JP2528977B2 - 原子炉格納容器 - Google Patents

原子炉格納容器

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JP2528977B2 JP1302186A JP30218689A JP2528977B2 JP 2528977 B2 JP2528977 B2 JP 2528977B2 JP 1302186 A JP1302186 A JP 1302186A JP 30218689 A JP30218689 A JP 30218689A JP 2528977 B2 JP2528977 B2 JP 2528977B2
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    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は原子炉格納容器に利用され、原子炉格納容器
内への原子炉の冷却材喪失事故時に原子炉炉心で発生す
る崩壊熱を除去するに好適な原子炉格納容器に関する。
〔従来の技術〕
電気出力が600MWe程度までの中小形原子炉において、
冷却材喪失後の長期冷却時の崩壊熱を自然力を利用して
静的な方法により除去する方式としては、特開昭63−19
1096号公報に示す方式が提案されている。それは、原子
炉格納容器の外周に外周プールを設け、原子炉格納容器
内外の温度差により外周プールに原子炉格納容器内の熱
を伝え、最終的には外周プールのプール水の蒸発により
除熱する方法である。さらには、その原子炉圧力容器の
圧力抑制プール水中に対流促進板を設けて、プール水の
循環を促進し圧力抑制プール水中の熱を原子炉格納容器
壁を介して外周プールへ効率よく放熱する方法が日本原
子力学会「1989年秋の大会」で発表された。
また、電気出力が1350MWe程度の大型原子炉において
は、たとえば機械工学便覧C7(1988)に記載のように、
ポンプと熱交換器を用いて、冷却材喪失事故時に原子炉
炉心で発生する崩壊熱を除去するという方法が採用され
ている。
いずれの除熱方法でも原子炉格納容器内から熱を取り
去つて、原子炉格納容器内の圧力を低減するのに有効で
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の大型炉に採用される方法では、冷却材喪失事故
時に原子炉炉心で発生する崩壊熱を除去するのにポン
プ,熱交換器のほかに非常用発電設備等の補助設備を必
要とし、動的機器が必要な上、複雑な構成になるという
問題があつた。
一方、特開昭63−191096号公報に示された方法は、動
的機器を削減し、機器の故障を考慮する必要が少なくな
るため信頼性が向上するが、この方法をそのまま大型炉
に適用しようとすると、自然力を利用した静的な放熱方
式では、ポンプ,熱交換器といつた動的な機器を使用し
た方式と比較して、単位面積あたりの除熱量が小さいた
め、原子炉格納容器もそれだけ大型化するという問題点
がある。
本発明の目的は、ドライウエルの圧力を低減する効果
が高い原子炉格納容器を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための請求項1の原子炉格納容器
の特徴は、ウエットウエルが、原子炉圧力容器側に位置
した内周部ウエットウエルと、外周プール側に位置した
外周部ウエットウエルとに区画され、前記外周部ウエッ
トウエルと前記内周部ウエットウエルとが、冷却水充填
部を介して連通し、蒸気を前記冷却水充填部に導く通路
の蒸気放出口が、前記冷却水充填部のうち前記内周部ウ
エットウエルの真下に位置する領域に配置されているこ
とにある。
請求項2の原子炉格納容器の特徴は、内周部ウエット
ウエルとウエットウエルとの容積の比が、0.3以上であ
ることにある。
請求項3の原子炉格納容器の特徴は、外周部ウエット
ウエルが、周方向に複数の区画を有することにある。
請求項4の原子炉格納容器の特徴は、じゃま板が、内
周部ウエットウエルの真下の冷却水充填部に、蒸気放出
口に対向して設けられたことにある。
請求項5の原子炉格納容器の特徴は、対流促進板が、
外周部ウエットウエルから前記外周部ウエットウエルの
真下の冷却水充填部に、原子炉格納容器の内壁面に沿っ
て、かつ、前記内壁面とは隙間を保って設けられたこと
にある。
請求項6の原子炉格納容器の特徴は、外周部ウエット
ウエルの水平方向の断面積が、下部よりも上部で大きい
ことにある。
請求項7の原子炉格納容器の特徴は、外周部ウエット
ウエルが、ドライウエル内に配置された密封容器に連通
していることにある。
請求項8の原子炉格納容器の特徴は、圧力検出手段が
ドライウエルの圧力を検出し、スプレイ装置が前記ドラ
イウエル内の雰囲気を冷却し、スプレイ制御装置が、前
記圧力検出手段で検出された前記ドライウエルの圧力に
基づいて、前記スプレイ装置のスプレイ動作を制御し、
第1の真空破壊弁は、排気方向が前記ドライウエル方向
で、外周部ウエットウエルと前記ドライウエルとを連通
し、第2の真空破壊弁は、排気方向が前記ドライウエル
方向で、内周部ウエットウエルと前記ドライウエルとを
連通し、動作圧力が前記第1の真空破壊弁の動作圧力よ
り大きいことにある。
請求項9の原子炉格納容器の特徴は、外周プールに囲
まれた鋼製格納容器を備えており、前記鋼製格納容器の
内部に、原子炉圧力容器が設置されるドライウエルおよ
び圧力抑制室が形成されており、前記圧力抑制室は、内
部構造壁によって、外周部圧力抑制室と内周部圧力抑制
室に分離されており、前記外周プール側に位置する前記
外周部圧力抑制室は、冷却水が充填される外周部冷却水
充填部と前記冷却水の液面よりも上に形成される外周部
ウエットウエルを有しており、前記外周部圧力抑制室の
内側に位置する前記内周部圧力抑制室は、冷却水が充填
される内周部冷却水充填部と前記冷却水の液面よりも上
に形成される内周部ウエットウエルを有しており、前記
内部構造壁が、前記外周部冷却水充填部と前記内周部冷
却水充填部とを連通する孔部を有し、前記ドライウエル
内の蒸気を前記内周部冷却水充填部内に導く通路を備え
たことにある。
請求項10の原子炉格納容器の特徴は、対流促進板が、
外周部冷却水充填部に、鋼製格納容器の内壁面に沿っ
て、かつ、前記内壁面とは隙間を保って設けられたこと
にある。
請求項11の原子炉格納容器の特徴は、冷却水を原子炉
圧力容器に供給する密封された非常用炉心冷却水プール
が、前記原子炉圧力容器よりも上方に位置し、通路が、
外周部ウエットウエルと前記非常用炉心冷却水プール内
の前記冷却水の液面よりも上方の空間とを連絡している
ことにある。
請求項12の原子炉格納容器の特徴は、圧力開放手段
が、ドライウエルの上方で鋼製格納容器の塔頂部に位置
するオペレーションフロアーと、外周部ウエットウエル
とを連通することにある。
〔作用〕
請求項1の原子炉格納容器によれば、ウエットウエル
が、内周部ウエットウエルと外周部ウエットウエルとに
区画され、前記外周部ウエットウエルと前記内周部ウエ
ットウエルとが、冷却水充填部を介して連通し、蒸気を
前記冷却水充填部に導く通路の蒸気放出口が、前記冷却
水充填部のうち前記内周部ウエットウエルの真下に位置
する領域に配置されていることにより、原子炉圧力容器
からドライウエルに漏洩した蒸気は、前記ドライウエル
内の気体、例えば、窒素などの不凝縮気体とともに前記
蒸気放出口から前記冷却水充填部に流出する。前記冷却
水充填に流入した蒸気と不凝縮気体のうち、蒸気は凝縮
して冷却水の温度を上昇させ、不凝縮気体は前記内周部
ウエットウエルに蓄積する。このとき、前記内周部ウエ
ットウエル内の不凝縮気体の分圧は、前記外周部ウエッ
トウエル内の不凝縮気体の分圧より高くなり、この圧力
差によって、前記内周部ウエットウエルの冷却水の液面
を押し下げ、冷却水が前記冷却水充填部を通って前記外
周部ウエットウエルに移動し、前記外周部ウエットウエ
ルの冷却水の液面が上昇する。前記外周部ウエットウエ
ルにおいて原子炉格納容器の内壁面に接する冷却水の面
積が増加するので、前記原子炉格納容器の壁を介して冷
却水の熱を効率よく外周プールに放熱することができ、
冷却水の温度が下がって、冷却水の蒸気を凝縮させる能
力が増加する。従って、前記ドライウエルの圧力を低減
することができる。
請求項2の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用が得られるとともに、内周部ウエットウエ
ルとウエットウエルとの容積の比が、0.3以上であるこ
とにより、外周部ウエットウエルの冷却水の液面の上昇
幅が大きいので、前記外周部ウエットウエルにおいて原
子炉格納容器の内壁面に接する冷却水の面積がより増加
する。従って、ドライウエルの圧力をより低減すること
ができる。
請求項3の原子炉格納容器によれば、外周部ウエット
ウエルが、周方向に複数の区画を有することにより、あ
る区画で、内周部ウエットウエルと前記外周部ウエット
ウエルとの間で不凝縮気体の漏洩があっても、他の区画
では影響を受けずに、前記外周部ウエットウエルの冷却
水の液面の上昇を得ることができ、請求項1の発明と同
様の作用が得られる。
請求項4の原子炉格納容器によれば、じゃま板が、内
周部ウエットウエルの真下の冷却水充填部に、蒸気放出
口に対向して設けられたことにより、前記蒸気放出口か
ら急激に大きな気体の塊が前記冷却水充填部に流出した
とき、前記気体の塊は、前記じゃま板によって水平方向
の運動が妨げられて、上昇するので、前記内周部ウエッ
トウエルに確実に蓄積され、請求項1の発明と同様の作
用が得られる。
