JP2960878B2 - 圧延機における温度制御方法および温度制御装置 - Google Patents

圧延機における温度制御方法および温度制御装置

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JP2960878B2 JP7302478A JP30247895A JP2960878B2 JP 2960878 B2 JP2960878 B2 JP 2960878B2 JP 7302478 A JP7302478 A JP 7302478A JP 30247895 A JP30247895 A JP 30247895A JP 2960878 B2 JP2960878 B2 JP 2960878B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、圧延機における圧延材の温度制
御方法および温度制御装置に係り、特に、圧延条件が変
化した場合にも高精度に且つ容易に圧延温度を目標値に
制御することの出来る圧延温度制御技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】圧延時の材料温度が目標値となるように一
定に保つことは、製品品質を確保する上で重要な課題で
あり、従来から、種々なる温度制御方法が提案されてい
る。その一つとして、圧延速度と圧延温度の関係式に基
づく温度コントローラを採用し、圧延材の出側温度(仕
上温度)が目標値となるように、圧延材の温度実績に応
じて圧延速度を調節する温度制御方法が、知られてい
る。かかる温度制御方法においては、一般に、実験モデ
ルや数値モデルからなる温度モデルを用いて、温度コン
トローラにおける必要な制御パラメータを決定するよう
になっている。
【0003】ところが、温度モデルには実際の圧延現象
に対する誤差(モデル誤差)が存在することに加えて、
設定される圧延条件等の相違、特に圧延速度の相違によ
ってモデル誤差の大きさが変化してしまうために、モデ
ル誤差が大きくなった場合に、温度のハンチングや制御
不足が発生し、圧延材の温度が目標温度で安定せずに大
きく変動し続けたり、目標温度への到達に長い時間が必
要となる等といった不具合が惹起され易い問題があっ
た。
【0004】なお、このような不具合に対処するため
に、例えば、温度コントローラの制御パラメータ値を調
節することが考えられるが、従来では、調節の指針がな
いために専ら操作者が経験等に基づいて試行錯誤的に制
御パラメータ値の調節を行うしかなく、そのために、圧
延条件によっては、目標温度との温度偏差が大きくなっ
て、製品品質の低下や歩留りの悪化等が問題となる場合
があったのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、圧延条件、特に圧延速度が如何なる値に設
定された場合でも、圧延材の圧延温度を容易に且つ高精
度に安定して制御することの出来る圧延機における温度
制御方法および温度制御装置を提供することにある。
【0006】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明方法の特徴とするところは、圧延速度と圧延温度の
関係を表す温度モデルに基づいて得られた制御パラメー
タを用いた温度コントローラを採用して、圧延材から検
出された実績温度に応じて圧延速度を調節することによ
り、圧延材が目標温度となるように温度制御するに際し
て、圧延機における圧延速度の設定可能範囲を複数の速
度区間に区分すると共に、それら各速度区間毎に前記制
御パラメータ値を求め、圧延速度の設定値に応じて前記
温度コントローラの制御パラメータ値を変更設定する温
度制御方法にある。
【0007】すなわち、本発明方法に従えば、圧延材を
温度制御する温度コントローラにおける制御パラメータ
値が、圧延速度に応じて変更設定されることにより、圧
延機における圧延速度の設定可能範囲の全域において、
圧延温度が目標温度に有利に調節されることとなる。
【0008】それ故、たとえ圧延速度が変更されて大き
なモデル誤差があった場合でも、適当な制御パラメータ
値が選択されることによって、制御系の安定性が確保さ
れると共に、速やかに目標温度に収束され得るのであ
り、それによって、製品の歩留りや品質の向上が達成さ
れるのである。
【0009】また、本発明方法の好ましい第一の態様に
おいては、積分要素と位相補償要素を含み、且つ該位相
補償要素において前記制御パラメータを有するものが、
前記温度コントローラとして用いられる。
【0010】このような温度コントローラにおいては、
積分要素によって、目標温度と実績温度の定常偏差が除
去されると共に、位相補償要素によって、制御系の特性
が改善され、例えば或る周波数における外乱の影響を受
