JPH0852507A - 熱間圧延機における被圧延材の温度制御方法および温度制御装置 - Google Patents

熱間圧延機における被圧延材の温度制御方法および温度制御装置

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JPH0852507A
JPH0852507A JP6191486A JP19148694A JPH0852507A JP H0852507 A JPH0852507 A JP H0852507A JP 6191486 A JP6191486 A JP 6191486A JP 19148694 A JP19148694 A JP 19148694A JP H0852507 A JPH0852507 A JP H0852507A
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JP6191486A
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Inventor
Yoshihide Okamura
義英 岡村
Ikuya Hoshino
郁弥 星野
Masaki Hashizume
雅紀 橋爪
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延速度変更時における被圧延材の温度制御
の高精度化。 【構成】 熱間圧延機における被圧延材の温度を冷却媒
体量の調節により制御するに際して、圧延速度の変化に
よる被圧延材の出側温度の変化を抑えるために必要とさ
れる冷却媒体補正量を、圧延速度の変更による被圧延材
の出側温度の変化と冷却媒体量の変更による被圧延材の
出側温度の変化との遅れ時間差を補償して予測演算する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、熱間圧延機における被圧延材の
温度制御方法および温度制御装置に係り、特に、圧延速
度が変化する場合にも冷却媒体量の調節によって被圧延
材の出側温度を目標値に有利に制御することのできる熱
間圧延機における被圧延材の温度制御方法と温度制御装
置に関するものである。
【0002】
【背景技術】熱間圧延機、特に熱間仕上圧延機におい
て、被圧延材の出側温度を目標値に保つことは、被圧延
材の材質や加工性等の品質の確保等のために重要な課題
である。そこで、従来では、熱間圧延機における被圧延
材の温度制御方法として、(1)被圧延材の温度実績
(実測値)に応じて圧延速度を調節することにより被圧
延材の出側温度を制御する方法と、(2)圧延機におけ
る被圧延材の入側や圧延スタンド間に冷却水等の冷却媒
体を供給する冷却装置を設置し、被圧延材の温度実績に
応じて冷却媒体量を調節することにより被圧延材の出側
温度を制御する方法とが、主に採用されている。
【0003】ところが、(1)の圧延速度の調節による
温度制御方法は、最も一般的な温度制御方法ではある
が、圧延開始時等における加速圧延中のように別の目的
で圧延速度が加減速制御されている状況下などでの採用
には不適当であるという問題があった。しかも、温度制
御のために頻繁な圧延速度変更を行うことは、圧延機の
マスフローバランス等にも影響を及ぼすために、安定し
た圧延を行う観点から、必ずしも好ましいものではなか
ったのである。
【0004】一方、(2)の冷却媒体量の調節による温
度制御方法は、加速圧延中等における温度制御としても
有利に採用され得るものであり、例えば特開昭56−1
14521号公報には、被圧延材の入側温度実績と板厚
変更による被圧延材の温度変化とに応じて、目標とする
出側温度を得るために必要な冷却水量を予測演算し、同
時に被圧延材の出側温度実績に応じて冷却水量を調節す
ることにより、結果として圧延速度変化による温度変化
分の補償を可能とするものが開示されている。ところ
が、かかる温度制御方法を、実際に、圧延速度の変化時
に採用すると、被圧延材の出側温度の変動を未だ充分に
抑えることが出来ず、特に圧延速度の変化率が大きい圧
延開始時等においては、被圧延材の出側温度が目標値か
