JP2955774B2 - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ

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JP2955774B2
JP2955774B2 JP2308501A JP30850190A JP2955774B2 JP 2955774 B2 JP2955774 B2 JP 2955774B2 JP 2308501 A JP2308501 A JP 2308501A JP 30850190 A JP30850190 A JP 30850190A JP 2955774 B2 JP2955774 B2 JP 2955774B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ベルト耐久性を向上した重荷重用空気入り
ラジアルタイヤに関する。
〔従来の技術〕
従来、重荷重用空気入りラジアルタイヤ(以下、重荷
重用ラジアルタイヤと略す)は、一般に、第3図に示す
ように、カーカス層4とキャップトレッドゴム層2とア
ンダートレッドゴム層3とからなるトレッド部1との間
に、スチールコードからなる4層のベルト層5を配置し
て、トレッド部の補強を行っている。
上記4層からなるベルト層は、カーカス層に対するタ
ガとしての補強効果を大きくするため、通常、カーカス
層4から2番目のベルト層(以下、2番ベルト層とい
う)5−2と3番目のベルト層(以下、3番ベルト層)
5−3は、コードが互いに交差するクロスプライにして
いる。このようなクロスプライになった部分は、タイヤ
が走行時に変形すると、2番ベルト層と3番ベルト層間
に両ベルト層を面方向にずらせるような大きな剪断力が
作用するため、両ベルト層のエッジ部がセパレーション
し易くなる。このため、2番ベルト層5−2と3番目の
ベルト層(以下、3番ベルト層)5−3のエッジ部間に
クッションゴム層6を設け、前記エッジ部間のセパレー
ションを防止していた。
しかしながら、このような重荷重用ラジアルタイヤが
超荷重条件下で使われる場合や数回の更生を繰り返した
後のタイヤとして使用される場合には、3番ベルト層5
−3のエッジ部からトレッド面方向及びタイヤ巾方向の
クラックが発生することが判明した。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、超荷重条件下で走行したり或いは数
回の更生を繰り返して使用する場合であっても、3番ベ
ルト層のエッジからのクラックの発生を低減し、耐久性
を向上した重荷重用ラジアルタイヤを提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
このような本発明の目的は、トレッド部をアンダート
レッドゴム層とキャップトレッドゴム層との2層構成に
し、該トレッド部とカーカス層との間に3層または4層
のスチールコードからなるベルト層を配置し、前記カー
カス層から2番目と3番目のベルト層とをクロスプライ
にすると共に、そのエッジ部間にクッションゴム層を介
挿したラジアルタイヤにおいて、前記3番目のベルト層
のエッジと該エッジの上部をJIS硬度が65〜75、300%伸
張時モジュラスが130〜200kgf/cm2のゴム組成物からな
り、厚さが1.5mm以上のゴム層で被覆し、かつ該ゴム層
を前記3番目のベルト層に20mm以上ラップさせることに
より達成することができる。
2番ベルト層と3番ベルト層のエッジ部間にクッショ
ンゴム層を介挿するほかに、3番ベルト層のエッジ上面
を特定の物性と厚さを有するゴム層で覆うと共に、その
ゴム層を少なくとも20mmに亘ってラップさせることによ
り、3番ベルト層のエッジ部の動きを抑制して応力集中
を低減し、2番ベルト層と3番ベルト層のエッジ部間の
セパレーションを防止し、かつ3番ベルト層のエッジか
らのクラックの発生を防止することができる。
本発明において、JIS硬度及び300%伸張時モジュラス
は、それぞれJIS K 6301に規定されている方法に順じて
測定した値である。
以下、図面を参照して詳しく説明する。
第1図に示すように、本発明タイヤはトレッド部1を
キャップトレッドゴム層2とアンダートレッドゴム層3
からなる2層構造にしている。このトレッド部1のアン
ダートレッド層3とカーカス層4との間に、カーカス層
側から順に、いずれもスチールコードからなる1番ベル
ト層5−1、2番ベルト層5−2、3番ベルト層5−3
及び4番ベルト層5−4の4層のベルト層5が設けられ
ている。1番ベルト層5−1はタイヤの横剛性を保つた
めタイヤ周方向に対するコード角度が40゜〜75゜の範囲
であるのに対し、2番ベルト層5−2、3番ベルト層5
−3及び4番ベルト層5−4は、それぞれ耐張力層とし
て15゜〜30゜の範囲になっている。これらのうち、2番
ベルト層5−2と3番ベルト層5−3はベルトコードが
互いに交差するクロスプライになっている。また、1番
ベルト層5−1と2番ベルト層5−2との間はベルトコ
ードがタイヤ周方向に対し同一方向に傾斜するように配
置され、また、4番ベルト層5−4は3番ベルト層5−
3と同一の方向になるように配置されている。
また、互いにクロスプライになっている2番ベルト層
5−2と3番ベルト層5−3のエッジ部の間には、クッ
ションゴム層6が配置され、さらに3番ベルト層のエッ
ジ上面を高硬度、高モジュラスのゴム層7が被覆してい
る。このゴム層7は3番ベルト層5−3と一部ラップす
ると共に、クッションゴム層6の上面も覆うようになっ
ている。
クッションゴム層6は、従来と同様に主として2番ベ
