JP2952242B2 - 中空構造を有するプラスチック顔料及びその製造方法 - Google Patents

中空構造を有するプラスチック顔料及びその製造方法

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JP2952242B2 JP10168148A JP16814898A JP2952242B2 JP 2952242 B2 JP2952242 B2 JP 2952242B2 JP 10168148 A JP10168148 A JP 10168148A JP 16814898 A JP16814898 A JP 16814898A JP 2952242 B2 JP2952242 B2 JP 2952242B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空構造(void t
ype)を有するプラスチック顔料及びその製造方法に係る
もので、特にペイント又は紙コーティングにおいて無機
顔料の二酸化チタン(TiO2)及び有機顔料のスチレン高分
子プラスチック顔料を代替できるプラスチック顔料及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ペイント及び紙のコーティングに
おいて隠蔽力を付与する物質として二酸化チタンが広く
使用されている。
【0003】前記二酸化チタンは、屈折率が2.3以上で
あって、大部分の高分子物質として屈折率が1.0-1.5程
度であることに反してその屈折率が大きいので、ペイン
ト及び紙のコーティング層で光の散乱を誘導して不透明
性を現すことにより隠蔽力を増加させる役割をする。
【0004】一般に、二酸化チタンを製造する方法は硫
酸塩法(sulfate process)と塩化物法(chloride proces
s)があるが、これら二つの方法により製造するとき発生
される汚染物質のため深刻な環境問題が惹起されて、供
給が不安定であるという短所を有する。又、二酸化チタ
ンは無機物質であるため、コーティングの後製品の重さ
が増加して値段が高くなる。
【0005】それ故、白色顔料として二酸化チタンの使
用が漸次有機高分子物質にその一部は代替されつつあ
る。二酸化チタンを代替する有機プラスチック顔料とし
ては二酸化チタンと空気を高分子マトリックスで被せた
多細胞構造の粒子からなった合成顔料と、相融性のない
溶媒を用いて密閉された中空構造を形成した合成顔料と
がある。
【0006】然るに、前記物質は気孔が不規則で、工程
が複雑であって値段が高くなり、隠蔽力も劣るという問
題点があった。このような問題点を改善するため、中空
構造を有するプラスチック顔料が開発されている。この
内部気孔(ボイド)を有するプラスチック顔料は、紙塗
工液又は水性ペイントと混合されて塗工層及び塗膜の形
成時に硬質の外皮を持つことにより、中空を維持しなが
ら皮膜は形成しない性質を有する。又、これら中空構造
を有するプラスチック顔料は、液状では内部に水が充填
されるが、塗工層又は塗膜が乾燥される時は、前記水が
蒸発され、内部に気孔が形成される。
【0007】そこで、内部気孔とこれを被せた外皮の高
分子層間の屈折率差に基づき入射光を効果的に散乱させ
て隠蔽力及び白色度が増加されるものである。このよう
に中空構造を有するラテックス形プラスチック顔料は内
部が充ちているラテックス形プラスチック顔料に比べよ
り効果的に光を散乱させて単位重量当たり隠蔽力と白色
度を増加させる効果が大きい。
【0008】中空構造を有するラテックス形プラスチッ
ク顔料を製造する方法は米国特許第4,427,836号明細
書、同第4,594,363号明細書、及び大韓民国特許第80123
号明細書に開示されている。
【0009】前記米国特許第4,427,836号明細書に開示
されている方法は、中空構造を形成するため3級アミン
類を用いて核(core)部分の酸性高分子(polymeric acid)
を中和させるが、このとき3級アミン類は臭いが悪く、
人体にも有害であるという短所がある。
【0010】これを解決するため米国特許第4,594,363
