JP2964467B2 - 多重反射素子 - Google Patents

多重反射素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光学的干渉計や電
圧センサー、液晶スイッチ、表示素子等に使用する多重
反射素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、位相変換機として、電気的に駆動
するものとしてはニオブ酸リチウムやKDPなどの電気
光学結晶あるいは液晶を利用する方式が知られ、機械的
な駆動によるものとしては反射ミラーを移動させる方式
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら電気光学
結晶や液晶を利用するものは、変化可能な位相変化が小
さく、一方反射ミラーを利用するものは、機械的な移動
を伴うので応答速度が非常に遅いという欠点があった。
そのため、大きな位相変化を高速に達成させる位相変換
機が存在せず、光の応用技術において大きな障害となっ
ていた。
【0004】そこでこの発明は位相の変化、偏光の変化
やそれによる強度変化において変換量が増大し、変換効
率が良く、かつ高速化できる多重反射素子を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】まず請求項1項の発明
は、液晶セルの両側面にミラーを夫々相対向して設け、
上記液晶セルに適宜の電圧を印加してレーザー光等の光
を液晶セルを通してこれらのミラーの間で多重反射させ
て導出し、位相変調を増大させる構成から成る、多重反
射素子とした。
【0006】また請求項2項の発明は、液晶セルの両側
面にミラーを夫々直接重合して設け、これらのミラーの
一部を切り欠いてその箇所に反射防止膜を上記ミラーと
略同一面に設け、これらのミラーの外側に透明電極を重
合して設け、これらの透明電極に適宜の電圧を印加して
レーザー光等の光を上記反射防止膜を通して液晶セルを
通過させて上記ミラーの間で多重反射させる構成から成
る、多重反射素子とした。
【0007】また請求項3項の発明は、上記請求項1項
又は2項の多重反射素子において、液晶セルに適宜の電
圧を印加してレーザー光等の光を当該液晶セルを通して
両側に設けたミラーの間で多重反射させ、これらを通過
した光線を、別途設けた反射ミラーによって入射光線と
逆行させる構成から成る、多重反射素子とした。
【0008】また請求項4項の発明は、上記請求項1項
又は2項の多重反射素子において、液晶セルに適宜の電
圧を印加してレーザー光等の光を当該液晶セルを通して
両側に設けたミラーの間で多重反射させ、これらを通過
した光線を、別途設けた位相共役ミラーによって入射光
線と逆行させる構成から成る、多重反射素子とした。
【0009】
【実施の形態】以下この発明の実施の形態例を図に基づ
いて説明する。図1は多重反射素子の第1の実施の形態
例を示し、(A)図、(B)図の二種類の透過型の多重
反射素子を示す。液晶セル1の相対向する両側面に透明
電極1a、1aを直接重合して設け、これらに対向して
夫々ミラー2、2を設け、当該液晶セル1の各透明電極
1aに可変電圧Vをかけて、図1に示すごとくレーザー
光等の光を液晶セル1に通し、二つの対向するミラー
2、2の間を多重に反射させるものである。そして上記
電圧Vをかえることにより位相、偏光等が大きく変化す
る。
【0010】多重反射液晶セルの使用においては、液晶
の主軸面が光線の入射面と一致するように配置すること
により、光線の偏光主軸を変えることなく、光線の位相
及びリターデーション(直交偏光成分の相対的位相差)
を反射回数に対応して増加することができる。図2はこ
の多重反射の例として20回反射の液晶と一回透過の液
晶の位相変化又はリターデーション特性を示すグラフで
ある。この様に反射回数に対応して増加していることが
分かる。
【0011】また図3及び第4図は上記第1の実施の形
態例の多重反射素子を反射型とした第2の実施の形態例
及び第3の実施の形態例を示す。図3においては、図1
と同様な多重反射素子を通過した光線を、別途設けた反
射ミラー6で反射させ、入射光線と逆行させるよう構成
したものである。これにより反射回数が2倍に増加する
ので、位相変化も2倍になる。また図4においては、上
記反射ミラー6の代わりに、位相共役ミラー7を設けた
ものである。この位相共役ミラー7はチタン酸バリウム
などのフォトレフラクティブ非線形光学結晶で、相対す
