JP2957324B2 - ブロックコポリマーミセルを含有するインク - Google Patents

ブロックコポリマーミセルを含有するインク

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JP2957324B2 JP3252705A JP25270591A JP2957324B2 JP 2957324 B2 JP2957324 B2 JP 2957324B2 JP 3252705 A JP3252705 A JP 3252705A JP 25270591 A JP25270591 A JP 25270591A JP 2957324 B2 JP2957324 B2 JP 2957324B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用性】本発明はインク組成物およびプリン
ティング方法に関する。さらに詳細には、本発明はブロ
ックコポリマーの高分子ミセルを含有しこのミセル表面
に染料分子を結合させたインク組成物およびこのインク
を用いるプリンティング方法に関する。本発明の1つの
実施態様は水性液体ベヒクルと100nm(ナノメータ
ー)以下の粒子とを含み、この粒子が式ABA(式中、
Aは親水性セグメントを示し、Bは疎水性セグメントを
示す)のブロックコポリマーを含み、染料分子がこのミ
セルに共有結合されていることを特徴とするインク組成
物に関する。必要に応じて、シリカを上記ミセル内に沈
降させる。もう1つの特定の実施態様においては、染料
は粒子が可視波長範囲外の放射に露光させたときに検知
し得るように選定される。さらにもう1つの特定の実施
態様においては、染料は粒子が実質的に無色であり可視
波長範囲外の放射に露光させたときに検知可能であるよ
うに選定される。本発明のインクはインクジェットプリ
ンティング法において特に有用である。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンティングシステム
は、一般に、連続流およびドロップ−オン−デマンド
(drop-on-demand) の2つのタイプがある。連続流イン
クジェットシステムにおいては、インクを少なくとも1
個のオリフィスまたはノズルを介して圧力下に連続流で
発生させる。流れを攪乱させオリフィスから一定の距離
で液滴に破壊せしめる。破壊点において、液滴はデジタ
ルデータ信号に従って帯電し、各液滴の起動を調節する
静電場を通って再循環用の溝または記録媒体上の特定の
位置へ向けられる。ドロップ−オン−デマンドシステム
(即ち、必要時滴下法)においては、液滴はオリフィス
から記録媒体上の位置にデジタルデータ信号に従って直
接発出される。液滴は記録媒体上に配置させない限り形
成または発出されることはない。
【0003】ドロップ−オン−デマンドシステムはイン
クの回収、帯電または偏向を必要としないので、連続流
タイプよりもかなり簡単である。2つのタイプのドロッ
プ−オン−デマンドインクジェットシステムが存在す
る。1つのタイプのドロップ−オン−デマンドシステム
は、その主要コンポーネントとして、一端にノズルを有
し他端近くに圧力パルスを形成するための圧電トランジ
ューサを有するインク充填チャンネルまたは通路を有す
る。そのトランジューサの比較的大きいサイズは各ノズ
ルの近接間隔付けを妨げており、またトランジューサの
物理的制限は低インク滴下速度をもたらす。低滴下速度
は滴下速度変化および方向性の許容度を由々しく低下さ
せ、かくして、高コピー品質を産み出すシステムの能力
に影響を与える。液滴を発生するのに圧電装置を用いる
ドロップ−オン−デマンドシステムはまた低プリンティ
ング速度の欠点も有する。
【0004】第2のタイプのドロップ−オン−デマンド
システムは熱インクジェットまたはバブルジェットとし
て公知であり、高速液滴を生じかつノズルの極めて接近
した間隔付けを可能にする。このタイプのドロップ−オ
ン−デマンドシステムの主要コンポーネントは一端にノ
ズルを有しノズル近くに発熱抵抗体を有するインク充填
チャンネルである。デジタル情報を表わすプリンティン
グ信号はオリフィスまたはノズル近くのインク通路内の
抵抗層内で電流パルスを起生してすぐ近くのインクを殆
んど瞬間的に蒸発させてバブルを発生させる。オリフィ
スのインクはバブルが大きるにつれて推進液滴として押
出される。インクの水力学的動きが停止したとき、この
工程は再び開始状態となる。通常“バブルジェット”シ
ステムと称せられる熱発生バブルに基づく液滴噴出シス
テムの導入により、ドロップ−オン−デマンドインクジ
ェットプリンターは連続流システムよりも簡単で低コス
トの装置を与え、また実質的に同じ高速プリンティング
能力を有している。
【0005】バブルジェットシステムの操作順序はイン
ク充填チャンネル内の抵抗層を介しての電流パルスによ
り開始する。抵抗層は上記チャンネルのオリフィスまた
はノズルに近接して存在する。熱は抵抗体からインクに
伝導する。インクはその通常の沸点よりもはるかに過熱
状になり、水性インクにおいては、約280℃のバブル
形成または核形成臨界温度に最終的には達する。核形成
すると同時に、バブルまたは水蒸発はインクをヒーター
から熱的に引き離し、それ以上の熱がインクに供給され
ることはない。このバブルはインク内に通常の沸点以上
に貯えられた熱が拡散し去るかあるいは液を蒸発に転化
するのに用いられる(この転化は蒸発熱により熱を除去
する)まで膨張する。バブルの膨張はインクの液滴をノ
ズルから押出し、過剰の熱を除去すると、バブルは抵抗
体上で崩壊する。この時点で、抵抗体は、電流パルスが
通過し、バブル崩壊と同時に、液滴が高速度で記録用媒
体の方向へ推進するので、もはや加熱されない。抵抗層
は抵抗層を侵食し得るバブルの崩壊による苛酷なキャビ
テーション力を受ける。引続いて、インクチャンネルは
毛管作用により再充填される。このバブル形成と崩壊順
序はすべて約10ミリ秒以内で起る。チャンネルは10
0〜500ミリ秒の最少ドエル時間後に再始動してチャ
ンネルを再充填しまた力学的再充填要素を幾分弱め得
る。
【0006】公知のインクジェットインクは水または水
と水溶性もしくは水混和性有機溶媒との混合物のような
インクベヒクルに可溶性の水溶性染料を一般に含む。可
溶性染料を含むインクは貧弱な水堅牢性、貧弱な光堅牢
性、溶媒蒸発および染料溶解性の変化の結果としての噴
出チャンネルの閉塞、染料結晶化、プリントを平担紙上
に形成させたときのインクのにじみ(プリーディン
グ)、貧弱な熱安定性、化学的不安定性、酸化し易さ、
および低滴下速度のような多くの問題を有する。さら
に、インク中に含有させた染料の多くは潜在的に有毒で
あり変異原性である。これらの問題はインク調製物中で
使用する染料を不溶性顔料に置き換えることによって最
小化することができる。一般に、顔料は水堅牢性、光堅
牢性、像濃度、熱安定性、酸化安定性、コーティング/
処理紙および平担紙両方との適合性、像端部鋭敏性、逓
減した像毛羽立ち、並びに無毒性および無変異原性に関
して染料より優れている。
【0007】異相 (Heterophase)インクジェットインク
は公知である。例えば、米国特許第4,705,567 号は水
と、ポリ( エチレングリコール) とポリ( エチレンイミ
ン)からなる群より選ばれた成分(この成分はへテロポ
リアニオンと複合化している)に共有結合させた染料と
を含む異相インクジェットインク組成物を開示してい
る。さらに、米国特許第4,597,794 号はインクの液滴を
形成し、像受入れ材料上にこの液滴を用いて記録するこ
とを含むインクジェット記録方法を開示しており、その
インクは顔料の微細粒子を親水性および疎水性構成部分
の両方を有するポリマーを含有する水性分散媒中に分散
させることにより調製している。その親水性部分はカル
ボン酸基、スルホン酸基、硫酸塩基等の親水性成分を導
入した主として重合性ビニル基を有するモノマーのポリ
マーからなる。顔料の粒度は数ミクロンから数百ミクロ
ンであり得る。これらのインク組成物はまた界面活性
剤、塩類、樹脂および染料のような添加剤も含有し得
る。
【0008】米国特許第4,877,451 号(Wirrik 等) は、
水、溶媒、および表面に染料をシランカップリング剤を
介して共有結合させた親水性多孔質シリカ粒子を含む複
数のカラー粒子とを含むインクジェットインク組成物を
開示している( 該米国特許の記載はすべて参考として本
明細書に引用する)。しかしながら、着色剤として顔料
粒子を含有する異相インクもまた難しさを示す。例え
ば、粒状着色剤は液体ベヒクルから、特に、イオンを長
期間貯蔵した場合に、沈降または分離する傾向を示す。
さらに、着色剤として顔料粒子を含有するインクは透明
よりも不透明でありがちであり、オーバーヘッドプロジ
ェクション目的の透明体上に像をプリンティングする場
合にその有用性を低減させている。さらに、着色剤とし
て顔料粒子を含有するインクはプリントヘッドの狭いオ
リフィスを閉塞してプリント品質の低下をもたらしがち
である。
【0009】従って、染料系インクと顔料系インクの両
方の利点を有するインクが求められている。本発明は液
体ベヒクルと平均直径100nm以下のカラー粒子とを含
み、この粒子が式ABA(式中、Aは親水性セグメント
を示し、Bは疎水性セグメントを示す)のブロックコポ
リマーのミセルを含み、染料分子がこのミセルに共有結
合されていることを特徴とするインク組成物に関する。
必要に応じて、シリカをこのミセル内に沈降させる。
【0010】米国特許第 4,552,915号 (Sterling) は全
体に亘って均一に分布させた0.1〜8%のポリシロキサ
ンまたはシリコーンオイルを含む熱可塑性エラストマー
炭化水素ブロックコポリマーを開示している。そのブロ
ックコポリマーはスチレンブロックが分子量5,000〜
40,000を有しエチレン−ブチレンブロックが分子量
20,000〜500,000を有するスチレン−エチレン
−ブチレン−スチレンであり得る。このコポリマーは押
出混合法によるような1,500〜2,500psi(105.
