JP2950143B2 - テープカセット - Google Patents

テープカセット

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JP2950143B2
JP2950143B2 JP7954094A JP7954094A JP2950143B2 JP 2950143 B2 JP2950143 B2 JP 2950143B2 JP 7954094 A JP7954094 A JP 7954094A JP 7954094 A JP7954094 A JP 7954094A JP 2950143 B2 JP2950143 B2 JP 2950143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転ドラムを有する磁
気記録再生装置などに適用されるテープカセットにおい
て、カセット筐体内に磁気テープを巻回した一対のリー
ルを収納し、且つ、カセット筐体の前方部位に開口した
ローディングポケットの前方に磁気テープを張架した
際、磁気テープを保護するために開閉自在な前蓋と、前
蓋と連動して開閉する上蓋とを少なくとも備えたテープ
カセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生装置の小型化が要求
されるに伴って、テープカセットも必然的に小型化が要
求されている。
【0003】ここで、テープカセットを小型化する技術
思想には、携帯姿勢を小型化する方法と、回転ドラムを
有する磁気記録再生装置などに装着した際に装置内での
装着姿勢を小型化する方法とがある。前者の場合には、
使用する磁気テープの厚みを薄くしたり、あるいは磁気
テープのテープ巾を小さくすることによりテープカセッ
トの外形寸法を小型化できる。一方、後者の場合には、
磁気テープを保護するためにテープカセットに設けた蓋
部材の開蓋姿勢を磁気記録再生装置内で低く設定する構
造形態とか、ローディングポケット内に回転ドラムの一
部を進入させる構造形態とかを採用することにより磁気
記録再生装置の外形寸法を小型化できる。
【0004】上記技術思想に基づいて小型化を達成した
従来のテープカセットとして、特開平5−342804
号公報,特開平5−342801号公報が開示されてい
る。両公報には、テープカセット内の磁気テープの種類
の記載がないものの、例えば薄手のメタルテープなどを
用いてテープ巾を1/4インチに形成すれば携帯姿勢を
小型化できることは自明である。従って、ここではテー
プカセットの開蓋姿勢を低くする構造形態について図7
及び図8を用いて簡略に説明する。
【0005】図7は従来例における一例のテープカセッ
トを説明するための図、図8は従来例における他例のテ
ープカセットを説明するための図である。
【0006】まず、図7に示した従来の一例のテープカ
セット100は、特開平5−342804号公報に詳細
に開示されており、(A)はテープカセットの開蓋状態
を示した斜視図、(B)はテープカセットの閉蓋状態を
一部破断して示した側面図、(C)はテープカセットの
開蓋状態を一部破断して示した側面図である。
【0007】図7(A)〜(C)において、上記テープ
カセット100は、上ハーフ部材101Aと下ハーフ部
材101Bとを重ね合わせて直方体形状に組み立てたカ
セット筐体101内に磁気テープTを巻回した一対のリ
ール102,103が収納されている。ここで、供給リ
ール102に巻回した磁気テープTは、供給側のガイド
ポール104を経由し、カセット筐体101の前方部位
に開口したローディングポケット101aの前方に沿っ
て張架しながら、更に、巻取側のガイドポール105を
経由して巻取リール103に巻取られている。この際、
ローディングポケット101a内には、磁気記録再生装
置のテープローディング部材(図示せず)が入り込むこ
とができるようになっていると共に、装置の構造形態に
よっては回転ドラム(図示せず)の一部が進入できるよ
うになっている。
【0008】また、カセット筐体101内のローディン
グポケット101aの前方に張架した磁気テープTを塵
