JP2946056B2 - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光通信,光計測等の分野で用いられる光路
切換え可能な光スイッチに関する。
〔発明の概要〕
本発明は、光計測や光通信の分野において極めて汎用
性に優れかつ高性能な光スイッチを提供することを目的
とする。
本発明の光スイッチは、可干渉な2つの制御光を互い
に干渉させて形成した干渉縞をホログラム媒体に記録し
てホログラムを形成し、ホログラムを入力光によって再
生することにより光路変更を行うもので、複数の光ファ
イバから任意の組を選択してそれぞれの光ファイバを接
続または遮断するものである。
本発明の光スイッチは光入出力部と制御部とホログラ
ム記録媒体から構成されている。
光入出力部は複数本の光ファイバから成り、これらの
光ファイバ間の接続が制御部でコントロールされる。
制御部は、光入出力部の光ファイバに対応した複数の
光ファイバと制御光学系から成る。制御光学系は、光フ
ァイバ群から任意の1組の光ファイバを選択して制御光
を導入する機能を有し、ホログラム記録媒体上に干渉縞
を形成する。光ファイバには可干渉で出力が制御可能な
光源または、光シャッタと可干渉な光源とを備える。
ホログラム記録媒体は、ホログラムの高速記録・消去
が可能な液晶LVであり、光導電層,光反射層,液晶配向
層,強誘電性液晶層,電圧印加手段,透明基板から成
る。強誘電性液晶層は、対印加電圧偏光特性が双安定性
とメモリ性を有するものである。
本発明の光スイッチは、ホログラムを随時記録・消去
することにより所定の光ファイバの組を選択的に、しか
も高速でスイッチングすることが可能である。また必要
に応じて入力光の分岐・合流や分波・合波も可能であ
る。
〔従来の技術〕
光通信,光計測分野において、光路変換には通常ミラ
ー,ハーフミラー,プリズム,回折格子等を用いてき
た。また、光ファイバ通信における光交換を行う手段と
して、ホログラムを用いる手段も提案されるようになっ
てきた。
第7図(A)〜(C)に従来の1×2光スイッチの例
を示す。第7図(A)において、光ファイバ71からの入
力光はプリズム77の位置を変える事によって光ファイバ
72または73に出力される。光が自由空間において光路変
更されるためレンズ75,74,76で光ビームの整形を行って
いる。
第7図(B)は可動光ファイバ型光スイッチで、入力
用可動光ファイバ71は電磁駆動されて71aまたは71bの位
置で出力用固定光ファイバ72,73と係合する。軸合わせ
はV溝78a,78bによって行う。可動光ファイバ71と固定
光ファイバ72,73との間隙を小さくして光信号の損失を
少なく押さえることができるから、第7図(A)に示す
レンズ系は必ずしも必要としない。
第7図(C)は可動部分がない光スイッチの例で、ニ
オブ酸リチウム等の電気光学効果を有する基板79上に光
導波路71c,72a,73aを形成し、電極80a,80b,80cによって
電界を加え、導波路72a,73aの導波条件を変化させ光フ
ァイバ71からの光信号を光ファイバ72または73に切り換
えるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の光スイッチは次に示すように様
々な問題点を含んでいる。
第7図(A)に示す光スイッチは、レンズと光ファイ
バの軸合わせ、プリズムの位置調整に高精度を要し機械
的調整が難しく、機械的な可動部が有るためスイッチン
グ速度が低い。また基本的に1×n型であり、m×n型
のスイッチを構成するには、複数個の光スイッチを必要
とする。
第7図(B)に示す光スイッチも同様な欠点を有す
る。第7図(C)に示す光スイッチは高速動作が可能で
ある反面、特殊な基板材料を必要とし、導波路と光ファ
イバの接続が困難なこと、導波路自体の光損失が大きい
こと、クロストークが大きいこと等の欠点がある。
本発明と同様にホログラムを利用する光スイッチも考
えられるが、ホログラム記録媒体の特性に問題がある。
銀塩写真乾板は光路のスイッチングが極めて困難である
し、サーモプラスチックは大電流を要するうえに応答速
度が数百msecである。
BaTiO3単結晶は使用温度範囲が約20〜120℃で低温側
では使用が難しく、かつ結晶自体大きいものが得られず