4〜175.8kg/cm2 )の圧力の影響下にシリコーンオ
イルと混合する。この組成物は改良された表面、弾性お
よび引張り強度、並びに優れた加工性を示す。
【0011】米国特許第4,267,310 号 (Landoll)は、結
晶性で通常固形の縮合ポリマーの均一球状粒子を、該結
晶性ポリマーの小液状粒子の、非プロトン液に可溶性で
ある少なくとも1つの高分子成分と非プロトン液には不
溶性で上記結晶性ポリマーと会合する少なくとも1つの
他の高分子成分を有する水不溶性ブロックまたはグラフ
トコポリマーを0.1〜20重量%(上記結晶性ポリマー
基準)含有する非プロトン液中分散液を調製することに
よって製造する方法を開示している。この分散液は攪拌
しながら液状粒子が固化するまで冷却し、次いで、粒子
を回収する。
【0012】米国特許第4,153,587 号 (Yui)は高引張り
強度、高伸度および良好な曲げ剛性に特徴を有する混合
ポリマー組成物を含有する変性プロピレンポリマーを開
示している。この材料は結晶性ポリプロピレン、プロピ
レン−エチレンランダムコポリマーを結晶性ポリプロピ
レン上に鎖末端結合させたブロックコポリマー、および
エチレン含有量約90重量%以上の結晶性エチレン−プ
ロピレンランダムコポリマーから本質的になり、この変
性ポリプロピレンポリマーを少なくとも30重量%の平
均径粒20ミクロン以下の無機充填剤と混合する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】公知の組成物はその意
図する目的には適しているけれども、染料系インクと顔
料系インクの両方の利点を示すインク組成物が求められ
ている。また、良好な水堅牢性を有するインク組成物が
求められている。また、良好な光堅牢性を示すインク組
成物が求められている。さらに、無毒で無変異原性のイ
ンク組成物が求められている。さらに、広種類のカラー
選択ができるインク組成物が求められている。また、簡
単で安価な方法で調製できるインク組成物が求められて
いる。また、長貯蔵寿命を有する安定な粒子懸濁物を含
むインク組成物が求められている。さらに、平担紙、コ
ーテッド紙または処理紙、並びに透明材料上でのプリン
ティングに適するインク組成物が求められている。さら
に、基体上にプリントしたとき、良好な光学濃度、低毛
羽立ち性、および優れた耐こすり性を示すインク組成物
が求められている。また、透明材料上でプリントするの
に用いたとき、その原像カラーを、光を像を通過させた
ときに、良好に投影する像を形成するインク組成物が求
められている。また、良好な熱および酸化安定性を有す
るインク組成物が求められている。さらに、プリントヘ
ッドが閉塞を誘起しないインクジェットプリンティング
に適するインク組成物が求められている。また、基体上
にプリンティングしたとき、異なるカラー間の望ましく
ない交色プリ−ディングを示さないインク組成物も求め
られている。さらに、通常の視覚条件下ではヒトの目に
は見えないが赤外線検知器または蛍光検知器のようなセ
ンサーまたは紫外線による像の照射のような特定の視覚
条件下のヒトの目によっては読み取り得るインク組成物
も求められている。また、通常の視覚条件下でヒトの目
に見ることができ、かつ赤外線検知器または蛍光検知器
のようなヒトの目に見えない波長を検知するセンサーま
たは紫外線による像の照射のような特定の視覚条件下で
のヒトの目によっても読み取ることのできるインク組成
物が求められている。さらに、書類にコード化情報を入
れる手段を与え得るインク組成物が求められている。
【0014】本発明の目的は染料系インクと顔料系イン
クの両方の利点を示すインク組成物を提供することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記および他の
目的は、水性液体ベヒクルと平均直径100nm以下の粒
子とを含み、この粒子が式ABA(式中、Aは親水性セ
グメントを示し、Bは疎水性セグメントを示す)のブロ
ックコポリマーのミセルを含み、染料分子がこのミセル
に共有結合されていることを特徴とするインク組成物を
提供することによって達成される。本発明の特定の実施
態様においては、上記粒子はシリカを中に沈降させた式
ABAのブロックコポリマーのミセルおよびこのミセル
に共有結合させた染料分子とを含む。本発明のもう1つ
の特定の実施態様においては、染料は粒子が可視波長領
域外の放射に露光させたとき検知し得るように選定す
る。本発明のさらにもう1つの特定の実施態様において
は、染料は粒子が実質的に無色であり、可視波長範囲外
の放射に露光させたとき検知し得るように選定する。本
発明のもう1つの実施態様は、本発明のインクをインク
ジェットプリンティング装置で用い、インク液滴を基体
上に像形成パターンで発生させ、それによって像を基体
上に形成することを含むプリンティング方法に関する。
本発明のさらにもう1つの実施態様は、(1)水に式A
BA(式中、Aは親水性セグメントを示し、Bは疎水性
セグメントを示す)のブロックコポリマーを加え、それ
によって該ブロックコポリマーのミセル分散液を調製
し、(2)水溶性塩基を該分散液に加え、それによって
該分散液の pHを少なくとも8とし、(3)該分散液
に、水と該ブロックコポリマーと反応し得る反応性染料
とを含む溶液を加え、それによって染色した高分子ミセ
ルを調製し、(4)該染色ミセルを水性液体ベヒクルと
混合してインク組成物を調製することを特徴とするイン
ク調製方法に関する。本発明のさらに別の実施態様は
(1)水に式ABA(式中、Aは親水性セグメントを示
し、Bは疎水性セグメントを示す)のブロックコポリマ
ーを加え、それによって該ブロックコポリマーのミセル
分散液を調製し、(2)テトラアルコキシシランを該分
散液と混合し、(3)水溶性塩基を該分散液に加え、そ
れによって該分散液の pHを少なくとも8とし、それに
よってシリカを該ミセル内に沈降させ、(4)該分散液
に、水と該ブロックコポリマーと反応し得る反応性染料
とを含む溶液を加え、それによって沈降シリカを含む染
色高分子ミセルを調製し、(5)該染色ミセルを水性液
体ベヒクルと混合してインク組成物を調製することを特
徴とするインク調製方法に関する。
【0016】本発明のインクの液体ベヒクルは水からな
り得るかあるいは水と、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、アミド類、エーテル類、カルボ
ン酸類、エステル類、アルコール類、オルガノスルフィ
ド類、オルガノスルホキシド類、スルホン酸、ジメチル
スホルキシド、スルホラン、アルコール誘導体類、カル
ビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、エーテル
誘導体、アミノアルコール類、ケトン類、および他の水
混和性物質並びにこれらの混合物のような混和性有機成
分との混合物を含み得る。水と水混和性有機液との混合
物を液体ベヒクルとして用いる場合、水対有機比は任意
の有効範囲であり得、典型的には、約100:0〜約3
0:70好ましくは約97:3〜約50:50である。
液体ベヒクルの非水成分は水の沸点(100℃)よりも
高い沸点を有するヒューメクタントとして一般に機能す
る。液体ベヒクルはインク中でカラー粒子のエマルジョ
ンまたはコロイド状懸濁液を与えるべきであり、かつイ
ンクをインクジェットプリンティング工程で使用する場
合に、所望のインクジェットプリンティング速度を可能
にする蒸発速度を有すべきである。本発明のインクにお
いては、液体ベヒクルは一般に約85〜約99.5重量%
好ましくは約90〜約99重量%の量で存在する。
【0017】本発明の方法により調製したインクへの任
意成分添加量には、約0.0001〜約4重量%好ましく
は約0.01〜約2.0重量%の量で存在するドウィシル
(Dowicil)150、200、および75、安息香酸塩、
ソルビン酸塩等の殺生剤;0〜約50重量%好ましくは
約5〜約40重量%の量で存在するエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、N−メチルピロリジノン、
プロピレングリコール、ヒドロキシエーテル、エーテ
ル、アミド、スルホキシド、ケトン、ラクトン、エステ
ル、アルコール等のヒューメクタント;または0〜約1
重量%好ましくは約0.01〜約1重量%の量で存在する
酸または塩塩、りん酸塩、カルボン酸塩、亜硫酸塩、ア
ミン塩等の pH調節剤等がある。
【0018】本発明のインクは染料分子を結合させた高
分子ミセルを含有する。この高分子ミセルはブロックコ
ポリマーの一般に直径約100nm以下を有する高分子凝
集物を含む。ブロックコポリマーはABAタイプであ
り、外側の各Aセグメントは親水性であり、内部のBセ
グメントは疎水性である。本明細書で使用するときの用
語“親水性”と“疎水性”はポリマーが2つのAセグメ
ントと1つのBセグメントを含有しAセグメントがBセ
グメントに対して親水性であるという点で相対的であ
る。Aセグメントはまた良好な水溶性を示し、典型的に
は、少なくとも約0.2g/mlの濃度で水に可溶性であ
り、一方、Bセグメントは貧弱な水溶性を示し、典型的
には約0.01g/ml以下の濃度で水に可溶性である。
例えば、約0.05〜約10g/mlの濃度で水に分散さ
せるときには、ブロックコポリマーは疎水性コアと親水
性シェルを有する高分子ミセルを形成し、該ミセルは一
般に100nm以下の平均直径を有する。
【0019】Aブロック用の適当なモノマーの例にはオ
キシエチレンモノマーおよびアミノエチレンモノマーが
ある。ブロック当りのオキシエチレンモノマーの数は典
型的には約5〜約400モノマー単位好ましくは約50
〜約300モノマー単位である。また、下記の一般式:
【0020】
【化1】 (式中、R1 およびR2 は、個々に、水素および1〜約
20個の炭素原子を有するアルキル基から選ばれる。)
のアクリル酸、メタクリル酸、パラカルボキシスチレン
等のようなビニルカルボン酸およびその相応するエステ
ルも適し得る。
【0021】また、エチルオキサゾリンのような下記の
一般式:
【0022】
【化2】 (式中、Rは水素、1〜約6個の炭素原子を有するアル
キル基またはベンジルであり、環は窒素原子と酸素原子
間の炭素原子以外に約2〜約7個の炭素原子を有す
る。)のオキサゾリンも適し得る。
【0023】また、下記一般式:
【0024】
【化3】 (式中、R1 は水素、メチルまたはエチルであり、R2
およびR3 は、個々に、水素、1〜約4個の炭素原子を
有するアルキル基、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキ
シブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチ
ル等の1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキ
ル基、および2−アミノエチル、2−アミノプロピル、
3−アミノプロピル、2−アミノブチル、3−アミノブ
チル、4−アミノブチル等のアミノ置換アルキル基から
選ばれる。)のアクリルアミドも適し得る。
【0025】また、下記の一般式:
【0026】
【化4】 (式中、R1 は水素、メチルおよびエチルからなる群よ
り選ばれ、R2 は2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキ
シプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ
ブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル
等のヒドロキシ置換アルキル基、および2−アミノエチ
ル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、2−ア
ミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル等の
アミノ置換アルキル基から選ばれる。)のビニルエーテ
ルも適し得る。2種以上のモノマーの混合物も親水性ブ
ロック中で使用できる。さらに、本発明において用いる
ABAブロックコポリマー中の2つのAセグメントは同
一の組成を有する必要はなく、各々異なるモノマー、構
造および/または組成を有し得る。
【0027】各Aセグメントまたはブロックの分子量は
そのセグメントが水に可溶性であるようなものである。
典型的には、各Aセグメントの分子量は約500−約2
0,000(重量平均分子量)であるが、この範囲外の分
子量でもよい。Bブロック用に適するモノマーの例には
オキシプロピレンモノマーがあり、オキシプロピレン基
の数は典型的には約5〜約100モノマー単位好ましく
は約20〜約60モノマー単位である。Bブロック用の
他の適当なモノマーには、スチレン、アルキル基が1〜
約20個の炭素原子を有するアルキルスチレンのような
スチレン誘導体およびコゲナー(cogener)類、p−クロ
ロスチレンのようなハロゲン化スチレン、ビニルナフタ
レン等のようなビニルモノマー;塩化ビニル、臭化ビニ
ル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニル
エーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;
ビニルメチルケトン等のビニルケトン;N−ビニルイン
ドールおよびN−ビニルピロリドン;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、安息香酸ビニルおよび酪酸ビニル等の
