JP2953650B2 - ポリオレフィン製造用触媒組成物、およびポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン製造用触媒組成物、およびポリオレフィンの製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリオレフ
ィン製造用触媒組成物に関し、具体的には、メチルアル
ミノキサンやホウ酸エステルを共触媒として使用しなく
ともポリオレフィン類を製造することのできる触媒組成
物に関するものである。本発明の触媒組成物は、優れた
触媒活性を有しているので、エチレン等の重合はもとよ
り、エチレンと、他のα−オレフィン類や高級アルキル
オレフィン類等との共重合を容易に行うことができると
共に、得られる重合体の分子量や分子量分布を任意に調
節することが可能である。
【0002】
【従来の技術】可溶性のチーグラー−ナッタ触媒は、単
一の触媒活性部位を有し、チタン、バナジウムおよび/
またはアルミニウム錯体の混合物を含有するものである
が、その代表的なものとしてメタロセン類が挙げられ
る。メタロセン類は、ビス(シクロペンタジエニル)金
属の総称であり、2個のシクロペンタジエニル基の間に
金属が挟まれたサンドイッチ構造(2個のシクロペンタ
ジエニル基がπ結合により金属原子と結合している)を
有している。この触媒は、商業的規模でのα−オレフィ
ンの重合に一般的に使用されており、特に、ポリエチレ
ン等の重合体や、エチレンとα−オレフィン類との共重
合体を製造するのに繁用されている。
【0003】しかしながら、チーグラー−ナッタ触媒の
存在下に得られるポリオレフィン類は、分子量分布が相
対的に広くなる,光透過性が悪くなるといった問題があ
る他、抽出可能物質の含有量が多くなる,重合過程では
単量体濃度が相対的に低くなってしまう等の不具合も総
じて見られた。そこで、これらの問題を解決すべく、チ
ーグラー−ナッタ触媒の一部を改変させた種々の触媒、
所謂チーグラー−ナッタ改質触媒の開発が試みられてい
る。
【0004】可溶性チーグラー−ナッタ触媒を用いてポ
リオレフィンを製造する試みは、Breslow および Newbu
rgがJ. Am. Chem. Soc., vol.81, PP81-86 (1959) のな
かで最初に報告している。これは、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジクロロジルコニウムおよびアルミニウムア
ルキルの混合物からなるメタロセンを触媒として使用す
るものであるが、この様なチーグラー−ナッタ改質触媒
は、従来の触媒に比べて触媒活性能などの点で劣るもの
であった。その後、1980年代に入って、Sinnおよび
Kaminsky がAdvances in Oreganometallic Chemistry,
vol. 18, P123(1980) で、或いはドイツ特許第2, 6
08, 933号および同2, 608, 863号、並びに
ヨーロッパ特許第35242号で、エチレン重合の際、
ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム
を、共触媒としてアルミノキサンと共に使用することが
効果的であることを報告した。
【0005】更に、ヨーロッパ特許出願第129368
号(1984)には、ポリエチレン製造用触媒としてビ
ス(シクロペンタジエニル)金属化合物を使用すること
が開示されている。具体的には、主触媒としてビス(シ
クロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、共触媒と
してメチルアルミノキサンを含有するエチレン重合用触
媒組成物であり、同法で得られるポリエチレンは、分子
量:140, 000、分子量分布:3. 5を有するもの
である。また、ヨーロッパ特許出願第128045号
(1984)には、エチレン重合用触媒として、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジアルキルおよ
びビス(シクロペンタジエニル)チタンジアルキルが開
示されている。この触媒の存在下に得られるポリエチレ
ンの分子量は、320, 000に増加したが、分子量分
布も同様に5. 51に増加した。更に、ヨーロッパ特許
出願第260999号(1988)には、主触媒として
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)クロロジルコ
ニウム、および共触媒としてメチルアルミノキサンを含
有するエチレン重合用触媒組成物が開示されている。こ
