水ならびに疎水性物質の層51を加熱
する。しかし、ウエットウエル6に接するプール表面が
飽和蒸気圧の低い疎水性物質であるため、プール水温が
上昇してもウエットウエル6内の蒸気分圧の上昇は小さ
く(ほとんど0)疎水性物質の蒸気分圧を考慮する必要
はない。そして、本実施例のように、圧力抑制プール5
表面に飽和蒸気圧が低く水より密度が小さい疎水性物質
の層51を形成することによって、前述の動作の項で述
べたように圧力抑制プール5表面からのプール水の蒸発
が抑制される。したがって、ウエットウエル6の圧力が
低い状態で、圧力抑制プール5の水温が高い状態を実現
することができる。すなわち、格納容器の寸法を変更す
ることなく圧力抑制プールの許容温度を上昇させること
ができる。
【0072】また、本実施例のようにウエットウエルを
空気の自然通風で冷却する場合は、動作の項で述べたよ
うに図1に示した実施例における区画壁63,配管64
および65を疎水性物質で代用したと考えることもでき
るので、その放熱特性の向上は図3に示したものと同じ
になる。すなわち本実施例では、圧力抑制プールの許容
温度を約122℃から約144℃に上昇させることがで
き、適用可能なプラント出力を1.6 倍とすることがで
きる。
【0073】第3の基本的実施例を、図6により説明す
る。本実施例の特徴となる部分は、圧力抑制プール水中
の鋼製格納容器8に、ベント管出口13を挾んで上下の
位置に上方開口部10と下方開口部11を設け、外周プ
ール9水中にあって該上方開口部10と下方開口部11
を連結する対流促進管12を設けたことである。それ以
外の主要構成要素は、図1と同じである。本実施例で
は、上方開口部10とベント管出口13との高さの差
が、ベント管出口13と下方開口部11との高さの差よ
りも大きくなるように、ベント管出口13と開口部1
0,11が設置されている。
【0074】想定した冷却材喪失事故時に原子炉容器2
から放出される蒸気は、ベント管出口13を通って圧力
抑制プール5に流入しプール水中で凝縮される。圧力抑
制プール5内での蒸気凝縮の際に発生する潜熱により蒸
気出口13付近のプール水が加熱され、対流によりベン
ト管出口13から上方のプール水温がほぼ一様に上昇す
る。これにより、対流促進管12の設置された区間の密
度状態は、高温となった圧力抑制プール水で小さく低温
の対流促進管12内で大きくなる。この密度差により、
対流促進管12を下降する流れが生じ、上方開口部10
を通って高温の圧力抑制プール水が対流促進管12の上
部に流入する。流入した高温水は対流促進管12が外周
プール水に浸っていることから管内で冷却され、徐々に
低温となりながら流下する。
【0075】この結果、対流促進管12の設置されてい
る区間の密度の大小状態は変わらず、対流促進管12を
下降する流れが定常的に形成される。そして、外周プー
ル水温より高い状態の水が下方開口部11を通って、圧
力抑制プール5のベント管出口13より下方の領域に流
入し該領域を温めるのは、前述の動作の項に記載した通
りである。
【0076】想定した冷却材喪失事故後の、ある時刻に
おける圧力抑制プール5と対流促進管12の高さ方向の
温度分布ならびに密度分布を図7に示す。温度的には、
圧力抑制プール5のベント管出口13より上方の区間が
ベント管からの蒸気により一様に高温となり、対流促進
管12内で冷却されるため高さが低くなるにつれて直線
的に水温が低下し、この下端における温度の水が流入す
る結果、圧力抑制プール5のベント管出口13より下方
の領域もほぼその温度となる。
【0077】ここで、対流促進管12内で温度が直線的
に低下するのは、対流促進管の直径が一様であり、結果
外周プールでの冷却も高さ方向に一様であるためであ
る。また、圧力抑制プール5のベント管出口13より下
方の領域の水温が流入した水温とほぼ同じ温度としてい
るのは、事象が長期間にわたる緩やかなものであり準定
常と扱えるためである。水の密度は水温に逆比例するこ
とは知られており、図7の右側に示したように温度分布
を裏返したような分布となる。図から分かるように、ベ
ント管出口13より上方の区間では、対流促進管12側
の密度が大きく対流促進管内を下降する方向に駆動力
