JP3322907B2 - コネクタ用シールドシェル - Google Patents

コネクタ用シールドシェル

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JP3322907B2
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conductor
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圭 遠山
和仁 竹村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、EMI (electromagne
tic interference) 対策のためにケーブル接続部分全体
を遮蔽する金属製シェルと、ケーブルを該金属製シェル
に固定するためのケーブルクランプとを有するコネクタ
用シールドシェル、特に、小型化・高性能化した電子装
置に用いるに適したコネクタ用シールドシェルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5はEMI対策のためのシールドケー
スを有するコネクタの一例として、特開平1−1393
79号公報の図2に記載されたシールドケース付コネク
タの部分断面図である。この種のコネクタでは、ケーブ
ル10はケーブルクランプ14によりケース12の内壁
との間で挟持されケーブルクランプ14の両端をねじ1
8でねじ止めすることによりケース12に固定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コネクタが使用される
コンピュータ等の電子装置は年々小型化・高性能化が進
んでおり、それに伴ってコネクタ自体にも小型化・高密
度化が要求されるようになってきた。ところが、前述の
ように、従来のコネクタ用シールドケースはケーブルク
ランプをその両端でねじ止めする構造をとっているた
め、少なくとも2ヵ所ねじ止めする必要があり作業工数
が増え、一方ねじ止めのためのスペースがクランプされ
るケーブルの両側に必要であり、そのためコネクタの小
型化・高密度化の障害になるという問題があった。
【0004】また、ケーブルクランプの両側をねじ止め
してケーブルを固定する構造では、最初に一方をねじ止
めする際にはケーブルの弾力に抗しつつケーブルクラン
プを手で押し付けた状態で位置決めをした上でケーブル
クランプの片側をねじ止めしなければならず、困難な手
作業を必要とするという問題もあった。また、ケーブル
が伝送する信号の高速化に伴って、一本一本の信号線を
中心導体と外導体とそれらの間の誘電体からなる同軸線
路とし、誘電体としてはその誘電率を低くするために発
泡率の高い誘電体が用いられたケーブルが使用されるよ
うになった。この種の誘電体は90体積%以上の高い割
合で空気の泡を含むため、ケーブルをクランプする強い
圧縮力が作用すると、ケーブルの断面が変形してケーブ
ルの電気的特性、特にインピーダンス値が変化し、最悪
の場合ワイヤ間で短絡を起こすという問題もあった。
【0005】したがって本発明の主な目的は、小型化・
高密度化に適したコネクタ用シールドシェルを提供する
ことにある。本発明の他の目的は、ケーブルをクランプ
する際の作業性が改善されたコネクタ用シールドシェル
を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、ケ
ーブルを固定するために必要なクランプ力によりケーブ
ルの断面が変形することのないコネクタ用シールドシェ
ルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成する本
発明のコネクタ用シールドシェルは、コネクタに接続さ
れるケーブルの接続部分を遮蔽する形状を有する導体シ
ェルと、ケーブルを該導体シェルの内壁との間にクラン
プして固定するためのケーブルクランプとを具備するコ
ネクタ用シールドシェルにおいて、該ケーブルクランプ
は、その一端に突出部を有し、その他端には該ケーブル
クランプをねじ止めするためのねじを貫通させ得る貫通
穴を有し、前記導体シェルは、ケーブルクランプの該突
出部と遊嵌しうる穴と、該突出部が遊嵌したケーブルク
ランプをねじ止めするためのねじと螺合しうるねじ穴と
を有することを特徴とするものである。ここで、突出部
の形状は特に限定されるものではないが、ケーブルのク
ランプの作業性の容易さ、製造しやすさ等から決めら
れ、フック状でも、板片状でもまた、棒状でもよい。更
に、突出部の個数も特に限定されるものでなく、1つ以
上あれば良い。
【0007】このコネクタ用シールドケースは、さら
に、前記ケーブルクランプによりクランプされて前記導
体シェルの内壁に固定される複数本の被覆導体と該複数
本の被覆導体を覆う外被とを有するケーブルの該クラン
プされる部分の被覆導体を保護すべく、該外被の内側で
該複数本の被覆導体を覆うように挿入されるための筒形
のフェルールを具備することが好適である。又、係るフ
ェルールは、前記ケーブルクランプと一体型にすること
も可能である。
【0008】
【作用】ケーブルクランプの一端の突出部を導体シェル
の穴に遊嵌させた状態で、ケーブルを導体シェルの内壁
との間に挟持することにより、ケーブルの弾力によって
突出部が穴の内壁の一方に押し付けられてケーブルクラ
ンプとケーブルが導体シェルに一時的に固定される。そ
の後、他端をねじ止めすることによってクランプが完了
する。この構造により、ケーブルクランプの一端につい
てはねじ止め用のスペースが不要となり、小型化・高密
度化が達成される。
【0009】また、前述の如く、ケーブルクランプの一
端の突出部を導体シェルの穴に遊嵌させた状態でケーブ
ルを挟み込むことにより、ケーブルの弾力によって突出
部が穴の内壁の一方に押し付けられて一時的に固定さ
れ、位置決めが容易になるので、作業性が著しく改善さ
れる。さらに、ケーブルクランプによりクランプされる
部分において、ケーブルの外被と被覆導体との間に筒型
のフェルールを挿入することによって、被覆導体が変形
