JP2952089B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP2952089B2
JP2952089B2 JP3272694A JP27269491A JP2952089B2 JP 2952089 B2 JP2952089 B2 JP 2952089B2 JP 3272694 A JP3272694 A JP 3272694A JP 27269491 A JP27269491 A JP 27269491A JP 2952089 B2 JP2952089 B2 JP 2952089B2
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Handling Of Cut Paper (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシート材搬送装置におけ
る拍車、詳細には、例えば、コート紙に記録を行うイン
クジェット記録装置の記録媒体の搬送部に設けられ、シ
ート材の表面に点接触してシート材を押える拍車に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置、特にカ
ラープリンタにおいては記録後の紙浮きの防止及び記録
面にテンションを与える方法として記録面の上流側のロ
ーラで引張るか或はエアー吸引等で紙を吸着させる構造
となっていた。また、記録媒体排出部に拍車により、紙
浮き対策を図るよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例では排紙上流側のローラ構成ではコート紙のみ
の対応だけであり、OHP、普通紙では印字汚れが生じ
対応出来ない。また、記録媒体をエアー吸引する構成で
は装置が大型化するだけでなく、騒音も問題となった。
【0004】そして、従来の拍車構成のインクジェット
記録装置では、拍車の凸起部形態によりコート紙、普通
紙、OHPに対し拍車の突起部に付着したインクが記録
媒体の白部或は他色の記録面を汚す等の問題が生じた。
この凸起部は、コート紙の塗工面がSi系、或はMg系
等の金属酸化物或は金属化合物より作られている為、よ
り高速に紙搬送を行う様になり、たとえ拍車がSUS材
で作られていても摩耗しインクを打込まれた記録面との
滑りを生じ、画像劣化を引越す様になってきた。突起が
摩耗すると突起に付着したインクが紙面を一層汚すこと
となる。
【0005】また、カラープリンタの場合には紙搬送部
における拍車の影響がモノクロ(白/黒)プリンタとは
大いに違い、拍車に付着したわずかなインクにおいて
も、次に拍車が一回転し他色先端に打込まれた記録紙上
のインクによって再度濡れた状態となり混色(にじみ)
を生じ記録面を汚すこととなる。さらに、拍車の突起の
先端がプレスの打抜きでは型の摩耗の関係から丸みを帯
びて紙面との接触部が大きくなり、インクが定着しにく
いOHP・普通紙等ではインクが紙面のインクにより濡
れが大きい為、拍車による印字汚れが生じ易い。特に、
OHPでは拍車と紙面の未定着のインク液面で滑りが生
じ相対速度により線を引いた様な跡が生じ易い。インク
ジェットのカラープリンタにおいては最近はコート紙だ
けではなく、OHP、普通紙等各種記録媒体に使用され
る為、定着の悪い記録媒体に、印字した時により拍車の
突起の記録媒体の塗工層による摩耗の影響が生じ印字面
の汚れが顕著となる。
【0006】図2、図3は印字面の汚れを模式的に表わ
したものである。図2は濡れた赤インク(R)による黒
インク(Bk)の再溶解汚れを示す。図3は定着性が悪
いシート22の場合の黒点、滑りによる黒い線を示す。
図において、9は従動の拍車、8は駆動の排紙ローラで
ある。また、図4、図5、図6はOHPと拍車との関係
を表わしたものでCはコート層である。拍車突起9aの
摩耗度により滑り易くなる様子を表わしている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、表面層
が硬い塗工層で作られるインクジェット記録用のコート
紙を高速に搬送しても拍車の突起が摩耗しないようにす
るために、インクを吐出することによってシート材に画
像の記録を行う記録手段と、シート材を搬送する駆動ロ
ーラと、前記記録手段の下流側において、前記駆動ロー
ラによって搬送されるシート材の前記記録手段による記
録が行われた面に接触し、該シート材に従動回転する拍
車とを有し、前記拍車は、板厚が0.3mm以下で、先
端の曲率半径が0.08mm以下であり、少なくとも突
起部を表面処理により硬度を高めた事を特徴とする記録
装置である。さらに、本発明はSUS材のベース材をエ
ッチング加工して突起の曲率を小さく形成し、さらにハ
ードクロム或はニッケルクロムメッキ、または、窒化、
商品名:タフトライド(軟窒化)、浸炭等を施し表面硬
度を上げ、コート層との接触面が非常に小さい場合にお
いては摩耗を極力抑える構成にしたものである。この拍
車の突起を小さくすることによりインク付着も微量にな
り他色への転写の影響もなくなり、濡れた記録媒体上に
おいても紙面の摩擦力を突起が確保し滑りを生じない為
従動側である拍車も記録媒体と等速で回転し記録面に影
響を及ぼさない。
【0008】
【実施例】図1は本発明のインクジェット記録装置の紙
搬送部であり、記録媒体22は送りローラ6とピンチロ
ーラ7によりインクジェット記録ヘッド1とプラテン1
0の間に送り込まれ、印字部30で印字されることにな
