JP2956110B2 - Vベルト式無段変速機のライン圧制御装置 - Google Patents

Vベルト式無段変速機のライン圧制御装置

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JP2956110B2
JP2956110B2 JP2060273A JP6027390A JP2956110B2 JP 2956110 B2 JP2956110 B2 JP 2956110B2 JP 2060273 A JP2060273 A JP 2060273A JP 6027390 A JP6027390 A JP 6027390A JP 2956110 B2 JP2956110 B2 JP 2956110B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、Vベルト式無段変速機のライン圧制御装置
に関する。
従来の技術 従来のVベルト式無段変速機としては、例えば、実開
平1−150256号公報に開示されたものがある。
このVベルト式無段変速機ではロックアップクラッチ
付きのトルクコンバータを介してエンジンの回転力を入
力するようになっており、トルクコンバータによるトル
ク増大作用を行うと共に、ロックアップクラッチ締結時
にはエンジン直結とすることができる。
ところで、ロックアップクラッチ開放時にトルク増大
作用が働いたときには、増大したトルクに応じた分だけ
ライン圧を上昇させてVベルトの滑りを防止する必要が
ある。
一方、ロックアップクラッチ締結時にはトルク増大さ
れないので、ライン圧を上昇させる必要はない。
このため、上記従来のVベルト式無段変速機では、ロ
ックアップ制御弁を制御するための信号圧、又はロック
アップ制御弁からロックアップクラッチに出力される液
圧を導入して、ライン圧制御弁の制御圧を作り出す切換
弁を設け、該ライン圧制御弁制御圧によりロックアップ
時とアンロックアップ時でライン圧を変化させるように
なっている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、かかる従来のVベルト式無段変速機の
ライン圧制御装置にあっては、ライン圧制御弁の制御圧
を作り出す切換弁は、第7図に示すようにスプール弁と
して構成され、上記ロックアップ制御弁の信号圧又は該
ロックアップ制御弁の出力圧を導入する信号圧室aと、
該信号圧室aの圧力に対抗するスプリングbと、ライン
圧の導入ポートcと、ライン圧制御弁の制御圧を出力す
るポートdと、ドレンポートeとを備えている。
そして、上記信号圧室aに導入される液圧として用い
られる信号圧は、ロックアップクラッチを解放する際に
高くなり、また、ロックアップ制御弁の出力圧を用いる
場合は、ロックアップクラッチの解放圧が用いられるよ
うになっている。
従って、上記切換弁では、ロックアップクラッチが締
結される際には、信号圧室aに導入される液圧が下降さ
れるため、スプールfはスプリングbの押圧力によって
図中左方に移動し、ライン圧の制御圧を出力するポート
dは、ドレンポートeからライン圧の導入ポートcに切
り換えられて連通されるため、該ポートdから出力され
る制御圧は上昇される。
このため、ライン圧制御弁で調圧されるライン圧は、
上記制御圧の上昇に伴って低下されるように設定されて
いるため、ロックアップされてエンジン直結状態になる
とライン圧が低下されることになる。
ところが、上記切換弁では信号圧に対抗して単にスプ
リングbが設けられている構成であるため、該信号圧が
変化される際には、スプールfが該信号圧とスプリング
bの付勢力との釣り合い状態を境にして急激に移動され
てしまう。
従って、第8図に示すように信号圧が滑らかに低下さ
れた場合にあっても、ライン圧は一気に低下されてしま
う。
このため、作動液圧を吐出する液圧ポンプの駆動負荷
が急激に変化されると共に、出力軸に急激なトルク変化
として現れるため、運転者はこれらが不快なショックと
して感じられてしまうという課題があった。
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、ロック
アップクラッチの切り換えに伴うライン圧変化を滑らか
に行うことができるVベルト式無段変速機のライン圧制
御装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 かる目的を達成するために請求項1の発明に係るVベ
ルト式無段変速機のライン圧制御装置は、液圧作動によ
