JP2959906B2 - 繊維強化樹脂歯車 - Google Patents

繊維強化樹脂歯車

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JP2959906B2
JP2959906B2 JP4042980A JP4298092A JP2959906B2 JP 2959906 B2 JP2959906 B2 JP 2959906B2 JP 4042980 A JP4042980 A JP 4042980A JP 4298092 A JP4298092 A JP 4298092A JP 2959906 B2 JP2959906 B2 JP 2959906B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維強化樹脂歯車に関す
る。この歯車は例えば自動車のカムシャフトタイミング
ギヤ等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂歯車は、噛み合い音が低
い、軽量で回転慣性力が小さい等の利点をもつため、近
年、種々の分野で多用されつつある。ここで、特開昭6
0ー206628号公報に開示されている様に、補強用
短繊維と熱硬化性樹脂とを混練した材料を型のキャビテ
ィに装填し、加熱加圧成形した繊維強化樹脂歯車が知ら
れている。また特開昭60ー206629号公報に開示
されている様に、補強用短繊維と熱硬化性樹脂とからな
るジエニール状のプリプレグを型のキャビティに円周方
向に装填し、加熱加圧成形した繊維強化樹脂歯車が知ら
れている。
【0003】また、特開平2ー241729号公報に開
示されている様に、プリプレグを渦巻状に巻いて棒状と
するとともに、その棒状の両端を合わせてドーナツ状と
したドーナツ状予備成形材を成形固化してリング状素材
を形成し、リング状素材の外周部を歯切り加工した繊維
強化樹脂歯車が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、繊維
強化樹脂歯車では、歯部の耐摩耗性、歯部の強度、耐負
荷性の各面での一層の向上が望まれている。その対策と
して、本発明者は、繊維を、歯部の噛み合い面において
繊維が木の年輪状に配向するとともに周方向及び放射方
向に配向した繊維強化樹脂歯車を開発した。この歯車
は、歯部の耐摩耗性、歯部の強度、耐負荷性の面で有利
である。
【0005】ここで、歯車の使用時において最も応力が
作用するのは歯元部であり、その応力が過剰に大きい場
合には、図15に示す様に、歯部7の歯元部72から斜
め方向に亀裂Rが発生し易い。殊に、歯車の軸端面76
の歯元部72で亀裂Rは発生し易い。本発明は上記した
実情に鑑みなされたものであり、その目的は、歯元の強
度を一層増加させ得る繊維強化樹脂歯車を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる繊維強化
樹脂歯車は、プリプレグを巻いて棒状とするとともに、
その棒状の両端を合わせてドーナツ状としたドーナツ状
予備成形材を成形固化したリング状素材を歯切りして、
歯部の噛み合い面にプリプレグを構成する補強繊維が木
の年輪状に配向した繊維強化樹脂歯車であって、プリプ
レグを構成する補強繊維は第1繊維と第2繊維とを有
し、第1繊維は、歯部において周方向及び放射方向にそ
う様に配向しており、第2繊維は、歯元部に埋設されて
おり、軸芯と直交する断面において、第1繊維の周方向
にそう様に配向している繊維部分および放射方向にそう
様に配向している繊維部分のそれぞれに対して傾斜して
配向していることを特徴とするものである。
【0007】本発明にかかる繊維強化樹脂歯車では、歯
部の噛み合い面に繊維が木の年輪状に配向している。こ