け難くするためにその周波数域での感度が下げられるこ
ととなる。
【0011】さらに、本発明方法において、区分された
各速度区間における制御パラメータ値は、実機データ解
析等に基づいてその速度区間において想定される最大の
モデル誤差が発生した場合でも十分な制御安定性と目標
温度への収束速さが確保されるように設定されれば良
く、具体的な求め方は限定されるものでないが、例え
ば、本発明方法の好ましい第二の態様においては、かか
る温度コントローラにおける各速度区間毎の制御パラメ
ータ値が、H∞制御理論に基づいて求められる。
【0012】すなわち、良く知られているように、H∞
制御理論は、温度モデルと実際の現象との間の誤差(モ
デル誤差)を積極的に設計の中心とした、ロバストな制
御系の設計を統一的に取り扱える制御系設計理論である
ことから、このH∞制御理論を採用することによって、
最大の温度モデル誤差に対しても制御系の安定性と目標
温度への収束速度とが、共に確保される制御パラメータ
値が有利に決定され得るのである。
【0013】また、本発明方法の好ましい第三の態様に
おいては、前記温度コントローラとして、下式で表され
るものが用いられる。
【数2】 (但し、sはラプラス演算子,ni (i=0〜3)及び
j (j=0〜2)は区間分けされた各圧延速度区間に
おける制御パラメータ値,Kは圧延速度変化による温度
変化の影響係数である。)
【0014】上式において、1/sは積分器として、
(n3 3 +n2 2 +n1 s+n0)/(s3 +d2
2 +d1 s+d0 )は位相補償器として、それぞれ機
能することとなる。また、Kの値は、温度モデル等に基
づいて、各圧延材毎に計算される。
【0015】さらに、本発明にあっては、前述の如き課
題を解決するために、(a)圧延材の実績温度を検出す
る温度検出手段と、(b)該温度検出手段にて得られた
実績温度を目標温度と比較して温度偏差を求める温度偏
差算出手段と、(c)圧延速度と圧延温度の関係を表す
温度モデルと、(d)該温度モデルに基づいて得られた
制御パラメータを用いて、前記温度偏差算出手段にて得
られる温度偏差が零となるように、圧延速度を調節する
温度コントローラと、(e)圧延機における圧延速度の
設定可能範囲を複数の速度区間に区分して、それら各速
度区間毎に求められた前記制御パラメータ値を、該圧延
機における圧延速度の設定値に応じて切り換えるパラメ
ータ切換手段とを、含む圧延機における温度制御装置を
も、特徴とするものである。
【0016】このような本発明に従う構造とされた温度
制御装置においては、温度コントローラにおける制御パ
ラメータ値が、パラメータ切換手段により、圧延速度の
設定値に応じて自動的に切換設定されることにより、圧
延機における圧延速度の設定可能範囲の全域において、
圧延温度が目標温度に有利に調節されることとなる。
【0017】それ故、たとえ圧延速度が変更されて、温
度モデルにおけるモデル誤差が大きくなった場合でも、
制御系の安定性が確保されて、速やかに目標温度に制御
され得、製品の歩留りや品質の向上が達成されるのであ
る。
【0018】なお、このような本発明装置において、前
記温度コントローラとしては、例えば、積分要素と位相
補償要素を含んで構成され、且つ該位相補償要素におい
て前記制御パラメータを有するものが、好適に採用され
る。より具体的には、例えば、かかる温度コントローラ
としては、下式で表されるものが、好適に採用される。
【数3】 (但し、sはラプラス演算子,ni (i=0〜3)及び
j (j=0〜2)は区間分けされた各圧延速度区間に
おける制御パラメータ値,Kは圧延速度変化による温度
変化の影響係数である。)
【0019】また、本発明装置は、例えば、H∞制御理
論に基づいて温度コントローラの制御パラメータ値を算
出する演算装置を含んで構成されていても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施の具体例を示しつつ、詳
細に説明する。
【0021】先ず、図1には、本発明に従う温度制御装
置を備えた圧延機の具体的構成例の概略図が示されてい
る。この圧延機10は、ロール駆動モータ12によって
回転駆動せしめられる圧延ロール14,14間に圧延材
16を通板することによって熱間圧延を行う熱間圧延機
であって、図面上に明示はされていないが、圧延ロール
14,14は、例えばタンデム型圧延機における最終圧
延スタンドを構成する。
【0022】そして、かかる圧延機10においては、圧
延材16の材質や板厚,入側温度等に応じて、冷却係数
や発熱係数等を考慮しつつ、目標仕上温度を得るため
に、圧延速度を含む圧延条件の初期設定が、図示しない
初期条件設定器によって行われるようになっている。