ビニルエステル;メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、ドデシルアクリレート、n−オクチルアクリレー
ト、2−クロロエチルアクリレート、フェニルアクリレ
ート、メチルアルファクロロアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート等のような、アクリレートおよびメタクリレートま
たはエタクリレートのような少なくとも1個の炭素原子
一般に約1〜約12個の炭素原子を有するアルキル基を
有するアルキルアクリレートのようなアクリルモノマー
およびモノカルボン酸のエステル;2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメ
タクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の
少なくとも1個の炭素原子一般に約2〜約12個の炭素
原子を有するアルキル基と1個のヒドロキシ基とを有す
るアクリレートおよびアルキルアクリレートのようなア
クリルモノマーおよびモノカルボン酸のエステル;エチ
レン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソブチレ
ンのようなモノオレフィンおよびポリオレフィン、シク
ロペンテンのようなシクロオレフィンのようなオレフィ
ン類がある。疎水性セグメントはまたポリエチレンテレ
フタレート、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン
6.6)等のポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン等
を与える2官能性モノマーの重縮合によっても誘導し得
る。2種以上のモノマーの混合物も疎水性ブロックにお
いて使用できる。
【0028】Bセグメントまたはブロックの分子量はそ
のセグメントが水に不溶性であるようなものである。典
型的には、Bセグメントの分子量は約500〜約20,0
00(重量平均分子量)であるが、この範囲外の分子量
であってもよい。本発明の適当にABAブロックコポリ
マーの例には、BASF社から入手できるプルロニック
(Pluronic)F−68(エチレンオキサイドブロックが
平均分子量3340を有しプロピレンオキサイドブロッ
クが平均分子量1750を有するエチレンオキサイド−
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー);BASF社より入手できるプルロニックF
−38(エチレンオキサイドブロックが平均分子量20
00を有しプロピレンオキサイドブロックが平均分子量
950を有するエチレンオキサイド−プロピレンオキサ
イド−エチレンオキサイドブロックコポリマー);BA
SF社から入手できるプルロニックF−88(エチレン
オキサイドブロックが平均分子量4320を有しプロピ
レンオキサイドブロックが平均分子量3250を有する
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−エチレン
オキサイドブロックコポリマー);BASF社から入手
できるプルロニックF−98(エチレンオキサイドブロ
ックが平均分子量5400を有しプロピレンオキサイド
ブロックが平均分子量2750を有するエチレンオキサ
イド−プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロ
ックコポリマー);およびBASF社より入手できるプ
ルロニックF−108(エチレンオキサイドブロックが
平均分子量5600を有しプロピレンオキサイドブロッ
クが平均分子量3250を有するエチレンオキサイド−
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー)がある。
【0029】本発明において適する他のABAブロック
コポリマーには、Aブロックが平均分子量2000の2
−ヒドロキシエチルビニルエーテルポリマーでありBブ
ロックが平均分子量1500のブチルビニルエーテルの
ポリマーである、例えば、“M. Minoda, M. Sawamoto
およびT. Higashimura, Macromoleules 、23、198
9、1990”に記載されているようなカチオン重合を
行うことによって調製したビニルエーテルの両親媒性ブ
ロックコポリマーがある。本発明において適する他のA
BAブロックコポリマーには、エチレンオキサイドブロ
ックが平均分子量7200を有し2−ヒドロキシエチル
メタクリレートブロックが平均分子量1900を有す
る、例えば、“M. Ikemi, N. Odagiri および I. Shin
ohara, Polymer、Journal 、12、777、1980”
に記載されているようにして調製したエチレンオキサイ
ドと2−ヒドロキシエチルメタクリレートのブロックコ
ポリマーがある。
【0030】染色高分子ミセルを調製するには、使用す
るブロックコポリマーを先ず水、好ましくは、蒸留また
は脱イオン化した水と混合する。ブロックコポリマーを
ミセル形成を行うのに十分な量で、一般的には、約0.0
5〜約5重量%の濃度で加える。得られた高分子ミセル
は約100nmまたはそれ以下の平均直径を有する。続い
て、水酸化アンモニウム水、水酸化ナトリウム水;メチ
ルアミン、エチルアミン、およびプロピルアミンのよう
な有機アミン等の水溶性塩基をミセル分散液に分散液の
pHを少なくとも8に上げるのに十分な量で加える。典型
的には、塩基は分散液に分散液全体の約5〜約20重量
%の量で加える。典型的には約1〜約10重量%の濃度
で水中に溶解させた反応性染料の溶液を分散液に、一般
的には室温で、典型的には染料分子がミセルの約5〜約
30重量%の量で存在するような量で加える。染料と高
分子ミセル間の反応が終了(典型的には約24時間以
内)、混合物を、例えば、100,000の分子量カット
オフを有する膜を用いて限外濾過により精製して過剰の
反応性染料および他の低分子量不純物を除去する。精製
の後、染色ミセルの懸濁液はインク用途用に濃縮し又は
凍結乾燥により単離できる。
【0031】本発明の1つの特定の実施態様において
は、染色高分子ミセルは疎水性コアと親水性シェルとを
含み、このミセルはその中に沈降させたシリカを含み、
染料分子はミセル表面に結合されている。この染色ミセ
ルは使用するブロックコポリマーを水好ましくは蒸留水
または脱イオン水と一般的には約0.05〜約5重量%の
濃度で混合して平均直径約100nm以下の高分子ミセル
を得る。続いて、テトラエトキシシランのようなアルキ
ル基が1〜約6個の炭素原子を有するテトラアルコキシ
シランをこのミセル分散液に典型的にはミセルの約1〜
約30重量%の相対量で加え、分散液をシリカがミセル
中に沈降するまで攪拌する。適するシラン物質のさらな
る例には、テトラメトキシシラン、テトラ−n−プロポ
キシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−
n−ブトキシシラン、テトラ−s−ブトキシシラン、テ
トラ−i−ブトキシシラン、テトラペントキシシラン、
テトラキス−(2−メトキシエトキシシラン)等があ
る。その後、水酸化アンモニウム水、水酸化ナトリウム
水;例えばメチルアミン、エチルアミン、およびプロピ
ルアミンのような有機アミン等の水溶性塩基をミセル分
散液に分散液のpHを少なくとも8に上げるのに十分な量
で加え、典型的には約1〜約10重量%の濃度で水に溶
解させた反応性染料の溶液を分散液に、一般に室温で、
典型的には染料分子がミセルの約5〜約30重量%の量
で存在するような量で加える。染料と高分子ミセル間の
反応が終了したとき(典型的には24時間以内)、混合
物を、例えば、100,000の分子量カットオフを有す
る膜を用いて限外濾過法により精製して過剰の反応性染
料および他の低分子量不純物を除去する。精製の後、染
色ミセルの懸濁液はインク用途に濃縮し凍結乾燥により
単離できる。高分子ミセル内に沈降させたシリカのネッ
トワークは粒子を含有するインクの性質を特に熱安定性
に関して向上させることが考えられる。
【0032】本発明において適する染料には、一般に、
ブロックコポリマーミセルと反応してこのミセルに結合
し得る反応性染料の任意のものがある。これらの染料は
ジクロロトリアジン、モノクロロトリアジン、ジクロロ
キノキサジン、アミノエポキシド、モノ−(m−カルボ
キシピリジニウム)−トリアジン、2,4,5−トリハ
ロゲノピリミジン、2,4−ジクロロピリミジン、2,
3−ジクロロキノキサリン、モノフルオロトリアジン、
4,5−ジクロロ−6−メチル−2−メチルスルホニル
ピリミジン、1,4−ジクロロフタラジン、クロロベン
ゾートリアゾール、スルファトエチルスルホン、β−ク
ロロエチルスルホン、4,5−ジクロロ−6−ピリダゾ
ン、α−ブロモアクリロイルアミド、α,β−ジブロモ
プロピオニルアミド等の反応性基を共有結合させたアン
スラキノン、モノアゾ染料、ジアゾ染料、フタロシアニ
ン、アゾ〔18〕アニュレン、ホルマザン銅コンプレッ
クス、トリフェノジオキサジン等のように水可溶性の発
色団を典型的には含む。適当な染料の例には、バイエル
社より入手できるレバフィックス(Levafix )ブリリア
ントイエローE−GA、レバフィックスイエローE2R
A、レバフィックスブラックEB、レバフィックスブラ
ックE−2G、レバフィックスブラックP−36A、レ
バフィックスブラックPN−L、レバフィックスブリリ
アントレッドE6BAおよびレバフィックスブリリアン
トブルーEFFA;ICI社より入手できるプロシオン
(Procion)タークォイスPA、プロシオンタークォイス
HA、プロシオンタークォイスH−5G、プロシオンタ
ークォイスH−7G、プロシオンレッドMX−5B、プ
ロシオンレッドMX8BGNS、プロシオンレッドG、
プロシオンイエローMX−8G、プロシオンブラックH
−EXL、プロシオンブラックP−N、プロシオンブル
ーMX−R、プロシオンブルーMX−4GD、プロシオ
ンブルーMX−GおよびプロシオンブルーMX−2G
N;チバーガイギー社より入手できるチバクロン(Ciba
cron)レッドF−B、チバクロンブラックBG、ラナゾ
ール(Lanasol)ブラックB、ラナゾールレッド5B、ラ
ナゾールレッドBおよびラナゾールイエロー4G;BA
SF社より入手できるバシレン(Basilen)ブラックP−
BR、バシレンイエローEG、バシレンブリリアントイ
エローP−3GN、バシレンイエローM−6GD、バシ
レンブリリアントレッドP−3B、バシレンスカーレッ
トE−2G、バシレンレッドE−B、バシレンレッドE
−7B、バシレンレッドM−5B、バシレンブルーE−
R、バシレンブリリアントブルーP−3R、バシレンブ
ラックP−BR、バシレンタークォイスブルーP−G
R、バシレンタークォイスM−2G、バシレンタークォ
イスE−GおよびバシレングリーンE−6B;スミトモ
カガク社から入手できるスミフィックス(Sumifix )タ
ークォイスブルーG、スミフィックスタークォイスブル
ーH−GF、スミフィックスブルーB、スミフィックス
ブラックH−BG、スミフィックスイエロー2GC、ス
ミフィックススパラスカーレット2GFおよびスミフィ
ックスブリリアントレッド5BF;クロンプトンアンド
ノールズ社、ダイズアンドケミカルズディビジョンから
入手できるイントラクロン(Intracron )イエローC−
8G、イントラクロンレッドC−8B、イントラクロン
タークォイスブルーGE、イントラクロンタークォイス
HAおよびイントラクロンブラックRL等がある。
【0033】本発明の特定の実施態様においては、染料
は高分子粒子が可視波長範囲外の放射に露光させたとき
検知し得るように選定する。本発明のもう1つの特定の
実施態様においては、染料は高分子粒子が実質的に無色
で可視波長範囲外の放射に露光させたときに検知し得る
ように選定する。例えば、蛍光または赤外線感応性染料
を、これらが水に十分な溶解性を示して高分子ミセルと
反応し、赤外線または紫外線のような可視以外の波長範
囲の光を吸収し、ヒトの目で検知し得るまたは可視波長
範囲外のスペクトル範囲に露光したとき適当な検知器の
波長と合致する光を発生し、かつ良好な熱安定性と光安
定性を示す限り、使用できる。さらに、本発明のもう1
つの特定の実施態様においては、インクは顔料、染料ま
たは共有結合させた染料が可視波長領域において呈色す
る粒子のような通常の条件下でヒトの目に見え得る着色
剤と、共有結合させた染料が可視波長範囲外の放射に露
光させたとき検知し得る粒子との両方を含有する。この
実施態様においては、共有結合染料はカラーまたは実質
的に無色であり得る。実質的に無色の染料においては、
適し得る染料または発色団は実質的に無色の粒子を含有
するインクを視覚し検知する条件下ではインク中の可視
着色剤と区別し得る。適し得る蛍光発色団の例には、ダ
ンシルーリシン、N−(2−アミノエチル)−4−アミ
ノ−3,6−ジスルホ−1,8−ジナフタルイミドジカ
リウム塩、N−(2−アミノペンチル)−4−アミノ−
3,6−ジスルホ−1,8−ジナフタルイミドジカリウ
ム塩、カスケードブルー(Cascade Blue)エチレンジア
ミントリナトリウム塩(モレキュラープロエス社より入
手できる)、カスケードブルーカダベリントリナトリウ
ム塩(モレキュラープロエス社より入手できる)、下記
の式:
【0034】
【化5】 (式中、Rは芳香族アミン、脂肪族アミン、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アリロキシ基、ハロゲン原子、アミ
ノアルコール基、またはスルホン化芳香族アミン等であ