(水頭)が働く。この下向きの駆動力の総和は、図中で
両領域の密度の線により形成される三角形aの面積とな
る。一方、ベント管出口13より下側の区間では、逆に
圧力抑制プール側の密度が大きく、この区間での駆動力
は上方で発生した下向きの駆動力を打ち消す方向とな
る。このベント管出口より下方で発生する上向きの駆動
力の総和(すなわち、図中の密度の線で形成される三角
形bの面積)が、上方で発生する下向きの駆動力の総和
より小さければ、全体的な流れとして対流促進管12内
を下降する流れとなる。
【0078】すなわち、図中の上の三角形aの面積が下
の三角形bの面積より大きい条件であれば、対流促進管
12内を下降する全体的な流れが定常的に形成され本手
段が有効に動作する。このことから本実施例のように対
流促進管12の形状が一様で冷却状況も一様となる場合
に、本手段が有効に動作する条件は、前記の本実施例の
説明にあるように、上方開口部10とベント管出口13
との高さの差(図中のL1)をベント管出口13と下方
開口部11との高さの差(図中のL2)よりも大きくする
ことである。
【0079】以上のごとく、本実施例では動作の項に述
べたと同じ動作を実現でき、圧力抑制プール5から外周
プール9への放熱面積を拡大して放熱特性を向上でき
る。本実施例の放熱特性の向上を、図8により説明す
る。図は、前述の図3と同様に想定した事故後の時間に
対する格納容器圧力の変化について、本実施例を適用し
た場合としない場合について比較している。なお、図中
実線で示した本実施例を適用した場合の条件としては、
直径50mmの対流促進管12を約500本設置したこと
を想定している。対流促進管12は、格納容器の全周に
わたって設置することができるので、実施上の問題はな
い。規格化したプラント出力1.0 に本実施例を適用し
た場合は、図中の実線Aで示すように放熱面積が拡がっ
ていることから、想定した事故時の最高圧力が実施例を
適用しない場合(図中の破線)より低くなっている。こ
の低くなった圧力に対応した分だけ、より大出力のプラ
ントに適用できるわけである。適用可能な規格化したプ
ラント出力は、図中の実線Bに示すように1.5であ
り、本実施例により適用可能なプラント出力を1.5倍
にすることができる。
【0080】別の実施例を図9により説明する。図6に
示した実施例との相違点は、上方開口部10及び下方開
口部11の原子炉格納容器壁8の内外に隔離弁21を備
えた点である。なお、図9は図6のうち圧力抑制プール
及び外周プール部分を切り出して示したものである。通
常運転時には隔離弁21は開状態であるが、定期検査時
に隔離弁21を閉じることにより、原子炉格納容器と対
流促進管12を隔離して、対流促進管12の交換などの
保守点検を容易にすることができる。また、何らかの理
由で対流促進管12からのリークが発生した場合を想定
しても、該隔離弁21の閉操作により原子炉格納容器の
隔離を確実なものとすることができる。さらに別の実施
例を図10及び図11により説明する。これまでの実施
例との相違点は、上方開口部10に連結する上方ヘッダ
管31,下方開口部11に連結する下方ヘッダ管32、
及び上方ヘッダ管31と下方ヘッダ管32を連結する伝
熱管33によって対流促進管を構成していることであ
る。
【0081】図10は圧力抑制プール及び外周プール部
分の縦断面図であり、図11はA−A′から見た横断面
図である。上方ヘッダ管31と下方ヘッダ管32内の水
温は、流入する水によってそれぞれ一様となるので、動
作的には上述の実施例と同じである。
【0082】本実施例によって、上部開口部10および
下部開口部11の数を少なくすることができ、加工性,
製造性を向上することができるとともに、原子炉格納容
器の直径にかかわらずヘッダ管の直径を調整することで
伝熱管33を必要なだけ設置することができる。また、
伝熱管33を曲がりを持った形状とすることによって、
伝熱管33の温度変化による伸縮を吸収することができ
る。
【0083】別の実施例を図12により説明する。本実
施例では、対流促進管を上部の方では上方開口部10に
接続する上方ヘッダ管31と下方ヘッダ管32および両
ヘッダ管を連結する複数の伝熱管33で構成し、下部の
方では該下方ヘッダ管32と下方開口部11を相対的に
