JP2961519B2 - チョコレート菓子の表面に文字又は図形を立体的に表わ したチョコレートの製造方法 - Google Patents

チョコレート菓子の表面に文字又は図形を立体的に表わ したチョコレートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状又は球状等か
らなるチョコレート菓子の表面に、簡単な方法で凸版又
は凹版をプレスすることによりこまかい文字又は複雑な
図形を立体的に表わしたチョコレート及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、菓子の表面に文字や図形を立体的
に表現する方法としては、原材料を製品化する際に簡単
な文字又は図柄を形成した型枠に流しこんで固めるか、
たとえば特公昭57−39152号にみられるように、
菓子の製品加工時に製品が高温のうちに簡単な文字又は
図柄をプレスして冷却固型化するという方法があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来技術である型枠に流しこむ方法ではこまかい文字や
複雑な図形を表現することはできず、特公昭57−39
152号に開示された、プレスの技術も原料からの製品
加工時に行うものであり、かつ、材料に対して垂直にか
つ全面を同時にプレスするものであるから、簡単な文字
や図形しか表現することができないという問題があっ
た。また、製品加工時の型枠への流しこみや、プレスは
広い場所や高額な設備投資を必要とした。
【0004】本発明は、これらの事情に鑑み、本発明の
目的に適した凸版又は凹版を合成樹脂等による写真製版
によって作成し、固型チョコレートの表面に押圧または
転圧することにより、簡単な方法で従来に無い複雑な文
字又は図形を立体的に表わしたチョコレート及びその製
造方法を提供することを目的とするものである。すなわ
ち、本発明は結婚式、お祝い事の引出物等に使用するこ
とを目的の一つに考えているが、新郎新婦の顔写真を画
像処理することにより、チョコレートに立体的に顔を表
わすことができるように凸版又は凹版を作成し、この凸
版又は凹版をチョコレートの上に載置してローラーを通
過することにより、立体文字又は図形を表わす、また図
形によっては該凸版を曲面に固定して、押圧することに
より立体文字又は図形を表わすというものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、次のような技術手段を採用した。請求項
1の本発明においては、表面温度が20℃〜25℃であ
る固形チョコレートの表面に、インチ35線以上の網版
処理を行った合成樹脂からなる写真製版の凸版又は凹版
をプレスすることによりこまかい文字又は図形を立体的
に表わしたチョコレートを製造する技術手段を採用し
た。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、食品に使用しても害の
ないような合成樹脂等によって凸版又は凹版を作成する
が、従来の食品の凹凸模様には表現されていない程のこ
まかさと複雑さを表現する為に、原画となる文字や写真
を画像処理したのち、写真製版してこまかい文字又は図
形を表わすのに適した凸版又は凹版を作成する。
【0007】一方、素材となるチョコレート菓子は、プ
レスに適した温度に管理し、加工台に並べ、前記版をチ
ョコレートの上に載置してローラーで押圧すること等に
より、こまかな立体文字又は図形を表わしたチョコレー
ト、及びその製造方法に関する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面で詳細に
説明する。図1に基づいて、本発明の工程の全体像を説
明する。
【0009】版の作成に使用する写真版について説明す
ると、チョコレートに立体的に表現しようとする写真、
イラスト、文字等の原稿をデジタルカメラ、複写機、パ
ソコンによる画像処理等の方法によって、製版に適した
処理を行う。この時主として中間調の部分を網版等を使
って分解し、振分ける。また、版を凸版にするか凹版に
するかの処理もこの時行う。網版処理を行う時の網の細
かさは、インチ35線以上で行う。それより細かいとき
は目詰まりがして鮮明な立体像が表われない。
【0010】次に上記により作成した写真版を用いてプ
レス用の版を写真製版する。この版は食品に直接押圧し