号明細書では、このようなアミン類を水酸化カリウムと
同様な無機塩基に代替する方法を開示したところ、アミ
ン類の使用により有毒性及び公害問題は減らしている
が、重合中にゲル化が発生して微細な凝集塊(coagulum)
が形成されるという問題がある。
【0011】一方、大韓民国特許第80,123号明細書は、
多段階乳化重合方法であると共に、各段階別に重合中に
微細凝集塊又は2次核の生成を抑制する重合方法を開示
している。
【0012】より詳しくは、シード(seed)、核(core)、
シース(sheath)、膨潤(swelling)、及び外皮(shell)重
合の順序に従う多段階乳化重合反応で、具体的には、酸
性基を有する単量体の比率が16%程のアクリル系単量体
混合物のエマルジョンをシード重合させてシードラテッ
クスを得る段階と、ここに酸性基を有する単量体の比率
が35%程のアクリル系単量体混合物のエマルジョンを3
時間に掛けて加え核重合させて核ラテックスを得る段階
と、核ラテックスに酸性基を有する単量体の比率が5%程
のアクリル系単量体混合物のエマルジョンを2時間に掛
けて加えシース重合させてシースラテックスを得る段階
と、ここにpHが9〜10になるように水酸化カリウム水溶
液を加えてラテックス粒子を膨潤させる段階と、スチレ
ン単量体エマルジョンを加え外皮重合させる段階と、か
らなる乳化重合反応である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】然るに、このような多
段階乳化重合方法により製造された中空構造を有するプ
ラスチック顔料の場合も隠蔽力及び白色度が大きく改善
されないという問題点があった。
【0014】本発明は、従来の中空(ボイド)構造を有
するプラスチック顔料を改善するため、多段階乳化重合
方法を従うと共に、外皮重合段階で各単量体の含量比を
調節して前記含量に比べ隠蔽力及び白色度が向上された
中空構造を有するプラスチック顔料及びその製造する方
法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明のプラスチック顔料は、核とその表層の第1外皮
及びその表層の第2外皮から少なくとも構成されている
微粒子状のプラスチック顔料であって、前記核及び前記
第1及び第2外皮から選ばれる少なくとも一つの成分が
中空(ボイド)構造を有し、前記核がアクリル系ポリマ
ーであり、 前記第1外皮がメタクリル酸ブチル20〜9
0重量%、メタクリル酸メチルまたはアクリル酸ブチル
5〜75重量%、メタクリル酸1〜5重量%を重合させ
たポリマーであり、 第2外皮が硬質のスチレン系ポリマ
ーであり、 前記第1外皮のガラス転移温度が核のガラス
転移温度に比較して70〜110℃の範囲低く、かつ前
記プラスチック顔料の平均粒子径が、9000〜11000オン
グストローム(900〜1100nm)の範囲であることを特徴と
する。これにより、隠蔽力と白色度の高いプラスチック
顔料を提供することができる。
【0016】次に本発明方法は、酸基を有する単量体を
含有するアクリル系単量体エマルジョンを水中に加えて
撹拌し、核ラテックスを得る工程と、前記核ラテックス
メタクリル酸ブチル20〜90重量%、メタクリル酸
メチルまたはアクリル酸ブチル5〜75重量%、メタク
リル酸1〜5重量%を含むエマルジョンを加えて第1外
皮を重合させ、次いで、アルカリを加えて膨潤させ、ス
チレン単量体エマルジョンを加えて外皮重合させて第2
外皮を形成する工程を含むことにより、 前記第1外皮の
ガラス転移温度が核のガラス転移温度に比較して70〜
110℃の範囲低く、かつ前記プラスチック顔料の平均
粒子径が、9000〜11000オングストローム(900〜1100nm)
の範囲の粒子を得ることを特徴とする。前記方法におい
ては、アルカリを加えて膨潤させる処理が、水酸化カリ
ウム水溶液を添加してpH9〜10に調節する処理である
とが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を説
明する。本発明は、核生成時に反応安定性を向上させて