大口径の配管34により前記伝熱管33よりも少ない本
数で連結したことを特徴としている。
【0084】本実施例における、上方開口部10と下方
開口部11の区間における圧力抑制プールと対流促進管
の高さ方向の温度分布ならびに密度分布を、図13に示
す。本実施例の場合、対流促進管側では、上部と下部で
外周プールに接する表面積が一様でないため、冷却も表
面積の大きい上部の区間で大きくなる。この結果、対流
促進管内での温度分布は、上部の区間で温度低下率が大
きく下部では小さくなり、密度分布もそれに対応して図
に示したようになる。
【0085】この場合、下部の区間での対流促進管を下
降する流れを打ち消すような駆動力の発生も小さくな
り、下方開口部11を設置する位置を図7に示した実施
例の場合に比べてより下側の位置に設置することができ
る。これによって、圧力抑制プール5のベント管出口1
3より下側において、有効に活用できる領域を拡大する
ことができる。
【0086】第4の基本的実施例を図14により説明す
る。図14は圧力抑制室と外周プール部分を示したもの
である。圧力抑制プール5とウエットウエル6から成る
圧力抑制室4の外周に原子炉格納容器壁8に接して、主
に圧力抑制プール5と熱的に接する外周プール9と、ウ
エットウエル6に熱的に接するウエットウエル冷却水プ
ール41がある。
【0087】また、ウエットウエル6の原子炉格納容器
壁8に円周方向にリング状構造物42を設けている。原
子炉格納容器外の冷却用プールの水位の総和(実施例で
は外周プール9の水位とウエットウエル冷却水プール4
1の水位の和)を圧力抑制プール水位よりも高くする
と、吸熱源であるプール水に対する伝熱面積が確保され
ウエットウエル6からの放熱の増加によって放熱特性が
向上する。本実施例のように、原子炉格納容器外にある
冷却用の水のうち圧力抑制プール5の水位より過度に高
くなる部分については下側の外周プール9とは独立した
プールとすることにより、圧力抑制プール5部分で通常
運転時に水位差に基づく過度の外圧(水頭圧)がかかる
ことを防止できる。また、別置きにしたウエットウエル
冷却水プール41の水位により原子炉格納容器壁にかか
る外圧については、ウエットウエル6内の該当部分の原
子炉格納容器壁8にリング状構造物42を設けることに
より、原子炉格納容器壁の板厚を変更することなく対処
することができる。
【0088】このリング状構造物は、気相空間であるウ
エットウエル6の領域に設置するだけで良く、水中に設
置して水の対流を阻害する場合とは異なり、壁面での凝
縮伝熱を阻害することはなく放熱特性を劣化させること
はない。かえって、壁面での凝縮液膜の発達を構造物で
防止し、液膜の厚さの増加による壁面での伝熱特性を向
上させることも期待できる。
【0089】以上に述べた各基本的実施例のうち、第1
と第4の各基本的実施例を組合せた一実施例を図15に
より説明する。本実施例は基本的に、図1に説明した実
施例と図14に説明した実施例を組合せたものである。
【0090】本実施例では、区画したウエットウエルの
うち第2空間62に対応する部分に、ウエットウエル冷
却水プール41とリング状構造物42を設置している。
これにより第2空間の冷却を空気の自然通風冷却よりも
放熱特性の良いプール水による冷却とし、必要な伝熱面
積を低減することによって原子炉格納容器の外部で相対
的に上方における冷却手段の設置を不要なものとしてい
る。これにより、建設性,保守性の向上が可能となって
いる。また、図5に示した実施例と図14に示した実施
例を組合せることも同様に可能であることは、説明する
までもないと考える。
【0091】第3と第4の各基本的実施例を組合せた一
実施例を図16により説明する。本実施例は、原子炉格
納容器壁8の外側において圧力抑制プール5部分に図6
の実施例に示した対流促進管12を、ウエットウエル6
部分に図14の実施例に示したウエットウエル冷却水プ
ール41とリング状構造物42を設置している。これに
より、圧力抑制プール5からの放熱面積を拡大するとと
もに、ウエットウエルからの放熱特性を向上しかつ原子
炉格納容器壁8の外圧に対する耐圧性を向上させてい
る。
【0092】第1と第3と第4の各基本的実施例を組合
