JP3385904B2 - フェノール樹脂製歯車の製造法 - Google Patents

フェノール樹脂製歯車の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車部品等とし
て適したフェノール樹脂製歯車の製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】上記樹脂製歯車は、歯の噛み合い時の騒
音発生を抑えるために、金属製歯車と噛み合う相手歯車
として用いられ、耐摩耗性に優れ、高い強度が要求され
る。従来、フェノール樹脂製歯車の製造法として次の3
つがある。 (1)図3に示すように、中心に金属製のブッシュ1、
その周辺にウェブ構成用成形材料2、最外周には歯部構
成用成形材料3を配置して、成形金型4内で一体に加熱
加圧成形を行ない、成形後に歯を機械加工により形成し
樹脂製歯車とする製造法。ここで、歯部構成用成形材料
3は、図4に示すように、綿布やアラミド繊維織布基材
に、フェノール樹脂ワニスを含浸・乾燥して半硬化状態
(Bステージ)としたプリプレグ5を棒状に巻き、さら
に、この棒状体20をドーナツ状にしたものである。ま
た、ウェブ構成用成形材料2は、図5に示すように、プ
リプレグを裁断したチップ片7を仮成形金型8に投入し
てドーナツ状に仮成形したものである。 (2)歯部構成用成形材料3は、次のようにして製造し
たものを使用することもできる。すなわち、図6に示す
ように、フェノール樹脂粉末と補強繊維とを必須成分と
してこれらを液中に分散して抄造したシート状成形材料
9を平行四辺形に裁断し、その相対する二辺を突き合わ
せて筒状体21を形成する。この筒状体をその軸方向に
加圧して歯部構成用成形材料3とする。そして、ウェブ
構成用成形材料を用いずに、図7に示すように、中心に
配置した金属製のブッシュ1の周辺に前記歯部構成用成
形材料3を配置して、成形金型4内で一体に加熱加圧成
形を行ない、成形後に歯を機械加工により形成し樹脂製
歯車とする製造法。 (3)フェノール樹脂とアラミド繊維等の補強繊維を混
合混練し、粒状にした成形材料を準備し、中心に金属製
のブッシュを配置した成形金型に、前記成形材料を射出
してブッシュをインサート成形し、成形後に歯を機械加
工により形成し樹脂製歯車とする製造法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の製造法で
は、歯部構成用成形材料3が、棒状体20をドーナツ状
にしたつなぎ目12の部分で織布の織り目の方向が不規
則になる。その結果、成形した樹脂製歯車の歯部の強度
が、前記つなぎ目に相当する部分で低下する。上記
(2)の製造法では、平行四辺形のシート状成形材料9
の相対する二辺を突き合わせて筒状体21を形成してい
るため、つなぎ目12で補強繊維の絡みがなく不連続に
なる。その結果、成形した樹脂製歯車の歯の強度が、前
記つなぎ目に相当する部分で低下する。上記(3)の製
造法では、樹脂製歯車全体として十分な強度を得難い。
これは、補強繊維をフェノール樹脂と混合混練して成形
材料を製造するとき、補強繊維が折れたり切れて短くな
ってしまうからである。さらに、射出成形を行なうと
き、成形機のシリンダのスクリューや金型のゲートで補
強繊維が切断されるため、設計どおりの強度が得られな
いことになる。そして、射出成形では、樹脂の流れ方向
に補強繊維が配向して強度に方向性ができてしまうし、
ウエルド発生部分では他の部分より強度が低くなる。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、成形し
た樹脂製歯車の歯の強度を大きくし、かつ、歯の各部で
強度に差を生じないようにすることである。また、加熱
加圧成形法を採用することで、射出成形法を採用した場
合のような強度の方向性やウエルド発生による強度の低
下を生じないようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るフェノール樹脂製歯車の製造法は、次
のような工程を経る。すなわち、フェノール樹脂粉末と
補強繊維とを必須成分としてこれらを液中に分散してシ
ート状成形材料を抄造する工程、前記シート状成形材料
を、中心に空間を残すように複数回捲回して筒状成形材
