JP2952461B2 - 溶射被覆方法 - Google Patents

溶射被覆方法

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JP2952461B2 JP5314544A JP31454493A JP2952461B2 JP 2952461 B2 JP2952461 B2 JP 2952461B2 JP 5314544 A JP5314544 A JP 5314544A JP 31454493 A JP31454493 A JP 31454493A JP 2952461 B2 JP2952461 B2 JP 2952461B2
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博志 杉本
一夫 鈴木
健二 山石
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラスト処理を施さず
に高い密着強度を有した溶射皮膜を形成することのでき
る溶射被覆方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のものにあっては、下記の
ようなものになっている。溶射は加熱、加速された溶融
状態の粒子が基材に衝突し、変形して偏平になると同時
に表面の凹凸にかみ合って皮膜を作る。従って、真空雰
囲気での溶射、あるいは溶融処理を施す自溶合金溶射な
どの特殊な場合を除いて、皮膜と基材との結合は機械的
なものになる。そのため、皮膜の密着性の向上を図るた
めには溶射前の基材の粗面化が必須条件となる。通常の
粗面化には、砂や鋳造グリットまたは溶融アルミナなど
のブラスト材を、圧縮空気と共に基材に強く吹き付ける
ブラスト法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたも
のにあっては、下記のような問題点を有していた。すな
わち、従来のブラスト処理工程の問題の一つに作業工程
と時間の問題がある。ブラスト処理には、粗面化する目
的のほかに基材表面の清浄化がある。しかし、ブラスト
処理によって清浄化された表面は、人為的にせよ、自然
にせよ、時間の経過と共に汚染されるので、迅速に溶射
を行わなければならない。特に、金属材料のように基材
表面に酸化皮膜がある場合には、溶射皮膜の密着性は著
しく悪い。ブラスト処理により基材表面の薄い酸化皮膜
を除去した後は、さらに、粗面化を行うのが通常である
が、酸化物を除去した基材表面は活性化状態であること
が多く、次々に酸化物が生成しやすいので、酸化物を除
去した後に素早く粗面化しなければならない。
【0004】この一連の清浄化と粗面化の作業があるた
めに、工程管理は困難である。すなわち、従来のブラス
ト処理の問題として、以下の問題を挙げることができ
る。ブラスト処理は、ブラストノズルの基材に対する角
度、距離及び移動速度等の条件が相互に複雑に関連し合
っているので、処理ごとに粗面度が異なることが多く、
粗面度を均一に保った処理を行うのは極めて困難であ
る。また、同時に作業者の習熟度により粗面度に著しい
差異が生じることが多い。これを解消するためには、ブ
ラスト工程を自動化することが望ましいが、製品の形状
や寸法の影響が大きく、例えば、管状の基材に同処理を
施す場合には、その形状に合致したブラストノズルや治
具を必要とする。
【0005】さらに、基材が硬質の場合には処理が困難
であり、全工程時間に占める粗面化処理時間の割合がか
なり高い。また、同処理時に粉塵が多量に発生する場
合、例えば、コンクリートに同処理を行う場合には、コ
ンクリート表面に結合力の弱いモルタル成分があり、こ
れはほとんどの場合、離型剤の塗布によりさらに脆くな
っているので、同処理中に多量の粉塵が発生し作業環境
に与える影響は著しく大きい。
【0006】これらの作業上の問題は、工程の自動化や
自動集塵機を設置することで解決されるが、元来粗面化
が困難なもの、例えば、木材のような繊維質のものや多
孔質のコンクリート等には根本的な方法の改善を必要と
する。コンクリートに関する同処理を含めた最近の溶射
施工の例に、コンクリートに接着剤を塗布し、その上に
予めモルタルを塗布した高弾性の編目状のネットを張り
付け、この上に溶射を行った例が報告されている。しか
し、これは製造コストが高く、一般的に用いられるには
困難である。
