JP2000218313A - 熱間連続圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置 - Google Patents

熱間連続圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置

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JP2000218313A
JP2000218313A JP11018972A JP1897299A JP2000218313A JP 2000218313 A JP2000218313 A JP 2000218313A JP 11018972 A JP11018972 A JP 11018972A JP 1897299 A JP1897299 A JP 1897299A JP 2000218313 A JP2000218313 A JP 2000218313A
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Yasuhiko Takee
康彦 武衛
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各スタンドの最適負荷配分を維持し、操業及
び/又は品質への悪影響を防止する熱間連続圧延機の板
厚制御方法及び板厚制御装置の提供。 【解決手段】 第iスタンドFi の圧下位置Si 、上流
側の第i−1スタンドF i-1 の圧下位置Si-1 、及び下
流側の第i+1スタンドFi+1 の圧下位置Si+1を取り
込み、圧下位置初期値S0i 、S0i-1 、及びS0i+1
からの圧下位置変化量ΔSi 、ΔSi-1 、及びΔSi+1
を夫々算出し、圧下位置変化量ΔSi とΔSi-1 との差
の絶対値である上流側絶対値X、及び圧下位置変化量Δ
i とΔS i+1 との差の絶対値である下流側絶対値Yを
求める。そして上流側絶対値X及び下流側絶対値Yがと
もに所定値ei より大きい場合、第iスタンドFi の制
御目標値を算出する数式モデルのミル剛性係数、制御ゲ
イン、及び塑性係数等のパラメータを変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数のスタンドによ
り被圧延材を連続して圧延する熱間連続圧延機にて、被
圧延材の板厚を安定させるべくスタンドの圧下位置を調
整する熱間連続圧延機の板厚制御方法、及びその実施に
使用する板厚制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間連続圧延(以下熱間圧延という)
は、連続鋳造されたスラブと呼ばれる被圧延材を加熱炉
内に設けられた台座である複数のスキッド上に載置して
高温に加熱し、加熱された被圧延材を上下に配置された
ロールを備える複数のスタンドがタンデムに配置されて
いる熱間連続圧延機(以下熱間圧延機という)へ通板
し、上下のロールを用いて被圧延材に荷重を加えながら
押し出すことによって製品板厚に仕上げる方法である。
【0003】熱間圧延機に通板された被圧延材の板厚
は、各スタンドでの出口板厚を夫々目標の板厚にするこ
とで最終的に目標とする板厚にするものであり、各スタ
ンドでの板厚はロールの圧下位置を調整することで制御
される。なお各スタンドの板厚の目標はバランス良く圧
延できるように最適負荷配分を考慮して設定されてい
る。
【0004】ところが被圧延材において加熱時にスキッ
ドに接触していた部分は、接触していなかった部分より
加熱され難いため温度が低くなる。また被圧延材を熱間
圧延機に通板する場合、先端と後端との圧延開始時刻に
差異が生じるため、圧延開始直前の自然放熱により圧延
開始時刻が遅い後端ほど低い温度で圧延される。
【0005】このように被圧延材は必ずしも均一な状態
で圧延される訳ではなく、温度変化等の外乱により圧延
状態が変動するので、板厚を検出し各スタンドが備える
ロールの圧下位置を制御する自動板厚制御装置(AG
C:automatic gauge controlsystem)による板厚制御
