JP2955120B2 - 排水用管路の敷設工法 - Google Patents

排水用管路の敷設工法

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JP2955120B2
JP2955120B2 JP10839292A JP10839292A JP2955120B2 JP 2955120 B2 JP2955120 B2 JP 2955120B2 JP 10839292 A JP10839292 A JP 10839292A JP 10839292 A JP10839292 A JP 10839292A JP 2955120 B2 JP2955120 B2 JP 2955120B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排水用管路の敷設工法に
関し、特に上昇した地下水位を降下させ或いは地下水を
排水して地盤を改良する際に用いられる排水用管路を敷
設する工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地下水を地上に排水するものとして井戸
がある。一般の井戸は地表に対し垂直にボーリング穴を
穿孔し、このボーリング穴に集水用のストレーナー及び
排水用の管を通して構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記井戸は地中に垂直
に埋設された1本の管路によって構成されている。この
ため、上昇した地下水の水位を降下させる場合、或いは
多くの地下水を含んだ地盤から地下水を排水して改良す
る場合、地上に多くの独立した井戸を鑿井することが必
要であるという問題がある。また井戸を鑿井する場合、
ボーリング穴の穿孔工程及び形成された穴に対する管の
埋設工程等複数の工程が必要であり、構築のための工期
が長くなるという問題がある。
【0004】本発明の目的は、排水用の管路を敷設する
に際し工期の短縮をはかることが出来る工法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る排水用管路の敷設工法は、周囲に地下水
を流通させる多数の孔を有する多孔管の内部にカッター
を有する掘進機を配設し、且つ前記掘進機のカッターを
多孔管の先端と同一面に位置させると共に掘進機の後端
と多孔管の後端を同一面に位置させ、前記カッターによ
って地山を掘削しつつ多孔管及び該多孔管の内部に配設
した掘進機を元押装置によって推進し、その後、推進さ
れた多孔管に他の多孔管を後続させると共に掘進機にさ
や管を後続させてこれ等の多孔管及びさや管を元押装置
によって推進し、敷設された多孔管が予め設定された長
さに達したとき、多孔管の先端に薬液を注入して該先端
に面した土壌を硬化させると共に多孔管の内部に配設さ
れた掘進機及びさや管を引き戻すことを特徴とするもの
である。
【0006】
【作用】上記排水用管路(以下単に『管路』という)の
敷設工法によれば、地中に排水用の管路を短期間で敷設
することが出来る。即ち、地下水を流通させる多数の孔
を形成した多孔管の内部にカッターを有する掘進機を配
設してカッターの先端と多孔管の先端、及び掘進機の後
端と多孔管の後端を同一面上になるように位置させ、前
記カッターによって地山を掘削しつつ多孔管と該多孔管
の内部に配設した掘進機、又は長手方向に連続させた多
孔管及び掘進機に後続させたさや管を元押装置によって
推進することで、掘進機を推進すると同時に多孔管を推
進することが出来る。そして推進された多孔管が予め設
定された排水用管路の長さに達したとき、多孔管の先端
に薬液を注入して該先端に面した土壌を硬化させること
で、排水用管路の先端を閉鎖することが出来る。更に、
多孔管の内部に配設された掘進機及びさや管を引き戻し
て多孔管を地中に残置させることで、残置された多孔管
によって管路を構成することが出来る。上記管路では、
地下水は多孔管に形成された多数の孔を通って該多孔管
の内部に浸入し、多孔管の内部或いは他の所定位置に設
けたポンプによって地上に排水することが出来る。
【0007】
【実施例】以下上記管路の敷設工法の一実施例について
図を用いて説明する。図1は多孔管及び掘進機を推進す