り、R′は芳香族アミン、脂肪族アミン、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アリロキシ基、ハロゲン原子、アミ
ノアルコール基またはスルホン化芳香族アミン等であ
り、Mは水素、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カ
リウムイオン、セシウムイオン、ルビジウムイオン、ア
ンモニウムイオン等であり、スルホン酸官能基対スチル
ベン成分の比は典型的には約1:1〜約6:1で変化す
るがその比はこの範囲外でもよい。)の4,4′−ジア
ミノスチルベン−2,2′−ジスルホン酸のビスジアジ
ニル誘導体;4,4′−ジアミノスチルベン−2,2′
−ジスルホン酸の非対称トリアジニル誘導体;下記の
式:
【0035】
【化6】 (式中、Rはアルコキシ、アルキル、フェニル、水素、
アセチル、アルキルアミド等であり、R′は水素、アル
キル、アルコキシ、フェニル、アセチル、アルキルアミ
ノ等であり、Mは水素、リチウムイオン、ナトリウムイ
オン、カリウムイオン、セシウムイオン、ルビジウムイ
オン、アンモニウムイオン等であり、スルホン酸基対ア
ミノスチルベンの比は典型的には約2:1〜約4:1で
変化するがその比はこの範囲外であってもよい。)の
4,4′−ジアミノスチルベン−2,2′−ジスルホン
酸のアミド誘導体;下記の式:
【0036】
【化7】 (式中、Rはアルコキシ、アルキル、フェニル、水素、
アセチル、アルキルアミド等であり、R′は水素、アル
キル、アルコキシ、フェニル、アセチル、アルキルアミ
ド等であり、Mは水素、リチウムイオン、ナトリウムイ
オン、カリウムイオン、セシウムイオン、ルビジウムイ
オン、アンモニウムイオン等であり、スルホン酸基対ア
ミノスチルベンの比は典型的に約2:1〜約4:1で変
化するがその比はこの範囲外であっても良い。)の4,
4′−ジ置換スチルベン−2,2′−ジスルホン酸のフ
ェニルウレア誘導体;下記の式:
【0037】
【化8】 (式中、Rは水素またはSO3 R′であり、R′は水
素、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン、セシウムイオン、ルビジウムイオン、アンモニウム
イオン等であり、スルホン酸基対アミノスチルベンの比
は典型的に約2:1〜約4:1で変化するがその比はこ
の範囲外であってもよい。)の4,4′−ジ置換スチル
ベン−ジスルホン酸のモノ−またはジ−ナフチルトリア
ゾール誘導体;ベンズイチアゾール誘導体;ベンズオキ
サゾールの誘導体;ベンズイミダゾールの誘導体;クマ
リンの誘導体;スルホン酸基を含有するピラゾリンの誘
導体;4,4′−ビス(トリアジン−2−イルアミノ)
スチルベン−2,2′−ジスルホン酸;2−(スチルベ
ン−4−イル)ナフトトリアゾール;2−(4−フェニ
ルスチルベン−4−イル)ベンズオキサゾール;4,4
−ビス(トリアゾ−2−イル)スチルベン−2,2′−
ジスルホン酸;1,4−ビス(スチリル)ビフェニル;
1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン、ビス(ベンザゾ
ール−2−イル)誘導体;3−フェニル−7−(トリア
ジン−2−イル)クマリン;カルボスチリル;ナフタル
イミド;3,7−ジアミノジベンゾチオフェン−2,8
−ジスルホン酸−5,5−ジオキサイド;C. I. フルオ
レスセントブライトナーNo. 28(C. I. 4062
2)、蛍光シリーズロイコフォア(Leucopher)B−30
2、BMB(C. I. 290)、BCR、BS等(ロイコ
フォア社より入手できる)のような他の商業的に入手で
きる物質;カラーインデックス、Vol.2、第3版(ソサ
エティーオブダイヤーズアンドカラーリスツ)に示され
ているような蛍光光沢剤等がある。赤外領域で吸収する
適当な発色団のさらなる例にはICI社、ファインケミ
カルズディビジョンから入手できるプロージェット(pr
o-jet )IRシリーズの物質のような商業的に入手でき
る物質、並びに、例えば、ニューヨーク州ロチェスター
のイーストマンコダック社およびマサチューセッツ州ベ
ッドフォードのラムダフィジィクス社から入手できる他
の赤外線吸収性物質がある。
【0038】また、下記の式の各赤外線感応性染料構造
体も適し得る:
【0039】
【化9】 (各式中、Rは下記の式:
【0040】
【化10】 の基のいずれかであり得る。)これらの構造を有する染
料の殆んどは着色され、かくして、粒子が可視的に着色
されかつ可視波長範囲外の放射に露光させたとき検知可
能であるインクにおいて最良に適する。
【0041】染色高分子ミセルはミセルに所望のカラー
強度と色合いを付与するのに十分な任意の量でミセル表
面に結合した染料分子を有し得る。典型的には、染色ミ
セルは約0.03〜約20重量%好ましくは約2〜約5重
量%の量の染料を含有している。ブロックコポリマーミ
セルがその中に分散させたシリカを有する場合、染色ミ
セルは約60〜約98重量%のブロックコポリマー、約
1.5〜約39.5重量%のシリカ、および約0.5〜約20
重量%の染料を典型的に含有する。
【0042】インク組成物中には、染色高分子ミセルは
所望の着色度を得るための任意の有効量で存在する。典
型的には、ミセルは約0.5〜約15重量%好ましくは約
1〜約6重量%の量で存在する。本発明のインク中に含
有させる染色高分子ミセルの小粒度は水堅牢性、光堅牢
性、像濃度、熱安定性、酸化安定性、コーティング/処
理紙および平担紙並びに透明材料との適合性、像端部鋭
敏性、減少した像毛羽立性、無毒性、および無変異原性
のような異相インクの多くの利点、並びに、透明性、安
定性、および長貯蔵寿命のような染料系インクの多くの
利点を有するインク組成物を与える。さらに、その粒子
は、典型的に直径で約10〜約100nmの範囲にあるの
で、インクジェットプリンターのプリントヘッドの閉塞
を誘起しない。さらに、高分子ミセルに共有結合させた
染料分子は一般にイオン荷重を担持し水性媒体中の粒子
に静電力により安定性を与える。さらに、インクの粒状
性とポリエチレンオキサイドのようなインク中に含有さ
せたブロックコポリマーのAセグメント用の多くの親水
性物質の紙に対する高親和性とは、本発明のインクによ
り作製したプリントの水堅牢性と耐こすり性とをさらに
向上させる。実質的に無色であり可視波長範囲外の放射
に露光させたときに検知し得る本発明のインクは書類上
に見えないマーキングを入れることが望まれる方法にお
いても有用であり;そのような状況の例には、ある書類
からのコピー数をコントロールするためのセキュリティ
マーキングを入れること、像形成装置によって検知でき
かつ像形成装置に対する指示(書類のある部分をコピー
しないようにする指示または書類のある部分のカラーを
変えるようにする指示のような)を与える見えないマー
キングを入れること、原稿を作った装置を同定すること
等がある。さらに、顔料もしくは染料または可視できる
カラー高分子ミセルのような可視着色剤と可視波長範囲
外の放射に露光させたとき検知し得る高分子ミセルの両
方を含有する本発明のインクは、例えば、特定のインク
供給源を同定するのにあるいは上記の見えない粒子を検
知し得る画像形成装置に指示を与えるのに使用できる。
可視範囲外の波長範囲で検知し得る染料を含有するイン
クを使用する装置および方法の例は米国特許出願第07
/636,264号に開示されており、その記載はすべて
参考として本明細書に引用する。さらに、粒子には他の
波長領域で可視できる2種以上の異なる染料を共有結合
させて粒子を異なるセンサーによって読取ることができ
るようにもし得る。
【0043】本発明のインク組成物は連続流法、圧電ド
ロップ−オン−デマンド法、バブルジェット法またはイ
ンクジェット法のようなインクジェットプリンティング
方法での使用に適する。一般に、その方法は本発明のイ
ンクをインクジェットプリンティング装置に装入し、イ
ンクの液滴を像形成パターンで適当な基体上に発生せし
め、それによって像を基体上に発生させることを含む。
ダイアブロ(Diablo)C150IJプリンター、ヒュー
レットパッカードデスクジェットプリンター、ダイアブ
ロC150TIJプリンター等の任意のインクジェット
装置を本発明のインク組成物で像を形成するのに使用し
得る。特に好ましいのは熱インクジェットプリンティン
グ装置である。本発明の方法により調製したインクは、
ゼロックス4024紙のような平担紙、ギルバート(Gi
lbert)25%コットンボンド紙またはギルバート100
%コットンボンド紙のようなボンド紙、シリカコーテッ
ド紙、透明材料、織布、プラスチック、高分子フィルム
等のような広範囲の基体上で像を形成するのに使用する
ことができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の特定の実施態様を詳細に記載
する。これらの実施例は例示を目的とし、本発明をこれ
らの実施態様で示した材料、条件、またはプロセスパラ
メーターに限定するものではない。すべての部およびパ
ーセントは特に断わらない限り重量による。
【0045】〔実施例1〕シアンインク インク組成物を次のようにして調製した:91mlの脱
イオン水に1.64gのポリエチレンオキサイド−ポリプ
ロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドブロック
コポリマー(プルロニックF−68、BASF社より入
手した)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌し
た。その後、9.02mlの11.09モル水酸化アンモニ
ウム水を上記の分散液に加え、混合物をさらに1時間室
温で攪拌した。続いて、25mlの水中に溶解させたプ
ロシオンタークォイスH−7G染料(ICI社より入
手)の2.0gの溶液を分散液に加え、混合物を室温で一
夜攪拌した。このようにして調製したカラー高分子ミセ
ル分散液を脱イオン水を加えて500mlに希釈し、過
剰の未反応染料を限外濾過(2枚の100Kポリスルホ
ン膜を備えたミニタンシステム、ミリポア社より入手)
により除去した。次に、シアンカラー高分子ミセルの精
製懸濁液を減圧下に回転エバボレーター中で溶媒蒸発を
行うことによって85mlに濃縮した。
【0046】このシアンカラー高分子ミセル精製濃縮懸
濁液に、3.7mlのエチレングリコールを加えてシアン
カラーインク組成物を調製した。このようにして調製し
たシアンインクを清掃したヒューレットパッカードイン
クカートリッジに装填し、ヒューレットパッカードデス
クジェットインクプリンターで噴射した。プリントは平
担紙(ゼロックス4024(#19)紙、ゼロックス社
より入手)、シリカコーテッド紙(ジュージョオ社より
入手)、および透明体材料(3R3351、ゼロックス
社より入手)上で形成させた。各場合において、得られ
たシアンプリントは許容し得る光学濃度の固形領域を示
した(コーテッド紙上1.14、4024紙/フェルト面
上0.97、4024紙/ワイヤー面上1.00、および透
明体上0.95)。毛羽立ち(フィーザーリング)は無コ
ーティング紙のフェルト面、ワイヤー面共に最小であっ
た。さらに、4024平担紙のプリントは、4024紙
(ワイヤー面)上のプリント固形領域を2枚に切断し、
1枚を水中に2分間浸漬し、この浸漬シートを風乾し、
浸漬紙および無浸漬紙の両方の光学濃度を測定すること
によって測定したとき、優れた水堅牢性を示した。水中
で浸漬しなかったシートの光学濃度は1.00であり、水
中で浸漬したシートの光学濃度は0.80であった。プリ
ントヘッドの閉塞は長時間のプリント試験において観察
されなかった。
【0047】〔実施例2〕シアンシリカ処理インク インク組成物を次のようにして調製した:500mlの
脱イオン水に4.08gのポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー(プルロニックF−68、BASF社より入
手)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌した。
続いて、1.04mlのテトラエトキシシラン(アルドリ
ッチケミカル社より入手)をこの分散液に加え、混合物
をマグネチックスタラーで1時間激しく攪拌した。その
後、22.5mlの11.09モル水酸化アンモニウム水を
分散液に加え、混合物を1時間室温で攪拌した。25m
lの水中に溶解させた2.0gのプロシオンタークォイス
H−7G染料(ICI社より入手)の溶液を100ml
の上記シリカ処理ミセル分散液に加え、混合物を一夜室
温で攪拌した。次いで、過剰の未反応染料をカラーシリ
カ処理高分子ミセルの分散液から限外濾過(2枚の10
0Kポリスルホン膜を備えたミニタンシステム、ミリポ
ア社より入手)により除去した。シアンカラー高分子ミ
セルの精製懸濁液を回転エバボレーター中で約20mmHg
の減圧下に溶媒の蒸発を行うことによって100mlに
濃縮した。透過型電子顕微鏡(TEM)で測定したとき
の粒度は約20nmであった。TEMで測定した染料を加
える前の粒度は約20nmであり、粒子の着色は測定方法
の制限内で測定したときは粒度に影響してないことを示
していた。
【0048】続いて、50mlの精製シアンカラー高分
子ミセル懸濁液を回転エバボレーターを用いて約20mm
Hgの減圧下に9ml容量に濃縮した。この暗シアンカラ
ー懸濁液に2.42mlのエチレングリコールと4.1ml
の水を加えてシアンカラーインク組成物を調製した。こ
のようにして調製したシアンインクを清掃したヒューレ
ットパッカードインクカートリッジに装填しヒューレッ
トパッカードデスクジェットインクジェットプリンター