せた一実施例を、図17により説明する。本実施例は基
本的に、図1,図6および図14に説明した実施例を組
合せたものである。
【0093】本実施例では、ウエットウエルを区画する
ことで圧力抑制プールの許容温度を上昇させ、圧力抑制
プール5に対応した領域に対流促進管12を設置して放
熱面積を拡大するとともに、ウエットウエルの第2空間
62の冷却のために外周プール9とは別置きにしたウエ
ットウエル冷却水プール41とリング状構造物42を設
置して、容器の通常運転時の耐圧性,建設性ならびに保
守性を向上している。放熱特性の向上については、圧力
抑制プールの許容温度の上昇と伝熱面積の拡大の効果が
重なりあって、図18に示すように適用可能なプラント
出力を2.3 倍(成立する規格化したプラント出力が
2.3 )とすることができる。
【0094】ところで、圧力抑制プール内の高温領域拡
大は、従来技術の項に述べた日本原子力学会「1989
年秋の大会」の発表から、圧力抑制プール中に対流促進
板を設置することで実現することが知られている。この
技術と第1の基本的実施例を組合せた一実施例を図19
により説明する。本実施例は、図1に示した実施例にお
いて、圧力抑制プール5中に原子炉格納容器壁8に沿っ
て対流促進板70を設置したものである。このとき対流
促進板70の形状を、その上端と下端がベント管出口1
3を挾む高さ関係にあり、上端とベント管出口13の高
さの差がベント管出口と下端の高さの差より大きくする
ことで、圧力抑制プール内の高温領域が拡大すること
は、前記の発表で述べられたとおりである。本実施例に
よれば、対流促進板70の働きにより圧力抑制プール内
の高温領域が拡大し、原子炉格納容器壁8の部分に限定
されるけれども放熱面積が拡大するとともに、ウエット
ウエル6内の不凝縮性気体を第2空間62に集中的に集
められるので、圧力抑制プールの許容水温を上昇させる
ことができる。これにより、放熱面積の拡大とプール間
の温度差の増大で放熱特性を拡大することができる。
【0095】なお、原子炉格納容器壁が主としてコンク
リートで製造されたプラントにおいても、図20の一実
施例に示すように、圧力抑制プールおよびウエットウエ
ルに対応した領域を伝熱特性の良い鋼製とすれば、上述
の各基本的実施例を適用することができる。この実施例
においては、建屋の主要な構造壁は外周プール9の外側
の壁であり、従来コンクリートであった原子炉格納容器
壁を鋼性の原子炉格納容器壁8としても、建屋強度上問
題となることはない。本実施例では、鋼性の原子炉格納
容器壁8をその一部に持つ圧力抑制室内のウエットウエ
ルを区画して第1空間61と第2空間62を設置すると
ともに、鋼製の原子炉格納容器壁8部分にある圧力抑制
プール部分に対流促進管12を設置している。これによ
り、圧力抑制プールの許容水温を上昇させるとともに外
周プール9への放熱面積を拡大している。
【0096】以上に各手段の代表的な組合せを示した
が、他の組合せにおいても実施上あるいは効果上で、互
いに干渉しあい問題となることはない。
【0097】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ウエットウエ
ルの蒸気分圧の飽和温度から始まるプール水の蒸発を、
ウエットウエルの全圧力の飽和温度から始まる様に変更
出来て、同じウエットウエル圧力下においても、圧力抑
制プール水温度をより高い温度で存在させることが出来
るため、圧力抑制プールと原子炉格納容器外との温度差
を大きくして放熱効果を向上し、原子炉格納容器の圧力
抑制効果が向上し、より大出力な原子力プラントに対す
る原子炉格納容器の圧力抑制手段として利用できるとい
う効果が得られる。
【0098】請求項2の発明によれば、圧力抑制プール
が伝熱性の良い鋼製の壁を介して冷却手段に冷却される
から請求項1の発明による効果をよりきわだたせること
が出来る。
【0099】請求項3の発明によれば、原子炉格納容器
の圧力抑制プール水の許容温度を格納容器の耐圧相当の
飽和蒸気温度にまで高めることが出来、その分だけ圧力
抑制プールと外周プールとの間の温度差を大きく出来、
放熱能力が高まる上、圧力抑制プールは外周プールによ
る水冷を受けるから、原子炉格納容器の圧力抑制効果が
