JP2956996B2 - 杭菌性アルミノシリケート、その製造法およびこれを用いた樹脂組成物 - Google Patents
杭菌性アルミノシリケート、その製造法およびこれを用いた樹脂組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、非ゼオライト構造の結晶性又は非晶性の無
水アルミノシリケートに係る無機質抗菌剤、その製造方
法および該抗菌剤を含有する樹脂組成物に関する。
水アルミノシリケートに係る無機質抗菌剤、その製造方
法および該抗菌剤を含有する樹脂組成物に関する。
[従来の技術] 従来、ゼオライトを担体として、これに抗菌性金属イ
オンをイオン交換によって吸着担持させてなる抗菌性ゼ
オライトは周知であり、就中、銀イオン担持ゼオライト
は抗菌性が優れていることから、近時その開発が盛んに
なっている。
オンをイオン交換によって吸着担持させてなる抗菌性ゼ
オライトは周知であり、就中、銀イオン担持ゼオライト
は抗菌性が優れていることから、近時その開発が盛んに
なっている。
例えば、特開昭60−181002号公報には、天然ゼオライ
トもしくは合成ゼオライト中のイオン交換可能なイオン
の一部または多くの部分を銀、銅、亜鉛等の金属イオン
で交換して得られる抗菌性ゼオライトが開示され、ま
た、特開昭63−26580号公報や特開平1−257124号公報
ではゼオライト中のイオン交換可能なイオンをそれぞれ
アンモニウムと抗菌性金属イオンあるいはアルカリ土類
金属等と抗菌性金属イオンで置換して得られる抗菌性ゼ
オライトが提案されている。
トもしくは合成ゼオライト中のイオン交換可能なイオン
の一部または多くの部分を銀、銅、亜鉛等の金属イオン
で交換して得られる抗菌性ゼオライトが開示され、ま
た、特開昭63−26580号公報や特開平1−257124号公報
ではゼオライト中のイオン交換可能なイオンをそれぞれ
アンモニウムと抗菌性金属イオンあるいはアルカリ土類
金属等と抗菌性金属イオンで置換して得られる抗菌性ゼ
オライトが提案されている。
また、ゼオライトの前駆体である非晶質含水アルミノ
シリケートや天然の層状珪酸塩に抗菌性金属イオンを担
持したシリケート系の無機質抗菌剤も知られている。
シリケートや天然の層状珪酸塩に抗菌性金属イオンを担
持したシリケート系の無機質抗菌剤も知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、特に、銀イオンを担持した抗菌性ゼオ
ライトにあっては、しばしばそれ自体が淡黄色ないし灰
褐色に着色し易く、これを合成樹脂やゴムなどに添加配
合すると加工温度との影響も加わって好ましくない着色
を与え、その商品価値を著しく損なう欠点がある。
ライトにあっては、しばしばそれ自体が淡黄色ないし灰
褐色に着色し易く、これを合成樹脂やゴムなどに添加配
合すると加工温度との影響も加わって好ましくない着色
を与え、その商品価値を著しく損なう欠点がある。
近時この種の抗菌性ゼオライトは、持続性のある優れ
た抗菌作用を有することから代表的な無機質抗菌剤とし
てその用途開発が急速に進められ、抗菌性ゼオライトの
粉末自体は、耐変色性が比較的改善されてきた。また幸
いにもこれを配合した樹脂コンパウンドの選択の努力に
より加工後の着色もある程度回避されてきた。
た抗菌作用を有することから代表的な無機質抗菌剤とし
てその用途開発が急速に進められ、抗菌性ゼオライトの
粉末自体は、耐変色性が比較的改善されてきた。また幸
いにもこれを配合した樹脂コンパウンドの選択の努力に
より加工後の着色もある程度回避されてきた。
しかしながら、このような抗菌性ゼオライトに限ら
ず、シリケート系の抗菌剤は合成樹脂に配合した場合、
次第に経時変化により着色する欠点があり、これを改善
するに至ってはいない。このような着色現象は、露光に
より著しく促進される傾向にある。特に抗菌性ゼオライ
トを配合した樹脂組成物の成型品を蛍光燈に曝すと速や
かに変色するのでその商品価値は著しく損われる。
ず、シリケート系の抗菌剤は合成樹脂に配合した場合、
次第に経時変化により着色する欠点があり、これを改善
するに至ってはいない。このような着色現象は、露光に
より著しく促進される傾向にある。特に抗菌性ゼオライ
トを配合した樹脂組成物の成型品を蛍光燈に曝すと速や
かに変色するのでその商品価値は著しく損われる。
このような銀ゼオライトの褐変色現象は、銀イオンの
有する化学作用に基づくと共に加熱下での樹脂への配合
や成型加工に際して樹脂の劣化を促進させるということ
に原因があると考えられている。