り溝幅変化され、周回されたVベルトを介して入力軸と
出力軸との間で無段階のトルク伝達を行う駆動プーリお
よび従動プーリと、 動力源の回転力を入力軸に伝達するロックアップクラ
ッチ付きのトルクコンバータと、を備えたVベルト式無
段変速機において、 上記駆動プーリおよび従動プーリに供給されるライン
圧を、ロックアップクラッチ開放時にはトルクコンバー
タによる入力トルクの増大に応じて上昇し、かつロック
アップクラッチ締結時にはロックアップクラッチ解放時
より低下するように制御するライン圧制御弁と、 上記ロックアップクラッチの締結および解放制御を行
うロックアップ制御弁と、 上記ロックアップクラッチの締結,開放を切り換える
時にロックアップ制御弁からロックアップクラッチに出
力される液圧を連続的に変化させるために、上記ロック
アップ制御弁を制御するための信号圧を連続変化させる
信号圧調圧手段と、を備え、 上記信号圧調圧手段から出力される信号圧又は上記ロ
ックアップ制御弁から出力される制御液圧を信号圧とし
て導入し、この信号圧に応じて連続的に変化される制御
圧を出力するフィードバック液圧調圧弁を設け、該制御
圧を上記ライン圧制御弁に信号圧として供給することに
より、ロックアップクラッチの切換時にライン圧を滑ら
かに変化させることを特徴としている。
また請求項2の発明に係るVベルト式無段変速機のラ
イン圧制御装置は、液圧作動により溝幅変化され、周回
されたVベルトを介して入力軸と出力軸との間で無段階
のトルク伝達を行う駆動プーリおよび従動プーリと、 動力源の回転力を入力軸に伝達するロックアップクラ
ッチ付きのトルクコンバータと、を備えたVベルト式無
段変速機において、 上記駆動プーリおよび従動プーリに供給されるライン
圧を、ロックアップクラッチ開放時にはトルクコンバー
タによる入力トルクの増大に応じて上昇し、かつロック
アップクラッチ締結時にはロックアップクラッチ開放時
より低下するように制御するライン圧制御弁と、 上記ロックアップクラッチの締結および解放制御を行
うロックアップ制御弁と、 上記ロックアップクラッチの締結,開放を切り換える
時にロックアップ制御弁からロックアップクラッチに出
力される液圧を連続的に変化させるために、上記ロック
アップ制御弁を制御するための信号圧を連続変化させる
信号圧調圧手段と、を備え、 上記信号圧調圧手段から出力される信号圧又は上記ロ
ックアップ制御弁から出力される制御液圧を、信号圧と
して上記ライン圧制御弁に直接供給し、ロックアップク
ラッチの切換時にライン圧を滑らかに変化させることを
特徴としている。
作用 以上の構成により本発明の第1の構成に示されるVベ
ルト式無段変速機のライン圧制御装置にあっては、ロッ
クアップクラッチの切換時に、フィードバック液圧調圧
弁から出力されるライン圧制御弁の制御圧は、信号圧調
圧手段から出力される信号圧又はロックアップ制御弁か
ら出力される制御液圧を導入して連続的に変化される液
圧として作られるようになっているため、ロックアップ
クラッチの締結および解放時に上記ライン圧制御弁で制
御されるライン圧を滑らかに変化させることができる。
また、本発明の第2の構成に示されるVベルト式無段
変速機のライン圧制御装置にあっては、信号圧調圧手段
から出力される信号圧又はロックアップ制御弁から出力
される制御液圧を、信号圧として上記ライン圧制御弁に
直接供給することにより、上記信号および制御液圧が連
続的に変化される液圧として得られるため、ロックアッ
プクラッチ切換時におけるライン圧制御弁によるライン
圧制御を滑らかに行うことができる。
実施例 以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に説明す
る。
即ち、第1図は本発明のVベルト式無段変速機のライ
ン圧制御装置の第1実施例を示す構成図で、該ライン圧
制御装置により変速制御されるVベルト式無段変速機と
しては、例えば第2図に示す複合変速機が適用される。
即ち、上記第2図に示す複合変速機10は、Vベルト式
無段変速機と歯車式変速機とが併合された変速機で、大
トルク領域の回転力伝達を歯車式変速機で受け持ち、小
トルク領域の回転力伝達をVベルト式無段変速機で受け
持つようになっており、エンジンEの出力回転はトルク
コンバータ12を介して変速機の入力軸としての駆動軸14
に伝達される。
上記トルクコンバータ12は、ポンプインペラー12a,タ
ービンランナー12bおよびステータ12cを備え、また、該