で噴射させた。プリントは平担紙(ゼロックス4024
(#19)紙、ゼロックス社より入手)およびシリカコ
ーテッド紙(ジュージョオ社より入手)上で形成した。
各場合において、得られたシアンプリントは許容し得る
光学濃度の固形領域を示した(コーテッド紙上1.37、
4024紙/フェルト面上0.98、および4024紙/
ワイヤー面上0.94)。毛羽立ちは無コーティング紙の
フェルト面、ワイヤー面共に最小であった。さらに、4
024紙のプリントは4024紙(ワイヤー面)上のプ
リント固形領域を2枚に切断し、1枚を水中で2分間浸
漬し、浸漬したシートを風乾し、浸漬紙および無浸漬紙
両方の光学濃度を測定することによって測定したとき優
れた水堅牢性を示した。水中で浸漬しなかったシートの
光学濃度は0.94であり、水中で2分間浸漬した光学濃
度は0.80であった。プリントヘッドの閉塞は長時間の
プリント試験において観察されなかった。
【0049】〔実施例3〕イエローインク インク組成物を次のようにして調製した:91mlの脱
イオン水に1.64gのポリエチレンオキサイド−ポリプ
ロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドブロック
コポリマー(プルロニックF−68、BASF社より入
手した)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌し
た。その後、9.02mlの11.09モル水酸化アンモニ
ウム水を加え、混合物をさらに1時間室温で攪拌した。
続いて、25mlの水中に溶解させたプロシオンイエロ
ーMG−8G染料(ICI社より入手)の4.0gの溶液
を分散液に加え、混合物を室温で一夜攪拌した。このよ
うにして調製したカラー高分子ミセル分散液を脱イオン
水を加えて500mlに希釈し、過剰の未反応染料を限
外濾過(2枚の100Kポリスルホン膜を備えたミニタ
ンシステム、ミリポア社より入手)により除去した。次
に、イエローカラー高分子ミセルの精製懸濁液を減圧下
に回転エバボレーター中で溶媒蒸発を行うことによって
85mlに濃縮した。
【0050】このイエローカラー高分子ミセル精製濃縮
懸濁液に、3.7mlのエチレングリコールを加えてイエ
ローカラーインク組成物を調製した。このようにして調
製したイエローインクを清掃したヒューレットパッカー
ドインクカートリッジに装填し、ヒューレットパッカー
ドデスクジェットインクプリンターで噴射した。プリン
トは平担紙(ゼロックス4024(#19)紙、ゼロッ
クス社より入手)シリカコーテッド紙(ジュージョオ社
より入手)、および透明体材料(3R3351、ゼロッ
クス社より入手)上で形成させた。各場合において、得
られたイエロープリントは許容し得る光学濃度の固形領
域を示した(コーテッド紙上0.84、4024紙/フェ
ルト面上0.66、4024紙/ワイヤー面上0.65、お
よび透明体上0.58)。毛羽立ち(フィーザーリング)
は無コーティング紙のフェルト面、ワイヤー面共に最小
であった。さらに、4024平担紙のプリントは、40
24紙(ワイヤー面)上のプリント固形領域を2枚に切
断し、1枚を水中で2分間浸漬し、この浸漬シートを風
乾し、浸漬紙および無浸漬紙の両方の光学濃度を測定す
ることによって測定したとき、優れた水堅牢性を示し
た。水中で浸漬しなかったシートの光学濃度は0.84で
あり、水中で2分間浸漬したシートの光学濃度は0.71
であった。プリントヘッドの閉塞は長時間のプリント試
験において観察されなかった。
【0051】〔実施例4〕マゼンタシリカ処理インク インク組成物を次のようにして調製した:500mlの
脱イオン水に4.08gのポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー(プルロニックF−68、BASF社より入
手)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌した。
続いて、1.04mlのテトラエトキシシラン(アルドリ
ッチケミカル社より入手)をこの分散液に加え、混合物
をマグネチックスタラーで1時間激しく攪拌した。その
後、22.5mlの11.09モル水酸化アンモニウム水を
分散液に加え、混合物を1時間室温で攪拌した。25m
lの水中に溶解させた3.0gのレバフィックスブリリア
ントレッドEGBA染料(バイエル社より入手)の溶液
を100mlの上記シリカ処理ミセル分散液に加え、混
合物を一夜室温で攪拌した。次いで、過剰の未反応染料
をカラーシリカ処理高分子ミセルの分散液から限外濾過
(2枚の100Kポリスルホン膜を備えたミニタンシス
テム、ミリポア社より入手)により除去した。マゼンタ
カラー高分子ミセルの精製懸濁液を回転エバボレーター
中で約20mmHgの減圧下に溶媒の蒸発を行うことによっ
て100mlに濃縮した。透過型電子顕微鏡(TEM)
で測定したときの粒度は約20nmであった。TEMで測
定した染料を加える前の粒度は約20nmであり、粒子の
着色は測定方法の制限内で測定したときは粒度に影響し
てないことを示していた。
【0052】続いて、50mlの精製マゼンタカラー高
分子ミセル懸濁液を回転エバボレーターを用いて約20
mmHgの減圧下に9ml容量に濃縮した。この暗マゼンタ
カラー懸濁液に2.42mlのエチレングリコールと4.1
mlの水を加えてマゼンタカラーインク組成物を調製し
た。このようにして調製したマゼンタインクを清掃した
ヒューレットパッカードインクカートリッジに装填しヒ
ューレットパッカードデスクジェットインクジェットプ
リンターで噴射させせ。プリントは平担紙(ゼロックス
4024(#19)紙、ゼロックス社より入手)および
シリカコーテッド紙(ジュージョオ社より入手)上で形
成した。各場合において、得られたマゼンタプリントは
許容し得る光学濃度の固形領域を示した(コーテッド紙
上1.02、4024紙/フェルト面上0.86、および4
024紙/ワイヤー面上0.92)。毛羽立ちは無コーテ
ィング紙のフェルト面、ワイヤー面共に最小であった。
さらに、4024紙のプリントは4024紙(ワイヤー
面)上のプリント固形領域を2枚に切断し、1枚を水中
で2分間浸漬し、浸漬したシートを風乾し、浸漬紙およ
び無浸漬紙両方の光学濃度を測定することによって測定
したとき優れた水堅牢性を示した。水中で浸漬しなかっ
たシートの光学濃度は0.92であり、水中で2分間浸漬
した光学濃度は0.78であった。プリントヘッドの閉塞
は長時間のプリント試験において観察されなかった。
【0053】〔実施例5〕ブラックシリカ処理インク インク組成物を次のようにして調製した:500mlの
脱イオン水に4.08gのポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー(プルロニックF−68、BASF社より入
手)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌した。
続いて、1.04mlのテトラエトキンシラン(アルドリ
ッチケミカル社より入手)をこの分散液に加え、混合物
をマグネチックスタラーで1時間激しく攪拌した。その
後、22.5mlの11.09モル水酸化アンモニウム水を
分散液に加え、混合物を1時間室温で攪拌した。25m
lの水中に溶解させた2.0gのドウシン(Duasyn)ブラ
ックRL−SF染料(ヘキスト社より入手)の溶液を1
00mlの上記シリカ処理ミセル分散液に加え、混合物
を一夜室温で攪拌した。次いで、過剰の未反応染料をブ
ラックシリカ処理高分子ミセルの分散液から限外濾過
(2枚の100Kポリスルホン膜を備えたミニタンシス
テム、ミリポア社より入手)により除去した。ブラック
カラー高分子ミセルの精製懸濁液を回転エバボレーター
中で約20mmHgの減圧下に溶媒の蒸発を行うことによっ
て100mlに濃縮した。透過型電子顕微鏡(TEM)
で測定したときの粒度は約20nmであった。TEMで測
定した染料を加える前の粒度は約20nmであり、粒子の
着色は測定方法の制限内で測定したときは粒度に影響し
てないことを示していた。
【0054】続いて、50mlの精製ブラックカラー高
分子ミセル懸濁液を回転エバボレーターを用いて約20
mmHgの減圧下に9ml容量に濃縮した。このブラック懸
濁液に2.42mlのエチレングリコールと4.1mlの水
を加えてブラックカラーインク組成物を調製した。この
ようにして調製したブラックインクを清掃したヒューレ
ットパッカードインクカートリッジに装填しヒューレッ
トパッカードデスクジェットインクジェットプリンター
で噴射させせ。プリントは平担紙(ゼロックス4024
(#19)紙、ゼロックス社より入手)およびシリカコ
ーテッド紙(ジュージョオ社より入手)上で形成した。
各場合において、得られたブラックプリントは許容し得
る光学濃度の固形領域を示した(コーテッド紙上1.2
2、4024紙/フェルト面上1.02、および4024
紙/ワイヤー面上0.98)。毛羽立ちは無コーティング
紙のフェルト面、ワイヤー面共に最小であった。さら
に、4024紙のプリントは4024紙(ワイヤー面)
上のプリント固形領域を2枚に切断し、1枚を水中で2
分間浸漬し、浸漬したシートを風乾し、浸漬紙および無
浸漬紙両方の光学濃度を測定することによって測定した
とき優れた水堅牢性を示した。水中で浸漬しなかったシ
ートの光学濃度は1.22であり、水中で2分間浸漬した
光学濃度は1.04であった。プリントヘッドの閉塞は長
時間のプリント試験において観察されなかった。
【0055】〔実施例6〕ブラックシリカ処理インク インク組成物を次のようにして調製した:675mlの
脱イオン水に12.2gのポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー(プルロニックF−38、BASF社より入
手)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌した。
続いて、3.1mlのテトラエトキシシラン(アルドリッ
チケミカル社より入手)をこの分散液に加え、混合物を
マグネチックスタラーで1時間激しく攪拌した。その
後、67.5mlの10.89モル水酸化アンモニウム水を
分散液に加え、混合物を1時間室温で攪拌した。25m
lの水中に溶解させた1.04gのバシレンPBRブラッ
クRL−SF染料(BASF社より入手)の溶液を10
0mlの上記シリカ処理ミセル分散液に加え、混合物を
一夜室温で攪拌した。次いで、過剰の未反応染料をブラ
ックシリカ処理高分子ミセルの分散液から限外濾過(2
枚の100Kポリスルホン膜を備えたミニタンシステ
ム、ミリポア社より入手)により除去した。ブラックカ
ラー高分子ミセルの精製懸濁液を回転エバボレーター中
で約20mmHgの減圧下に溶媒の蒸発を行うことによって
100mlに濃縮した。濃縮懸濁液を凍結乾燥させて0.
8gのブラック粉末を得た。透過型電子顕微鏡(TE
M)で測定したときの粒度は約80nmであった。
【0056】続いて、ブラックインク組成物を、超音波
浴中で0.5gの上記粉末を25mlの水と4mlのエチ
レングリコールとから調製した溶液中に2分間音波処理
により懸濁させてブラックカラーインク組成物を調製す
ることによって調製した。このようにして調製したブラ
ックインクを清掃したヒューレットパッカードインクカ
ートリッジに装填しヒューレットパッカードデスクジェ
ットインクジェットプリンターで噴射させせ。プリント
は平担紙(ゼロックス4024(#19)紙、ゼロック
ス社より入手)およびシリカコーテッド紙(ジュージョ
オ社より入手)上で形成した。各場合において、得られ
たブラックプリントは許容し得る光学濃度の固形領域を
示した(コーテッド紙上1.42、4024紙/フェルト
面上1.25、および4024紙/ワイヤー面上0.8
8)。毛羽立ちは無コーティング紙のフェルト面、ワイ
ヤー面共に最小であった。さらに、4024紙のプリン
トは4024紙(ワイヤー面)上のプリント固形領域を
2枚に切断し、1枚を水中で2分間浸漬し、浸漬したシ
ートを風乾し、浸漬紙および無浸漬紙両方の光学濃度を
測定することによって測定したとき優れた水堅牢性を示
した。水中で浸漬しなかったシートの光学濃度は1.42
であり、水中で2分間浸漬した光学濃度は1.14であっ
た。プリントヘッドの閉塞は長時間のプリント試験にお
いて観察されなかった。
【0057】〔実施例7〕ブラックシリカ処理インク インク組成物を次のようにして調製した:675mlの
脱イオン水に12.2gのポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー(プルロニックF−108、BASF社より入
手)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌した。
続いて、3.1mlのテトラエトキシシラン(アルドリッ
チケミカル社より入手)をこの分散液に加え、混合物を
マグネチックスタラーで1時間激しく攪拌した。その
後、67.5mlの10.89モル水酸化アンモニウム水を
分散液に加え、混合物を1時間室温で攪拌した。25m
lの水中に溶解させた1.04gのバシレンPBRブラッ
クRL−SF染料(BASF社より入手)の溶液を10
0mlの上記シリカ処理ミセル分散液に加え、混合物を
一夜室温で攪拌した。次いで、過剰の未反応染料をブラ
ックシリカ処理高分子ミセルの分散液から限外濾過(2
枚の100Kポリスルホン膜を備えたミニタンシステ
ム、ミリポア社より入手)により除去した。ブラックカ
ラー高分子ミセルの精製懸濁液を回転エバボレーター中
で約20mmHgの減圧下に溶媒の蒸発を行うことによって
100mlに濃縮した。濃縮懸濁液を凍結乾燥させて0.