有する化学作用に基づくと共に加熱下での樹脂への配合
や成型加工に際して樹脂の劣化を促進させるということ
に原因があると考えられている。
かかる着色現象を抑制するため、例えば前記のような
アンモニウムイオンを担持させたり、アミン錯体イオン
を担持させることが知られている。他の方法としては、
紫外線防止剤と併用することも提案されている。
アンモニウムイオンを担持させたり、アミン錯体イオン
を担持させることが知られている。他の方法としては、
紫外線防止剤と併用することも提案されている。
しかしながら、これまでの多くの開発努力にも拘らず
銀イオンを担持した抗菌性ゼオライトにつき、着色を抑
制した安定なものを商業的に提供できるまでの技術開発
はなされていない。
銀イオンを担持した抗菌性ゼオライトにつき、着色を抑
制した安定なものを商業的に提供できるまでの技術開発
はなされていない。
本発明は、このような課題を解決した無機質抗菌剤を
提供するところにその目的がある。
提供するところにその目的がある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、叙上の事実に鑑み、これを解決すべく
多くの研究を重ねた結果、抗菌性ゼオライト自体の変色
やその経時変化は抗菌性金属イオン、特に担持した銀イ
オンと他の金属イオンとの相互関係、ゼオライト中に残
留するNa2O成分およびこれらカチオンのイオン交換性が
支配的であるとの知見に基づいて、耐変色性のある無機
質抗菌剤の開発に成功し本発明を完成した。
多くの研究を重ねた結果、抗菌性ゼオライト自体の変色
やその経時変化は抗菌性金属イオン、特に担持した銀イ
オンと他の金属イオンとの相互関係、ゼオライト中に残
留するNa2O成分およびこれらカチオンのイオン交換性が
支配的であるとの知見に基づいて、耐変色性のある無機
質抗菌剤の開発に成功し本発明を完成した。
すなわち、本発明が提供しようとする無機質抗菌剤は
変色抵抗性を有する非ゼオライト系のアルミノシリケー
トに係り、その特徴とするところは、次の一般式 [(Ag2O)x(M′O)y(M″2O)z]A2O3・mSi
O2[式中、x,y,zがそれぞれ0.8≦x+y+z≦1.2、0
<x≦0.2、0≦y≦1、z≦0.7、mは1.8≦m≦10の
範囲のモル数、M′は周期律表II A族、I B族、II B族
に属する2価金属、M″はアルカリ金属を表わす]で表
わされる非ゼオライト構造の結晶性又は非晶性の無水ア
ルミノシリケートに係る。
変色抵抗性を有する非ゼオライト系のアルミノシリケー
トに係り、その特徴とするところは、次の一般式 [(Ag2O)x(M′O)y(M″2O)z]A2O3・mSi
O2[式中、x,y,zがそれぞれ0.8≦x+y+z≦1.2、0
<x≦0.2、0≦y≦1、z≦0.7、mは1.8≦m≦10の
範囲のモル数、M′は周期律表II A族、I B族、II B族
に属する2価金属、M″はアルカリ金属を表わす]で表
わされる非ゼオライト構造の結晶性又は非晶性の無水ア
ルミノシリケートに係る。
以下、本発明につき詳述する。
前記のように、本発明に係る無機質抗菌剤は、結晶性
又は非晶性の無水アルミノシリケート系の白色粉である
が、結晶性アルミノシリケートは、ゼオライト結晶構造
を持っていないところに1つの特徴がある。
又は非晶性の無水アルミノシリケート系の白色粉である
が、結晶性アルミノシリケートは、ゼオライト結晶構造
を持っていないところに1つの特徴がある。
すなわち、本発明に係る無機質抗菌剤は、後記のよう
に特定な組成をもつ抗菌性ゼオライトを原料とするもの
であるが、これをゼオライト結晶構造が実質的に破壊さ
れるに至るまで加熱焼成して、非晶質化するか又は他の
結晶構造に転換されてなるものである。
に特定な組成をもつ抗菌性ゼオライトを原料とするもの
であるが、これをゼオライト結晶構造が実質的に破壊さ
れるに至るまで加熱焼成して、非晶質化するか又は他の
結晶構造に転換されてなるものである。
結晶鉱物としては、原料の抗菌性ゼオライトの化学組
成によって様々であるが、例えば、ネフェリン(Na2O・
A2O3・2SiO2)、アノーサイト(CaO・A2O3・4SiO
2)、カーネギアイト(Na2・OA2O3・2SiO2)、あるい
はガーナイト(ZnO・A2O3)等がX線回折により認め
られる。
成によって様々であるが、例えば、ネフェリン(Na2O・
A2O3・2SiO2)、アノーサイト(CaO・A2O3・4SiO
2)、カーネギアイト(Na2・OA2O3・2SiO2)、あるい
はガーナイト(ZnO・A2O3)等がX線回折により認め
られる。