る際の模式断面図、図2は掘進機を引き戻す際の模式断
面図、図3は管と掘進機との関係を示す説明図、図4は
硬化剤を注入する工程の説明図、図5は本発明に係る管
路の敷設工法を採用して鑿井した井戸の平面図である。
【0008】図に於いて、管路Aは地中に多孔管1を埋
設して敷設されている。管路Aの敷設長さが後述する元
押装置9のストロークよりも短い場合、管路Aは敷設長
さと等しい長さを有する1本の多孔管1によって敷設し
得る。然し、一般に管路Aの敷設長さは元押装置9のス
トロークよりも長い場合が多い。この場合、管路Aは元
押装置9のストロークに応じた長さを有する複数の多孔
管1を連続させて敷設される。排水用の管としては周囲
に多数の孔を有するストレーナー状の管、或いは鋼製の
網をパイプ状に形成した網パイプ等の管を用いることが
可能である。本実施例では、多孔管1として壁面に多数
の孔1aを形成した多孔管1を用い、この多孔管1を地
盤中に予め設定された長さで敷設するようにしている。
多孔管1は内部に配設される掘進機2の長さと等しい長
さを持って構成され、且つ同一仕様で形成された複数の
多孔管1を用いている。
【0009】多孔管1の内部には掘進機2が配設されて
いる。この掘進機2は先端にカッター3を有し、且つ該
カッター3が多孔管1の先端面と同一面に位置すると共
に後端が多孔管1の後端と同一面に位置するように配設
されている。掘進機2は、カッター3及び該カッター3
を駆動するモーター3aを有するヘッド部4と、このヘ
ッド部4に複数のジャッキ5及び図示しない1本のロッ
ドを介して接続されたテール部6とによって構成されて
いる。この構成は一般の下水道管路等を敷設する際に用
いられる掘進機と同一である。従って、テール部6の内
部に設けた図示しない油圧装置を駆動し、複数のジャッ
キ5に対し同時に或いは選択的に圧油を供給すること
で、テール部6に対するヘッド部4の屈曲角度を変更す
ることが可能である。
【0010】掘進機2の後端(図1に於ける右側)、即
ち、テール部6の後端にはブラケット7が設けられ、該
ブラケット7に掘進機2を引き戻す際に使用される複数
のPC棒8が固着される。掘進機2の外径、即ち、ヘッ
ド部4及びテール部6の外径は多孔管1の内径よりも僅
かに小さく形成され、該掘進機2を多孔管1に内接或い
は内挿することが可能なように構成されている。
【0011】PC棒8は、掘進機2及び該掘進機2に連
続させたさや管13を立坑Bに引き戻す際に利用されるも
のであり、抗張力の高い鋼棒を用いている。PC棒8は
両端部或いは全長にわたってネジが形成されており、且
つ長さは多孔管1と略等しく形成されている。このた
め、複数の多孔管1を連続させて管路Aを敷設する場合
には、1本の多孔管1を推進する毎にPC棒8をナット
8aによって接合させるように構成されている。
【0012】元押装置9は、立坑Bに配置されて多孔管
1及び該多孔管1の内部に配設した掘進機2を推進して
管路Aを敷設し、且つ管路Aが予め設定された長さに到
達した後、掘進機2を立坑Bに引き戻すものである。元
押装置9は、フレーム10に配置された複数の油圧シリン
ダーからなるジャッキ11と、ジャッキ11によって駆動さ
れてフレーム10上を往復移動する押輪12とによって構成
されている。押輪12にはPC棒8の配置位置に対応して
該PC棒8を挿通する孔が形成されている(図示せ
ず)。
【0013】さや管13は管路Aの敷設長さに応じて掘進
機2の後端に接続されるものであり、元押装置9の推進
力を掘進機2に伝達するものである。さや管13は多孔管
1の内径と略等しい外径を有し、且つ多孔管1と等しい
長さを有する鋼管或いはヒューム管等の管を用いてい
る。
【0014】次に、上記多孔管1,掘進機2,元押装置
9を用いて地中に排水用の管路Aを敷設する際の手順に
ついて説明する。先ず、立坑Bに元押装置9を設置し、
管路Aの先頭に配置される多孔管1の内部に掘進機2を
配設した後、該多孔管1をフレーム10上に載置する。次
いで、掘進機2のカッター3を駆動しつつ元押装置9の
ジャッキ11を駆動して押輪12を矢印a方向に前進させる
と、押輪12は多孔管1及び掘進機2の後端と当接し、両
者を同時に矢印a方向に推進する。
【0015】管路Aの先頭に配置される多孔管1及び掘
進機2に対する推進が終了しても予め設定された管路長