こで、木の年輪状とは、繊維が多重に配向していること
をいい、輪状に配向している形態、半輪状、部分輪状に
配向している形態を含む。本発明にかかる繊維強化樹脂
歯車で用いる繊維は、基本的には歯車を形成可能であれ
ば良く、特に制約を受けるものではないが、その切削加
工性及び、噛み合い音の低減性の面から、メタ系アラミ
ド繊維が好ましい。場合によっては、カーボン繊維、パ
ラ系アラミド繊維、ガラス繊維を採用しても良い。
【0008】本発明の繊維強化樹脂歯車では、補強布は
第1繊維と第2繊維とを有している。第1繊維は、歯部
において周方向及び放射方向にそう様に配向している。
第2繊維は、少なくとも歯元部に埋設されており、軸芯
と直交する断面において、第1繊維の周方向にそう様に
配向している繊維部分および放射方向にそう様に配向し
ている繊維部分のそれぞれに対し配向している。
【0009】本発明の繊維強化樹脂歯車においては、繊
維の総量としては特に制約を受けることなく、歯車の要
求特性に応じて任意に設定すれば良いが、歯部の強度及
び成形性の面を考慮すると、全繊維の体積%は50%前
後、特に40〜60%程度が好ましい。このうち、第1
繊維は繊維総量中体積%で90〜60%程度が好まし
く、第2繊維は繊維総量中10〜40%程度、特に15
〜35%程度が好ましい。
【0010】本発明の繊維強化樹脂歯車に使用するマト
リックス樹脂としては、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂等の各種熱硬化樹脂、あるいは、P
ES、PEEK、PAI等の各種熱可塑性樹脂であって
良い。即ち、繊維と何らかの方法で複合化可能な樹脂で
あれば良い。
【0011】
【作用】第1繊維は、歯部において周方向及び放射方向
にそう様に配向しており、歯部を強化している。第2繊
維は、第1繊維の周方向にそう様に配向している繊維部
分および放射方向にそう様に配向している繊維部分のそ
れぞれに対して配向しており、歯元部を強化している。
【0012】
【実施例】
(実施例1) (1)プリプレグの製造 溶剤によりワニス状に溶融させたフェノ−ル樹脂を用
い、そのフェノ−ル樹脂を平織のアラミド繊維布に含浸
させ、その後に、この溶剤を乾燥除去した。これにより
アラミド繊維布とフェノ−ル樹脂とから成るプリプレグ
シートを作成した。そしてこのプリプレグシートを、図
2に示す様に平行四辺形状に切断し、第1プリプレグ1
とした。第1プリプレグ1は、辺1a〜1dをもち、辺
1cの直角方向に対して辺1aが角度θ(5°)傾斜し
ている。ここで、第1プリプレグ1は、長さL1が23
5mm、幅L2が228mm、厚み0.2mmである。
このプリプレグ1では図2に示す様に第1繊維としての
アラミド繊維1x、1yの繊維配向は辺1cに対して0
°と90°である。
【0013】また、上記したプリプレグシートを、図3
に示す様に異なるサイズの平行四辺形状に切断し、第2
プリプレグ2とした。第2プリプレグ2は、辺2a〜2
dをもち、辺2cの直角方向に対して辺2aが角度θ
(5°)傾斜している。ここで、第2プリプレグ2は、
長さL3が235mm、幅L4が57mm、厚み0.2
mmである。第2プリプレグ2では図3に示す様に第2
繊維としてのアラミド繊維2x、2yの繊維配向は辺2
cに対して±45°である。ここで、アラミド繊維1
x、1y、2x、2yの各1本は径0.1mm程度であ
り、極細径繊維(12μm)を多数本集束させたもので
ある。
【0014】上記した第1プリプレグ1、第2プリプレ
グ2を構成するアラミド繊維布について説明する。即
ち、繊維材質はメタ系アラミド(帝人(株)「コーネッ
クス」)であり、フィラメント特性として伸びは27
%、弾性率は1250kg/mm 2 、ヤーン特性として
番手は20tex、クロス特性として目付は130g/