【0023】また、圧延機10には、圧延材16の仕上
温度を検出する温度センサ18が設けられており、この
温度センサ18によって実際に検出された実績温度に基
づいて、温度コントローラ20によって、実績温度と目
標仕上温度の偏差が零となるように、ロール駆動モータ
12の回転速度を調節して圧延ロール14,14の回転
速度、即ち圧延速度がフィードバック制御されるように
なっている。
【0024】ここにおいて、温度コントローラ20は、
制御対象としての圧延現象における圧延速度と圧延温度
の関係を表す温度モデル22を用い、該温度モデル22
に基づいて得られた制御パラメータを採用し、加算器2
4によって得られる温度偏差(実績温度と目標仕上温度
の偏差)が零となるように、圧延速度を調節するもので
ある。また、該温度コントローラ20における制御パラ
メータ値は、パラメータ切換器26において、圧延機1
0の仕様で定められている圧延速度の設定可能範囲内を
区間分けした2区間以上の各速度区間毎に求められると
共に、実際に圧延機に設定された圧延速度に応じて、パ
ラメータ切換器26により、それらの中から対応する制
御パラメータ値が選択的に切換設定されるようになって
いる。
【0025】一方、制御パラメータ値の計算に必要とな
る制御対象の数式モデルは、制御対象の入出力特性を数
式で表したものであって、対象の物理的現象やセンサ等
の動特性等から理論的或いは実験的に決定されることと
なり、例えば、下記「数4」式の如く表される。
【0026】
【数4】 G(s):制御対象の伝達関数 K :圧延速度変化による温度変化の影響係数 T :圧延速度変化から温度変化までの時定数 L :圧延機出側温度計から圧延機までの移送時間 s :ラプラス演算子
【0027】そして、このような制御対象の数式モデル
および温度モデル22に基づいて、制御パラメータを有
する温度コントローラ20と、適当に区間分けされた各
圧延速度区間における制御パラメータ値が求められる。
これら温度コントローラと制御パラメータ値の決定方法
は特に限定されるものでないが、本発明においては、現
代制御理論の一手法として知られているH∞制御理論を
用いて有利に決定される。
【0028】すなわち、図1に示されている如き具体例
においては、外乱(w)が温度外乱,制御入力(u)が
圧延速度指令信号,観測出力(y)が圧延材温度(検出
値)であることから、制御対象をG(s),補償器(温
度コントローラ)をC(s)とすると、制御対象の一般
化制御系は、図2のように表すことが出来る。なお、図
2中、W1 は外乱抑制に対する重み関数,W2 はロバス
ト安定性に対する重み関数であり,z1,2 は制御量
(評価出力)である。
【0029】ここにおいて、先ず、かかる制御系におけ
るフィードバック制御系を考えると、図3の如く表さ
れ、外乱:wから観測出力:yへの伝達関数は、 y=Qw と表すことができる。
【0030】また、かかる式中、Qは感度関数であり、
下記「数5」の如く表すことが出来る。 Q=(I+C(s)G(s))-1 ・・・(数5) なお、式中、Iは、単位行列である。
【0031】外乱の影響を抑制するには、この感度関
数:Qを小さくすれば良く、全ての周波数:ωにおい
て、 |Q(jω)|<|W1 -1(jω)| を満足するような、ある重み関数:W1 (s)を設定す
れば良い。これをH∞ノルム(周波数伝達関数の最大ゲ
インを表すもの)を用いて表現すれば、下記「数6」の
ように表すことができる。
【0032】
【数6】
【0033】次に、モデル誤差を考慮して、制御対象:
G(s)が、図4に示すように、 G(s)=(I+Δ(s))・G(s) に変動したと考える。
【0034】ここで、理論計算や実機データ解析結果な
どからΔjωの上限を評価し、ある重み関数:W
2 (s)に対して、すべての周波数において、 |Δ(jω)|<|W2 (jω)| が成立すれば、制御系が安定であるための十分条件は、
H∞ノルムを用いて下記「数7」のように表すことがで
きる。
【0035】
【数7】
【0036】また、この「数7」中、Rは相補感度関数
であり、下記「数8」のように表すことができる。 R=C(s)G(s)・(I+C(s)G(s))-1 ・・・(数8)
【0037】従って、外乱抑制のためには、感度関数:
Qを小さくし、制御系の安定化(ロバスト安定化)のた
めには、相補感度関数:Rを小さくする必要がある。と
ころが、前記「数5」及び「数8」から、 Q(s)+R(s)=1 の関係が成り立つので、両者の要求のトレードオフをと
るように考慮する必要がある。
【0038】ここにおいて、H∞制御理論によれば、前
記「数6」や「数7」の条件を満足するような温度コン
トローラ:C(s)が存在するか否かの判定、並びに存
在する場合はその全ての解を求める方法が導かれている