なお、上記において、ゼオライト結晶構造が実質的に
破壊されたとは、いわゆるゼオライト結晶が有するイオ
ン交換作用を実質的に示さない性質を言ったものであ
り、X線回折的にみてゼオライト結晶の最強回折線が多
少認められたものであっても差支えないことを意味す
る。
破壊されたとは、いわゆるゼオライト結晶が有するイオ
ン交換作用を実質的に示さない性質を言ったものであ
り、X線回折的にみてゼオライト結晶の最強回折線が多
少認められたものであっても差支えないことを意味す
る。
さらに、前記から判るように、かかるアルミノシリケ
ートは、ゼオライトと異なって実質的に無水物であるこ
とが特徴の1つとなっている。従って、この無水物は、
ゼオライト無水物のように再吸着して復水することもな
い。ただし、実質的というのは、通常の保存状態におい
て平衡水分の程度の含水量は許容できることを意味す
る。
ートは、ゼオライトと異なって実質的に無水物であるこ
とが特徴の1つとなっている。従って、この無水物は、
ゼオライト無水物のように再吸着して復水することもな
い。ただし、実質的というのは、通常の保存状態におい
て平衡水分の程度の含水量は許容できることを意味す
る。
次に、本発明において、非晶質アルミノシリケートと
いうは、特定の抗菌性ゼオライトを焼成によりその結晶
構造の破壊されたアルミノシリケートの結合が再編成の
過程でアモルファス化したものであるが、興味のあるこ
とには、ゼオライトの粒子形状や大きさなどの粒子特性
を実質的に具備しながら、非晶質状態になっているとこ
ろに特徴がある。
いうは、特定の抗菌性ゼオライトを焼成によりその結晶
構造の破壊されたアルミノシリケートの結合が再編成の
過程でアモルファス化したものであるが、興味のあるこ
とには、ゼオライトの粒子形状や大きさなどの粒子特性
を実質的に具備しながら、非晶質状態になっているとこ
ろに特徴がある。
本発明に係る無機質抗菌剤は前記のような特定な組成
を有するが、後述する原料ゼオライトの組成に依拠する
ものであり、抗菌性、変色抵抗性、実用性等の観点から
定められたものである。
を有するが、後述する原料ゼオライトの組成に依拠する
ものであり、抗菌性、変色抵抗性、実用性等の観点から
定められたものである。
また、かかる無機質抗菌剤は、抗菌作用を高めると共
に実用的価値をより高めるべく、できるだけ微粉末であ
ることが望ましい。
に実用的価値をより高めるべく、できるだけ微粉末であ
ることが望ましい。
従って、平均粒径(D50)は0.1〜10μm、好ましくは
0.5〜5μmの範囲にあり、かつD50の1/2から3/2の粒子
径を有する粒子が全体の少なくとも50%好ましくは60%
を占めるようなシャープな粒度分布を有するものが特に
よい。
0.5〜5μmの範囲にあり、かつD50の1/2から3/2の粒子
径を有する粒子が全体の少なくとも50%好ましくは60%
を占めるようなシャープな粒度分布を有するものが特に
よい。
このような本発明に係る無機質抗菌剤は、抗菌性ゼオ
ライトのもつ抗菌力と同等以上の幅広い抗菌スペクトル
をもつ抗菌作用を有しながら抗菌性ゼオライトとは異な
り、著しく、変色抵抗性が改善されており、白色度は95
%以上で安定である。
ライトのもつ抗菌力と同等以上の幅広い抗菌スペクトル
をもつ抗菌作用を有しながら抗菌性ゼオライトとは異な
り、著しく、変色抵抗性が改善されており、白色度は95
%以上で安定である。
特に、この変色抵抗性は、合成樹脂に配合した場合に
顕著で、自然光は勿論、蛍光燈に曝しても著しい耐変色
性をもっている。
顕著で、自然光は勿論、蛍光燈に曝しても著しい耐変色
性をもっている。
次に本発明はかかる無機質抗菌剤の工業的に有利に製
造する方法を提供するものであり、その特徴とするとこ
ろは、一般式: [(Ag2O)x(M′O)y(M″2O)z]A2O3・mSi
O2・nH2O[式中、x,y,zがそれぞれ0.8≦x+y+z≦1.
2、0<x≦0.2、0≦y≦1、z≦0.7、m,nはそれぞれ
1.8≦m≦10、0<n≦5の範囲をもつモル数、M′は
周期律表II A族、I B族、II B族に属する2価金属、
M″はアルカリ金属を表わす]で表される合成ゼオライ
ト粉末を、該粉末のゼオライト結晶構造を破壊して非晶
質又は他の結晶構造に転換させる焼成工程と、前工程か
ら得られる焼成物を空気粉砕機で処理する粉砕工程とか
らなるものである。
造する方法を提供するものであり、その特徴とするとこ
ろは、一般式: [(Ag2O)x(M′O)y(M″2O)z]A2O3・mSi
O2・nH2O[式中、x,y,zがそれぞれ0.8≦x+y+z≦1.