請求項5の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用が得られるとともに、対流促進板が、外周
部ウエットウエルから前記外周部ウエットウエルの真下
の冷却水充填部に、原子炉格納容器の内壁面に沿って、
かつ、前記内壁面とは隙間を保って設けられたことによ
り、前記対流促進板と前記内壁面との間の冷却水は、前
記対流促進板の内周側の水よりも冷却されて密度が増加
する。この密度差によって、前記冷却水充填部内に対流
が発生し、前記原子炉格納容器の内壁面に沿って冷却水
が移動するので、冷却水の熱をより効率よく前記外周プ
ールに放熱することができる。従って、ドライウエルの
圧力をより低減することができる。
請求項6の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用が得られるとともに、外周部ウエットウエ
ルの水平方向の断面積が、下部よりも上部で大きいこと
により、前記外周部ウエットウエルに蓄積されている不
凝縮気体の分圧が低いので、内周部ウエットウエル内の
不凝縮気体の分圧との圧力差が大きくなり、前記外周部
ウエットウエルの冷却水の液面の上昇幅が増加し、前記
外周部ウエットウエルにおいて原子炉格納容器の内壁面
に接する冷却水の面積がより増加する。従って、ドライ
ウエルの圧力をより低減することができる。
請求項7の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用が得られるとともに、外周部ウエットウエ
ルがドライウエル内に配置された密封容器に連通してい
ることにより、前記外周部ウエットウエル内の不凝縮気
体が、前記密封容器に流入し、前記外周部ウエットウエ
ル内の不凝縮気体の分圧が低減して、前記外周部ウエッ
トウエルの冷却水の液面がより上昇する。前記外周部ウ
エットウエルにおいて前記原子炉格納容器の内壁面に接
する冷却水の面積がより増加する。従って、前記ドライ
ウエルの圧力をより低減することができる。
請求項8の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用が得られるとともに、圧力検出手段がドラ
イウエルの圧力を検出し、スプレイ装置が前記ドライウ
エル内の雰囲気を冷却し、スプレイ制御装置が、前記圧
力検出手段で検出された前記ドライウエルの圧力に基づ
いて、前記スプレイ装置のスプレイ動作を制御し、第1
の真空破壊弁は、排気方向が前記ドライウエル方向で、
外周部ウエットウエルと前記ドライウエルとを連通し、
第2の真空破壊弁は、排気方向が前記ドライウエル方向
で、内周部ウエットウエルと前記ドライウエルとを連通
し、動作圧力が前記第1の真空破壊弁の動作圧力より大
きいことにより、前記外周部ウエットウエルの冷却水の
液面が上昇したのちに、さらに原子炉格納容器から漏洩
した高温高圧の蒸気により前記ドライウエルの圧力が高
まると、前記ドライウエルの圧力を前記圧力検出手段が
検出し、検出された前記ドライウエルの圧力に基づい
て、前記スプレイ制御装置が、前記スプレイ装置を制御
して動作させる。前記スプレイ装置が前記ドライウエル
内の雰囲気を冷却して、前記ドライウエルの圧力を低下
させて、前記第1の真空破壊弁および前記第2の真空破
壊弁が動作する。前記内周部ウエットウエルおよび前記
外周部ウエットウエル内の不凝縮気体が前記ドライウエ
ルに排気されて、前記外周部ウエットウエルの冷却水の
液面が極端に低下しない間に前記内周部ウエットウエ
ル、前記外周部ウエットウエル、前記ドライウエルの順
に圧力が低くなると、前記第1の真空破壊弁および前記
第2の真空破壊弁は閉じて、前記スプレイ装置も一定時
間後に止まる。再度、前記ドライウエルの圧力が高まる
と、前記ドライウエル内の蒸気と不凝縮気体は前記内周
部圧力抑制室に流出して、前記外周部ウエットウエルの
冷却水の液面をさらに上昇させる。上述した作用が繰り
返されると、前記ドライウエルの圧力をより低減するこ
とができる。
請求項9の原子炉格納容器によれば、外周プールに囲
まれた鋼格納容器を備えており、前記鋼製格納容器の内
部に、ドライウエルおよび圧力抑制室が形成されてお
り、前記圧力抑制室は、内部構造壁によって、外周部圧
力抑制室と内周部圧力抑制室に分離されており、前記外
周部圧力抑制室は、外周部冷却水充填部と外周部ウエッ
トウエルを有しており、前記内周部圧力抑制室は、内周
部冷却水充填部と内周部ウエットウエルを有しており、
前記内部構造壁が、前記外周部冷却水充填部と前記内周
部冷却水充填部とを連通する孔部を有し、前記ドライウ
エル内の蒸気を前記内周部冷却水充填部内に導く通路を
備えたことにより、原子炉圧力容器から前記ドライウエ
ルに漏洩した蒸気は、前記ドライウエル内の気体、例え
ば、窒素などの不凝縮気体とともに前記通路によって前
記内周部冷却水充填部に導かれる。前記内周部冷却水充
填部に流入した蒸気と不凝縮気体のうち、蒸気は凝縮し
て冷却水の温度を上昇させ、不凝縮気体は前記内周部ウ
エットウエルに蓄積する。このとき、前記内周部ウエッ
トウエル内の不凝縮気体の分圧は、前記外周部ウエット
ウエル内の不凝縮気体の分圧より高くなり、この圧力差
によって、前記内周部圧力抑制室における冷却水の液面
を押し下げ、冷却水が前記孔部を通って前記外周部圧力
抑制室に移動し、前記外周部圧力抑制室内の冷却水の液
面が上昇する。前記外周部圧力抑制室において、前記鋼
製格納容器の内壁面に接する冷却水の面積が増加するの
で、前記鋼製格納容器を介して冷却水の熱を効率よく前
記外周プールに放熱することができ、冷却水の温度が下
がって、冷却水の蒸気を凝縮させる能力が増加する。従
って、前記ドライウエルの圧力を低減することができ
る。
請求項10の原子炉格納容器によれば、請求項9の発明
と同様の作用が得られるとともに、対流促進板が、外周
部冷却水充填部に、鋼製格納容器の内壁面に沿って、か
つ、前記内壁面とは隙間を保って設けられたことによ
り、前記対流促進板と前記鋼製格納容器の内壁面との間
の冷却水は、前記対流促進板より内周側の水よりも冷却
されて密度が増加する。この密度差によって、前記外周
部冷却水充填部内に対流が発生し、前記鋼製格納容器の
内壁面に沿って冷却水が移動するので、冷却水の熱をよ
り効率よく前記外周プールに放熱することができる。従
って、前記ドライウエルの圧力をより低減することがで
きる。
請求項11の原子炉格納容器によれば、請求項9の発明
と同様の作用が得られるとともに、冷却水を原子炉圧力
容器に供給する密封された非常用炉心冷却水プールが、
前記原子炉圧力容器よりも上方に位置し、通路が、前記
外周部ウエットウエルと前記非常用炉心冷却水プール内
の前記冷却水の液面よりも上方の空間とを連絡している
ことにより、前記外周部ウエットウエル内の不凝縮気体
が、前記通路を介して前記非常用炉心冷却水プールの冷
却水の液面よりも上方の空間に流入し、前記外周部ウエ
ットウエル内の不凝縮気体の分圧が低減して、前記外周
部圧力抑制室の冷却水の液面が上昇する。前記外周部圧
力抑制室において、前記鋼製格納容器の内壁面に接する
冷却水の面積より増加する。従って、前記ドライウエル
の圧力をより低減することができる。
請求項12の原子炉格納容器によれば、請求項9の発明
と同様と作用が得られるとともに、圧力開放手段が、ド
ライウエルの上方で鋼製格納容器の塔頂部に位置するオ
ペレーションフロアーと、外周部ウエットウエルとを連
通することにより、前記外周部ウエットウエル内の不凝
縮気体が、前記圧力開放手段を介して前記オペレーショ
ンフロアーに流入し、前記外周部ウエットウエル内の不
凝縮気体の分圧が低減して、前記外周部圧力抑制室の冷
却水の液面が上昇する。前記外周部圧力抑制室におい
て、前記鋼製格納容器の内壁面に接する冷却水の面積が
より増加する。従って、前記ドライウエルの圧力をより
低減することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。本
実施例は、本発明を電気出力600MWの自然循環型原子炉
に適用した例である。圧力容器1内に装荷された炉心2
はライザ3で囲まれている。炉心2で発生した高温高圧
な蒸気はドライヤ4で湿分を取り除かれた後、主蒸気配
管5を介してタービン(図示せず)へ導かれる。図示し
ていないが、タービンは発電機を介して負荷に電気を供
給している。タービンで使用された蒸気は、復水器(図
示せず)で凝縮されて低温低圧な液体として給水配管6
を介して圧力容器1内へ戻る。炉心2にはライザ3内外
の圧力差に起因する自然循環によつて冷却材が流入し、
炉心2が除熱されている。圧力容器1は鋼製の格納容器
壁10によつて取り囲まれている。原子炉の格納容器壁10
に囲われた内側には不凝縮ガスである窒素ガス(気体)
が充満されている。格納容器壁10の内部には圧力抑制室
が構成されており、その圧力抑制室は、仮想的な配管破
断事故時に圧力容器1から放出される高温高圧な蒸気を
蒸気流出口18から受け入れて凝縮するための圧力抑制プ
ール11と、ドライウエル12に放出された蒸気を圧力抑制
プール11に導くためのベント管13と、圧力抑制プール11
のプール水面上方の空間であるウエツトウエル7と、そ
のウエツトウエル7を仕切る分割壁14とからなる。圧力
抑制プール11の上部空間(ウエツトウエル7)は下端が
圧力抑制プール11の水面下に達する分割壁14によつて外
周部15と内周部16に分割されている。圧力抑制室の外側
には、大気圧開放の外周プール17が設置され、格納容器
壁10の一部その外周プール17のプール水に接している。