る両側からポンプレーザ光7a、7bを当てている。
【0012】光線は、途中の空気の揺らぎ、伝搬による
ビームの広がり等によって、ビームが乱れることがあ
り、実用上の性能の低下をもたらす。しかし当該位相共
役ミラー7に入射する光線は、結晶のフォトレフラクテ
ィブ効果によって、入射光線と共役の波面をもって反射
し、入射光線に対して逆行する。これにより、途中の空
気の揺らぎや伝搬によるビームの乱れが打ち消され、元
の入射光と同様の、乱れのないビームが再現され、液晶
による位相変換の大きさについては透過型に比べて2倍
の反射光が達成できる。なお上記位相共役ミラーのポン
プレーザ光はない場合でも上記作用は可能である。
【0013】また図5は上記第1の実施の形態例の多重
反射素子をよりコンパクトにした第4の実施の形態例を
示す。液晶セル1をガラス箱1a内に収納し、このガラ
ス箱1aの上下両側面に反射膜3、3を貼り付け、この
うち下面の反射膜3の一部、二箇所を反射防止膜4、4
とし、さらに上記上下の反射膜3、3の外側に透明電極
5、5を設けたものである。そしてこれらの透明電極
5、5に可変電圧Vをかけて、図5に示すごとくレーザ
ー光等の光を一方の反射防止膜4を通して液晶セル1内
を通過させ、二つの対向する反射膜3、3の間を多重反
射させ、他方の反射防止膜4から導出させるものであ
る。
【0014】このコンパクト化した多重反射素子も、図
6に示すごとく反射型の場合もある。即ち、図6の
(A)図は反射ミラー6を設けて当該反射ミラー6個所
で反射させ、入射光線と逆行させるよう構成したもので
ある。また図6の(B)図はこの反射ミラーの代わりに
位相共役ミラー7を設けたもので、これらは上記実施の
形態例と同様にこれにより反射回数が2倍に増加するの
で、位相変化も2倍になる。
【0015】これらの多重反射素子は、例えば位相変調
機として干渉計の安定化に使用される。図7はこの実施
の形態例を示す。レーザー光等の光源8からの光の一部
は半透明鏡BS1を通過させて被検物体9を通してミラ
ーM2で反射し、半透明鏡BS1で反射してピンホール
10を有する板11に至る。また光源8からの一部の光
は上記半透明鏡BS1で反射し、上記多重反射素子を用
いた位相変調機12を通過してミラーM1で反射し、半
透明鏡BS1を通過してピンホール10を有する板11
に至る。これらの光により板11の上に干渉縞が現われ
る。
【0016】なおこの実施の形態例では光源8及び位相
変調機12の箇所に、同じ偏光方向の偏光子Pを設けて
偏光からくる誤差をなくしているが、これらの偏光子P
はこの装置の必須要件ではなく、偏光した光源を用いか
つその方向に液晶の主軸の回転面が合致しているか又は
光ファイバーの中の動作によって偏光が変化しない場合
は上記偏光子Pを用いなくてもよい。
【0017】そしてこれらの光路において振動等の外乱
があるとピンホール10を通る光の強さが変動する。こ
れをピンホール10の後方に設けた光検出器13で検出
し、光の強弱に応じて差動アンプ14により電圧に変
え、上記位相変調機12にフィードバックする。従って
光のみだれに応じて常に当該位相変調機12により位相
を変化させ信号光及び参照光の安定化を図るものであ
る。また半透明鏡BS1とピンホール10を有する板1
1との間の光路に半透明鏡BS2を設けてこれらの光を
反射させ干渉縞をモニター15により表示するようにし
ている。
【0018】また従来当該干渉計により図8に示す様な
被検物体16の表面の凹凸を計測したい場合、半透明鏡
17に光源18からレーザー光を当て通過した光を被検
物体16の表面で反射させてさらに半透明鏡17で反射
させ、一方光源18からの光を半透明鏡17で反射さ
せ、これをミラー19で反射させて半透明鏡17を通過
させ、これらの光の干渉縞を自動的に読み取っている。
この原理は以下の式で表わされる。
【0019】 I1=A+Bcosφ Δφ=0 I2=A−Bsinφ Δφ=π/2 I3=A−Bcosφ Δφ=π I4=A+Bsinφ Δφ=3π/2 tanφ=(I4−I2)÷(I1−I3) 上記Δφを90゜づつずらして位相を代えて、夫々Iを
計測し、これらを上記式に代入して最終的にΔφをだす
もので、上記A,Bは定数である。
【0020】従来、90゜づつずらして位相を代えるの
に上記ミラー19を動かしていた。しかしこの様にミラ
ー19を動かすのは、機構も複雑となり、精度の高い構
成とするには難しいものであった。そこでこの発明では
液晶を用い、この液晶に印加する電圧を変化させること