の触媒を使用して得られるポリエチレンの分子量は、1
85, 000に達することができ、しかも1. 9という
好ましい分子量分布を有する反面、触媒活性は、461
gのポリエチレン(PE)/mM・Zr・hrと非常に
低かった。更に、ヨーロッパ特許出願第226463号
(1987)には、エチレン重合用触媒として、ビス
(シクロペンタジエニル)クロロチタンメチルが開示さ
れている。
【0006】これらは、いずれも共触媒としてメチルア
ルミノキサンを使用した例であるが、その代わりに、大
きなホウ素含有アニオンの存在下にポリエチレン類等を
製造する方法も提案されている。ヨーロッパ特許出願第
277003号および同第277004号(1988)
は、上記アニオンを初めて使用した例であるが、共触媒
として、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリ
ブチルアンモニウムおよび7,8−ジカルボランを使用
している。
【0007】更に、日本特開昭63−218707(1
988)には、主触媒としてビス(シクロペンタジエニ
ル)ジクロロチタニウムを含有すると共に、共触媒とし
てメチルアルミノキサンおよび1,2−ジクロルエタン
を含有するエチレン重合用触媒組成物が開示されてい
る。この方法によれば、触媒活性を21,400gのポ
リエチレン/mM・Ti・hrまで高めることができた
旨報告されている。更に最近では、ヨーロッパ特許出願
第384171号(1990)において、触媒として、
ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタンおよびエ
チルアルミノキサンを使用することにより、エチレン重
合における触媒活性を131kg・PE/g・Ti・時
間にまで改善できた旨報告されている。また、国際公開
No.WO9109882(1991)では、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジメチルクロムおよびホウ酸ジメチ
ルアニリン−テトラ(ペンタフルオロフェニル)を含有
する触媒組成物を使用することにより、ポリエチレンの
分子量を594, 000にまで高めることができると共
に、分子量分布も2. 15と一層狭くできることが開示
されている。また、米国特許第5,258, 475号に
は、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウ
ム、アルミニウムトリメチル(即ち、トリメチルアルミ
ニウム)、および酸化トリブチル錫を含有するエチレン
重合用触媒組成物が開示されている。
【0008】その他に、ビス(シクロペンタジエニル)
および芳香族環(例えばインデンやフルオレン)を配位
子として含有する有機金属化合物からなる触媒も開示さ
れている。例えばヨーロッパ特許出願第303519号
(1987)には、エチレンと1−ヘキセンの共重合過
程において、ジインデニルジクロロジルコニウム、メチ
ルアルミノキサンおよび珪酸テトラエチルを含有する触
媒組成物の使用が開示されており、16, 800gのP
E/gのZr・hrの触媒活性を示す旨報告されてい
る。これら2つのインデン分子は、炭素原子やケイ素原
子と一緒に結合することができ、例えば米国特許第4,
871, 705号(1990)には、ジメチルシランジ
イル基(Me2 Si)と結合する為の方法が、ヨーロッ
パ特許出願第413326号(1991)には、イソプ
ロピル基との結合を与える為の方法が夫々開示されてい
る。
【0009】更に、エチレン重合用触媒として3個の環
を含有するフルオレン化合物の使用も報告されている。
例えば、ヨーロッパ特許出願第530908号(199
3)には、ビス(シクロペンタジエニル)およびフルオ
レン基が金属原子(Zr)とπ結合したものが、ヨーロ
ッパ特許出願第528207号(1992)には、イン
デン基およびフルオレン基が金属原子(Zr)とπ結合
したものが夫々開示されており、いずれも所望の結合を
得る為に、イソプロピル基が使用されている。一方、カ
ナダ特許第2,067,525号には、エチレン重合用
触媒として、2個の配位結合したフッ素原子がエチレン
基を介してZr化合物と結合したものが開示されてい
る。同公報に開示された触媒を使用すると、得られるポ
リエチレンの分子量は71, 900に達することがで
き、しかも0. 97の密度を有するものである。更に、
ヨーロッパ特許出願第566988号(1994)に
は、エチレンと5−ノルボルネンの共重合用触媒として
フルオレンジルコニウム化合物を使用することが開示さ
れている。
【0010】その他に、配位子としてモノ(シクロペン