微細凝集塊の形成を抑制し、後に行う外皮重合のときに
第1外皮に該当する重合過程で単量体含量比を調節し
て、核に比べてガラス転移温度を70〜110℃低く設計し
て高分子マトリックスとの屈折率変化を大きくすること
により、隠蔽力と白色度を向上させた中空構造を有する
プラスチック顔料の製造方法に関する。
【0018】本発明に係る各工程の重合方法は乳化重合
方法によるもので、大きく核重合工程と外皮重合工程か
らなる。まず、核重合工程は、従来のシードと核重合を
統合(in situ)した重合工程であって、酸基を有する単
量体を0.1〜0.2重量%含有するアクリル系単量体エマル
ジョンを製造し、多量の水に全体単量体エマルジョンの
1/4を添加して30余分の間反応させた後、余分のアク
リル系単量体エマルジョンを加えて1時間の間攪拌して
反応を安定化させる。このときの反応中間ラテックスは
単分散性で、平均粒径が1800オングストローム(180nm)
程度である。
【0019】次いで、ここに酸基を有する単量体を30〜
35重量%含有するアクリル系単量体エマルジョンを2時
間に掛けて投入し、1時間の間攪拌して核ラテックスを
得る。このように製造された核ラテックスは通常の方法
により得た核ラテックスにおいて見られる微量の微細な
凝集塊が見られず、安定的な高収率のラテックスであ
る。
【0020】次いで、外皮重合工程において、従来の第
1外皮と第2外皮重合を統合した重合工程である。本発
明では通常の方法のように第1外皮重合、膨潤、及び第
2外皮重合を段階的に施さず、これらを一つの重合方法
に統合して行う。
【0021】具体的に、前記のような方法により製造さ
れた核ラテックスの一部に、メタクリル酸ブチル20〜90
重量%、メタクリル酸メチル又はアクリル酸ブチル5〜7
5重量%、及びメタクリル酸1〜5重量%を混合したアク
リル系単量体エマルジョンを2時間のかけて投入し、そ
の後1時間反応させる(初期反応;initial polymeriza
tion)。
【0022】このとき、各単量体の含量比が前記範囲を
満足することにより、初期反応を通じて生成された外皮
のガラス転移温度が核のガラス転移温度に比べて70〜11
0℃程低くなる。
【0023】核と隣接した外皮のガラス転移温度が核に
比べて70℃未満低いと、高分子マトリックス間の屈折率
変化があまり大きくないから、加工物性は劣る。120℃
を超過するほどに低いと外皮のガラス転移温度があまり
低くて屈折率変化を現さないという問題点があった。こ
れは透過顕微鏡(TEM)法により第1外皮まで形成された
重合体を観察した結果、鮮明に見えた核と第1外皮間の
層分離現象が発見されないことにより確認された。即
ち、核と第1外皮のガラス転移温度差が大きすぎる場
合、第1外皮と核が相融化(相溶化)を起すことがわか
った。
【0024】次いで、水酸化カリウム水溶液を添加して
pH9〜10に調節して膨潤させた。このような膨潤過程を
経ると、初期反応の以後のラテックスの平均粒径が6000
オングストローム(600nm)から8000オングストローム(80
0nm)に膨潤される。
【0025】次いで、ここにスチレン単量体エマルジョ
ンを加えて外皮重合を施して硬質外皮を生成させる(増
殖重合;increment polymerization)。重合後に生成さ
れたラテックスの平均粒径は、9000〜11000オングスト
ローム(900〜1100nm)であることが好ましい。
【0026】本発明の方法により製造された中空構造を
有するプラスチック顔料は、核と第1外皮間の所定の範
囲のガラス転移温度差を維持することにより、高分子マ
トリックスとの屈折率の差異を大きくして隠蔽力と白色
度を向上させ得る。
【0027】本発明の一例としては、酸基を有する単量
体を0.1〜0.2重量%含有するアクリル系単量体エマルジ
ョンの1/4ほどを多量の水と混合して反応を開始した
後、余分のアクリル系単量体エマルジョンを加えて1時
間の間攪拌し、ここに酸基を有する単量体を30〜35重量
%含有するアクリル系単量体エマルジョンを2時間に掛
けて投入して核ラテックスを得る段階と、前記核ラテッ