に達しない場合、推進された多孔管1に新たな多孔管1
を連続させて推進することが必要となる。この場合、押
輪12を矢印b方向に後退させ、新たな多孔管1の内部に
掘進機2の後端に接続して元押装置9の推進力を掘進機
2に伝達するさや管13を配設し、該多孔管1をフレーム
10上に載置する。また掘進機2のブラケット7にPC棒
8の一端を固着すると共に、該PC棒8の他端を押輪12
に形成した孔に挿通する。このとき、押輪12に挿通され
たPC棒8の端部を拘束されることのない自由端として
も良く、またナット14を螺合して押輪12によって拘束し
ても良い。
【0016】上記の如くして既に推進された多孔管1に
新たな多孔管1を接続して溶接等の手段により互いに固
着すると共に掘進機2にさや管13を連続させ、且つ掘進
機2にPC棒8を固着した後、押輪12を再度矢印a方向
に前進させる。上記操作を繰り返すことで、複数の多孔
管1によって管路Aを敷設することが可能である。
【0017】多孔管1の敷設に伴って地盤に含まれた水
或いは土砂が多孔管1に形成された多数の孔1aから浸
入し、多孔管1と掘進機2或いはさや管13との間に充満
する虞がある。地下水が浸入した場合には該地下水が立
坑Bに流入して作業の進行を阻害することとなり、また
土砂が浸入した場合には掘進機2或いはさや管13を引き
抜く際の作業を阻害することとなる。このため、図3に
示すように予め多孔管1の孔1aに夫々シール材となる
栓15を遊嵌し、防水用パテ16によって孔1aと栓15との
間隙からの浸水或いは土砂の浸入を防止している。栓15
は防水用パテ16を介して掘進機2或いはさや管13と接触
している。このため、管路Aの敷設中に栓15に作用する
水圧は該栓15,防水用パテ16を介して掘進機2或いはさ
や管13によって支持され、孔1aから離脱することはな
い。従って、管路Aの敷設中に多孔管1と掘進機2或い
はさや管13との間に浸水する虞がない。また掘進機2及
びさや管13が立坑Bに引き戻されたとき、即ち、栓15に
作用する水圧が掘進機2或いはさや管13によって支持し
得る状態にないとき、栓15は作用する水圧によって孔1
aから離脱する。従って、地盤に含まれた地下水は孔1
aを通って多孔管1の内部に浸入する。
【0018】推進された複数の多孔管1が予め設定され
た管路長に到達したとき、図4に示すように先端に位置
する多孔管1の先端に硬化剤を注入し、敷設された管路
Aの先端に位置する地山を硬化させる。これにより地山
が崩壊して土砂が管路Aの内部を埋めることを防止し、
管路Aの排水管としての機能を維持させることが可能と
なる。硬化剤を注入するには種々の方法があり、土質や
環境に応じて最も適した方法を採用することが可能であ
る。本実施例では、管路Aの先端近傍に地上からパイプ
17を圧入させ、該パイプ16を介してタンク18に貯蔵され
た硬化剤を注入する方式を採用している。
【0019】上記の如くして管路Aの先端を硬化させた
後、さや管13及び掘進機2を立坑Bに引き戻す操作を行
う。上記操作は、PC棒8を押輪12に固着し、該押輪12
を後退させることで行われる。即ち、PC棒8にナット
14を螺合し、このナット14を押輪12に当接させる。これ
により、PC棒8の両端は掘進機2及び押輪12に固着さ
れる。そしてジャッキ11を駆動して押輪12を矢印b方向
に後退させると、押輪12に作用する力がPC棒8を介し
て掘進機2に伝達され、掘進機2及び該掘進機2に連続
したさや管13が後退する。このとき多孔管1には土圧が
作用していることから、掘進機2及びさや管13のみが後
退して立坑Bに引き戻される。
【0020】1本のさや管13を元押装置9のフレーム10
上に引き戻し、その後ナット14及びPC棒8を接続する
ナット8aを緩めて更に押輪12を後退させ、さや管13を
フレーム10上から取り除くと共にPC棒8を取り除く。
次いで、押輪12を前進させてPC棒8の自由端を孔に挿
通させ、ナット14を螺合して押輪12と掘進機2を接続さ
せた後、再度押輪12を後退させて次のさや管13をフレー
ム10上に引き戻す。上記操作を繰り返すことで、掘進機
2に連続させたさや管13,PC棒8,掘進機2を順次フ
レーム10上に引き戻し立坑Bから撤去する。
【0021】全てのさや管13及び掘進機2を引き戻した