タジエニル)のみを含む有機金属系触媒も多数開示され
ている。例えば、エチレンと、4−メチル−1−ペンテ
ンまたは1−ヘキセンとの共重合用触媒として、C5
4 SiMe2 NC(CH32 ZrCl2 、および共
触媒としてメチルアルミノキサンを含有する触媒組成物
[ヨーロッパ特許出願第416815号(199
1)];C5 Me4 SiMe 2 NC(CH32 ZrM
2 、および共触媒としてPhNMe2H+ B(C65
4 -を含有する触媒組成物[WO9200333(1
992)]等が提案されている。このうち後者の触媒組
成物を使用すると、ポリエチレンの分子量は900, 0
00にまで達することができる。更に、米国特許第5,
214,173号には、(C5 Me5 )(C29
11)ZrMeおよびトリイソブチルアルミニウムを含
有するポリエチレン製造用触媒組成物が開示されてお
り、得られるポリエチレンの分子量は182, 000で
あった。
【0011】この様に、ポリオレフィン類製造用触媒と
して、様々な触媒が提案されているが、いずれの触媒を
使用したとしても、分子量、分子量分布および光透過性
を全て良好なものとし、しかも抽出可能物質の含有量が
少なく触媒活性能も高いといった様な全ての特性を満足
させることは困難であった。
【0012】
【発明の目的】本発明の目的は、エチレン等を重合した
り、或いはエチレンと他のα−オレフィン類、ジオレフ
ィン類、アセチレン系不飽和単量体類、環式オレフィン
類とを共重合する為の触媒として好適に使用することの
できる新規なポリオレフィン製造用触媒組成物を提供す
ることにある。詳細には、本発明の主たる目的は、共触
媒として、トリアルキルアルミニウムやジアルキルアル
ミニウムを使用するが、高触媒活性を得る為に不可欠で
あったメチルアルミノキサンや大きなホウ酸エステルと
いった共触媒は使用する必要のないポリオレフィン製造
用触媒組成物を提供することにある。更に本発明の他の
目的は、上記触媒組成物を用いてポリオレフィンを効率
よく製造することのできる方法を提供することにある。
【0013】
【発明の構成】本発明のポリオレフィン製造用触媒組成
物は、 (1)式:(C5n5-n)(L)MXab [式中、 C5n5-n は、置換された若しくは未置換のシクロペ
ンタジエニル基(nは0〜5の整数、RはC1〜C6のア
ルキル基)であり、Lは、ホウ酸テトラピラゾリル、ホ
ウ酸ヒドロトリスピラゾリル、ホウ酸ジヒドロビスピラ
ゾリルまたはホウ酸ヒドロトリス(3,5−ジメチルピ
ラゾリル)であり、Mは、4B族の遷移金属であり、a
およびbは、a+b=m−2の関係を満足する整数(m
はMの原子価)であり、XおよびYは、互いに同一若し
くは異なっていても良く、ハロゲン原子、または、OR
1若しくはER12で表される配位子であり、ここで、
EはNまたはPであり、R1およびR2は、互いに同一若
しくは異なっていても良く、C1〜C6のアルキル基、ま
たは置換されていても良いアリール基である]で表され
る有機金属化合物、および (2)共触媒として、トリアルキルアルミニウムまたは
ジアルキルアルミニウムを含有し、ホウ酸エステルおよ
びメチルアルミノキサンのいずれも含有しないものであ
り、この触媒組成物は、エチレン等を重合したり、或い
はエチレンと他のオレフィン類とを共重合する為の触媒
として有用である。
【0014】ここで、XまたはYの少なくとも1つが、
OR1 で表される配位子であるものは本発明の好ましい
実施態様である。式中、Lがホウ酸ヒドロトリスピラゾ
リル基である場合の構造式は下記の通りである。
【0015】
【化2】
【0016】本発明におけるより好ましい触媒は、下記
(a)〜(d)で表される。 (a)(η5 −C55 )[HB(C3323
Zr(OC65)2 (b)(η5 −C55 )[HB(C3323
Zr(OCH3)Cl (c)[η5 −C5 (CH35 ][HB(C33
23 ]Zr(OC652 または (d)(η5 −C55 )[HB(C332)3 ]Z
r(OC652 [ここで、η5 −C55 はシクロペンタジエニル基で
あり、(C332 )はピラゾリルである]
【0017】尚、本明細書において「C1 〜C6 のアル
キル基」とは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のア
ルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0018】また、「ハロゲン原子」としては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。更に、「置換さ