装置が高価になる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の光スイッチは、可干渉な複数の制御光を互い
に干渉させて形成した干渉縞を記録媒体に記録してホロ
グラムを作り、そのホログラムを入力光によって再生す
る事により光路変更即ち光スイッチングを行うもので、
光入出力部,制御部,液晶LVから構成することによって
上述の問題点を解決した。すなわち可動部がなく、機械
的調整が容易で、応答速度が高く、基本的にm×n型
で、光ファイバとの接続が容易な光スイッチを可能にし
たものである。
一例を示せば光路の選択的スイッチング応答速度500
μsec以上、使用温度範囲が−20〜60℃と通常環境で充
分使用に耐え、かつホログラム記録媒体の使用有効面積
も4平方cm以上と広く、入出力用光ファイバの高密度実
装が可能である。
〔作 用〕
本発明の光スイッチを構成する光入出力部,制御部,
液晶LVの作用について述べる。
制御部は、光入出力部における任意の光ファイバに対
応した制御部内の光ファイバを選択して、可干渉な光を
液晶LVの書込み面上に照射してホログラム干渉縞を形成
する。
液晶LVは干渉縞を記録して光スイッチングを行うため
のホログラムを形成する。ホログラムの記録・消去は高
速である。
光入出力部は光信号の入出力を行う。入力光は光ファ
イバを通じて液晶LVの読出し側から照射され、ホログラ
ムで回折されて光路を変え所定の光ファイバから出力さ
れる。こうして2本の光ファイバが接続される。この選
択された光ファイバは、光信号に対して双方向性であ
る。
従って制御部と液晶LVで逐次ホログラムを記録・消去
すれば、光入出力部の光ファイバのスイッチングが可能
になる。
ここで、第2図を参照にして液晶LVの基本的作用につ
いて述べる。透明電極23a,23b、強誘電性液晶25、光導
電層26が基本的作用に関与する。
液晶LVを機能させるために2つのプロセスが必要であ
る。第1は強誘電性液晶25を一定方向に揃えてメモリさ
せる消去・初期化のプロセスであり、第2図は信号光と
参照光によるホログラム記録すなわち書込みのプロセス
である。
第1プロセスには2種類の方法がある。
一つの方法は、初期化電圧を電圧印加手段(透明電極
23a,23b)に印加しながら液晶LVの光書込み面全面を参
照光31のみを用いて光照射する。ここで初期化電圧と
は、強誘電性液晶層の閾値電圧よりも十分高い直流バイ
アス電圧あるいは0.1〜50kHzの交流電圧を重畳した直流
バイアス電圧をいう。
別の方法は、上記の方法と同様に初期化電圧を印加す
るが光照射は行わない。この場合、印加電圧は光照射の
場合よりも大きな値を必要とする。このプロセスによ
り、強誘電性液晶25を均一な一方的の安定状態まで揃え
ることができ、印加電圧を除去した後もその状態は保持
される。
第2プロセスは、書込み電圧を電圧印加手段に印加し
ながら、参照光31と信号光32を液晶LV3の光書込み面上
(第2図で右側)において互いに干渉させてホログラム
を形成する。
ここで、書込み電圧とは、第1プロセスで保持された
強誘電性液晶層の状態を光照射された部分のみもう一方
の状態に反転させるに充分な電圧で、逆方向の直流バイ
アス電圧あるいは0.1〜50kHzの交流電圧を重畳した直流
バイアス電圧を云う。
第2のプロセスでは次のような現象が起こる。
第1プロセス終了後、光照射がない状態では光導電層
26の抵抗値は高く、電圧印加手段に逆方向の直流バイア
ス電圧を印加しても、大部分の電圧は光導電層26にかか
り強誘電性液晶層25には反転を引き起こすに充分な電圧
は印加されない。
さて、参照光31と信号光32の照射を受けた領域には干
渉縞19が形成される。この干渉縞の明部19aに対応する
光導電層26aにはキャリアが発生し、この部分の抵抗値
は低下して導電状態になるため、今まで光導電層26aに
かかっていた逆方向直流バイアス電圧の大部分は強誘電
性液晶層25にかかる。したがって明部19aに対応する強
誘電性液晶層25aには反転を起こす閾値以上の逆バイア
ス電圧がかかり、強誘電性液晶には自発分極の反転が起
こって、もう一方の安定状態に移行する。干渉縞の暗部
19bに対応する部分では光導電層26b、強誘電性液晶25b
共に変化はない。従って強誘電性液晶には干渉縞に対応
した状態が記録される訳である。
