JP6004438B2 - 原子炉冷却システム - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉冷却システムに関する。
原子力発電システム、例えば、沸騰水型原子炉(BWR(Boiling Water Reactor))は、原子炉停止後も、原子炉圧力容器内の炉心の崩壊熱を除去して原子炉を冷却する必要がある。通常は、原子炉圧力容器から一部の水を抜き取り、その水を海水と熱交換する熱交換器を通して冷却して原子炉圧力容器に戻すことで、崩壊熱を除去している。この種の原子炉冷却システムは、原子炉圧力容器からの水の抜き取り及び冷却用の海水の汲み上げに電動ポンプを使用しているので、この冷却システムの動作には電気が必要である。そのため、原子炉への外部からの送電が止まる異常事象発生時には、原子炉に設置した非常用発電機が起動して、この冷却システムを運転する。
この点を鑑みて、原子炉への外部からの送電が止まった時に、ポンプ等の動的機器やこれを作動させる電源を必要としないで原子炉の冷却可能なシステムとして、特許文献1及び特許文献2に記載の技術がある。
特許文献1に記載の技術は、原子炉格納容器の上方に設けた冷却水プールと、冷却水プール内の熱交換器と、熱交換器の上部に接続された蒸気室と、熱交換器の下部に接続された水室と、蒸気室と原子炉格納容器のドライウェルとを接続する第1の配管と、水室の底部と原子炉格納容器のサプレッションプールとを接続する第2の配管と、水室の空間部とサプレッションプールとを接続する第3の配管とを備えた冷却システム(静的格納容器冷却冷却設備)である。このシステムは、原子炉の配管破断等の事故によりドライウェルに流出した蒸気を、第1の配管を介して熱交換器に導いて冷却水プールとの熱交換により凝縮させ、この凝縮水を第2の配管を介してサプレッションプールに流入させるものであり、ウェットウェルと、流出した蒸気により圧力上昇したドライウェルとの圧力差を駆動力として、電源なしに動作する。このシステムは、炉心の崩壊熱を水で冷却するものである。
また、特許文献2に記載の技術は、原子炉圧力容器に熱伝達可能に配置した蒸発部と、原子炉圧力容器より上方かつ大気中に露出して配置した凝縮部と、蒸発部で蒸気化した作動流体を凝縮部に流動させる蒸気管と、凝縮部で凝縮した作動流体を蒸発部に流動させる液戻り管と、作動流体を貯留し、液戻り管に接続されるリザーバと、液戻り管に設け、所定条件で開操作される主導弁とを有するループ式ヒートパイプを備えた冷却システムである。このシステムは、リザーバ内の作動流体を、主導弁の開操作により蒸発部に供給して原子炉圧力容器内の崩壊熱との熱交換により蒸気化させ、蒸気化した作動流体を凝縮部に供給して大気との熱交換により凝縮させ、凝縮した作動流体を蒸発部に還流させるものである。すなわち、このシステムは、炉心の崩壊熱を最終的に空気で冷却するものである。
特開2003−240888号公報 特開2012−233737号公報
上記した特許文献1に記載の技術においては、炉心の崩壊熱を冷却水プールに伝熱させるので、このプール水は、加熱されて沸騰し、その後蒸発する。このシステムは、熱伝達率の大きい水の沸騰熱伝達を活用できるので、原子炉停止直後の大きな崩壊熱を除去するシステムを容易に実現可能であるが、プール水が蒸発してなくなると、崩壊熱の除去機能は実質的に停止してしまう。すなわち、このシステムの動作時間はプール水量で制約されてしまうという問題がある。
一方、上記した特許文献2に記載の技術は、実質的に無限に存在する空気を用いて炉心の崩壊熱を除熱するので、動作時間の制約はないが、特許文献1に記載の技術のような水による冷却システムと比較すると熱伝達率が低く除熱性能が劣る。このため、このシステムにより原子炉停止直後の大きな崩壊熱を除去するためには、大気と熱交換する凝縮部の表面積を大きくする必要があるので、コストや設置場所を考慮すると現実的ではないという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、電源なしに動作し、原子炉停止直後の崩壊熱を除去でき、動作時間の制約がない原子炉冷却システムを提供するものである。
