JP2956075B2 - コネクタのカバー - Google Patents

コネクタのカバー

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 電子装置にケーブルを着脱自在に接続するコネクタに
係り、特にシールドケーブルの導入部での電磁シールド
効果を向上させたコネクタのカバーに関し、 ケーブル導入口におけるケーブルのシールド編組との
電気的接続が確実で、電磁シールド特性が良好なコネク
タのカバーを提供することを目的とし、 ケーブル導入口を有しケーブルが結線されたコネクタ
を挟持する一対のカバー半体からなるカバー本体と、形
状記憶合金よりなり、外周に雄ねじ部と内壁に突起とが
形成され、変態温度より高い温度にすることにより内径
が収縮してシールド編組に嵌着する円管状となる固定ス
リーブと、該固定スリーブの外側に螺合する雌ねじ部と
前記ケーブル導入口に螺合するねじ部とを有する金属円
筒状の可動スリーブとを有し、前記カバー本体のケーブ
ル導入口には前記可動スリーブが螺合するねじ部が形成
されている構成である。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、電子装置にケーブルを着脱自在に接続する
コネクタに係り、特にシールドケーブルの導入部での電
磁シールド効果を向上させたコネクタのカバーに関す
る。
信号が複数本の導電線からなるケーブルで伝送され、
コネクタを介して装置に接続される場合、導電線やコネ
クタ部から信号に外部雑音が侵入しないように、金属導
体の電磁シールドでこれらを覆っている。
ところが近年デジタル電子機器の普及に伴い、電子機
器から放射される電磁波が他の電子機器の動作に悪影響
を与える機会が多くなり、電子装置にEMI(Electro−Ma
gnetic Interference:電磁環境妨害)対策を施すことが
重要となってきた。
そして電子装置と外部のインターフェイスたるコネク
タ接続部に対しても電磁シールドの完全性に対する要求
が強まっている。
〔従来の技術〕
第4図は従来のコネクタのカバーを示す分解斜視図で
ある。
図において1はケーブル側のコネクタで複数のコンタ
クト11が植設されている。2はコネクタ1に接続された
ケーブルで、複数本の絶縁電線21がシールド編組22で覆
われ、その外側を絶縁物のシールド(外皮)23で被覆さ
れている。そしてコネクタ1とケーブル2との結線部を
電磁シールドし、ケーブル2を固定するためケーブルの
結線部は包囲して金属製のカバーが取付けられる。カバ
ーは保守点検等のためコネクタから取り外せることが必
要で、通常は略同形のカバー半体31、32をコネクタを挟
持する如く組み合わせ、ねじ33で締めつけることによっ
て取付けている。そしてケーブルは導電線は絶縁被覆を
有する導電線の複数本を編組シールドで多いその外側を
絶縁体の外皮で覆ってなっている。
このケーブル2の固定は、ケーブルの一端で外皮23を
除去し、シールド編組22を外側に折り返して露呈させ、
絶縁電線21をコンタクト11に所定に結線した後、折り返
し部分22aを金属カバーの一方の半体31のケーブル導入
口31aの内側に設けられたケーブル取付け部31bに位置せ
しめ、鞍状のクランプ金具34をねじ35で締めつけること
により固定していた。これでシールド編組22aは金属の
カバー31に機械的に固定されるとともに電気的にも接続
されるようになっていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来の構造では締付けるクランプ金具とカバー側
の取付け部とで形成されるケーブル導入口が円形でな
く、シールド編組の外周に均等な締付け力が加わらない
ため、シールド編組の全周をクランプ金具とカバー半体
の導入口に接触させることが困難で、シールド編組との
間に隙間が生じて電気的接続が不確実になりこの部分に
おける電磁シールドが不充分になるという問題点があっ
た。
この隙間を無くしてシールド編組とカバー及びクラン
プ金具との密着性を増すためシールド編組の締付け部に
導電テープを巻きつけて外径を大きくするなども行われ
るが導電テープの導電率が低いため良好で電気的導通を
確保できない。
信号の通路の周囲が隙間なく金属導体で包囲されてい
る場合が電磁シールド効果が最も大きく、外部へ妨害電