68gのブラック粉末を得た。透過型電子顕微鏡(TE
M)で測定したときの粒度は約30nmであった。
【0058】続いて、ブラックインク組成物を、超音波
浴中で0.5gの上記ブラック粉末を25mlの水と4m
lのエチレングリコールとから調製した溶液中に2分間
の音波処理により懸濁させてブラックカラーインク組成
物を調製することによって調製した。このようにして調
製したブラックインクを清掃したヒューレットパッカー
ドインクカートリッジに装填しヒューレットパッカード
デスクジェットインクジェットプリンターで噴射させ
せ。プリントは平担紙(ゼロックス4024(#19)
紙、ゼロックス社より入手)およびシリカコーテッド紙
(ジュージョオ社より入手)上で形成した。各場合にお
いて、得られたブラックプリントは許容し得る光学濃度
の固形領域を示した(コーテッド紙上1.36、4024
紙/フェルト面上1.15、および4024紙/ワイヤー
面上0.98)。毛羽立ちは無コーティング紙のフェルト
面、ワイヤー面共に最小であった。さらに、4024紙
のプリントは4024紙(ワイヤー面)上のプリント固
形領域を2枚に切断し、1枚を水中で2分間浸漬し、浸
漬したシートを風乾し、浸漬紙および無浸漬紙両方の光
学濃度を測定することによって測定したとき優れた水堅
牢性を示した。水中で浸漬しなかったシートの光学濃度
は1.36であり、水中で2分間浸漬した光学濃度は1.3
1であった。プリントヘッドの閉塞は長時間のプリント
試験において観察されなかった。
【0059】〔実施例8〕ブラックシリカ処理インク インク組成物を次のようにして調製した:675mlの
脱イオン水に12.2gのポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー(プルロニックF−127、BASF社より入
手)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌した。
続いて、3.1mlのテトラエトキシシラン(アルドリッ
チケミカル社より入手)をこの分散液に加え、混合物を
マグネチックスタラーで1時間激しく攪拌した。その
後、67.5mlの10.89モル水酸化アンモニウム水を
分散液に加え、混合物を1時間室温で攪拌した。25m
lの水中に溶解させた1.04gのバシレンPBRブラッ
クRL−SF染料(BASF社より入手)の溶液を10
0mlの上記シリカ処理ミセル分散液に加え、混合物を
一夜室温で攪拌した。次いで、過剰の未反応染料をブラ
ックシリカ処理高分子ミセルの分散液から限外濾過(2
枚の100Kポリスルホン膜を備えたミニタンシステ
ム、ミリポア社より入手)により除去した。ブラックカ
ラー高分子ミセルの精製懸濁液を回転エバボレーター中
で約20mmHgの減圧下に溶媒の蒸発を行うことによって
100mlに濃縮した。濃縮懸濁液を凍結乾燥させて0.
75gのブラック粉末を得た。透過型電子顕微鏡(TE
M)で測定したときの粒度は約70nmであった。
【0060】続いて、ブラックインク組成物を、超音波
浴中で0.5gの上記ブラック粉末を25mlの水と4m
lのエチレングリコールとから調製した溶液中に2分間
の音波処理により懸濁させてブラックカラーインク組成
物を得ることによって調製した。このようにして調製し
たブラックインクを清掃したヒューレットパッカードイ
ンクカートリッジに装填しヒューレットパッカードデス
クジェットインクジェットプリンターで噴射させせ。プ
リントは平担紙(ゼロックス4024(#19)紙、ゼ
ロックス社より入手)およびシリカコーテッド紙(ジュ
ージョオ社より入手)上で形成した。各場合において、
得られたブラックプリントは許容し得る光学濃度の固形
領域を示した(コーテッド紙上1.16、4024紙/フ
ェルト面上1.25、および4024紙/ワイヤー面上1.
08)。毛羽立ちは無コーティング紙のフェルト面、ワ
イヤー面共に最小であった。さらに、4024紙のプリ
ントは4024紙(ワイヤー面)上のプリント固形領域
を2枚に切断し、1枚を水中で2分間浸漬し、浸漬した
シートを風乾し、浸漬紙および無浸漬紙両方の光学濃度
を測定することによって測定したとき優れた水堅牢性を
示した。水中で浸漬しなかったシートの光学濃度は1.1
6であり、水中で2分間浸漬した光学濃度は1.01であ
った。プリントヘッドの閉塞は長時間のプリント試験に
おいて観察されなかった。
【0061】〔実施例9〕ブラックシリカ処理インク インク組成物を次のようにして調製した:675mlの
脱イオン水に12.2gのポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー(プルロニックF−68、BASF社より入
手)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌した。
続いて、3.1mlのテトラエトキシシラン(アルドリッ
チケミカル社より入手)をこの分散液に加え、混合物を
マグネチックスタラーで1時間激しく攪拌した。その
後、67.5mlの10.89モル水酸化アンモニウム水を
分散液に加え、混合物を1時間室温で攪拌した。50m
lの水中に溶解させた1.10gのバシレンPBRブラッ
クRL−SF染料(BASF社)と0.90gのリアクテ
ィブオレンジ16染料(アルドリッチケミカル社より入
手)の溶液を200mlの上記シリカ処理ミセル分散液
に加え、混合物を一夜室温で攪拌した。次いで、過剰の
未反応染料をブラックシリカ処理高分子ミセルの分散液
から限外濾過(2枚の100Kポリスルホン膜を備えた
ミニタンシステム、ミリポア社より入手)により除去し
た。ブラックカラー高分子ミセルの精製懸濁液を回転エ
バボレーター中で約20mmHgの減圧下に溶媒の蒸発を行
うことによって100mlに濃縮した。濃縮懸濁液を凍
結乾燥させて0.75gの深黒色粉末を得た。透過型電子
顕微鏡(TEM)で測定したときの粒度は約25nmであ
った。
【0062】続いて、ブラックインク組成物を、超音波
浴中で0.5gの上記黒色粉末を25mlの水と4mlの
エチレングリコールとから調製した溶液中に2分間の音
波処理により懸濁させてブラックカラーインク組成物を
得ることによって調製した。このようにして調製したブ
ラックインクを清掃したヒューレットパッカードインク
カートリッジに装填しヒューレットパッカードデスクジ
ェットインクジェットプリンターで噴射させせ。プリン
トは平担紙(ゼロックス4024(#19)紙、ゼロッ
クス社より入手)およびシリカコーテッド紙(ジュージ
ョオ社より入手)上で形成した。各場合において、得ら
れたブラックプリントは許容し得る光学濃度の固形領域
を示した(コーテッド紙上1.54、4024紙/フェル
ト面上1.48、および4024紙/ワイヤー面上1.3
8)。毛羽立ちは無コーティング紙のフェルト面、ワイ
ヤー面共に最小であった。さらに、4024紙のプリン
トは4024紙(ワイヤー面)上のプリント固形領域を
2枚に切断し、1枚を水中で2分間浸漬し、浸漬したシ
ートを風乾し、浸漬紙および無浸漬紙両方の光学濃度を
測定することによって測定したとき優れた水堅牢性を示
した。水中で浸漬しなかったシートの光学濃度は1.46
であり、水中で2分間浸漬した光学濃度は1.31であっ
た。プリントヘッドの閉塞は長時間のプリント試験にお
いて観察されなかった。
【0063】〔実施例10〕ブラックシリカ処理インク インク組成物を次のようにして調製した:675mlの
脱イオン水に12.2gのポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコ
ポリマー(プルロニックF−68、BASF社より入
手)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌した。
続いて、3.1mlのテトラエトキシシラン(アルドリッ
チケミカル社より入手)をこの分散液に加え、混合物を
マグネチックスタラーで1時間激しく攪拌した。その
後、67.5mlの10.89モル水酸化アンモニウム水を
分散液に加え、混合物を1時間室温で攪拌した。50m
lの水中に溶解させた2.0gのバシレンPBRブラック
RL−SF染料(BASF社より入手)の溶液を100
mlの上記シリカ処理ミセル分散液に加え、混合物を一
夜室温で攪拌した。次いで、過剰の未反応染料をブラッ
クシリカ処理高分子ミセルの分散液から限外濾過(2枚
の100Kポリスルホン膜を備えたミニタンシステム、
ミリポア社より入手)により除去した。ブラックカラー
高分子ミセルの精製懸濁液を回転エバボレーター中で約
20mmHgの減圧下に溶媒の蒸発を行うことによって10
0mlに濃縮した。濃縮懸濁液を凍結乾燥させて0.83
gの深黒色粉末を得た。透過型電子顕微鏡(TEM)で
測定したときの粒度は約25nmであった。
【0064】50mlの水中に溶解させた2.0gのリア
クティブオレンジ染料(アルドリッチケミカル社より入
手)の溶液を上記シリカ処理ミセル100mlに加え、
混合物を一夜室温で攪拌した。過剰の未反応染料をこの
オレンジシリカ処理高分子ミセルの分散液から限外濾過
(2枚のポリスルホン膜を備えたミニタンシステム、ミ
リポア社より入手)により除去した。次いで、この精製
オレンジカラー高分子ミセル分散液を約20mmHgの減圧
下に回転エバボレーター中で溶媒の蒸発を行うことによ
り100mlに濃縮した。濃縮懸濁液を凍結乾燥させて
0.68gのオレンジ粉末を得た。透過型電子顕微鏡(T
EM)で測定したときの粒度は約25nmであった。
【0065】続いて、ブラックインク組成物を、超音波
浴中で0.25gの上記ブラック粉末および0.30gの上
記オレンジ粉末を25mlの水と4mlのエチレングリ
コールとから調製した溶液中に2分間音波処理により懸
濁させて深黒色カラーインク組成物を調製することによ
って調製した。このようにして調製したブラックインク
を清掃したヒューレットパッカードインクカートリッジ
に装填しヒューレットパッカードデスクジェットインク
ジェットプリンターで噴射させた。プリントは平担紙
(ゼロックス4024(#19)紙、ゼロックス社より
入手)およびシリカコーテッド紙(ジュージョオ社より
入手)上で形成した。各場合において、得られたブラッ
クプリントは許容し得る光学濃度の固形領域を示した
(コーテッド紙上1.52、4024紙/フェルト面上1.