格納容器壁10を囲つているコンクリート製の建屋21内に
は高所に原子炉圧力容器1内と逆止弁22を介して配管23
で接続されている蓄水タンク20が配備されている。この
蓄水タンク20内には予め冷却水が蓄えられ、タンク内の
圧力は、原子炉圧力容器1内に冷却水を圧送出来るほど
の高圧に維持されている。
このような原子炉において、配管、たとえば主蒸気配
管5、の破断による冷却材喪失事故を想定した場合に
は、原子炉の圧力容器1の冷却材は高温高圧な蒸気とし
て破断口からドライウエル12に流出し、圧力容器1の圧
力は低下し、ドライウエル12の圧力は上昇する。炉心2
には制御棒(図示せず)が挿入されて、出力が急速に低
下する。圧力容器1の圧力が低下してくると、あらかじ
め加圧されている蓄水タンク20内の冷却材が圧力容器1
内に配管23と逆止弁22を通つて注入され、圧力容器1内
の水位は炉心2の上端より十分上に保持される。一方、
ドライウエル12の圧力が上昇すると、ベント管13の水位
が低下し、水位が蒸気流出口18よりも低下すると、ドラ
イウエル12内の蒸気及び不凝縮気体である窒素が圧力抑
制プール11に流入してくる。
このときの、圧力抑制プール11内の水位の挙動を第2
図により説明する。第2図の(1)は通常運転時の水位
を示したもので、ベント管13と圧力抑制プール11の水位
は同じとなつている。なお、圧力抑制プール11の冷却水
は原子炉起動前に貯蔵タンク(図示せず)からポンプを
用いて注入するが、このときウエツトウエル7とドライ
ウエル12との間の遮断弁100及び101を開放しておくこと
により水位はすべて同一となる。この後、弁100及び弁1
01は閉じておく。配管破断事故時にはドライウエル12の
圧力が上昇し、ベント管13の水位が低下して、第2図の
(2)に示すようにドライウエル12内の蒸気及び不凝縮
気体である窒素が圧力抑制プール11に流入してくる。流
入してきた蒸気は凝縮するが、窒素は浮力により上昇
し、内周部16の上部空間に蓄積していく。これによっ
て、内周部16の窒素分圧が外周部15の窒素分圧よりも高
くなり、連通管作用により内周部16の水位が低下して、
外周部15の水位が上昇する。ドライウエル12の窒素は約
5分で全量内周部16の上部空間に移行し、第2図の
(3)に示すように内周部16と外周部15との水位差は最
大となる。
本実施例のように圧力抑制プール11の上部空間を内周
部16と外周部15に分割する場合の外周部水位の上昇幅を
第3図に示す。内周部16の上部空間の体積と圧力抑制プ
ール11の上部空間の全体積との比を0.3以上としたとき
に外周部水位の上昇幅が大きいことが分かる。本実施例
では、内周部16の上部空間の体積と圧力抑制プール11の
上部空間の全体積との比を0.7としており、外周部水位
は約2.3m上昇する。本実施例のような体系では、水の自
然対流伝達率のほうが不凝縮気体(窒素)を含む蒸気の
凝縮熱伝達率よりも大きいため、外周プール17と格納容
器壁10を介して接する圧力抑制プール11の水の面積が大
きくなると、圧力抑制プール11から外周プール17に伝熱
により伝えられる熱量が増加する。本実施例のように分
割壁14を設置した場合には、圧力抑制プール11の気相部
の体積を大きくしても、外周プール17に接する圧力抑制
室11の水の面積を十分大きくできる。本実施例では、圧
力抑制プール11の気相部の体積を分割壁14を設置しない
場合と比較して25%増加させている。本実施例、及び、
分割壁14を設置しない参考例について、配管が破断した
後の格納容器内圧力の変化のようすを第4図に示す。第
4図においては、参考例の格納容器内圧力の最大値をPm
axとして規格化された、本実施例の格納容器内圧力P/Pm
ax(破線)および参考例の格納容器内圧力Pref/Pmax
(実線)が示されている。本実施例では、圧力抑制プー
ル11から外周プール17への伝熱量が増加するとともに窒
素分圧が低下しているため、格納容器内圧力の最大値
は、参考例に比べて約0.4kg/cm2低い。なお、格納容器
内圧力の最大値を低下させるかわりに、格納容器の大き
さを小型化してコストを低下させることも可能である。
本実施例では、まず分割壁14と圧力抑制プール11の上
部の壁90とを溶接して内外周部の間で洩れがないように
されている。本実施例では、分割壁14と格納容器壁10と
の間隔は約1.5mあり、外周部15側からの溶接作業よ容易
である。
このように、本実施例によれば、ポンプ等の動的機器
を用いずに冷却材喪失事故時に炉心で発生する崩壊熱を
効率的に除去することが可能であり、格納容器圧力の最
大値を約0.4kg/cm2低下させるか、又は格納容器を小型
化できる効果がある。
本発明の他の実施例を第5図及び第6図により説明す
る。第6図は第5図のA−A断面図である。第1図で示
した実施例との差は、圧力抑制プール11の上部空間(ウ
エツトウエル7)の分割壁14と格納容器壁10との間の空
間を仕切り板30により円周方向に複数に分割している点
である。このようにすることにより、冷却材喪失事故時
の伝熱特性が向上することは第1図で示した実施例と同
じであるが、万一分割壁14にリークが発生し外周部15と
内周部16との圧力差が維持できなくなつても、分割され
ているために外周部15の水位が上昇しないのはリークを
生じた一区画だけであり、このようなリークが生じた場
合でも圧力抑制プール11のプール水と外周プール17のプ
ール水とが格納容器壁10を介して接するという伝熱に有
効な面積は十分大きく、本発明の信頼性が向上する。
このように、本実施例によれば、ポンプ等の動的機器
を用いずに冷却材喪失事故時に炉心で発生する崩壊熱を
効率的に除去することが可能であり、万一分割壁にリー
クが発生しても影響が小さく本発明の信頼性が向上する
効果がある。また、分割壁14や仕切板30を熱伝導度の良
い材料で構成するとより一層圧力抑制室から外周プール
11への放熱効果が良くなる。
本発明のさらに他の実施例を第7図及び第8図により
説明する。第8図は第7図のB−B断面図である。第5
図,第6図で示した実施例との相違点は、圧力抑制プー
ル11の内周部16側にベント管13の蒸気流出口18から流入
する気体の水平方向の運動を妨げるじやま板40及び圧力
抑制プール11の外周部側に水の自然循環を促進する対流
促進板41を設置した点である。じやま板40は第5図,第
6図中の仕切板30を下方に延長し、その延長端を内周部
16側水平方向に延長し、その水平延長端に蒸気流出口18
に対面させて固定設置される。
じやま板40を設置したことにより、仮にベント管13の
蒸気流出口18から急激に大気泡に圧力抑制プール11に流
入してきても、じやま板40で水平方向の運動が妨げられ
気泡は浮力により垂直方向に上昇するため、気泡は確実
に内周部16の上部空間に蓄積する。これによつて、外周
部15における水位上昇が確実となり、本発明の信頼性が
向上する。
対流促進板41は仕切板30へ溶接により固定され、分割
壁14と格納容器壁10とに対しては対流流路と成る隙間を
有している。対流促進板41を設置したことによる効果を
第9図により説明する。対流促進板41の外側の水は外周
プール17により冷却され密度が増加する。このため、対
流促進板41の対外で水の密度差に起因する矢印で示すよ
うな方向の自然循環力により対流が促進され、対流促進
板41がない場合と比較して、圧力抑制プール11の水温が
下のほうまで速やかに上昇する。このため、圧力抑制プ
ール11と外周プール17との伝熱に有効な面積が上下に大
きく広がり、崩壊熱の除熱特性はさらに向上する。本実
施例では、分割壁14及び対流促進板41を設置しない場合
と比較して、格納容器圧力の最大値は約0.45kg/cm2低下
する。
このように、本実施例によれば、ポンプ等の動的機器
を用いずに冷却材喪失事故時に炉心が発生する崩壊熱を
効率的に除去することが可能であり、格納容器圧力の最
大値を約0.45kg/cm2低下させるか、又は格納容器を小型
化でき、かつ、不凝縮気体が確実に内周部に蓄積するた
め本発明の信頼性が向上する効果がある。
本発明のさらに他の実施例を第10図に示す。第1図で
示した実施例との相違点は分割壁14の構造を変更し、圧
力抑制プール11の外周部15の流路面積を上部ほど大きく
した点である。配管等の破断による冷却材喪失事故を想
定した場合の本実施例の作用を第11図により説明する。
第11図の(1)は通常運転時の水位を示したもので、ベ
ント管13と圧力抑制プール11の水位は同じとなつてい
る。なお、圧力抑制プール11の冷却水は原子炉起動前に
貯蔵タンクからポンプを用いて注入するが、このとき弁
100及び弁101を開放しておくことにより水位はすべて同
一となる。この後、弁100及び弁101は閉じておく。配管
破断事故時にはドライウエル12の圧力が上昇し、ベント
管13の水位が低下して、第11図の(2)に示すようにド
ライウエル12内の蒸気及び不凝縮性ガスである窒素が圧
力抑制プール11に流入してくる。流入してきた蒸気は凝
縮するが、窒素は浮力により上昇し、内周部16の上部空
間に蓄積していく。これによつて、内周部16の窒素分圧
が外周部15の窒素分圧よりも高くなり、連通管作用によ
り内周部16の水位が低下して、外周部15の水位が上昇す
る。ドライウエル12の窒素は約5分で全量内周部16の蒸
気空間に移行し、第11図の(3)に示すように内周部16
の外周部15との水位差は最大となる。本実施例では外周
部15の上部空間の体積が第1図で示した実施例の場合と
比較して大きく、窒素分圧が低下しているため、外周部
15の水位が第1図で示した実施例の場合と比較して約1.
