JP2952159B2 - マイクロアクチュエータの製造方法 - Google Patents

マイクロアクチュエータの製造方法

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JP2952159B2
JP2952159B2 JP22217994A JP22217994A JP2952159B2 JP 2952159 B2 JP2952159 B2 JP 2952159B2 JP 22217994 A JP22217994 A JP 22217994A JP 22217994 A JP22217994 A JP 22217994A JP 2952159 B2 JP2952159 B2 JP 2952159B2
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悦也 柳瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力された電気信号を
変位や力に変換するマイクロマシンの駆動源などに用い
られ、与えられた変位や力を電気信号に変換する加速度
センサや超音波センサなどのセンサとしても使用可能な
マイクロアクチュエータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロアクチュエータは、表面
に電極層となる導電性ペーストが塗布されたグリーンシ
ートが積層された積層体を焼成し、焼成された積層体の
側面に、互いに対向する一対の外部電極が設けられて形
成される。積層体の奇数番目の各電極層の一端部、およ
び偶数番目の各電極層の他端部が積層体の側面に露出し
ている部分には、筋状の絶縁体がそれぞれ形成され、外
部電極は、絶縁体の上から積層体の側面に設けられ、電
極層が両側の外部電極に交互に接続される(特開平6−
84409,特開平6−120579)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術では、
積層体の形成にグリーンシート法が用いられるので、グ
リーンシートが焼成されて成る圧電層の厚さに下限、数
十μmがあり、圧電層の厚さを薄くすることができな
い。圧電層の厚さが厚いと、マイクロアクチュエータを
駆動するのに高い電圧、たとえば数百ボルトの電圧が必
要となり、その結果、通常のIC(大規模集積回路)で
の駆動が困難である。
【0004】また、グリーンシート法で圧電層を形成す
ると、圧電層の結晶性が悪くなり、圧電層の圧電特性お
よび電歪特性が悪くなる。
【0005】本発明の目的は、低電圧で駆動可能で、圧
電層の結晶性を向上することができるマイクロアクチュ
エータの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板表面に、
電極層、圧電性および電歪性を有する圧電層、および電
極層を順次蒸着し、圧電部材を作製する成膜工程と、2
つの圧電部材を電極層が互いに対向するように接合する
接合工程と、両端の2つの基板のうちの一方の基板を除
去し、電極層を露出させ、積層した圧電部材を作製する
基板除去工程とを備え、接合工程と基板除去工程とを繰
返して、所定の積層数だけ積層させた圧電部材を得るこ
とを特徴とするマイクロアクチュエータの製造方法であ
る。また本発明は、圧電性および電歪性を有する圧電層
と電極層とが交互に積層される積層体の側面に、互いに
対向する一対の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、奇
数番目の各電極層の一端部および偶数番目の各電極層の
他端部に達する溝を、絶縁層の表面に複数形成するエッ
チング工程と、絶縁層の表面に、前記溝を介して電極層
に電気的に接続される外部電極を形成する外部電極形成
工程とを備えることを特徴とするマイクロアクチュエー
タの製造方法である。また本発明は、積層体が固定され
た電気絶縁性の基板に、前記外部電極が接続される接続
電極を設け、接続電極にリード線を接続することを特徴
とする。また本発明は、前記接合工程において、陽極接
合法、表面活性化接合法、または接着剤接合法が用いら
れることを特徴とする。また本発明は、前記エッチング
工程における溝の形成は、FIB法、ドライエッチング
法またはウェットエッチング法によって行われることを
