JP2951668B2 - 耐酸性と深絞り性にすぐれるオーステナイト系ステンレス鋼薄板の直接製造方法 - Google Patents

耐酸性と深絞り性にすぐれるオーステナイト系ステンレス鋼薄板の直接製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐酸性と深絞り性にすぐれるオーステナイ
ト系ステンレス鋼薄板の直接製造方法に関し、特にステ
ンレス溶鋼から、単ロール方式や双ロール方式、単ベル
ト方式または双ベルト方式などの薄板直接鋳造機を介し
て、耐酸性と深絞り性にすぐれるオーステナイト系ステ
ンレス鋼の薄板を連続的に直接製造する方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼
は、耐食性に優れるほか、強度も高く、かつプレス成形
性に優れることから、建築用外壁パネル,内装板,浴槽
などの他、台所用品,器物など極めて広い用途で使われ
ている。
一般に、かかるオーステナイト系ステンレス鋼の薄板
は、まず溶鋼をスラブ連続鋳造機に供給して連続的に凝
固させることにより、溶鋼から200±100mm厚のスラブを
直接製造し、このスラブを熱間圧延して熱延板とした
後、この熱延板を常法に従って冷間圧延処理と熱処理と
を施して鋼板としている。
従来、このようなオーステナイト系ステンレス鋼の耐
酸性については、化学成分のうち、特にNiやCuが有効に
作用することが知られており、耐酸性向上のためにNi量
を増加させたり、Cuの微量添加で対処していることが多
い。
またこのような連続鋳造スラブに基づいて製造された
従来のオーステナイト系ステンレス鋼の薄板は、(11
2)<111>集合組織になりやすい。とくに、この(11
2)面は、他の低指数面(100),(110),(111)面に
比べると、耐酸性が悪いために全体的に耐食性の点で好
ましくない。しかも、かかる(112)<111>集合組織は
深絞りに当って耳の発生が大きいという欠点がある。
このような観点から、従来、薄板の製造に当っては、
問題の多い特定の集合組織が発生しないように工夫し、
できるだけランダムな結晶方位をもつ組織となるように
している。例えば、特公昭58−11489号公報や特公昭63
−67527号公報の開示によれば、できるだけランダムな
方位を得る手段として冷間圧延時の温度をコントロール
する技術を開示している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上掲の従来技術の場合、オーステナイト系ステンレス
鋼の耐酸性向上に対しては、Ni量の増量やCuの少量添加
で対処しているが、それは原料コストの上昇を招く欠点
があった。また、上述したように、深絞り特性向上のた
めに、集合組織をコントロールする技術はあるものの、
耐酸性向上のためにこの集合組織を究明した技術につい
ては皆無であった。しかも、イヤリングの防止等深絞り
性向上のために、集合組織をコントロールする場合はあ
っても、そのためには冷間圧延時の温度コントロールを
厳密に行う必要があり、工程や作業内容が複雑となる問
題点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、従来技術が抱えている上述したような課題
を解決し、耐酸性及び深絞り性にすぐれるオーステナイ
ト系ステンレス鋼薄板帯を、原料コストの上昇を招くこ
となく容易に製造する方法として、オーステナイト系ス
テンレス鋼の溶鋼を、薄板連続鋳造機の移動冷却体上に
供給して急冷凝固させて得られる、板厚0.1〜20mmの薄
鋳板を、直接、冷間圧延し、次いで焼鈍処理する方法に
おいて、上記薄鋳板として、その縦断面積に占める割合
いで50%以上の等軸晶率を有するものを用いることを特
徴とする耐酸性と深絞り性にすぐれるオーステナイト系
ステンレス鋼薄板の直接製造方法を提案する。
すなわち、本発明は、主として薄鋳板の等軸晶率を制
御するだけで、耐酸性と深絞り性を兼ね具えるものを製
造できることに想到した点に特徴がある。
本発明の適用に当たって、薄板連続鋳造機の移動冷却
体とは、単ロール,双ロール式薄板連続鋳造機あるいは
単ベルト,双ベルト薄板連続鋳造機におけるロールもし
くはベルトを指す。
所定の成分組成にした溶鋼を、この移動冷却体の冷却
面に連続的に供給しながら順次に凝固させて直接鋳造し
て得た薄鋳板は、表層から板厚内部に向かって成長した
柱状晶組織と板厚中央部近辺で生成する等軸晶を有す
る。
この鋳片断面図の柱状晶と等軸晶の割合は、鋳造条
件、とくに溶鋼の供給量と移動冷却体速度や冷却強度な
どの凝固条件によって変わる。そして本発明は、薄鋳板
断面積中に占める等軸品の割合が50%以上である薄鋳板
を用いることを特徴とする方法である。
〔作用〕
さて、本発明者らは、前記凝固条件を種々変更し、等
軸晶の割合を変化させた鋳片を冷間圧延・焼純し、その
耐酸性と深絞り性について研究した。その結果、等軸晶
率が50%以上で優れた耐酸性と深絞り性を兼ね具えると
いうことを知見したのである。
すなわち第1図は、上記試験結果に基づくオーステナ
イト系ステンレス鋼の(112)強度比(I/I0)と、5%H
2SO4腐食値の関係を示す図である。この図から判るよう
に、(112)強度比(I/I0)が2.1を超えると5%H2SO4
腐食値が急激に大きくなる。従って、優れた耐酸性を得
るためには、(112)強度比の小さい、すなわちI/I0
2.1の条件が必要なことが判る。なお、I0はランダム試
料の(112)強度、Iは供試材の(112)強度を示す。
第2図は、上述のようにして得られる異なる等軸晶率