2m高くなつている。また、第12図に示すように圧力抑制
プール11の外周部15の上部空間の気体圧を配管51を通し
て受け入れる容器50を格納容器壁10の内側に設置しても
同様の効果がある。この容器50を設けることによりウエ
ツトウエル7の外周部と内周部との容積比が実質的に0.
3から0.36となる。本実施例、及び、分割壁14を設置し
ない参考例について、配管が破断した後の格納容器内圧
力の変化のようすを第13図に示す。第13図において、参
考例の格納容器内圧力の最大値をPmaxとして規格化され
た、本実施例の格納容器内圧力P/Pmax(破線)および参
考例の格納容器内圧力Pref/Pmax(実線)が示されてい
る。本実施例では、圧力抑制プール11から外周プール17
への伝熱量が増加し、格納容器内圧力の最大値は、参考
例に比べて約0.46kg/cm2低い。なお、格納容器内圧力の
最大値を低下させるかわりに、格納容器の大きさを小型
化してコストを低下させることも可能である。
このように、本実施例によれば、ポンプ等の動的機器
を用いずに冷却材喪失事故時に炉心で発生する崩壊熱を
効率的に除去することが可能であり、格納容器圧力の最
大値を約0.46kg/低下させるか、又は格納容器を小型化
できる効果がある。
本発明のさらに他の実施例を第14図に示す。第10図に
示した実施例との相違点は、真空破壊弁60を外周部15の
上部空間をドライウエル12に連通する手段として、真空
破壊弁61を内周部16の上部空間をドライウエル12に連通
する手段として、それぞれ壁90に配備する。真空破壊弁
60の作動圧力を真空破壊弁61より内外周の水位差に基づ
く静水頭分だけ低くし、及び格納容器スプレイタンク62
を建屋21に設置し、そのタンク62を配管67と弁66を介し
て格納容器壁10内側のスプレイズル69に接続してある。
圧力計63はドライウエル12の圧力を測定しその値を主制
御器64に送つている。配管等の破断による冷却材喪失事
故を想定した場合には、ドライウエル12の圧力が上昇す
るが、通常運転時からたとえば20%圧力が上昇した時刻
から一定の時間遅れ、たとえば10分、の後に主制御器64
から弁66を開く信号が弁制御器65に送られて弁66が一定
時間、たとえば1分、開く。格納容器スプレイタンク62
はあらかじめ加圧されており、弁66が開くと冷却材をド
ライウエル12に放出する。これによつて、ドライウエル
12の蒸気が凝縮し、圧力が圧力抑制プール11の上部空間
の圧力より低下することにより、第15図の(1)に示す
ように真空破壊弁60と61がほぼ同時に作動する。真空破
壊弁60と61の作動により内周部16と外周部15の窒素分圧
が低下する。なお、ベント管13の上部を第10図に示した
実施例より高くしているのは、冷却水の逆流を確実に防
ぐためであり、真空破壊弁60及び61の作動圧力によつて
は第10図のままでも良い。格納容器スプレイの作動が止
まると、ドライウエル12の圧力が再び上昇し、第15図の
(2)に示すようにドライウエル12の蒸気と不凝縮性ガ
スである窒素が再び圧力抑制プールに流入し、窒素は内
周部16に蓄積する。このとき、外周部15と内周部16との
圧力差は格納容器スプレイが作動する前と比較して大き
くなつており、外周部15の水位はさらに上昇する。これ
によつて、圧力抑制プール11から外周プール17への伝熱
量が増加し、分割壁14や真空破壊弁60,61を設置しない
場合と比較して格納容器圧力の最高値が約0.5kg/cm2
下する。なお、格納容器圧力の最大値を低下させるかわ
りに、格納容器の大きさを小型化してコストを低下させ
ることも可能である。
このように、本実施例によれば、ポンプ等の動的機器
を用いずに冷却材喪失事故時に炉心で発生する崩壊熱を
効率的に除去することが可能であり、格納容器圧力の最
大値を約0.5kg/cm2低下させるか、又は格納容器を小型
化できる効果がある。
本発明のさらに他の実施例を第16図により説明する。
第10図で示した実施例との相違点は真空ポンプ70により
外周部15を大気圧以下としている点である。すなわち、
定期検査時等には第16図の(1)に示すように圧力抑制
プール11の水位は第10図の実施例と同様に内周部16と外
周部15とで同じとなつているが、原子炉を起動する前に
は外周部15を大気圧以下とすることにより第16図の
(2)に示すように外周部15の水位を約4.5m上昇させ
る。具体的な方法を以下に説明する。主制御器73からの
信号によりリレースイツチ74が動作し真空ポンプ70が作
動する。その後、主制御器73からの信号により弁操作器
75が作動して弁71が開く。これにより外周部15の圧力が
低下し、外周部15の水位が徐々に上昇する。外周部15の
水位は超音波水位計72により測定され、その値は主制御
器73に送られている。外周部15の水位が所定の位置、た
とえば4.5m上昇した位置、に達すると主制御器73からの
信号により弁操作器75が作動して弁71が閉じる。さら
に、主制御器73からの信号によりリレースイツチ74が動
作し真空ポンプ70が止まる。なお、外周部15の水位を測
定する手段としては差圧計を用いても良いことは当然で
ある。冷却材喪失事故を想定した場合には、内周部16と
外周部15との圧力差がさらに大きくなり、外周部15の水
位が上昇して外周部15はほぼ全領域が冷却水で満たされ
る。これによつて、圧力抑制プール11から外周プール17
への伝熱量が増加し、分割壁14を設置しない場合と比較
して格納容器圧力の最高値が0.55kg/cm2低下する。な
お、格納容器圧力の最大値を低下させるかわりに、格納
容器の大きさを小型化してコストを低下させることも可
能である。
このように、本実施例によれば、ポンプ等の動的機器
を用いずに冷却材喪失事故時に炉心で発生する崩壊熱を
効率的に除去することが可能であり、格納容器圧力の最
大値を約0.55kg/cm2低下させるか、又は格納容器を小型
化できる効果がある。
本発明のさらに他の実施例を第17図に示す。第1図で
示した実施例との相違点は、外周プール17に隣接して設
置した容器85の内部に冷却水と不凝縮性ガス、たとえば
空気、を保有し、容器85の下部を外周プール17の水中に
開放した点である。容器85に冷却水と不凝縮性ガスを保
有させる方法を第17図により説明する。外周プール17の
冷却水は貯蔵タンク(図示せず)からポンプ(図示せ
ず)により注入させるが、このとき弁82を開放してお
く。これにより、容器85と外周プール17の水位は第17図
の(1)に示すように同位置で上昇していく。容器85の
水位は超音波水位計81により測定され主制御器80に送ら
れているが、容器85の水位が所定の値、たとえば下端か
ら8m、に達すると主制御器80からの信号が弁操作器83に
送られて弁82を閉じる。第17図の(2)に示すように、
外周プール17の水位は圧力抑制プール11の水位と同じに
する。このように外周プール17の水位と圧力抑制プール
11の水位とを同じにすると、格納容器壁10にかかる荷重
が内側と外側とで同じになるので格納容器壁10の健全性
が向上するとともに構造上の制約が緩和される。冷却材
喪失事故を想定したときの動作を第18図により説明す
る。ドライウエル12に流出した蒸気は不凝縮性ガスとと
もにベント管13を通つて圧力抑制プール11に流入し、圧
力抑制プール11の冷却水温度が上昇するとともに外周部
15の水位が上昇する。格納容器壁10を通しての伝熱によ
り外周プール17及び容器85の冷却水温度も上昇する。容
器85に中の圧力は不凝縮性ガス分圧と蒸気分圧との和で
あり大気圧より高くなるため、第18図の(1)に示すよ
うに連通管作用により容器85内の水位が低下し外周部17
の水位が上昇する。外周プール17の冷却水は約100℃で
飽和温度となり、第18図の(2)に示すように外周プー
ル17の水位は最も高くなり、圧力抑制プール11の上端に
達する。これによつて、圧力抑制プール11と外周プール
17との伝熱に有効な面積が大きくなり、崩壊熱の除熱特
性が向上する。
本実施例によれば、通常運転時には格納容器壁にかか
る荷重が内側と外側とで同じになるので格納容器壁の健
全性が向上するとともに構造上の制約が緩和され、冷却
材喪失事故時には圧力抑制プールと外周プールとの伝熱
に有効な面積が大きくなり崩壊熱の除熱特性が向上する
効果がある。
以下、本発明のさらに他の実施例を第19図により説明
する。第19図を含む以下の各図の実施例はいずれも、本
発明による格納容器を大型の電気出力1350MWのポンプ内
蔵型沸騰水型原子炉(通称ABWRという。)に適用した例
である。鋼製の格納容器壁10の内部には、炉心2を含む
原子炉圧力容器1と、仮想的な配管破断事故時に原子炉
圧力容器1から破断口を通して放出される高温高圧な蒸