ら大きく外れてしまう場合があり、決して有効な方法で
はなかったのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、圧延速度の変化時においても、被圧延材の
出側温度を高精度に制御することのできる熱間圧延機に
おける温度温度制御方法および温度制御装置を提供する
ことにある。
【0006】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、請
求項1に記載の本発明の特徴とするところは、熱間圧延
機における被圧延材の温度を、冷却媒体量の調節により
制御するに際して、圧延速度が変化した場合に、前記被
圧延材の入側温度の実測値に基づいて、初期圧延速度下
で目標とする出側温度を得るために必要とされる冷却媒
体基準量を予測演算する一方、圧延速度の変更による前
記被圧延材の出側温度の変化を抑えるために必要とされ
る第一の冷却媒体補正量を、かかる圧延速度の変更によ
る被圧延材の温度変化と冷却媒体量の変更による被圧延
材の温度変化との遅れ時間差を補償して予測演算すると
共に、前記被圧延材の出側温度の実測値と目標値との偏
差に基づいて、目標とする出側温度を得るために必要と
される第二の冷却媒体補正量を、冷却媒体量の変更によ
る被圧延材の温度変化の遅れ時間を補償して演算し、そ
れら第一及び第二の冷却媒体補正量を前記冷却媒体基準
量に加算することにより前記冷却媒体量を求める被圧延
材の温度制御方法にある。
【0007】また、請求項2に記載の本発明は、請求項
1に記載の被圧延材の温度制御方法において、圧延速度
が一定となった場合に、前記冷却媒体基準量に前記第二
の冷却媒体補正量を加算することにより前記冷却媒体量
を求める被圧延材の温度制御方法を特徴とする。
【0008】また、請求項3に記載の本発明は、請求項
1又は2に記載の被圧延材の温度制御方法において、前
記求められた冷却媒体量が前記熱間圧延機における冷却
装置の能力範囲から外れた場合に、圧延速度を調節する
ことによって被圧延材の温度制御を行う温度制御方法を
特徴とする。
【0009】さらに、本発明は、(a)被圧延材の入側
温度の実測値に基づいて、初期圧延速度下で目標とする
被圧延材の出側温度を得るために必要とされる冷却媒体
基準量を予測演算する第一の演算手段と、(b)圧延速
度の変更による前記被圧延材の出側温度の変化を抑える
ために必要とされる第一の冷却媒体補正量を、かかる圧
延速度の変更による被圧延材の温度変化と冷却媒体量の
変更による被圧延材の温度変化との遅れ時間差を補償し
て予測演算する第二の演算手段と、(c)前記被圧延材
の出側温度の実測値と目標値との偏差に基づいて、目標
とする出側温度を得るために必要とされる第二の冷却媒
体補正量を、冷却媒体量の変更による被圧延材の温度変
化の遅れ時間を補償して演算する第三の演算手段と、
(d)前記第一及び第二の冷却媒体補正量を前記冷却媒
体基準量に加算することにより前記冷却媒体量を算出す
る加算手段とを、含んで構成されている熱間圧延機にお
ける被圧延材の温度制御装置をも、特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用・効果】このような本発明は、本発明者らが多数
の実験および検討を行った結果、前記特開昭56−11
4521号公報に開示されている如く、圧延速度変更に
よる被圧延材の温度変化に応じて目標とする出側温度を
得るために必要な冷却媒体量を予測演算して冷却媒体量
を調節した場合にも、未だ、圧延速度変更による温度変
化分の補償が充分に実現され得ない原因が、圧延速度の
変更による被圧延材の温度変化と冷却媒体量の変更によ
る被圧延材の温度変化との間における時間遅れの差にあ
ることを見い出し、更に、かかる問題に対しては、圧延
速度の変更による被圧延材の温度変化と冷却媒体量の変
更による被圧延材の温度変化との間の時間遅れの差を補
償してやることにより、有効に対処し得るという知見を
得たことに基づいて為されたものである。
【0011】すなわち、圧延速度変更に際しての被圧延
材の出側温度変化を冷却媒体量の調節によって抑えよう
とする場合には、圧延速度の制御系による変更指令が圧