れたアリール基」としては、少なくとも1個の置換基で
置換されたアリール基[例えば上述したハロゲン等の置
換基で置換されたフェニル、トリル、ナフチル等]が挙
げられる。
【0019】また、本発明のポリオレフィン製造用触媒
組成物は、上記触媒、及びトリアルキルアルミニウムま
たはジアルキルアルミニウムの共触媒を含有するもので
あり、共触媒として、ホウ酸エステルおよびメチルアル
ミノキサンのいずれも含有しない点で、従来の触媒組成
物とは全く異なるものである。好ましくは、本発明の触
媒組成物は、Mで表される4B族の遷移金属(すなわ
ち、Ti,Zr,Hf)と、アルミニウム原子の比が
1:15〜1:1,000の範囲になる様にトリアルキ
ルアルミニウムまたはジアルキルアルミニウムが供給さ
れる。
【0020】この様な触媒組成物を使用すれば、高い触
媒活性能を発揮させることができ、高分子量、狭い分子
量分布を有するポリエチレンやエチレンの共重合体を効
率よく製造することができる点で非常に有用である。更
に、本発明の触媒は、例えばシンジオタクチックポリス
チレン(sPS)、シンジオタクチックポリプロピレン
(sPP)、ゴムの酸化等の方法にも利用することがで
きる。
【0021】また、本発明のポリオレフィンの製造方法
は、上記触媒組成物の存在下にオレフィンの重合反応ま
たは共重合反応を行うものであり、その反応条件などは
特に限定されず、通常使用される条件下に行うことがで
きる。
【0022】以下実施例に基づいて本発明を詳述する。
ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術範囲に包含される。
【0023】
【実施例】実施例1:( η5 −C55)[ HB( C332)3]Z
r( OC65)2 の合成 50mlのCH2 Cl2 中に、1. 32gの( η5 −C
55)[ HB( C3 32)3]ZrCl2 および0. 7
9gのKOC65 を加え、室温で5時間攪拌して反応
させた後、濾過して白色のKCl沈澱物を除去した。残
りの透明な濾液を蒸留してCH2 Cl2 溶媒を除去した
後、トルエン/ペンタンの混合溶媒で再結晶化させて白
色固体を得た(収率:66%)。
【0024】実施例2:( η5 −C55)[ HB( C3
32)3]Zr( OCH3)Clの合成 20mlのCH2 Cl2 中に、0. 22gの( η5 −C
55)[ HB( C3 32)3]ZrCl2 および0. 1
0gのNaOC( CH3)3 を加え、室温で24時間攪拌
して反応させた後、濾過して白色のNaCl沈澱物を除
去した。残りの透明な濾液を減圧蒸留させてCH2 Cl
2 溶媒を除去した後、トルエン/ペンタンの混合溶媒で
再結晶化させて白色固体を得た(収率:84%)。
【0025】実施例3:( η5 −C5 Me5)[ HB( C
332)3]Zr( OC65)2 の合成 20mlのCH2 Cl2 中に、0. 20gの( η5 −C
5 Me5)[ HB( C332)3]ZrCl2 および0.
17gのNaOC65 を加え、室温で5時間攪拌して
反応させた後、濾過して白色のNaCl沈澱物を除去し
た。残りの透明な濾液を減圧下で蒸留させてCH2 Cl
2 溶媒を除去した後、トルエン/ペンタンの混合溶媒で
再結晶化させて0. 25gの白色固体を得た(収率:7
8%)。
【0026】実施例4:( η5 −C5 Me5)[ HB( C
332)3]Zr( OC65)2 の合成 20mlのCH2 Cl2 中に、0. 22gの( η5 −C
5 Me5)[ HB( C332)3]ZrCl2 および0.
21gのNaOC65 を加え、室温で5時間攪拌して
反応させた後、濾過して白色のNaCl沈澱物を除去し
た。残りの透明な濾液を減圧下で蒸留させてCH2 Cl
2 溶媒を除去した後、トルエン/ペンタンの混合溶媒で
再結晶化させて0. 26gの白色固体を得た(収率:7
1%)。
【0027】実施例5:エチレンの重合 スターラー、温度調節器、エチレン供給孔、触媒供給
孔、および安全弁を連結する為の孔として、その頂部に
5つの孔が備えられた450ml容量のステンレス系圧
力反応容器を用意した。使用前には、この反応容器を十
分洗浄し、更に110℃で8時間乾燥させておくと共
に、使用直前には、窒素を添加して該反応容器から予め
酸素を除去しておいた。この様に予め清浄化させておい
た反応容器中に、蒸留して脱ガス化させたトルエン20
0mlを加えた後、反応温度を50℃に調節してから、
4mLのトルエンに溶解した9. 84×10-6モルのト
リブチルアルミニウムを充填し、次いで、4mLのトル
エンに溶解した1. 64×10-3ミリモルの実施例1の
生成物を添加した。50℃で5分間攪拌した後、150
psigのエチレンガスを反応器中に加え、更に30分
間反応させた。