44、および4024紙/ワイヤー面上1.28)。毛羽
立ちは無コーティング紙のフェルト面、ワイヤー面共に
最小であった。さらに、4024紙のプリントは402
4紙(ワイヤー面)上のプリント固形領域を2枚に切断
し、1枚を水中で2分間浸漬し、浸漬したシートを風乾
し、浸漬紙および無浸漬紙両方の光学濃度を測定するこ
とによって測定したとき優れた水堅牢性を示した。水中
で浸漬しなかったシートの光学濃度は1.37であり、水
中で2分間浸漬した光学濃度は1.15であった。プリン
トヘッドの閉塞は長時間のプリント試験において観察さ
れなかった。
【0066】〔実施例11〕レッドインク インク組成物を次のようにして調製した:91mlの脱
イオン水に1.64gのポリエチレンオキサイド−ポリプ
ロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドブロック
コポリマー(プルロニックF−68、BASF社より入
手した)を加え、得られた分散液を室温で2時間攪拌し
た。続いて、9.02mlの11.09モル水酸化アンモニ
ウム水をに加え、混合物をさらに1時間室温で攪拌し
た。続いて、40mlの水中に溶解させた3.0gのプロ
シオンイエローMX−8G染料(ICI社より入手)と
2.5gのレバフィックスブリリアントレッドEGBAと
の溶液を分散液に加え、混合物を室温で一夜攪拌した。
このようにして調製したカラー高分子ミセル分散液を脱
イオン水を加えて500mlに希釈し、過剰の未反応染
料を限外濾過(2枚の100Kポリスルホン膜を備えた
ミニタンシステム、ミリポア社より入手)により除去し
た。次に、このレッドカラー高分子ミセルの精製懸濁液
を減圧下に回転エバボレーター中で溶媒蒸発を行うこと
によって85mlに濃縮した。
【0067】このレッドカラー高分子ミセル精製濃縮懸
濁液に、3.7mlのエチレングリコールを加えてレッド
カラーインク組成物を調製した。このようにして調製し
たレッドインクを清掃したヒューレットパッカードイン
クカートリッジに装填し、ヒューレットパッカードデス
クジェットインクプリンターで噴射した。プリントは平
担紙(ゼロックス4024(#19)紙、ゼロックス社
より入手)、シリカコーテッド紙(ジュージョオ社より
入手)、および透明体材料(3R3351、ゼロックス
社より入手)上で形成させた。各場合において、得られ
たレッドプリントは許容し得る光学濃度の固形領域を示
した(コーテッド紙上1.09、4024紙/フェルト面
上1.02、4024紙/ワイヤー面上0.65、および透
明体上0.98)。毛羽立ちは無コーティング紙のフェル
ト面、ワイヤー面共に最小であった。さらに、4024
平担紙のプリントは、4024紙(ワイヤー面)上のプ
リント固形領域を2枚に切断し、1枚を水中で2分間浸
漬し、この浸漬シートを風乾し、浸漬紙および無浸漬紙
の両方の光学濃度を測定することによって測定したと
き、優れた水堅牢性を示した。水中で浸漬しなかったシ
ートの光学濃度は1.02であり、水中で2分間浸漬した
シートの光学濃度は0.85であった。プリントヘッドの
閉塞は長時間のプリント試験において観察されなかっ
た。
【0068】〔実施例12〕蛍光シリカ処理インク A.反応性蛍光染料の調製 反応性蛍光染料を次のようにして調製した:アセトン
(50ml)中塩化シアヌル(9.96g、54ミリモ
ル、イーストマンコダックケミカルズ社より入手)の溶
液を激しく攪拌中の水(500ml)中に5℃で加え
た。得られた微細分散懸濁液に、4,4′−ジアミノス
チルベン−2,2′−ジスルホン酸、ジナトリウム塩の
溶液〔10.0g、127ミリモル、4,4′−ジアミノ
スチルベン−2,2′−ジスルホン酸(10.0g、イー
ストマンコダックケミカルズ社より入手)と水酸化ナト
リウム(2.174g)とから水(250ml)中で調
製〕を滴下しながら加えた。反応混合物の温度は添加の
間5℃に維持した。反応混合物のpHはNa2 CO3 の分
割添加(総添加量4.08g)によりてより高い値に維持
した。添加終了後に、反応混合物を5℃で30分間攪拌
した。続いて、塩化ナトリウム(100g)を混合物に
加えた。得られた固形物を濾過により分離し、アセトン
で洗浄し、50℃で一夜真空乾燥させて15.7gの生成
物を得た。反応式は下記とおりである:
【0069】
【化11】 B.シリカ処理蛍光粒子の調製 1350mlの脱イオン水に、24.4gのポリエチレン
オキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキ
シドブロックコポリマー(プルロニックF−68、BA
SF社より入手)と6.2mlのテトラエトキンシランを
加え、得られた分散液を室温で2時間激しく攪拌した。
その後、135mlの11モル水酸化アンモニウム水を
混合物に加え、混合物を一夜室温で攪拌した。続いて、
本実施例のパラグラフ(A)で述べたようにして調製し
た12.5mlの水中1.0gの4,4′−ジ−(4″,
6″−ジクロロ−2,4,6−トリアジン−2−イル)
−アミノスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、ジナト
リウム塩の懸濁液をシリカ処理凝集物を含有する混合物
の100mlアリコートに加え、得られた混合物を一夜
室温で攪拌した。過剰の未反応染料を限外濾過(2枚の
30Kポリスルホン膜を備えたミリポア社からのミニタ
ンシステム)によって除去した。精製混合物を室温真空
下での水の蒸発により30mlに濃縮した。 C.蛍光インクの調製 インク組成物を、本実施例のパラグラフ(B)で得たわ
ずかに黄色の高蛍光溶液9mlに1mlのエチレングリ
コールを加えることによって調製した。得られた溶液を
0.45ミクロンフィルターにより濾過してインクを得
た。 D.プリンティング試験 本実施例のパラグラフ(C)で述べたようにして調製し
たインクを清掃したヒューレットパッカードインクカー
トリッジに装填し、ヒューレットパッカードデスクジェ
ットプリンターで噴射し、プリントをゼロックス402
4紙(#19、フェルトおよびワイヤー面)上およびス
トラスモアペーパー社より入手したストラスモア記録用
ボンド紙上に形成させた。すべての場合において、得ら
れたプリントは目に見えなかったが254nmまたは36
6nmで発光する紫外線ランプ下で露光させたときは強く
蛍光していた。極めて高コントラストがボンド紙(非蛍
光紙)上にプリントした像において観察された。コント
ラストは4024紙上の像において低目であり、この紙
は蛍光光沢剤を含有するが、像は容易に検出できた。プ
リントの毛羽立ちは紙のフェルト面またはワイヤー面の
いずれにおいても観察されなかった。両紙上のプリント
は次のテストによって試験したとき極めて高い水堅牢性
を示した:プリント固形領域を2つの部分にカットし、
半分を水中で2分間浸漬し次いで風乾させた。両半分か
らの蛍光発光をSPEX蛍光分光計で測定した。蛍光強
度の低下は未処理の半分と比較して洗浄した半分におい
ても検出されなかった。
【0070】〔実施例13〕蛍光シリカ処理粒子を含有するカラーインク A.シリカ処理蛍光粒子の調製 1350mlの脱イオン水に、24.4gのポリエチレン
オキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキ
シドブロックコポリマー(プルロニックF−68、BA
SF社より入手)と6.2mlのテトラエトキンシランを
加え、得られた分散液を室温で2時間激しく攪拌した。
その後、135mlの11モル水酸化アンモニウム水を
混合物に加え、混合物を一夜室温で攪拌した。続いて、
実施例12のパラグラフ(A)で述べたようにして調製
した100mlの水中8.0gの4,4′−ジ−(4″,
6″−ジクロロ−2,4,6−トリアジン−2−イル)
−アミノスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、ジナト
リウム塩の懸濁液をシリカ処理凝集物を含有する混合物
の800mlアリコートに加え、得られた混合物を一夜
室温で攪拌した。過剰の未反応染料を限外濾過(2枚の
30Kポリスルホン膜を備えたミリポア社からのミニタ
ンシステム)によって除去し、蛍光粒子を凍結乾燥によ
り単離し、わずかに黄色の高蛍光性の自由流動粉末(1
1.8g、4,4′−ジアミノスチルベン−2,2′−ジ
スルホン酸、ジナトリウム塩をモデル化合物として用い
た342nmでのUV吸収から約9.5重量%の蛍光染料を
含有している)を得た。 B.シリカ処理蛍光粒子を含有するマゼンタインクの調
マゼンタインクを、35.0gのプロジェット(Projet)
マゼンタ染料(ICIアメリカズ社より入手)、0.51
gのピラゾール(アルドリッチケミカル社より入手)、
1.07gのディスコール(Discole )N−506(ダイ
イチコーギョウセイヤク社より入手)、および69.53
gの蒸留水とを一緒に混合することによって調製した。
9.0mlのこのインクに、本実施例のパラグラフ(A)
で述べたようにして調製した0.5gの蛍光粒子を加え、
得られた混合物を2時間攪拌し次いで0.45ミクロンフ
ィルターにより濾過して蛍光粒子を含有するマゼンタイ
ンクを得た。比較を目的として、蛍光粒子を含有しない
以外は同一の組成を有するマゼンタインクも調製した。 C.シリカ処理蛍光粒子を含有するシアンインクの調製 シアンインクを、30.03gのプロジェットシアン染料
(ICIアメリカズ社より入手)、0.46gのピラゾー
ル(アルドリッチケミカル社より入手)、1.0gのディ
スコールN−506(ダイイチコーギョウセイヤク社よ
り入手)、および65.6gの蒸留水とを一緒に混合する
ことによって調製した。9.0mlのこのインクに、本実
施例のパラグラフ(A)で述べたようにして調製した0.
50gの蛍光粒子を加え、得られた混合物を2時間攪拌
し次いで0.45ミクロンフィルターで濾過し、蛍光粒子
を含有するシアンインクを得た。比較を目的として、蛍
光粒子を含有しない以外は同一の組成を有するシアンイ
ンクも調製した。 D.プリティング試験 本実施例のパラグラフ(B)および(C)で述べたよう
にして調製した各インクを清掃したヒューレットパッカ
ードインクカートリッジに装填し、ヒューレットパッカ
ードデスクジェットプリンターで噴射し、プリントをス
トラスモアペーパー社より入手したストラスモア記録用
ボンド紙(25%コットン紙)上およびフジゼロックス
社より入手したフジゼロックスL、紙上に形成させた。
通常の光条件下では、上記蛍光粒子を含有するインクで
作製したプリントは蛍光粒子を含有しない同じカラーの
インクで作製したプリントと有意に異なってなく、蛍光
粒子はプリント品質上に有害な効果を与えなかったこと
を示した。しかしながら、254nmまたは366nmで発
光させた紫外線で観察したときには、蛍光粒子を含有す
るインクで作製した各プリントは高度に蛍光性であった
が、蛍光粒子を含有しない同じカラーのインクで作製し
たプリントは全く蛍光しなかった。これらの結果は多量
の染料の存在下での標識粒子の蛍光を検知できることを
示す。極めて高いコントラストが蛍光像において観察さ
れた。蛍光粒子を含有するインクで作製した各プリント
は次の試験により試験したとき極めて高い水堅牢性を示
した:プリントした固形領域を2つの部分にカットし、
半分を水中で2分間浸漬し次いで風乾させた。両半分か
らの蛍光発光をSPEX蛍光分光計で測定し、両半分の
光学濃度をマクベスTR927濃度計で測定した。結果
は次のとおりである: インク 光 学 濃 度 蛍 光 強 度 洗浄前 洗浄後 %残留 洗浄前 洗浄後 %残留 マゼンタ蛍光 0.87 0.43 33 1.9×105 4.8×105 152.6 マゼンタ蛍光なし 1.27 0.42 49 0 0 − シアン蛍光 1.00 0.56 56 1.2×105 6.5×105 441.7 シアン蛍光なし 1.12 0.61 54 0 0 − 〔実施例14〕蛍光インク A.蛍光粒子の調製 1350mlの脱イオン水に、24.4gのポリエチレン
オキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキ
サイドブロックコポリマー(プルロニックF−68、B
ASF社より入手)と6.2mlのテトラエトキンシラン
を加え、得られた分散液を室温で2時間激しく攪拌し
た。その後、135mlの11モル水酸化アンモニウム
水を混合物に加え、混合物を一夜室温で攪拌した。続い
て、実施例12のパラグラフ(A)で述べたようにして
調製した12.5mlの水中1.0gの4,4′−ジ−
(4″,6″−ジクロロ−2,4,6−トリアジン−2
−イル)−アミノスチルベン−2,2′−ジスルホン
酸、ジナトリウム塩の懸濁液を凝集物を含有する混合物
の100mlアリコートに加え、得られた混合物を一夜
室温で攪拌した。過剰の未反応染料を限外濾過(2枚の
30Kポリスルホン膜を備えたミリポア社からのミニタ
ンシステム)によって除去した。精製混合物を室温真空
下での水の蒸発により30mlに濃縮した。 B.蛍光インクの調製 インク組成物を、本実施例のパラグラフ(A)で得たわ
ずかに黄色の高蛍光溶液9mlに1mlのエチレングリ
コールを加えることによって調製した。得られた溶液を
0.45ミクロフィルターにより濾過してインクを得た。 C.プリンティング試験 本実施例のパラグラフ(B)で述べたようにして調製し
たインクを清掃したヒューレットパッカードインクカー
トリッジに装填し、ヒューレットパッカードデスクジェ
ットプリンターで噴射し、プリントをゼロクッス402
4紙(#19、フェルトおよびワイヤー面)上およびス
トラスモアペーパー社より入手したストラスモア記録用
ボンド紙(25%コットン繊維)上に形成させた。すべ
ての場合において、得られたプリントは目に見えなかっ
たが254nmまたは366nmで発光する紫外線ランプ下
で露光させたときは強く蛍光していた。極めて高コント
ラストがボンド紙(非蛍光紙)上にプリントした像にお
いて観察された。コントラストは4024紙上の像にお
いて低目であり、この紙は蛍光光沢剤を含有するが、像
は容易に検出できた。プリントの毛羽立ちは紙のフェル
ト面またはワイヤー面のいずれにおいても観察されなか
った。両紙上のプリントは次のテストによって試験した
とき極めて高い水堅牢性を示した:プリント固形領域を
2つの部分にカットし、半分を水中で2分間浸漬し次い
で風乾させた。両半分からの蛍光発光をSPEX蛍光分
光計で測定した。蛍光強度の低下は未処理の半分と比較
して洗浄した半分においても検出されなかった。
【0071】〔実施例15〕蛍光インク A.蛍光粒子の調製 1350mlの脱イオン水に、24.4gのポリエチレン
オキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキ
シドブロックコポリマー(プルロニックF−68、BA
SF社より入手)と6.2mlのテトラエトキシシランを
加え、得られた分散液を室温で2時間激しく攪拌した。
その後、135mlの11モル水酸化アンモニウム水を
混合物に加え、混合物を一夜室温で攪拌した。続いて、
実施例12のパラグラフ(A)で述べたようにして調製
した100mlの水中8.0gの4,4′−ジ−(4″,
6″−ジクロロ−2,4,6−トリアジン−2−イル)
−アミノスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、ジナト
リウム塩の懸濁液を凝集物を含有する混合物の800m
lアリコートに加え、得られた混合物を一夜室温で攪拌
した。過剰の未反応染料を限外濾過(2枚の30Kポリ
スルホン膜を備えたミリポア社からのミニタンシステ
ム)によって除去し、蛍光粒子を凍結乾燥により単離し
てわずかに黄色の高蛍光性の自由流動性粉末(10.2
g、4,4′−シアミノスチルベン−2,2′−ジスル
ホン酸、ジナトリウム塩をモデル化合物として用いた3
42nmでのUV吸収から約10.2重量%の蛍光染料を含
有している)を得た。 B.蛍光粒子を含有するマゼンタインクの調製 マゼンタインクを、35.0gのプロジェット(Projet)
マゼンタ染料(ICIアメリカズ社より入手)、0.51
のピラゾール(アルドリッチケミカル社より入手)、1.