料とする工程、前記筒状成形材料の中心にブッシュを配
置して、両者を成形金型内で加熱加圧成形して一体化す
る工程である。この一体化した成形品に歯の加工を行な
う。
【0006】本発明に係る方法では、液中に分散したフ
ェノール樹脂粉末と補強繊維を抄造したシート状成形材
料を、中心に空間を残すように複数回捲回するので、つ
なぎ目のない筒状成形材料を用意することができる。こ
の筒状成形材料は、図6に示した筒状体21のように厚
さ方向全体に亘るつなぎ目12ができない。そして、補
強繊維とフェノール樹脂粉末が均一に分散した成形材料
となる。また、本発明に係る方法では、補強繊維は、フ
ェノール樹脂との混合混練により製造される成形材料の
ように外力で折れることはなく、初期の繊維長をほとん
どそのまま保持することができる。そして、抄造時のラ
ンダムな補強繊維の方向が成形後も維持されるので、射
出成形法を採用した場合に起こる補強繊維の配向やウエ
ルドの発生もない。このような結果、本発明に係る方法
によれば、期待どおりの強度を保持し、歯の各部で強度
に差を生じず、強度の方向性もない樹脂製歯車を製造で
きる。
【0007】上記の製造方法において、筒状成形材料と
ブッシュの間には第二筒状成形材料を介在させて、これ
らを成形金型内で加熱加圧成形して一体化してもよい。
第二筒状成形材料は、フェノール樹脂粉末と、筒状成形
材料を構成する補強繊維より熱収縮の小さい第二補強繊
維とを必須成分として、これらを液中に分散して第二シ
ート状成形材料を抄造する工程、当該第二シート状成形
材料を、中心に空間を残すように複数回捲回する工程を
経て製造するものである。歯車を構成する樹脂中に存在
する補強繊維の組成を一律にしてもよいが、このように
第二筒状成形材料を介在させれば、歯車の特性バランス
をよくするための補強繊維の選択の自由度が高まる。す
なわち、歯を形成する箇所とそれ以外の箇所で、それぞ
れの箇所に最適の補強繊維の組成とすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る製造法では、まず、
フェノール樹脂粉末と補強繊維とを必須成分としてこれ
らを液中に分散してシート状成形材料を抄造する。フェ
ノール樹脂粉末は、粒径1〜100μmが適当である
が、抄造するときに液中に分散させることができれば特
に限定するものではない。補強繊維は、チョップ状のも
ので、パラ型アラミド繊維(ポリ−p−フェニレンテレ
フタルアミド)、メタ型アラミド繊維(ポリ−m−フェ
ニレンイソフタルアミド)、ガラス繊維、綿繊維、カー
ボン繊維等を採用することができる。抄造に際しては、
他の充填材や添加剤を適宜配合してもよい。
【0009】上記のように抄造したシート状成形材料
を、中心に空間を残すように複数回捲回して、すなわ
ち、ロール状に巻いて筒状成形材料とする。この場合、
筒状成形材料の高さに相当する寸法幅に抄造したシート
状成形材料又は大寸法幅のものを当該寸法幅に裁断した
シート状成形材料を捲回して筒状成形材料としてもよい
が、図1に示すように、シート状成形材料を大寸法幅の
ままで捲回した長尺の捲回体13から、これを所定高さ
寸法に裁断分割して筒状成形材料14を得ると、製造効
率が良い。また、筒状成形材料14は、同じく図1に示
すように、仮成形金型8に投入してその軸方向に圧縮し
ておくと、かさばらないので取扱性がよいし、その後の
成形で成形金型への投入も容易になる。そして、前記筒
状成形材料14を歯部構成用成形材料3として、図7に
おいて説明したように、金属製のブッシュ1とともに成
形金型4内で一体に加熱加圧成形を行ない、成形後に歯
を機械加工により形成し樹脂製歯車とする。
【0010】図2は、別の発明の実施の形態を示したも
のである。すなわち、図1において説明した工程と同様
の工程で筒状成形材料14を製造する。さらに、フェノ
ール樹脂粉末と、筒状成形材料14を構成する補強繊維
より熱収縮の小さい第二補強繊維とを必須成分として、
これらを液中に分散して第二シート状成形材料を抄造す
る。そして、第二シート状成形材料を大寸法幅のままで
中心に空間を残すように複数回捲回した長尺の第二捲回
体15を得る。第二捲回体15から、これを所定高さ寸
法に裁断分割して第二筒状成形材料16とする。尚、第
二筒状成形材料16の高さに相当する寸法幅に抄造した
