JP2955993B2 - 伝え車およびこの伝え車の製造方法ならびに自動巻輪列構造 - Google Patents
伝え車およびこの伝え車の製造方法ならびに自動巻輪列構造Info
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Description
の伝え車の製造方法ならびに自動巻輪列構造に関し、更
に詳しくは、製造工程を簡略化することができる伝え車
およびこの伝え車の製造方法ならびに自動巻輪列構造に
関する。
図である。図7は、図6に示した自動巻輪列構造を示す
断面図である。この自動巻輪列構造500は、回転錘5
01の回転を一番伝え車502に伝える一番伝え中間車
503と、一番伝え中間車503の回転をつめレバー5
04に伝える一番伝え車502と、この一番伝え車50
2の偏心位置にて軸支され引きつめ5041および送り
つめ5042からなるつめレバー504と、当該つめレ
バー504によりその回転を一方向に規制され角穴車5
05に回転を伝える二番伝え車600と、香箱車507
の香箱真5071に係合している角穴車505とから構
成されている。角穴車505の回転は、香箱車507に
伝わり内装するぜんまいに動力を蓄積する。二番伝え車
506は、香箱受551と二番伝え受552とにより回
転可能に軸支されている。二番伝え車600は、角穴車
505の下側に配置されている。ムーブメントの薄型化
を図るためである。
転すると、この回転が一番伝え中間車503を介して一
番伝え車502に伝わる。一番伝え車502の回転がい
ずれの方向であっても、引きつめ5041と送りつめ5
042の作用により、二番伝え車600が一方向に回転
する。二番伝え車600の回転は、二番伝えかな602
を介して角穴車505に伝わる。角穴車505が回転す
ることで香箱車507のぜんまいが巻かれる。
を示した説明図である。この二番伝え車は、歯車601
(図中(a)の上面図参照)とかな602(図中(b)
の側面図参照)との2体で構成されている。歯車601
は、つめレバー504と係合するのこぎり状の歯611
を持つ。歯車601の中心部には、かな602を組み付
ける穴部612が穿設されている。この穴部612には
止め部613が設けてある。また、前記かな602は、
その両端に軸部621、621を持つ。更に、かな部6
22は2段形状になっている。当該かな602は、前記
小径部分622aを含めて歯割りしてある。更に、2段
形状の小径部分622aには、切欠部623が設けてあ
る。この小径部分622aが歯車601の穴部612に
嵌合する。前記切欠部623、623が止め部613、
613に係止して歯車601とかな602との間の回転
が抑制される。また、歯車601とかな602とは、取
り外し自由である。
材をプレス加工により打ち抜いて円盤部材を得る。つぎ
に、この円盤部材の周縁に歯611を形成する。歯61
1の形成には、ホブ盤を用いる。穴部612の形成は、
コンパウンドダイスにより円盤部材の打ち抜きと同時に
行われる。また、前記かな602の製造は、まず、旋盤
により前記軸部621および2段のかな部622を形成
する。つぎに、かな602を旋盤から外してフライス盤
に取り付け、フライス加工により切欠部623を形成す
る。また、鍛造機に取り付けて、切欠部623を形成し
てもよい。かな602の歯割りは、ホブ盤により当該か
な部全体に渡って行う。
を行い、ムーブメントの精度(自動巻時計では日差)に
ついて検査を行う。具体的には、まず、角穴車505を
回転させ、香箱車507に内装するぜんまいを全巻き状
態にする。香箱車507が1回転するには7時間を要す
る。このため、1日分(24時間)の回転を得るため角
穴車505を約3.4巻き戻す。角穴車505を巻き戻
すと、香箱車507の回転が図示しない二番車、三番車
に伝わるので、秒針および分針が回転する。時針は、二
番車の筒かなから筒車を介して回転を得る。そして、角
穴車505を巻き戻した時点の前記秒針のずれを測定す
る。
0とが係合した状態で角穴車505を巻き戻そうとする
と、つめレバー504が二番伝え車600と係合状態に
なり巻き戻しにくい。このため、検査工程では、角穴車
505と回転錘501との係合を解除するため、図7に
示す二番伝え受552を外し、前記二番伝え車600の
かな602を歯車601から取り外すようにしている。