埃などから保護するために、ローディングポケット10
1aの下方を覆うスライダー106と、磁気テープTの
前方を覆う前蓋107と、ローディングポケット101
aの上方を覆う上蓋108とが設けられ、これらの蓋部
材106〜108により閉蓋時にはローディングポケッ
ト101a内を図7(B)に示したように密閉状態に維
持している。
【0009】また、蓋部材のうちでスライダー106
は、閉蓋時に図示しないスプリングに付勢されてローデ
ィングポケット101aの下方を覆う一方、装置への挿
入動作によりカセット筐体101の底面101bに沿っ
て矢印方向に摺動できるよう設けられている。
【0010】また、前蓋107は、互いに対向する側面
107a,107bの内側に形成した一対の軸107a
,(107b)をカセット筐体101の互いに対向
する側面101c,101dに回動自在に支持させ、閉
蓋時に図示しないスプリングに付勢されて一対の軸10
7a,(107b)を中心に反時計方向に回動して
磁気テープTの前方を覆う一方、装置への挿入動作によ
り一対の軸107a,(107b)を中心に時計方
向に回動することにより開蓋できるよう設けられてい
る。
【0011】また、上蓋108は、互いに対向する側面
108a,108bの内側前方部位に形成した一対の軸
108a,(108b)を前蓋107の側面107
a,107bの外側上方部位に連結して回動自在に支持
させ、且つ、側面108a,108bの内側に形成した
一対のボス108a,(108b)をカセット筐体
101の側面101c,101dの外側段部に形成した
一対のへ字状案内溝101c,(101d)に挟み
込んで摺動自在に係合させ、前蓋107の閉蓋動作と協
働してローディングポケット101aの上方を覆う一
方、前蓋107の開蓋動作と協働してカセット筐体10
1の上面101e後方に移動できるよう設けられてい
る。
【0012】上記のように構成したテープカセット10
0は、図7(B)に示した閉蓋状態から装置に挿入し
て、装置内では図7(A),(C)に示した開蓋状態に
至り、とくに前蓋107と上蓋108とを2分割して設
けたため、開蓋時に前蓋107と上蓋108とがカセッ
ト筐体101の上面101eの上方で略平行な姿勢を保
つことができるので、蓋部材107,108の開蓋姿勢
を低く設定でき、このテープカセット100を採用した
装置の小型化に寄与できる。
【0013】次に、図8に示した従来の他例のテープカ
セット200は、特開平5−342801号公報に詳細
に開示されており、(A)はテープカセットの閉蓋状態
を断面して示した側断面図,(B)はテープカセットの
開蓋状態を断面して示した側断面図である。
【0014】図8(A),(B)において、上記テープ
カセット200は、上ハーフ部材201Aと下ハーフ部
材201Bとを重ね合わせて直方体形状に組み立てたカ
セット筐体201内に磁気テープTを巻回した一対のリ
ール202,(203)を収納し、且つ、カセット筐体
201の前方部位に開口したローディングポケット20
1aの前方に磁気テープTを張架している。
【0015】また、カセット筐体201内のローディン
グポケット201の前方に張架した磁気テープTを塵埃
などから保護するために、磁気テープTの前方を覆う前
蓋207と、ローディングポケット201aの上方を覆
う上蓋208と、磁気テープTの後方を覆う後蓋209
とが設けられ、これらの蓋部材207〜209により閉
蓋時にはローディングポケット201a内の磁気テープ
T近傍を図8(A)に示したように密閉状態に維持して
いる。
【0016】また、蓋部材のうちで前蓋207は、互い
に対向する側面の内側に形成した一対の軸207a
(207b)をカセット筐体201の互いに対向する
側面に回動自在に支持させている。また、上蓋208
は、互いに対向する側面の内側前方部位に形成した一対
の軸208a,(208b)を前蓋207の側面の
外側上方部位に連結して回動自在に支持させ、側面の内
側に形成した一対のボス208a,(208b)を
カセット筐体201の側面段部に形成した一対のヘ字状
