JP2954616B2 - 重力軸の落下防止制御方法 - Google Patents

重力軸の落下防止制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はCNC工作機械の重力軸の制御方法に関し、特
に重力軸のサーボアンプ等を保護することを目的とする
重力軸の落下防止制御方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に縦型マシニングセンタのZ軸、横型マシニング
センタのY軸等は重力軸と称され、電源がオフされた場
合あるいは、重力軸のサーボモータの励磁が解除された
ときは落下するので、電源オフ時等は機械的なブレーキ
を設けて落下を防止している。このブレーキは一般にブ
レーキの電流がオフ時に重力軸のサーボモータ等をクラ
ンプするように構成されている。
このために、CNCが先ずPCに重力軸のブレーキをオン
させる信号を出力し、ブレーキが動作した後にサーボモ
ータの励磁電流をオフして、重力軸の落下を防止してい
る。このような例として、特願昭63−334880号がある。
このような制御は非常停止の場合のみならず、サーボ
モータ、サーボアンプの異常時であるサーボアラームが
発生したときも同様に行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、サーボアラームが重力軸に関するときでもこ
の制御をそのまま適用すると、本来重力軸のサーボモー
タ、サーボアンプに異常があるにもかかわらず、ブレー
キを動作させてから重力軸の励磁電流をオフしている
と、重力軸のサーボアンプあるいはサーボアンプを破損
してしまうおそれがある。また、重力軸のサーボモータ
あるいはサーボモータに異常があるときは、多少の落下
があっても止むを得ないと考えられる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
重力軸がサーボアラームの状態の場合のサーボモータと
サーボアンプを保護するようにした重力軸の制御方法を
提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明では上記課題を解決するために、 CNC工作機械の重力軸のブレーキを制御する重力軸の
落下防止制御方法において、サーボアラーム発生時、CN
Cから重力軸の制御停止をPC(プログラマブル・コント
ローラ)に通知し、この通知を受けたPCはブレーキを動
作させる信号を機械側へ出力する。又、CNCは、サーボ
アラームが発生した軸が重力軸か他の軸か判別し、前記
サーボアラームが前記重力軸で発生した場合は、サーボ
アラーム発生時、直ちに前記重力軸のサーボモータの励
磁電流をオフにする。しかし、サーボアラームが重力軸
ではない他の軸で発生した場合は、予め設定されたブレ
ーキ動作完了時間後に前記重力軸の励磁電流をオフする
ようにした。
作用 サーボアラームが発生すると、CNCはPCに重力軸の制
御停止を通知し、この通知を受けたPCはブレーキを動作
させる信号を機械側へ出力する。一方、CNCは、サーボ
アラームが発生した軸が重力軸か他の軸か判別し、サー
ボアラームが重力軸で発生した場合には、CNCはPCに重
力軸の制御停止を通知と共に、直ちに重力軸のサーボモ
ータの励磁電流をオフにしてサーボモータあるいはサー
ボアンプの保護を行う。しかし、サーボアラームが重力
軸ではない他の軸で発生した場合は、予め設定されたブ
レーキ動作完了時間後に前記重力軸の励磁電流をオフす
る。即ち、CNCからPCに重力軸の制御停止を通知し、PC
が機械側にブレーキを動作させる信号を送出してブレー
キが動作するまでには時間がかかり遅れる。そのため、
本発明では、サーボアラームが発生した軸が重力軸では
ない他の軸の場合には、重力軸にブレーキがかかった後
に重力軸の励磁電流をオフにする。しかし、サーボアラ
ームが発生した軸が重力軸であるときには、サーボモー
タの励磁停止が遅れることを避けるために、サーボアラ
ーム発生後、直ちに重力軸のサーボモータの励磁電流を
オフにする。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の重力軸のブレーキ制御方式の概念図
である。制御の流れを各ステップに分けて説明する。図
において、Sに続く数値はステップ番号を示す。
〔S1〕サーボアラームが発生する。
〔S2〕サーボアラームは重力軸に関するものか他の軸か
判別し、重力軸ならS9に進みサーボモータの励磁電流を
ただちにオフし、同時にPMCにサーボモータの制御停止
を通知して、重力軸のブレーキをオンさせるようにする
が、実際にブレーキが動作するのはサーボモータの励磁
電流がオフしてからである。しかし、重力軸のサーボア
ラームが発生している以上、重力軸の落下防止よりも、
重力軸のサーボアンプ、サーボアンプの保護が優先され
るべきである。
サーボアラームが他の軸ならS3に進む。
〔S3〕CNCは非常停止信号等を受け、PMC(プログラマブ
ル・マシン・コントローラ)に重力軸のサーボモータの
制御を停止すること、すなわちサーボモータの励磁電流
をオフすることを通知する。
〔S4〕PMCはCNCからのサーボモータの励磁信号オフの予
告を受ける。
〔S5〕そこで、ブレーキ電流をオフにする信号を機械側
の強電盤に出力する。
〔S6〕機械側の強電盤ではブレーキ用の電流をオフし、
ブレーキが動作を開始する。
〔S7〕ブレーキが動作を完了し、重力軸がロックされ
る。
〔S8〕この間CNCは重力軸のサーボモータの制御を維持
し、励磁電流を保持している。
〔S9〕パラメータで指定された時間経過後にサーボモー