07gのディスコール(Discole )N−506(ダイイ
チコーギョウセイヤク社より入手)、および69.53g
の蒸留水とを一緒に混合することによって調製した。9.
0mlのこのインクに、本実施例のパラグラフ(A)で
述べたようにして調製した0.5gの蛍光粒子を加え、得
られた混合物を2時間攪拌し次いで0.45ミクロンフィ
ルターにより濾過して蛍光粒子を含有するマゼンタイン
クを得た。比較を目的として、蛍光粒子を含有しない以
外は同一の組成を有するマゼンタインクも調製した。 C.プリンティング試験 本実施例のパラグラフ(B)で述べたようにして調製し
たインクを清掃したヒューレットパッカードインクカー
トリッジに装填し、ヒューレットパッカードデスクジェ
ットプリンターで噴射し、プリントをストラスモアペー
パー社より入手したストラスモア記録用ボンド紙(25
%コットン紙)上およびフジゼロックス社より入手した
フジゼロックスL、紙上に形成させた。通常の光条件下
では、上記蛍光粒子を含有するインクで作製したプリン
トは蛍光粒子を含有しない同じカラーのインクで作製し
たプリントと有意に異なってなく、蛍光粒子はプリント
品質上に有害な効果を与えなかったことを示した。しか
しながら、254nmまたは366nmで発光させた紫外線
で観察したときには、蛍光粒子を含有するインクで作製
したプリントは高度に蛍光性であったが、蛍光粒子を含
有しない同じカラーのインクで作製したプリントは全く
蛍光しなかった。これらの結果は大量の染料の存在下で
の標識粒子の蛍光を検知し得ることを示している。極め
て高いコントラストと水堅牢性がこれらの蛍光像におい
て観察された。
【0072】〔実施例16〕蛍光シリカ処理インク A.反応性蛍光染料の調製 反応性蛍光染料を次のようにして調製した:シアヌル酸
(0.54g、2.9ミリモル、イーストマンコダックケミ
カルズ社より入手)のアセトン(3ml)中溶液を激し
く攪拌させた炭酸ナトリウム(0.62g、5.85ミリモ
ル、フィッシャーケミカルズ社より入手)、ダンシルリ
シン(1.003g、2.64ミリモル、モレキュラープロ
ーブス社より入手)および水酸化ナトリウム(0.2g)
を含有する水(100ml )に5℃で加えた。反応混合
物の温度は添加の間5℃に維持した。添加終了時に、反
応混合物を5℃で2時間攪拌した。続いて、反応混合物
を0℃に冷却し、塩酸(1ml 、10%)を混合物に加
えた。得られた固形物を濾別し、氷冷水(15ml )で
2回洗浄し、50℃で一夜真空乾燥させて1.4gの生成
物を得た。反応式は次のとおりである。
【0073】
【化12】 B.シリカ処理蛍光粒子の調製 1350ml の脱イオン水に、24.4gのポリエチレン
オキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキ
シドブロックコポリマー(プルロニックF−68、BA
SF社より入手)と6.2ml のテトラエトキシシランを
加え、得られた分散液に室温で2時間激しく攪拌した。
その後、135ml の11モル水酸化アンモニウム水を
混合物に加え、混合物を一夜室温で攪拌した。続いて、
本実施例のパラグラフ(A)で述べたようにして調製し
た12.5ml の水中0.99gのN−(4,6′−ジクロ
ロ−3,4,5,−トリアジン−2−イル)−N−ε−
(5″−ジメチルアミノ−1″−ナフタレンスルホニ
ル)−リシンの懸濁液をシリカ処理凝集物を含有する混
合物の100ml アリコートに加え、得られた混合物を
一夜室温で攪拌した。過剰の未反応染料を限外濾過(2
枚の30Kポリスルホン膜を備えたミリポア社からのミ
ニタンシステム)によって除去した。精製混合物を室温
真空下での水の蒸発により30ml に濃縮した。蛍光粒
子を凍結乾燥により単離し、わずかに黄色の高蛍光性自
由流動性粉末(1.64g、ダンシルリシンをモデル化合
物として用いた329nmでのUV吸収から約29重量%
の蛍光顔料を有している)を得た。 C.蛍光インクの調製 インク組成物を本実施例のパラグラフ(B)で述べたよ
うにして調製したわずかに黄色の高蛍光粒子0.5gを含
有する水9ml に1ml のエチレングリコールを加える
ことによって調製した。得られた溶液を0.45ミクロン
フィルターで濾過してインクを得た。 D.プリンティング試験 本実施例のパラグラフ(C)で述べたようにして調製し
たインクを清掃したヒューレットパッカードインクカー
トリッジに装填し、ヒューレットパッカードデスクジェ
ットプリンターで噴射し、プリントをゼロックス社より
入手できるゼロックス4024紙(#19、フェルトお
よびワイヤー面)上およびストラスモアペーパー社より
入手したストラスモア記録用ボンド紙(25%コットン
繊維)上に形成させた。すべての場合において、得られ
たプリントは目に見えなかったが254nmまたは366
nmで発光する紫外線ランプ下で露光させたときは強く蛍
光していた。極めて高コントラストがボンド紙(非蛍光
紙)上にプリントした像において観察された。コントラ
ストは4024紙上の像において低目であり、この紙は
蛍光光沢剤を含有するが、像は容易に検出できた。プリ
ントの毛羽立ちは紙のフェルト面またはワイヤー面のい
ずれかにおいても観察されなかった。両紙上のプリント
は次のテストによって試験したとき極めて高い水堅牢性
を示した:プリント固形領域を2つの部分にカットし、
半分を水中で2分間浸漬し次いで風乾させた。両半分か
らの蛍光発光をSPEX蛍光分光計で測定した。蛍光強
度の低下は未処理の半分と比較して洗浄した半分におい
ても検出されなかった。
【0074】〔実施例17〕 蛍光領域を含有するレッドインク レッドインク組成物を実施例11で述べたようにして調
製した。このようにして調製したインクに、80ml の
実施例14のパート(A)で述べたようにして調製した
蛍光領域の溶液を加えた。得られた混合物を攪拌して均
質溶液を得、レッド粒子と実質的に無色の蛍光粒子を含
有するインクを得た。
【0075】〔実施例18〕蛍光シリカ処理粒子を含有するシアンインク シアンインク組成物を実施例1で述べたようにして調製
した。このようにして調製したインクに、80ml の実
施例12のパート(B)で述べたようにして調製した蛍
光シリカ処理粒子の溶液を加えた。得られた混合物を攪
拌して均質溶液を得、シアン粒子と実質的に無色の蛍光
シリカ処理粒子を含有するインクを得た。
【0076】〔実施例19〕蛍光粒子を含有するマゼンタシリカ処理インク マゼンタシリカ処理インク組成物を実施例4で述べたよ
うにして調製した。このようにして調製したインクの9.
0ml に、実施例15のパート(A)で述べたようにし
て調製した蛍光粒子の0.50gを加えた。得られた混合
物を攪拌して均質溶液を得、マゼンタシリカ処理粒子と
実質的に無色の蛍光粒子を含有するインクを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール ジェイ ガロア カナダ エム4イー 2ビー9 オンタ リオ トロント ジェラード ストリー ト イースト 2095 (72)発明者 アントニー アール ディヴィッドソン カナダ オンタリオ トロント ハーヴ ァード アベニュー 46 (72)発明者 ジョン ダブリュー ピー リン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14580 ウェブスター オーストロム パーク 1133 (72)発明者 メルヴィン ディー クローチャー カナダ オンタリオ オークヴィル ブ レーナム クレッセント 532 (56)参考文献 特開 平2−103274(JP,A) 特開 昭57−16076(JP,A) 特表 昭58−501862(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性液体ベヒクルと平均直径100nm以
    下の粒子とを含み、該粒子が式ABA(式中、Aは親水
    性セグメントを示し、Bは疎水性セグメントを示す)の
    ブロックコポリマーのミセルを含み、染料分子が該ミセ
    ルに共有結合されており、該染料分子は可視波長範囲外
    の放射に露光させたときに検知し得ることを特徴とする
    インク組成物。
  2. 【請求項2】 水性液体ベヒクルと平均直径100nm以
    下のカラー粒子とを含み、該粒子が式ABA(式中、A
    は親水性セグメントを示し、Bは疎水性セグメントを示
    す)のブロックコポリマーのミセルを含み、染料分子が
    該ミセルに共有結合されていることを特徴とするインク
    組成物。
  3. 【請求項3】 (1)水に式ABA(式中、Aは親水性
    セグメントを示し、Bは疎水性セグメントを示す)のブ
    ロックコポリマーを加え、それによって該ブロックコポ
    リマーのミセル分散液を調製し、(2)水溶性塩基を該
    分散液に加え、それによって該分散液の pHを少なくと
    も8とし、(3)該分散液に、水と該ブロックコポリマ
    ーと反応し得る反応性染料とを含む溶液を加え、それに
    よってカラー高分子ミセルを調製し、(4)該カラーミ
    セルを水性液体ベヒクルと混合してインク組成物を調製
    することを特徴とするインク調製方法。
  4. 【請求項4】 (1)水に式ABA(式中、Aは親水性
    セグメントを示し、Bは疎水性セグメントを示す)のブ
    ロックコポリマーを加え、それによって該ブロックコポ
    リマーのミセル分散液を調製し、(2)テトラアルコキ
    シシランを該分散液と混合し、それによって該ミセル内
    にシリカを沈降させ、(3)水溶性塩基を該分散液に加
    え、それによって該分散液の pHを少なくとも8とし、
    それによって該分散液内にシリカを沈降させ、(4)該
    分散液に、水と該ブロックコポリマーと反応し得る反応
    性染料とを含む溶液を加え、それによって沈降シリカを
    含むカラー高分子ミセルを調製し、(5)得られたカラ
    ーミセルを液体ベヒクルと混合してインク組成物を調製
    することを特徴とするインク調製方法。
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