案内溝201c,(201d)に挟み込んで摺動自
在に係合させているので、前蓋207及び上蓋208は
前記したテープカセット100と同一構造に形成されて
いる。
【0017】ここで、磁気テープTの後方を覆う後蓋2
09は、前蓋207及び上蓋208の閉蓋時にローディ
ングポケット201a内に位置しており、側端の上方部
位に形成した一対の軸209a,(209a)を上
蓋208の裏面に回動自在に懸架させ、且つ、側端の下
方部位に形成した一対のボス209b,(209
)をローディングポケット201a内の側壁に形成
した一対の長靴状案内溝201a,(201a)に
摺動自在に係合させている。
【0018】上記のように構成したテープカセット20
0は、図8(A)に示した閉蓋状態から装置に挿入し
て、装置内では図8(B)に示した開蓋状態に至り、と
くに前蓋207と上蓋208とを2分割して設けたた
め、開蓋時に前蓋207と上蓋208とがカセット筐体
201の上面201eの上方で略平行な姿勢を保つこと
ができ、且つ、前蓋207及び上蓋208とカセット筐
体201の上面201eとの間に後蓋209を進入させ
ているので、ここでも蓋部材207〜209の開蓋姿勢
を低く設定でき、このテープカセット200を採用した
装置の小型化に寄与できる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の一例のテープカセット100では、前蓋107の軸
107a,(107b)をカセット筐体101の側
面に回動自在に支持させる際、軸107a,(107
)の形状を互いに対向する内側部位を太く形成し、
外側に向かうに連れて除々に細くなるよう逆テーパ状に
形成している。これに合わせてカセット筐体101の側
面の分割部分(上下ハーフ部材の合わせ部分)に形成し
た軸孔(図示せず)も逆テーパ状に形成することによ
り、カセット筐体101の上下ハーフ部材101A,1
01Bを重ね合わせる前に軸と孔とを嵌合した後に上下
ハーフ部材101A,101Bをネジなどで固定して左
右方向への軸抜け防止を図っているので、前蓋107が
カセット筐体101から外れることのないように配慮さ
れている。
【0020】しかしながら、上蓋108に形成した一対
のボス108a,(108b)は、カセット筐体1
01に形成した一対のヘ字状案内溝101c,(10
1d)に左右から単に挟み込んで摺動させているに過
ぎず、落下、振動時に外れる危険性がある。更に、テー
プカセット100を装置に挿入した際にも、予期しない
衝撃力が加わると、上蓋108に形成した一対のボス1
08a,(108b)がカセット筐体101に形成
した一対のヘ字状案内溝101c,(101d)か
ら外れてしまうことも考えられる。
【0021】また、上記した従来の他例のテープカセッ
ト200においても、上蓋208に形成した一対のボス
208a,(208b)は上記した一例のテープカ
セット100と同様にカセット筐体201に形成した一
対のヘ字状案内溝201c,(201d)に左右か
ら単に挟み込んで摺動させているに過ぎず、当然上記し
た同一の問題点を抱えている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、本発明は、磁気テープを巻回し
た一対のリールをカセット筐体内に収納し、このカセッ
ト筐体の前方部位に開口したローディングポケットの前
方に前記磁気テープを張架し、且つ、張架した前記磁気
テープの前方を覆う前蓋と、前記ローディングポケット
の上方を覆う上蓋とを少なくとも備えると共に、前記前
蓋の互いに対向する側面の内側に形成した一対の軸を、
前記カセット筐体の互いに対向する側面に軸抜け防止を
図って開閉自在に支持する一方、前記上蓋の前方部位に
形成した軸を前記前蓋の上方部位に回動自在に連結し、
且つ、該上蓋の互いに対向する側面の内側に形成した一
対のボスを前記カセット筐体の互いに対向する側面の外
側に形成した一対の案内溝に摺動自在に係合させたテー
プカセットにおいて、前記前蓋及び該前蓋と連結した前
記上蓋を閉蓋した状態で、前記上蓋の互いに対向する側