次に、液晶LVの読出面(第2図で左側)から上記参照
光31と同方向で逆向き、かつ参照光31と同質の波面を持
った読出し光33を照射する。
読出し光33は、先に形成されたホログラムによって回
折され、信号光32と同方向で同じ向きの回折光34とな
る。従って読出し光33を入力光と見れば、入力光はホロ
グラムによって所定の方向に光路を変える事ができるの
である。
〔実施例〕
第1図は本発明の光スイッチの一実施例である2×3
(m=2,n=3)光スイッチを示す。
この光スイッチは光入出力部1、制御部2及び液晶LV
3から構成される。
ここで用いられる光ファイバの仕様、光の波長は互い
に等しい事が望ましい。
光入出力部1は、液晶LV3の読出し面21に対向して位
置し、2本の入力用光ファイバ7,8と3本の出力用光フ
ァイバ4,5,6を備えている。制御部2は、液晶LV3の書込
み面20に対向して位置している。
制御用光ファイバ9,10,11及び12,13は、それぞれ出力
用光ファイバ4,5,6及び入力用光ファイバ7,8と中心軸が
同じであり、該中心軸と液晶LV3の書込み面との交点を
中心とした点対称の位置に配置される。制御用光ファイ
バ9〜13の一端は液晶LVに面し、他端にはそれぞれ可干
渉な光制御信号を発生するLD(レーザダイオード)14〜
18を備えている。
液晶LV3の構造については詳細に後述する。動作の要
点は、〔作 用〕の項で説明したように、光書込み面20
に形成された干渉縞19を適切な電圧を印加することによ
りホログラムとして記録したり消去したりできる。高速
書換えが可能なホログラム媒体である。
ここで、入力用光ファイバ8と出力用光ファイバ4と
を接続する場合の動作を説明する。
制御部2において入力光ファイバ8に対応する制御用
光ファイバ13をとおしてLD18からの制御光B1を液晶LV3
の光書込み面20に照射する。
また、それと同時に出力光ファイバ4に対応する制御
用光ファイバ9をとおしてLD14からの制御光A1を液晶LV
3の光書込み面20に照射する。それぞれの照射光は光フ
ァイバの開口数NAに相当した角度を持った発散光として
円錐状に照射される。ここでその他のLDからは制御光は
送られていないものとする。光書込み面20では制御光A1
とB1は互いに干渉して干渉縞を形成し、この干渉縞は液
晶LVの作用によりホログラム19として記録される。ホロ
グラム19の形成後は制御光A1,B1は不要になるから照射
を止める。
次に入力用光ファイバ8を通じて制御光A1と等しい波
長の入力光I1を導入するとI1はB1と同軸・逆方向の発散
光となって液晶LV3の読出し面21に照射される。入力光I
1はホログラム19によって回折され、制御光A1と同方向
の回折光となって中心軸が同じの出力光ファイバ4から
出力光O1として出力される。制御光A1は発散光であるた
めに、回折された入力光I1は制御光A1の見掛けの拡散原
点22と共役な点23に集光される。この点に出力光ファイ
バ4の端面を配置しておけば、光ファイバ端面の最適入
射条件が満足されて光は出力光ファイバ4に導入され
る。以上で入力用光ファイバ8と出力用光ファイバ4が
接続されたことになる。この接続は出力用光ファイバ4
から入力して、入力用光ファイバ8から出力しても支障
なく動作する、つまり双方向性であることは容易に理解
されよう。選択されなかった他の光ファイバ5,6,7の間
では光の伝達は行われない。
次に、入力用光ファイバ7と出力用光ファイバ6を接
続するには、液晶LV3の光書込み面20に形成されている
ホログラム19消去して後、制御用光ファイバ12と11から
LD17,16により制御光B2,A2を光書込み面20に照射して新
たにホログラム19cを形成すればよい。入力用光ファイ
バ7からの入力光12はホログラム19cで回折され、出力
用光ファイバ6より出力光O2として出力される。
入力用光ファイバ8と出力用光ファイバ4の接続を保
ったまま、入力用光ファイバ7と出力用光ファイバ6を
接続する場合には、ホログラム19を消去せずに制御用光
ファイバ12と11を選択して新たにホログラム19cを形成
し、ホログラム19に重畳記録するか、もしくは、制御用
光ファイバ9,13,12及び11を同時に選択してホログラム1
9cを形成すればよい。
このように、制御部2の光ファイバ群から必要な光フ
ァイバを選択して逐次ホログラムを形成し記録・消去す