延装置に入力されてから、圧延ロールの回転速度が変化
して圧延速度が実際に変化し、その結果被圧延材の温度
が変化する迄の遅れ時間と、冷却媒体量の制御系による
変更指令が冷却装置に入力されてから、バルブ操作等に
よって冷却媒体量が実際に変化し、その結果被圧延材の
温度が変化する迄の遅れ時間との間に、温度制御に要求
される精度上で無視することが出来ない程の時間差が存
することが明らかとなったのである。
【0012】そして、本発明方法に従えば、圧延速度の
変更による被圧延材の出側温度の変化を補償するために
必要な第一の冷却媒体補正量を予測演算するに際して、
圧延速度の変更による被圧延材の温度変化と冷却媒体量
の変更による被圧延材の温度変化との遅れ時間差が考慮
されることから、かかる遅れ時間差に起因する出側温度
の振れ(制御誤差)が有利に軽減乃至は防止され得るの
であり、それによって、圧延速度の変化時においても、
被圧延材の出側温度を高精度に制御することが可能とな
るのである。
【0013】しかも、かかる本発明方法においては、被
圧延材の出側温度をフィードバック制御するための第二
の冷却媒体補正量を演算するに際しても、冷却媒体量の
変更指令の入力から被圧延材の温度が変化する迄の遅れ
時間が考慮されることから、かかる遅れ時間に起因する
出側温度の制御誤差も有利に解消され得るのであり、極
めて高精度な温度制御が実現され得るのである。
【0014】また、請求項2に記載の本発明方法に従え
ば、圧延速度が一定となった状況下においても、冷却媒
体量の変更による被圧延材の出側温度の変化の遅れ時間
が考慮されることにより、高精度な温度制御を行うこと
ができる。
【0015】更にまた、請求項3に記載の本発明方法に
従えば、大きな外乱、或いは被圧延材の入側温度や圧延
速度の急激な変化等によって、出側温度を目標値に保つ
ために必要とされる冷却媒体量が冷却装置の能力範囲か
ら外れた場合にも、圧延速度の調節によって、被圧延材
の出側温度の著しい変化が有効に防止され得るのであ
り、安定した温度制御が実現され得るのである。
【0016】さらに、本発明に従う構造とされた温度制
御装置によれば、請求項1に記載の本発明方法が有利に
実施され得、被圧延材の出側温度の高精度な制御が可能
となるのである。
【0017】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0018】先ず、図1には、本発明方法の実施に有利
に適用され得る、本発明に従う熱間圧延機における温度
制御装置の一実施例の概略構成が示されている。この図
において、10は、熱間圧延機による被圧延材の圧延現
象であって、図面上に明示はされていないが、例えば、
被圧延材が連続的に通過せしめられる複数の圧延ロール
と、被圧延材の入側または出側、或いは各圧延ロール間
において被圧延材に水等の冷却媒体を吹きかける冷却装
置と、被圧延材の入側温度と出側温度をそれぞれ検出す
る温度センサとを含んで構成された熱間仕上圧延機な
ど、公知の各種の構造のものを示す。即ち、本実施例の
熱間圧延機における温度制御装置にあっては、熱間圧延
機による圧延現象10に対して、冷却媒体量の制御信
号:Pと圧延速度の制御信号:Vを入力するようになっ
ており、冷却媒体量と圧延速度を調節することによっ
て、被圧延材の出側温度:tout を、目標出側温度:t
0 となるように温度制御するものである。
【0019】そして、先ず、かかる温度制御のための基
準入力信号として、温度センサによって検出された被圧
延材の入側温度:tinと外部入力された指令圧延速度:
0とが、それぞれ、入力されるようになっており、か
かる入側温度:tinに基づき、第一の演算手段としての
基準量演算装置12において、初期圧延速度下で目標と
する出側温度:tout を得るために必要とされる冷却媒
体基準量:P0 が求められる。なお、初期圧延速度と
は、圧延速度の基準となる所定値であって、例えば、制
御開始時における圧延速度に設定される。また、冷却媒
体基準量:P0 の具体値は、被圧延材の温度調節のため
に圧延ロールや被圧延材に対して供給される冷却媒体量
に対応するものであれば良く、例えば冷却媒体の供給流