トルクコンバータ12にはポンプインペラー12aに一体の
カバー12dと上記駆動軸14とを直結可能なロックアップ
クラッチ16が設けられている。
上記駆動軸14と平行に従動軸18および出力軸20が設け
られ、駆動軸14と出力軸20との間には所定減速比に設定
される歯車列をもって歯車伝達経路22が構成される一
方、駆動軸14から従動軸18を介して出力軸20に至る間に
Vベルト伝達経路24が構成される。
上記駆動軸14の端部には中空軸26が相対回転自在に嵌
合され、かつ、該中空軸26には前進用駆動歯車28および
後進用駆動歯車30が相対回転自在に嵌合されており、中
空軸26と前進用駆動歯車28との間にはドッグクラッチ32
が設けられる。
また、上記駆動軸14と上記中空軸26との間にはDR(ド
ライブ・リバース)クラッチ34が設けられ、該DRクラッ
チ34が締結されることにより、これら駆動軸14と中空軸
26とは一体に回転され、この中空軸26の回転は、上記ド
ッグクラッチ32がF(図中右側)側に噛合されていると
きは前進用駆動歯車28に伝達される一方、上記ドッグク
ラッチ32がR側(図中左側)に噛合されているときは後
進用駆動歯車30に伝達される。
上記出力軸20には上記前進用駆動歯車28に常時噛合さ
れる前進用出力歯車36がローワンウエイクラッチ40を介
して取り付けられると共に、上記後進用駆動歯車30にア
イドラギア42を介して常時噛合される後進用出力歯車44
が装着されている。
尚、上記ローワンウエイクラッチ40は前進用駆動歯車
28から前進用出力歯車36方向に回転力が伝達されるとき
に係止されると共に、その反対方向の回転力伝達時には
空転されるようになっている。
一方、上記駆動軸14の中間部には固定シーブ46,可動
シーブ48および駆動プーリシリンダ室50からなる駆動プ
ーリ52が設けられ、かつ、上記従動軸18には固定シーブ
54,可動シーブ56および従動プーリシリンダ室58からな
る従動プーリ60が設けられ、これら駆動プーリ52と従動
プーリ60との間にはVベルト62が周回されている。
また、上記従動軸18には上記後進用出力歯車44に常時
噛合される前進用従動歯車64が回転自在に嵌合され、こ
れら従動軸18と前進用従動歯車64との間にはハイクラッ
チ66が設けられ、該ハイクラッチ66が締結されることに
より、従動軸18の回転は前進用従動歯車64を介して後進
用出力歯車44に伝達される。
そして、上記駆動軸14からDRクラッチ34,中空軸26,ド
ッグクラッチ32,前進用駆動歯車28および前進用出力歯
車36を介して出力軸20に至る回転力伝達経路をもって上
記歯車伝達経路22が構成され、かつ、駆動軸14から駆動
プーリ52,Vベルト62,従動プーリ60,従動軸18,ハイクラ
ッチ66,前進用従動歯車64および後進用出力歯車44を介
して出力軸20に至る回転力伝達経路をもって上記Vベル
ト伝達経路24が構成される。
尚、上記Vベルト伝達経路24による最大減速比は、上
記歯車伝達経路22によって得られる減速比より小さく設
定されている。
ところで、上記出力軸20回転はリダクション歯車68を
介してデファレンシャルギア70のリングギア72に伝達さ
れ、該デファレンシャルギア70の差動機能をもってドラ
イブシャフト74,74aが駆動される。
かかる複合変速機10では、DRクラッチ34およびハイク
ラッチ66を解放状態とすることにより、駆動軸14から出
力軸20に至る間の回転力伝達経路が遮断され、このとき
は中立状態となって図外の駆動輪にはエンジン10動力は
伝達されない。
一方、上り坂等の発進時にあって比較的駆動力を大き
く必要とする走行条件の場合には、ドッククラッチ32を
前進用駆動歯車28に締結すると共にDRクラッチ34を噛合
し、ハイクラッチ66を解放状態にすることにより、トル
クコンバータ12を介して出力されるエンジンEの回転力
は、歯車伝達経路22を介して出力軸20およびデファレン
シャルギア70に伝達される。
従って、上記発進時は大きな減速比を有する歯車伝達
経路22を介して回転力が伝達されることにより、大きな
駆動力を得ることができる。
尚、上記歯車伝達経路22を介しての回転力伝達中は、
ハイクラッチ66が解放されていることにより、Vベルト
伝達経路24を介しての回転力の伝達は行われない。
次に、比較的駆動力が小さくてよい運転条件になる
と、上記歯車伝達経路22を介しての運転状態からハイク
ラッチ66を締結させることにより、エンジンEの回転力