により極めて容易に90゜毎の位相を変化させている。
【0021】図9はこの干渉計における干渉縞の自動読
み取り装置を示す。レーザー光等を多重反射液晶素子2
0に照射し、さらに被検物体21に通し、干渉計22を
介して干渉縞をCCDカメラ23で読み取り、これをマ
イコン24にかけてテレビ画面やプリンタ等の表示装置
25に被検物体の表面形状や屈折率分布を三次元的に表
示するものである。
【0022】またシヤリング干渉計は信号光、参照光が
空間的にほぼ同じ場所を通過するため干渉計そのものが
高安定である。そこで液晶の位相可変機能を使用するこ
とにより従来のシヤリング干渉計では不可能であった干
渉縞の自動読み取りが可能となった。図10はこのシヤ
リング干渉計に多重反射液晶素子20を設けたものであ
る。
【0023】図10のシヤリング干渉計は、方解石のよ
うな複屈折性結晶板Qdによる横ずれを利用して波面に
シャーを与えるもので、干渉像を作るため結晶に対して
45°の方向に偏光軸をもつ偏光子Pと検光子Aが配置
されており、多重反射液晶素子20を通した光を物体O
にあて、レンズLで物体Oの像を投影し、像面には常光
線による波面Woと異常光線による波面Weの間のシヤ
リング干渉像が形成され、これをCCDカメラ23でと
らえ、これを上記の実施の形態例と同様にマイコンにか
けてテレビ画面やプリンタ等の表示装置により被検物体
の表面形状や屈折率分布を三次元的に表示するものであ
る。なおWpは入射平面波で、コヒーレントな波面であ
り、Wは物体Oを透過したのちの波面である。
【0024】また従来から使用されているノマルスキー
微分干渉顕微鏡においても従来不可能であった干渉縞の
読み取りができる。図11はノマルスキー微分干渉計を
示し、偏光子P及び多重反射液晶素子20を透過した照
明光は半透明鏡BSで反射し、ノマルスキープリズムP
n、対物レンズObを経て試料Sを照明する。ノマルス
キープリズムPnは光学軸が図示のようなプリズムを貼
りあわせたプリズムである。このプリズムPnは実際に
は光軸のまわりに45°回転した方位にある。従って入
射光線は振幅の等しい常光線と異常光線に分解される。
これら常光線と異常光線は図示の様に貼りあわせ面で異
なる方向に進が、プリズムPnを透過した後対物レンズ
Obの焦点Fで交差するように進む。対物レンズPnを
透過した後は平行になり試料Sに入射、ここで反射して
同じ光路を逆にたどり再びノマルスキープリズムPnに
至る。プリズムを透過した後は同一光路を進み、検光子
Aを経て接眼レンズOcに至る。像面IPには試料の像
が、上記対物レンズObの倍率だけ横ずれしたシヤリン
グ干渉像が見える。これを接眼レンズOcを通してCC
Dカメラ23でとらえるものである。
【0025】図12は電圧センサー又は光スイッチに多
重反射素子を用いた例を示す。光源からの光を偏光子P
を通して上記図1の(A)図と同様の多重反射液晶素子
に通し、この液晶で多重反射させ、検光子Aを通して光
検出器Dで光量の変化としてとらえる(実際には電流出
力となる)。これにより電圧センサーや光スイッチとな
るものであるが、図13に示すごとく、従来の一回透過
の液晶に比べ、電圧の変化に対してスロープが急峻とな
り、感度が高いことが分かる。しかもスイッチとして低
電圧で済み節電ともなり、高速化が計れる。
【0026】なお上記実施の形態例では、この発明の多
重反射素子を干渉計、電圧センサー又は光スイッチに用
いたがこれらに限らず、表示素子等適宜のものに使用で
きる。またこの発明の多重反射液晶素子は反射型、透過
型を問わない。
【0027】
【発明の効果】請求項1項の発明の多重反射素子は、光
学的干渉計等に使用した場合、位相の変化、偏光の変化
及びそれによる強度の変化において、変換量が増大し、
変換効率が極めて良い。またこれらの変換が高速化され
る。それ故上記干渉計等に使用した場合の応答性や精度
が極めて高くなり、しかもこれらの構成は極めて簡単
で、製造コストも低く抑えることができる。
【0028】また請求項2項の発明の多重反射素子は、
上記請求項1項の発明の効果に加え、極めてコンパクト
化し、装置に組み込んでも他の構成の邪魔にならず、適
用範囲が大きい。
【0029】また請求項3項の発明は、多重反射素子を
通過した光線を、別途設けた反射ミラーで反射させ、入
射光線と逆行させるよう構成したものであるので、これ
により同じ構成の透過型の素子に比べ反射回数が2倍に
増加するので、位相変化も効率良く2倍になる。