面を、前記前蓋の互いに対向する側面で外側から押さえ
ることにより前記上蓋の側面方向の移動を規制して前記
一対のボスが前記一対の案内溝から抜けでることを防止
したことを特徴とするテープカセットである。
【0023】また、応用例として、磁気テープを巻回し
た一対のリールを上ハーフ部材と下ハーフ部材とを重ね
合わせたカセット筐体内に収納し、このカセット筐体の
前方部位に開口したローディングポケットの前方に前記
磁気テープを張架し、且つ、張架した前記磁気テープの
前方を覆う前蓋と、前記ローディングポケットの上方を
覆う上蓋とを少なくとも備えると共に、前記前蓋の互い
に対向する側面の内側に形成した一対の軸を、前記カセ
ット筐体の互いに対向する側面に軸抜け防止を図って開
閉自在に支持する一方、前記上蓋の前方部位に形成した
軸を前記前蓋の上方部位に回動自在に連結し、且つ、該
上蓋の互いに対向する側面の内側に形成した一対のボス
を前記上ハーフ部材の互いに対向する側面の外側に形成
した一対の案内溝に摺動自在に係合させたテープカセッ
トにおいて、前記前蓋及び該前蓋と連結した前記上蓋を
閉蓋状態から開蓋状態に至るまで、前記上蓋の互いに対
向する側面を、前記一対の案内溝に沿って延出した前記
下ハーフ部材の互いに対向する側面で押さえることによ
り前記一対のボスが前記一対の案内溝から抜けでること
を防止したことを特徴とするテープカセットである。
【0024】
【実施例】以下に本発明に係わるテープカセットの一実
施例を図1乃至図3を参照して、<第1実施例のテープ
カセット>として詳細に説明する。
【0025】<第1実施例のテープカセット>図1は本
発明に係わる第1実施例のテープカセットを説明するた
めの斜視図、図2は同第1実施例のテープカセットにお
いて、閉蓋時に上蓋の互いに対向する側面を前蓋の互い
に対向する側面で押さえた状態を説明するための図であ
り、(A)は側面図,(B)は(A)に示したY−Y矢
視断面図、図3は同第1実施例のテープカセットにおけ
る開蓋動作を説明するための側面図であり、(A)は閉
蓋状態を示し,(B)は開蓋状態を示した図である。
【0026】図1に示した本発明に係わる第1実施例の
テープカセット1は、回転ドラムを有する磁気記録再生
装置などに適用できるよう構成されており、上ハーフ部
材2Aと下ハーフ部材2Bとを重ね合わせて直方体形状
に組み立てたカセット筐体2内に磁気テープTを巻回し
た一対のリール3,4が収納されている。ここで、供給
リール3に巻回した磁気テープTは、供給側のガイドポ
ール5を経由し、カセット筐体2の前方部位に開口した
ローディングポケット2aの前方に沿って張架しなが
ら、更に、巻取側のガイドポール6を経由して巻取リー
ル4に巻取られている。この際、ローディングポケット
2a内には、磁気記録再生装置のテープローディング部
材(図示せず)が入り込むことができるようになってい
ると共に、装置の構造形態によっては回転ドラム(図示
せず)の一部が進入できるようになっている。
【0027】また、カセット筐体2内のローディングポ
ケット2aの前方に張架した磁気テープTを塵埃などか
ら保護するために、磁気テープTの前方を覆う前蓋7
と、ローディングポケット2aの上方を覆う上蓋8と、
磁気テープTの後方を覆う後蓋9とが設けられ、これら
の蓋部材7〜9により閉蓋時にはローディングポケット
2a内の磁気テープT近傍を図示したように密閉状態に
維持している。
【0028】また、蓋部材のうちで前蓋7は、互いに対
向する側面7a,7bの内側に形成した一対の軸7
,(7b)をカセット筐体2の互いに対向する側
面2b,2cに形成した一対の軸孔2b,(2c
に回動自在に支持させ、閉蓋時に図示しないスプリング
に付勢されて一対の軸7a,(7b)を中心に反時
計方向に回動して磁気テープTの前方を覆う一方、装置
への挿入動作により一対の軸7a,(7b)を中心
に時計方向に回動することにより開蓋できるよう設けら
れている。この際、前蓋7に形成した一対の軸7a
(7b)の形状は、互いに対向する内側部位が太く形
成され、外側に向かうに連れて除々に細くなるよう逆テ