磁波の放出や、外部からの雑音電波の侵入を防止でき
る。
この隙間から装置内部雑音電磁波の外部への漏洩や、
外部雑音電磁波の装置内部への侵入が起こり、電子装置
の筐体の電磁シールド作用が不十分になるという問題が
生じる。
本発明は上記問題点に鑑み創出されたもので、ケーブ
ル導入口におけるケーブルのシールド編組との電気的接
続が確実で、電磁シールド特性が良好なコネクタのカバ
ーを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点は、 ケーブル導入口を有しケーブルが結線されたコネクタ
を挟持する一対のカバー半体からなるカバー本体と、 形状記憶合金よりなり、外周に雄ねじ部と内壁に突起
とが形成され、変態温度より高い温度にすることにより
内径が収縮してシールド編組に嵌着する円管状となる固
定スリーブと、 該固定スリーブの外側に螺合する雌ねじ部と前記ケー
ブル導入口に螺合するねじ部とを有する金属円筒状の可
動スリーブとを有し、 前記カバー本体のケーブル導入口には前記可動スリー
ブが螺合するねじ部が形成されていることを特徴とする
本発明のコネクタのカバーにより解決される。
〔作用〕
形状記憶合金の復帰効果により円管状の固定スリーブ
がケーブルのシールド編組を全周で強固に締付けて、均
一な接触力でシールド編組の全周に良好に接続する。そ
して固定スリーブと可動スリーブ、および可動スリーブ
とカバーとの接続はねじの螺合によって成されるため、
全周にわたった良好に接続され、シールド編組とコネク
タのカバーとの間に隙間が生じることがなく電磁シール
ド特性が向上する。
〔実施例〕
以下添付図により本発明の実施例を説明する。第1図
は本発明のコネクタのカバーを示す分解斜視図、第2図
はケーブルの固定状態を示す断面図、第3図は他の実施
例を示す断面図である。なお全図を通じて同一符号は同
一対象物を表す。
第1図において、本発明のカバーは、金属製のカバー
本体4と、ケーブル2に嵌着される固定スリーブ5と、
固定スリーブをカバー本体に締結する可動スリーブ6と
からなる。
カバー本体は、第4図で前述したと同様に結線後のコ
ネクタ1を両端から挟持する一対のカバー半体41、42か
らなり、組み合わせた時に後側に円形開口となるケーブ
ル導入口41a,42aを有し、その内壁には雌ねじ43が形成
されている。
固定スリーブ5は形状記憶合金よりなり、外周に雄ね
じ部51と内壁に突起52とが形成され、ケーブルへの取り
付け前の状態では5′として示す如く、円周の一箇所で
切り開かれケーブル2の外径より大きい内径を有してい
る。この製造は、例えば、Ni−Ti等の形状記憶合金で、
ケーブルのシールド編組の外周を所定の力で締結するよ
うな内径の円管を形成し、外周に雄ねじ51を切って5の
形状に加工し、外周の一箇所を切断して形状記憶のため
の熱処理を行う。そして常温で塑性加工により切断箇所
を押し広げて5′の状態とし、ケーブルのシールド編組
に簡単に遊嵌できるようにしてある。
そして所定に前処理されたケーブル端のシールド編組
露呈部22′に被せて変態温度以上に加熱処理することに
より、内径が収縮して5の形状に戻り、シールド編組に
強固に嵌着する。
可動スリーブ6は金属製で、外周の後部には締めつけ
のための6角ナット頭部61が形成され、前方にはカバー
本体4のケーブル導入口41a,42aの雌ねじ43に螺合する
雄ねじ部62が形成されている。そして中心の貫通孔の内
壁には固定スリーブ5の外周の雄ねじ部51に螺合する雌
ねじ部63が形成されている。
なお上記の二組の螺合部に形成された二組のねじは互
いに逆ねじの関係に形成されており、例えば雌ねじ部4
3、雄ねじ部62とからなる螺合部を右ねじとすると、雄
ねじ部51と雌ねじ部63は左ねじが切られている。
次に第2図により、上記構成になるカバーによるケー
ブルの固定方法を説明する。
まずケーブル2の外被を除去して、所定長の個別電線
21を露出させシールド編組を折り返して、外被の外側に
露呈させる。そして、前述の方法で形状記憶合金よりな
る固定スリーブ5をシールド編組の折り返し部22′に嵌
着する。ついで個別電線21をコネクタのコンタクトに所
定に結線し、コンタクトを挟んでカバー半体41、42を一
体化し、図の(a)に示すように、ケーブル2の外被端