はVベルト伝達経路24を介して出力軸20およびデファレ
ンシャルギア70に伝達される。
尚、このとき上記出力軸20は前進用出力歯車36より高
速で回転されるため、ドッグクラッチ32が前進用駆動歯
車28に噛合されている状態にあっても、ローワンウエイ
クラッチ40は空転状態、つまり解放状態となり動力伝達
経路でのインターロックが防止される。
そして、このVベルト伝達経路24を介しての回転力伝
達が行われる際、駆動プーリシリンダ室50および従動プ
ーリシリンダ室58に供給される液圧を制御して、駆動プ
ーリ52および従動プーリ60の溝幅を変化させることによ
り、歯車伝達経路22よりも小さい変速比の領域で駆動軸
14と出力軸20との間の変速比を無段階に変化させること
ができる。
次に、上記変速機を後退状態とする場合には、DRクラ
ッチ34を締結すると共に、ドッグクラッチ32を後進用駆
動歯車30に噛合することにより行われ、このとき、ハイ
クラッチ66は解放状態に設定される。
このように後退状態に設定されると、駆動軸14の回転
力はDRクラッチ34,中空軸26,ドッグクラッチ32,後退用
駆動歯車30,アイドラギア42および後退用出力歯車44を
介して出力軸20に伝達され、このとき該出力軸20回転は
アイドラ歯車42が介在されているため、上述した前進回
転時とは逆転され、もって後退走行が行われる。
ところで、上記DRクラッチ34,ハイクラッチ66の締
結,解放およびドッグクラッチ32の切り換え、駆動プー
リ60,従動プーリ68の溝幅調節およびロックアップクラ
ッチ16の締結,解放は、第1図に示した液圧制御回路か
ら供給される作動液圧により制御されるようになってお
り、該液圧制御回路では車両の走行条件に応じた作動液
圧が作り出されるようになっている。
即ち、上記液圧制御回路で、100は運転者のセレクト
操作により切り換えられるマニュアル弁、102は運転条
件に応じてライン圧を調圧するライン圧制御弁、104は
運転条件に応じてステップモータ106を介して切換制御
される変速指令弁、108は駆動プーリ圧を制御する変速
制御弁、110はトルクコンバータ12のロックアップを制
御するロックアップ制御弁、136はトルクコンバータ圧
を調圧するトルクコンバータ圧制御弁、114はスロット
ル開度に応じた圧力を調圧するスロットル弁で、これら
各弁は図示するようにオイルポンプ116に接続される。
上記マニュアル弁100は前進走行レンジに切り換えら
れることにより、ポート100aからDレンジ圧を出力し、
後退走行レンジに切り換えられることによりポート100b
からRレンジ圧が出力される。
上記ライン圧制御弁102は、ポンプ116の吐出圧を、ポ
ート102cに導入される上記スロットル弁114のスロット
ル圧と、変速比に基づき圧縮されて変化するスプリング
102fのばね力とにより制御して、走行条件に応じたライ
ン圧をポート102aからその他の弁に提供するとともに、
ポート102bにフィードバックする。
上記変速指令弁104はステップモータ106のピニオン10
6aに噛合されるラック104aを有しており、ステップモー
タ106の回転によって軸方向に移動し、この移動量は図
外のリンクを介して上記変速制御弁108に伝達される。
上記変速制御弁108では、ライン圧の導入ポート108a
と出力ポート108bとの絞り量を制御して、この制御圧
(プライマリ圧)は該出力ポート108bに通ずる回路120
を介して駆動プーリ52のシリンダ室50に供給され、駆動
プーリ52の溝幅制御、つまり、Vベルト伝達経路24の変
速制御を行う。
また、上記変速制御弁108の制御圧は上記回路120から
分岐される供給回路122にハイクラッチ圧として導入さ
れ、該ハイクラッチ圧は該供給回路122を介して上記ハ
イクラッチ66に供給される。
上記回路122の途中には、上記マニュアル弁100が前進
段のレンジに設定されているときに出力されるDレンジ
圧で上記回路122を連通状態(図中上半部位置)に切り
換えるニュートラル弁124が設けられ、該ニュートラル
弁124の連通時に上記ハイクラッチ66を締結するように
なっている。
尚、上記ニュートラル弁124は前進段以外では上記供
給回路122を遮断(図中下半部位置)し、該ニュートラ
ル弁124の後流側、つまり、ハイクラッチ66側をドレン
する構成となっている。
126は上記ドッグクラッチ32のシフトフォークをシフ
トさせるシフト弁で、該シフト弁126はスプール126aの
一端部に形成されたピストン126bの一側(図中右方側)