これより、角穴車505と二番伝え車600との係合が
外れて角穴車505を自由に回転させることができるか
ら、精度検査を効率的に行うことができる。
600では、検査工程にて歯車601からかな602を
取り外せるように当該歯車601とかな602とを別体
構造とし、組立て状態で前記穴部612の止め部613
とかな部622の切欠部623とを係合させ、回転方向
の位置決めを行っている。また、かな602の製造にお
いては、まず、旋盤を用いて段付のかな部622を切削
形成し、続いて、フライス盤にかな602を付け換えて
切欠部623を切削形成している。更に、歯車601に
嵌合させる小径部分622aをも含め歯車割りを行って
いる。また、歯車601は、穴部612と共にプレス加
工で円盤形状に打ち抜き、ホブ盤にて歯車割りを行って
いる。
車600を製造すると、製造工程が多くなるという問題
点があった。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、製造工程を削減できる伝え車およびこ
の伝え車の製造方法ならびに自動巻輪列構造を提供する
ことを目的とする。
めに、請求項1 に係る伝え車は、歯車に形成した穴部に
かなを着脱自在に嵌合した構成であって、前記歯車の穴
部を太鼓形状に形成し、当該太鼓形状の弦部を前記かな
の隣接する2つの歯の略頂部と当接する寸法とし、前記
隣接する2つの歯を前記弦部に当接させることで前記か
なを歯車に係止させるものである。
歯を当接して係合するものである。この発明では、歯車
には一部に弦部を持つ太鼓形状の穴部を穿設するだけで
よい。かなの再加工は不要である。
下側に配置されると共に歯車とかなとを着脱自在に嵌合
した構成であって、前記歯車には、その中心に前記かな
を差し込む略丸形状の穴部が形成されており、この穴部
には、前記かなの隣接する2つの歯に当接する弦部が当
該穴部と一体形成されており、前記隣接する2つの歯を
前記弦部に当接させることで前記かなを歯車に係止させ
るものである。
ば、歯車の穿孔加工のみで済む。弦部を隣接するかなの
歯と当接可能なサイズにしておけば、かなを再加工する
手間が省ける。
下側に配置されると共に歯車とかなとを着脱自在に嵌合
した構成であって、前記歯車には、その中心に前記かな
を差し込む略丸形状の穴部が形成されており、この穴部
には、前記かなの隣接する2つの歯に当接する1つの弦
部が当該穴部と一体形成されており、前記隣接する2つ
の歯を前記弦部に当接させることで前記かなを歯車に係
止させるものである。
のかなの歯が前記弦部に当接するようにした構成であ
る。このようにしても、歯車とかなとを十分に係合する
ことができ、かなの再加工が不要になる。
下側に配置されると共に歯車とかなとを着脱自在に嵌合
した構成であって、前記歯車には、その中心に前記かな
を差し込む略丸形状の穴部が形成されており、この穴部
には、前記かなの隣接する2つの歯に当接する3つの弦
部が当該穴部と一体形成されており、前記隣接する2つ
の歯を前記弦部にそれぞれ当接させることで前記かなを
歯車に係止させるものである。
に当接して歯車とかなとを係止できれば、弦部が3つ以
上あっても構わない。このようにすれば、かなに再加工
を施すことなく、歯車とかなとを係合することができ
る。
は、段部を持つ軸体に歯車割り加工を施してかなを製造
するかな製造工程と、中心部に前記かなを嵌合する穴部
を穿孔すると共に当該穴部に前記かなの歯を係合させる
係合部を一体形成することで歯車を製造する歯車製造工
程と、前記かなの歯が前記係合部に係合するように前記
歯車とかなとを嵌合して組み立てる組立工程と、を含む
ものである。
は、かなと歯車とを作り、歯割りしたかなに再加工によ
り切欠部を設け、この切欠部と歯車の穴部に設けた止め
部とを係合させるようにしていた。この発明では、かな
の歯を係合させる係合部を歯車の穴部と一体形成するよ
うにし、切欠部の加工工程を省略した。このようにすれ
ば、伝え車の製造工程が簡単になる。
回転錘から回転力を得る一番伝え車と、前記一番伝え車
の偏心位置で軸支され、当該一番伝え車の回転により引
きつめおよび送りつめを揺動させるつめレバーと、前記
引きつめおよび送りつめが一方向揺動時のみ歯車に係合
して一方向の回転力を得ると共に、歯車に穿孔した穴部