2、0<x≦0.2、0≦y≦1、z≦0.7、m,nはそれぞれ
1.8≦m≦10、0<n≦5の範囲をもつモル数、M′は
周期律表II A族、I B族、II B族に属する2価金属、
M″はアルカリ金属を表わす]で表される合成ゼオライ
ト粉末を、該粉末のゼオライト結晶構造を破壊して非晶
質又は他の結晶構造に転換させる焼成工程と、前工程か
ら得られる焼成物を空気粉砕機で処理する粉砕工程とか
らなるものである。
本発明において、原料となる抗菌性ゼオライトという
のは、合成ナトリウムゼオライトに銀、銅、亜鉛等で代
表される抗菌性陽イオンをカチオン交換により担持した
ものであり、前記のモル比組成を持っているものであ
る。
のは、合成ナトリウムゼオライトに銀、銅、亜鉛等で代
表される抗菌性陽イオンをカチオン交換により担持した
ものであり、前記のモル比組成を持っているものであ
る。
このようなゼオライトは、それ自体、従来の抗菌性ゼ
オライトと異なって、より変色抵抗性をもち、かつ実用
上も好ましい。
オライトと異なって、より変色抵抗性をもち、かつ実用
上も好ましい。
ゼオライトとしては、前記一般式において、mの値が
1.8〜10の範囲にある各種の合成ゼオライトが適用でき
る。
1.8〜10の範囲にある各種の合成ゼオライトが適用でき
る。
実用的には、例えばA型ゼオライト、X型ゼオライ
ト、Y型ゼオライト、P型ゼオライト又はモルデナイト
等が挙げられるが、経済的な面からみて特にA型ゼオラ
イトが好ましい。なお、本発明において原料の抗菌性ゼ
オライトは、その前駆体である非晶質含水アルミノシリ
ケートであっても、イオン交換作用を有し、抗菌性金属
イオンと担持しうるのでこのようなものも含むものとす
る。粒度は前記と同様の分布をもつものが好ましい。
ト、Y型ゼオライト、P型ゼオライト又はモルデナイト
等が挙げられるが、経済的な面からみて特にA型ゼオラ
イトが好ましい。なお、本発明において原料の抗菌性ゼ
オライトは、その前駆体である非晶質含水アルミノシリ
ケートであっても、イオン交換作用を有し、抗菌性金属
イオンと担持しうるのでこのようなものも含むものとす
る。粒度は前記と同様の分布をもつものが好ましい。
抗菌性ゼオライトにおいて、銀は抗菌力のうえから必
須金属イオンであり、前記一般式で0<x≦0.2の範囲
にあるが、原体のナトリウムゼオライトに対するイオン
交換率で言えば、銀イオンは元のナトリウムイオンに対
して1〜10%のイオン交換率が必要である。1%未満で
は抗菌力が不充分であり、一方、10%を超えると抗菌力
が飽和すると共に変色傾向が強くなる。
須金属イオンであり、前記一般式で0<x≦0.2の範囲
にあるが、原体のナトリウムゼオライトに対するイオン
交換率で言えば、銀イオンは元のナトリウムイオンに対
して1〜10%のイオン交換率が必要である。1%未満で
は抗菌力が不充分であり、一方、10%を超えると抗菌力
が飽和すると共に変色傾向が強くなる。
イオン交換によって担持させる銀イオン以外の金属と
しては、周期律表のII A族、I B族又はII B族に属する
1種又は2種以上の2価金属であり、これらの金属イオ
ン交換率は元のナトリウムに対して20%以上が好まし
い。
しては、周期律表のII A族、I B族又はII B族に属する
1種又は2種以上の2価金属であり、これらの金属イオ
ン交換率は元のナトリウムに対して20%以上が好まし
い。
抗菌力の点から言えば、銀イオンと共に金、銅、亜鉛
又は水銀等の抗菌性金属イオンを併用すると抗菌スペク
トルが拡大され、より広範な種類の細菌やカビに対する
効果が発揮される。
又は水銀等の抗菌性金属イオンを併用すると抗菌スペク
トルが拡大され、より広範な種類の細菌やカビに対する
効果が発揮される。
他方、2価金属においてマグネシウム、カルシウム、
銅又は亜鉛等の金属イオンを担持することが、変色抵抗
性の点からみて好ましい。更に、抗菌性ゼオライトの変
色抵抗性の観点から、特にナトリウムおよび塩素のイオ
ン含有率が低いことが重要であり、ナトリウム含有量は
Na2Oとして10重量%以下、特に8重量%以下に、また塩
素イオンはClとして500ppm以下、特に250ppm以下の可及
的に不含であるものが望ましい。
銅又は亜鉛等の金属イオンを担持することが、変色抵抗
性の点からみて好ましい。更に、抗菌性ゼオライトの変
色抵抗性の観点から、特にナトリウムおよび塩素のイオ
ン含有率が低いことが重要であり、ナトリウム含有量は
Na2Oとして10重量%以下、特に8重量%以下に、また塩
素イオンはClとして500ppm以下、特に250ppm以下の可及
的に不含であるものが望ましい。
ナトリウム及び塩素と銀の各イオンの相互関係におい
て、前記一般式y/xが20以下、重量比Cl/Agが0.01以下で
あることが変色抵抗性のために望ましい。
て、前記一般式y/xが20以下、重量比Cl/Agが0.01以下で
あることが変色抵抗性のために望ましい。
抗菌性ゼオライト中のNa2Oが10重量%を越えると、こ
れを配合した合成樹脂組成物の混練や加熱成形加工時に
合成樹脂の劣化を促進し、初期着色傾向がある。
れを配合した合成樹脂組成物の混練や加熱成形加工時に
合成樹脂の劣化を促進し、初期着色傾向がある。
以上から判るように、本発明において原料の抗菌性ゼ
オライトは、合成ナトリウムゼオライトをイオン交換処
理して銀イオンのほかに他の抗菌性イオンや2価金属イ
オン等を所定量それぞれ担持しているものであって、こ
れを前記一般式で表した所定の組成を満足することが抗
菌性と変色抵抗性の両面から特に重要なことなのであ
る。
オライトは、合成ナトリウムゼオライトをイオン交換処
理して銀イオンのほかに他の抗菌性イオンや2価金属イ
オン等を所定量それぞれ担持しているものであって、こ
れを前記一般式で表した所定の組成を満足することが抗
菌性と変色抵抗性の両面から特に重要なことなのであ
る。