第二シート状成形材料又は大寸法幅のものを当該寸法幅
に裁断した第二シート状成形材料を捲回して第二筒状成
形材料16としてもよい。また、第二筒状成形材料16
も、筒状成形材料14と同様、必要に応じ仮成形金型8
に投入してその軸方向に圧縮しておく。図2では、筒状
成形材料14と第二筒状成形材料16を別々に仮成形金
型8に投入してその軸方向に圧縮する様子を示している
が、筒状成形材料14の内側に第二筒状成形材料16を
挿入して一緒にその軸方向に圧縮してもよい。このよう
に用意した筒状成形材料14を歯部構成用成形材料3と
して、さらに、第二筒状成形材料16をウェブ構成用成
形材料2として、図3において説明したように、金属製
のブッシュ1とともに成形金型4内で一体に加熱加圧成
形を行ない、成形後に歯を機械加工により形成し樹脂製
歯車とする。例えば、筒状成形材料14を構成する補強
繊維としては、歯の強度を確保するためにアラミド繊維
を採用する。アラミド繊維は熱収縮が大きいので、歯車
の寸法収縮を小さくするために、第二筒状成形材料16
を構成する補強繊維として、ガラス繊維や綿繊維を採用
する。さらに、熱収縮の小さな充填材粉末を併用するこ
ともできる。
【0011】
【実施例】
実施例1 フェノール樹脂粉末(粒径1〜20μm)とパラ型アラ
ミド繊維チョップ(繊維径5〜20μm、繊維長3mm)
及びメタ型アラミド繊維チョップ(繊維径5〜20μ
m、繊維長3mm)を、重量比で60/20/20の割合
で水に分散し、これを連続抄造して180mm幅のシート
状成形材料とした。このシート状成形材料を所定の軸に
複数回捲回して、外径80mm、内径25mmの捲回体13
とする。図1に示すように、捲回体13を裁断して三分
割し、外径80mm、内径25mmで、高さ60mmの筒状成
形材料14とする。そして、筒状成形材料14を常温の
仮成形金型8に投入し、その軸向方に圧力20kgf/cm
2で圧縮してから、これを歯部構成用成形材料3とし
て、図7において説明したように、金属製のブッシュ1
とともに190℃の成形金型4内で一体に加熱加圧成形
した。歯車の歯は、歯部構成用成形材料3で成形された
部分に機械切削により形成し、樹脂製歯車とした。その
特性を表1に示す。
【0012】実施例2 フェノール樹脂粉末(粒径1〜20μm)とパラ型アラ
ミド繊維チョップ(繊維径5〜20μm、繊維長3mm)
及びメタ型アラミド繊維チョップ(繊維径5〜20μ
m、繊維長3mm)を、重量比で60/20/20の割合
で水に分散し、これを連続抄造して180mm幅のシート
状成形材料とした。このシート状成形材料を所定の軸に
複数回捲回して、外径80mm、内径45mmの捲回体13
とする。図2に示すように、捲回体13を裁断して三分
割し、外径80mm、内径45mmで、高さ60mmの筒状成
形材料14とする。別途、フェノール樹脂粉末(粒径1
〜20μm)とガラス繊維チョップ(繊維径5〜20μ
m、繊維長3〜5mm)及び綿繊維チョップ(繊維径5〜
20μm、繊維長3〜5mm)を、重量比で60/30/
10の割合で水に分散し、これを連続抄造して120mm
幅の第二シート状成形材料とした。この第二シート状成
形材料を所定の軸に複数回捲回して、外径45mm、内径
25mmの第二捲回体15とする。図2に示すように、第
二捲回体15を裁断して三分割し、外径45mm、内径2
5mmで、高さ40mmの第二筒状成形材料16とする。筒
状成形材料14、第二筒状成形材料16を、それぞれ常
温の仮成形金型8に投入し、圧力20kgf/cm2でその
軸向方に圧縮してから、筒状成形材料14を歯部構成用
成形材料3として、第二筒状成形材料16をウェブ構成
用成形材料2として、図3において説明したように、金
属製のブッシュ1とともに190℃の成形金型4内で一
体に加熱加圧成形した。歯車の歯は、歯部構成用成形材
料3で成形された部分に機械切削により形成し、樹脂製
歯車とした。その特性を表1に示す。
【0013】従来例1 メタ型/パラ型複合アラミド繊維織布(メタ型の原綿と
パラ型の原綿を混合し紡糸した糸で織った織布,織り仕
様は、繊維太さ:2デニール,糸太さ:綿糸規格20番
糸,インチ当たり打込本数 縦:55本,横:55本)
に、フェノール樹脂を含浸、乾燥して樹脂含有量60重
量%のプリプレグ5を得る。図4に示すように、プリプ