ーパ状に形成されている。これに合わせて、カセット筐
体2の軸孔2b,(2c)も上ハーフ部材2Aと下
ハーフ部材2Bとの分割部分に逆テーパ状に形成されて
おり、前蓋7の軸7a,(7b)をカセット筐体2
の上ハーフ部材2A側又は下ハーフ部材2B側の軸孔2
,(2c)に嵌合させた後、上ハーフ部材2Aと
下ハーフ部材2Bとを重ね合わせてネジなどで組み立て
れば、前蓋7の軸7a,(7b)がカセット筐体2
の軸孔2b,(2c)から抜けでることができない
ようになっている。これにより前蓋7に形成した一対の
軸7a,(7b)は、カセット筐体2の互いに対向
する側面2b,2cに軸抜け防止を図って開閉自在に支
持したこととなる。
【0029】また、上蓋8は、互いに対向する側面8
a,8bの内側前方部位に形成した一対の軸8a
(8b)を前蓋7の側面7a,7bの外側上方部位に
連結して回動自在に支持させ、且つ、側面8a,8bの
内側の後方部位に形成した一対のボス8a,(8
)をカセット筐体2のうちで上ハーフ部材2Aの側
面2b,2cの外側段部に形成した一対の案内溝(以
下、ヘ字状案内溝と記す)2b,(2c)に挟み込
んで摺動自在に係合させ、前蓋7の閉蓋動作と協働して
ローディングポケット2aの上方を覆う一方、前蓋7の
開蓋動作と協働してカセット筐体2の上面2d後方に移
動できるよう設けられている。この際、上蓋8はカセッ
ト筐体2及び前蓋7に対して抜け防止が図られている
が、この点は本発明の要部となるものであるから、別途
後述する。
【0030】また、磁気テープTの後方を覆う後蓋9
は、前蓋7及び上蓋8の閉蓋時にローディングポケット
2a内に位置しており、側端の上方部位に形成した一対
の軸(9a),9aを上蓋8の裏面に回動自在に懸
架させ、且つ、側端の下方部位に形成した一対のボス
(9b),9bをローディングポケット2a内の側
壁2a,2aに形成した一対の長靴状案内溝(2a
11),2a21に摺動自在に係合させている。この
際、後蓋9はローディングポケット2a内の側壁2
,2aにより左右方向を規制されているので、後
蓋9がカセット筐体2から抜けでることはない。
【0031】従って、前蓋7に上蓋8が連結され、上蓋
8に後蓋9が連結されているので、前蓋7に対して上蓋
8,後蓋9が連結されたことになり、前蓋7の開蓋動作
に連動して上蓋8,後蓋9が一体的に開蓋できるように
なっている。
【0032】次に、本発明に係わる第1実施例のテープ
カセット1における要部となる点について図1及び図2
(A),(B)を用いて説明する。
【0033】即ち、前述したように前蓋7及び後蓋9は
カセット筐体2に対して抜け防止を図って支持されてい
るものの、上蓋8もカセット筐体2及び前蓋7に対して
抜け防止を図る必要がある。
【0034】ここで、上蓋8を前蓋7に連結する際に
は、上蓋8の側面8a,8bの内側前方部位に形成した
一対の軸8a,(8b)を前蓋7の側面7a,7b
の外側上方部位に形成した一対の軸孔(図示せず)に嵌
合させるために、上蓋8自信の弾性力を利用して少し反
らせて嵌め込んでいるので、上蓋8は前蓋7から外れる
ことはない。一方、前蓋7に連結した上蓋8をカセット
筐体2に取り付ける際には、上蓋8の側面8a,8bの
内側後方部位に形成した一対のボス8a,(8b
をカセット筐体2のうちで上ハーフ部材2Aの側面2
b,2cの外側段部に形成した一対のヘ字状案内溝2b
,(2c)に単に挟みこんで摺動自在に係合してい
るだけでは落下、振動時に外れる危険性がある。
【0035】そこで、上蓋8に形成した一対のボス8a
,(8b)よりも下方部位の側面8a,(8b)に
テーパ状の被抜け防止規制部8a,(8b)が部分
的に形成されている。一方、前蓋7の側面7a,7bの
後方部位を、上蓋8に形成したテーパ状の被抜け防止規
制部8a,(8b)に向かって上方に延出し、この
延出した上方部位には、上蓋8の側面8a,(8b)に
形成したテーパ状の被抜け防止規制部8a,(8
)を外側から押さえこむようにテーパ状の抜け防止
規制部7a,(7b)が部分的に形成されている。
この際、上蓋8に形成した被抜け防止規制部8a