気を凝縮するための圧力抑制プール11と、ドライウエル
12に放出された蒸気を圧力抑制プール11に導くためのベ
ント管13と、非常用炉心冷却水プール140がある。圧力
抑制室は圧力抑制プール11とベント管13から圧力抑制プ
ール11内への蒸気の流出口18とウエツトウエル7とを備
えている。そのウエツトウエル7は鉄筋コンクリート製
の構造壁116により、格納容器壁10に接する外周部15と
格納容器壁10に接しない内周部16に分割されている。圧
力抑制室を分割している構造壁116には圧力抑制プール1
1の水面下に内外周面側の圧力抑制プール11を連通する
上下に隔てられた複数の連通孔119があり、プール水は
内外周ふたつのプール間を自由に循環することができ
る。格納容器壁10の外周は下部において外周プール17の
プール水に接している。
このような原子炉において、配管、たとえば主蒸気配
管5の破断による冷却材喪失事故を想定した場合には、
原子炉圧力容器1内の冷却材は破断口からドライウエル
12に高温高圧な蒸気として流出し、ドライウエル12の圧
力が上昇する。ドライウエル12の圧力が上昇すると、ベ
ント管13内の水位は押し下げられ、水位が蒸気流出口18
よりも低下すると、ドライウエル12内の蒸気及び格納容
器壁10内側の不凝縮気体である窒素がドライウエル12内
から同時に圧力抑制プール11に流入するようになる。蒸
気は圧力抑制プール水中で凝縮するが、窒素は凝縮せず
に上昇し、ウエツトウエル7の内周部16に蓄積してい
く。内周部16に蓄積しやすいように蒸気流出口18は内周
部16の最内周部に開口させてある。これによつて、内周
部16側ウエツトウエル内の窒素分圧が外周部15側ウエツ
トウエル内の窒素分圧よりも高くなり、この圧力差に対
応する水位差が生じ、外周部15の水位が内周部16よりも
上昇する。冷却材喪失事故解析結果によれば、ドライウ
エル12の窒素は約5分で全量がウエツトウエル7の内周
部16に移行し、この時点で内外周部の水位差が最大とな
り、格納容器壁10を介して外周プール側へ効率良く放熱
する伝熱面積が増加している。本実施例では大形の格納
容器設備であるから、内部の構造は鉄筋コンクリート製
の製造壁として重量を支え、最外周は熱伝導の良い鋼製
の格納容器壁10として、大形格納容器の構造の成立性と
放熱性の両立とを達成している。
本実施例のような体系では、水の自然対流熱伝達率の
ほうが不凝縮気体(窒素)を含む水蒸気の凝縮熱伝達率
よりも大きいため、外周プール17と格納容器壁10を介し
て接する圧力抑制プール11の面積が大きくなると、圧力
抑制プール11から外周プール17への伝熱量が増加する。
また、鋼製の格納容器壁10からの放熱経路としては、ウ
エツトウエル7から外周プール17へ伝えられる経路もあ
る。一般に、不凝縮気体の分圧が低く水蒸気の蒸気圧が
高いほど凝縮熱伝達率は高く、単位面積あたりの放熱量
も多くなる。本発明は、圧力抑制室のウエツトウエル7
を分割していない場合と比べ、ウエツトウエル外周部15
の不凝縮気体分圧を低く抑えることができるため、凝縮
熱伝達による放熱の点からも有利になつている。なお、
格納容器圧力の最大値を低下させるかわりに、格納容器
の大きさを小型化してコストを低下させることも可能で
ある。
このように、本実施例によれば、大型の原子炉格納容
器であつてもポンプ等の動的機器を用いずに冷却材喪失
事故時に炉心で発生する崩壊熱を効率的に除去すること
が可能である。
本発明の他の実施例を第20図に示す。第19図で示した
実施例との相違点はベント管13の上端(入口)が圧力抑
制室の上端よりも低く、ベント管13の蒸気流出口18より
も高くなつている点である。冷却材喪失事故時には炉心
2が停止した後の崩壊熱を除去するために、非常用炉心
冷却水プール140から冷却水が重力差を利用して炉心2
を含む原子炉圧力容器1に注水される。冷却水は炉心2
を冠水したあと、配管破断部からオーバーフローし、下
部ドライウエルを満たし、下部ドライウエルの水位がこ
のベント管13の上端に達すると、ベント管13から圧力抑
制プール11に流入するようになる。これにより、圧力抑
制プール11の水位が上昇し、外周プール17と接する伝熱
面積の増大をはかることができる。本発明では、ベント
管13の上端が圧力抑制室の上端よりも低くなつているた
め、冷却水の圧力抑制プール11への流入が早い時期から
開始できるという利点がある。なお、圧力抑制プール11
の水位を通常運転時には低く保ち、事故後の長期冷却時
に水位を高くするという方法には、以下のような利点も
ある。前述のように、格納容器からの放熱量を増やすた
めには、プール水位を高くとり、伝熱面積を増加させれ
ば良い。しかしながら、圧力抑制室のウエツトウエル7
の高さには次のような制限がある。すなわち、事故直後
には、ドライウエル12から流入した多量の気体により圧
力抑制プール11の水面が急激に押し上げられるプールス
エルと呼ばれる現象がある。このとき、水面が圧力抑制
室のウエツトウエル7の上端の壁に激突すると大きな動
荷重が加えられ、構造物を破損する可能性もある。その
ため、ウエツトウエル7の空間部の高さは、このプール
スエルを回避するのに充分な高さ(少なくとも、ベント
管13の蒸気流出口18の水深の1.5倍)をとつておく必要
がある。しかし、ウエツトウエル7の空間部の高さを大
きくするという方法では、必然的に格納容器が大型化し
てしまう。一方、プールスエルを回避するためにはベイ
ン管13の蒸気流出口18の水深を浅くするという方法も考
えられる。この場合には、作用の項で述べたように、温
度成層化現象のために、有効に作用する伝熱面積が減少
するという問題点がある。そのため、圧力抑制プール11
の水位を通常運転時には低く保ち、事故後の長期冷却時
に圧力抑制プールの水位を上昇させるという方法は、事
故直後のプールスエルを回避しつつ、長期冷却時に伝熱
面積を増加させることができるという大きな利点を有し
ている。
本発明の他の実施例を第21図に示す。第19図で示した
実施例との相違点は圧力抑制プール11の外周部15の上方
の流路面積を上部ほど拡大した点である。この場合に
は、外周部15と内周部16のウエツトウエルの圧力差によ
り、外周部15の水位が上昇する割合が、圧力変化の初期
の段階で大きく、内周部16のウエツトウエルに同じ量だ
け不凝縮気体が流入した場合には、断面積が一定の場合
と比較して外周部15の水位の上昇がより大きくなり、伝
熱面積の増加をはかることができるという特徴がある。
本発明の他の実施例を第22図により説明する。
第22図は鋼製の格納容器壁10をウエツトウエル7を含
む水平断面で切断した平面図である。第19図で示した実
施例との差は、圧力抑制プール11の上部空間の構造壁11
6と鋼製の格納容器壁10との間の空間を仕切り板120によ
り複数に分割している点である。このようにすることに
より、冷却材喪失事故時に外周部15の水位が上昇して外
周プール17への伝熱特性が向上することは第19図で示し
た実施例と同じであるが、万一、構造壁116に気体の漏
洩が発生し、外周部15と内周部16との圧力差が維持でき
なくなつても、外周部15のウエツトウエルが周方向で仕
切り板120により仕切られているから、外周部15の水位
が上昇しないのはその漏洩に関係する空間区画だけであ
り、その以外の空間区画では水位の上昇状態が維持出
来、有効な伝熱面積の減少を極力少なくしている。この
ため、本発明の格納容器からの放熱特性の向上による格
納容器内圧の低減法の信頼性を向上する効果がある。
本発明のさらに他の実施例を第23図および第24図によ
り説明する。第23図および第24図の各実施例で、共通し
て第19図で示した実施例と相違する点は、圧力抑制室を
分割する構造壁116のうち、圧力抑制プール11の水面以
下の大部分の領域をとり除いた点である。これにより、
プール水はより自由な状態で循環できることになる。さ
らに、第23図では、圧力抑制プール11の内周部16側にベ
ント管13から流入する気体の水平方向の運動を妨げる。
じやま板130を設置している。じやま板130を設置したこ
とにより、仮にベント管13の蒸気流出口18から急激に大
きな気泡が圧力抑制プール11に流入してきても、じやま
板130で水平方向の運動が妨げられ気泡は浮力により垂
直方向に上昇し、確実にウエツトウエル7の内周部16に
蓄積する。これによつて、外周部15における水位上昇が
確実となり、本発明の信頼性が向上する。
第24図では圧力抑制プール11の外周部15側に水の自然
循環を促進する対流促進板131を設置してある。この場
合には対流促進板131と格納容器壁10との間の上下に長
い隙間が圧力抑制プール11のプール水の下降流路と成
り、第25図の矢印で示す対流を引き起こす。このような