向上し、より大出力な原子力プラントに対する原子炉格
納容器の圧力抑制手段として利用できるという効果が得
られる。
【0100】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
による効果に加えて、圧力抑制プール水水面に接しない
領域から圧力抑制プール水中へ凝縮した流体を戻して圧
力抑制プール水に供することが出来る。
【0101】請求項5の発明によれば、ウエットウエル
の蒸気分圧の飽和温度から始まるプール水の蒸発を、ウ
エットウエルの全圧力の飽和温度から始まる様に変更出
来て、同じウエットウエル圧力下においても、圧力抑制
プール水温度をより高い温度で存在させることが出来る
ため、圧力抑制プールと原子炉格納容器外との温度差を
大きくして放熱能力が高まる上、圧力抑制プールは外周
プールによる水冷を受けるから、原子炉格納容器の圧力
抑制効果が向上し、より大出力な原子力プラントに対す
る原子炉格納容器の圧力抑制手段として利用できるとい
う効果が得られる。
【0102】請求項6の発明によれば、対流促進管を通
してのプール水の循環動作と、その対流促進管による放
熱面積の拡大と、対流促進管を外周プールで冷却するこ
とにより、放熱能力が高まるから、原子炉格納容器の圧
力抑制効果が向上し、より大出力な原子力プラントに対
する原子炉格納容器の圧力抑制手段として利用できると
いう効果が得られる。
【0103】請求項7の発明によれば、圧力抑制プール
水の循環が維持できる密度差が長期に確実に維持できる
から長期の放熱により請求項6の発明による効果を長期
に持続させえる。
【0104】請求項8の発明によれば、請求項6又は請
求項7のいずれかの発明による効果に加えて、放熱面積
が広い割には格納容器を貫通する流路が少なくてすみ、
格納容器の健全性と放熱の向上とを両立できる。
【0105】請求項9の発明によれば、原子炉格納容器
壁の広範囲に渡り、水冷による冷却効果の良さを維持し
ながらも、格納容器の健全性を維持できるから、より大
出力な原子力プラントに対する原子炉格納容器の圧力抑
制手段として利用できるという効果が得られる。
【0106】請求項10の発明によれば、請求項9の発
明による効果に加えて、より一層の原子炉格納容器の健
全性の向上を達成できるし、そのリング状構造物が凝縮
面積を拡大するので冷却効果がより高まり、より一層の
圧力抑制能力が向上する。
【0107】請求項11の発明によれば、請求項3又は
請求項4又は請求項5のいずれかの発明による効果に加
えて、請求項6から請求項8のいずれかの発明による効
果を重畳させて放熱効果を向上できる。
【0108】請求項12の発明によれば、請求項3又は
請求項4又は請求項5のいずれかの発明による効果に加
えて、圧力抑制プール水の対流領域の拡大して鋼製の壁
からの放熱性能の良い領域を拡大させ得るから、原子炉
格納容器の圧力抑制能力が高まる。
【0109】請求項13の発明によれば、請求項3又は
請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請
求項8又は請求項11又は請求項12のいずれかの発明
による効果に加えて、原子炉格納容器の健全性を維持し
た上で、ウエットウエル冷却水プールでウエットウエル
も水冷して原子炉格納容器の圧力抑制能力を高めること
が出来る。
【0110】請求項14の発明によれば、気相の蒸気分
圧の飽和温度から始まる圧力抑制プール水の蒸発を、気
相の全圧力の飽和温度から始まるように変更して、プー
ル水温度をより高い温度で存在できるようにし、プール
とその外側との温度差を大きくして外側への放熱量を大
きくし、大出力の原子力プラントにも採用できる圧力抑
制室を提供できる。
【0111】請求項15の発明によれば、プール水の許
容温度を圧力抑制室の耐圧の飽和蒸気温度とすることに
より、プールとその外側との温度差を大きくして外側へ
の放熱量を大きくし、大出力の原子力プラントに適した
圧力抑制方法を提供できる。請求項16の発明によれ
ば、プール水の蒸発を気相の全圧力の飽和温度から始ま
るようにし、プール水を高い温度に存在させて、プール
とその外側との温度差を大きくして外側への放熱量を大