量や供給圧力等の制御値として求められ得る。
【0020】すなわち、かかる基準量演算装置12にお
ける冷却媒体基準量:P0 の演算は、例えば、圧延現象
10における実測やモデルを用いた測定、或いは計算等
によって予め求めた、被圧延材の入側温度と冷却媒体量
との関係式に基づいて、初期圧延速度下で目標とする出
側温度:tout を得るために必要とされる冷却媒体基準
量:P0 を予測演算することによって行われるのであ
る。
【0021】また、指令圧延速度:V0 は、比較器14
に入力されて、初期圧延速度からの速度変化量が求めら
れ、更に、かかる速度変化量に基づき、第一の補正演算
装置16において、初期圧延速度から指令圧延速度:V
0 への圧延速度の変化に起因する被圧延材の出側温度の
変化を抑えて目標とする出側温度:tout を得るために
必要とされる冷却媒体の補正量(第一の冷却媒体補正
量):P1 rev が求められる。
【0022】ここにおいて、かかる第一の補正演算装置
16における第一の冷却媒体補正量:P1 rev の演算
は、例えば、圧延現象10における実測或いは計算によ
って予め求めた、圧延速度の変化量と被圧延材の出側温
度の変化量との関係式および冷却媒体量の変化量と被圧
延材の出側温度の変化量との関係式に基づいて、圧延速
度の変化に起因する被圧延材の出側温度の変化を抑えて
目標とする出側温度:t out を維持するために必要とさ
れる冷却媒体の補正量を予測演算することによって行わ
れる。
【0023】さらに、第一の補正演算装置16によって
求められた第一の冷却媒体補正量:P1 rev は、第一の
遅れ時間補償装置18に入力されて、圧延速度変化によ
る温度変化と冷却媒体量変化による温度変化との時間遅
れ差の補償が加えられる。この時間遅れ差の補償は、例
えば、制御系を含む圧延現象における実測やモデルを用
いた測定、或いは計算等によって、指令圧延速度:V0
による圧延速度の変更指令の入力から実際に圧延速度が
変化して被圧延材の温度が変化するまでの遅れ時間と、
冷却媒体量の変更指令の入力から実際に冷却媒体量が変
化して被圧延材の温度が変化するまでの遅れ時間との差
を、予め求めて、それら両者の遅れ時間差を補償するこ
とによって、行われる。なお、上述の説明から明らかな
ように、本実施例においては、第一の補正量演算装置1
6と第一の遅れ時間補償装置18とによって、第一の冷
却媒体補正量を遅れ時間を考慮して予測演算する第二の
演算手段が構成されている。
【0024】より具体的には、冷却媒体量の調節を供給
圧力によって行うと共に、圧延速度変更による温度変化
の遅れ時間および冷却媒体量変更による温度変化の遅れ
時間を、何れも一次遅れ系で近似した場合には、第一の
補正量演算装置16および第一の遅れ時間補償装置18
によって予測演算された、遅れ時間を考慮した第一の冷
却媒体補正量:P1 rev ′は、下記(1式)の如く表さ
れる。なお、冷却装置において、冷却媒体量は、供給圧
力の1/2乗に比例するものとした。
【0025】 P1 rev (i) =〔(Tcls+1)/(TV s+1)〕 ・(√PL(i)+α(i) ΔV)2 ・・・(1式) 但し、 PL :圧延速度の加速時における第一の冷却媒体量の圧
力ロックオン値(制御開始基準点での第一の冷却媒体量
の圧力値) α :影響係数〔=(∂Q/∂T)/(∂T/∂V)〕 (∂Q/∂T):流量/温度影響係数 (∂T/∂V):温度/速度影響係数 ΔV:圧延速度変化量 Tcl:冷却媒体量変更指令の入力から被圧延材の温度が
変化するまでの遅れ時間 TV :圧延速度変更指令の入力から被圧延材の温度が変
化するまでの遅れ時間(i) :対象とする圧延ロールスタンドのNO.を表す添
字 s :ラプラス演算子
【0026】また、冷却装置における冷却媒体量は、上
述の如き、基準量演算装置12と、第一の補正量演算装
置16および第一の遅れ時間補償装置18とによるフィ
ードフォワード制御に加えて、温度センサによって検出
された被圧延材の出側温度:tout に基づいて、フィー
ドバック制御されるようになっている。
【0027】かかるフィードバック制御においては、先