特徴とする。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】本発明に従えば、マイクロアクチュエータの製
造工程は、蒸着によって基板表面に電極層および圧電層
を形成し、圧電部材を作製する成膜工程と、2つの圧電
部材を接合する接合工程と、基板を除去して電極層を露
出させる基板除去工程とを備える。接合工程と基板除去
工程とが繰返されることによって、圧電層と電極層とが
交互に所定の積層数だけ積層された圧電部材が得られ
る。
【0015】したがって、蒸着によって圧電層および電
極層を形成するので、従来のグリーンシート法に比べて
圧電層および電極層の厚さを大幅に薄くすることができ
る。電極層の厚さを薄くすることによって、マイクロア
クチュエータの厚さを薄くすることができる。
【0016】また成膜工程で形成された厚さの薄い圧電
層および電極層を、接合工程と基板除去工程とを繰返す
ことによって所定の積層数に積層するので、従来よりも
厚さの薄い圧電層および電極層によってマイクロアクチ
ュエータを形成することができる。
【0017】また本発明に従えば、マイクロアクチュエ
ータの製造工程は、積層体の側面に、互いに対向する一
対の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、積層体に含ま
れる奇数番目の各電極層の一端部および偶数番目の各電
極層の他端部に達する溝を絶縁層の表面に複数形成する
エッチング工程と、絶縁層の表面に、外部電極を形成す
る外部電極形成工程とを備えて構成される。
【0018】したがって、積層体の側面に絶縁層を形成
した後、その電極層に溝を形成するので、従来の筋状の
絶縁体を形成する場合に比べて作業を、高精度で、かつ
簡単に行うことができ、その結果、マイクロアクチュエ
ータの製造工程の簡略化および歩留りの向上を図ること
ができる。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の一実施例のマイクロアクチ
ュエータ41の構成を示す斜視図である。マイクロアク
チュエータ41は、圧電層24と電極層33a,33b
とが交互に積層される積層体32と、絶縁層36,37
と、外部電極42,43と、基板1とを備えて構成され
る。基板1表面に形成された接続電極42a,43aに
は、ワイヤーボンディングなどによってリード線44,
45が接続されている。
【0020】積層体32の側面には、互いに対向するよ
うに一対の絶縁層36,37が形成される。図1におけ
る左側の絶縁層36には、奇数番目の絶縁層33aの図
1における左側端部に達する溝36aが複数形成され、
図1における右側の絶縁層37には、偶数番目の電極層
33bの図1における右側端部に達する溝37aが複数
形成される。絶縁層36,37の表面に形成される外部
電極42,43は、溝36a,37aを介して電極層3
3a,33bに導通する。
【0021】外部電極42,43の図1における下端部
は、基板1の表面に形成される接続電極42a,43a
と連なっており、本実施例では外部電極42,43と接
続電極42a,43aとは一体に形成される。両端部の
電極層33a,33bは、単一の電極23で構成され、
両側を圧電層24で挟まれた各電極層33a,33b
は、2つの電極23と2つの接合層22とを備えて構成
される。
【0022】マイクロアクチュエータ41の製造工程を
説明する。
【0023】図2は、基板1の表面に電極23、圧電層
24、および接合層22を形成する成膜工程を示す図で
ある。図3は、図2の成膜工程で作製された圧電部材2
1の構成を示す斜視図である。図1の成膜工程では、R
F(radio frequency)マグネトロンスパッタ法が用い
られる。基板1と、ターゲット2との間に、RF電源8
によって高周波電圧を印加し、アルゴンプラズマを発生
され、アルゴンイオン3aでターゲット2をスパッタ
し、ターゲット2を構成する原子または分子2aを基板
1表面に蒸着する。
【0024】基板1は、ヒータ7によって蒸着に適した
温度に設定されている。永久磁石4は、基板1とターゲ
ット2との間に発生する電場と直交する磁場を発生さ
せ、これによって、アルゴンプラズマがターゲット2の
近傍に閉じ込められ、スパッタ効率が高くなっている。
スパッタ室3内に充填されたアルゴンガスは、供給口5
を介して供給され、排出口6を介して排出される。
【0025】ターゲット2は、取換可能になっており、