対流では、上部に停滞しがちな比較的高温なプール水を
対流促進板131に沿つて確実に圧力抑制プール11内の底
部まで到達させることが出来、高温のプール水の領域が
上下に広がり、外周プール17への放熱量が増加する。ま
た、第25図の点線よりも下の比較的低温のプール水領域
を高温のプール水で攪拌することになるから、上部のプ
ール水の温度上昇がおさえられ蒸気の凝縮能力の低下を
抑制できる。
本発明のさらに他の実施例を第26図に示す。第19図の
例との相違点は、炉心冠水配管150の圧力抑制プール側
の開口部(炉心冠水配管入口)をベント管13の蒸気流出
口18より下方の圧力抑制プールの底部近くに設け、プー
ル下方の低温の停滞水を炉心冠水配管150を通して圧力
容器1内にサイホンの原理で導きいれて炉心の冷却に利
用することである。この場合には、プールの上方の高温
水を炉心の冷却に使用する場合よりも、冷却水の顕熱分
だけ除熱効果が大きく冷却効率が良くなるという効果も
ある。なお、事故後の長期冷却時に、炉心2で発生する
崩壊熱を冠水系配管150を介して注水した冷却水の蒸発
により除去しようとすると、必要な冷却水量は炉心の出
力により異なるが電気出力が1350MWの場合、炉停止後1
日で、約1000トン,3日目までに約2400トンが必要とな
る。プール下部からこれだけの低温水がくみ出され、炉
心の熱を除去した後、蒸気の形でプールの上方に戻り、
そこで凝縮し高温水となる。そのため、温度成層界面す
なわち高温の領域と低温の領域の境界面が下方に移動し
てくるので伝熱に有効な高温の伝熱面積が増加するとい
う効果がある。また、炉心冠水配管150から炉心2に注
水された冷却水は再び圧力抑制プール11に戻るという循
環経路を構成しているので、外部から冷却水を給水する
ことなしに、炉心の熱を除去し続けられるという効果も
ある。
第27図は炉心冠水配管150の詳細例を示したものであ
る。炉心冠水配管150は、圧力抑制プール11の上面より
低い位置にあり、圧力抑制プール11と炉心2との間でサ
イホンを構成している。万一、この炉心冠水配管150内
に気体が流入し、液の連続性がとぎれると、サイホンと
して機能できず、炉心冷却も維持できなくなる。しか
し、本発明に示すように炉心冠水配管150の最上部に開
口部151をつけると、万一、この炉心冠水配管150内に気
体が流入したとしても気体は浮力により最上部の開口部
151から水中に排出されるため自然にサイホンの機能が
回復し、冠水系の信頼性が向上することができる。な
お、冠水配管150の最上部の開口部151としては、第28図
にしめす構造としてもよい。この構造は、流れの方向に
より流動抵抗係数が異なることを利用したもので、冠水
配管から流出する場合の流動抵抗係数にくらべ、流入時
の流動抵抗係数がはるかに大きくなつている。開口部15
1の面積は炉心冠水配管150の圧力抑制プール側の下端に
ある液の流入部の面積よりも小さく、開口部151に液が
流入する際の流動抵抗係数が大きいため、開口部151か
ら炉心冠水配管150に流入するプール水液の量は少な
い。そのため、プール底部から低温水をくみ出し、温度
成層界面を降下させるという効果はそのままで、炉心冠
水の信頼性向上を期待できる。
このように、本発明によれば、炉心からの長期除熱を
維持しながら従来問題とされてきた温度成層化による放
熱特性の劣化を回避できる。また、温度成層界面の降下
という効果をあらかじめ考慮して、従来よりもベント管
の蒸気吹出口の水深を浅くし、吹き込み圧を減少させ、
格納容器の内圧を低下させることもできる。
本発明のさらに他の実施例を第29図および第30図に示
す。
第29図では、ウエツトウエル7と非常用炉心冷却水プ
ール140の上部空間部が連通孔142により接続されてい
る。これにより、外周部15の水位の上昇に伴い、外周部
15側ウエツトウエルの不凝縮気体が非常用炉心冷却水プ
ール140の上部空間部へ連通孔142を通つて分散して圧力
が低下することにより、格納容器内全体の圧力が低下す
る効果と、外周部15の水面がより高く上昇し、放熱特性
か向上する効果とが得られる。
また、第30図ではオペレーシヨンフロア141と外周部1
5側ウエツトウエル7とのあいだが圧力解放弁143により
連通可能となつている。これにより、外周部側の水面が
上昇して外周部15側ウエツトウエル7内の圧力が圧力解
放弁143の設定値に到ると、圧力解放弁143が開き、その
後は、格納容器のオペレーシヨンフロア141の上部空間
が外周部側ウエツトウエルとして利用できることにな
り、ウエツトウエルの不凝縮気体分圧低下に効果があ
る。なお、この圧力解放弁143の設定圧力を変更するこ
とにより圧力解放弁143の作動時刻を任意に設定でき
る。
本発明のさらに他の実施例を第31図に示す。この例で
は圧力抑制室を分割している構造壁116に内外周部15,16
の各ウエツトウエルを連通する連通孔115を、圧力抑制
プール内で連通する連通孔119とともに設けてある。第2
9図あるいは第30図の例のように、ウエツトウエル容積
が大きな場合、あるいは外周プール水位が高くとること
の出来ない場合には、構造壁116によりウエツトウエル
7を内外周に仕切らずに、内周部16側ウエツトウエル内
に蓄積する不凝縮気体圧を内外周両ウエツトウエル全体
に拡散する方が圧力低減に効果のある場合がある。第31
図はこの例を示しており、この場合でも第29図の例と同
様な効果により格納容器全体の圧力の上昇が抑制され
る。
本発明のさらに他の実施例を第32図に示す。これまで
示してきた例では、格納容器の外周に設けた外周プール
17により熱を除去していた。この例では、オペレーシヨ
ンフロア141とウエツトウエル7とのあいだに圧力解放
弁143をもち、さらに、格納容器外壁の外周プール17を
設置した位置より上方をドーム状の壁201で覆い、その
壁201の上部に通風出口202を下部に通風入口203を設け
て自然通風が可能な空隙160を格納容器壁10の外面との
間に設け、その空隙の内部に熱伝導率の良い材質で構成
した放熱板(隔壁)161を設けてある。圧力解放弁143が
作動した後では、格納容器のオペレーシヨンフロア141
の温度はウエツトウエルの温度とおなじ値まで上昇す
る。格納容器壁10内外の温度差により空隙内の空気が暖
められ、暖められた空気が上昇することで通風入口203
から通風出口202に到る自然通風状態が発生する。この
自然通風により、格納容器からの熱を除去でき、格納容
器の温度と圧力を下げるのに効果がある。
特に隔壁161は格納容器壁10からの輻射熱を受けて格
納容器から熱を奪いその奪つた熱は放熱板161の内側と
外側の両方を流れる通風により除去されるから、冷却効
果を向上するのに役立つている。
このように、上部においては空冷により、下部におい
ては第19図の例と同じく、外周部15の水位の上昇により
放熱効果を格納容器全体において向上させているから、
格納容器内圧力の上昇抑制がより良く行なえる。
〔発明の効果〕
請求項1の原子炉格納容器によれば、ウエットウエル
が、内周部ウエットウエルと外周部ウエットウエルとに
区画され、前記外周部ウエットウエルと前記内周部ウエ
ットウエルとが、冷却水充填部を介して連通し、蒸気放
出口が、前記冷却水充填部のうち前記内周部ウエットウ
エルの真下に位置する領域に配置されていることによ
り、ドライウエルから前記冷却水充填部に流入した不凝
縮気体は前記内周部ウエットウエルに蓄積され、前記内
周部ウエットウエルの冷却水の液面を押し下げ、前記外
周部ウエットウエルの冷却水の液面が上昇する。前記外
周部ウエットウエルにおいて原子炉格納容器の内壁面に
接する冷却水の面積が増加するので、前記原子炉格納容
器の壁を介して冷却水の熱を効率よく外周プールに放熱
することができ、冷却水の温度が下がって、冷却水の蒸
気を凝縮させる能力が増加する。従って、ドライウエル
の圧力が低減することができる。
請求項2の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用効果が得られるとともに、内周部ウエット
ウエルとウエットウエルとの容積の比が、0.3以上であ
ることにより、外周部ウエットウエルの冷却水の液面の
上昇幅が大きいので、ドライウエルの圧力をより低減す
ることができる。
請求項3の原子炉格納容器によれば、外周部ウエット
ウエルが、周方向に複数の区画を有することにより、あ
る区画で、内周部ウエットウエルと前記外周部ウエット
ウエルとの間で不凝縮気体の漏洩があっても、他の区画
では影響を受けずに、前記外周部ウエットウエルの冷却
水の液面の上昇を得ることができ、請求項1の発明と同
様の作用効果が得られる。
請求項4の原子炉格納容器によれば、じゃま板が、内
周部ウエットウエルの真下の冷却水充填部に、蒸気放出