に、マニュアル弁100のポート100aから出力されるDレ
ンジ圧が回路128を介して供給され、かつ、該ピストン1
26bの他側(図中左方側)には、後退レンジ(Rレン
ジ)の選択時に該マニュアル弁100のポート100bから出
力されるRレンジ圧が回路130を介して供給される。
従って、上記シフト弁126はマニュアル弁100によって
前進段が選択されたときは図中左方に移動され、シフト
フォークを左方に移動すると共に、後進段が選択された
ときは該シフト弁126は図中右方に移動され、これに伴
って該シフトフォークを右方に移動させ、該シフトフォ
ークの移動に伴って、第1図に示したドッグクラッチ32
の切り換えが行われる。
尚、マニュアル弁100がニュートラル位置にあるとき
は、上記シフト弁126も中立位置に設定され、上記ドッ
グクラッチ32はニュートラル状態となる。
また、上記回路130の途中には上記変速制御弁108から
の制御圧によって切り換えられるリバースインヒビター
弁132が設けられ、該制御圧の発生時に該回路130は連通
される。
ところで、上記シフト弁126には上記Dレンジ圧が導
入されるポート126cと、上記Rレンジ圧が導入されるポ
ート126dが形成されると共に、これら両ポート126c,126
d間に、オン・オフバルブ134の信号圧ポート126eが形成
される。
上記オン・オフバルブ134はDRクラッチ34に供給され
る締結圧を制御する弁で、上記シフト弁126が前進位置
又は後進位置に確実に切り換えられた後に、ライン圧が
該DRクラッチ34に供給されるようになっている。
一方、上記ライン圧制御弁102のポート102dからは上
記トルクコンバータ12にトルクコンバータ圧を供給する
ようになっており、該ポート102dから出力されたトルク
コンバータ圧はコンバータ圧調圧弁136を介して上記ロ
ックアップ制御弁110に出力されるようになっている。
上記ロックアップ制御弁110は、上記トルクコンバー
タ圧制御弁136で調圧されたトルクコンバータ圧を導入
するポート110aと、ロックアップ解除するためのリリー
ス圧を供給するポート110bと、ロックアップするための
アプライ圧を供給するためのポート110cとが形成されて
いる。
そして、スプール110dが図中上半部位置にあるとき
に、ポート110aとポート110bが連通されてリリース圧を
出力し、かつ、スプール110dが図中下半部位置にあると
きにポート110aとポート110cが連通されてアプライ圧を
出力する。
尚、上記リリース圧は第2図に示したロックアップク
ラッチ16の図中左側に供給され、該リリース圧が供給さ
れることにより該ロックアップクラッチ16をカバー12d
から離して解放すると共に、上記アプライ圧はロックア
ップクラッチ16の同図中右側に供給され、該ロックアッ
プクラッチ16をカバー12dに押し付けて締結する。
また、上記ロックアップ制御弁110は、ポート110eに
トルクコンバータ圧がフィードバックされると共に、ポ
ート110fにリリース圧がフィードバックされ、かつ、上
記トルクコンバータ12を循環した作動液はドレン回路13
8に排出されるようになっており、このドレン液はクー
ラー140を介して冷却された後、各部の潤滑に用いられ
る。
ところで、上記ロックアップ制御弁110は、図中右端
部に設けられる室110gに供給される信号圧により図中上
半部位置又は下半部位置に切り換えられるようになって
おり、該信号圧は信号圧調圧手段としてのロックアップ
ソレノイド142により発生される。
上記ロックアップソレノイド142は、上記トルクコン
バータ圧制御弁136から供給されるトルクコンバータ圧
を導入して、該トルクコンバータ圧のドレン量を該ロッ
クアップソレノイド142のON,OFFによるPWM制御を行うこ
とにより、連続変化される信号圧として得るようになっ
ている。
上記ロックアップソレノイド142で発生される信号圧
が上昇されると、上記ロックアップ制御弁110は図中下
半部状態に設定され、ロックアップクラッチ16を締結す
ると共に、該信号圧が低下されると該ロックアップ制御
弁110は上半部状態に設定され、ロックアップクラッチ1
6を解放する。
ここで、本実施例は上記ロックアップソレノイド142
で発生されるロックアップ制御弁110の信号圧を同様に
信号圧として導入して、ライン圧を制御するための制御
圧を調圧するフィードバック液圧調圧弁150を設け、該
フィードバック液圧調圧弁150から出力される制御圧を
上記ライン圧制御弁102の信号圧として導入するように