ルト層と3番ベルト層とのエッジ部間のセパレーション
を防止するために設けたもので、好ましくはJIS硬度が6
8〜82で、300%伸長時モジュラス150〜240kgf/cm2のも
のが使用される。
一方、3番ベルト層5−3のエッジ部を覆うゴム層と
しては、上記クッションゴム層とアンダートレッドゴム
層の中間の硬度、モジュラスのゴムであることが必要で
ある。そのため、JIS硬度が65〜75で、300%伸張時モジ
ュラスが130〜200kgf/cm2のゴム組成物からなるもの
で、しかも厚さが1.5mm以上、好ましくは1.5〜2.5mmで
あることが必要である。また、このゴム層の3番ベルト
層のエッジに対するラップ量lが20mm以上になっている
ことが必要である。さらに好ましくは第2図に示すよう
に、4番ベルト層5−4のエッジまで達するようにラッ
プするのがよい。
このゴム層が上述のゴム特性を備え、かつ厚さとラッ
プ量とを有することによりはじめて、超荷重下の使用に
おいても、3番ベルト層エッジ部の動きを効果的に抑制
し、セパレーションの発生、成長を防止することが可能
になる。上述したJIS硬度、300%伸張時のモジュラス及
び厚さ並びにラップ量のいずれかが前記範囲を満足され
ないときは、上述の効果は期待し得なくなる。
このようなJIS硬度と300%伸張時のモジュラスを満足
するゴム組成物は、たとえば3番ベルト層のコートゴム
を構成するゴム成分と同じ天然ゴム、SBR、ポリブタジ
エン等のジエン系ゴムからなるゴム成分に、カーボンブ
ラックやプロセスオイル等の配合薬品の種類、配合量等
を適宜選択して配合したゴム組成物から作製することが
できる。
また、本発明において、2層構造にしたトレッド部の
うち、キャップトレッドゴム層は耐摩耗性のゴムからな
り、また、アンダートレッドゴム層は耐熱性のゴムから
なっている。
なお、上述した実施例では、スチールコードからなる
ベルト層を4層設ける場合について説明したが、本発明
は4番ベルト層を省略した3層からなる主として小型ト
ラック用の重荷重用空気入りラジアルタイヤにも適用す
ることができる。
〔実施例〕
第1図に示すトレッド部構造を有し、2番ベルト層と
3番ベルト層のエッジ部間のクッションゴム層にJIS硬
度80、300%伸長時モジュラス240kgf/cm2のゴム組成物
を使用し、3番ベルト層5−3のエッジ部を被覆するゴ
ム層として、表に示した物性を有するゴム組成物を使用
した本発明タイヤI、比較タイヤI,IIを製作した。
また、比較のため、前記ゴム層を設けなかった以外は
本発明タイヤIと実質的に同じ、第3図に示すトレッド
部構造を有する従来タイヤを製作した。
これらのタイヤのサイズはいずれも同一の1000R20 1
4PRとした。
上述した4種類のタイヤについて、次の室内回転ドラ
ム耐久性試験を行い、表に示す結果を得た。
耐久試験方法: リム20×7.00T、空気圧7.25kgf/cm2、荷重2700Kg、速
度45Km/hrの条件で、24時間毎に荷重を135kgずつステッ
プアップさせながら、各タイヤをドラム上で故障が発生
するまで走行させ、その時の荷重を測定し、初荷重(27
00Kg)を100%とした荷重表示で示した(スリップ角±
2度、周波数0.1Hz)。その後の各タイヤのトレッド部
を除いて3番ベルト層のエッジ部のセパレートの有無を
調べた。
〔発明の効果〕 以上、説明したように、本発明によれば、3層または
4層のスチールコードからなるベルト層のうち、互いに
クロスプライしている2番ベルト層と3番ベルト層のエ
ッジ部間にベルトクッションゴム層を設けると共に、3
番目のベルト層のエッジ上面をJIS硬度が65〜75、300%
伸張時モジュラスが130〜200kgf/cm2のゴム組成物から
なり、、厚さが1.5mm以上のゴム層で被覆し、しかもそ
のゴム層を20mm以上ラップさせるように設けたことによ
って、超荷重条件下で走行する場合或いは数回にわたっ
て更生を繰り返した場合でも2、3番ベルト層間のエッ
ジ間のセパレーションのみならず、3番ベルト層のエッ
ジから成長するクラックの発生を防止し、その耐久性を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、それぞれ本発明の重荷重用ラジア
ルタイヤのトレッド部構造の1例を示す半断面図、第3
図は従来の重荷重用ラジアルタイヤのトレッド部構造を
示す半断面図である。 1……トレッド部、2……キャップトレッドゴム層、3
……アンダートレッドゴム層、4……カーカス層、5…
…ベルト層、5−2……2番ベルト層、5−3……3番
ベルト層、6……クッションゴム層、7……ゴム層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部をアンダートレッドゴム層とキ
    ャップトレッドゴム層との2層構造にし、該トレッド部
    とカーカス層との間に3層または4層のスチールコード
    からなるベルト層を配置し、前記カーカス層から2番目
    と3番目のベルト層とをクロスプライにすると共に、そ
    のエッジ部間にクッションゴム層を介挿したラジアルタ
    イヤにおいて、前記3番目のベルト層のエッジと該エッ
    ジの上部をJIS硬度が65〜75で、300%伸長時モジュラス
    が130〜200kgf/cm2のゴム組成物からなり、厚さが1.5mm
    以上のゴム層で被覆し、かつ該ゴム層を前記3番目のベ
    ルト層に20mm以上ラップさせた重荷重用空気入りラジア
    ルタイヤ。
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