部に嵌着された固定スリーブ5が、ケーブル導入口41、
42の内側にくるようにする。そして可動スリーブ6を矢
印Aの如く押圧しつつ右回転させると、可動スリーブ6
の雄ねじ部62はケーブル導入口の雌ねじ部43に右側から
螺入するとともに、固定スリーブ5の雄ねじ部51が可動
スリーブ6の雌ねじ部63に左側から螺入して図の(b)
の如くなる。この状態では、嵌着された固定スリーブ5
が可動スリーブ6を介して、カバー本体の4のケーブル
導入口41a,42aに全周に隙間なく密着するので、ケーブ
ルのシールド編組22′とカバー本体との導通は良好であ
り、ケーブル導入部において優れた電磁シールド効果が
得られる。
第3図は、他の実施例を示す断面図で、この場合は図
の(a)の如くケーブル導入口41a,42aから外側に円筒
部44を突設し、その外周に、可動スリーブ6の雌ねじ部
63に螺合する雄ねじ部65を設けたものである。そして可
動スリーブ6を右方向に押圧しつつ回転させると、可動
スリーブ6の雌ねじ部63は固定スリーブ5とカバーの円
筒部44とにまたがってブリッジするように螺合するの
で、図の(b)の如く固定スリーブとカバーとはケーブ
ルの全周にわたって強固に固定されるとともに、良好な
電気的接続が達成される。
〔発明の効果〕
以上述べた如く本発明によれば、ケーブル導入口にお
けるケーブルのシールド編組との電気的接続をケーブル
の全周に対して確実に確保でき、ケーブル導入部の電磁
シールド特性が良好なカバーを提供することが可能とな
り、インターフェイス用コネクタの電磁障害対策に極め
て効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のコネクタのカバーを示す分解斜視図、 第2図はケーブルの固定状態を示す断面図、 第3図は他の実施例を示す断面図、 第4図は従来のコネクタのカバーを示す分解斜視図、 である。 図において、 1……コネクタ、11……コンタクト、2……ケーブル、
21……個別電線、22……シールド編組、23……外被、4
……金属製のカバー、41,42……カバー半体、41a,42a…
…ケーブル導入口、43……雌ねじ部、44……円筒部、45
……雄ねじ部、5……固定スリーブ、51……雄ねじ部、
52……突起、6……可動スリーブ、61……6角ナット頭
部、62……雄ねじ部、63……雌ねじ部、である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−58476(JP,U) 実開 昭62−173181(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01P 13/648

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーブル導入口(41a,42a)を有しケーブ
    ル(2)が結線されたコネクタ(1)を挟持する一対の
    カバー半体(41,42)からなるカバー本体(4)と、 形状記憶合金よりなり、外周に雄ねじ部(51)と内壁に
    突起(52)とが形成され、変態温度より高い温度にする
    ことにより内径が収縮してシールド編組(22′)に嵌着
    する円管状となる固定スリーブ(5)と、 該固定スリーブ(5)の外側に螺合する雌ねじ部(63)
    と前記ケーブル導入口(41a,42a)に螺合するねじ部(6
    2または63)とを有する金属円筒状の可動スリーブ
    (6)とを有し、 前記カバー本体(4)のケーブル導入口(41a,42a)に
    は前記可動スリーブ(6)が螺合するねじ部(43または
    45)が形成されていることを特徴とするコネクタのカバ
    ー。
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JP2593948Y2 (ja) * 1991-07-22 1999-04-19 日本エー・エム・ピー株式会社 ケーブル用金属スリーブ固定装置
DE19611717B4 (de) * 1996-03-25 2005-01-13 Pma Ag Anschlußelement für abgeschirmte Leiter und Kabel

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