上記課題を解決するため、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、原子炉格納容器と、前記原子炉格納容器内に設置された原子炉圧力容器または蒸気発生器と、前記原子炉圧力容器または前記蒸気発生器の冷却水の通常水位より高い位置に設置した冷却プールとを備えた原子炉の冷却システムであって、前記原子炉圧力容器、前記蒸気発生器、または前記原子炉格納容器から蒸気を抜き取る蒸気供給配管と、前記蒸気供給配管の下流側に接続され、前記冷却プール中に設置した凝縮タンクと、前記凝縮タンクの下流側に接続され、前記冷却プール中に設置した熱交換器と、一端が前記熱交換器の下流側に接続され、他端が前記原子炉圧力容器、前記蒸気発生器、または前記原子炉格納容器に接続された戻し管と、前記凝縮タンクの内部に設置した内部熱交換器を有し、前記内部熱交換器を空気により冷却する空冷システムとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、崩壊熱により発生した蒸気を、まず、空冷システムを介して空気により冷却し、次に、熱交換器を介して冷却プールにより冷却する構成としたので、電源なしに動作し、原子炉停止直後の崩壊熱を除去できると共に動作時間が制約されることはない。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の原子炉冷却システムの第1の実施の形態を適用した沸騰水型原子炉を示す概略構成図である。 本発明の原子炉冷却システムの第2の実施の形態を適用した沸騰水型原子炉を示す概略構成図である。 本発明の原子炉冷却システムの第3の実施の形態を適用した沸騰水型原子炉を示す概略構成図である。 本発明の原子炉冷却システムの第1の実施の形態を適用した加圧水型原子炉の一例を示す概略構成図である。 本発明の原子炉冷却システムの第1の実施の形態を適用した加圧水型原子炉の他の例を示す概略構成図である。
以下、本発明の原子炉冷却システムの実施の形態を図面を用いて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本発明の原子炉冷却システムの第1の実施の形態を適用した沸騰水型原子炉を示す概略構成図である。本実施の形態は、沸騰水型原子炉(BWR)に適用したものである。
図1において、沸騰水型原子炉の原子炉建屋1は、原子炉格納容器2を備えている。原子炉格納容器2内には、炉心3を内包する原子炉圧力容器4が設置されている。原子炉格納容器2の内部は、原子炉圧力容器4を取り囲む上部ドライウェル5と、原子炉圧力容器4の下方に形成された下部ドライウェル6と、サプレッションプール水を貯留するウェットウェル7とに区画されている。原子炉格納容器2外の上側には、冷却プール8が設置されている。冷却プール8は、原子炉圧力容器4内の冷却水の通常水位4aより高い位置に設置されている。
原子炉圧力容器4には、原子炉圧力容器4から蒸気を抜き取る原子炉蒸気供給配管(蒸気供給配管)21が接続されている。この原子炉蒸気供給配管21の下流側(他端側)には、冷却プール8中に縦置きに設置された凝縮タンク22が接続されている。凝縮タンク22には、最終的に空気により冷却する空冷システム23が接続されている。
空冷システム23は、例えば、凝縮タンク22の内部に縦置きに設置された内部熱交換器24と、原子炉建屋1の外部に縦置きに設置され、内部熱交換器24より上方に位置する外部熱交換器25と、両熱交換器24、25間を接続する熱輸送ループ26とからなる閉ループで構成されている。空冷システム23の閉ループ中には、水または代替フロンなどの冷媒が封入されている。熱輸送ループ26は、例えば、気化した冷媒を通す配管26aと、凝縮した冷媒を通す配管26bとで構成されている。
凝縮タンク22の下流側には、冷却プール8中に設置した非常用復水器熱交換器(熱交換器)27が接続されている。非常用復水器熱交換器27の下流側には、凝縮水戻し管(戻し管)28の一端が接続されている。この凝縮水戻し管28の他端は、原子炉圧力容器4に接続されている。凝縮水戻し管28上には、起動弁29が設置されている。