クスにメタクリル酸ブチル20〜90重量%、メタクリル酸
メチル又はアクリル酸ブチル5〜75重量%、及びメタク
リル酸単量体1〜5重量%が混合されたアクリル系単量体
エマルジョンを2時間に掛けて投入して第1外皮を重合
させた後、水酸化カリウム水溶液を添加してpH9〜10に
なるように膨潤させ、スチレン単量体エマルジョンを加
えて外皮重合させる段階とからなる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。なお本発明は、下記の実施例により限定さ
れるものではない。
【0029】(実施例1) (1) 核(core)重合 メタクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸からなる単量体混合物(5.00:4.28:0.14重量比)4707g
に、硫酸ドデシルベンゼンスルホン酸塩(以下、DBSNa
という)水溶液120gを加えて単量体エマルジョンを製造
し、この単量体エマルジョンの全体含量に対し、1/4に
該当する量と水85070gの混合物を85℃に加熱した後、過
硫酸カリウム(persulfate)開始剤水溶液843gを加えて反
応を進行させ、30分の間攪拌した後、残量の単量体エ
マルジョンを1時間掛けて投入した後、1時間の間さら
に攪拌を続けた。このとき増殖重合(increment polymer
ization)に使用される単量体エマルジョン62480gを製
造するに必要な単量体中の酸基を有する単量体の含量
は、33.9重量%であった。過硫酸カリウム水溶液6286g
を前記反応物に添加した後、ダイレクトに増殖重合のた
め製造された単量体エマルジョンを2時間に掛けて投入
し、1時間の間さらに攪拌して反応を終了した。このと
き得た核ラテックスの粒径は4000オングストローム(400
nm)で、微細な凝集塊の生成は発見されなかった。
【0030】(2) 外皮(shell)の重合 このように得た核ラテックス10390gと水52910gを攪拌し
ながら85℃まで加熱した。ここに過硫酸カリウム水溶液
7430gを添加して反応を開始した後、メタクリル酸ブチ
ル60重量%、メタクリル酸メチル35重量%、メタクリ酸
5重量%の混合物20000g、水14000g、及び陰イオン乳
化剤のDBSNa水溶液1000gを混合して製造された単量体
エマルジョンを2時間に掛けて投入した後、1時間の間
攪拌して平均粒径6000オングストローム(600nm)のラテ
ックスを得た(初期反応)。このとき、第1外皮のガラ
ス転移温度は、核のガラス転移温度に比べて78℃低かっ
た。次いで、85℃を維持している反応物にKOH水溶液140
00gを添加した後、2時間の間攪拌して生成されたポリ
マー粒子を膨潤させたところ、このときの平均粒径は80
00オングストローム(800nm)であった。その後、過硫酸
カリウム水溶液6860gを添加し、継続してスチレン単量
体エマルジョン46000gを2時間に掛けて注入しながら
重合した(増殖重合)。このとき得た中空構造を有する
プラスチック顔料(void organic plactic pigment)の平
均粒径は、10000オングストローム(1000nm)であった。
【0031】(実施例2,3及び比較例1〜3) 前記実施例1と同様な方法により中空構造を有するプラ
スチック顔料を製造した。但し(2)外皮の重合段階の初
期反応での単量体含量及び組成を次の表1に示すように
変化させた。単量体含量比変化に従う第1外皮のガラス
転移温度、核と第1外皮のガラス転移温度の差は各段階
で使用する単量体の組成比に従い理論的に計算した値を
用いて次の表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】(比較例4) (1) シード(seed)重合 反応器に水517.5gと陰イオン系乳化剤のDBSNa10%水溶液
2.4gを添加し、攪拌し始めながら温度を85℃に上げた。
これと別途にアクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸単量体混合物(52:46.7:1.3重量比)152.5