口に対向して設けられたことにより、前記蒸気放出口か
ら急激に大きな気体の塊が前記冷却水充填部に流出した
とき、前記気体の塊は、前記じゃま板によって水平方向
の運動が妨げられて上昇するので、前記内周部ウエット
ウエルに確実に蓄積され、請求項1の発明と同様の作用
効果が得られる。
請求項5の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用効果が得られるとともに、対流促進板が、
外周部ウエットウエルから前記外周部ウエットウエルの
真下の冷却水充填部に、原子炉格納容器の内壁面に沿っ
て、かつ、前記内壁面とは隙間を保って設けられたこと
により、前記冷却水充填部内に対流が発生し、冷却水の
熱をより効率よく外周プールに放熱することができる。
従って、ドライウエルの圧力をより低減することができ
る。
請求項6の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用効果が得られるとともに、外周部ウエット
ウエルの水平方向の断面積が、下部よりも上部で大きい
ことにより、前記外周部ウエットウエルに蓄積されてい
る不凝縮気体の分圧が低いので、前記外周部ウエットウ
エルの冷却水の液面の上昇幅が増加し、ドライウエルの
圧力をより低減することができる。
請求項7の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用効果が得られるとともに、外周部ウエット
ウエルは、ドライウエル内に配置された密封容器に連通
していることにより、前記外周部ウエットウエルの不凝
縮気体の分圧が低減して、前記外周部ウエットウエルの
冷却水の液面がより上昇する。従って、ドライウエルの
圧力をより低減することができる。
請求項8の原子炉格納容器によれば、請求項1の発明
と同様の作用効果が得られるとともに、圧力検出手段が
ドライウエルの圧力を検出し、スプレイ装置が前記ドラ
イウエル内の雰囲気を冷却し、スプレイ制御装置が、前
記圧力検出手段で検出された前記ドライウエルの圧力に
基づいて、前記スプレイ装置のスプレイ動作を制御し、
第1の真空破壊弁は、排気方向が前記ドライウエル方向
で、外周部ウエットウエルと前記ドライウエルとを連通
し、第2の真空破壊弁は、排気方向が前記ドライウエル
方向で、内周部ウエットウエルと前記ドライウエルとを
連通し、動作圧力が前記第1の真空破壊弁の動作圧力よ
り大きいことにより、前記外周部ウエットウエルの冷却
水の液面が上昇したのちに、前記ドライウエルの圧力が
高まると、前記スプレイ制御装置が、前記スプレイ装置
を制御して動作させる。前記スプレイ装置が前記ドライ
ウエル内の雰囲気を冷却して、前記ドライウエルの圧力
を低下させて、第1の真空破壊弁および第2の真空破壊
弁が動作する。前記内周部ウエットウエルおよび前記外
周部ウエットウエル内の不凝縮気体が前記ドライウエル
に排気されて、第1の真空破壊弁および第2の真空破壊
弁は閉じて、前記スプレイ装置も一定時間後に止まる。
再度、前記ドライウエルの圧力が高まると、前記ドライ
ウエル内の蒸気と不凝縮気体は前記内周部圧力抑制室に
流出して、前記外周部ウエットウエルの冷却水の液面を
さらに上昇させる。上述した作用が繰り返されると、ド
ライウエルの圧力をより低減することができる。
請求項9の原子炉格納容器によれば、外周プールに囲
まれた鋼製格納容器を備えており、前記鋼製格納容器の
内部に、ドライウエルおよび圧力抑制室が形成されてお
り、前記圧力抑制室は、内部構造壁によって、外周部圧
力抑制室と内周部圧力抑制室に分離されており、前記外
周部圧力抑制室は、外周部冷却水充填部と外周部ウエッ
トウエルを有しており、前記内周部圧力抑制室は、内周
部冷却水充填部と内周部ウエットウエルを有しており、
内部構造壁が、前記外周部冷却水充填部と前記内周部冷
却水充填部とを連通する孔部を有し、前記ドライウエル
内の蒸気を前記内周部冷却水充填部内に導く通路を備え
たことにより、前記ドライウエルから前記内周部冷却水
充填部に流入した不凝縮気体は、前記内周部ウエットウ
エルに蓄積され、前記内周部圧力抑制室における冷却水
の液面を押し下げ、前記外周部圧力抑制室内の冷却水の
液面が上昇する。前記外周部圧力抑制室において、前記
鋼製格納容器の内壁面に接する冷却水の面積が増加する
ので、前記鋼製格納容器の壁を介して冷却水の熱を効率
よく前記外周プールに放熱することができ、冷却水の温
度が下がって、冷却水の蒸気を凝縮させる能力が増加す
る。従って、ドライウエルの圧力を低減することができ
る。
請求項10の原子炉格納容器によれば、請求項9の発明
と同様の作用効果が得られるとともに、対流促進板が、
外周部冷却水充填部に、鋼製格納容器の内壁面に沿っ
て、かつ、前記内壁面とは隙間を保って設けられたこと
により、前記外周部冷却水充填部内に対流が発生し、冷
却水の熱をより効率よく外周プールに放熱することがで
きる。従って、ドライウエルの圧力をより低減すること
ができる。
請求項11の原子炉格納容器によれば、請求項9の発明
と同様の作用効果が得られるとともに、非常用炉心冷却
水プールが原子炉圧力容器よりも上方に位置し、通路が
外周部ウエットウエルと前記非常用炉心冷却水プール内
の前記冷却水の液面よりも上方の空間とを連絡している
ことにより、前記外周部ウエットウエル内の不凝縮気体
の分圧が低減して、外周部圧力抑制室の冷却水の液面が
上昇する。前記外周部圧力抑制室において、鋼製格納容
器の内壁面に接する冷却水の面積がより増加する。従っ
て、ドライウエルの圧力をより低減することができる。
請求項12の原子炉格納容器によれば、請求項9の発明
と同様の作用効果が得られるとともに、圧力開放手段
が、ドライウエルの上方で鋼製格納容器の塔頂部に位置
するオペレーションフロアーと、外周部ウエットウエル
とを連通することにより、前記外周部ウエットウエル内
の不凝縮気体の分圧が低減して、外周部圧力抑制室の冷
却水の液面が上昇する。前記外周部圧力抑制室におい
て、前記鋼製格納容器の内壁面に接する冷却水の面積が
より増加する。従って、ドライウエルの圧力をより低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す縦断面図、第2図の
(1),(2),(3)は第1図の実施例の動作を順次
示す圧力抑制室と外周プールの縦断面図、第3図は第1
図の内周部と外周部の各上部空間体積比の変化に対する
外周部水位の上昇幅を示すグラフ図、第4図は第1図の
格納容器内圧力の時間変化を示すグラフ図、第5図は本
発明の他の実施例による格納容器の縦断面図、第6図は
第5図のA−A矢視断面図、第7図は本発明のさらに他
の実施例による格納容器における圧力抑制室と外周プー
ルを示す縦断面図、第8図は第7図のB−B矢視断面図
を円周4分の1の領域で示した断面図、第9図は第7図
の実施例における圧力抑制プール水の動作を矢印で示し
た圧力抑制室の縦断面図、第10図は本発明のさらに他の
実施例による格納容器の縦断面図、第11図の(1),
(2),(3)は第10図の実施例による外周部水位変化
の動作を順次示した圧力抑制室の縦断面図、第12図は本
発明のさらに他の実施例による格納容器における圧力抑
制室と外周プールの縦断面図、第13図は第12図の実施例
における格納容器内圧力の時間変化を示すグラフ図、第
14図は本発明のさらに他の実施例による格納容器の縦断
面図、第15図の(1),(2)は第14図の実施例による
外周部水位変化の動作を順次示した圧力抑制室と外周プ
ールの縦断面図、第16図の(1),(2)は本発明のさ
らに他の実施例による格納容器における外周部水位の変
化状況を順次示した圧力抑制室と外周プールの縦断面
図、第17図の(1),(2)は本発明のさらに他の実施
例による格納容器における外周プール部水位の変化状況
を順次示した圧力抑制室と外周プールの縦断面図、第18
図の(1),(2)は第17図の実施例における凝縮動作
時の外周部水位と外周プール水位との変化状況を順次示
した圧力抑制室と外周プールの縦断面図、第19図は本発
明のさらに他の実施例による格納容器の縦断面図、第20
図は本発明のさらに他の実施例による格納容器の縦断面
図、第21図は本発明のさらに他の実施例による格納容器
の縦断面図、第22図は本発明のさらに他の実施例による
格納容器の圧力抑制プール水面高さにおける平面断面
図、第23図は本発明のさらに他の実施例による格納容器
の縦断面図、第24図は本発明のさらに他の実施例による
格納容器の縦断面図、第25図は第24図の実施例における
凝縮作用時の圧力抑制プール水の動きを矢印で示した圧
力抑制室と外周プールの縦断面図、第26図は本発明のさ
らに他の実施例による格納容器の縦断縦面図、第27図は
第26図の実施例における炉心冠水配管に改良を加えた場