きくし、大出力の原子力プラントに適した圧力抑制方法
を提供できる。
【0112】請求項17の発明によれば、プール水の蒸
発を気相の全圧力の飽和温度から始まるようにし、プー
ル水を高い温度に存在させて、プールとその外側との温
度差を大きくして外側への放熱量を大きくし、大出力の
原子力プラントに適した圧力抑制方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による原子炉設備の縦断面図で
ある。
【図2】図1に示した圧力抑制室及び外周プールの縦断
面を概念的に示した図である。
【図3】本発明の実施例による原子炉格納容器と本発明
の実施例によらない原子炉格納容器との原子炉格納容器
内の圧力解析結果を示したグラフ図である。
【図4】本発明の他の実施例による圧力抑制室及び外周
プールの縦断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施例による原子炉設備の縦
断面図である。
【図6】本発明の他の実施例による原子炉設備の縦断面
図である。
【図7】図6の実施例による圧力抑制プール及び対流促
進管内の水温・密度分布図である。
【図8】図6の実施例による原子炉格納容器と本発明の
実施例によらない原子炉格納容器との原子炉圧力容器内
の圧力解析結果を示したグラフ図である。
【図9】本発明の更に他の実施例による圧力抑制室及び
外周プールを示す縦断面図である。
【図10】本発明の他の実施例による圧力抑制室及び外
周プールの縦断面図である。
【図11】図10のA−A矢視による圧力抑制室及び外
周プールの一部分の横断面図である。
【図12】本発明の他の実施例による圧力抑制室及び外
周プールの縦断面図である。
【図13】図12の実施例による圧力抑制プール及び対
流促進管内の水温・密度分布図である。
【図14】本発明の更に他の実施例による圧力抑制室及
び外周プールの縦断面図である。
【図15】本発明の他の実施例による圧力抑制室及び外
周プールの縦断面図である。
【図16】本発明の更に他の実施例による圧力抑制室及
び外周プールの縦断面図である。
【図17】本発明の他の実施例による原子炉設備の縦断
面図である。
【図18】図17の実施例による原子炉格納容器と本発
明の実施例によらない原子炉格納容器との原子炉圧力容
器内の圧力解析結果を示すグラフ図である。
【図19】本発明の更に他の実施例による原子炉設備の
縦断面図である。
【図20】本発明の他の実施例による原子炉設備の縦断
面図である。
【符号の説明】
1…炉心、2…原子炉圧力容器、3…ドライウエル、4
…圧力抑制室、5…圧力抑制プール、6…ウエットウエ
ル、7…ベント管、8…原子炉格納容器壁、9…外周プ
ール、10…上方開口部、11…下方開口部、12…対
流促進管、13…ベント管出口、21…隔離弁、31…
上方ヘッダ管、32…下方ヘッダ管、33…伝熱管、4
1…ウエットウエル冷却水プール、42…リング状構造
物、51…疎水性物質の層、61…第1空間、62…第
2空間、63…区画壁、70…対流促進板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日高 政隆 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所 エネルギー研究所内 (72)発明者 隅田 勲 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所 エネルギー研究所内 (72)発明者 富永 研司 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平2−96689(JP,A) 特開 平2−176496(JP,A)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉心を内蔵した原子炉圧力容器と、前記原
    子炉圧力容器が配備されたドライウエルと、前記ドライ
    ウエルを収納した格納容器と、プール水領域とウエット
    ウエル空間とから成る圧力抑制室と、前記ドライウエル
    と前記プール水中とを連通する流路とを備えた原子炉格
    納容器において、前記プール水の水面上方に前記プール