なお、イオン交換処理は公知であり、抗菌性ゼオライ
トは慣用の手段で製造することができる。
トは慣用の手段で製造することができる。
本発明に係る製造において、まず前記抗菌性ゼオライ
トを加熱処理し、ゼオライト結晶構造を破壊して非晶質
又は他の結晶構造に転換させる焼成工程を施すことが重
要である。すなわち、この工程により、原料ゼオライト
結晶を実質的に破壊して非晶質にするか又は前記したよ
うな例えばネフェリンの如き他の結晶構造をもつアルミ
ノシリケートに転換するに充分な焼成操作を加えること
である。
トを加熱処理し、ゼオライト結晶構造を破壊して非晶質
又は他の結晶構造に転換させる焼成工程を施すことが重
要である。すなわち、この工程により、原料ゼオライト
結晶を実質的に破壊して非晶質にするか又は前記したよ
うな例えばネフェリンの如き他の結晶構造をもつアルミ
ノシリケートに転換するに充分な焼成操作を加えること
である。
焼成条件は、原料ゼオライトの組成や製品用途により
異なるけれども、少なくとも700℃以上の温度で1時間
以上好ましくは750℃〜1200℃の範囲で1〜5時間焼成
する。
異なるけれども、少なくとも700℃以上の温度で1時間
以上好ましくは750℃〜1200℃の範囲で1〜5時間焼成
する。
700℃未満においては、ゼオライトの破壊が不充分な
ため、空気中に放置すると、元の結晶氷をもったゼオラ
イトに戻ってしまうと共にゼオライト構造に起因する変
色性の改善が不充分であり、他方、1200℃を越えると焼
結が著しく分散性のよい粉末が得られない。また、焼成
時間は温度が高くなれば相対的に短くてよいが、結晶構
造の転換に必要な時間であって多くの場合1時間以上で
ある。ゼオライトの種類によって異なるが、焼成物は、
700〜850℃の範囲では非晶質、850℃以上では非ゼオラ
イト系の結晶板を含むものとなる。
ため、空気中に放置すると、元の結晶氷をもったゼオラ
イトに戻ってしまうと共にゼオライト構造に起因する変
色性の改善が不充分であり、他方、1200℃を越えると焼
結が著しく分散性のよい粉末が得られない。また、焼成
時間は温度が高くなれば相対的に短くてよいが、結晶構
造の転換に必要な時間であって多くの場合1時間以上で
ある。ゼオライトの種類によって異なるが、焼成物は、
700〜850℃の範囲では非晶質、850℃以上では非ゼオラ
イト系の結晶板を含むものとなる。
次いで、得られた焼成物を平均粒径が10μm以下の微
粉末に粉砕処理する粉砕工程を施すことが重要である。
粉末に粉砕処理する粉砕工程を施すことが重要である。
焼成物は、原料がゼオライトの粒子が成長し又は粒子
内相互に焼結したものとなっているので粉砕処理が不可
欠である。
内相互に焼結したものとなっているので粉砕処理が不可
欠である。
本発明では、この焼成物を平均粒径10μm以下の微粉
末に粉砕処理を行うことが特徴の一つとなっている。こ
の理由は、平均粒径が10μmを越えるものは、抗菌作用
が不充分となると共に使用上の点から好ましくないから
である。粉砕は所望の粉砕機を用いることができ、特に
限定されないが、本発明ではジェットミルの如き空気粉
砕機が好ましい。
末に粉砕処理を行うことが特徴の一つとなっている。こ
の理由は、平均粒径が10μmを越えるものは、抗菌作用
が不充分となると共に使用上の点から好ましくないから
である。粉砕は所望の粉砕機を用いることができ、特に
限定されないが、本発明ではジェットミルの如き空気粉
砕機が好ましい。
空気粉砕機は、圧力気体、通常は圧力空気による高速
気流、換言すればジェット気流を必要とする粉砕機であ
って、その機構をもつ粉砕機であれば、機種は特に限定
するものではない。
気流、換言すればジェット気流を必要とする粉砕機であ
って、その機構をもつ粉砕機であれば、機種は特に限定
するものではない。
一般に、この種類で粉砕する場合、断熱圧縮した際に
発生する熱を冷却してジェット気流とするけれども、本
発明ではむしろ、加熱空気をもって粉砕する方が好まし
い。粉砕機の材質にもよるが、大体50〜500℃、好まし
くは150〜350℃の範囲で粉砕する。
発生する熱を冷却してジェット気流とするけれども、本
発明ではむしろ、加熱空気をもって粉砕する方が好まし
い。粉砕機の材質にもよるが、大体50〜500℃、好まし
くは150〜350℃の範囲で粉砕する。
圧縮空気は5〜10kg/cm2・ゲージ圧の範囲が実用的で
ある。
ある。
かくて、本発明に係る粉砕によれば焼成により、粒子
間が強固に結合したものが、効果的に微粉砕することが
できる。なお、この工程において、必要に応じ、分級操
作を付加して所定の粒度特性をもつように調整できるこ
とは言うまでもない。
間が強固に結合したものが、効果的に微粉砕することが
できる。なお、この工程において、必要に応じ、分級操
作を付加して所定の粒度特性をもつように調整できるこ
とは言うまでもない。
さらに、本発明は前記のような無機質抗菌剤を各種の
合成樹脂に配合した樹脂組成物に係るものであるが、そ
の特徴とするところは、合成樹脂100重量部に対し、0.0
1〜70重量部配合してなることを特徴とするものであ
る。
合成樹脂に配合した樹脂組成物に係るものであるが、そ
の特徴とするところは、合成樹脂100重量部に対し、0.0
1〜70重量部配合してなることを特徴とするものであ
る。
適用できる樹脂は、特に限定はなく熱可塑性又は熱硬
化性の樹脂は勿論のこと、合成ゴムの如き弾性樹脂であ
ってもよい。
化性の樹脂は勿論のこと、合成ゴムの如き弾性樹脂であ
ってもよい。
熱可塑性樹脂として代表的なものを挙げると、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン
の如き塩素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンの如
きポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂の如き
他のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルフォン
樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリカーボネート樹脂、アイオレマー樹脂、ケイ素樹脂
あるいはAAS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、EVA樹脂
の如き共重合樹脂等があげられ、それらは、ポリマーア
ロイの如き1種又は2種以上の複合樹脂であってもよ
い。
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン
の如き塩素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンの如
きポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂の如き
他のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルフォン
樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリカーボネート樹脂、アイオレマー樹脂、ケイ素樹脂
あるいはAAS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、EVA樹脂
の如き共重合樹脂等があげられ、それらは、ポリマーア
ロイの如き1種又は2種以上の複合樹脂であってもよ
い。
熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、ケイ素樹脂などがあげられ、それらは1種又は2種
以上であってもよい。
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、ケイ素樹脂などがあげられ、それらは1種又は2種
以上であってもよい。
合成ゴムの例としては、SBR、BR、IR、NBR、ウレタン
ゴム、シリコーンゴムなどの弾性樹脂があげられる。
ゴム、シリコーンゴムなどの弾性樹脂があげられる。
本発明は、かかる合成樹脂に配合する無機質抗菌剤
は、その物性、特に銀の担持量や、合成樹脂組成物の用
途によって多様に異なるが、多くの場合樹脂100重量部
に対し、0.01〜70重量部の範囲にある。最終組成物にあ
っては0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部であ
るが、マスターバッチとして構成される樹脂組成物にあ
っては70重量部まで配合することができる。無機質抗菌
剤が0.01重量部未満の場合は樹脂組成物の抗菌作用が実
質的に得られないからであり、又上限は多くの場合経済
的理由から制限され、実用的範囲として設定される。
は、その物性、特に銀の担持量や、合成樹脂組成物の用
途によって多様に異なるが、多くの場合樹脂100重量部
に対し、0.01〜70重量部の範囲にある。最終組成物にあ
っては0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部であ
るが、マスターバッチとして構成される樹脂組成物にあ
っては70重量部まで配合することができる。無機質抗菌
剤が0.01重量部未満の場合は樹脂組成物の抗菌作用が実
質的に得られないからであり、又上限は多くの場合経済
的理由から制限され、実用的範囲として設定される。
本発明に係る樹脂組成物は、上記から判るように無機
質抗菌剤の著しい変色抵抗性のゆえに塩化ビニルの如き
塩素系の汎用樹脂であっても適用できることは驚くべき
ことであろう。
質抗菌剤の著しい変色抵抗性のゆえに塩化ビニルの如き
塩素系の汎用樹脂であっても適用できることは驚くべき
ことであろう。
なお、樹脂組成物を調製するに当たって各種の樹脂添
加剤と併用しうることができる。
加剤と併用しうることができる。
例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカの如き
体質顔料、有機又は無機の着色材、可塑剤、架橋剤、難
燃剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、滑剤などの樹脂添加剤は本発明に係る無機質抗菌剤
とそれぞれ個別に又は予め調合したワンパック型として
必要に応じ併用することができる。
体質顔料、有機又は無機の着色材、可塑剤、架橋剤、難
燃剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、滑剤などの樹脂添加剤は本発明に係る無機質抗菌剤
とそれぞれ個別に又は予め調合したワンパック型として
必要に応じ併用することができる。
本発明に係る樹脂組成物は、従来の銀を担持した無機
質抗菌剤が有する露光下での経時変化による褐変現象が
実質的に生じないすぐれた抗菌作用のゆえにその用途は
多大である。
質抗菌剤が有する露光下での経時変化による褐変現象が
実質的に生じないすぐれた抗菌作用のゆえにその用途は
多大である。
例えば、食品包袋用フィルム、各種医療、衛生用器
具、装置又はその部品類、各種容器類、フィルター類、
繊維類、合成紙、合成畳、接着剤等多用な特徴的用途の
拡大を図ることができる。
具、装置又はその部品類、各種容器類、フィルター類、
繊維類、合成紙、合成畳、接着剤等多用な特徴的用途の
拡大を図ることができる。
[実施例] 本発明をさらに具体的に説明するため以下に実施例を
示す。
示す。
(実施例1〜10および比較例1〜4) 実施例中の各測定値はそれぞれ次の方法によって求め
た。
た。
(1)平均粒径 コールターカウンター(コールターエレクトロニクス
社製)を用いアパチャーチューブ30μmで測定した。