れば、光入出力部における光ファイバ群相互のスイッチ
ングが可能になる。
制御部の光源LD14〜18の出力端子には不要モードを除
くモードカッタ9a〜13aや、LDの安定性を高めるために
アイソレータ(図示してない)を設けることも差し支え
ない。
なお、光の入出力端は共に光ファイバであるから他の
信号用光ファイバとの接続は既存の方法で容易にでき
る。
第3図に本発明の別の実施例を示す。
図面を簡単にするために接続対象の光ファイバだけ示
してある。第1図と異なる点は光カプラ35,36を介して
制御用光ファイバと入出力用光ファイバを結合している
ことである。この図では入力用光ファイバ8と出力用光
ファイバ4が接続される様子を示している。制御用光フ
ァイバ9,13を通して照射された制御光B2,A1は液晶LV3上
にホログラム19を形成し記録する。入力用光ファイバ8
より導入された入力光I1がホログラムで回折されて出力
用光ファイバ4を介して出力光O1となり、2本の光ファ
イバが接続される。この実施例では液晶LVの片方の面だ
け使用して光スイッチを構成でき、液晶LVに直接対面す
る光ファイバは第1図の半分で済む。したがって対応す
る制御用光ファイバと入力用光ファイバ域は対応する制
御用光ファイバと出力用光ファイバの軸合わせが不要に
なる。一方出力側では出力用光ファイバの他に制御用光
ファイバにも入力光が導入されるのでアイソレータ37
(反対方向の光伝送では38)を設けたり、光カプラに波
長選択性を有するものを用いて、制御用に波長λ1の
光、信号用に波長λ2の光を用いることができる。この
場合λ1とλ2は大きく異ならない事が望ましい。
第4図に制御部の構成に関する本発明の別の実施例を
示す。第1図との相違点はレーザ光源をまとめて42とし
光学系40を介して複数の光ファイバに制御光を導入し、
制御信号のON−OFFをLDでなく光シャッタ41で行うもの
である。
第5図は本発明の他の実施例を示し、接続する光ファ
イバが1対1でなく1対複数の組、すなわち1:N分岐を
含むものである。制御用光ファイバ55からの制御光A5は
液晶LV3の書込み面の広い部分に照射され、他の制御光B
6,B7,B8は制御用光ファイバ56,57,58を通じて、互いに
重ならないように、かつ制御光A5の照射範囲内に照射さ
れる。こうして出来たホログラム19に読出し側から入力
光ファイバ51から入力光I1を導入すると、ホログラムで
回折された出力光はO2,O3,O4となってそれぞれ光ファイ
バ52,53,54か出力される。つまり、光ファイバ51と光フ
ァイバ52,53,54とが同時に接続され、1:N分岐を含むス
イッチが構成できる。ここで各光ファイバにそれぞれ異
なる波長の光を用いれば分波器の機能を含む光スイッチ
が実現できる。
光の接続、スイッチングにおいては機械的な位置合わ
せはしばしば技術上のネックになりこの問題の解決は重
要である。
ここで第6図を参照しながら光ファイバの配置精度に
ついて、本発明が他の光スイッチに比べて優れている理
由を述べる。第1図で説明したように、選択された1組
の光ファイバにおいて、入力光ファイバからの発散光は
ホログラムに対して共役の位置P1に集光するようにホロ
グラムで光路変更される。出力光ファイバ4はこの集光
ビームAA′をコア61内に取入れるように配置されなけれ
ばならない。62はクラッドを示し、コア径は2aである。
θは集合ビームの角度で光ファイバの開口数に等しい。
さて、出力光ファイバ4の軸が集光ビームの軸と平行で
ある場合、出力光ファイバ4のコアの中心点Qはハッチ
ングを施した二つの円錐内にあれば良いことが分かる。
Qの軸方向位置をP1に設定すればコア径2aと同量の軸ず
れが許容され、軸ずれをなくせば、軸方向に2a/tanθの
設定自由度がある。シングルモード光ファイバの例では
2a=5μm、2a/tanθ=88μmである。シングルモード
光ファイバ同士の接続では1μmの軸ずれが無視出来な
い損失に効いてくることを考えると、本発明は光ファイ
バの配置に関して高精度の位置決めを必要としないで低
損失の接続ができる利点を有することが理解されよう。
光ファイバ配置で注意すべき点を述べる。
回折光にはホログラムの作用を受けないO次の光と±
m次(mは自然数)の光が存在する。出力光として例え
ば1次回折光を利用する場合には、その他の次数の回折