が実施されている。板厚の検出方法としては、圧下位置
及び圧延荷重を検出し、数1に示す関係式に基づいて求
めるBISRA によって提案された方法が普及しており、こ
の方法は即応性等の点で優れ、オンライン制御に適して
いる。
【0006】
【数1】
【0007】ただしこの方法は相対精度は良いが絶対精
度が悪いため、被圧延材が各スタンドに噛み込んでから
所定の時間が経過した時点での圧下位置及び圧延荷重の
実績値を検出して記憶した初期実績値、又は圧下位置の
初期設定値及び圧延荷重の初期予測値を初期値とし、初
期値に対する偏差として相対的な板厚を求める。すなわ
ち圧延中の圧下位置及び圧延荷重の実績値を検出して初
期値との偏差を計算し、数1を変形した数2を用いて出
口板厚における目標値との出口板厚偏差Δhを求めるも
のである。
【0008】
【数2】
【0009】そして出口板厚偏差Δhを吸収するため制
御目標値Δhrを算出するのであるが、数3に示すように
安定した制御のためには圧延荷重の偏差に対してBISRA
制御ゲインKA(0<KA≦1)を乗じ制御目標値Δhr
を求めるのが一般的である。
【0010】
【数3】
【0011】このときBISRA 制御ゲインKAによる圧下
位置の動作の変動を防止するため、さらに数4に示す塑
性係数Qを用いたBISRA 制御補正ゲインを乗じる場合も
ある。
【0012】
【数4】
【0013】このようにして求めた制御目標値Δhrをロ
ールの圧下位置を調整する圧下装置へ入力して圧下位置
を調整する。
【0014】しかしこの制御方法では、スタンド毎に独
立して圧下位置の制御がなされるため、計算に用いるパ
ラメータが不適当な場合、圧延前に初期設定値として設
定された最適負荷配分が崩れるという問題がある。特
に、ミル剛性係数Mは圧延荷重P及び被圧延材の製造幅
の影響、並びに経時変化等の要因により変動するため、
自動板厚制御のパラメータとして用いる値は誤差を含む
数値であり、またBISRA 制御ゲインKA及び塑性係数Q
についても最適な値を得るのは困難である。このため特
定のスタンドにおいてミル剛性係数M、BISRA 制御ゲイ
ンKA、及び塑性係数Qの値が適当でなく、制御目標値
の計算が適正でない場合には特定のスタンドの圧下位置
が大きく変化し、操業及び/又は品質に悪影響を与える
という問題がある。
【0015】これらの問題を解決するため、各スタンド
毎に圧下位置の上限値及び下限値を設定し、上限値又は
下限値を越えた場合に、当該スタンド又は上流側スタン
ドの目標板厚を修正する方法が、特公昭63-1130 号公報
に開示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特公昭63
-1130 号公報に開示された方法においては、圧下位置の
変化量に関してはスタンド毎にしか注目していないた
め、圧下位置の変化量が上限値及び下限値を越えない限
り、特定のスタンドの圧下位置を大きく変化させ最適負
荷配分を崩し、操業及び/又は品質に悪影響を与えるこ
とがあっても、それを修正する制御はなされないという
問題がある。
【0017】また逆に上限値又は下限値を越えて圧下位
置を調整する必要がある大きな外乱が発生し、上限値及
び下限値を設定していなければ全スタンドの圧下位置を
バランス良く調整し最適負荷配分を維持して目標とする
板厚が得られる場合でも、目標板厚を修正する制御がな
され板厚精度の悪化につながるという問題がある。
【0018】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、隣り合う2つのスタ
ンドの圧下位置変化量の差を計算し、該差が所定値を越
える場合に一方のスタンドのミル剛性係数、制御ゲイ
ン、及び塑性係数等のパラメータを変更することによっ
て、操業及び/又は品質への悪影響を防止する熱間圧延
機の板厚制御方法、及びその実施に使用する板厚制御装
置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る熱間連続
圧延機の板厚制御方法では、複数のスタンドにより被圧
延材を連続して圧延する連続圧延機にて、スタンドの圧