2 である。ここで、メタ系アラミド繊維は、上記した
様に低弾性率あり、機械加工性に優れ、歯車の噛み合い
面等の発生音を低く押える特徴を持つ。
【0015】(2)リング状素材の製造 次に、図1(A)に示す様に、平行四辺形状に切断した
第1プリプレグ1の終端側に第2プリプレグ2を重ね合
わせる。このとき辺1bと辺2bとを合わせ、辺2aと
辺1aとを合わせている。重ね合わせた後、図1(B)
に示す様に第1プリプレグ1を一辺1cから、第2プリ
プレグ2とともに渦巻き状に巻き取り、棒状とする。次
に、図1(C)に示す様に、棒状とした第1プリプレグ
1の一端部と他端部とが合わさる様に合せ部3aを形成
し、第1プリプレグ1、第2プリプレグ2を湾曲させて
ドーナツ状予備成形材3を得た。ここで、ドーナツ状予
備成形材3の合せ部3a(渦巻き棒の合せ)は、同部の
強度低下を避けるべくオーバーラップさせた構造とされ
ている。つまり、棒状とした第1プリプレグ1の一端部
と他端部とを斜めにカットし、図1(C)、図5に示す
ように、そのカットした部分同士を重なるように合わ
せ、合せ部3aを形成している。
【0016】この予備成形材3の断面組織は、図4に模
式的に示す様に、90°/0°配向の第1繊維からなる
繊維層Aが中心域に存在し、その外側に、90°/0°
配向の第1繊維と±45°配向の第2繊維とからなる繊
維層Bが存在する複合構造となっている。このようにし
て得たドーナツ状予備成形材3を、図5に示す様に、合
せ部3aが180°対向するように2本重ね合せた状態
で、図6に示す金型4にセットする。このとき金型4内
には、中央孔5eをもつリング状の鋼製インサ−ト5を
配置している。この金型4は、キャビティの底部に位置
決め用突部40aをもつ下型40と、下型40のキャビ
ティに挿入されるリング状加圧面41aをもつ円筒状の
加圧パンチ41と、加圧パンチ41の中央孔41bに挿
通された中子42とで構成されている。そして、中子4
2でインサート5を保持するとともに、キャビティ内に
上下に2個重ねて配置したドーナツ状予備成形材3を、
加圧パンチ41で矢印E方向に押圧して加熱圧縮成形を
行い、これによりプリプレグ1、2中の樹脂成分を固化
させ、図7に示すリング状素材6を形成した。この際の
成形条件は、温度180℃、圧力250kgf/c
2 、加圧時間15分である。
【0017】図7に示すリング状素材6では、鋼製イン
サ−ト5の凹部5a及び凸部5bと繊維強化樹脂部分の
内周部とは強固に結合している。図8にリング状素材6
の断面を示す。図8に示す様に、リング状素材6の中央
付近には(図8において白抜きの域)、90°/0°配
向の第1繊維で強化された強化部7aが形成されてい
る。更に強化部7aの外側には(図8においてハッチン
グ域)、90°/0°配向の第1繊維と±45°配向の
第2繊維とで強化された複合強化部7bが形成されてい
る。
【0018】ここで、リング状素材6は、内径L7が4
0.0mm、外径L9が79.0、厚さtが10mm、
インサート5の外径L8が5mmである。またリング
状素材6の繊維強化部分の繊維総量は体積%で50%で
あり、そのうち80%が90°/0°配向の第1繊維、
20%が±45配向の第2繊維である。 (3)歯切り加工 図7に示すリング状素材6を用い、そのリング状素材6
の外周部に、カッターにより切削加工を施すことにより
歯切り加工を行い、図9〜図12に示す様に、外周部に
歯部7をもつ繊維強化樹脂歯車8を得た。このとき歯部
7の形成の際の切除により繊維が一部切断される。この
繊維強化樹脂歯車8の歯車諸元は以下の様である。即
ち、種類はインボリュートハスバ歯車であり、歯先直径
は79.0mm、歯元直径は66.9mm、ピッチ円直
径は73.9mm、全歯たけは6.05mm、歯数は3
2、直角モジュールは2.0、歯直角圧力角は18.0