(8b)は、前蓋7に形成した抜け防止規制部7
,(7b)にもぐり込むことができるように僅か
に間隔を離して且つ互いに対向して平行なテーパ状に夫
々形成されている。また、前蓋7の側面7a,(7b)
と、上蓋8の側面8a,(8b)と、前蓋7及び上蓋8
を除いたカセット筐体の側面2b,(2c)とは左右方
向の巾が略一致するように形成されている。
【0036】従って、前蓋7,上蓋8,後蓋9が閉蓋し
ている状態では、前蓋7に形成したテーパ状の抜け防止
規制部7a,(7b)が、上蓋8に形成したテーパ
状の被抜け防止規制部8a,(8b)の左右方向へ
の移動を規制しているため、上蓋8に形成した一対のボ
ス8a,(8b)がカセット筐体2に形成した一対
のヘ字状案内溝2b,(2c)から抜けでることが
なくなる。これにより、テープカセット1の携帯姿勢に
おいて、上蓋8がカセット筐体2及び前蓋7から落下、
振動時に外れる危険性がなくなり、テープカセット1の
品質及び信頼性の向上に寄与できる。
【0037】勿論、前蓋7,上蓋8,後蓋9が二点鎖線
に示した位置まで開蓋した時には、前蓋7に形成したテ
ーパ状の抜け防止規制部7a,(7b)が上蓋8に
形成したテーパ状の被抜け防止規制部8a,(8
)から離れてしまうので、装置内に挿入して開蓋し
た時に予期しない衝撃力により、上蓋8に形成した一対
のボス8a,(8b)がカセット筐体2に形成した
一対のヘ字状案内溝2b,(2c)から抜けでる危
険性は残されている。
【0038】尚、上記実施例では後蓋9を設けて説明し
たが、後蓋9の代わりローディングポケット2aの下方
を覆うスライダーを設けた場合とか、前蓋7及び上蓋8
だけの場合とかでも、上記技術思想に基づいて閉蓋時に
上蓋8がカセット筐体2及び前蓋7から外れないように
構成すれば良いものである。
【0039】次に、上記構成によるテープカセット1に
おいて、前蓋7,上蓋8,後蓋9の開蓋動作を図1,図
3(A),(B)を併用して簡略に説明する。
【0040】まず、図3(A)に示した状態は、前蓋
7,上蓋8,後蓋9が夫々閉蓋状態である。これら蓋部
材7〜9の閉蓋時には、前蓋7が軸7aを介してカセ
ット筐体2のローディングポケット2aの前方に閉蓋状
態で支持されており、上蓋8に形成したボス8aがカ
セット筐体2に形成したへ字状案内溝2bの前方斜辺
下端に位置し、且つ、後蓋9に形成したボス9bがロ
ーディングポケット2a内の右側壁2aに形成した長
靴状案内溝2a11の下端に位置しているので、ローデ
ィングポケット2aの前方に沿って張架された磁気テー
プTが前蓋6に連結した上蓋8,後蓋9とで三角状に囲
まれて密閉した状態で保護されている。また、この閉蓋
状態では、前蓋7に形成したテーパ状の抜け防止規制部
7aが上蓋8に形成したテーパ状の被抜け防止規制部
8aの左右方向への移動を規制しているため、上蓋8
に形成したボス8aがカセット筐体2に形成したヘ字
状案内溝2bから抜けでることがない。
【0041】次に図3(A)に示した状態から前蓋7が
軸7aを中心に反時計方向(矢印方向)に開蓋する
と、前蓋7と連結した上蓋8,後蓋9も一体的に連動し
て開蓋される。これら蓋部材7〜9の開蓋途中では、上
蓋8に形成したボス8aがへ字状案内溝2bの後方
に向けて移動し、且つ、後蓋9に形成したボス9b
長靴状案内溝2a11の上方に向かって移動するので、
図3(B)に示したように開蓋が完了すると、前蓋7と
上蓋8とが略一直線となってカセット筐体2の上面2d
の上方に略平行に突出すると共に、前蓋7の裏面及び上
蓋8の裏面と、カセット筐体2の上面2dとの間に後蓋
9が入り込む。従って、上記の開蓋完了時には、装置内
で蓋部材7〜9の開蓋姿勢を低く設定できるので、装置
の小型化に寄与できる。
【0042】<応用例のテープカセット> 図4は応用例のテープカセットにおいて、閉蓋時に上蓋
の互いに対向する側面をカセット筐体のうちで下ハーフ
部材の互いに対向する側面で押さえた状態を説明するた
めの図であり、(A)は側面図,(B)は(A)に示し
たY−Y矢視断面図である。また、図5及び図6は応用