ず、実測された被圧延材の出側温度:tout が比較器2
0に入力されて、目標出側温度:t0 との偏差:tdef
1 が算出された後、第二の補正演算装置22において、
かかる温度偏差:tdef 1 を抑えて目標とする出側温
度:tout を得るために必要とされる冷却媒体の補正量
(第二の冷却媒体補正量):P2 rev が求められる。か
かる第二の補正演算装置22における第二の冷却媒体補
正量:P2 rev の演算は、例えば、圧延現象10におけ
る実測或いは計算によって予め求めた、冷却媒体量の変
化量と被圧延材の出側温度の変化量との関係式に基づい
て、外乱等による被圧延材の出側温度の変化を抑えて目
標とする出側温度:tout を得るために必要とされる冷
却媒体量を算出することによって行われる。
【0028】さらに、この第二の補正演算装置22によ
って求められた第二の冷却媒体補正量:P2 rev は、第
二の遅れ時間補償装置24に入力されて、冷却装置に対
する冷却媒体量の変更指令の入力から実際に冷却媒体量
が変化して被圧延材の温度が変化するまでの遅れ時間の
補償が行われて、遅れ補償された第二の冷却媒体補正
量:P2 rev ′が求められる。
【0029】なお、このようなフィードバック制御は、
具体的には、例えばPI制御等によって有利に実現され
得る。また、上述の説明から明らかなように、本実施例
においては、第二の補正量演算装置22と第二の遅れ時
間補償装置24とによって、第二の冷却媒体補正量を遅
れ時間を考慮して予測演算する第三の演算手段が構成さ
れている。
【0030】そして、加算器26において、上述の如く
して求められた第一及び第二の冷却媒体補正量:P1
rev ′,P2 rev ′が、冷却媒体基準量:P0 に加算さ
れることにより、指令必要冷却水量:Pが求められ、制
御信号として、圧延現象10に入力されるようになって
いるのである。
【0031】また一方、本実施例における温度制御装置
は、上述の如き冷却媒体量の制御系とは別に、圧延速度
の制御系も備えている。かかる圧延速度の制御系は、実
測された被圧延材の出側温度:tout と目標出側温度:
0 との偏差:tdef 2 を求める比較器28と、この比
較器28によって求められた温度偏差:tdef 2 に基づ
いて、かかる温度偏差:tdef 2 を抑えて目標とする出
側温度:tout を得るために必要とされる圧延速度の補
正量:Vrev を算出する速度補正量演算装置30とを含
んで構成されている。なお、速度補正量演算装置30に
おける圧延速度補正量:Vrev の演算は、例えば、圧延
現象10における実測或いは計算によって予め求めた、
圧延速度の変化量と被圧延材の出側温度の変化量との関
係式に基づいて、被圧延材の温度偏差:tdef 2 を抑え
るために必要とされる圧延速度変化量を算出することに
よって行われる。また、この圧延速度補正量:Vrev
求めるに際して、圧延速度変更指令の入力から被圧延材
の温度が変化するまでの遅れ時間を考慮することも可能
である。
【0032】続いて、このようにして求められた圧延速
度補正量:Vrev が、加算器32に入力され、指令圧延
速度:V0 に加算されて圧延速度の制御信号:Vが算出
されることにより、圧延装置の圧延速度が変更されるよ
うになっている。
【0033】そして、かかる速度補正量演算装置30を
含んで構成された圧延速度の制御系は、制御系切換装置
34によって、前述の如き冷却媒体量の制御系と択一的
に切換作動せしめられるようになっており、それら圧延
速度の制御系と冷却媒体量の制御系との何れかによっ
て、被圧延材の温度制御が実施されるようになってい
る。即ち、基本的には、冷却媒体量の制御によって被圧
延材の温度制御が行われるようになっているが、外乱等
の影響によって被圧延材の出側温度:tout が目標出側
温度:t0 から大きく外れてしまい、冷却媒体量の制御
系によって求められた指令必要冷却水量:Pが冷却装置
の能力範囲外となってしまった場合には、制御系切換装
置34が作動せしめられて、圧延速度の制御系による被
圧延材の温度制御に切り換えられるようになっているの
である。
【0034】なお、圧延速度の制御系における温度調節