原子炉建屋1の外側には、ダクト部30が設置されている。原子炉建屋1とダクト部30により流路が形成されている。この流路内には、外部熱交換器25が配置されている。
ところで、原子炉停止直後、例えば1時間後の崩壊熱は、一般的な知見として、定格運転時の熱出力の約1.5%程度である。崩壊熱は、その後徐々に減少し、10日後には約0.2%まで低下する。
そこで、本実施の形態においては、空冷システム23の除熱性能を、例えば、原子炉停止から10日後の崩壊熱相当としている。一方、冷却プール8のプール水による冷却システムは、原子炉停止直後の崩壊熱相当、または、その崩壊熱の熱量から空冷システム23の除熱量を差し引いた除熱量で設計する。
次に、本発明の原子炉冷却システムの第1の実施の形態の動作を図1を用いて説明する。
原子炉が停止した後も、原子炉圧力容器4内部では、炉心3の崩壊熱が発生し、蒸気が発生している。この崩壊熱を除去して原子炉を冷却するために、起動弁29を開放する。
起動弁29を開放すると、原子炉圧力容器4内の蒸気は、抜き取られて原子炉蒸気供給配管21を通して凝縮タンク22に供給される。この蒸気の一部は、凝縮タンク22に接続された空冷システム23を介して空気により冷却されて凝縮する。
具体的には、凝縮タンク22に流入した蒸気の一部は、空冷システム23の内部熱交換器24内の冷媒と熱交換することにより冷却されて凝縮する。一方、内部熱交換器24内の冷媒は、蒸気と熱交換することにより気化し、熱輸送ループ26の配管26aを通して外部熱交換器25に流入する。この気化した冷媒は、外部熱交換器25を介して原子炉建屋1の外部の空気と熱交換することにより、冷却されて凝縮する。この凝縮した冷媒は、重力により熱輸送ループ26の配管26bを通して内部熱交換器24に還流し、凝縮タンク22に流入した蒸気を冷却する。
また、外部熱交換器25に流入した冷媒と熱交換した外部の空気は、加熱されて、浮力によりダクト部30内を上昇する。このことにより、ダクト部30内で空気が流動し、外部熱交換器25に流入した冷媒は効果的に冷却される。
このように、この空冷システム23は、循環する冷媒を用いて、凝縮タンク22に流入した蒸気を最終的に外部の空気により冷却する。ただし、空冷システム23の除熱性能は原子炉停止から一定期間後の崩壊熱相当としているため、凝縮タンク22に流入した蒸気を全て凝縮することはできない。
凝縮タンク22で凝縮しなかった蒸気は、非常用復水器熱交換器27を介して冷却プール8のプール水と熱交換することにより凝縮する。凝縮水は、重力により凝縮水戻し管28を通して原子炉圧力容器4に戻る。
非常用復水器熱交換器27を介して蒸気により加熱された冷却プール8のプール水は、沸騰して蒸発する。このため、この冷却システムは、熱伝達率の大きい水の沸騰熱伝達を活用でき、原子炉停止直後の大きな崩壊熱を除去することができる。
その後、崩壊熱の除去に伴い、冷却プール8のプール水が枯渇し、冷却プール8による冷却システムの動作が実質的に停止する。このとき、崩壊熱は時間の経過とともに減少しているため、発生する崩壊熱の全てを空冷システム23により除去可能となる。この空冷システム23は、実質的に無限に存在する原子炉建屋1の外部の空気を用いるので、動作時間の制約はない。
なお、原子炉の通常運転中には、起動弁29は閉止されている。このため、凝縮タンク22に流入した蒸気が凝縮すると、この凝縮水は凝縮タンク22内に溜まる。この状態では、空冷システム23の冷媒が循環せず、空冷システム23はその動作を自動的に停止する。この結果、原子炉の通常運転中に、空冷システム23により、原子力圧力容器4内の蒸気の熱エネルギーを原子炉建屋1の外部に放出することはない。
一方、起動弁29を開放すると、起動弁29の閉止により凝縮タンク22内に溜まっていた凝縮水が下流側に排出される。このため、原子炉圧力容器4の蒸気が凝縮タンク22に流入し、空冷システム23の冷媒が気化するので、冷媒が空冷システム23の閉ループ内を循環し始める。すなわち、空冷システム23は、起動弁29の開放により自動的に起動する。