光が選択されてない出力光ファイバに入力されるとクロ
ストークとなる。これを避けるために、光ファイバ群は
利用されない次数の回折光が選択されていない光ファイ
バに入力されないように配置されねばならない。
次に、本発明の光スイッチにおいてホログラム媒体と
して用いた液晶LVについて詳細に説明する。第2図に本
発明の光スイッチに用いた液晶LVの断面図を示す。
従来の液晶ライトバルブと構造が異なる部分は液晶層
として光透過率または光反射率と印加電圧の間に明瞭な
双安定性を有する強誘電性液晶を用いていることにあ
る。
第2図において液晶LV3の右側を光書込み側、左側を
光読出し側として説明する。
外側に配置された透明基板22a,22bはガラスやプラス
チック等の透明材料からなり液晶分子その他の電気光学
物質層を挟持する。透明基板22a,22bの外側にあたる光
書込み面,光読出し面にはそれぞれ無反射コーティング
29a,29bが施され、他面にはそれぞれ透明電極層23a,23b
が形成されている。光書込み側透明基板22aの透明電極2
3aの上(左側)には、光導電層26、遮光層27、誘電体ミ
ラー28、さらに配向膜24aが積層・形成される。光読出
し側透明基板22bの透明電極23bの上(右側)には配向膜
24bが形成される。透明基板22a,22bは配向膜面を対向さ
せ、スペーサ30により制御された間隙に強誘電性液晶25
を挟持している。
液晶LV3の動作については〔作 用〕の項で既に説明
したとおりであるが、付け加えると、 参照光31と光軸が一致するような読出し光33を照射す
るとホログラム干渉縞の明部19aが記録された部分25aか
らの回折光34は偏光面が90度回転して反射され、ホログ
ラム干渉縞の暗部19bに対応する部分25bからの読出し光
は偏光面に影響を受けずに反射される。従って、偏光面
が90度回転した波面からなるホログラム干渉縞と偏光面
が回転していない波面からなるネガ状態のホログラム干
渉縞のそれぞれからホログラム像が再生されるため、光
吸収による損失のない光路変更が可能となる。もちろ
ん、読み出し光の偏光方向(又はそれと直角方向)に偏
光軸を合わせた検光子あるいは偏光ビームスプリッタを
前記入力用光ファイバと当該液晶LVの間に配置して、ホ
ログラムの再生を行ってもよいことは云うまでもない。
次に、第2図に示す液晶LV3の作製法について一例を
簡単に説明する。
先ず透明基板22a,22bとして透明ガラス基板を用意
し、ITO透明電極層23a,23bを形成する。光書込み側透明
電極23a上には光導電層26としてSiH4を主体とするガス
を放電分解して厚さ3μmのイントリンシックな水素化
アモルファスシリコン(a−Si:H)を形成する。
光導電層26の上に遮光層27を設け、さらにSiとSiO2
15層積層して誘電体ミラー28を形成する。本発明の第1
図および第5図に示した実施例においては、誘導体ミラ
ー28の反射率が充分大きく光導電層26に対して読出し光
の影響が極めて小さい場合には遮光層27を省略すること
ができる。また、第3図に示す実施例においては、遮光
膜27と誘電体ミラー28とを合わせた光透過率は、制御用
光ファイバからの制御光が光導電層26に到達し、該制御
光によってホログラムが記録可能であるように調整され
ている。もちろん、この場合、遮光層27と誘電体ミラー
28を省略してもよいことは云うまでもない。
誘電体ミラー28および読出し側の透明電極上に液晶配
向膜24a,24bを形成するには次のようにした。
基板と蒸着源を結ぶ直線が基板の法線に対して75〜85
度の角度になるようにセットし、かつ蒸着の法線方向に
セットした水晶振動子式膜厚計で膜厚を計測しながら、
一酸化珪素(SiO)を2000Åの厚さに斜方蒸着した。配
向膜24b,24aを対向させ、直径1.5μmのグラフファイバ
ーを加えた接着剤よりなるスペーサ30を介して間隙を制
御,形成し、強誘電性液晶層25を挟持するようにした。
封入した強誘電性組成物は、エステル系SmC液晶混合物
に光学活性物質を添加したものである。
エステル系SmC液晶混合物として、4−(4′−オク
チル)フェニル)安息香酸(3″−フルオロ、4″−オ
クチルオキシ)フェニルエステルと、4−((4′−オ
クチルオキシ)フェニル)安息香酸(3″−フルオロ、
4″−オクチルオキシ)フェニルエステルを1:1で混合