    水の蒸発抑制手段を備えたことを特徴とした原子炉格納
    容器。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記格納容器は少なく
    とも圧力抑制室のプール水領域が前記プール水と内面に
    おいて接する鋼製の壁により構成され、前記鋼製の壁の
    外周面に対する冷却手段を備えていることを特徴とした
    原子炉格納容器。
  3. 【請求項3】炉心を内蔵した原子炉圧力容器が配備され
    たドライウエルと、圧力抑制プール水を保有する圧力抑
    制室と、前記ドライウエルと前記圧力抑制プール水中を
    連通するベント管と、前記圧力抑制プール水に接して前
    記圧力抑制プール水の外周囲を囲う鋼製の壁と、前記壁
    の外周面に接して冷却水を内蔵出来る外周プールとを備
    えた原子炉格納容器において、前記圧力抑制室内の圧力
    抑制プール上方に位置するウエットウエルを、前記圧力
    抑制プール水の水面と接する領域とそうでない領域に区
    画し、前記両領域を前記区画面よりも狭い面積の流路で
    連通するとともに、圧力抑制プール水水面に接しない領
    域を冷却する手段を備えたことを特徴とした原子炉格納
    容器。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の原子炉格納容器におい
    て、圧力抑制プール水水面に接しない領域の下部と圧力
    抑制プール水中を連通する流路を設けたことを特徴とし
    た原子炉格納容器。
  5. 【請求項5】炉心を内蔵した原子炉圧力容器が配備され
    たドライウエルと、圧力抑制プール水を保有する圧力抑
    制室と、前記ドライウエルと前記圧力抑制プール水中を
    連通するベント管と、前記圧力抑制プール水に接して前
    記圧力抑制プール水の外周囲を囲う鋼製の壁と、前記壁
    の外周面に接して冷却水を内蔵出来る外周プールとを備
    えた原子炉格納容器において、前記圧力抑制プール水水
    面に、前記圧力抑制プール水よりも飽和蒸気圧が低く、
    かつ密度が小さい疎水性物質の層を形成したことを特徴
    とした原子炉格納容器。
  6. 【請求項6】炉心を内蔵した原子炉圧力容器が配備され
    たドライウエルと、圧力抑制プール水を保有する圧力抑
    制室と、前記ドライウエルと前記圧力抑制プール水中を
    連通するベント管と、前記圧力抑制プール水に接して前
    記圧力抑制プール水の外周囲を囲う鋼製の壁と、前記壁
    の外周面に接して冷却水を内蔵出来る外周プールとを備
    えた原子炉格納容器において、前記圧力抑制プール水水
    面下方にて前記ベント管の出口高さの上下となる各位置
    で前記圧力抑制プール水中に開かれたそれぞれ少なくと
    も一つ以上の開口部を有し、前記上下の各開口部を上下
    方向に連結して内部に前記圧力抑制プール水が通る対流
    促進管が前記外周プール内にあることを特徴とした原子
    炉格納容器。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記上方の開口部と前
    記ベント管の出口との高さの差が、前記ベント管の出口
    と前記下方の開口部との高さの差より大きいことを特徴
    とした原子炉格納容器。
  8. 【請求項8】請求項6又は請求項7において、前記外周
    プール内に上下に分けて夫々配備されたヘッダ管と、前
    記上方のヘッダ管と前記下方のヘッダ管とを連通する複
    数の伝熱管とによって前記対流促進管を構成したことを
    特徴とした原子炉格納容器。
  9. 【請求項9】炉心を内蔵した原子炉圧力容器が配備され
    たドライウエルと、圧力抑制プール水を保有する圧力抑
    制室と、前記ドライウエルと前記圧力抑制プール水中を
    連通するベント管と、前記圧力抑制室の外周囲を囲う鋼
    製の壁と、前記圧力抑制プール水に対応する前記壁の外
    周面に接して冷却水を内蔵出来る外周プールとを備えた
    原子炉格納容器において、前記外周プールの冷却水水面