下位置及び圧延荷重を検出し、検出された圧下位置及び
圧延荷重、並びにスタンドの制御目標値を算出する数式
モデルに基づいて、スタンドの出口板厚変動を吸収する
制御目標値を算出し、該制御目標値に従ってスタンドの
圧下位置を調整する熱間連続圧延機の板厚制御方法にお
いて、隣り合う2つのスタンドの圧下位置に関する値を
取り込み、該値に基づいて、スタンド夫々の所定の圧下
位置からの変化量の差を計算し、該差を所定値と比較
し、差が所定値を越える場合に、一方のスタンドの制御
目標値を算出する数式モデルのパラメータを変更するこ
とを特徴とする。
【0020】第2発明に係る熱間連続圧延機の板厚制御
方法では、第1発明において、前記数式モデルはパラメ
ータとしてミル剛性係数を含み、変更するパラメータは
ミル剛性係数であることを特徴とする。
【0021】第3発明に係る熱間連続圧延機の板厚制御
方法では、第1発明において、前記数式モデルはパラメ
ータとして制御ゲインを含み、変更するパラメータは制
御ゲインであることを特徴とする。
【0022】第4発明に係る熱間連続圧延機の板厚制御
方法では、第1発明において、前記数式モデルはパラメ
ータとして塑性係数を含み、変更するパラメータは塑性
係数であることを特徴とする。
【0023】第5発明に係る熱間連続圧延機の板厚制御
装置では、複数のスタンドにより被圧延材を連続して圧
延する熱間連続圧延機にて、スタンドの圧下位置及び圧
延荷重を検出し、検出された圧下位置及び圧延荷重、並
びにスタンドの制御目標値を算出する数式モデルに基づ
いて、スタンドの出口板厚変動を吸収する制御目標値を
算出し、該制御目標値に従ってスタンドの圧下位置を調
整する熱間連続圧延機の板厚制御装置において、隣り合
う2つのスタンドの圧下位置に関する値を取り込む手段
と、該値に基づいて、スタンド夫々の所定の圧下位置か
らの変化量の差を計算する手段と、該差を所定値と比較
する手段と、差が所定値を越える場合に、一方のスタン
ドの制御目標値を算出する数式モデルパラメータを変更
する手段とを備えることを特徴とする。
【0024】第6発明に係る熱間連続圧延機の板厚制御
装置では、第5発明において、前記数式モデルはパラメ
ータとしてミル剛性係数を含み、変更するパラメータは
ミル剛性係数であることを特徴とする。
【0025】第7発明に係る熱間連続圧延機の板厚制御
装置では、第5発明において、前記数式モデルはパラメ
ータとして制御ゲインを含み、変更するパラメータは制
御ゲインであることを特徴とする。
【0026】第8発明に係る熱間連続圧延機の板厚制御
装置では、第5発明において、前記数式モデルはパラメ
ータとして塑性係数を含み、変更するパラメータは塑性
係数であることを特徴とする。
【0027】本発明にあっては、隣り合う2つのスタン
ドの圧下位置変化量の差が所定値を越える場合に、一方
のスタンドのミル剛性係数、制御ゲイン、及び塑性係数
等のパラメータを変更する。これにより特定のスタンド
の圧下位置が不当に大きく変化する場合に、例えばミル
剛性係数の値を大きく、制御ゲインの値を小さく、又は
塑性係数の値を小さくして、当該スタンドの圧下位置の
変化量が小さくなるようにするので、最適負荷配分を崩
すことがなく、操業及び/又は品質への悪影響を防止す
ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明の板厚制御
装置及び熱間圧延機を示す模式図である。図中1は加熱
炉において高温に加熱されたスラブと呼ばれる被圧延材
であり、矢符方向へ通板される被圧延材1を連続して圧
延する上下一対のワークロール2,2,…と、それらを
支持する上下一対のバックアップロールとを夫々備える
第1スタンドF1 〜第7スタンドF7 が上流から下流へ
所定距離を隔ててタンデムに配設してある。
【0029】各スタンドF1 〜F7 の上方には夫々のワ
ークロール2,2,…の圧下位置を調整して被圧延材1
に所定の荷重を加える圧下装置3,3,…及び圧下位置
検出装置5,5,…が配設されており、圧下位置検出装
置5,5,…により検出された圧下位置の値は、板厚制