【0007】本願は、従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、次のようなことのできるものを提供しようとするも
のである。本発明による被覆方法は、溶射工程内で粗面
化と被覆の両方を行っているため、上記のような問題の
多い基材のブラスト処理による粗面化処理を全く必要と
しない。また、処理に時間がかかるブラスト処理を省略
しているので、極めて短時間での製品の作製が可能であ
り、生産性が高い。これとは逆に、粗面化のための溶射
を施した後にかなりの時間が経過しても、次の被覆のた
めの溶射には何等影響はないので作業工程の管理が極め
て容易である。
【0008】さらに、作業工程が少ないので、現場での
施工が極めて容易である。また、溶射を行う前に基材に
熱硬化性樹脂を塗布するが、熱硬化性の樹脂であれば市
販の全てのものが使用できるので生産性が高い。本発明
方法は、基材の表面状態、形状、さらには材質に限定さ
れることなく、密着性の高い溶射皮膜の形成が可能であ
るため、基材は金属のみならずコンクリートや木材、さ
らには紙までと適用範囲が極めて広いものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は下記のようになるものである。すなわち本
願のものは、ブラスト処理をしていない基材表面に、常
温で液状の接着力の強い熱硬化性樹脂を塗布し、その
後、熱硬化性樹脂が硬化する前に溶射材料を用いて疎ら
に溶射を行い、熱硬化性樹脂のままの部分と溶射材料が
付着した部分が形成する多くの凹凸面を形成することで
粗面化し硬化させたのち、再び溶射材料を用いて溶射を
行い表面を厚く被覆するよう構成されている溶射被覆方
法である。
【0010】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。本
発明の溶射被覆方法を図1に基づいて詳しく説明する。 第1工程 基材を用意する。この基材には清浄化処理を行っている
必要はなく、粗面化処理は全く必要とされない。基材1
の表面に熱硬化性樹脂2を塗布する。この熱硬化性樹脂
は特別なものではなく、市販の熱硬化性の樹脂であれば
よい。ここでは一般的に用いられているエポキシ系熱硬
化性樹脂を例に説明する。この樹脂の密着強度は極めて
高く、140kg/cm2 程度の強度を有している。こ
の樹脂の塗布には、刷毛塗り、スプレー塗りのどちらで
も可能であるが、ここでは生産性を考慮しスプレーガン
を用い、塗布厚さが約100μmであるように塗布し
た。
【0011】第2工程熱硬化性樹脂 2の塗布直後に溶射材料3を用いた1段目
の溶射を行う。溶射装置4はガスフレーム溶射装置、プ
ラズマ溶射装置等、どの溶射方法でも可能であるが、こ
こではガスフレーム溶射装置を用いた。なお、5はフレ
ームすなわち溶射ガンより噴出する気流を示す。1段目
の溶射で用いた溶射材料3は、ここではワイヤーである
が、それ以外に粉末など、どの形状の溶射材料でも溶射
が可能である。1段目の溶射材料は、後に表面を確実に
溶射被覆するのに用いる溶射材料と同一、あるいは異な
っても構わない。
【0012】1段目の溶射は表面を完全に被覆するため
ではなく、2段目の溶射のための予備溶射であり、溶射
ガンを素早く移動させることで基材表面を疎らに溶射す
る。溶射材料3を溶射された基材1の表面には、熱硬化
性樹脂2のままの部分と溶射材料3が付着した部分が混
在し、これにより熱硬化性樹脂表面には多くの凹凸がで
きる。この1段目溶射で基材に吹き付けられた溶射材料
3は、噴出時の勢いで未硬化の熱硬化性樹脂2中に半分
埋没した状態になる。
【0013】第3工程熱硬化性樹脂 2を確実に硬化させる。この際、常温でも
硬化が可能であるが、早く硬化させるために熱硬化性樹
2を塗布した基材1を大気雰囲気の炉内で100℃に
て1時間保持した。これにより1段目の溶射で熱硬化性
樹脂中に半分埋設した溶射材料3は、熱硬化性樹脂2中
に取り込まれ、熱硬化性樹脂2に極めて高い強度で密着
する。
【0014】なお、この場合、通常の溶射材料の場合に
は、この第3工程の後に後述する第4工程の処置を行う
が、溶射しようとする材料が低融点の金属、またはプラ
スチックの場合、熱硬化性樹脂が硬化した後に基材表面
を加熱する。これは1段目で溶射した溶射材料3と、続
く2段目溶射での溶射材料6との結合をよくするために
行う。このように、溶射する材料が低融点の場合、この
加熱により1段目での溶射した材料は軟化し、2段目の
溶射皮膜との結合が促進され、その結果、さらに高い強