基板1の表面に所望とする膜が形成される毎に取換えら
れる。基板1の表面には、図3に示されるように、電極
23、圧電層24、電極23、接合層22の順に蒸着さ
れ、圧電部材21が形成される。
【0026】基板1は、酸化マグネシウム、チタン酸ス
トロンチウム、アルミナ、サファイアなどの単結晶から
構成される。電極23は、白金、アルミニウム、金、銀
などを材料にして形成される。本実施例では、電極23
は、後述する基板除去工程におけるエッチング処理の際
の耐エッチング性に優れた白金によって形成されてい
る。圧電層24は、PZTやPLZTなどの圧電性およ
び電歪性を有する材料で形成される。接合層22は、ガ
ラスまたはシリコンを材料として形成される。
【0027】圧電層24の厚さは、0.1μm〜10μ
mの値に設定される。電極22の厚さは、数百オングス
トローム〜数千オングストロームの値に設定される。接
合層22の厚さは、0.1μm〜数μmの厚さに設定さ
れる。
【0028】圧電層24は、蒸着によって形成されるの
で、結晶で構成されており、その結晶のC軸は、圧電層
24の厚み方向に配向されている。
【0029】図4は、圧電部材21aと圧電部材21b
とを陽極接合法によって接合する接合工程を示す図であ
る。なお、ここでは図4における下側の圧電部材21a
の各構成要素は符号に添字aを付けて示し、上側の圧電
部材21bの各構成要素は符号に添字bを付けて示す。
【0030】まず、下側の圧電部材21aを、導電性を
有するホットプレート27上に載置し、銀ペースト28
を塗布して、接合層22aとホットプレート27とを電
気的に接続する。次に、上側の圧電部材21bを、接合
層22bと接合層22aとが対向するようにして下側の
圧電部材21aに密着させる。このとき、上側の接合層
22bはシリコンで形成され、下側の接合層22aはガ
ラスで形成されているものとする。また、接合層22a
および22bの互いに対向する面は、鏡面状に研磨され
ていることが好ましい。
【0031】このように圧電部材21aおよび21bが
密着されると、上側の圧電部材21bの基板1bに電極
26が当接され、電極26とホットプレート27との間
に200〜1000ボルトの電圧が印加される。このと
き印加される電圧は、電圧の印加によって生じる電場
が、シリコンによって形成される接合層22bからガラ
スによって形成される接合層22aの方向へ向くように
与えられる。電圧の印加と平行して、接合層22a,2
2bの温度が、たとえば400℃になるようにホットプ
レート27による加熱が行われる。
【0032】このように電圧の印加と加熱とを行うと、
接合層22aを形成するガラスに含まれるナトリウムイ
オンが、電場の作用によって接合層22aの接合層22
bと対向しない側の表面に移動し、ガラス中に残った多
量の負イオンが接合層22aの接合層22bと対向する
表面に移動して空間電荷層を形成する。その結果、接合
層22aと接合層22bとの間に強い吸引力が生じ、接
合層22aと接合層22bとが化学結合される。
【0033】図5は、基板1bを除去する基板除去工程
を示す図である。前述の図4の接合工程によって、2つ
の圧電部材21a,21bが接合されると、電極23
a,23bおよび圧電層24a,24bなどが積層され
て成る積層体32の両端部に、基板1a,1bがあるの
で、さらに図4の接合工程を行うためには、2つの基板
1a,1bのうちのいずれか一方を除去して、電極23
aまたは23bを露出させる必要がある。基板1bの除
去は、研磨によって基板1bをあらかた取除いた後、研
磨によって取残した基板1bをエッチング処理によって
完全に除去する。ここでは基板1bを取除いたが、基板
1bの代わりに基板1aを取除いてもよい。
【0034】基板1bを、図5の基板除去工程で除去す
ると、図4の接合工程を行ってさらに積層を行う場合に
は、露出された電極23bの表面に前述の接合層22と
同様な接合層が形成される。このように接合層が形成さ
れた圧電部材31を用いて、図4の接合工程を行うこと
によって、積層体32の積層数を、さらに増加すること
ができる。
【0035】図4の接合工程と図5の基板除去工程とを
繰返すことによって、図6に示されるように、積層体3
2を、所定の積層数まで積層することができる。図4の
接合工程では、劈開またはダイアモンドカッタによる切
断によって複数に分割された圧電部材21,31同士を
接合してもよい。また、圧電部材21と圧電部材31と