て用いるので、鉛版等の有害な材料ではなく、合成樹脂
等の食品加工に適したものを用いる。製版は版材料に必
要料の感光剤を与えたものに前記写真版を重ね、必要時
間露光し、感光が終ると水洗処理して感光部分と未感光
部分により凹凸を形成させて製版が完了する。このと
き、版の深さは0.45m/mないし0.7m/mが必
要である。
【0011】材料となる固型チョコレートは、前もって
必要な形に作っておいても良いし、既製品のものでも良
い。また板状のものでも、球形のものでも、棒状のもの
でも良い。これらのチョコレートの表面に前記した版を
押圧して立体的に画像を表わすためには、チョコレート
を20℃〜25℃の温度に保つとスムーズで鮮明な立体
画像が得られるので、室温を適温に保つか、必要温度に
設定された恒温室に材料を準備する必要がある。
【0012】次に図2、図3に基づいて本発明の一実施
例に係る写真製版による凸版(1)又は凹版を説明す
る。版は前記した食品に使用しても害のない合成樹脂を
用い、前記した方法(
【0009】)により作成した写真版を用いて、前記し
た方法(
【0010】)により作成したものである。本図に示す
版は凸版(1)であるが、凹版も凹凸が逆になるだけ
で、写真製版の工程は凸版(1)と同じである。版の画
像部分は突出部(2)となり、非加工部は凹部となる。
【0013】図4は版(1)をチョコレート(4)の上
に載置して、その上をローラー(5)により転圧してチ
ョコレート表面に画像又は文字を立体的に表わす方法を
示したものである。このときチョコレートの表面温度は
20℃〜25℃が適温であることは前記したとうりであ
る。版(1)をチョコレートの上に載置し、ローラーを
手前から向うへ転圧することで、版(1)の画像及び文
字は正確に反転されて版の凹凸と逆の立体的な画像をチ
ョコレートの表面に作ることができる。
【0014】このとき、版の大きさによってはチョコレ
ートと版のずれを防ぐため、版(1)を枠(3)に固定
してチョコレートにかぶせてから、ローラー(5)で転
圧することもある。
【0015】図5は版の状態及びチョコレートの大きさ
等によって版(1)をあらかじめ弧状になった押圧具
(6)に弧状に固定して押圧して転写する方法を示すも
のである。
【0016】この製造方法による他の実施例としては、
画像を立体的に表わしたチョコレート製品の凹部に色の
異なったチョコレートを充填し、表面を軽く削ることで
写真原図に近い表現をすることができる。
【0017】また、板状のチョコレート以外のものに実
施するときは、部分的な製版を行うことで任意の場所に
手押しで立体像を表現することができる。
【0018】
【発明の効果】本発明は以上の方法及び構成を採用した
結果、次のような効果を得ることができる。 (1)簡単な方法でこまかい文字や模様を立体的に表現
することができる。 (2)大きな装置を必要とせず、せまい場所で安価に加
工できる。 (3)既製品への加工が可能である。 (4)平面だけでなく、立体的な面への加工が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程の全体を示す概念図である。
【図2】前記実施例の版を示す斜視図である。
【図3】前記実施例の版の断面図である。
【図4】前記実施例の版の図形をチョコレートに転圧す
る状態を示す正面図である。
【図5】前記実施例の押圧具による転圧する状態を示す
正面図である。
【符号の説明】
1‥‥版 2‥‥版の突出部 3‥‥枠材 4‥‥チョコレー
ト 5‥‥ローラー 6‥‥押圧具

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面温度が20℃〜25℃である固形チ
    ョコレートの表面に、インチ35線以上の網版処理を行
    った合成樹脂からなる写真製版の凸版又は凹版をプレス
    することによりこまかい文字又は図形を立体的に表わし
    たことを特徴とするチョコレート製造方法。
JP8356632A 1996-12-27 1996-12-27 チョコレート菓子の表面に文字又は図形を立体的に表わ したチョコレートの製造方法 Expired - Fee Related JP2961519B2 (ja)

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