ことから、外乱抑制とロバスト安定化を同時に達成させ
る混合感度問題を解けば良く、下記「数9」を満足する
温度コントローラ:C(s)を求めれば良い。
【0039】
【数9】
【0040】そして、実際には、このようなH∞制御理
論による温度コントローラの設計は、制御対象のモデル
式:G(s)や重み関数:W1 (s),W2 (s)等を
与えれば、汎用の制御系設計ツール(CAD)を用いた
数値計算によって行うことが可能である。具体的には、
このようなH∞制御理論を用いれば、例えば、前記「数
4」で表される制御対象の数式モデルに基づき、下式
「数10」で表される温度コントローラ20が構成され
ることとなる。
【0041】
【数10】
【0042】なお、上式中、sはラプラス演算子であ
り、Kは圧延速度変化による温度変化の影響係数であ
り、ni (i=0〜3),dj (j=0〜2)は、区間
分けされた各圧延速度区間における制御パラメータ値を
表す。また、この「数10」から明らかなように、本具
体例の温度コントローラ20は、(1/s)で表される
積分器として機能する要素と、〔(n3 3 +n2 2
+n1 s+n0 )/(s3+d2 2 +d1 s+
0 )〕で表される位相補償器として機能する要素とを
含んで構成されている。
【0043】そして、このような温度コントローラ20
においては、その制御パラメータ値が、圧延速度の設定
値に応じて、パラメータ切換器26によって切換設定さ
れる。要するに、この温度コントローラ20において
は、区間分けされた各圧延速度区間において、それぞ
れ、予測される最大のモデル誤差があった場合にも十分
な外乱抑制性とロバスト安定性を確保し得る制御パラメ
ータ値が求められており、実際に設定された圧延速度に
応じて、パラメータ切換器26により、それらの制御パ
ラメータ値の中から適応するものが選択的に採用される
ようになっているのである。
【0044】従って、圧延速度変化によってモデル誤差
が大きくなった際に、大きな温度外乱があった場合で
も、温度コントローラ20による優れた温度制御性が発
揮されるのであり、圧延温度が速やかに目標仕上温度に
収束せしめられるのである。
【0045】また、このような温度制御方法によれば、
操作の熟練等を要することもなく、安定した圧延が容易
に実現されて、製品品質の安定化と向上が有利に達成さ
れるのである。
【0046】以下、更に本発明を具体的に明らかにする
ために、本発明の実施例を示すが、本発明は、上述の説
明中における具体的な記載および以下の実施例の記載に
よって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者
の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加え
た態様において実施され得るものであることは勿論であ
り、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱
しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるもので
あることは、言うまでもない。
【0047】
【実施例】上述の具体例構造の圧延機10において、温
度コントローラ20による温度制御を実施した場合のシ
ミュレーション結果を、図5及び図6に示す。なお、本
実施例では、制御対象として下式で表される数式モデ
ル:G(s)を採用し、実機データ解析結果等を考慮し
て、外乱抑制に対する重み関数:W1 およびロバスト安
定性に対する重み関数:W2 を、それぞれ、下式の如く
規定すると共に、H∞制御理論を用いて設計することに
より、温度コントローラ:C(s)および制御パラメー
タ:ni ,dj として、下記のものを採用した。
【0048】
【数11】
【0049】W1 =α/(s+0.001) W2 =0.9(βs+1) なお、式中、α,βは、各速度区間内で一定とされる調
整係数であり、外乱抑制とロバスト安定性の観点から設
定される。
【0050】
【数12】
【0051】(I)圧延速度=90m/min のとき d2 =11.337 d1 =12.746 d0 =0.013 n3 =0.121 n2 =0.135 n1 =0.012 n0 =4.4×10-5 (II)圧延速度=450m/min のとき d2 =15.069 d1 =51.566 d0 =0.052 n3 =0.805 n2 =3.356 n1 =0.809 n0 =8.8×10-3
【0052】そして、圧延速度区間を各々90m/min
として5分割し、初期温度偏差を15℃として、速度変
化による温度変化への影響係数について、モデル誤差が
ない場合(実測値/モデル値=1.0)と、モデル誤差