御部6,6,…へ送られ、板厚制御部6,6,…によっ
て算出される制御目標値に基づいて圧下装置3,3,…
は制御されている。なお各スタンドF1 〜F7 が備える
夫々の圧下位置検出装置5,5,…により検出された圧
下位置の値は、当該スタンド及び隣り合うスタンドのパ
ラメータ変更部7,7,…へも送られる。当該スタンド
が最終スタンドF7 の場合は、直前のスタンドである第
5スタンドF5 及び第6スタンドF6 から送られた圧下
位置の値を取り込む。また最上流スタンドの場合は、直
後の2スタンドである第2スタンドF2 及び第3スタン
ドF3 から送られた圧下位置の値を取り込む。
【0030】そしてパラメータ変更部7,7,…での計
算によりパラメータが異常であると判断した場合、パラ
メータ変更部7,7,…から板厚制御部6,6,…へパ
ラメータ変更指示信号が送られる。この板厚制御部6,
6,…及びパラメータ変更部7,7,…により本発明の
板厚制御装置をなしている。
【0031】さらに各スタンドF1 〜F7 の下方には夫
々圧延荷重検出装置4,4,…が配設されており、圧延
荷重検出装置4,4,…により検出された圧延荷重の値
も板厚制御部6,6,…へ送られる。
【0032】このように構成された板厚制御装置及び熱
間圧延機では、被圧延材1を順次スタンドF1 〜F7 へ
通板開始するとともに圧下位置検出装置5,5,…及び
圧延荷重検出装置4,4,…により圧下位置S及び圧延
荷重Pの検出を開始し、検出された値を各板厚制御部
6,6,…及びパラメータ変更部7,7,…へ送る。
【0033】図2及び図3は本発明の板厚制御装置にお
ける板厚制御部のモデルを示すブロック図である。図2
に示すように各板厚制御部6,6,…では、被圧延材1
が各スタンドF1 〜F7 に噛み込んでから所定の時間が
経過した時点で検出した圧下位置及び圧延荷重の初期実
績値を、夫々圧下位置初期値S0及び圧延荷重初期値P
0として記憶し、該初期値S0及びP0と圧下位置S及
び圧延荷重Pとの差である圧下位置変化量ΔS及び圧延
荷重変化量ΔPを計算する。なお圧下位置及び圧延荷重
の初期設定値を、夫々圧下位置初期値S0及び圧延荷重
初期値P0としてもよい。
【0034】そして圧延荷重変化量ΔPにミル剛性係数
の逆数1/M及びBISRA 制御ゲインKA(0<KA≦
1)を乗じて正負を逆転させた値と、圧下位置変化量Δ
Sの正負を逆転させた値との和を計算して制御目標値Δ
hrを求め、該制御目標値Δhrを夫々の圧下装置3,3,
…へ送る。このときBISRA 制御ゲインKAによる圧下位
置の動作の変動を防止するため、図3に示すように塑性
係数Qを用いたBISRA 補正ゲインをさらに乗じてもよ
い。
【0035】図4は圧下装置の制御のモデルを示すブロ
ック図である。圧下装置3,3,…では制御目標値Δhr
に基づき圧下系ゲインKp 及び圧下速度制御系の伝達関
数Gv(s) 及び積分特性 1/sによって圧下位置Sが出力
される。
【0036】図5は本発明の板厚制御装置におけるパラ
メータ変更部のモデルを示すブロック図である。ここで
は任意の第iスタンドFi が備えるパラメータ変更部7
について説明する。上流側の第i−1スタンドFi-1
圧下位置Si-1 を取り込み、圧下位置初期値S0i-1
らの圧下位置変化量ΔSi-1 を算出する。同様にして第
iスタンドFi 及び第i+1スタンドFi+1 の圧下位置
i 及びSi+1 を取り込み、圧下位置初期値S0i 及び
S0i+1 からの圧下位置変化量ΔSi 及びΔSi+1 を夫
々算出する。
【0037】そして圧下位置変化量ΔSi と圧下位置変
化量ΔSi-1 との差を計算し、該差の上流側絶対値Xを
求め、同様にして圧下位置変化量ΔSi と圧下位置変化
量ΔSi+1 との差を計算し下流側絶対値Yを求める。な
お当該スタンドが最終スタンドの場合は、ΔSi とΔS
i-1 との差の絶対値をX、ΔSi とΔSi-2 との差の絶
対値をYとし、当該スタンドが最終スタンドの場合は、
ΔSi とΔSi+1 との差の絶対値をX、ΔSi とΔS
i+2 との差の絶対値をYとする。求めた上流側絶対値X