度で母材に密着することになる。この際の加熱温度は、
熱硬化性樹脂2が熱により変質する温度以下でなければ
ならない。この際の熱源には溶射装置4の溶射ガンより
噴出する気流5を用いるため、特別な加熱装置は必要と
しない。
【0015】第4工程 次に2段目溶射を行い、基材表面を確実に溶射皮膜で被
覆する。この際、1段目の溶射材料3と同一の材料を用
いる場合、1段目溶射での溶射材料3による凹凸は、2
段目の溶射中の熱によって軟化し、最終的には1段目溶
射の溶射材料3による凹凸と、2段目溶射の溶射材料6
による皮膜は一体化し、溶射皮膜から熱硬化性樹脂層に
向かって杭を打ち込んだような状態になる。この2段目
の溶射材料6は、1段目の溶射材料3と同様にワイヤ
ー、粉末など、どの形状の溶射材料でも溶射が可能であ
るが、ここではワイヤーを用いた。また、ここでの溶射
材料は、1段目の溶射材料3と同一でも異なっても構わ
ない。このようないわゆるアンカー効果によって、溶射
材料6による皮膜と熱硬化性樹脂2は極めて高い強度で
密着する。
【0016】作用について効果と共に説明する。
【0017】
【発明の効果】本発明は、上述の通り構成されているの
で次に記載する効果を奏する。すなわち、本発明方法に
よると、溶射しようとする基材の表面状態、形状、及び
材質にほとんど制約されずに、密着性の高い皮膜を被覆
することができる。また、コンクリートのように基材の
アルカリ成分が皮膜を腐食する可能性がある場合でも、
基材と皮膜との間の熱硬化性樹脂層がアルカリ成分の皮
膜側への浸出を抑制するので、寿命の長い製品を製造す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における溶射手順を表わした説明図であ
る。
【符号の説明】
1 基材 2 熱硬化性樹脂 3 溶射材料 4 溶射装置 5 溶射ガンより噴出する気流 6 溶射材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鴨田 秀一 北海道札幌市北区北19条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (72)発明者 岩越 睦郎 北海道札幌市北区北19条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (72)発明者 酒井 昌宏 北海道札幌市北区北19条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (72)発明者 後藤 美知広 北海道帯広市西25条北2丁目2番地46 エーイーコンクリート株式会社内 (72)発明者 大竹 晃彦 北海道帯広市西25条北2丁目2番地46 エーイーコンクリート株式会社内 (72)発明者 杉本 博志 北海道帯広市西25条北2丁目2番地46 エーイーコンクリート株式会社内 (72)発明者 鈴木 一夫 北海道帯広市西25条北2丁目2番地46 エーイーコンクリート株式会社内 (72)発明者 山石 健二 北海道帯広市西25条北2丁目2番地46 エーイーコンクリート株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−21580(JP,A) 特開 平1−176061(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラスト処理をしていない基材表面に、
    常温で液状の接着力の強い熱硬化性樹脂を塗布し、その
    後、熱硬化性樹脂が硬化する前に溶射材料を用いて疎ら
    に溶射を行い、熱硬化性樹脂のままの部分と溶射材料が
    付着した部分が形成する多くの凹凸面を形成することで
    粗面化し硬化させたのち、再び溶射材料を用いて溶射を
    行い表面を厚く被覆することを特徴とする溶射被覆方
    法。
JP5314544A 1993-11-18 1993-11-18 溶射被覆方法 Expired - Fee Related JP2952461B2 (ja)

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JPH01176061A (ja) * 1987-12-28 1989-07-12 Masuzo Hamamura 金属皮膜を形成した木製品及びその製造方法

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