る。記録媒体(シート材)22はさらに搬送され、排紙
ローラ8と拍車9の間を通過し、ピンチローラ7をはず
れた記録媒体22は駆動ローラである。排紙ローラ8と
従動側の回転ローラとなる拍車9により排紙され、スタ
ック22aされることになる。
【0009】印字部30で印字されたインクは拍車9ま
での距離Aまでに確実に定着しているわけではなく、カ
ラープリンタの場合は拍車突起9aに付着したインクが
他色のまだ濡れている記録面に接触した場合にじみ出し
て印字汚れを生じる。この拍車突起9aに極力インクが
付着しにくい構成とする。
【0010】そこで、本発明では拍車をエッチング加工
により形成する。エッチング加工だと歯先口小さくで
き、プレス加工の様な抜きバリも発生しない。
【0011】エッチングにより形成される金属拍車の板
厚は0.1〜0.2mm(好ましくは0.3mm以下)
であり、先端の曲率もR0.08(mm)以下と非常に
小さい。尚、拍車の外径直径は15mmで、歯の高さは
0.5mm、歯巾は0.7mmである。
【0012】このエッチング加工されたSUS材に表面
処理を施しコート紙との耐摩耗性をさらに向上させる。
【0013】この様に耐摩耗性が要求される場合には窒
化また軟窒化さらに浸化等がなされ、表面硬度もHV1
000(ビッカース硬さ)以上ともなる。
【0014】窒化処理 部品を560°〜580℃程度に加熱し、表面層に窒、
炭素を浸入拡散させ表面硬度、耐摩耗性を示す。
【0015】本実施例ではSUS304−CSPHを窒
化した。
【0016】硬度(ビッカーズ)は380HV前後が1
000〜1300HVになる。
【0017】窒化、炭素化合物層の厚みは0.007〜
0.015mm程度である。
【0018】(他の実施例)封筒、はがき等を搬送しな
い様な軽負荷の拍車圧においては、拍車をニッケルクロ
ムメッキ或はハードクロムメッキ等の処理をすれば拍車
先端の耐摩性を向上出来る。
【0019】(記録手段)記録手段は搬送手段で搬送さ
れた記録シートにインク像を記録するものである。この
装置に於ける記録手段としてはインクジェット記録方式
が好適に用いられる。
【0020】インクジェット記録方式は記録用のインク
液を飛翔液滴として吐出噴射させるための液体吐出口
と、該吐出口に連通する液体流路、及びこの液体流路の
一部に設けられ、流路内のインク液を飛翔させるための
吐出エネルギーを与える吐出エネルギー発生手段とを備
えている。そして画信号に応じて前記吐出エネルギー発
生手段を駆動し、インク液滴を吐出して像を記録するも
のである。
【0021】前記吐出エネルギー発生手段としては、例
えばピエゾ素子等の電気機械変換体等の圧力エネルギー
発生手段を用いる方法、レーザー等の電磁波をインク液
に照射吸収させて発熱させ、該発熱による作用でインク
を吐出させる電磁エネルギー発生手段を用いる方法、或
いは電気熱変換体によってインク液を加熱してインクを
吐出させる熱エネルギー発生手段を用いる方法等があ
る。この中で電気熱変換体等による熱エネルギー発生手
段を用いてインクを吐出させる方式が、液体吐出口を高
密度に配列し得るために高解像度の記録をすることが出
来、且つ記録ヘッドのコンパクト化も可能であるので好
適である。
【0022】本実施例では記録手段として前記インクジ
ェット記録方式の1つであるシリアル型のバブルジェッ
ト記録方式を用いている。
【0023】図7は記録手段を構成する記録ヘッドの
分解構成説明図であり、図8(a)〜(d)及び図9
(e)〜(g)はバブルジェット記録原理の説明図であ
る。なおその代表的な構成や原理については、例えば、
米国特許第4、723、129号明細書、同第4、74
0、796号明細書に開示されている。
【0024】図7に於て、aはヒータボードであり、
シリコン基板上に電気熱変換体(吐出ヒータ)b、こ
れに電力を供給するアルミニウム等の電極cとが成膜
されて配設されている。このヒータボードaに対し
て、記録用液体の液路(ノズル)dを仕切るための隔
壁を有する天板eを接着することにより構成されてい
る。また装置の所定位置には前記記録ヘッドにインク
を供給するためのインクカートリッジが交換可能に取り
付けられている。
【0025】前記インクカートリッジから導管を介して
供給されたインクは、天板eに設けられた供給口f
より記録ヘッド内の共通液室gに充填され、この共
通液室gより各ノズルd内に導かれる。これらのノ
ズルdにはインク吐出口hが形成されており、また
前記吐出口hは前記記録ヘッドの記録シートに対向
してシート搬送方向に所定ピッチで形成されている。
【0026】本実施例では前記構成の記録ヘッドが往
復移動可能なキャリッジに搭載され、キャリッジの移動
に同期して前記記録ヘッドからインクを吐出、飛翔さ
せて記録を行うものである。
【0027】ここで前記バブルジェット記録方式に於け
るインク飛翔原理を図8(a)〜(b)を参照して説明
する。
【0028】定常状態では図8(a)に示すように、ノ
ズルd内に充填されているインクは吐出口面で表面
張力と外圧が平衝している。この状態でインクを飛翔
させる場合には、ノズルd内の電気熱変換体bに通
電し、そのノズル内のインクに核沸騰を越えて急速な
温度上昇を生じさせる。すると、図8(b)に示すよう
に、電気熱変換体bに隣接したインクが加熱されて微
小気泡(バブル)を生じ、該加熱部分のインクが気化し
て膜沸騰を生じ、図8(c)に示すように前記気泡が
急速に成長する。