及び下流側絶対値Yを所定値ei と夫々比較し、上流側
絶対値X及び下流側絶対値Yがともに所定値ei より大
きい場合、第iスタンドFi の制御目標値Δhrを算出す
るパラメータが異常であると判断し、予め設定している
所定の変更方法に従って所定のパラメータを変更する演
算を行い、演算結果に基づいてパラメータを変更すべく
第iスタンドFi の板厚制御部6へパラメータ変更指示
信号を送る。また上流側絶対値X及び下流側絶対値Yの
両方、又はいずれかが所定値ei より小さい場合は、パ
ラメータは特に問題無しと判断し、パラメータの変更は
行わない。
【0038】図6、図7、及び図8は本発明の板厚制御
装置におけるパラメータ変更部のモデルを示すブロック
図である。図6は所定のパラメータとしてミル剛性係数
Mを変更する場合であり、上流側絶対値X及び下流側絶
対値Yがともに所定値ei より大きいときにミル剛性係
数Mに実数αを乗じてパラメータの変更を行う。
【0039】図7は所定のパラメータとして塑性係数Q
を変更する場合であり、上流側絶対値X及び下流側絶対
値Yがともに所定値ei より大きいときに塑性係数Qに
実数βを乗じてパラメータの変更を行う。
【0040】図8は所定のパラメータとしてBISRA 制御
ゲインKAを変更する場合であり、上流側絶対値X及び
下流側所定値Yがともに所定値ei より大きいときにBI
SRA制御ゲインKAに実数γを乗じてパラメータの変更
を行う。
【0041】前記実施の形態では初期値に対する相対的
な板厚を求めて制御を行う板厚制御方法を示したが、さ
らに最下流スタンドの出口側にマイクロメータ等の厚み
計を設置し、絶対的な板厚を検出してフィードバック制
御を行うモニタAGCと呼ばれる制御を併用してもよ
い。
【0042】図9は本発明の板厚制御装置及び熱間圧延
機を示す模式図であり、図10は本発明の板厚制御装置
における板厚制御部のモデルを示すブロック図である。
図中8は最下流の第7スタンドF7 の出口側に設けられ
た厚み計であり、このように厚み計8を併用することで
絶対的な板厚を検出してフィードバック制御を行い板厚
の精度を高めることができる。なお厚み計8を用いての
フィードバック制御では、各スタンドから厚み計まで被
圧延材1の移送時間TL による遅れ時間があり、急激な
変化に対して安定的に制御することは困難であるため、
上述のBISRA による相対的な板厚を基に制御する方法を
併用するのが一般的である。厚み計で得られた厚み変化
量Δhm には、数5に示すモニタ制御ゲイン及び移送時
間補正、並びに数6に示すモニタ制御補正ゲインによる
補正がなされ、得られた値と制御目標値Δhrとの差を求
め圧下装置3へ入力する制御がなされる。
【0043】
【数5】
【0044】
【数6】
【0045】次に比較試験を行った結果について説明す
る。図11、図12、及び図13は本発明の板厚制御装
置について試験を行った結果を示すグラフであり、図1
4、図15、及び図16は従来の板厚制御装置について
試験を行った結果を示すグラフである。なお第6スタン
ドF6 については、ミル剛性係数Mの真値が520ton/
mmであるが、460ton/mmに誤って設定されており、本
発明の板厚制御装置では所定値eが0.2mm、そしてパ
ラメータ変更時にはミル剛性係数Mにα=1.1が乗じ
られるものとする。
【0046】図14、図15、及び図16はスタンドF
5 〜F7 について、横軸に時間をとり、縦軸に夫々圧延
荷重変化量ΔP、圧下位置変化量ΔS、及びミル剛性係
数Mをとってこれらの関係を示したものである。図15
(a)〜(c)に示すように、第6スタンドF6 のミル
剛性係数M6 の影響で、第6スタンドF6 の圧下位置変
化量ΔS6 は他スタンドに比べて大きく、特に試験開始
から22秒後では、第5スタンドF5 の圧下位置変化量
ΔS5 が−0.7mmであるのに対し、第6スタンドF6
ではミル剛性係数M6 の設定誤差の影響で、圧下位置変
化量ΔS6 が−1.3mmとなり、第7スタンドF7 では
第6スタンドF6 の影響を受けて、圧下位置変化量ΔS
7 が−0.6mmとなる。
【0047】このようにスタンドF5 〜F7 の圧下位置