にかなを分離可能に嵌合した二番伝え車と、前記二番伝
え車のかなと噛み合って回転を得ると共に、当該二番伝
え車の上側に配置される角穴車とを備え、検査工程にお
いて前記かなを歯車から分離して前記角穴車と二番伝え
車との噛み合いを解く自動巻輪列構造において、前記二
番伝え車の歯車に穿孔した穴部に、前記かなの歯が係合
する係合部を一体形成したものである。
に、かなの歯と係合する係合部を一体形成した。かなに
は歯割り以外の再加工を施さない。このようにすれば、
二番伝え車の製造工程が簡略化できるので、自動巻輪列
構造の構成が簡単になる。
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。
す説明図である。図2は、図1に示した二番伝え車を構
成する部品を示した説明図である。この二番伝え車10
0は、歯車1(図2中(a)の上面図参照)とかな2
(図2中(b)の側面図参照)との2体で構成されてい
る。歯車1は、つめレバーと係合するのこぎり状の歯1
1を持つ。歯車1の中心部には、かな2を組み付ける穴
部12が穿設されている。この穴部12には弦状の止め
部13が2つ設けてある。この止め部13は、穴部12
の穿設工程にて一体形成する。前記かな2は、その両端
に軸部20を持つ。更に、かな部22は2段形状になっ
ている。当該かな2は、前記小径部分22aを含めて歯
割りしてある。この小径部分22aが歯車1の穴部12
に嵌合する。前記止め部13の弦長は、かな2の隣接す
る2つの歯21の間隔、詳しくは対向する歯先面端部で
ある頂部21a,21bの間隔に略等しい。かな2を歯
車1に嵌合するときは、前記止め部13が隣接する2つ
の歯21、21の間にくるようにする。これより、かな
2の歯21、21が止め部13に係合して歯車1とかな
2との間の周方向の回転が抑制される。また、歯車1と
かな2とは取り外し自由である。
プレス加工により打ち抜いて円盤部材を得る。つぎに、
この円盤部材の周縁に歯11を形成する。歯11の形成
には、ホブ盤を用いる。穴部12の形成は、コンパウン
ドダイスにより円盤部材の打ち抜きと同時に行われる。
また、この穴部12と共に止め部13、13も一体形成
する。また、前記かな2の製造は、まず、旋盤により前
記軸部21および2段のかな部22を形成する。つぎ
に、ホブ盤によりかな2の歯割りを当該かな部全体に渡
って行う。
は、図6および図7に示す通りであるから、ここでは説
明を省略する。なお、上例では、かなの歯数が6つの場
合を挙げたが、これに限らない。例えば8歯のかなの場
合であっても、歯車側の止め部の弦長を隣接歯の歯先面
間隔とすればよい。
の形態2に係る二番伝え車を示す説明図である。この実
施の形態2に係る二番伝え車200は、穴部12に止め
部13が1つのみ設けてある。前記止め部13の弦長
は、上記同様、かな2の歯21、21の対向する歯先面
端部間隔に略等しい。かな2を歯車1に嵌合するとき
は、前記止め部13が隣接する2つの歯21、21の間
にくるようにする。止め部13が1つの場合でも、歯車
1とかな2との間の周方向の回転を抑制するには十分で
ある。その他の構成は、実施の形態1と略同様であるの
で、説明を省略する。
に、上記止め部13を3つ設けてもよい。複数であって
も、穴部12との一体形成ならば製造工程が増えること
はない。また、止め部13を4つ以上とすることもでき
る。また、図5に示すように、かな2の歯に係合させる
ための特殊形状をした係合部53を設けてもよい。
(請求項1)は、歯車の穴部に係合部を設けて、この係
合部にかなの歯を係合させるようにしたので、かなに切
欠部などの加工を施す手間が省ける。このため、伝え車
の製造工程を簡略化できる。
かなの歯を当接係合するので、かなの再加工が不要にな
る。このため、伝え車の製造工程を簡略化できる。
の弦部を穴部の穿孔時に一体形成するので、歯車の穿孔
加工のみで済む。このため、かなを再加工する手間が省
け、製造工程が簡略化する。
に設けた穴部に1つの弦部を設け、この弦部に当接する
かなの歯を2つにした。このようにしても、歯車とかな
とを十分に係合することができるのであるから、単純な
構成で伝え車を製造でき、且つ、上記同様、かなの再加
工が不要となる。このため、伝え車の製造工程を簡略化
できる。
の穴部にかなの歯との係合する弦部を3つ以上設け、嵌