したものを用い、これに光学活性物質として5−オクチ
ルオキシナフタレンカルボン酸、1′−シアノエチルエ
ステルを25重量%加えて強誘電性組成物としたものを用
いた。
〔発明の効果〕
以上詳細に述べたように、本発明によれば入出力光フ
ァイバを比較的厳しくない機械的位置精度をもって高密
度に実装することができ、小型で高速スイッチングが可
能で、光ファイバとの接続が容易でかつ安価なm×n光
スイッチを構成でき、光計測,光通信などの分野へ与え
る効果は大きいと考えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のm×n光スイッチの第1の実施例を示
す図、第2図は本発明に用いる液晶LVの構造と作用を示
す図、第3図は本発明の第2の実施例を示す図、第4図
は本発明の第3の実施例を示す図、第5図は本発明の第
4の実施例を示す図、第6図は光ファイバの配置精度を
説明する図、第7図は従来の光スイッチの例を示す図で
ある。 1……光入出力部 2……制御部 3……液晶LV 4,5,6……出力用光ファイバ 7,8……入力用光ファイバ 9〜13……制御用光ファイバ 9a〜13a……モードカッタ 14〜18……レーザダイオード 19,19c……ホログラム 19a……干渉縞明部 19b……干渉縞暗部 20……液晶LVの書込み面 21……液晶LVの読出し面 11,12……入力光 O1,O2,O3,O4……出力光 A1,A2,A5……制御光 B1,B2,B6,B7,B8……制御光 22,23……光ファイバ端面の中心 22a,22b……透明基板 23a,23b……透明電極 24a,24b……配向膜 25……強誘電性液晶 26……光導電層 27……遮光層 28……誘電体ミラー 29a,29b……無反射コーティング 30……スペーサ 31……参照光 32……信号光 33……読み出し光 34……回折光 35,36……光カプラ 37,38……光アイソレータ 40……光学系 41……光シャッタ 42……レーザ光源 51……入力用光ファイバ 52〜54……出力用光ファイバ 55〜58……制御用光ファイバ 61……コア 62……クラッド P1……集光点 Q……光ファイバ端面の中心点 71′,71″……可動光ファイバ 71〜73……光ファイバ 71a〜73a……導波路 74〜76……レンズ 77,77′……プリズム 78a,78b……V溝 79……基板 80a,80b,80c……導波路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土谷 昭 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/31

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可干渉な信号光と参照光を互いに干渉させ
    て形成した干渉縞をホログラム記録媒体に記録してホロ
    グラムを形成し、そのホログラムを入力信号光によって
    再生することにより光路の変換を行う光スイッチにおい
    て、 光入出力部とホログラムを形成するため制御光を発生さ
    せる制御部とホログラム媒体とから構成され、 前記光入出力部は複数の光ファイバを備え、前記制御部
    は前記光入出力部の光ファイバに対応した複数の光ファ
    イバからなり、これらの光ファイバから任意の光ファイ
    バを選択してそれぞれの光ファイバに制御光を導入でき
    る光源と光制御系を有することを特徴とする光スイッ
    チ。
  2. 【請求項2】前記ホログラム記録媒体が光導電層と光反
    射層と液晶配向層と印加電圧に対する配向特性が双安定
    性およびメモリ性を有する強誘電性液晶層と電圧印加手
    段と透明基板からなる光書込型液晶ライトバルブである
    ことを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】前記光入出力部と前記光制御部の対応する
    光ファイバが光カプラで結合されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の光スイッチ。
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