なっている。
即ち、上記フィードバック液圧調圧弁150は、スプリ
ング150aにより図中左方に付勢されるスプール150bを有
し、該スプール150bの図中左端室150cに上記ロックアッ
プソレノイド142で発生される信号圧をスプリング150a
の押圧力に対抗して導入する構成となっている。
また、上記フィードバック液圧調圧弁150には、ライ
ン圧回路L2に通ずるライン圧導入ポート150dが設けられ
ると共に、制御圧が出力される出力ポート150eが設けら
れ、また、該出力ポート150eの制御圧がポート150fを介
してスプール150bの段差部150gにフィードバックされる
ようになっている。
一方、上記出力ポート150eから出力される制御圧は、
上記ライン圧制御弁102のポート102eに信号圧として供
給され、該ライン圧制御弁102のスプリング102fの押圧
力およびポート120cに導入されるスロットル圧に対する
対抗圧として作用する。
従って、上記ポート102eに導入される制御圧が高い場
合は、スプール102gが図中左方に移動するためライン圧
は低下される一方、該制御圧が低い場合はスプール102g
が図中右方に移動するため、ライン圧は上昇される。
また、上記フィードバック液圧調圧弁150は、ポート1
50eの出力圧がポート150fにフィードバックされ、この
フィードバック圧はスプリング150aの押圧力に対して対
抗力として作用するため、室150cに導入される信号圧変
化に対してポート150eから出力される制御圧は緩徐に変
化されることになる。
以上の構成により本実施例にあっては、Vベルト伝達
経路24を構成するVベルト62を周回する駆動プーリ52に
は、ライン圧を基に変速制御弁108で制御した駆動プー
リ制御圧が供給され、かつ、従動プーリ60にはライン圧
が直接供給されるため、結果的にこれら駆動プーリ52お
よび従動プーリ60の溝幅変化量、つまり、Vベルト62の
押圧力はライン圧によって決定されるようになってい
る。
ところで、ロックアップクラッチ16が解放されている
ときは、トルクコンバータ12によるコンバータ機能、つ
まりトルク増大機能が発生するため、パワートレーンに
は大きなトルクが作用し、上記駆動プーリ52および従動
プーリ60とVベルト62との間には、滑りが発生され易く
なる。
これに対し、本実施例では上記ロックアップクラッチ
16の解放時にはロックアップ制御弁110が図中下半部位
置に設定され、この状態を保持するためにロックアップ
ソレノイド142には高い信号圧が発生されている。
従って、フィードバック液圧調圧弁150の左端室にも
高い信号圧が作用することになり、該フィードバック液
圧調圧弁150は図中上半部位置に設定される。
このため、ポート150dとポート150eとは遮断され、該
ポート150eから制御圧は発生されないため、ライン圧制
御弁102のポート102eに信号圧は作用せず、該ライン圧
制御弁102で調圧されるライン圧は高くなる。
従って、上記駆動プーリ52および従動プーリ60とVベ
ルト62との間の滑りは確実に防止され、十分なトルク伝
達を行うことができる。
一方、上記ロックアップクラッチ16が締結されるとき
は、エンジン直結状態となってトルクコンバータ12のコ
ンバータ機能が発生されないため、パワートレーンに作
用するトルクは小さくなり、Vベルト62の滑りは抑制さ
れる。
そして、ロックアップクラッチ16の締結時には、ロッ
クアップ制御弁110は図中上半部位置に設定されるが、
このときロックアップソレノイド142には信号圧は発生
されておらず、従って、フィードバック液圧調圧弁150
は図中下半部位置に設定される。
すると、フィードバック液圧調圧弁150の下半部位置
ではポート150dとポート150eとが連通されるため、該ポ
ート150eには高い制御圧が発生され、これがライン圧制
御弁102のポート102eに供給されることにより、ライン
圧は低く設定される。
ところで、上記フィードバック液圧調圧弁150では、
左端室150cに作用する信号圧がロックアップソレノイド
142のPWM制御により変化される際、ポート150eの出力圧
がポート150fを介してスプール150bの段差部150gにスプ
リング150aの対抗圧として作用するため、該ポート150e
から出力される制御圧は緩徐に変化される。
従って、第3図に示すようにロックアップソレノイド
142で発生される信号圧が緩やかに変化された場合に
は、ロックアップ制御弁102で調圧されるライン圧も緩
