JP2952950B2 - 含フッ素重合体成形品の表面処理方法 - Google Patents
含フッ素重合体成形品の表面処理方法Info
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- JP2952950B2 JP2952950B2 JP9189990A JP9189990A JP2952950B2 JP 2952950 B2 JP2952950 B2 JP 2952950B2 JP 9189990 A JP9189990 A JP 9189990A JP 9189990 A JP9189990 A JP 9189990A JP 2952950 B2 JP2952950 B2 JP 2952950B2
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- Japan
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- gas
- molded article
- treatment method
- surface treatment
- plasma treatment
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- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、含フッ素重合体成形品の表面処理方法に関
する。更に詳しくは、含フッ素重合体成形品の表面にグ
ロー放電し、プラズマ処理する表面処理方法に関する。
する。更に詳しくは、含フッ素重合体成形品の表面にグ
ロー放電し、プラズマ処理する表面処理方法に関する。
含フッ素重合体成形品の表面を、アルゴンなどの不活
性ガスおよび酸素ガス、含酸素化合物ガスまたは含窒素
化合物ガスの各雰囲気中で順次プラズマ処理すること
が、先に本出願人によって提案されている(特開平1−
158967号公報、同2−23868号公報)。しかしながら、
これらのガスで順次プラズマ処理するのではなく、混合
ガスとして用い、それの雰囲気中でプラズマ処理する
と、後記比較例3〜5に示されるように、その表面改質
は十分に行われない。
性ガスおよび酸素ガス、含酸素化合物ガスまたは含窒素
化合物ガスの各雰囲気中で順次プラズマ処理すること
が、先に本出願人によって提案されている(特開平1−
158967号公報、同2−23868号公報)。しかしながら、
これらのガスで順次プラズマ処理するのではなく、混合
ガスとして用い、それの雰囲気中でプラズマ処理する
と、後記比較例3〜5に示されるように、その表面改質
は十分に行われない。
また、感光性樹脂膜、レジストなどの有機物質膜をCF
4+O2系混合ガス雰囲気中でプラズマ処理することが、
特開昭63−308920号公報に記載されているが、この方法
を含フッ素重合体成形品の表面処理に用いた場合には、
後記比較例1に示されるように、それの表面改質はわず
かしか行われない。
4+O2系混合ガス雰囲気中でプラズマ処理することが、
特開昭63−308920号公報に記載されているが、この方法
を含フッ素重合体成形品の表面処理に用いた場合には、
後記比較例1に示されるように、それの表面改質はわず
かしか行われない。
本発明の目的は、含フッ素重合体成形品の表面をプラ
ズマ処理する表面処理方法において、十分にその表面改
質を達成せしめる表面処理方法を提供することにある。
ズマ処理する表面処理方法において、十分にその表面改
質を達成せしめる表面処理方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、含フッ素重合体成形品の表面
を、パーフルオロ低級アルカン、酸素ガスまたは含酸素
化合物ガスおよび含窒素化合物ガスの混合ガス雰囲気中
でプラズマ処理することによって達成される。
を、パーフルオロ低級アルカン、酸素ガスまたは含酸素
化合物ガスおよび含窒素化合物ガスの混合ガス雰囲気中
でプラズマ処理することによって達成される。
含フッ素重合体成形品としては、樹脂状またはエラス
トマー状の含フッ素重合体の成形品、一般には膜状(コ
ーティング膜を含む)、シート状、板状、粒状のものな
どが用いられる。成形品を形成する含フッ素重合体とし
て、好ましくはテトラフルオロエチレン樹脂(ポリテト
ラフルオロエチレン)が用いられるが、この他にポリフ
ッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロペン共重合体なども用いられる。
トマー状の含フッ素重合体の成形品、一般には膜状(コ
ーティング膜を含む)、シート状、板状、粒状のものな
どが用いられる。成形品を形成する含フッ素重合体とし
て、好ましくはテトラフルオロエチレン樹脂(ポリテト
ラフルオロエチレン)が用いられるが、この他にポリフ
ッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロペン共重合体なども用いられる。
パーフルオロアルカンとしてはCF4、C2F6などが、酸
素ガスと同様に用いられる含酸素化合物ガスとしては酸
化炭素、酸化窒素などが、また含窒素化合物ガスとして
はアンモニア、揮発性アミン化合物などがそれぞれ用い
られる。
素ガスと同様に用いられる含酸素化合物ガスとしては酸
化炭素、酸化窒素などが、また含窒素化合物ガスとして
はアンモニア、揮発性アミン化合物などがそれぞれ用い
られる。
これらの各成分からなる混合ガスは、SCCM(標準状態
換算での流量cm3(STP)/分)単位で、パーフルオロア
ルカンが約80〜20%、好ましくは約60〜40%、酸素ガス
または含酸素化合物ガスが約0.5〜10%、好ましくは約
5〜1%、また含窒素化合物ガスが約19.5〜70%、好ま
しくは約35〜59%の割合でそれぞれ用いられる。
換算での流量cm3(STP)/分)単位で、パーフルオロア
ルカンが約80〜20%、好ましくは約60〜40%、酸素ガス
または含酸素化合物ガスが約0.5〜10%、好ましくは約
5〜1%、また含窒素化合物ガスが約19.5〜70%、好ま
しくは約35〜59%の割合でそれぞれ用いられる。
これらのガス雰囲気中でのプラズマ処理は、例えば真
空ポンプ、リークバルブおよびメインバルブに接続さ
れ、真空計を備えたチューブ状プラズマ反応容器内に含
フッ素重合体成形品を収納し、反応容器内の圧力を約0.