とき、既に推進された複数の多孔管1は地中に残置され
て排水用の管路Aが敷設される。尚、多孔管1の孔1a
に遊嵌された栓15は、該栓15に作用する水圧によって掘
進機2の引き戻しに伴って孔1aから離脱し、多孔管1
の内部には孔1aを介して地盤に含まれた水が浸水す
る。上記の如くして一方の端部を立坑Bに開口させた排
水用の管路Aを敷設することが可能である。従って、地
盤に含まれた水は管路Aから立坑Bに集中するため、該
立坑Bに揚水ポンプを設置して排水することで地下水位
の調整或いは地盤の改良を行うことが可能となる。
【0022】図5に示すように、立坑Bを中心として放
射状に複数の管路Aを敷設することによって、多くの井
戸を鑿井することなく広い範囲の地盤から地下水を排水
することが可能である。立坑Bを基点とする各管路Aは
深さ方向に同一レベルで敷設しても良く、また夫々異な
るレベルで敷設しても良い。何れにしても、1本の立坑
Bを構築することによって広い範囲の排水を行うことが
可能である。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
排水用管路の敷設工法では、多孔管の内部に配設された
掘進機によって地中を掘削しつつ掘進機及び多孔管を推
進し、更に多孔管の敷設長さが予め設定された長さに達
したとき、掘進機を引き戻すことで多孔管を地中に残置
して一方の端部が立坑に開口した排水用の管路を敷設す
ることが出来る。このため、掘進機の推進と同時に多孔
管を敷設することが可能となり、排水用管路を敷設する
際の工期の短縮化をはかることが出来る。また立坑を中
心として放射状に複数の排水用管路を敷設することによ
って広い範囲の地盤中に含まれた水を排水する井戸を構
築することが出来る等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】管及び掘進機を推進する際の模式断面図であ
る。
【図2】掘進機を引き戻す際の模式断面図である。
【図3】管と掘進機との関係を示す説明図である。
【図4】硬化剤を注入する工程の説明図である。
【図5】本発明に係る管路の敷設工法を採用して鑿井し
た井戸の平面図である。
【符号の説明】
Aは管路、Bは立坑、1は多孔管、1aは孔、2は掘進
機、3はカッター、4はヘッド部、5はジャッキ、6は
テール部、7はブラケット、8はPC棒、9は元押装
置、10はフレーム、11はジャッキ、12は押輪、13はさや
管、14はナット、15は栓、16はパテ、17はパイプ、18は
タンクである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 3/10 101 E21D 9/06 311 E02D 17/20 106

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲に地下水を流通させる多数の孔を有
    する多孔管の内部にカッターを有する掘進機を配設し、
    且つ前記掘進機のカッターを多孔管の先端と同一面に位
    置させると共に掘進機の後端と多孔管の後端を同一面に
    位置させ、前記カッターによって地山を掘削しつつ多孔
    管及び該多孔管の内部に配設した掘進機を元押装置によ
    って推進し、その後、推進された多孔管に他の多孔管を
    後続させると共に掘進機にさや管を後続させてこれ等の
    多孔管及びさや管を元押装置によって推進し、敷設され
    た多孔管が予め設定された長さに達したとき、多孔管の
    先端に薬液を注入して該先端に面した土壌を硬化させる
    と共に多孔管の内部に配設された掘進機及びさや管を引
    き戻すことを特徴とした排水用管路の敷設工法。
  2. 【請求項2】 多孔管を推進するに際し多孔管に形成さ
    れた多数の孔をシール材によって閉塞すると共に該シー
    ル材に作用する水圧を掘進機又はさや管によって支持
    し、且つ掘進機及びさや管を引き戻したとき前記シール
    材が水圧によって孔から離脱するように構成したことを
    特徴とした請求項1記載の排水用管路の敷設工法。
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