徐に変化されることになり、トルク変化が滑らかに行わ
れてパワートレーンに不快なショックが発生されるのを
防止することができる。
第4図は本発明の第2実施例を示し、上記第1実施例
と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略
して述べる。
即ち、この実施例ではロックアップ制御弁110のポー
ト110bから出力されるロックアップクラッチ16の解放圧
(リリース圧)を信号圧として、フィードバック液圧調
圧弁150の左端室150cに導入してある。
即ち、ロックアップソレノイド142からロックアップ
制御弁110に供給される信号圧がPWM制御により緩やかに
変化されるため、信号圧として用いられる上記解放圧も
緩やかに変化されることになる。
従って、上記第1実施例と同様にフィードバック液圧
調圧弁150のポート150eから出力される制御圧は緩徐に
変化されるため、ロックアップクラッチ16切換時のライ
ン圧制御を緩やかに行うことができる。
第5図は本発明の第3実施例を示し、上記各実施例と
同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略し
て述べる。
即ち、この実施例では上記第1,第2実施例に設けられ
たフィードバック液圧調圧弁150を廃止し、ロックアッ
プソレノイド142で発生される信号圧を直後にライン圧
制御弁102に供給するようになっている。
上記ライン圧制御弁102には、スプリング102fの付勢
力およびポート102cに導入されるスロットル圧の作用方
向と同方向に上記信号圧が作用するようにポート102hが
設けられる。
従って、この実施例ではロックアップクラッチ16の解
放時にロックアップソレノイド142に高い信号圧が発生
されると、これが上記ライン圧制御弁102のポート102h
に供給されて、ライン圧を上昇させる方向に調圧される
一方、ロックアップクラッチ16の締結時にロックアップ
ソレノイド142の信号圧がドレンされると、上記ポート1
02hには液圧が供給されなくなる。
そして、上記ロックアップソレノイド142で発生され
る信号圧は、ロックアップクラッチ16の切換時に緩やか
に変化されるため、上記ライン圧制御弁102のライン圧
変化も緩やかに行われ、上記第1,第2実施例と同様の機
能を発揮することができる。
また、この実施例では上記第1,第2実施例に比較し
て、フィードバック液圧調圧弁150が廃止されることに
より、液圧制御回路の大幅な簡略化および小型化を達成
することができる。
第6図は本発明の第4実施例を示し、上記第3実施例
と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略
して述べる。
即ち、この実施例ではロックアップ制御弁110のポー
ト110bから出力されるロックアップクラッチ16の解放圧
(リリース圧)を信号圧として、ライン圧制御弁102の
ポート102hに直接供給するようになっている。
即ち、ロックアップソレノイド142からロックアップ
制御弁110に供給される信号圧がPWM制御により緩やかに
変化されるため、信号圧として用いられる上記解放圧も
緩やかに変化されることになり、従って、上記第3実施
例と同様にロックアップクラッチ16の切換時にライン圧
を緩やかに変化させることができる。
発明の効果 以上説明したように本発明の請求項1に示すVベルト
式無段変速機のライン圧制御装置にあっては、フィード
バック液圧調圧弁から出力されるライン圧制御弁の制御
圧は、ロックアップクラッチの切換時に、信号圧調圧手
段から出力される信号圧又はロックアップ制御弁から出
力される制御液圧を導入して連続的に変化される液圧と
して作られるようになっているため、ロックアップクラ
ッチの切換時に上記ライン圧制御弁で制御されるライン
圧を滑らかに変化させて急激なトルク変化を防止し、も
って、不快なショックを無くして車両乗り心地性を著し
く向上させることができる。
また、本発明の請求項2に示すVベルト式無段変速機
のライン圧制御装置にあっては、信号圧調圧手段から出
力される信号圧又はロックアップ制御弁から出力される
制御液圧を、信号圧として上記ライン圧制御弁に直接供
給することにより、上記信号圧および制御液圧が連続的
に変化される液圧として得られるため、ロックアップク
ラッチの切換時のライン圧制御を滑らかに行い、ショッ
クを無くすことができると共に、上記請求項1の構成で
用いられたフィードバック液圧調圧弁を廃止できること
