JP3067894B2 - 無方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法

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JP3067894B2 JP4189757A JP18975792A JP3067894B2 JP 3067894 B2 JP3067894 B2 JP 3067894B2 JP 4189757 A JP4189757 A JP 4189757A JP 18975792 A JP18975792 A JP 18975792A JP 3067894 B2 JP3067894 B2 JP 3067894B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、0.01〜8.0%の
Siを含む無方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板は回転機および中小型
変圧器等の鉄心材料として広く利用されており、磁気特
性として励磁特性と鉄損特性が良好でなくてはならな
い。しかも近年、特にエネルギーロスの少ない低鉄損素
材への市場要求が強まっている。しかし、従来の製造方
法では、熱延、冷延、焼鈍等の複雑な工程処理が必要な
ため、製造コストが非常に高いという問題がある。そこ
で最近、電磁鋼の溶鋼を急冷凝固法で直接薄帯にする技
術が開発された。この方法によれば、溶鋼から直接成品
または半成品ができるので、製造コストを大幅に下げる
ことが可能である。
【0003】急冷凝固法で薄鋳片を得て、それを出発素
材とする方法は、たとえば、特開平2−194123号
公報には、Si:0.1〜4.0重量%を含有する溶湯
を急冷凝固して、再加熱することなく圧下率60%以
下、圧延仕上げ温度600〜1000℃で熱延し、次い
で、得られた熱延鋼帯に冷延および仕上げ焼鈍を施すこ
とを特徴とする磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の製
造方法が開示されている。しかし、鋳造時の雰囲気につ
いては何も言及されておらず、通常の大気中で実施され
ていると考えられる。
【0004】さらに、薄鋳片の結晶粒径の改善に着眼し
ているものがある。特開昭62−240714号公報に
は、急冷凝固時の冷却体表面間隙の条件と急冷凝固後の
鋳片の冷却条件を選ぶことにより、連続体の平均粒径を
0.05mm以上とすることを特徴とする、磁気特性に優
れた無方向性電磁鋼板の製造方法が開示されている。し
かし、鋳造時の雰囲気については何も言及されておら
ず、通常の大気中で実施されていると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術に
よる急冷凝固法により、無方向性電磁鋼板を工業的に生
産する場合、鉄損特性が不十分であり、その原因は鋳造
組織の制御に問題点があると考えられる。本発明者ら
は、この鋳造時における雰囲気に着眼し、急冷凝固時の
溶鋼の鋳造組織を制御することにより、無方向性電磁鋼
板の最終製品での鉄損特性を向上させることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべく検討を重ねた結果完成したものであって、その
要旨とするところは双ロール式連続鋳造において、重量
でSi:0.01〜8.0%を含有し、その他電磁鋼と
して必要な成分元素を含み、残部実質的にFeからなる
溶鋼を、連続的に供給して急冷凝固させて薄鋳片を鋳造
するに際し、双ロールの湯溜まり部を窒素ガス雰囲気に
することにあり、これにより従来よりも良好な鉄損特性
を得ることができる。
【0007】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。電磁鋼板の用
途は、回転機と静止器の二つに大別できる。この二つの
用途では、それぞれにふさわしい電磁特性が要求され
る。即ち、回転機用材料に対しては板面内で等方的な電
磁特性が望まれ、これには{100}面内無方向な集合
組織を有する材料が好適である。他方、静止器用材料に
対してはL方向或いはC方向の電磁特性の良いことが望
まれ、これには{110}〈001〉集合組織或いは
{100}〈001〉集合組織を有する材料が好適であ
る。一般に{100}〈0vw〉は、圧延、再結晶して
も{100}〈0vw〉に近い方位の結晶になること
が、良く知られているが、本発明においては、この考え
方を急冷凝固法に適用し、薄鋳片での柱状晶の鋳造組織
をできるだけ多くする必要があると考えた。そこで、本
発明者らは、この急冷凝固時の凝固組織形態を改善する
ため、湯溜まり部の雰囲気を変えることに着眼した。
【0008】一般に、双ロール急冷凝固法では、図1で
双ロールの湯溜まり部を模式的に示すように、ロール1
/溶鋼2間にガス膜層3が存在し、溶鋼2表面からロー
ル1側への伝熱抵抗として、ロール本体1以外にガス膜
層3も含めた総括伝熱抵抗を考慮する必要がある。この
時のガス膜は数μmのオーダーの厚さと考えられる。普
通、双ロール急冷凝固法でのロール1と溶鋼2の接触時
間は0.1秒オーダーであり、この短時間に凝固シェル
を形成させる必要があり、ガス膜層3による総括伝熱抵
抗への影響は非常に大きいものと思われる。
【0009】そこで、本発明者らは、双ロールの湯溜ま
り部での雰囲気ガス4の巻き込みに着目し、従来の大気
に変えて、種々のガスを使用し、鋳造組織形態について
検討を実施した。その結果、湯溜まり部を窒素ガス雰囲
気にすると、図2(a)に示すように柱状粒鋳造組織を
持った薄鋳片が得られることにより、磁気特性が向上す
ることを見出した。これに対し、アルゴンガスやヘリウ
ムガス雰囲気では、凝固組織形態は等軸粒となり易い。
図2(b)にヘリウムガス雰囲気での凝固組織を示す。
この理由としては、窒素ガスの場合は溶鋼の表面で微量
の吸窒が行われるため、見かけの熱伝導度が小さくな
り、その結果として、窒素ガスの熱伝導度が小さくなる
ことが考えられる。
【0010】以上のように、本発明者らは、双ロールの
湯溜まり部の雰囲気ガスの巻き込みに着目して、種々の
ガスを検討した結果、湯溜まり部を窒素ガス雰囲気にす
ると、柱状粒鋳造組織を持った薄鋳片が得られ、磁気特
性が向上することを見出した。
【0011】次に本発明において、鋼組成および製造条
件を前記のように限定した理由を、詳細に説明する。こ
の鋼成分の限定理由は下記のとおりである。Siは鉄損
を良くするために下限を0.01%とするが、多すぎる
と冷間圧延の際に割れ易く加工が困難となるので上限を
8.0%とする。なお、本発明において、Si以外の鋼
成分としては、磁気特性の向上、機械的性質の向上、耐
銹性の向上等の目的のために、Al,Mn,P,B,N
i,Cr,Sb,Sn,Cuの一種または二種以上を
0.01〜10%含有させても良い。
【0012】次に、この溶鋼を双ロール法等により急冷
凝固するが、得られる薄鋳片の板厚は0.3〜4.0mm
厚が好ましい。これは、最終板厚0.03〜1.00mm
の製品を想定したとき、良好な磁気特性を得るためには
0.3mm未満では冷延圧下率が不足であり、4.0mm超
では冷延圧下率は過剰となるからである。本発明では、
柱状晶鋳造組織とするため、鋳造雰囲気ガスを窒素ガス
に限定した。このとき凝固完了後は、インヒビターの成
長、凝集粗大化や結晶粒の成長を助長するため、できる
だけ徐冷する方法がある。更に、鋳片の靭性を得るため
に、若干の圧下を薄鋳片に加えてやる方法もある。
【0013】次に本発明の実施例を挙げて説明する。
【0014】
【実施例】
〔実施例1〕表1に示す成分組成を含む溶鋼を、双ロー
ル急冷凝固法により、1.7mm厚の薄鋳片に鋳造した。
鋳造条件は、溶鋼のロール接触時間が約0.3秒であ
る。湯溜まり部の溶鋼温度は1495℃であった。鋳造
雰囲気は、表2に示すように、N2 ,Ar,Heの3水
準にした。このときの、鋳造組織は、鋳造雰囲気Ar,
Heでは等軸晶、N2 では柱状晶になっていた。
【0015】ついで、得られた薄鋳片を酸洗した後、冷
間圧延を行い0.35mm厚にした。次に、1000℃で
30秒間、連続仕上げ焼鈍を施し、磁気特性を測定し
た。表2に、得られた製品の磁気特性を示す。製品の磁
性は、鋳造雰囲気を窒素にすると、他の鋳造雰囲気より
も磁気特性が良好なものが得られた。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】〔実施例2〕表3に示す成分組成を含む溶
鋼を、双ロール急冷凝固法により、1.5mm厚の薄鋳片
に鋳造した。鋳造条件は、溶鋼のロール接触時間は約
0.3秒である。湯溜まり部の溶鋼温度は1505℃で
あった。鋳造雰囲気は、表2に示すように、N2 ,A
r,Heの3水準にした。
【0019】ついで、得られた薄鋳片を酸洗した後、冷
間圧延を行い0.50mm厚にした。次に、950℃で2
0秒間、連続仕上げ焼鈍を施し、磁気特性を測定した。
得られた製品の磁性は、表4に示すように、鋳造雰囲気
を窒素にすると、他の鋳造雰囲気より磁気特性が良好な
ものが得られた。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、鉄損特性が良好な無方
向性電磁鋼板を、安価かつ省エネルギーに製造すること
ができるので、工業上の貢献するところが極めて大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】双ロールの湯溜まり部での、ロール表面におけ
るガス膜層の模式図である。
【図2】薄鋳片の1/4厚での鋳造金属組織を示す顕微
鏡写真であって、(a)は鋳造雰囲気をN2 としたも
の、(b)はHeとしたものである。
【符号の説明】
1 ロール 2 溶鋼 3 ガス膜層 4 鋳造雰囲気ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01F 1/16 H01F 1/16 A (56)参考文献 特開 平3−66453(JP,A) 特開 平3−42146(JP,A) 特開 昭62−240714(JP,A) 特開 昭56−163235(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/00 B22D 11/06 330 C22C 33/04 C22C 38/00 303 H01F 1/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 双ロール式連続鋳造において、重量でS
    i:0.01〜8.0%を含有し、その他電磁鋼として
    必要な成分元素を含み、残部実質的にFeからなる溶鋼
    を、連続的に供給して急冷凝固させて薄鋳片を鋳造する
    に際し、双ロールの湯溜まり部を窒素ガス雰囲気にする
    ことを特徴とする、無方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方
    法。
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