タの励磁電流をオフする。ここで、パラメータで設定さ
れる時間は、PMCがサーボモータの制御停止予告信号を
受けて、ブレーキ電流をオフする信号を出力し、ブレー
キが重力軸をロックするまでの時間より、やや大きい時
間を設定する。
次に本発明を実施するためのハードウェアについて説
明する。第2図は本発明を実施するためのハードウェア
の構成図である。図において、プロセッサ11はROM12に
格納されているコントロールプログラムに従って、全体
を制御する。コプロセッサ11aはプロセッサ11からの指
令により、座標変換、3角関数等の計算を高速に実行す
る。RAM13は各種の計算データが格納される。不揮発性
メモリ14には加工プログラム14a、パラメータ等が記憶
され、バッテリバックアップされたCMOS等が使用され
る。
PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)15は
プロセッサ11から、サーボモータの制御を停止する信号
を受け、ブレーキ電流をオフする信号を出力する。これ
らの制御はシーケンスプログラム15aによって行われ
る。
表示制御回路16はディジタルな信号を表示信号に変換
する。表示装置16aは表示信号を受け、加工プログラ
ム、座標位置等を表示する。表示装置としてはCRT、液
晶表示装置等が使用される。キーボード17は各種のデー
タを入力するのに使用される。
位置制御回路18はサーボモータ20を制御するための回
路であり、サーボアンプ19は位置制御回路18からの指令
を受けてサーボモータ20を駆動する。サーボモータ20に
はブレーキ21が設けられており、電源オフ時あるいはサ
ーボモータの励磁電流がオフされているときは、ブレー
キ21によって、サーボモータ20をロックし、重力軸が落
下しないようにしている。この他に、サーボモータ20に
は速度帰還のためのタコジェネレータ、パルスコーダ、
光学スケール等の位置検出が設けられているが図では省
略している。ブレーキを除いたこれらの要素は軸数分だ
け必要であるが、各軸の構成は同じであるので、ここで
は重力軸の1軸分のみ記載して、他の軸の構成要素は省
略してある。他の軸は勿論ブレーキ21を設けていない。
入出力回路22はPMC15からのブレーキの電流オフ信号
を受け、強電回路23に送る。強電回路23はブレーキ21の
電流をオフし、これによってブレーキ21がサーボモータ
20の軸をロックする。手動パルス発生器24は各軸をディ
ジタルに移動させるために使用され、機械操作盤に実装
される。
ここではプロセッサは1個であるが、システムに応じ
て複数のプロセッサを使用したマルチ・プロセッサシス
テムにすることもできる。
上記の説明ではPCはCNCに内蔵されたPMCで説明した
が、CNCの外部に設けられた独立型のPCでも同様にブレ
ーキの制御をできる。
また、ブレーキはサーボモータをロックすることで説
明したが、重力軸のボールスクリューをロックする構成
としてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明では、サーボアラームが重
力軸以外の場合はCNCはブレーキが重力軸をロックして
からサーボモータの励磁電流をオフにするようにし、サ
ーボアラームが重力軸の場合はただちに励磁電流をオフ
するようにしたので、重力軸のサーボモータ、サーボア
ンプの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の重力軸の落下防止制御方法の概念図で
ある。 第2図は本発明を実施するためのハードウェアの構成図
である。 11……プロセッサ 11a……コプロセッサ 12……ROM 13……RAM 14……不揮発性メモリ 14a……加工プログラム 15……PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ) 15a……シーケンスプログラム 16a……表示装置 17……キーボード 18……位置制御回路 19……サーボアンプ 20……サーボモータ 21……ブレーキ 22……入出力回路 23……強電回路 24……手動パルス発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中里 友美 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580 番地 ファナック株式会社商品開発研究 所内 (56)参考文献 特開 平2−17237(JP,A) 特開 平3−60991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23Q 5/54 B23Q 5/36 G05B 19/19

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CNC工作機械の重力軸のブレーキを制御す
    る重力軸の落下防止制御方法において、 サーボアラーム発生時、CNCから前記重力軸の制御停止
    をPC(プログラマブル・コントローラ)に通知し、 前記PCはブレーキを動作させる信号を機械側へ出力し、 前記CNCは、サーボアラームが発生した軸が重力軸か他
    の軸か判別し、前記サーボアラームが前記重力軸で発生
    した場合は、直ちに前記重力軸のサーボモータの励磁電
    流をオフし、前記サーボアラームが重力軸ではない他の
    軸で発生した場合は、予め設定されたブレーキ動作完了
    時間後に前記重力軸のサーボモータの励磁電流をオフす
    ることを特徴とする重力軸の落下防止制御方法。
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