がある場合(実測値/モデル値=1.5)で、それぞれ
圧延速度が遅い場合(90m/min )と早い場合(45
0m/min )について、温度制御性を評価した。また、
比較例として、同様な圧延条件下において、従来方法
(比例積分制御方式)で温度制御を行った場合のシミュ
レーション結果を、図5及び図6に併せ示す。
【0053】これらのシミュレーション結果より、モデ
ル誤差がある場合、従来方法では何れも温度偏差が大き
くなり、オーバシュートが大きくなったりハンチング気
味となるのに対して、本実施例においては、モデル誤差
がある場合でも、高精度な温度制御が実施されることが
明らかである。
【0054】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従えば、圧延材を温度制御する温度コントローラにお
ける制御パラメータ値が、圧延速度に応じて変更設定さ
れることから、たとえ圧延速度が変更されて大きなモデ
ル誤差があった場合でも、適当な制御パラメータ値が選
択されることによって、制御系の安定性が確保されると
共に、速やかに目標温度に収束され得るのであり、それ
によって、安定した圧延が有利に実現されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う温度制御装置を備えた圧延機の具
体的構成例を示す概略図である。
【図2】図1に示された制御対象を一般化制御系として
示すブロック図である。
【図3】図1に示された制御対象におけるフィードバッ
ク制御系を一般化して示すブロック図である。
【図4】図1に示された制御対象の特性変化を一般化し
て示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例としての低速圧延時におけるシ
ミュレーション結果を、比較例と共に示すグラフであ
る。
【図6】本発明の実施例としての高速圧延時におけるシ
ミュレーション結果を、比較例と共に示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 圧延機 12 ロール駆動モータ 16 圧延材 18 温度センサ 20 温度コントローラ 22 温度モデル 26 パラメータ切換器

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延速度と圧延温度の関係を表す温度モ
    デルに基づいて得られた制御パラメータを用いた温度コ
    ントローラを採用して、圧延材から検出された実績温度
    に応じて圧延速度を調節することにより、圧延材が目標
    温度となるように温度制御するに際して、 圧延機における圧延速度の設定可能範囲を複数の速度区
    間に区分すると共に、それら各速度区間毎に前記制御パ
    ラメータ値を求め、圧延速度の設定値に応じて前記温度
    コントローラの制御パラメータ値を変更設定することを
    特徴とする圧延機における温度制御方法。
  2. 【請求項2】 積分要素と位相補償要素を含み、且つ該
    位相補償要素において前記制御パラメータを有するもの
    を、前記温度コントローラとして用いる請求項1に記載
    の圧延機における温度制御方法。
  3. 【請求項3】 前記温度コントローラにおける各速度区
    間毎の制御パラメータ値を、H∞制御理論に基づいて求
    める請求項1又は2に記載の圧延機における温度制御方
    法。
  4. 【請求項4】 前記温度コントローラとして、下式: 【数1】 (但し、sはラプラス演算子,ni (i=0〜3)及び
    j (j=0〜2)は区間分けされた各圧延速度区間に
    おける制御パラメータ値,Kは圧延速度変化による温度
    変化の影響係数である。)で表されるものを用いる請求
    項1乃至3の何れかに記載の圧延機における温度制御方
    法。
  5. 【請求項5】 圧延材の実績温度を検出する温度検出手
    段と、 該温度検出手段にて得られた実績温度を目標温度と比較
    して温度偏差を求める温度偏差算出手段と、 圧延速度と圧延温度の関係を表す温度モデルと、 該温度モデルに基づいて得られた制御パラメータを用い
    て、前記温度偏差算出手段にて得られる温度偏差が零と
    なるように、圧延速度を調節する温度コントローラと、 圧延機における圧延速度の設定可能範囲を複数の速度区
    間に区分して、それら各速度区間毎に求められた前記制
    御パラメータ値を、該圧延機における圧延速度の設定値
    に応じて切り換えるパラメータ切換手段とを、含むこと
    を特徴とする圧延機における温度制御装置。
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