から保護される。又、ケーブルクランプとフェルール一
体型のクランプを用いれば、更に、位置決めが容易にな
り、確実に、シールド効果が得られる。
【0010】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係るコネクタ用シ
ールドシェルを用いて組み上げられたコネクタ・ケーブ
ルアセンブリ体を表わす図であり、 (a)欄は平面図、
(b)欄は (a)欄の下方から見た側面図である。図示され
たコネクタ用シールドケースは、 (b)欄に示すように、
シェル本体20とシェルカバー22とを含んでおり、
(a)欄はシェル内部のケーブルおよびケーブルクランプ
等を露出させるため、シェルカバー22を取り除いた状
態で示されている。
【0011】図示されたコネクタ用シールドケースには
2本の丸ケーブル24a,24bが収容されている。ケ
ーブル24a,24b内の同軸線の露出部分26a,2
6bの先端はコネクタ28に接続されている。ケーブル
24a,24bのシールドの折り返し部分32a,32
bは2つのケーブルクランプ34a,34bでそれぞれ
シェル本体20の内壁面にクランプされている。
【0012】図2はケーブルクランプ34aまたは34
bを表わす図であり、 (a)欄は平面図、 (b)欄は (a)欄
の下方から見た側面図である。図示されたケーブルクラ
ンプは、その一端に2つの突起36を有し、他端にはね
じ止め用の穴38を有している。図1(b) に示されるよ
うに、ケーブルクランプ34bの一端に設けられた突起
36はシェル本体20の側壁に設けられた穴38に遊嵌
され、シェル本体20との間に挟み込まれたケーブル2
4bの折り返し部分32bの弾力により穴38の上方の
側壁に押し付けられて固定される。他端はねじ40bに
よりシェル本体20にねじ止めされて固定される。ケー
ブルクランプ34aについても同様である。シェル本体
20の穴38は図示のように貫通穴でも、或いは単なる
凹部でも良い。ケーブルクランプの内側に設けられた突
起42(図2(b))はクランプされたケーブルの表面に喰
い込んでケーブルを把持する力を強化するためのもので
ある。
【0013】図3はケーブル24aまたは24bのクラ
ンプされる部分の断面図である。26はケーブルの芯線
となる多数の同軸線路の束を表わしている。その周囲は
金属箔による第1のシールド44、金属ネットによる第
2のシールド46、ジャケット48およびプラスチック
チューブ50の順で被覆されている。同軸線路の束26
を露出するために切り取られた被覆の端部においてシー
ルド46だけは切り残されて折り返され、その上にケー
ブルクランプ34aまたは34bおよびシェル本体20
との電気的接続を良好にするため、銅箔52がかぶせら
れ、その端はプラスチックチューブ54で覆われる。さ
らに、クランプされる範囲の同軸線路26を変形から保
護するために、金属製のフェルール56が被覆の端部か
らシールド44とシールド46との間に挿入される。
【0014】図4はフェルール56を表わす部分断面切
欠図である。フェルール56の一端には挿入が容易なよ
うに、テーパ58が設けられている。フェルール56を
2つのシールド層の間に挿入することにより、ケーブル
クランプによりクランプされたとき、その中の同軸線路
26が変形から保護される。
【0015】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明によれば、
コネクタの小型化・高密度化が可能となり、組上げにお
ける作業性が改善されるとともに、ケーブル内の被覆さ
れた芯線が圧縮力に弱い場合であってもクランプ力によ
る変形が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を表わす図である。
【図2】図1に示されるケーブルクランプの図である。
【図3】ケーブルの断面図である。
【図4】フェルールの図である。
【図5】従来のコネクタ用シールドケースを表わす図で
ある。
【符号の説明】
10,24a,24b…ケーブル 14,34a,34b…ケーブルクランプ 20…シェル本体 22…シェルカバー 36…突起 38…穴 56…フェルール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠山 圭 山形県東根市大字若木5500番地 山形ス リーエム株式会社内 (72)発明者 竹村 和仁 山形県東根市大字若木5500番地 山形ス リーエム株式会社内 (72)発明者 山内 雅弘 東京都港区芝5−7−1 日本電気株式 会社内 (56)参考文献 特開 平4−215273(JP,A) 実開 昭61−101979(JP,U) 実開 平2−39481(JP,U) 実開 昭58−103175(JP,U) 実公 昭57−56456(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 13/58 H01R 13/648

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コネクタに接続されるケーブルの接続部
    分を遮蔽する形状を有する導体シェルと、ケーブルを該
    導体シェルの内壁との間にクランプして固定するための
    ケーブルクランプとを具備するコネクタ用シールドシェ
    ルにおいて、前記ケーブルクランプによりクランプされて前記導体シ
    ェルの内壁に固定される複数本の被覆導体と該複数本の
    被覆導体を覆う外被とを有するケーブルの該クランプさ
    れる部分の被覆導体を保護すべく、該外被の内側で該複
    数本の被覆導体を覆うように挿入されるための筒型のフ
    ェルールをさらに具備するコネクタ用シールドシェル。
JP20257492A 1992-07-29 1992-07-29 コネクタ用シールドシェル Expired - Fee Related JP3322907B2 (ja)

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