変化のバランスが崩れ、また、このため図16(a)〜
(c)に示すようにスタンドF5 〜F7 の圧延荷重変化
量ΔPのバランスも崩れ、結果として圧延状態が不安定
になる。
【0048】図11、図12、及び図13はスタンドF
5 〜F7 について、横軸に時間をとり、縦軸に夫々圧延
荷重変化量ΔP、圧下位置変化量ΔS、及びミル剛性係
数Mをとって、これらの関係を示したものである。図1
2(a)〜(c)に示すように、試験開始から15秒後
のスタンドF5 〜F7 における夫々の圧下位置変化量Δ
Sは、第5スタンドF5 がΔS5 =−0.3mm、第6ス
タンドF6 がΔS6 =−0.6mm、そして第7スタンド
F7 がΔS7 =−0.25mmとなり、上流側絶対値X及
び下流側絶対値Yは夫々0.3mm及び0.35mmとな
り、ともに所定値e=0.2mmを越える。このため図1
1(b)に示すようにスタンドF6 のミル剛性係数M6
にα=1.1が乗じられ、ミル合成係数M6 の設定値が
506ton/mmに変更される。
【0049】これにより試験開始26秒後では、スタン
ドF5 〜F7 における夫々の圧下位置変化ΔSは、第5
スタンドF5 がΔS5 =−0.7mm、第6スタンドF6
がΔS6 =−0.9mm、そして第7スタンドF7 がΔS
7 =−0.9mmとなり、各スタンドのバランスが保たれ
る。このため図13(a)〜(c)に示すようにスタン
ドF5 〜F7 の圧延荷重変化量ΔPのバランスも保たれ
る。
【0050】前記比較試験ではパラメータとしてミル剛
性係数Mを変更したが、塑性係数Q及びBISRA 制御ゲイ
ンKAを変更しても同じ様な結果を得ることができる。
また上流側絶対値X及び下流側絶対値Yの値によって異
なるeの値を用いるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る熱間連続
圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置においては、隣
り合う2つのスタンドの圧下位置変動の差が所定値を越
える場合に、一方のスタンドのミル剛性係数、制御ゲイ
ン、及び塑性係数等のスタンドの制御目標値を算出する
数式モデルのパラメータを変更する。これにより特定の
スタンドの圧下位置が不当に大きく変化する場合に、例
えばミル剛性係数の値を大きく、制御ゲインの値を小さ
く、又は塑性係数の値を大きくして、当該スタンドの圧
下位置の変化量が小さくなるようにするので、最適負荷
配分を崩すことがなく、操業及び/又は品質への悪影響
を防止することができる等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板厚制御装置及び熱間連続圧延機を示
す模式図である。
【図2】本発明の板厚制御装置における板厚制御部のモ
デルを示すブロック図である。
【図3】本発明の板厚制御装置における板厚制御部のモ
デルを示すブロック図である。
【図4】圧下装置の制御のモデルを示すブロック図であ
る。
【図5】本発明の板厚制御装置におけるパラメータ変更
部のモデルを示すブロック図である。
【図6】本発明の板厚制御装置におけるパラメータ変更
部のモデルを示すブロック図である。
【図7】本発明の板厚制御装置におけるパラメータ変更
部のモデルを示すブロック図である。
【図8】本発明の板厚制御装置におけるパラメータ変更
部のモデルを示すブロック図である。
【図9】本発明の板厚制御装置及び熱間連続圧延機を示
す模式図である。
【図10】本発明の板厚制御装置における板厚制御部の
モデルを示すブロック図である。
【図11】本発明の板厚制御装置の試験結果を示すグラ
フである。
【図12】本発明の板厚制御装置の試験結果を示すグラ
フである。
【図13】本発明の板厚制御装置の試験結果を示すグラ
フである。
【図14】従来の板厚制御装置の試験結果を示すグラフ
である。
【図15】従来の板厚制御装置の試験結果を示すグラフ
である。
【図16】従来の板厚制御装置の試験結果を示すグラフ
である。
【符号の説明】