°、ねじれ角は30°である。
【0019】本実施例にかかる90°/0°配向した第
1繊維の形態を図11、図12に示す。図11は主とし
て歯部7の噛み合い面70における木の年輪状の繊維配
向を示す。また図12は木の年輪状に配向した繊維を省
略し、噛み合い面70における他の繊維配向を示す。図
11に示す様に、本実施例にかかる繊維強化樹脂歯車8
では、歯部7の噛み合い面70では、繊維100が木の
年輪状に配向している。また歯部7の最外周面としての
歯先面75では、ほぼ周方向にのびる繊維101と、歯
車の軸芯Kにそってのびる繊維102とが交差して配向
している。また、歯部7の軸端面76では、ほぼ周方向
にのびる繊維103と、歯車の軸芯Kに対してほぼ放射
方向にのびる繊維104とが交差して配向している。ま
た図12に示す様に、歯部7の噛み合い面70では、周
方向にのびる繊維103のうち歯切りの際に切断された
切断端面103aが噛み合い面70の表面で表出してい
る。ここで、本実施例では前記した様に、歯車の軸芯に
対してほぼ放射方向にのびる繊維104が配向している
ので、歯部7の歯元部72付近の強度増加に有利であ
る。なお、上記した繊維100、101、102、10
3、104は第1繊維として機能する。
【0020】さて、本実施例にかかる繊維強化樹脂歯車
8では、図9に示す様に、歯部7のほぼ中央域には90
°/0°に配向する第1繊維で強化された強化された強
化部7a(図8において白抜きの域)が形成されてい
る。更に、強化部7aよりも外側には、90°/0°に
配向する第1繊維と±45°に配向する第2繊維とで強
化された複合強化部7b(図8においてハッチング域)
が形成されている。なお本実施例では複合強化部7bに
おいては、繊維の割合は、90°/0°に配向する第1
繊維:±45°に配向する第2繊維=50:50(体積
比)となっている。
【0021】ここで、図10は歯車の軸芯Kと直交する
向きの断面を示し、歯部7の軸端面76における繊維配
向を示す。図10に示す様に、ほぼ周方向にのびる繊維
103とほぼ放射方向にのびる繊維104とに対して交
わる向きに、第2繊維としての±45°配向の繊維20
0、201が配向している。図10から理解できる様
に、かかる±45°配向の繊維200、201は、周方
向にそう様に配向している繊維103および放射方向に
そう様に配向している繊維104のそれぞれに対して
向している。
【0022】ところで、歯車の使用に当っては、歯部7
のうち応力的に最も厳しい部位が歯元部72である。し
かも軸端面7側の歯元部72である。かかる部位に亀
裂が発生し易い。この点本実施例では、図9から理解で
きる様に、歯部7の歯元部72付近には複合強化部7b
が位置しており、複合強化部7bは、第2繊維としての
±45°配向の繊維200、201でも強化されてい
る。よって、歯元部72における耐亀裂性を向上させ
得、歯部7の歯元部72における亀裂、殊に軸端面76
の歯元部72における亀裂を抑えるのに有利となる。
【0023】ここで、90°/0°配向の第1繊維と±
45°配向の第2繊維とからなる複合強化部7bの位置
調整は、図1(A)に示す工程において第1プリプレグ
1、第2プリプレグ2を重ね合せるに際し、その配置を
変えることにより行い得る。 (他の実施例)実施例1と全く同様に、90°/0°配
向の第1繊維で形成した第1プリプレグ1と、±45°
配向の第2繊維で形成した第2プリプレグ2とを用い、
両方のプリプレグ1、2の切断長さを変更した。そし
て、繊維の総体積率は実施例1の場合と同様に50%と
するものの、90°/0°配向の第1繊維と±45°配
向の第2繊維との比のみを表1に示す様に変更し、実施
例1と同様の成形工程、歯切り加工工程を経て、実施例
1の場合と外形が全く同一の繊維強化樹脂歯車(NO.
