JP2961752B2 - 直流電動機制御装置 - Google Patents

直流電動機制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明はストリップ等の巻取り・巻戻し用の直流電動
機制御装置に関する。 〔従来の技術〕 従来、この種の直流電動機制御装置においては、一定
のライン速度において一定の巻取り・巻戻し張力を保持
し、かつ、巻太りあるいは巻細りによるコイル径の変化
を補償するため、界磁電流指令関数発生器を用いて界磁
電流指令を発生し、この界磁電流指令による逆起電力一
定制御を行っている。しかし、この場合に発生する巻取
り時と巻戻し時とのあいだの同一電動機速度に対する界
磁強さの差については、全く補正が行われていなかっ
た。また、第5図、第6図に示すように、界磁電流指令
の出力は巻取り・巻戻し時の電動機速度範囲、あるいは
コイル径変化範囲の均等分割点a1〜anごとに行われてい
た。 〔発明が解決しようとする課題〕 一般に、ストリップ等のコイル巻取り・巻戻しにおけ
る逆起電力一定制御では、第2図の示すように巻取り時
には弱界磁範囲より次第に界磁を強めて、電動機速度を
巻太るコイル系に合わせて減速してゆき、巻戻し時には
逆に強界磁範囲より次第に界磁を弱めて、電動機速度を
巻細るコイル径に合わせて増速してゆくが、この場合同
一の電動機速度に対して巻戻し時の方が巻取り時より界
磁磁束が強くなることが知られている。そこで、電動機
の主回路電流は一定制御されているので、従来の制御装
置では電動機の発生トルクは巻戻し時に界磁強さの差だ
け強くなり、張力を正確に同一に保持することができな
いという欠点がある。このため、2個の界磁電流指令関
数発生器をそれぞれ巻取り用と巻戻し用として設置する
ことも考えられるが、これは不経済となる欠点がある。 また、第5図の速度−界磁電流特性曲線、または第6
図に示すコイル径−界磁電流特性曲線において、横軸
を、均等分割して分割点ごとに指令出力しているため
に、界磁電流の大きい範囲においてその曲線の傾斜が大
きくなるので数値の飛びが大きくなり、直線近似による
近似誤差が大きくなる。この近似誤差を小さくするため
に近似分割点数を増やすと、それだけデータの数が増え
ることになって調整が煩雑になり、更に、傾斜の小さい
部分の分割点数を増やしても効果はほとんどないという
欠点がある。
【課題を解決するための手段】
本発明の直流電動機制御装置は、請求項1のものは、 予め、巻取り方向および巻戻し方向での電動機速度−
界磁電流特性を測定して、得られたいずれか一方の電動
機速度−界磁電流特性曲線と、この一方の方向での電動
機速度−界磁磁束特性を他方の方向での電動機速度−界
磁磁束特性と同一に揃えるための、上述の一方の電動機
速度−界磁電流特性曲線による界磁電流指令に対する乗
算用の補正係数または加算用の補正値とを保有し、上述
した一方の方向の動作時に保有する電動機速度−界磁電
流特性曲線による界磁電流指令に上述した補正係数を乗
算しまたは前記補正値を加算して、得られた界磁電流指
令を出力する界磁電流指令関数発生手段を有しており、
請求項2のものは、さらに、界磁電流指令の出力を巻取
り・巻戻し時の電動機速度変化範囲内の均等分割点ごと
に行ない、かつ、電動機速度の遅い範囲における均等分
割点密度を電動機速度の速い範囲における均等分割点密
度より大きくとっている。 〔作 用〕 請求項1の直流電動機制御装置の有する界磁電流関数
発生器は、巻取り、または巻戻しのいずれか一方の場合
にその出力する界磁電流指令に所定の補正係数を乗算
し、または所定の補正値を加算することにより、両者の
場合について同一の速度−界磁磁束特性を得て、良好な
張力制御を行うことができる。また、請求項2のものは
速度−界磁電流特性曲線において、速度に対する界磁電
流曲線の傾斜が大きくてデータの飛びが大きくなる部分
について界磁電流指令の出力点の密度を高めることによ
り、特性曲線に対する直線近似誤差を効果的に小さくす
ることができる。 〔実施例〕 第1図は本発明の直流電動機制御装置の一実施例の構
成を示す回路図である。 サイリスタ変換装置1は直流電動機2に主回路電流を