【0030】また請求項4項の発明は、位相共役ミラー
に入射する光線は、結晶のフォトレフラクティブ効果に
よって、入射光線と共役の波面をもつて反射し、入射光
線に対して逆行する。これにより、途中の空気の揺らぎ
や伝搬によるビームの乱れが打ち消され、元の入射光と
同様の、乱れのないビームが再現され、この状態におい
て液晶による位相変換の大きさについては透過型に比べ
て2倍の反射光が達成できる。従って応用範囲が極めて
広いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態例の概略構成図で
ある。
【図2】この発明の多重反射素子の位相変化又はリター
デーション特性を示すグラフ図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態例の概略構成図で
ある。
【図4】この発明の第3の実施の形態例の概略構成図で
ある。
【図5】この発明の第4の実施の形態例の概略構成図で
ある。
【図6】この発明の第5及び第6の実施の形態例の概略
構成図である。
【図7】この発明の多重反射素子を干渉計の安定化に用
いた概略構成図である。
【図8】干渉計における干渉縞の読み取り原理を示す説
明図である。
【図9】この発明の多重反射素子を干渉計の干渉縞の自
動読み取りに用いた概略構成図である。
【図10】この発明の多重反射素子をシヤリング干渉計
の干渉縞の自動読み取りに用いた概略構成図である。
【図11】この発明の多重反射素子をノマルスキー微分
干渉顕微鏡の干渉縞の自動読み取りに用いた概略構成図
である。
【図12】この発明の多重反射素子を電圧センサ又は光
スイッチに用いた概略構成図である。
【図13】この発明の多重反射素子を電圧センサ又は光
スイッチに用いた場合の光出力変化率の特性を示すグラ
フ図である。
【符号の説明】
1 液晶セル 2 ミラー 3 反射膜 4 反射防止膜 5 透明電極 6 反射ミラー 7 位相共役ミラー 8 光源 9 被検物体 10 ピンホール M ミラー BS 半透明鏡 11 板 12 位相変調
機 13 光検出器 14 差動アン
プ 15 モニター 16 被検物体 17 半透明鏡 18 光源 19 ミラー 20 多重反射
液晶素子 21 被検物体 22 干渉計 23 CCDカメラ 24 マイコン 25 表示装置 O 被検物体 Qd 複屈折性結晶板 L レンズ P 偏光子 A 検光子 Pn ノマルスキープリズム Ob 対物レン
ズ Oc 接眼レンズ S 試料 IP 像面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/13 505 G02F 1/1335 520 G01B 9/02 G01B 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶セルの両側面にミラーを夫々相対向
    して設け、上記液晶セルに適宜の電圧を印加してレーザ
    ー光等の光を液晶セルを通してこれらのミラーの間で多
    重反射させて導出し、位相変調を増大させる構成とした
    ことを特徴とする、多重反射素子。
  2. 【請求項2】 液晶セルの両側面にミラーを夫々直接重
    合して設け、これらのミラーの一部を切り欠いてその箇
    所に反射防止膜を上記ミラーと略同一面に設け、これら
    のミラーの外側に透明電極を重合して設け、これらの透
    明電極に適宜の電圧を印加してレーザー光等の光を上記
    反射防止膜を通して液晶セルを通過させて上記ミラーの
    間で多重反射させる構成としたことを特徴とする、多重
    反射素子。
  3. 【請求項3】 液晶セルに適宜の電圧を印加してレーザ
    ー光等の光を当該液晶セルに通して、両側に設けたミラ
    ーの間で多重反射させ、これらを通過した光線を、別途
    設けた反射ミラーによって入射光線と逆行させる構成と
    したことを特徴とする、請求項1項又は2項記載の多重
    反射素子。
  4. 【請求項4】 液晶セルに適宜の電圧を印加してレーザ
    ー光等の光を当該液晶セルに通して、両側に設けたミラ
    ーの間で多重反射させ、これらを通過した光線を、別途
    設けた位相共役ミラーによって入射光線と逆行させる構
    成としたことを特徴とする、請求項1項又は2項記載の
    多重反射素子。
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