により、構成を簡略化することができるという各種優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す液圧制御回路の概略
構成図、第2図は本発明のライン圧制御装置が適用され
るVベルト式無段変速機の一実施例を示す概略構成図、
第3図は本発明装置を用いた場合に得られるロックアッ
プクラッチ切換時のライン圧特性図、第4図は本発明の
第2実施例を示す液圧制御回路の概略構成図、第5図は
本発明の第3実施例を示す液圧制御回路の概略構成図、
第6図は本発明の第4実施例を示す液圧制御回路の概略
構成図、第7図は従来のVベルト式無段変速機のライン
圧制御装置に用いられる切換弁の概略構成図、第8図は
従来のライン圧制御装置でロックアップクラッチを切り
換えた場合のライン圧特性図である。 10……複合変速機(Vベルト式無段変速機)、12……ト
ルクコンバータ、14……駆動軸(入力軸)、16……ロッ
クアップクラッチ、20……出力軸、52……駆動プーリ、
60……従動プーリ、62……Vベルト、102……ライン圧
制御弁、110……ロックアップ制御弁、142……ロックア
ップソレノイド(信号圧調圧手段)、150……フィード
バック液圧調圧弁、E……エンジン(動力源)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液圧作動により溝幅変化され、周回された
    Vベルトを介して入力軸と出力軸との間で無段階のトル
    ク伝達を行う駆動プーリおよび従動プーリと、 動力源の回転力を入力軸に伝達するロックアップクラッ
    チ付きのトルクコンバータと、を備えたVベルト式無段
    変速機において、 上記駆動プーリおよび従動プーリに供給されるライン圧
    を、ロックアップクラッチ開放時にはトルクコンバータ
    による入力トルクの増大に応じて上昇し、かつロックア
    ップクラッチ締結時にはロックアップクラッチ解放時よ
    り低下するように制御するライン圧制御弁と、 上記ロックアップクラッチの締結および解放制御を行う
    ロックアップ制御弁と、 上記ロックアップクラッチの締結,開放を切り換える時
    にロックアップ制御弁からロックアップクラッチに出力
    される液圧を連続的に変化させるために、上記ロックア
    ップ制御弁を制御するための信号圧を連続変化させる信
    号圧調圧手段と、を備え、 上記信号圧調圧手段から出力される信号圧又は上記ロッ
    クアップ制御弁から出力される制御液圧を信号圧として
    導入し、この信号圧に応じて連続的に変化される制御圧
    を出力するフィードバック液圧調圧弁を設け、該制御圧
    を上記ライン圧制御弁に信号圧として供給することによ
    り、ロックアップクラッチの切換時にライン圧を滑らか
    に変化させることを特徴とするVベルト式無段変速機の
    ライン圧制御装置。
  2. 【請求項2】液圧作動により溝幅変化され、周回された
    Vベルトを介して入力軸と出力軸との間で無段階のトル
    ク伝達を行う駆動プーリおよび従動プーリと、 動力源の回転力を入力軸に伝達するロックアップクラッ
    チ付きのトルクコンバータと、を備えたVベルト式無段
    変速機において、 上記駆動プーリおよび従動プーリに供給されるライン圧
    を、ロックアップクラッチ開放時にはトルクコンバータ
    による入力トルクの増大に応じて上昇し、かつロックア
    ップクラッチ締結時にはロックアップクラッチ開放時よ
    り低下するように制御するライン圧制御弁と、 上記ロックアップクラッチの締結および解放制御を行う
    ロックアップ制御弁と、 上記ロックアップクラッチの締結,開放を切り換える時
    にロックアップ制御弁からロックアップクラッチに出力
    される液圧を連続的に変化させるために、上記ロックア
    ップ制御弁を制御するための信号圧を連続変化させる信
    号圧調圧手段と、を備え、 上記信号圧調圧手段から出力される信号圧又は上記ロッ
    クアップ制御弁から出力される制御液圧を、信号圧とし
    て上記ライン圧制御弁に直接供給し、ロックアップクラ
    ッチの切換時にライン圧を滑らかに変化させることを特
    徴とするVベルト式無段変速機のライン圧制御装置。
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