01Torr以上の真空とした後バルブを開き、反応容器内に
混合ガスを約0.02〜1Torrの圧力になる迄導入し、この
ようにして反応容器内にガスを充満させたら、高周波発
生装置(13.56MHz)およびマッチングユニットからなる
高周波電源を用いて、有効電力約10〜300W、グロー放電
時間約1〜60分間の条件下で、反応容器の端部細径円筒
部に捲回された発振コイルからプラズマ照射することに
より行われる。反応容器としては、上記チューブ状のも
の以外に、ベルジャー型なども用いることができる。ま
た、放電電極としては、上記コイル状のもの以外に、外
部もしくは内部平行電極板を用いることもできる。
空ポンプ、リークバルブおよびメインバルブに接続さ
れ、真空計を備えたチューブ状プラズマ反応容器内に含
フッ素重合体成形品を収納し、反応容器内の圧力を約0.
01Torr以上の真空とした後バルブを開き、反応容器内に
混合ガスを約0.02〜1Torrの圧力になる迄導入し、この
ようにして反応容器内にガスを充満させたら、高周波発
生装置(13.56MHz)およびマッチングユニットからなる
高周波電源を用いて、有効電力約10〜300W、グロー放電
時間約1〜60分間の条件下で、反応容器の端部細径円筒
部に捲回された発振コイルからプラズマ照射することに
より行われる。反応容器としては、上記チューブ状のも
の以外に、ベルジャー型なども用いることができる。ま
た、放電電極としては、上記コイル状のもの以外に、外
部もしくは内部平行電極板を用いることもできる。
〔作用〕および〔発明の効果〕 含フッ素重合体成形品の表面プラズマ処理に際し、雰
囲気ガスとしてCF4+O2系に対し更にNH3を混合して用い
た場合には、大幅な表面改質が達成される。
囲気ガスとしてCF4+O2系に対し更にNH3を混合して用い
た場合には、大幅な表面改質が達成される。
雰囲気ガスとしてAr系に対し更にNH3を混合して用い
た場合にも、例えば接触角にみられるように、数値的に
は大幅な表面改質が達成されるが、質的にはCF4+O2+N
H3系と全く事情を異にしている。
た場合にも、例えば接触角にみられるように、数値的に
は大幅な表面改質が達成されるが、質的にはCF4+O2+N
H3系と全く事情を異にしている。
即ち、表面粗さの測定結果に示されるように、ArにNH
3を添加した場合には、表面組成を変化させたこと、ア
ブレーション効果により表面を粗くしたことの2点が考
えられ、多孔質の薄いシートやファイバーなどでは放電
によるアブレーション効果でのダメージがみられるのに
対し、CF4+O2系にNH3を添加した場合には、アブレーシ
ョン効果よりもNH3ガスに由来する表面組成の変化によ
る効果がAr+NH3系よりも大きいことが分かり、またア
ブレーション効果が小さいことは、素材表面の微細構造
へのダメージが小さくてこの点でも有利であり、このよ
うなことから、CF4+O2+NH3系ではAr+NH3系と比較し
て表面粗さに殆んど影響を与えずに、親水性、接着性な
どの表面特性の改質を達成し得るという質的な違いが認
められる。
3を添加した場合には、表面組成を変化させたこと、ア
ブレーション効果により表面を粗くしたことの2点が考
えられ、多孔質の薄いシートやファイバーなどでは放電
によるアブレーション効果でのダメージがみられるのに
対し、CF4+O2系にNH3を添加した場合には、アブレーシ
ョン効果よりもNH3ガスに由来する表面組成の変化によ
る効果がAr+NH3系よりも大きいことが分かり、またア
ブレーション効果が小さいことは、素材表面の微細構造
へのダメージが小さくてこの点でも有利であり、このよ
うなことから、CF4+O2+NH3系ではAr+NH3系と比較し
て表面粗さに殆んど影響を与えずに、親水性、接着性な
どの表面特性の改質を達成し得るという質的な違いが認
められる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1〜2 上下方向に電極間距離30mmで設置された対向電極を収
納した直径450mm、高さ250mmの真空グロー放電装置の下
部電極面上に、70mm角、厚さ0.3mmのテフロンシートを
搭載し、そこにCF4 28.5SCCM、O2 1.5SCCM、NH3 30SCCM
の混合ガス(合計60SCCM)を0.5Torrの内部圧力で導入
し、放電時間5分間の条件下でグロー放電してプラズマ
処理した。
納した直径450mm、高さ250mmの真空グロー放電装置の下
部電極面上に、70mm角、厚さ0.3mmのテフロンシートを
搭載し、そこにCF4 28.5SCCM、O2 1.5SCCM、NH3 30SCCM
の混合ガス(合計60SCCM)を0.5Torrの内部圧力で導入
し、放電時間5分間の条件下でグロー放電してプラズマ
処理した。
このようにしてプラズマ処理されたテフロンシートに
ついて、その表面改質の度合いを水滴の接触角の大きさ
として示すと、次の表1の如くである。
ついて、その表面改質の度合いを水滴の接触角の大きさ
として示すと、次の表1の如くである。
表1 実施例 放電電力(W) 接触角(゜) 1 150 18.5 2 250 6.5 比較例1 実施例1において、CF4 57SCCM、O2 3SCCMの混合ガス
を用いると、プラズマ処理されたテフロンシートの水接
触角は108゜であり、未処理テフロンシートの118゜と比
較して、わずかにその値を下げている程度である。