【0028】重合反応完了後、エチレン圧力を解放し
た。次に、10mlのイソプロパノールを反応器に充填
して触媒/共触媒を不活性化させた後、濾過し、110
℃で18時間乾燥することによりポリエチレン生成物を
得た。触媒活性を算出すると、1. 72×105 gのP
E/g・Zr・hrになり、得られたポリエチレンの分
子量はゲル透過クロマトグラフィーによれば174, 0
37、分子量分布は3.08であった。
【0029】実施例6:エチレンの重合 触媒として実施例2の生成物を用いたこと以外は実施例
5と同様にしてポリエチレンを製造した。触媒活性は
7. 2×103 gのPE/g・Zr・hrであり、得ら
れたポリエチレンの融点は132℃であった。
【0030】実施例7:エチレンの重合 触媒として実施例3の生成物を用いたこと以外は実施例
5と同様にしてポリエチレンを製造した。触媒活性は2
×103 gのPE/g・Zr・hrであり、得られたポ
リエチレンの分子量は255. 483、分子量分布は
4. 43、融点は134℃であった。
【0031】実施例8:エチレンの重合 触媒として実施例4の生成物を用いたこと以外は実施例
5と同様にしてポリエチレンを製造した。触媒活性は
1. 44×105 gのPE/g・Zr・hrであり、得
られたポリエチレンの分子量は143. 409、分子量
分布は3. 06、融点は135℃であった。
【0032】
【発明の効果】本発明の触媒組成物は以上の様に構成さ
れているので、優れた触媒活性能を発揮させることがで
きる結果、共触媒としてメチルアルミノキサンやホウ酸
エステルを使用しなくとも、高分子量、狭い分子量分
布、高い透明性を有するポリオレフィンが得られ、しか
も抽出可能物質の含有量も少ないという利点が得られる
ので非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−70224(JP,A) 特開 平8−27210(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)式:(C5n5-n)(L)MXab [式中、 C5n5-n は、置換された若しくは未置換のシクロペ
    ンタジエニル基(nは0〜5の整数、RはC1〜C6のア
    ルキル基)であり、 Lは、ホウ酸テトラピラゾリル、ホウ酸ヒドロトリスピ
    ラゾリル、ホウ酸ジヒドロビスピラゾリルまたはホウ酸
    ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)であり、 Mは、4B族の遷移金属であり、 aおよびbは、a+b=m−2の関係を満足する整数
    (mはMの原子価)であり、 XおよびYは、互いに同一若しくは異なっていても良
    く、ハロゲン原子、 または、1若しくはER12で表される配位子であ
    り、 ここで、EはNまたはであり、 R1 およびR 2 は、互いに同一若しくは異なって いても良
    く、1〜C6のアルキル基、または置換されていても良
    いアリール基である]で表される有機金属化合物、およ
    び (2)共触媒として、トリアルキルアルミニウムまたは
    ジアルキルアルミニウムを含有し、ホウ酸エステルおよ
    びメチルアルミノキサンのいずれも含有しないことを特
    徴とするポリオレフィン製造用触媒組成物。
  2. 【請求項2】 XまたはYの少なくとも1つが、1
    で表される配位子である請求項1に記載のポリオレフィ
    ン製造用触媒組成物。
  3. 【請求項3】 下記式: 【化1】 で表される請求項1に記載のポリオレフィン製造用触媒
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記有機金属化合物が、 (a)(η−C)[HB(C
    Zr(OC、 (b)(η−C)[HB(C
    Zr(OCH)Cl、 (c)(η−C(CH][HB(C
    ]Zr(OC、 または (d)(η−C)[HB(C
    Zr(OC、 [ここで、η−Cはシクロペンタジエニル基で
    あり、 (C)はピラゾリルである] で表される請求項1に記載のポリオレフィン製造用触媒
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリオ
    レフィン製造用触媒組成物の存在下にオレフィンの重合
    反応または共重合反応を行うことを特徴とするポリオレ
    フィンの製造方法。
JP8166459A 1996-06-26 1996-06-26 ポリオレフィン製造用触媒組成物、およびポリオレフィンの製造方法 Expired - Lifetime JP2953650B2 (ja)

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