を接合してもよい。
【0036】このようにして積層が行われると、電極層
33a,33bと圧電層24とが交互に所定の積層数だ
け積層された積層体32を得ることができる。積層体3
2の両端部、すなわち図6における上下方向の端部は、
単一の電極23から成る電極層33a,33bとなって
いる。各圧電層24の間に介在される電極層33a,3
3bは、2つの電極23の間に2つの接合層22が介在
された構成となっている。積層体32の上端部の基板
は、取除かれているが、下端部の基板1は取除かれずに
保存されている。本実施例では、積層体32の積層数
は、圧電層24が100層になるように設定されてい
る。
【0037】図7は、積層体32の側面に絶縁層36,
37を形成する絶縁層形成工程を示す図である。二酸化
ケイ素やガラスなどの材料から成る一対の絶縁層36,
37は、積層体32の側面に、互いに対向するようにし
て形成される。絶縁層36,37は、CVD(Chemical
Vapor Deposition)法またはスパッタ法によって形成
される。絶縁層36,37の厚さは、数百オングストロ
ームから数千オングストロームの値に設定される。
【0038】図8は、絶縁層36,37に溝36a,3
7aを形成するエッチング工程を示す図である。絶縁層
36に形成される複数の溝36aは、奇数番目の各電極
層33aの一端部、図8では左端部が露出するように形
成される。絶縁層37に形成される複数の溝37aは、
偶数番目の各電極層33bの他端部、図8では右端部が
露出するように形成される。絶縁層36,37の溝36
a,37aの形成は、FIB(Focused Ion Beam)法に
よって行われる。
【0039】図1を参照して、エッチング工程が行われ
ると、各絶縁層36,37の表面に外部電極42,43
を形成する外部電極形成工程が行われる。白金、アルミ
ニウムおよび銀などから成る外部電極42,43が形成
されると、外部電極42,43は溝36a,37aに嵌
まり込み、各電極層33a,33bの電極23と電気的
に導通する。これによって、奇数番目の電極層33a
は、図1における左側の外部電極42に接続され、偶数
番目の電極層33bは、図1における右側の外部電極4
3に接続される。外部電極42,43は、斜めスパッタ
法によって形成され、基板1表面に形成される接続電極
42a,43aと一体にして形成される。
【0040】接続電極42a,43aには、それぞれワ
イヤーボンディングなどによってリード線44,45が
接続される。
【0041】このように構成されたマイクロアクチュエ
ータ41において、リード線44,45を介して外部電
極42,43間に、電圧が印加されると、互いに隣接す
る電極層33a,33b間に電位差が生じる。各電極層
33a,33bは両側の外部電極42,43のいずれか
一方に交互に接続されるので、各電極層33a,33b
の図1における上側に生じる電場と下側に生じる電場と
は互いに逆向きとなる。このように電圧の印加によって
電場が生じると、互いに隣接する圧電層24同士では、
圧電特性および電歪特性が逆向きとなるように圧電層2
4が積層されているので、全ての圧電層24が縮み変位
し、または伸び変位し、これに伴って積層体32の全体
の厚さが変化する。
【0042】たとえば、数ボルトの電圧を印加した場
合、積層体32の全体の厚さが0.1パーセントから数
パーセントの間で変化する。圧電層24の積層数が10
0層となるように積層すると、積層体32の全体の厚さ
は0.2から0.3mmであるので、数ボルトの電圧印
加で、積層体32の厚さは0.2μmから2μmだけ変
位する。
【0043】マイクロアクチュエータ41に外力が与え
られ、積層体32が積層方向に押しつぶされたり引伸ば
されたりすると、これに伴って各圧電層24が縮み変位
または伸び変位し、その結果、各電極層33a,33b
間に電位差が生じる。この電位差をリード線44,45
を介して検出することによって、マイクロアクチュエー
タ41に与えられている外力の大きさや、積層体32の
縮み変位または伸び変位の大きさを検知することができ
る。
【0044】したがって、マイクロアクチュエータ41
の各圧電層24は、成膜工程による蒸着によって形成さ
れるので、従来では数十μm以上であった厚さを0.1
μm〜10μmの値にすることができる。その結果、従
来では数百ボルトであった駆動電圧を、大幅に小さく、