の結果、被圧延材の出側温度:tou t と目標出側温度:
0 との偏差が、冷却装置による温度制御可能な範囲内
となった場合には、制御系切換装置34によって冷却媒
体量の制御系による温度制御に自動的に復帰させること
が望ましい。また、圧延速度の制御系に切り換える場合
には、冷却媒体量の制御系は、冷却装置の能力限界値な
どの所定値に維持されるようにすることが有効である。
【0035】このような温度制御装置によれば、基準量
演算装置12によって求められた冷却媒体基準量:P0
に対して、速度変更に起因する温度変化を抑えるための
補正を加えるに際して、第一の遅れ時間補償装置18に
より、圧延速度の変更による被圧延材の温度変化と冷却
媒体量の変更による被圧延材の温度変化との遅れ時間差
が補償されることから、圧延速度の変化時においても、
被圧延材の出側温度を目標出側温度となるように高精度
に制御することが可能となるのである。
【0036】また、かかる温度制御装置においては、基
準量演算装置12によって求められた冷却媒体基準量:
0 に対して、フィードバック補正を加えるに際して
も、第二の遅れ時間補償装置24により冷却装置におけ
る遅れ時間が補償されることから、より一層高精度な温
度制御が実現され得るのである。
【0037】なお、圧延速度が一定となった状況下で
も、フィードバック補正を加えるに際しての冷却装置に
おける遅れ時間が、第二の遅れ時間補償装置24によっ
て補償されることから、高精度な温度制御が実現され得
る。
【0038】さらに、本実施例の温度制御装置にあって
は、外乱や被圧延材の入側温度,圧延速度の急激な変化
等のために、冷却媒体量の制御系によって求められた指
令必要冷却水量:Pが冷却装置の能力範囲外となってし
まった場合にも、制御系切換装置34によって、圧延速
度の制御系による被圧延材の温度制御に切り換えられ
て、被圧延材の出側温度の大幅な変化が防止され得るこ
とから、圧延材全長に亘って安定した温度制御が可能と
なり、製品品質の均一化が効果的に達成され得るのであ
る。
【0039】因みに、上記実施例に従う構成とされた温
度制御装置において、5182系アルミニウム材を圧延
板加工した場合であって、+100m/min の圧延速度
変化があった場合における出側温度:tout の変化を表
すシミュレーション結果を、図2に示す。なお、本例で
は、冷却装置による温度制御のみの場合(速度制御は実
施せず)で行い、且つ、冷却媒体制御指令を圧力指令と
し、圧延速度変更による温度変化と冷却媒体量変更によ
る温度変化との遅れ時間差の補償は、前記(1式)に従
った。また、同一の圧延条件下、冷却装置による温度制
御を行わなかった場合の結果を図3に示すと共に、圧延
速度変更による温度変化と冷却媒体量変更による温度変
化との遅れ時間差の補償を行わなかった場合の結果を図
4に示す。
【0040】これらのシミュレーション結果からも、本
発明に従う遅れ時間差の補償を行うことによって、圧延
速度の変更時における被圧延材の出側温度の変化を効果
的に抑制できることが明らかである。
【0041】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0042】例えば、圧延速度の制御系は、必ずしも設
ける必要はなく、冷却媒体量の制御系のみによって被圧
延材の温度制御を行うことも可能である。
【0043】その他、本発明は、当業者の知識に基づい
て、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において
実施され得るものであり、また、そのような実施態様
が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の
範囲内に含まれることは、言うまでもないところであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う熱間圧延機における温度制御装置
の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に従う温度制御のシミュレーション結果