a〜NO.g)を作成した。
【0024】
【表1】 ここで、他の実施例としてのNO.a〜NO.gにかか
る繊維強化樹脂歯車でも、歯部7の噛み合い面70で
は、90°/0°配向の第1繊維が木の年輪状に配向し
ている。また、NO.a〜NO.eでは、図9に示す形
態であり、歯部7の中央側及び外側には±45°配向の
第2繊維が複合化されている。またNO.f、NO.g
では、歯部7の噛みあい面70の全面に±45°配向の
第2繊維が複合化されている。
【0025】また、更に別の実施例として、繊維総量中
の90°/0°配向の第1繊維の割合を80%、第2繊
維の割合を体積%で20%としたままで、0°配向の繊
維に対して第2繊維の配向角を表2に示す様に適宜変え
て、実施例1と同様の成形工程、歯切り加工工程を経
て、実施例1の場合と外形が全く同一の繊維強化樹脂歯
車(NO.h〜NO.m)を作成した。
【0026】
【表2】 (比較例)更に、比較例として、実施例1と全く同様の
外観をもつ繊維強化樹脂歯車において、繊維の総体積率
を50%としたままで、90°/0°配向の第1繊維の
みで強化した歯車を形成した。
【0027】(試験)実施例1の繊維強化樹脂歯車、他
の実施例の繊維強化樹脂歯車、及び比較例繊維強化樹脂
歯車を用い、歯部の歯先の曲げ強さの試験を行った。こ
の試験では、歯車を固定し、歯部7のピッチ円付近に曲
げ荷重を加えて破断荷重の測定を行った。その結果を図
13に示す。図13の縦軸が曲げ荷重、横軸が繊維総量
中における±45°配向の第2繊維の体積率を示す。
【0028】図13に示す試験結果より、±45°配向
の第2繊維の含有率が10〜40%、特に15〜35%
であれば、曲げ荷重の確保に好ましい。また表2に示す
歯車の試験結果を図14に示す。図14の縦軸が曲げ荷
重、横軸が第2繊維の配向角を示す。図14に示す試験
結果より、第2繊維の配向角は±35°〜±55°の範
囲で曲げ荷重が増大するので、第2繊維の配向角は±3
5°〜±55°の範囲が好ましく、特に±40°〜±5
0°が更に好ましいことがわかる。
【0029】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂歯車によれば、補
強布は第1繊維と第2繊維とを有し、第1繊維は、歯部
において周方向及び放射方向に配向しており、第2繊維
は、歯元部において、軸芯と直交する断面において、
1繊維の周方向にそう様に配向している繊維部分および
放射方向にそう様に配向している繊維部分のそれぞれに
対して傾斜して配向している。そのため、歯先にかかる
荷重が過剰な場合であっても、歯部の歯元部における亀
裂を抑えるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)(C)はドーナツ状の予備成形材
を形成する工程を示す図である。
【図2】90°/0°配向の繊維をもつ第1プリプレグ
の展開図である。
【図3】±45°配向の繊維をもつ第2プリプレグの展
開図である。
【図4】ドーナツ状の予備成形材のV−V断面を模式的
に示す図である。
【図5】ドーナツ状の予備成形材を2個重ねた状態の斜
視図である。
【図6】金型内で2個重ねたドーナツ状の予備成形材を
圧縮成形する際の断面図である。
【図7】リング状素材の斜視図である。
【図8】リング状素材の断面を模式的に示す図である。
【図9】複合強化部の位置を示す歯部の部分斜視図であ
る。
【図10】歯部の軸端面における第1繊維と第2繊維と
の配向を示す図である。
【図11】木の年輪状の第1繊維の配向とともに示す歯
部の部分斜視図である。
【図12】第1繊維の配向の一部を示す維強化樹脂歯車
の歯部の部分斜視図である。
【図13】曲げ荷重と±45°配向の繊維含有率との関
係を示すグラフである。
【図14】曲げ荷重と第2繊維の配向角との関係を示す
グラフである。
【図15】歯元部に発生した亀裂を示す従来の歯部の部
分斜視図である。
【符号の説明】
図中、1は第1プリプレグ、2は第2プリプレグ、3は
ドーナツ状予備成形材、4は金型、6はリング状素材、
7は歯部、70は噛み合い面を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:22 B29L 15:00 (56)参考文献 特開 昭59−137660(JP,A) 特開 平2−241729(JP,A) 特開 平4−8956(JP,A) 特公 昭33−6905(JP,B1) 特公 昭46−29683(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F61H 55/06 B29C 43/18,67/14 C08J 5/24 B29K 105:08,105:22 B29L 15:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プリプレグを巻いて棒状とするとともに、
    その棒状の両端を合わせてドーナツ状としたドーナツ状
    予備成形材を成形固化したリング状素材を歯切りして、
    歯部の噛み合い面にプリプレグを構成する補強繊維が木
    の年輪状に配向した繊維強化樹脂歯車であって、 該プリプレグを構成する補強繊維は第1繊維と第2繊維
    とを有し、 該第1繊維は、該歯部において周方向及び放射方向にそ
    う様に配向しており、 該第2繊維は、少なくとも該歯元部に埋設されており、
    軸芯と直交する断面において、該第1繊維の周方向にそ
    う様に配向している繊維部分および放射方向にそう様に
    配向している繊維部分のそれぞれに対して傾斜して配向
    していることを特徴とする繊維強化樹脂歯車。
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