たとえば数ボルトにすることができる。これによって、
マイクロアクチュエータ41の駆動が、通常のICで可
能となり、マイクロアクチュエータ41の制御が容易に
なる。
【0045】また、電極23および接合層22も成膜工
程による蒸着によって形成されるので、従来のようにグ
リーンシートに導電体ペーストを塗布して電極層を構成
する方法に比べて、電極層33a,33bの厚さを薄く
することができ、その結果、マイクロアクチュエータ4
1の厚さを薄くすることができる。また、1層当たりの
圧電層24の厚さは薄いのであるが、図4の接合工程お
よび図5の基板除去工程を繰返すことによって、所望の
数だけ圧電層24を積層することができる。
【0046】また、圧電層24が結晶で構成され、その
結晶のC軸が圧電層24の厚み方向、すなわち積層方向
に配向されているので、各電極層33a,33b間に電
圧が印加された場合における圧電層24の伸び変位率お
よび縮み変位率を大きくすることができ、また圧電層2
4が外力によって伸び変位または縮み変位された場合に
おける各電極層33a,33b間に生じる電位差を大き
くすることができる。その結果、従来のマイクロアクチ
ュエータに比べて、電歪特性および圧電特性に優れたマ
イクロアクチュエータを実現することができる。
【0047】電歪特性が向上すると、印加する駆動電圧
に対して、マイクロアクチュエータ41が伸び変位また
は縮み変位する大きさが大きくなるので、低電圧で駆動
可能で、厚みの薄い小形化に適したマイクロアクチュエ
ータ41を実現することができる。
【0048】圧電特性が向上されると、マイクロアクチ
ュエータ41が加速度センサなどに用いられた場合、マ
イクロアクチュエータが伸び変位または縮み変位される
大きさに対して、互いに隣接する各電極層33a,33
b間に生じる電位差が大きくなるので、厚さの薄い小形
のマイクロアクチュエータ41で微小変位を高精度で検
出できる。
【0049】また、積層体32の側面に絶縁層36,3
7を形成した後、絶縁層36,37に溝36a,37a
を形成するので、従来の筋状の絶縁体を形成する場合に
比べて、作業を高精度で、かつ簡単に行うことができ、
その結果、マイクロアクチュエータ41の製造工程の簡
略化および歩留りの向上を図ることができる。
【0050】また、リード線44,45は、基板1表面
に形成された接続電極42a,43aに接続されるの
で、リード線44,45を外部電極42,43が積層体
32の側面に対向する部分に接続する場合に比べて、積
層体32の伸び変位または縮み変位によってリード線4
4,45が剥離してしまうようなことがなく、リード線
44,45の接続状態の信頼性を向上することができ
る。
【0051】また、図4の接合工程には陽極接合法が用
いられるので、厚さの薄い接合層22を形成することに
よって接合を行うことができ、マイクロアクチュエータ
41の厚みを厚くすることなく、積層体32を積層する
ことができる。
【0052】また、図8のエッチング工程ではFIB法
が用いられるので、収束イオンビームが照射される部分
から放射される2次電子を電子レンズなどによって捕獲
し、視角化することによって、収束イオンビームが照射
される部分を確認しながら溝36a,37aを形成する
ことができる。その結果、正確な位置に、溝36a,3
7aを形成することができる。
【0053】なお上述の実施例では、2つの圧電部材2
1,31の接合に、陽極接合法を用いたが、表面活性化
接合法または接着剤接合法が用いられてもよい。
【0054】また、上述の実施例では、図8のエッチン
グ工程においてFIB法を用いたが、RIE法などのド
ライエッチング法、またはウェットエッチング法を用い
てもよい。
【0055】また、上述の実施例では図2の成膜工程
で、RFマグネトロンスパッタ法を用いたが、CVD法
を用いてもよい。
【0056】また上述の実施例では、積層体32の片側
の基板1を除去せずに残し、その基板1に接続電極42
a,43aを形成したが、基板1を残さずに除去しても
よい。接続電極42a,43aを形成するための基板が
必要である場合には、新たな基板を積層体32の一端部
に接続すればよい。
【0057】
【0058】
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、成膜工程
で形成された厚さの薄い圧電層および電極層を、接合工
程と基板除去工程とを繰返すことによって所定の積層数