合の炉心冠水配管の概略図、第28図は第27図の実施例に
おける炉心冠水配管にさらに改良を加えた場合の炉心冠
水配管の部分詳細図、第29図は本発明のさらに他の実施
例による格納容器の縦断面図、第30図は本発明のさらに
他の実施例による格納容器の縦断面図、第31図は本発明
のさらに他の実施例による格納容器の縦断面図、第32図
は本発明のさらに他の実施例による格納容器の縦断面図
である。 1……原子炉圧力容器、2……炉心、3……ライザ、4
……ドライヤ、5……主蒸気管、6……給水管、7……
ウエツトウエル、10……原子炉格納容器壁、11……圧力
抑制プール、12……ドライウエル、13……ベント管、14
……分割壁、15……外周部、16……内周部、17……外周
プール、18……蒸気流出口、20……蓄水タンク、21……
建屋、22……逆止弁、23……配管、30……仕切り板、40
……じやま板、41……対流促進板、50……容器、51……
配管、60……真空破壊弁、61……真空破壊弁、62……格
納容器スプレイタンク、63……圧力計、64……主制御
器、65……弁操作器、66……弁、67……配管、68……冷
却材、69……スプレイノズル、70……真空ポンプ、71…
…弁、72……超音波水位計、73……主制御器、74……リ
レースイツチ、75……弁操作器、80……主制御器、81…
…超音波水位計、82……弁、83……弁操作器、85……容
器、90……壁、100……弁、101……弁、115……連通
孔、116……構造壁、119……連通孔、120……仕切り
板、130……じやま板、131……対流促進板、140……非
常用炉心冷却水プール、141……オペレーシヨンフロ
ア、142……連通孔、143……圧力開放弁、150……炉心
冠水配管、151……開口部、160……空隙、161……放熱
板、202……通風出口、203……通風入口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 洋明 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 隅田 勲 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 中尾 俊次 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 落合 兼寛 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 新野 毅 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 日▲高▼ 政隆 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 福井 徹 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 川部 隆平 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−187291(JP,A) 特開 昭63−191096(JP,A) 特開 昭64−91089(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉圧力容器が格納されるドライウエル
    と、圧力抑制室とを含み、前記圧力抑制室は、前記ドラ
    イウエル内の蒸気を凝縮する冷却水が充填される冷却水
    充填部、および、前記冷却水の液面よりも上方に形成さ
    れるウエットウエルを含み、外面が外周プール内に接し
    た原子炉格納容器において、前記ウエットウエルは、前
    記原子炉圧力容器側に位置した内周部ウエットウエル
    と、前記外周プール側に位置した外周部ウエットウエル
    とに区画され、前記外周部ウエットウエルと前記内周部
    ウエットウエルとは前記冷却水充填部を介して連通し、
    前記蒸気を前記冷却水充填部に導く通路の蒸気放出口
    を、前記冷却水充填部のうち前記内周部ウエットウエル
    の真下に位置する領域に配置していることを特徴とする
    原子炉格納容器。
  2. 【請求項2】請求項1の原子炉格納容器において、前記
    内周部ウエットウエルと前記ウエットウエルとの容積の
    比は、0.3以上であることを特徴とする原子炉格納容
    器。
  3. 【請求項3】請求項1の原子炉格納容器において、前記
    外周部ウエットウエルは、周方向に複数の区画を有する
    ことを特徴とする原子炉格納容器。
  4. 【請求項4】請求項1の原子炉格納容器において、前記
    圧力抑制室は、前記内周部ウエットウエルの真下の前記
    冷却水充填部に、前記蒸気放出口に対向して設けられた
    じゃま板を有することを特徴とする原子炉格納容器。
  5. 【請求項5】請求項1の原子炉格納容器において、前記
    圧力抑制室は、前記外周部ウエットウエルから前記外周
    部ウエットウエルの真下の前記冷却水充填部に、前記原
    子炉格納容器の内壁面に沿って、かつ、前記内壁面とは
    隙間を保って設けられた対流促進板を有することを特徴
    とする原子炉格納容器。
  6. 【請求項6】請求項1の原子炉格納容器において、前記
    外周部ウエットウエルは、上部の水平方向の断面積が下
    部のその断面積よりも大きいことを特徴とする原子炉格
    納容器。
  7. 【請求項7】請求項1の原子炉格納容器において、前記
    外周部ウエットウエルは、前記ドライウエル内に配置さ
    れた密封容器に連通していることを特徴とする原子炉格
    納容器。
  8. 【請求項8】請求項1の原子炉格納容器において、前記
    ドライウエルの圧力を検出する圧力検出手段と、前記ド
    ライウエル内の雰囲気を冷却するスプレイ装置と、前記
    圧力検出手段で検出された前記ドライウエルの圧力に基
    づいて、前記スプレイ装置のスプレイ動作を制御するス
    プレイ制御装置と、前記外周部ウエットウエルと前記ド
    ライウエルとを連通し、排気方向が前記ドライウエル方
    向である第1の真空破壊弁と、前記内周部ウエットウエ
    ルと前記ドライウエルとを連通し、排気方向が前記ドラ
    イウエル方向である第2の真空破壊弁とを備え、前記第
    2の真空破壊弁は、動作圧力が前記第1の真空破壊弁の
    動作圧力より大きいことを特徴とする原子炉格納容器。
  9. 【請求項9】外周プールに囲まれた鋼製格納容器と、前
    記鋼製格納容器の内部に、原子炉圧力容器が設置される
    ドライウエルおよび圧力抑制室を形成し、前記圧力抑制
    室は、内部構造壁によって分離された、外周部圧力抑制
    室と内周部圧力抑制室とを含み、前記外周部圧力抑制室
    は、前記外周プール側に位置しており、冷却水が充填さ
    れる外周部冷却水充填部と前記冷却水の液面よりも上に
    形成される外周部ウエットウエルを有し、前記内周部部
    圧力抑制室は、前記外周部圧力抑制室の内側に位置して
    おり、冷却水が充填される内周冷却水充填部と前記冷却
    水の液面よりも上に形成される内周部ウエットウエルを
    有し、前記内部構造壁は、前記外周部冷却水充填部と前
    記内周部冷却水充填部とを連通する孔部を有し、前記ド
    ライウエル内の蒸気を前記内周部冷却水充填部内に導く
    通路を備えたことを特徴とする原子炉格納容器。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記外周部冷却水充
    填部に、前記鋼製格納容器の内壁面に沿って、かつ、前
    記内壁面とは隙間を保って設けられた対流促進板を有す
    ることを特徴とする原子炉格納容器。
  11. 【請求項11】請求項9において、密封されて前記原子
    炉圧力容器よりも上方に位置し、冷却水を前記原子炉圧
    力容器に供給する非常用炉心冷却水プールと、前記外周
    部ウエットウエルと、前記非常用炉心冷却水プール内の
    前記冷却水の液面よりも上方の空間とを連絡する通路と
    を有することを特徴とする原子炉格納容器。
  12. 【請求項12】請求項9において、前記ドライウエルの
    上方で前記鋼製格納容器の塔頂部に位置するオペレーシ
    ョンフロアーを有し、前記オペレーションフロアーと前
    記外周部ウエットウエルとを連通する圧力開放手段を有
    することを特徴とする原子炉格納容器。
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