上述したように、本発明の原子炉冷却システムの第1の実施の形態によれば、崩壊熱により発生した蒸気を、まず、空冷システム23を介して空気により冷却し、次に、非常用復水器熱交換器(熱交換器)27を介して冷却プール8により冷却する構成としたので、電源なしに動作し、原子炉停止直後の崩壊熱を除去できると共に動作時間が制約されることはない。
さらに、本実施の形態によれば、原子炉停止直後から空冷システム23により崩壊熱の一部を除去するため、冷却プール8のプール水の蒸発を抑制し、冷却プール8による冷却システムの動作時間を長くできる。また、冷却プール8による冷却システムの動作時間が長くなるほど、原子炉の崩壊熱は小さくなるため、空冷システム23による除熱が容易となる。
さらに、本実施の形態によれば、放射性物質を含む蒸気を原子炉建屋1の外部に設置した熱交換器に直接導いて空気で冷却するのではなく、内部熱交換器24と、外部熱交換器25と、両熱交換器24、25間を接続する熱輸送ループ26とで構成した閉ループの空冷システム23を介してこの蒸気を原子炉建屋1外部の空気で冷却するので、原子炉建屋1の外部に設置した外部熱交換器25が破損した場合でも、放射性物質が原子炉建屋1の外部の空気に放出されることはない。
また、本実施の形態によれば、空冷システム23は、冷却プール8による冷却システムに設けた起動弁29の開放・閉止により自動的に起動・停止が行われるので、空冷システム23を起動・停止する弁を別途設置する必要がない。この結果、起動弁を複数設けることによる起動不能のリスクを低減することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の原子炉冷却システムの第2の実施の形態を図2を用いて説明する。図2は本発明の原子炉冷却システムの第2の実施の形態を適用した沸騰水型原子炉を示す概略構成図である。なお、図2において、図1に示す符号と同符合のものは、同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図2に示す本発明の原子炉冷却システムの第2の実施の形態は、第1の実施の形態が原子炉圧力容器内の蒸気を冷却するものであるのに対して、原子炉圧力容器等から原子炉格納容器内に放出された蒸気を冷却するものである。
具体的には、原子炉格納容器2には、原子炉格納容器2から蒸気を抜き取る格納容器蒸気供給配管(蒸気供給配管)41が接続されている。この格納容器蒸気供給配管41の下流側には、凝縮タンク22が接続されている。
凝縮タンク22の下流側には、冷却プール8中に設置した静的格納容器冷却設備熱交換器(熱交換器)47が接続されている。静的格納容器冷却設備熱交換器47の下流側には、格納容器戻し管(戻し管)48の一端が接続されている。格納容器戻し管48の他端は、原子炉格納容器2内のウェットウェル7に接続されている。
次に、本発明の原子炉冷却システムの第2の実施の形態の動作を図2を用いて説明する。
低い確率であるが原子炉で配管破断事故が発生した場合、崩壊熱により発生した原子炉圧力容器4内の蒸気は、破断した配管から上部ドライウェル5及び下部ドライウェル6内に放出される。この蒸気によりこのドライウェル5、6内の圧力が上昇する。
ドライウェル5、6に放出された蒸気は、ドライウェル5、6内の非凝縮性ガスと共に、ドライウェル5、6とウェットウェル7との圧力差を駆動力として、格納容器蒸気供給配管41を通して凝縮タンク22に流入する。この蒸気の一部は、第1の実施の形態と同様に、凝縮タンク22に接続された空冷システム23を介して最終的に空気により冷却されて凝縮する。
凝縮タンク22で凝縮しなかった蒸気の大部分は、静的格納容器冷却設備熱交換器47を介して冷却プール8と熱交換して凝縮する。この凝縮水は、重力により格納容器戻し管48を通してウェットウェル7に流入する。凝縮しなかった蒸気や非凝縮性ガスなどのガスも格納容器戻し管48を通してウェットウェル7に流入する。