g、水48.0g、及びDBSNa1.1gと混合してアクリル系単量
体エマルジョンを製造した。前記製造されたアクリル系
単量体エマルジョンの全体量の中で1/30程を前記反応器
に加え、3.5%過硫酸カリウム開始剤水溶液4.7gを添加
して反応を開始した。開始後30分から残量のアクリル
系単量体エマルジョンを加えて反応を終了し、このとき
得たシードラテックスの固形分含量は20.7%で、平均粒
径は2000オングストローム(200nm)であった。
【0034】(2) 核(core)の重合 水217.5gを前記シードラテックス86.8gと一緒に入れて
攪拌させながら温度を85℃に上げた後、過硫酸カリウム
開始剤水溶液21.4gを加えて反応を開始した。ここに、
アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、及びメタクリ
ル酸単量体混合物(5:55:40重量比)151.5g、水52.5g、及
び陰イオン系乳化剤のDBSNa水溶液7.5gを添加して得た
単量体エマルジョンを2時間に掛けて注入した後十分攪
拌して核ラテックスを製造した。このとき、核ラテック
スの平均粒径は3,730オングストローム(373nm)であっ
た。
【0035】(3) 第1外皮の重合 前記(2)反応を通じて得た核ラテックス277.2gを水1590g
と一緒に攪拌しながら85℃まで加熱した。ここに過硫酸
カリウム開始剤水溶液196.9gを添加して反応を開始した
後、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、及びメ
タクリル酸単量体混合物(20:75:5重量比)544.5g、水37
1.0g、及び陰イオン系乳化剤DBSNa水溶液53.0gを混合し
て得た単量体エマルジョンを2時間に掛けて注入し、1
時間の間さらに攪拌して反応を完了した。これは外皮部
分のガラス転移温度(Tg)が88℃になるように設計したも
のである。
【0036】(4) 第2外皮重合 前記(3)で得た第1外皮重合物3034gを反応器に注入し85
℃になるように加熱した後、KOH水溶液450.0gを添加
し、2時間の間85℃で攪拌して膨潤させた。このとき、
前記膨潤されたラテックスの平均粒径は8000オングスト
ローム(800nm)で、pHは10であった。前記膨潤されたラ
テックスに過硫酸カリウム水溶液205.7gを添加し、継続
してスチレン単量体エマルジョンを2時間に掛けて注入
しながら重合した。生成された中空構造を有するプラス
チック顔料の平均粒径は10,000オングストローム(1,000
nm)であった。
【0037】(実施例4) 前記実施例1〜3及び比較例1〜4に従い製造されたプ
ラスチック顔料に対し隠蔽力及び白色度に対し測定し、
その結果を次の表2に示した。ここで、隠蔽力と白色度
は製造された中空構造を有するプラスチック顔料を任意
の紙塗工用接着剤に所定比率に混合した後、同一量を所
定大きさにポリカーボネイトフィルム上に塗工し常温で
乾燥した後、リフレクタメータ(Automatic reflectomet
er、Kumagai Riki Kogyo社製品、モデル名KR-III)を用
いて測定した。
【0038】
【表2】
【0039】前記表2の結果から、核と第1外皮間のガ
ラス転移温度の差異が、70℃〜110℃程度の範囲で
あって、かつ第1外皮のガラス転移温度が低い場合、そ
の温度差が大きくなるほど隠蔽力と白色度が増加する
が、温度差が70℃未満の場合又は110℃を越える場
合は、隠蔽力と白色度が低下する傾向となる。核と第1
外皮のガラス転移温度差が小さい場合、高分子マトリッ
クス間の屈折率変化があまり大きくないから、加工物性
の向上が難しく、ガラス転移温度差異が大きすぎる場合
は第1外皮層と核が相融化を起こせて一つの相を形成す
るため、屈折率変化を起こすことができないと判断され
る。しかし、比較例2でのようにガラス転移温度差異が
115℃である場合、隠蔽力と白色度が110℃の差異
である実施例3に比べて急激に劣るが、これは単量体中