供給する正逆転駆動用電源で、電流制御ループ3は入力
された主回路電流指令と主回路電流の帰還値との差にし
たがい、サイリスタ変換装置1の定電流制御を行う。励
磁機4は直流電動機2の界磁電流を供給し、界磁電流指
令関数発生器5は、その保有する速度−界磁電流特性曲
線6にしたがう界磁電流指令を出力して励磁機4を制御
する。 この場合、巻取り時であれば界磁電流指令に予め設定
されている界磁補正係数7を乗算して強め界磁とするの
で、巻戻し時と同一の速度−界磁磁束特性を持たせるこ
とができる。また、逆に巻戻し時の界磁電流指令に別の
界磁補正係数を乗算して弱め界磁とすることにより、同
一の結果を得ることもできる。 第3図、第4図はそれぞれ、本発明の直流電動機制御
装置の他の実施例について、界磁電流指令の出力点の取
り方を示す図である。 第3図は直流電動機の速度−界磁電流特性曲線6を示
し、界磁電流指令関数発生器5に保存される。図に示す
ように、速度軸上の出力点b1〜bnは均等分割により設定
されており、但し、曲線傾斜の急な部分ではピッチを密
にして出力点を傾斜の緩い部分より増やしている。この
ように処理することにより、データの飛びが小さくなる
ので、特性曲線に対する直線近似の誤差を小さくするこ
とができる。 第4図は第3図に対応するコイル径−界磁電流特性曲
線で、コイル径の大きい部分で細かく界磁制御されてい
ることを示す。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明は、巻取りまたは巻戻しの
いずれかの場合に、界磁電流指令関数発生器より出力し
た界磁電流指令を適宜に補正して、両者の場合の速度−
界磁磁束特性を同一にすることにより、いずれの場合で
も同一の定張力制御が可能となり、また、速度−界磁電
流曲線の急な部分の界磁電流指令点数を増やすことによ
り、より正確な張力制御を行うことができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の直流電動機制御装置の一実施例の構成
を示す回路図、第2図は巻取り時と巻戻し時における電
動機速度−界磁磁束特性を示す曲線図、第3図および第
4図はそれぞれ、本発明の他の実施例における界磁電流
指令の出力点の取り方を示す説明図、第5図および第6
図はそれぞれ、従来例における界磁電流指令の出力点の
取り方を示す説明図である。 1……サイリスタ変換装置、 2……直流電動機、 3……電流制御ループ、 4……励磁機、 5……界磁電流指令関数発生器、 6……速度−界磁電流特性曲線、 7……界磁補正係数、 b1〜bn……分割点。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取り・巻戻し用直流電動機の主回路電流
    を一定に保持するとともに界磁電流指令により界磁電流
    を制御して巻取り・巻戻し材料の定張力制御を行う直流
    電動機制御装置において、 予め、巻取り方向および巻戻し方向での電動機速度−界
    磁電流特性を測定して、得られたいずれか一方の電動機
    速度−界磁電流特性曲線と、 前記一方の方向での電動機速度−界磁磁束特性を他方の
    方向での電動機速度−界磁磁束特性と同一に揃えるため
    の、前記一方の電動機速度−界磁電流特性曲線による界
    磁電流指令に対する乗算用の補正係数または加算用の補
    正値とを保有し、 前記一方の方向の動作時に、保有する電動機速度−界磁
    電流特性曲線による界磁電流指令に前記補正係数を乗算
    し、または前記補正値を加算して、得られた界磁電流指
    令を出力する界磁電流指令関数発生手段を有することを
    特徴とする直流電動機制御装置。
  2. 【請求項2】前記界磁電流指令関数発生手段による界磁
    電流指令の出力は巻取り・巻戻し時の電動機速度変化範
    囲内の均等分割点ごとに行われ、かつ、電動機速度の遅
    い範囲における均等分割点密度は電動機速度の速い範囲
    における均等分割点密度より大きい請求項1記載の直流
    電動機制御装置。
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