レグ5を熱盤上で加熱して軟化させて棒状に巻き込み、
さらに、この棒状体20をドーナツ状にして歯部構成用
成形材料3とした。別途、フェノール樹脂含浸アラミド
繊維織布プリプレグとフェノール樹脂含浸綿織布プリプ
レグをそれぞれ5mm角に裁断してチップ片7とし、ま
た、フェノール樹脂含浸ガラス織布プリプレグを10mm
角に裁断してチップ片7とした。これらチップ片7を混
ぜて、図5に示すように、仮成形金型8に投入し、10
0℃で仮成形してドーナツ状のウェブ構成用成形材料2
を得た。以下、図3において説明したように、歯部構成
用成形材料3とウェブ構成用成形材料2を金属製のブッ
シュ1とともに190℃の成形金型4内で一体に加熱加
圧成形した。歯車の歯は、歯部構成用成形材料3で成形
された部分に機械切削により形成し、樹脂製歯車とし
た。その特性を表1に示す。
【0014】従来例2 フェノール樹脂粉末(粒径1〜20μm)とパラ型アラ
ミド繊維チョップ(繊維径5〜20μm、繊維長3mm)
及びメタ型アラミド繊維チョップ(繊維径5〜20μ
m、繊維長3mm)を、重量比で60/20/20の割合
で水に分散し、これを抄造してシート状成形材料9とす
る。図6に示すように、シート状成形材料9を幅60m
m、長さ200mmで、一方の相対する角度が60°の平
行四辺形に裁断した。平行四辺形に裁断したシート状成
形材料の短い方の相対する二辺を突き合わせて筒状体2
1とする。そして、仮成形金型8に投入して、前記筒状
体21の軸方向に圧縮して歯部構成用成形材料3とし
た。以下、図7において説明したように、歯部構成用成
形材料3を金属製のブッシュ1とともに190℃の成形
金型4内で一体に加熱加圧成形した。歯車の歯は、歯部
構成用成形材料3で成形された部分に機械切削により形
成し、樹脂製歯車とした。その特性を表1に示す。
【0015】従来例3 フェノール樹脂とパラ型アラミド繊維チョップ(繊維径
5〜20μm、繊維長3mm)及びメタ型アラミド繊維チ
ョップ(繊維径5〜20μm、繊維長3mm)を、重量比
で60/20/20の割合で混合混練し、粒状の成形材
料とした。中心に金属製のブッシュを配置した成形金型
に、前記成形材料を射出して成形し、成形後に歯を機械
加工により形成し樹脂製歯車とした。その特性を表1に
示す。
【0016】表1に示した各特性の測定は次のようにし
て行なった。曲げ強度は、製造した樹脂製歯車の歯部か
ら切り出した試料の曲げ強度を測定したものである。A
欄の測定値は、実施例1,2では筒状成形材料14の捲
回終り部分、従来例1では棒状体20をドーナツ状にし
たつなぎ目12の部分、従来例2では筒状体21のつな
ぎ目12の部分、従来例3ではウエルド発生部分に相当
する箇所から切り出した試料の曲げ強度を示す。B欄
は、歯部の前記以外の部分から切り出した試料の曲げ強
度を示す。実装耐久時間は、自動車エンジンのカムギヤ
加速テスト(回転数:3000rpm,油温130℃,
歯元負荷応力18kg/mm2)での耐久時間を測定した。
寸法変化率は、樹脂製歯車を熱風循環乾燥機に入れて2
00℃×500hrの熱処理に供し、処理前後の歯車外径
の寸法変化率を測定した。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る方法によれ
ば、強度の大きいフェノール樹脂製歯車を製造すること
ができ、歯の各部で強度差ができにくい。補強繊維が特
定の向きに配向していないので、強度の方向性もない。
歯を構成する部分の補強繊維とウェブ部を構成する部分
の補強繊維の種類を変え、ウェブ部を構成する部分の補
強繊維として歯を構成する部分の補強繊維より熱収縮の
小さいものを選定すると、歯の強度を大きくするととも
に寸法安定性の良いフェノール樹脂製歯車とすることが
できる。例えば、歯を構成する部分の補強繊維としてア
ラミド繊維、ウェブ部を構成する部分の補強繊維として
ガラス繊維や綿繊維を選択すると、歯の強度が大きく寸
法安定性の良いフェノール樹脂製歯車とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例において、歯部構成用成形
材料を用意する工程を示す説明図である。
【図2】本発明に係る他の実施例において、歯部構成用
成形材料とウェブ構成用成形材料を用意する工程を示す
説明図である。