【0029】前記気泡が図8(d)に示す如く最大に
成長すると、ノズルd内の吐出口からインク液滴が押
し出される。そして電気熱変換体bへの通電を終了す
ると、図9(e)に示すように、成長した気泡はノズ
ルd内のインクにより冷却されて収縮し、この気泡
の成長、収縮によってインク液滴が吐出口から飛翔す
る。更に図9(f)に示すように電気熱変換体b面に
インクが接触して急激に冷却され、気泡は消滅するか
又は殆ど無視し得る程度の体積に収縮する。そして前記
気泡が収縮すると、図9(g)に示すようにノズル
d内には毛細管現象によって共通液室gからインクが
供給され、次の通電に備えるものである。
【0030】従って、キャリッジを往復移動させると共
に、この移動と同期させて画信号に応じて前記電気熱変
換体bに通電することによって記録シートにインク像
が記録される。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、コート紙、OH
P、普通紙等各種の記録媒体の紙搬送排紙部の拍車先端
の印字面との接触部を極力小さくする為にエッチング加
工により形成し、さらに耐摩耗性を向上の為窒化等の表
面処理により拍車金属面の硬度アップを図ることによ
り、定着性の悪い記録媒体を使用された場合においても
拍車先端の他色のインクの転写および拍車のインク面で
の滑りを防止し良好印字面を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体搬送部を示す正面図である。
【図2】印字面不良現象を示す。
【図3】印字面不良現象を示す。
【図4】OHP印字の模式図(拍車突起小)を示す。
【図5】OHP印字の模式図(拍車突起摩耗)を示す。
【図6】OHP印字の拍車滑りの模式図(インク液面に
より滑る)を示す。
【図7】記録ヘッドの分解構成説明図である。
【図8】バブルジェット記録原理の説明図である。
【図9】バブルジェット記録原理の説明図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 6 送りローラ 7 ピンチローラ 8 排紙ローラ 9 拍車 9A 拍車突起 10 プラテン 22 記録媒体 30 印字部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−3856(JP,A) 特開 平1−252434(JP,A) 特開 昭63−93878(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65H 5/06 B65H 29/20 - 29/22 B41J 13/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出することによってシート材
    に画像の記録を行う記録手段と、 シート材を搬送する駆動ローラと、 前記記録手段の下流側において、前記駆動ローラによっ
    て搬送されるシート材の前記記録手段による記録が行わ
    れた面に接触し、該シート材に従動回転する拍車とを有
    し、 前記拍車は、板厚が0.3mm以下で、先端の曲率半径
    が0.08mm以下であり、少なくとも突起部を表面処
    理により硬度を高めた事を特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記突起部を金属材料とし軟窒化或は、
    窒化、または浸炭を施したことを特徴とする請求項1に
    記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記突起部にKN(クロムニッケル)或
    はハードクロムメッキを施したことを特徴とする請求項
    1に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記拍車は、SUS材をエッチング加工
    することにより基材を形成することを特徴とする請求項
    1に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記拍車は、エッチング加工で作成した
    後、窒化したことを特徴とする請求項1に記載の記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記記録手段はカラーのインクジェット
    記録用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録手段は信号に応じてインクを吐
    出して記録を行うインクジェット記録方式である請求項
    1記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録手段が信号に応じて電気熱変換
    体に通電し、前記電気熱変換体による熱エネルギーを利
    用してインクを吐出して記録を行うインクジェット記録
    方式である請求項7記載の記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録装置は、記録手段が信号に応じ
    て電気熱変換体に通電し、前記電気熱変換体による膜沸
    騰を生じさせる加熱によって生ずる気泡の成長により、
    インクを吐出口より吐出して記録を行うバブルジェット
    記録方式である請求項8記載の記録装置。
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