を示すグラフである。
【図3】温度制御を行わなかった場合のシミュレーショ
ン結果を示すグラフである。
【図4】遅れ時間差の補償を行わずに温度制御を行った
場合のシミュレーション結果を比較例として示すグラフ
である。
【符号の説明】
10 圧延現象 12 基準量演算装置 16 第一の補正量演算装置 18 第一の遅れ時間補償装置 22 第二の補正演算装置 24 第二の遅れ時間補償装置 26 加算器 30 速度補正量演算装置 34 制御系切換装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延機における被圧延材の温度を、
    冷却媒体量の調節により制御するに際して、 圧延速度が変化した場合に、前記被圧延材の入側温度の
    実測値に基づいて、初期圧延速度下で目標とする出側温
    度を得るために必要とされる冷却媒体基準量を予測演算
    する一方、圧延速度の変更による前記被圧延材の出側温
    度の変化を抑えるために必要とされる第一の冷却媒体補
    正量を、かかる圧延速度の変更による被圧延材の温度変
    化と冷却媒体量の変更による被圧延材の温度変化との遅
    れ時間差を補償して予測演算すると共に、前記被圧延材
    の出側温度の実測値と目標値との偏差に基づいて、目標
    とする出側温度を得るために必要とされる第二の冷却媒
    体補正量を、冷却媒体量の変更による被圧延材の温度変
    化の遅れ時間を補償して演算し、それら第一及び第二の
    冷却媒体補正量を前記冷却媒体基準量に加算することに
    より前記冷却媒体量を求めることを特徴とする熱間圧延
    機における被圧延材の温度制御方法。
  2. 【請求項2】 圧延速度が一定となった場合に、前記冷
    却媒体基準量に前記第二の冷却媒体補正量を加算するこ
    とにより前記冷却媒体量を求める請求項1に記載の熱間
    圧延機における被圧延材の温度制御方法。
  3. 【請求項3】 前記求められた冷却媒体量が前記熱間圧
    延機における冷却装置の能力範囲から外れた場合に、圧
    延速度を調節することによって被圧延材の温度制御を行
    う請求項1又は2に記載の熱間圧延機における被圧延材
    の温度制御方法。
  4. 【請求項4】 被圧延材の入側温度の実測値に基づい
    て、初期圧延速度下で目標とする被圧延材の出側温度を
    得るために必要とされる冷却媒体基準量を予測演算する
    第一の演算手段と、 圧延速度の変更による前記被圧延材の出側温度の変化を
    抑えるために必要とされる第一の冷却媒体補正量を、か
    かる圧延速度の変更による被圧延材の温度変化と冷却媒
    体量の変更による被圧延材の温度変化との遅れ時間差を
    補償して予測演算する第二の演算手段と、 前記被圧延材の出側温度の実測値と目標値との偏差に基
    づいて、目標とする出側温度を得るために必要とされる
    第二の冷却媒体補正量を、冷却媒体量の変更による被圧
    延材の温度変化の遅れ時間を補償して演算する第三の演
    算手段と、 前記第一及び第二の冷却媒体補正量を前記冷却媒体基準
    量に加算することにより前記冷却媒体量を算出する加算
    手段とを、含んで構成されていることを特徴とする熱間
    圧延機における被圧延材の温度制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226438A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Hitachi Ltd 熱間圧延機のスタンド間冷却制御装置および制御方法
KR101225788B1 (ko) * 2010-10-27 2013-01-23 현대제철 주식회사 압연강판의 폭방향 온도 측정 제어 방법
CN106862283A (zh) * 2017-02-10 2017-06-20 武汉钢铁工程技术集团自动化有限责任公司 热轧超快冷过程控制系统

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