    よりも高い位置で前記壁に接する他の冷却水を内蔵でき
    るウエットウエル冷却水プールを前記外周プールとは独
    立に備えることを特徴とした原子炉格納容器。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の原子炉格納容器におい
    て、前記ウエットウエル冷却水プールに対応する前記圧
    力抑制室内の前記壁にリング状構造物を備えたことを特
    徴とした原子炉格納容器。
  11. 【請求項11】請求項3又は請求項4又は請求項5にお
    いて、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載
    の対流促進管を備えたことを特徴とした原子炉格納容
    器。
  12. 【請求項12】請求項3又は請求項4又は請求項5にお
    いて、前記鋼製の壁に沿って圧力抑制プール水中にあ
    り、その上端が前記ベント管の出口より高い位置に、そ
    の下端がベント管の出口よりも低い位置に成る高さ関係
    であり、前記上端と前記ベント管の出口の高さの差を前
    記ベント管の出口と前記下端の高さの差より大きくして
    配備した対流促進板を備えていることを特徴とした原子
    炉格納容器。
  13. 【請求項13】請求項3又は請求項4又は請求項5又は
    請求項6又は請求項7又は請求項8又は請求項11又は
    請求項12において、請求項9に記載のウエットウエル
    冷却水プール又は請求項10に記載のウエットウエル冷
    却水プールとリング状構造物を備えたことを特徴とした
    原子炉格納容器。
  14. 【請求項14】プール水領域と、その領域に接する気相
    領域とから成り、前記プール水領域中に蒸気の吐出口を
    臨ませてある圧力抑制室において、前記プール水の水面
    上方に前記プール水の蒸発抑制手段を備えたことを特徴
    とした圧力抑制室。
  15. 【請求項15】原子炉格納容器内の漏洩蒸気を圧力抑制
    室内のプール水中に放出して凝縮し、前記凝縮による前
    記プール水中の蓄熱を前記原子炉格納容器外へ排出する
    方法において、前記圧力抑制室内の不凝縮性気体と前記
    プール水からの蒸気との混合流体を前記不凝縮性気体と
    前記プール水からの蒸気とに分別し、前記分別後の蒸気
    を前記プール水を包含する区画に残存させ、前記分別後
    の不凝縮気体を前記区画とは流通自在な他の区画に収集
    することを特徴とした原子炉格納容器内の圧力抑制方
    法。
  16. 【請求項16】原子炉格納容器内の漏洩蒸気を圧力抑制
    室内のプール水中に放出して凝縮し、前記凝縮による前
    記プール水中の蓄熱を前記原子炉格納容器外へ排出する
    方法において、前記プール水から前記圧力抑制室内気相
    空間への前記プール水の沸騰による蒸気移行を行いなが
    ら前記プール水表面と前記圧力抑制室内気相空間との接
    触を断つことにより、前記プール水の蒸発開始を圧力抑
    制室気相空間の蒸気分圧の飽和温度から前記圧力抑制室
    気相空間の全圧力の飽和温度に変えたことを特徴とした
    原子炉格納容器内の圧力抑制方法。
  17. 【請求項17】原子炉格納容器内の漏洩蒸気を圧力抑制
    室内のプール水中に放出して凝縮し、前記凝縮による前
    記プール水中の蓄熱を前記原子炉格納容器外へ排出する
    方法において、前記圧力抑制室への前記蒸気の放出位置
    の高さよりも高い位置の前記プール水の領域と前記蒸気
    の放出位置の高さよりも低い位置の前記プール水領域と
    を連通し、前記連通途中の前記プール水を冷却して温度
    依存による密度を高めて前記蒸気の放出位置の高さより
    も高い位置の前記プール水の領域から前記蒸気の放出位
    置の高さよりも低い位置の前記プール水領域への循環駆
    動力を得ることを特徴とした原子炉格納容器内の圧力抑
    制方法。
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