に積層するので、従来よりも厚さの薄い圧電層および電
極層によって積層体を形成することができる。
【0060】また、絶縁層を形成した後、その絶縁層に
溝を形成するので、従来に比べて作業を高精度で、かつ
簡単に行うことができ、その結果、マイクロアクチュエ
ータの製造工程の簡略化および歩留りの向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のマイクロアクチュエータ4
1の構成を示す斜視図である。
【図2】基板1表面に電極23、圧電層24および接合
層22を形成する成膜工程を示す図である。
【図3】成膜工程によって形成された圧電部材21の構
成を示す斜視図である。
【図4】陽極接合法によって2つの圧電部材21a,2
1bを接合する接合工程を示す図である。
【図5】基板1bを除去する基板除去工程を示す図であ
る。
【図6】積層体32が所定の積層数だけ積層された状態
を示す図である。
【図7】絶縁層36,37を形成する絶縁層形成工程を
示す図である。
【図8】絶縁層36,37に溝36a,37aを形成す
るエッチング工程を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 基板 2 ターゲット 3 スパッタ室 4 永久磁石 7 ヒータ 8 RF電源 21,21a,21b,31 圧電部材 22,22a,22b 接合層 23,23a,23b 電極 24,24a,24b 圧電層 26 電極 27 ホットプレート 28 銀ペースト 32 積層体 33a,33b 電極層 36,37 絶縁層 36a,37a 溝 42,43 外部電極 42a,43a 接続電極 44,45 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−239588(JP,A) 特開 平6−252464(JP,A) 特開 昭53−118798(JP,A) 特開 平2−82667(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 41/00 - 41/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に、電極層、圧電性および電歪
    性を有する圧電層、および電極層を順次蒸着し、圧電部
    材を作製する成膜工程と、 2つの圧電部材を電極層が互いに対向するように接合す
    る接合工程と、 両端の2つの基板のうちの一方の基板を除去し、電極層
    を露出させ、積層した圧電部材を作製する基板除去工程
    とを備え、 接合工程と基板除去工程とを繰返して、所定の積層数だ
    け積層させた圧電部材を得ることを特徴とするマイクロ
    アクチュエータの製造方法。
  2. 【請求項2】 圧電性および電歪性を有する圧電層と電
    極層とが交互に積層される積層体の側面に、互いに対向
    する一対の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、 奇数番目の各電極層の一端部および偶数番目の各電極層
    の他端部に達する溝を、絶縁層の表面に複数形成するエ
    ッチング工程と、 絶縁層の表面に、前記溝を介して電極層に電気的に接続
    される外部電極を形成する外部電極形成工程とを備える
    ことを特徴とするマイクロアクチュエータの製造方法。
  3. 【請求項3】 積層体が固定された電気絶縁性の基板
    に、前記外部電極が接続される接続電極を設け、接続電
    極にリード線を接続することを特徴とする請求項2記載
    のマイクロアクチュエータの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記接合工程において、陽極接合法、表
    面活性化接合法、または接着剤接合法が用いられること
    を特徴とする請求項1記載のマイクロアクチュエータの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エッチング工程における溝の形成
    は、FIB法、ドライエッチング法またはウェットエッ
    チング法によって行われることを特徴とする請求項2記
    載のマイクロアクチュエータの製造方法。
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