JPS6038228Y2 - 時差修正機能付時計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は手動操作により時間帯補正を行い得る装置に関
するものである。

旅行者がたとえば東京からホンコンに行った場合、１時
間時計を遅らす事が考えられる。

この場合分針を１回転させる必要がある。

しかし、これは分、秒針を正確な時間に合せる事は他の
時計がない場合非常に難しい事である。

しかし分針、秒針を止める事なく時針のみを１時間だけ
動かす事は、旅行者にとっては時間が誤りなく合せる事
が出来る為非常に便利である。

従来より筒歯車２個を３０度づつインデックススリップ
させ第１の筒歯車は日ノ裏カナと係合させ時計輪列を構
成し第２筒歯歯車は時針を保持し修正車と係合させて手
動操作により時針のみを１時間づつ修正させる方法は多
用されている。

第２の筒歯車を手動操作させることは伝え車、切替工機
構等考慮すると部品点数も多く又それ専用のムーブメン
トの地板も必要になる。

量産を考慮した場合一つの地板にて多仕様の時計を製造
する事はコストダウンの大きなポイントである。

本考案は時差修正機構を特に構成していない時計ムーブ
メントにわずかの変更にて、しかも時計ムーブメントを
厚くする事なく時差修正機構を可能にするものである。

以下図面に基づいて本考案の実施例を詳細に説明する。

第１図は本考案による実施例であるムーブメントの要部
断面図、第２図は筒車の要部平面図、第３図は本考案に
よる時計の平面図である。

１は筒車であり日ノ裏カナ１３と噛合う第１の筒歯車１
ａ及び日回シ車２と噛合う第２の筒歯車１ｃとからなり
筒車１は時針１７を保持する。

第１の筒歯車１ａは第２図の如く内側に１激の位置決め
歯ｌａ’を形成し、筒車１に設けたインデックスバネ１
ｂの先端部１ｂ’とインデックス、スリラフ係合してい
る。

第１の筒歯車１ａは日ノ裏カナ１３日ノ裏歯車１４．２
番カナ１５２番歯車１６３番カナ、以下各輪列を介して
ローター迄の時計輪列を形成している。

又第２の筒歯車１ｃは日回シ車２と噛合い日回シ車２に
設けられた日送り爪２ａ曜送り爪２ｂにて日板１及び曜
星車１２を送る。

ローターより駆動する筒車の回転力をＴＲ％筒車で日板
、曜星車を駆動する回転力をＴ。

、第１の筒車とインデックスバネによるスリップトルク
をＴ、とするとＴＲ＞Ｔｓ＞Ｔ ｏなる関係にＴｓを設
定すれば、通常運針時は第１の筒歯車１ａと第２の筒歯
車１ｃは一体となって、時針１７及び日板１１曜星車１
２を駆動する事になり、もし何等かの方法で第２の筒歯
車１ｃを駆動したとすると第１の筒歯車１ａ、日ノ裏歯
車１４、分針１８、秒針１９はインデックスバネ１ｂと
のスリップにより第２の筒歯車１ｃて駆動されることな
く通常時計運動を行う事になる。

通常設計ではＴＲは約３０９−ｃｍ、 Ｔｃは５ｇ−ｃ
ｍぐらいであり、インデックスバネ１ｂと第１の筒歯車
１ａのインデックス歯１ａ’のスリップトルクを１０〜
１５ｇ−ｃｍにすれば、分針１鍬針１９を停止する事な
く時針１７を駆動する事が出来る。

本考案では第２の筒歯車ＩＣを日回シ車２及び日板１１
の日板印刷位置１１ｂの下部に設けた伝工車３を回転駆
動する事により操作を行わんとするものである。

通常日板１１は歯部１１ａを日板押工１１ｃにより上、
下方向に押えられており、日板押工１１ｃの反対側に曜
板１２ａが設けられている。

日板１１の目板印刷位置１１ｂはその慣性を少くして衝
撃等による飛びをなくし、又躍制レバーのバネ圧を少く
してＴ。

を少くする為に出来るだけ残肉が薄くなるように設定し
ている。

この為目板印刷位置１１ｂの下側は地板２０との間にデ
ッドスペース１１ｂ′があり、その部分に伝工車３を軸
３ａにより、地板２０に固定する事は容易であり又ムー
ブメントの厚さを厚くする必要はない。

又、伝工車３は時計ケース９に設けた修正車４を介して
リューズ１０ａを押し、回転することにより駆動される
。

乗巻真５は異形部とネジ部とからなり異形部に修正車４
をコイルバネ７を介してスナップリング６にて固定する
。

ネジ部はリューズ１０ａとネジ嵌合している。

地板に設けた巻真戻しバネ８にて常に修正車４は伝工車
３とは離れており通常運針時は絶対に時計輪列の負荷に
ならないようにしている。

時差修正を行う場合リューズ１０ａを押す事により伝工
車３と修正車４は噛合い、回転する事により時針１７の
みを駆動する事になる。

コイルバネ７は伝工車３と修正車４が正常に噛合わない
場合撓んで伝工車３と、修正車４の各歯の損傷を防止す
る。

以上の如く本考案によれば基礎ムーブメントを大きく変
更する事なく部品点数の少ない時差修正時計を容易に製
造する事が出来、又薄型で低コストの時差修正付時計を
提供出来る。

なお通常針合せは日ノ裏車、小鉄車を通じ、ツヅミ車、
巻真等により行い、カレンダーの早修正等も従来と同様
に行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による実施例に於けるムーブメントの要
部断面図、第２図は本考案による実施例の筒車要部平面
図、第３図は本考案による実施例の時計平面図である。 １・・・・・・筒車、２・・・・・田園シ車、３・・・
・・・伝工車、４・・・・・・修正車、ｌｅａ・・・・
・・リューズ、１１・・・・・山板、１２・・・・・・
曜星車、１３・・・・・田ノ裏カナ、１７・・・・・・
時針、１８・・・・・・分針、１９・・・・・・秒針。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 日ノ裏カナと噛合い、日ノ裏輪列装置を構成する第１筒
   歯車と、時針を保持する第２筒歯車とを１旙分にインデ
   ックスしてスリップ結合した筒車を備え、該筒車のスリ
   ップ動作により分、秒針を止めることなく時針を駆動可
   能にした時差修正機構に於いて、前記第２筒歯車には日
   回シ車を介して修正車からの駆動力を伝達するよう構成
   したことを特徴とする時差修正機能付時計。