メタクリレートブチルを全然含有しないからである
方、前記実施例1〜3及び比較例1〜3に従い核と外皮
の二段階の重合により製造されたプラスチック顔料は、
比較例4のように典型的な4段階重合により製造された
顔料に比べ、隠蔽力と白色度が相対的に最小限同等であ
るか又は一層良好であることがわかる。従って本発明に
係る顔料の製造方法は製造工程を単純化させることがで
きる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、核重合及
び外皮重合を経て中空構造を有するプラスチック顔料を
製造するとき、外皮重合を行う単量体の含量を調節する
と、核と第1外皮間に相融化(相溶化)が起こらない範
囲内でガラス転移温度差異が大きければ大きいほど隠蔽
力と白色度の向上されたプラスチック顔料を製造するこ
とができ、この結果、二酸化チタンのような無機顔料及
びスチレン高分子プラスチック顔料等を代替し得る有機
顔料として有用に使用することができるという効果があ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャン キル−スー 大韓民国、ウーサン−シ、ウージュー− グン、イーオンヤン−ウープ、パンツェ オン ヒュンダイ アパート #101− 904 (72)発明者 チョ ミン−ソー 大韓民国、ウーサン−シ、ナム−グ、ユ ーム 3−ドン、クムホ 1 サテーク #10 (56)参考文献 特開 平4−224803(JP,A) 特開 平4−211411(JP,A) 特開 平6−248012(JP,A) 特開 平10−110018(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/00 - 2/44 C08F 251/00 - 292/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核とその表層の第1外皮及びその表層の
    第2外皮から少なくとも構成されている微粒子状のプラ
    スチック顔料であって、前記核及び前記第1及び第2
    皮から選ばれる少なくとも一つの成分が中空(ボイド)
    構造を有し、前記核がアクリル系ポリマーであり、 前記第1外皮がメタクリル酸ブチル20〜90重量%、
    メタクリル酸メチルまたはアクリル酸ブチル5〜75重
    量%、メタクリル酸1〜5重量%を重合させたポリマー
    であり、 第2外皮が硬質のスチレン系ポリマーであり、 前記第1 外皮のガラス転移温度が核のガラス転移温度に
    比較して70〜110℃の範囲低く、かつ前記プラスチ
    ック顔料の平均粒子径が、9000〜11000オングストロー
    ム(900〜1100nm)の範囲であることを特徴とするプラス
    チック顔料。
  2. 【請求項2】 酸基を有する単量体を含有するアクリル
    系単量体エマルジョンを水中に加えて撹拌し、核ラテッ
    クスを得る工程と、 前記核ラテックスにメタクリル酸ブチル20〜90重量
    %、メタクリル酸メチルまたはアクリル酸ブチル5〜7
    5重量%、メタクリル酸1〜5重量%を含むエマルジョ
    ンを加えて第1外皮を重合させ、次いで、アルカリを加
    えて膨潤させ、スチレン単量体エマルジョンを加えて外
    皮重合させて第2外皮を形成する工程を含むことによ
    り、 前記第1 外皮のガラス転移温度が核のガラス転移温度に
    比較して70〜110℃の範囲低く、かつ前記プラスチ
    ック顔料の平均粒子径が、9000〜11000オングストロー
    ム(900〜1100nm)の範囲の粒子を得ることを特徴とする
    プラスチック顔料の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリを加えて膨潤させる処理が、水
    酸化カリウム水溶液を添加してpH9〜10に調節する処理
    である請求項2に記載のプラスチック顔料の製造方法。
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