【図3】歯部構成用成形材料とウェブ構成用成形材料と
金属製のブッシュを成形金型内で加熱加圧成形により一
体化する様子を示す断面説明図である。
【図4】従来の歯部構成用成形材料を用意する工程を示
す説明図である。
【図5】従来のウェブ構成用成形材料を用意する工程を
示す説明図である。
【図6】従来の歯部構成用成形材料を用意する他の工程
を示す説明図である。
【図7】歯部構成用成形材料と金属製のブッシュを成形
金型内で加熱加圧成形により一体化する様子を示す断面
説明図である。
【符号の説明】
1:ブッシュ 2:ウェブ構成用成形材料 3:歯部構成用成形材料 4:成形金型 5:プリプレグ 7:チップ片 8:仮成形金型 9:シート状成形材料 12:つなぎ目 13:捲回体 14:筒状成形材料 15:第二捲回体 16:第二筒状成形材料 20:棒状体 21:筒状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−197630(JP,A) 特開 平8−156124(JP,A) 特開 平7−88866(JP,A) 特開 平2−252537(JP,A) 特開 昭61−197637(JP,A) 特開 昭57−6157(JP,A) 特開 昭61−94747(JP,A) 特開 昭60−242045(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 15/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール樹脂粉末と補強繊維とを必須成
    分としてこれらを液中に分散してシート状成形材料を抄
    造する工程、 前記シート状成形材料を、中心に空間を残すように複数
    回捲回して筒状成形材料とする工程、 前記筒状成形材料の中心にブッシュを配置して、両者を
    成形金型内で加熱加圧成形して一体化する工程、 前記一体化した成形品に歯を加工する工程を経ることを
    特徴とするフェノール樹脂製歯車の製造法。
  2. 【請求項2】筒状成形材料が、大寸法幅のシート状成形
    材料を、中心に空間を残すように複数回捲回した捲回体
    からこれを所定高さに裁断分割して製造されたものであ
    ることを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂製歯
    車の製造法。
  3. 【請求項3】筒状成形材料が、所定寸法幅に抄造したシ
    ート状成形材料又は大寸法幅のシート状成形材料から所
    定寸法幅に裁断したシート状成形材料を、中心に空間を
    残すように複数回捲回して製造されたものであることを
    特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂製歯車の製造
    法。
  4. 【請求項4】筒状成形材料を、金型投入前にその軸方向
    に圧縮することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のフェノール樹脂製歯車の製造法。
  5. 【請求項5】フェノール樹脂粉末と、筒状成形材料を構
    成する補強繊維より熱収縮の小さい第二補強繊維とを必
    須成分として、これらを液中に分散して第二シート状成
    形材料を抄造する工程、 前記第二シート状成形材料を、中心に空間を残すように
    複数回捲回する工程を経て第二筒状成形材料を製造し、 当該第二筒状成形材料を筒状成形材料とブッシュの間に
    介在させて、成形金型内で加熱加圧成形して一体化する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフェ
    ノール樹脂製歯車の製造法。
  6. 【請求項6】補強繊維がアラミド繊維であり、第二補強
    繊維がガラス繊維と綿繊維から選ばれるものであること
    を特徴とする請求項5記載のフェノール樹脂製歯車の製
    造法。
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JPH10286888A (ja) 1998-10-27

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