合組立て時には、当該それぞれの弦部に対して前記かな
の隣接する2つの歯が当接するようにした。このように
しても、上記同様かなの再加工が不要になり、伝え車の
製造工程を簡略化できる。また、歯車とかなとを3点以
上で当接支持するので、両者を強固に係合できる。
5)は、かなの歯を係合させる係合部を歯車の穴部と一
体形成するようにし、切欠部の加工工程を省略した。こ
のため、伝え車の製造工程を簡略化することができる。
は、自動巻輪列を構成する二番伝え車の歯車に穴部を穿
孔する際、かなの歯と係合する係合部を一体形成するよ
うにした。かなには歯割り以外の再加工を施さない。こ
のため、二番伝え車の製造工程が簡略化できるので、自
動巻輪列構造の構成が簡単になる。
す説明図である。
た説明図である。
す説明図である。
示す説明図である。
示す説明図である。
る。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 歯車に形成した穴部にかなを着脱自在に
嵌合した構成であって、前記歯車の穴部を太鼓形状に形
成し、当該太鼓形状の弦部を前記かなの隣接する2つの
歯の略頂部と当接する寸法とし、前記隣接する2つの歯
を前記弦部に当接させることで前記かなを歯車に係止さ
せることを特徴とする伝え車。 - 【請求項2】 角穴車の下側に配置されると共に歯車と
かなとを着脱自在に嵌合した構成であって、前記歯車に
は、その中心に前記かなを差し込む略丸形状の穴部が形
成されており、この穴部には、前記かなの隣接する2つ
の歯に当接する弦部が当該穴部と一体形成されており、
前記隣接する2つの歯を前記弦部に当接させることで前
記かなを歯車に係止させることを特徴とする伝え車。 - 【請求項3】 角穴車の下側に配置されると共に歯車と
かなとを着脱自在に嵌合した構成であって、前記歯車に
は、その中心に前記かなを差し込む略丸形状の穴部が形
成されており、この穴部には、前記かなの隣接する2つ
の歯に当接する1つの弦部が当該穴部と一体形成されて
おり、前記隣接する2つの歯を前記弦部に当接させるこ
とで前記かなを歯車に係止させることを特徴とする伝え
車。 - 【請求項4】 角穴車の下側に配置されると共に歯車と
かなとを着脱自在に嵌合した構成であって、前記歯車に
は、その中心に前記かなを差し込む略丸形状の穴部が形
成されており、この穴部には、前記かなの隣接する2つ
の歯に当接する3つ以上の弦部が当該穴部と一体形成さ
れており、前記隣接する2つの歯を前記弦部にそれぞれ
当接させることで前記かなを歯車に係止させることを特
徴とする伝え車。 - 【請求項5】 段部を持つ軸体に歯車割り加工を施して
かなを製造するかな製造工程と、 中心部に前記かなを嵌合する穴部を穿孔すると共に当該
穴部に前記かなの歯を係合させる係合部を一体形成する
ことで歯車を製造する歯車製造工程と、 前記かなの歯が前記係合部に係合するように前記歯車と
かなとを嵌合して組み立てる組立工程と、 を含むことを特徴とする伝え車の製造方法。 - 【請求項6】 回転錘から回転力を得る一番伝え車と、
前記一番伝え車の偏心位置で軸支され、当該一番伝え車
の回転により引きつめおよび送りつめを揺動させるつめ
レバーと、前記引きつめおよび送りつめが一方向揺動時
のみ歯車に係合して一方向の回転力を得ると共に、歯車
に穿孔した穴部にかなを分離可能に嵌合した二番伝え車
と、 前記二番伝え車のかなと噛み合って回転を得ると共に、
当該二番伝え車の上側に配置される角穴車とを備え、 検査工程において前記かなを歯車から分離して前記角穴
車と二番伝え車との噛み合いを解く自動巻輪列構造にお
いて、 前記二番伝え車の歯車に穿孔した穴部に、前記かなの歯
が係合する係合部を一体形成したことを特徴とする自動
巻輪列構造。
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HK01102492A HK1032271A1 (en) | 1998-01-07 | 2001-04-09 | Transmission gear, method of manufacturing the same, and automatically wound gear train structure |
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