社製)を用いアパチャーチューブ30μmで測定した。
(2)組成分析 原子吸光光度法及びICP法によって定量した。
(3)灼熱減量(水分含有率) 試料1gを磁製ルツボに秤りとり800℃で1時間加熱
し、その減量から求めた。
し、その減量から求めた。
(4)白色度 白色度計(ケット社製)で青フィルターを用い酸化マ
グネシウム標準試料を対象として求めた。
グネシウム標準試料を対象として求めた。
(1) 無機質抗菌剤の調製 原料の含水アルミノシリケートとして第1表に示した
ナトリウムA型ゼオライト、X型ゼオライト、P型ゼオ
ライト及びアルミノ珪酸ナトリウムゲルを用いた。
ナトリウムA型ゼオライト、X型ゼオライト、P型ゼオ
ライト及びアルミノ珪酸ナトリウムゲルを用いた。
これらの含水アルミノシリケートをイオン交換するた
めの各イオンを提供するための可溶性塩としてAgNO3、Z
n(NO3)2、及びCa(NO3)2を用いた。
めの各イオンを提供するための可溶性塩としてAgNO3、Z
n(NO3)2、及びCa(NO3)2を用いた。
各試料は次の手順によって調製した。第1表に示した
原体含水アルミノ珪酸ナトリウム粉末1kgを蒸留水5
に分散懸濁させた。懸濁液を撹拌しながら所定量の塩類
を溶解した水溶性5を加え、室温で3時間撹拌しイオ
ン交換を行った。
原体含水アルミノ珪酸ナトリウム粉末1kgを蒸留水5
に分散懸濁させた。懸濁液を撹拌しながら所定量の塩類
を溶解した水溶性5を加え、室温で3時間撹拌しイオ
ン交換を行った。
常法により固相を分離、洗浄、乾燥したのち、所定の
温度で2時間焼成した。次いで、得られた各焼成物を粗
粉砕した後、7kg/cm2・ゲージ圧(温度288℃)を冷却す
ることなく一定の流量で空気粉砕した。
温度で2時間焼成した。次いで、得られた各焼成物を粗
粉砕した後、7kg/cm2・ゲージ圧(温度288℃)を冷却す
ることなく一定の流量で空気粉砕した。
第2表に原料ゼオライトの調製条件と得られた各無機
質抗菌剤試料の組成と性状を示した。
質抗菌剤試料の組成と性状を示した。
(2) (抗菌性試験) 各試料の抗菌性は下記の方法によって評価した。Ag2O
として150mgの銀を含む量の試料を予め調製した細菌汚
染水(注1)またはカビ希釈水(注2)の50mlに加え、
10分間マグネチックスターラーでゆっくり撹拌した。次
にこの液を微生物簡易測定器具、イージーカルトTTC
(好気性菌、真菌、酵母類検査用:三愛石油社製)及び
イージーカルトM(真菌、酵母類検査用、:三愛石油社
製)を用い培養試験(注3)を行った。
として150mgの銀を含む量の試料を予め調製した細菌汚
染水(注1)またはカビ希釈水(注2)の50mlに加え、
10分間マグネチックスターラーでゆっくり撹拌した。次
にこの液を微生物簡易測定器具、イージーカルトTTC
(好気性菌、真菌、酵母類検査用:三愛石油社製)及び
イージーカルトM(真菌、酵母類検査用、:三愛石油社
製)を用い培養試験(注3)を行った。
結果を第3表に示した。
(注1)河川水を無菌水で希釈して細菌数を105個とし
たもの−総細菌検査用 (注2)黒カビ発生壁土1gを無菌水100mlに希釈したも
の−真菌検査用 (注3)培養は27−30℃のインキュベータ中で総細菌の
場合は2日間、真菌の場合は4日間行った。
たもの−総細菌検査用 (注2)黒カビ発生壁土1gを無菌水100mlに希釈したも
の−真菌検査用 (注3)培養は27−30℃のインキュベータ中で総細菌の
場合は2日間、真菌の場合は4日間行った。
(注4)総菌数の評価は、コロニー発生度合を予め概略
求められた細菌数との関係から行った。0は、コロニー
の発生が全く認められない場合である。
求められた細菌数との関係から行った。0は、コロニー
の発生が全く認められない場合である。
(注5)真菌汚染度は、下記4段階で評価した。
−:汚染なし +:軽度汚染 ++:中度汚染 +++:強度汚染 (注6)抗菌性アルミノシリケートを添加しなかった場
合。
合。
実施例11〜20および比較例5〜8 第4表に示す各種合成樹脂に対してAg2Oとして300ppm
の濃度になるように各試料を添加、混合し射出成型によ
ってそれぞれ180mm×50mm×1mmのテストピースを得た。
これらのテストピースの成型直後と蛍光灯の光に30日間
曝露した後の色の変化をスガ試験機社製、デジタル測色
色差計算機(AUD−CH−1)を用いて白色標準板との色
差(△E)を求めることによって評価した。
の濃度になるように各試料を添加、混合し射出成型によ
ってそれぞれ180mm×50mm×1mmのテストピースを得た。
これらのテストピースの成型直後と蛍光灯の光に30日間
曝露した後の色の変化をスガ試験機社製、デジタル測色
色差計算機(AUD−CH−1)を用いて白色標準板との色
差(△E)を求めることによって評価した。
第5表の結果から明らかなように、ブランクや比較例
の色差を考慮すると、本発明に係る樹脂組成物が著しく
変色抵抗性に優れていることが判る。
の色差を考慮すると、本発明に係る樹脂組成物が著しく
変色抵抗性に優れていることが判る。
[発明の効果] 本発明に係る無機質抗菌剤は、非ゼオライト構造の結
晶性又は非晶性の無水アルミノシリケートを有効成分と
するものであって、抗菌性ゼオライトと同等以上の抗菌
作用を有している。
晶性又は非晶性の無水アルミノシリケートを有効成分と
するものであって、抗菌性ゼオライトと同等以上の抗菌
作用を有している。
特に、抗菌性ゼオライトの欠点である露光による変色
が著しく改善された変色抵抗性のある無機質抗菌剤であ
る。
が著しく改善された変色抵抗性のある無機質抗菌剤であ
る。
また、本発明に係る製造法によれば、特定組成の抗菌
性ゼオライトを原料として信頼性の高い前記無機質抗菌
剤を工業的に有利に製造することができる。
性ゼオライトを原料として信頼性の高い前記無機質抗菌