静的格納容器冷却設備熱交換器47を介して蒸気により加熱された冷却プール8のプール水は、沸騰して蒸発する。このため、この冷却システムは、第1の実施の形態と同様に、熱伝達率の大きい水の沸騰熱伝達を活用でき、原子炉停止直後の大きな崩壊熱を除去することができる。その後、第1の実施の形態と同様に、冷却プール8のプール水が枯渇して、冷却プール8による冷却システムの動作が実質的に停止するが、動作時間の制約はない空冷システム23により崩壊熱を除去する。
上述したように、本発明の原子炉冷却システムの第2の実施の形態によれば、原子炉圧力容器4内の蒸気がドライウェル5、6内に放出された場合に、原子炉格納容器2から抜き取った蒸気を、まず、空冷システム23を介して空気により冷却し、次に、静的格納容器冷却設備熱交換器(熱交換器)47を介して冷却プール8により冷却する構成としたので、電源なしに動作し、原子炉停止直後の崩壊熱を除去できると共に動作時間が制約されることはない。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の原子炉冷却システムの第3の実施の形態を図3を用いて説明する。図3は本発明の原子炉冷却システムの第3の実施の形態を適用した沸騰水型原子炉を示す概略構成図である。なお、図3において、図1及び図2に示す符号と同符合のものは、同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図3に示す本発明の原子炉冷却システムの第3の実施の形態は、第1の実施の形態と、第2の実施の形態とを組み合わせたものである。
上述した本発明の原子炉冷却システムの第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と、第2の実施の形態とを並存させた冷却システムを備えているので、原子炉圧力容器4内の蒸気を冷却する場合と、原子炉格納容器2内に放出された蒸気を冷却する場合との両方に対処することができる。
[その他]
なお、上述した第1の実施の形態においては、沸騰水型原子炉に適用した例を示したが、加圧水型原子炉(PWR(Pressurized Water Reactor))にも適用することができる。加圧水型原子炉に適用した第1の実施の形態を図4及び図5を用いて説明する。
図4は本発明の原子炉冷却システムの第1の実施の形態を適用した加圧水型原子炉の一例を示す概略構成図、図5は本発明の原子炉冷却システムの第1の実施の形態を適用した加圧水型原子炉の他の例を示す概略構成図である。なお、図4及び図5において、図1乃至図3に示す符号と同符合のものは、同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図4において、加圧水型原子炉の原子炉格納容器2内には、蒸気発生器15と、炉心3を内包する原子炉圧力容器4とが設置されている。蒸気発生器15は、原子炉圧力容器4に接続されている。原子炉格納容器2内には、冷却プール8が設置されている。冷却プール8は、蒸気発生器15の冷却水の通常水位15aより高い位置に設置されている。
本実施の形態を加圧水型原子炉に適用した場合には、原子炉蒸気供給配管21を、原子炉圧力容器4ではなく、蒸気発生器15の冷却水の通常水位15aよりも上部に接続する。また、凝縮水戻し管28を、原子炉圧力容器4ではなく、蒸気発生器15に接続する。
この場合、冷却プール8のプール水は、蒸気発生器15内で発生した蒸気と非常用復水器熱交換器27を介して熱交換し、蒸気として原子炉格納容器2内に放出される。このため、原子炉格納容器2内の圧力が上昇する。そこで、原子炉格納容器2を鋼製とし、この格納容器2の外面を機器により外部から冷却することにより、原子炉格納容器2内に放出された蒸気を凝縮させる。このとき、この凝縮水の一部を冷却プール8に戻すことができるので、冷却プール8の水量の節約が可能となる。
また、図5に示すように、冷却プール8を原子炉格納容器2の外部に設置することもできる。この場合、冷却プール8で発生した蒸気は外部に放出されるので、冷却プール8を原子炉格納容器2の内部に設置した場合のように、特別な機器により冷却プール8で発生した蒸気を冷却する必要がない。そのため、冷却プール8を原子炉格納容器2の内部に設置する場合と比較すると、機器を簡略化できる。
なお、上述した第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、熱輸送ループ26を配管26aと配管26bとで構成した例を示したが、二重管などを用いて熱輸送ループを1本にまとめた構成とすることもできる。
また、上述した第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、空冷システム23の冷媒として、水または代替フロンを例に示したが、冷媒として、空冷システム23の動作時の温度条件範囲内で沸騰・凝縮するものを用いることができる。
なお、上述した第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、内部熱交換器24および外部熱交換器25を縦置きで設置した例を示したが、これらを横置きで設置することもできる。
また、上述した第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、凝縮タンク22内に、蒸気の流れを制御・抑制するために仕切り板などを入れることもできる。
なお、上述した第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、凝縮タンク22を、冷却プール8中に設置した例を示したが、配置上の問題が無ければ凝縮タンク22を冷却プール8の外に設置することもできる。
また、上述した第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、図1乃至3に示した冷却プール8を原子炉建屋1内に設置した例を示したが、この冷却プール8を原子炉建屋1の外部に設置することもできる。
なお、上述した第1の実施の形態においては、起動弁29を凝縮水戻し管28上に設置した例を示したが、起動弁29は、原子炉の通常運転中に冷却システム中の蒸気・凝縮水の流れを遮ることができればよく、起動弁29を本原子炉冷却システムのループ上の任意の位置に設置可能である。例えば、起動弁29(図1中、二点鎖線で示す起動弁29)を原子炉蒸気供給配管21上に設置することもできる。さらに、起動弁29を複数並列に設置することにより、起動弁29の起動失敗を防止することもできる。
また、上述した第1の実施の形態においては、原子炉蒸気供給配管21を原子炉圧力容器4に接続した例を示したが、原子炉圧力容器4からタービン(図示せず)に蒸気を供給する主蒸気配管(図示せず)に接続することもできる。
なお、上述した第2の実施の形態においては、格納容器戻し管48をウェットウェル7に接続した例を示したが、格納容器戻し管48を原子炉格納容器2の下部ドライウェル6に接続することもできる。
また、上述した第2の実施の形態においては、格納容器戻し管48を1本設置した例を示したが、格納容器戻し管を、凝縮水用とガス用に分けて2本設置することもできる。
なお、本発明は上述した第1乃至第3の実施の形態の変形例に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、実際の原子炉設備では、原子炉格納容器2を貫通する部分に隔離弁、系統上に点検用の止め弁、熱交換器の上部に通常運転中に過度に溜まった凝縮水を排出する水排出管、非凝縮性ガスを排出するガス排出管などが設置されるが、上述した第1の実施の形態乃至第3の実施の形態では、これらを図示していない。また、安全系システムの性能は、通常、マージンを取って設計するが、本明細書では、それらマージンは別途検討するものとの前提で記載している。
2 原子炉格納容器
4 原子炉圧力容器
8 冷却プール
15 蒸気発生器
21 原子炉蒸気供給配管(蒸気供給配管)
22 凝縮タンク
23 空冷システム
24 内部熱交換器
25 外部熱交換器
26 熱輸送ループ
27 非常用復水器熱交換器(熱交換器)
28 凝縮水戻し管(戻し管)
29 起動弁
41 格納容器蒸気供給配管(蒸気供給配管)
47 静的格納容器冷却設備熱交換器(熱交換器)
48 格納容器戻し管(戻し管)

Claims (9)

  1. 原子炉格納容器と、前記原子炉格納容器内に設置された原子炉圧力容器または蒸気発生器と、前記原子炉圧力容器または前記蒸気発生器の冷却水の通常水位より高い位置に設置した冷却プールとを備えた原子炉の冷却システムであって、
    前記原子炉圧力容器、前記蒸気発生器、または前記原子炉格納容器から蒸気を抜き取る蒸気供給配管と、
    前記蒸気供給配管の下流側に接続され、前記冷却プール中に設置した凝縮タンクと、
    前記凝縮タンクの下流側に接続され、前記冷却プール中に設置した熱交換器と、
    一端が前記熱交換器の下流側に接続され、他端が前記原子炉圧力容器、前記蒸気発生器、または前記原子炉格納容器に接続された戻し管と、
    前記凝縮タンクの内部に設置した内部熱交換器を有し、前記内部熱交換器を空気により冷却する空冷システムとを備えた
    ことを特徴とする原子炉冷却システム。
  2. 請求項1に記載の原子炉冷却システムにおいて、
    前記原子炉は、前記原子炉圧力容器を備えた沸騰水型原子炉である
    ことを特徴とする原子炉冷却システム。
  3. 請求項1に記載の原子炉冷却システムにおいて、
    前記原子炉は、前記蒸気発生器を備え、
    前記蒸気発生器は、原子炉圧力容器に接続された加圧水型原子炉である
    ことを特徴とする原子炉冷却システム。
  4. 請求項2に記載の原子炉冷却システムにおいて、
    前記蒸気供給配管は、前記原子炉圧力容器から蒸気を抜き取る原子炉蒸気供給配管であり、
    前記熱交換器は、前記凝縮タンクの下流側に接続され、前記冷却プール中に設置した非常用復水器熱交換器であり、
    前記戻し管は、一端が前記非常用復水器熱交換器の下流側に接続され、他端が前記原子炉圧力容器に接続された凝縮水戻し管である
    ことを特徴とする原子炉冷却システム。
  5. 請求項2に記載の原子炉冷却システムにおいて、
    前記蒸気供給配管は、前記原子炉格納容器から蒸気を抜き取る格納容器蒸気供給配管であり、
    前記熱交換器は、前記凝縮タンクの下流側に接続され、前記冷却プール中に設置した静的格納容器冷却設備熱交換器であり、
    前記戻し管は、一端が前記静的格納容器冷却設備熱交換器の下流側に接続され、他端が前記原子炉格納容器内に接続された格納容器戻し管である
    ことを特徴とする原子炉冷却システム。
  6. 請求項2に記載の原子炉冷却システムにおいて、
    請求項4に記載の原子炉冷却システム及び請求項5に記載の原子炉冷却システム5の両方を備えた
    ことを特徴とする原子炉冷却システム。
  7. 請求項3に記載の原子炉冷却システムにおいて、
    前記蒸気供給配管は、前記蒸気発生器から蒸気を抜き取る原子炉蒸気供給配管であり、
    前記熱交換器は、前記凝縮タンクの下流側に接続され、前記冷却プール中に設置された非常用復水器熱交換器であり、
    前記戻し管は、一端が前記非常用復水器熱交換器の下流側に接続され、他端が前記蒸気発生器に接続された凝縮水戻し管である
    ことを特徴とする原子炉冷却システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の原子炉冷却システムにおいて、
    前記空冷システムは、前記内部熱交換器と、前記原子炉格納容器の外部に設置された外部熱交換器と、前記内部熱交換器および前記外部熱交換器を接続する熱輸送ループとからなる閉ループで構成され、
    前記閉ループ内には、冷媒が封入される
    ことを特徴とする原子炉冷却システム。
  9. 請求項4、6及び7のいずれか1項に記載の原子炉冷却システムにおいて、
    前記原子炉蒸気供給配管または前記凝縮水戻し管の少なくともどちらか一方に、起動弁を設置した
    ことを特徴とする原子炉冷却システム。
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