の薄鋳板を、50%の冷間圧延を施した後、1100℃で3分
間熱処理したときの(112)強度比I/I0と該薄鋳板の柱
状晶率との関係を調べた結果を示すものである。この図
から判るように、等軸晶率が小さい薄鋳板をを冷間圧
延,焼鈍したときの(112)強度比I/I0は、大きい値を
示す。しかし、この等軸晶率が50%以上を示す薄鋳板の
場合には、強度比I/I0は急激に小さくなる。したがっ
て、優れた耐酸性を得るには、等軸晶率が50%を超える
ような薄鋳板による小さい強度比I/I0の材料が有効であ
ると言えるのである。
また、第3図は、上述のようにして得られる薄板連続
鋳造鋳片について、それぞれ等軸晶率の異なる薄鋳板
を、50%の冷間圧延を施してから1100℃で3分間熱処理
した後の深絞り時のイヤリング率と薄鋳板の等軸晶率と
の関係を調べた結果を示すものである。この図から判る
ように、薄鋳板の等軸晶率が増加するにつれ、冷間圧
延,焼鈍後のイヤリング率が小さくなる傾向が明瞭であ
る。
以上説明したように、少なくとも薄板連続鋳造機によ
り製造された薄鋳板については、等軸晶率を高くする
と、それだけでも冷間圧延,焼鈍後の製品の耐酸性と深
絞り性とは、両者とも優れた特性を示すことが明らかで
あり、とりわけ等軸晶率が50%以上になると、その効果
が顕著となる。
なお、鋳造薄鋳板の等軸晶率を50%以上に制御する方
法としては、鋳込む溶鋼の成分組成に基づく鋳造速度,
鋳造温度,鋳造板厚などの選択によって行う。とりわ
け、鋳造組織,すなわち等軸晶の生成量は、成分組成と
鋳造温度が顕著である。まず、成分組成についてはδフ
ェライトを生成しやすい組成、あるいは凝固熱を生成し
やすい元素を添加すればよく、一方、鋳造温度について
は低めにコントロールすることが有効である。
以上説明したように、等軸晶率は各種の方法によって
コントロールできるが、そのコントロールが不首尾に終
わると、薄鋳板の等軸晶率は約40%程度になり、本発明
の目的を達成することができない。
〔実施例〕
この実施例は、第1表に示す成分組成のSUS304および
SUS310S鋼の溶鋼を10kg大気誘導炉にて溶製し、傾斜板
付双ロール方式の薄板連続鋳造機に供給して急冷凝固さ
せることにより、所定厚の薄鋳板を製造した。この薄鋳
板は、鋳造時に鋳片の略中央部における縦断面積(肉厚
方向)に対する割合で50%以上が等軸晶率となるような
凝固条件で鋳造し、そして、このようにして得られた試
験材(No.1〜No.8)について、5%H2SO4腐食試験およ
び深絞り試験を実施し、腐食性およびイヤリング率を判
定し、それぞれの効果を確認した。その結果を第2表に
示す。
一方、従来法として、同じ鋼種の溶鋼をAOD炉で精製
した後、通常のスラブ連続鋳造機にて鋳造して厚さ145m
mのスラブとし、このスラブをプラネタリーミルによる
熱間圧延により板厚5.5mmの熱延板とし、同じく第2表
に示す条件にて製品板とした。そして、それらの製品板
に対し、60℃5%H2SO4腐食試験により得た腐食値と、
深絞り試験により得た深絞りカップの耳高さを測定し、
イヤリング率を求めた。これらの測定結果を第2表にN
o.9,10としてまとめて示した。
実験結果を示す第2表より明らかなように、本発明法
によれば、各試験材とも、従来法によるものに比較して
腐食性,イヤリング率ともに小さいことが判った。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば、薄鋳板の等軸晶
率を制御するだけで腐食性,イヤリング率ともに小さい
ものが得られるので、耐酸性に優れると共に成形異方性
の小さいオーステナイト系ステンレス鋼薄板を容易に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、SUS304の(112)強度比と5%H2SO4腐食値と
の関係を示すグラフ、 第2図は、SUS304の等軸晶率と(112)強度比との関係
を示すグラフ、 第3図は、SUS304の等軸晶率とイヤリング率との関係を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−11925(JP,A) 特公 昭61−10535(JP,B2) 長谷川正義編「ステンレス便覧」日刊 工業新聞社(S55−12−25)P.92, 93,427−431 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーステナイト系ステンレス鋼の溶鋼を、
    薄板連続鋳造機の移動冷却体上に供給して急冷凝固させ
    て得られる、板厚0.1〜20mmの薄鋳板を、直接、冷間圧
    延し、次いで焼鈍処理する方法において、上記薄鋳板と
    して、その縦断面積に占める割合いで50%以上の等軸晶
    率を有するものを用いることを特徴とする耐酸性と深絞
    り性にすぐれるオーステナイト系ステンレス鋼薄板の直
    接製造方法。
JP19257489A 1989-07-27 1989-07-27 耐酸性と深絞り性にすぐれるオーステナイト系ステンレス鋼薄板の直接製造方法 Expired - Fee Related JP2951668B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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長谷川正義編「ステンレス便覧」日刊工業新聞社(S55−12−25)P.92,93,427−431

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