剤を工業的に有利に製造することができる。
かかる無機質抗菌剤は、各種合成樹脂を配合しても変
色抵抗性が著しくかつ安定に使用できるので、合成樹脂
を基材とする各種成形品に抗菌力の機能を付加できるこ
とから、その樹脂組成物は多大な用途が期待できる。
色抵抗性が著しくかつ安定に使用できるので、合成樹脂
を基材とする各種成形品に抗菌力の機能を付加できるこ
とから、その樹脂組成物は多大な用途が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野川 正史 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本 化学工業株式会社研究開発本部内 (56)参考文献 特開 平2−29496(JP,A) 特開 昭62−70221(JP,A) 特開 昭63−23960(JP,A) 特開 昭60−100504(JP,A) 特開 昭63−222508(JP,A) 特開 昭62−7748(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 59/06 - 59/26 C08K 3/34
Claims (6)
- 【請求項1】一般式: [(Ag2O)x(M′O)y(M″2O)z]A2O3・mSi
O2[式中、x,y,zがそれぞれ0.8≦x+y+z≦1.2、0
<x≦0.2、0≦y≦1、z≦0.7、mは1.8≦m≦10、
M′は周期律表II A族、I B族、II B族に属する2価金
属、M″はアルカリ金属を表わす] で示される非ゼオライト構造の結晶性または非晶性無水
アルミノシリケートであることを特徴とする無機質抗菌
剤。 - 【請求項2】平均粒径(D50)が0.1〜10μmの範囲にあ
り、かつD50の1/2から3/2の粒子部分が全体の少なくと
も50%を占める粒度分布を有する白色度95.5%以上の無
水アルミノシリケートである請求項1記載の無機質抗菌
剤。 - 【請求項3】一般式: [(Ag2O)x(M′O)y(M″2O)z]A2O3・mSi
O2・nH2O[式中、x,y,zがそれぞれ0.8≦x+y+z≦1.
2、0<x≦0.2、0≦y≦1、z≦0.7、m,nはそれぞれ
1.8≦m≦10、0<n≦5の範囲をもつモル数、M′は
周期律表II A族、I B族又はII B族に属する2価金属、
M″はアルカリ金属を表わす] で表わされる合成ゼオライト粉末を、該粉末のゼオライ
ト結晶構造を破壊して非晶質又は他の結晶構造に転換さ
せる焼成工程と、前工程から得られる焼成物を平均粒径
が10μm以下の微粉末に粉砕処理する粉砕工程とからな
ることを特徴とする無機質抗菌剤の製造方法。 - 【請求項4】焼成工程は、少なくとも700℃以上かつ1
時間以上の加熱処理を行う請求項1記載の無機質抗菌剤
の製造方法。 - 【請求項5】合成ゼオライト粉末は、A型ゼオライトで
ある請求項1記載の無機質抗菌剤の製造方法。 - 【請求項6】請求項1記載の無機質抗菌剤を合成樹脂10
0重量部に対し、0.01〜70重量部配合してなることを特
徴とする樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24998890A JP2956996B2 (ja) | 1990-09-21 | 1990-09-21 | 杭菌性アルミノシリケート、その製造法およびこれを用いた樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24998890A JP2956996B2 (ja) | 1990-09-21 | 1990-09-21 | 杭菌性アルミノシリケート、その製造法およびこれを用いた樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04134009A JPH04134009A (ja) | 1992-05-07 |
JP2956996B2 true JP2956996B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=17201164
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24998890A Expired - Fee Related JP2956996B2 (ja) | 1990-09-21 | 1990-09-21 | 杭菌性アルミノシリケート、その製造法およびこれを用いた樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2956996B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2770264B2 (ja) * | 1995-01-12 | 1998-06-25 | 株式会社萩原技研 | 結晶性抗菌性組成物 |
KR100449394B1 (ko) * | 1996-08-01 | 2004-11-16 | 미즈자와 가가꾸 고교오 가부시기가이샤 | 규칙적형태의알루미노실리케이트및그사용방법 |
US6531526B1 (en) * | 1998-09-10 | 2003-03-11 | Noveon Ip Holdings Corp. | Halogen containing polymer compounds containing modified zeolite stabilizers |
-
1990
- 1990-09-21 JP JP24998890A patent/JP2956996B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04134009A (ja) | 1992-05-07 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |