JP2950990B2 - カップシール逆止弁 - Google Patents

カップシール逆止弁

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、円筒状の内孔内を軸方向に移動可能なピス
トンに装着される円筒状の内壁部と、この内壁部から延
設され、内壁部と共にＶ字状の断面形状を形成するシー
ルリップとを有し、圧力流体により内孔内を軸方向に移
動するピストン組立体用のカップシール逆止弁に関す
る。
通常、このような形式のカップシール逆止弁は、ピス
トンの環状溝内に内壁部を密接させ、そのシールリップ
で周部の内孔壁に対してシールする。このＶ字形状の開
放端部側に圧力が形成されると、シールリップは、内孔
壁により緊密に押圧される。Ｖ字形状の閉塞端部側に圧
力が形成されると、シールリップは、内孔壁から離れ、
カップシール逆止弁の内壁部に当接し、この方向の圧力
流体流路を形成する。これは、環状部材と弁座とから形
成される逆止弁に比して、低コストで省スペースの逆止
弁を提供する。しかし、極めて低い圧力で開くように形
成された場合には、シールリップが内壁部に付着したま
まとなり、圧力の作用でつぶれ、あるいは、永久的に変
形する可能性がある。
したがって、本発明の目的は、頑丈かつ信頼できる態
様で機能する上記形式のカップシール逆止弁を提供する
ことである。
上記目的を達成するため、本発明によると、円筒状の
内孔内を軸方向に移動可能なピストンに装着される円筒
状の内壁部と、この内壁部から延設され、内壁部と共に
Ｖ字状の断面形状を形成するシールリップとを有し、圧
力流体により内孔内を軸方向に移動するピストン組立体
用のカップシール逆止弁であって、前記内壁部からシー
ルリップの先端縁部まで半径方向に延出する複数の支持
壁を備え、これらの支持壁は、内壁部およびシールリッ
プと同一の弾性材料により、互いに周方向に離隔させて
形成され、シールリップの先端縁部を全周にわたって前
記内孔の周壁に当接させ、前記Ｖ字状断面形状の閉塞端
部側の内孔内圧力が上昇したときに、互いに隣接する支
持壁間のシールリップの先端縁部を内壁部に向けて撓ま
せ、周壁とシールリップの先端縁部との間に流体流路を
形成するカップシール逆止弁が提供される。
本発明のカップシール逆止弁では、各支持壁がシール
リップの先端縁部まで延出することにより、シールリッ
プの先端縁部を内孔の周壁に当接させ、これにより、ピ
ストンは、シールリップの先端縁部と内孔の周壁との間
の小さな接触面積で確実にシールしつつ、内孔内を移動
することができる。さらに、各支持壁は、シールリップ
の先端縁部が内孔の周壁から持上がるのを可能としつ
つ、このシールリップが内壁部に付着するのを防止し、
さらに、シールリップに十分な復帰力を形成する。シー
ルリップが折返されるのも防止される。
周方向に沿って３つの支持壁が配置されるのが好まし
い。この場合には、カップシール逆止弁の開放圧力を小
さくすると共に、全周にわたって、シールリップを支え
るために十分な周方向間隔を形成する。
特に、例えば制動力制御弁として作用し、制動を終了
したときに後輪側制動圧を迅速に減圧するために上述の
形式のカップシール逆止弁が使用されることの多い減圧
弁に関して、本発明によるカップシール逆止弁は、耐久
性を大幅に向上させることができる。
以下、本発明について、２つの実施例との関連で詳細
に説明する。
図中、 第１図は、本発明の実施例によるカップシール逆止弁
を装着した減圧弁の一部の断面図、 第２図は、本発明の実施例によるカップシール逆止弁
の平面図。
第１図では、カップシール逆止弁１は、入口チャンバ
３と出口チャンバ４との間で減圧弁２内に取付けられ
る。このカップシール逆止弁は、段付き制御ピストン５
の環状溝内に収容され、このカッシール逆止弁１の開放
端部は入口チャンバ３に向き、閉鎖端部は出口チャンバ
４に向く。制御ピストン５は内孔６内を案内され、半径
Ｒの有効面積の大きな大径部が入口チャンバ３と出口チ
ャンバ４との間に配置され、半径ｒの有効面積の小さな
小径部が静止スリーブ７をシールされた状態で貫通し、
圧力流体のないチャンバ内に突出する。
減圧弁が加圧されてないときは、制御ピストン５は内
孔６を形成する前壁８に当接した初期位置に配置され、
したがって、タペット９は、第１図の上半部に示すよう
に、弁閉鎖部材10を弁座11から離隔させる。
入口チャンバ３側から圧力が上昇すると、加圧される
面の差と圧縮ばね12のばね比とで定まる切換え圧力に達
するまで、制御ピストン５は圧縮ばね12に抗して移動を
開始する。弁閉鎖部材10が移動し、弁座11に当接して弁
座をシールする。入口チャンバ３内の圧力が上昇する
と、出口チャンバ４内の圧力上昇の割合は比例的に減少
する。
最終的に、入口チャンバ３内の圧力が減少すると、カ
ップシール１は、シールリップ13の先端縁部を内孔６の
周壁から離隔させることにより、出口チャンバ４から入
口チャンバ３への圧力流体流路を形成する。これは、出
口側圧力による力が圧縮ばね12の付勢力よりも大きい限
り、制御ピストンがその初期位置に戻ることができない
ため、重要な事項である。すなわち、圧力流体の排出
は、制御ピストン５のこの位置で逆止弁として作用する
弁閉鎖部材10および弁座11と、カップシール逆止弁１と
を介して行われ、したがって、出口チャンバ４内の圧力
は迅速に入口チャンバ３内の圧力と等しくなり、制御ピ
ストンは再度その初期位置に戻る。
カップシール逆止弁１自体は、円筒状の内壁部14を有
し、この内壁部の表面部が制御ピストン５に確実に密着
し、シールする。
この内壁部の軸方向一端部にシールリップ13が結合さ
れ、このシールリップは横方向外方に突出し、これによ
り、Ｖ字状の断面形状を形成する。Ｖ字状断面形状の開
放端部側で、円筒状内壁部14は、シールリップ13より
も、さらに軸方向に突出する。加圧されてない状態で
は、シールリップ13は、その先端縁部が内孔６の周壁に
密着する。第２図によると、周方向に沿って３つの半径
方向支持壁15が配置され、それぞれ内壁部14からシール
リップ13の先端縁部まで延びる。これらの支持壁は、シ
ールリップ13の先端縁部を越えて更に軸方向に延びるも
のではない。
この実施例では、以下の寸法に形成した。内壁部14お
よびシールリップ13の厚さはほぼ0.5mmであり、カップ
シール逆止弁１の全体の径はほぼ1cmである。支持壁15
はほぼ1mmの厚さであり、したがって、シールリップ13
の厚さのほぼ２倍である。
この寸法により、カップシール逆止弁の形状を安定す
るために十分が剛性が与えられ、一方、圧力流体の通過
を阻止するために十分な柔軟性を持つ。カップシール逆
止弁１の全体は一体構造に形成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ツェザンネ、ルドルフ ドイツ連邦共和国、6394 グレフェンビ ースバッハ５、ノイエ・キルヒガッセ６ (72)発明者 ヤーン、ラルフ ドイツ連邦共和国、6236 エシュブロン １、アム・シュタットプファト 47 (56)参考文献 実開 平２−47487（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F16K 15/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】円筒状の内孔（６）内を軸方向に移動可能
    なピストン（５）に装着される内筒状の内壁部（14）
    と、この内壁部から延設され、内壁部と共にＶ字状の断
    面形状を形成するシールリップ（13）とを有し、圧力流
    体により内孔内を軸方向に移動するピストン組立体用の
    カップシール逆止弁であって、 前記内壁部（14）からシールリップ（13）の先端縁部ま
    で半径方向に延出する複数の支持壁（15）を備え、 これらの支持壁（15）は、内壁部およびシールリップと
    同一の弾性材料により、互いに周方向に離隔させて形成
    させ、シールリップ（13）の先端縁部を全周にわたって
    前記内孔（６）の周壁に当接され、前記Ｖ字状断面形状
    の閉塞端部側の内孔内圧力が上昇したときに、互いに隣
    接する支持壁（15）間のシールリップの先端縁部を内壁
    部（14）に向けて撓ませ、周壁とシールリップの先端縁
    部との間に流体流路を形成することを特徴とするカップ
    シール逆止弁。
  2. 【請求項２】周方向に沿って３つの支持壁（15）が配置
    されていることを特徴とする請求項１に記載のカップシ
    ール逆止弁。
  3. 【請求項３】前記支持壁（15）の厚さは、シールリップ
    （13）の厚さの1.5から３倍であることを特徴とする請
    求項１または２に記載のカップシール逆止弁。
  4. 【請求項４】前記円筒状内壁部（14）は、前記Ｖ字状断
    面形状の開放端部側で、前記支持壁（15）およびシール
    リップ（13）を越えて軸方向に延びることを特徴とする
    請求項１から３のいずれか１に記載のカップシール逆止
    弁。
  5. 【請求項５】減圧弁に使用されることを特徴とする請求
    項１から４のいずれか１に記載のカップシール逆止弁。
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