F1 〜F7 第1〜第7スタンド 1 被圧延材 2 ワークロール 3 圧下装置 4 圧延荷重検出装置 5 圧下位置検出装置 6 板厚制御部 7 パラメータ変更部 8 厚み計

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスタンドにより被圧延材を連続し
    て圧延する連続圧延機にて、スタンドの圧下位置及び圧
    延荷重を検出し、検出された圧下位置及び圧延荷重、並
    びにスタンドの制御目標値を算出する数式モデルに基づ
    いて、スタンドの出口板厚変動を吸収する制御目標値を
    算出し、該制御目標値に従ってスタンドの圧下位置を調
    整する熱間連続圧延機の板厚制御方法において、 隣り合う2つのスタンドの圧下位置に関する値を取り込
    み、 該値に基づいて、スタンド夫々の所定の圧下位置からの
    変化量の差を計算し、 該差を所定値と比較し、 差が所定値を越える場合に、一方のスタンドの制御目標
    値を算出する数式モデルのパラメータを変更することを
    特徴とする熱間連続圧延機の板厚制御方法。
  2. 【請求項2】 前記数式モデルはパラメータとしてミル
    剛性係数を含み、変更するパラメータはミル剛性係数で
    あることを特徴とする請求項1に記載の熱間連続圧延機
    の板厚制御方法。
  3. 【請求項3】 前記数式モデルはパラメータとして制御
    ゲインを含み、変更するパラメータは制御ゲインである
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱間連続圧延機の板
    厚制御方法。
  4. 【請求項4】 前記数式モデルはパラメータとして塑性
    係数を含み、変更するパラメータは塑性係数であること
    を特徴とする請求項1に記載の熱間連続圧延機の板厚制
    御方法。
  5. 【請求項5】 複数のスタンドにより被圧延材を連続し
    て圧延する熱間連続圧延機にて、スタンドの圧下位置及
    び圧延荷重を検出し、検出された圧下位置及び圧延荷
    重、並びにスタンドの制御目標値を算出する数式モデル
    に基づいて、スタンドの出口板厚変動を吸収する制御目
    標値を算出し、該制御目標値に従ってスタンドの圧下位
    置を調整する熱間連続圧延機の板厚制御装置において、 隣り合う2つのスタンドの圧下位置に関する値を取り込
    む手段と、 該値に基づいて、スタンド夫々の所定の圧下位置からの
    変化量の差を計算する手段と、 該差を所定値と比較する手段と、 差が所定値を越える場合に、一方のスタンドの制御目標
    値を算出する数式モデルパラメータを変更する手段とを
    備えることを特徴とする熱間連続圧延機の板厚制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記数式モデルはパラメータとしてミル
    剛性係数を含み、変更するパラメータはミル剛性係数で
    あることを特徴とする請求項5に記載の熱間連続圧延機
    の板厚制御装置。
  7. 【請求項7】 前記数式モデルはパラメータとして制御
    ゲインを含み、変更するパラメータは制御ゲインである
    ことを特徴とする請求項5に記載の熱間連続圧延機の板
    厚制御装置。
  8. 【請求項8】 前記数式モデルはパラメータとして塑性
    係数を含み、変更するパラメータは塑性係数であること
    を特徴とする請求項5に記載の熱間連続圧延機の板厚制
    御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013081970A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Kobe Steel Ltd 圧延機の板厚制御方法
CN115090695A (zh) * 2022-07-01 2022-09-23 北京科技大学 基于机器视觉的精轧机架间带钢尾部跑偏连续控制方法

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