を用いると、プラズマ処理されたテフロンシートの水接
触角は108゜であり、未処理テフロンシートの118゜と比
較して、わずかにその値を下げている程度である。
比較例2〜4 実施例1において、導入ガスとしてArの単独ガスまた
は混合ガスが用いられた。プラズマ処理されたテフロン
シートの水接触角は、後記表2に示される。
は混合ガスが用いられた。プラズマ処理されたテフロン
シートの水接触角は、後記表2に示される。
比較例5 実施例2において、導入ガスとしてAr−NH3混合ガス
が用いられた。プラズマ処理されたテフロンシートの水
接触角は、次の表2に示される。
が用いられた。プラズマ処理されたテフロンシートの水
接触角は、次の表2に示される。
以上の実施例2(CF4+O2+NH3)、比較例5(Ar+NH
3)およびこれらに用いられたテフロンシートについ
て、表面粗さ計(Sloan社製DEKTAK3030)を用い、触針
荷重15mg、スキャン長さ1mmの条件下で、Ra(中心線平
均粗さ)の値を測定すると、次のような結果が得られ
た。
3)およびこれらに用いられたテフロンシートについ
て、表面粗さ計(Sloan社製DEKTAK3030)を用い、触針
荷重15mg、スキャン長さ1mmの条件下で、Ra(中心線平
均粗さ)の値を測定すると、次のような結果が得られ
た。
実施例2 Ra=0.33μm 比較例5 Ra=0.51μm 未処理シート Ra=0.28μm 実施例3 実施例2において、テフロンシートの代わりに、40mm
角、厚さ0.1mmのポリフッ化ビニリデン多孔質フィルム
を用いると、プラズマ処理された多孔質フィルムの水接
触角は6゜であり、未処理多孔質フィルムの水接触角の
値84゜より、著しく低い値を示した。
角、厚さ0.1mmのポリフッ化ビニリデン多孔質フィルム
を用いると、プラズマ処理された多孔質フィルムの水接
触角は6゜であり、未処理多孔質フィルムの水接触角の
値84゜より、著しく低い値を示した。
Claims (1)
- 【請求項1】含フッ素重合体成形品の表面を、パーフル
オロ低級アルカン、酸素ガスまたは含酸素化合物ガスお
よび含窒素化合物ガスの混合ガス雰囲気中でプラズマ処
理することを特徴する含フッ素重合体成形品の表面処理
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9189990A JP2952950B2 (ja) | 1990-04-06 | 1990-04-06 | 含フッ素重合体成形品の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9189990A JP2952950B2 (ja) | 1990-04-06 | 1990-04-06 | 含フッ素重合体成形品の表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03290442A JPH03290442A (ja) | 1991-12-20 |
JP2952950B2 true JP2952950B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=14039417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9189990A Expired - Lifetime JP2952950B2 (ja) | 1990-04-06 | 1990-04-06 | 含フッ素重合体成形品の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2952950B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100341565B1 (ko) * | 1998-11-11 | 2002-06-22 | 김윤 | 젖음성이 우수한 표면을 갖는 불소계 수지 |
KR20010088089A (ko) * | 2000-03-10 | 2001-09-26 | 구자홍 | 플라즈마 중합처리 시스템의 친수성 향상 방법 |
WO2001079337A1 (fr) * | 2000-04-19 | 2001-10-25 | Daikin Industries, Ltd. | Objet moule de fluoroelastomere a excellente capacite de demoulage, et son procede de production |
KR20070091132A (ko) * | 2004-12-03 | 2007-09-07 | 아사히 가라스 가부시키가이샤 | 에틸렌-테트라플루오로에틸렌계 공중합체 성형물 및 그제조 방법 |
JP4537421B2 (ja) * | 2007-04-06 | 2010-09-01 | 大日本塗料株式会社 | 単分散粒子の製造方法 |
-
1990
- 1990-04-06 JP JP9189990A patent/JP2952950B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03290442A (ja) | 1991-12-20 |
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