例の変形例のテープカセットを説明するための側断面図
である。
【0043】図4乃至図6に示した応用例のテープカセ
ット10,20,30は、先に説明した第1実施例のテ
ープカセット1の構成と一部を除いて同様の構成であ
り、ここでは説明の便宜上、先に示した構成部材に対し
ては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必
要に応じて適宜説明し、従来と異なる部位に新たな符号
を付して説明する。
【0044】先に説明したように第1実施例のテープカ
セット1では、閉蓋時のみ上蓋8に形成した一対のボス
8a,(8b)がカセット筐体2に形成した一対の
ヘ字状案内溝2b,(2c)から抜けでなくなって
いるものの、装置内に挿入して開蓋した時には予期しな
い衝撃力により上蓋8に形成した一対のボス8a
(8b)がカセット筐体2に形成した一対のヘ字状案
内溝2b,(2c)から抜けでる危険性があるた
め、この第2実施例のテープカセット10,20,30
では閉蓋時は勿論のこと開蓋時にも上蓋8に形成した一
対のボス8a,(8b)がカセット筐体2に形成し
た一対のヘ字状案内溝2b,(2c)から抜けでな
いように形成している。
【0045】即ち、図4(A),(B)に示した本発明
に係わる第2実施例のテープカセット10において、上
蓋8に形成した一対のボス8a,(8b)よりも下
方部位の側面8a,(8b)にテーパ状の被抜け防止規
制部8a,(8b)が部分的に形成されている。一
方、カセット筐体2のうちで下ハーフ部材2Bの側面2
b,(2c)を、上ハーフ部材2Aに形成した一対のヘ
字状案内溝2b,(2c)の下方部位に沿って上方
に延出し、この延出した上方部位には、上蓋8の側面8
a,(8b)に形成したテーパ状の被抜け防止規制部8
,(8b)を外側から押さえこむようにテーパ状
の抜け防止規制部2b,(2c)が部分的に形成さ
れている。この際、上蓋8に形成した被抜け防止規制部
8a,(8b)は、下ハーフ部材2Bに形成した抜
け防止規制部2b,(2c)にもぐり込むことがで
きるように僅かに間隔を離して且つ互いに対向して平行
なテーパ状に夫々形成されている。
【0046】従って、前蓋7,上蓋8,後蓋9が閉蓋し
ている状態から開蓋した状態まで、下ハーフ部材2Bに
形成した抜け防止規制部2b,(2c)が、上蓋8
に形成したテーパ状の被抜け防止規制部8a,(8b
)の左右方向への移動を規制しているため、上蓋8に
形成した一対のボス8a,(8b)がカセット筐体
2に形成した一対のヘ字状案内溝2b,(2c)か
ら抜けでることがなくなる。これにより、テープカセッ
ト10の携帯姿勢において、上蓋8がカセット筐体2及
び前蓋7から落下、振動時に外れる危険性がなくなると
共に、テープカセット10を装置に挿入した場合でも予
期しない衝撃力により上蓋8がカセット筐体2から外れ
ることもなくなり、テープカセット10の品質及び信頼
性がより一層向上できる。
【0047】次に、図5又は図6に示した応用例の変形
例のテープカセット20,30では、上蓋8に形成した
一対のボス8a2,(8b2)近傍の側面8a,(8
b)を一段内側に引っ込めた段部を被抜け防止規制部8
a4,(8b4)又は被抜け防止規制部8a5,(8b
5)として形成し、この引っ込めた被抜け防止規制部8
a4,(8b4)又は被抜け防止規制部8a5,(8b
5)にカセット筐体2のうちで下ハーフ部材2Bの側面
2b,(2c)を上方に延出した抜け防止規制部2b
4,(2c4)又は抜け防止規制部2b5,(2c5)
で外側から押さえ込んでいる。勿論、図示は省略するも
のの、下ハーフ部材2Bの側面2b,(2c)を延出し
た抜け防止規制部2b4,(2c4)又は抜け防止規制
部2b5,(2c5)は、上ハーフ部材2Aに形成した
一対のヘ字状案内溝2b2,(2c2)に沿って延出さ
れている。
【0048】従って、応用例の変形例のテープカセット
20,30では、上記した第2実施例のテープカセット
10と同様な効果が得られると共に、上蓋8の側面8
a,(8b)が下ハーフ部材2Bの側面2b,(2c)
に一部オーバラップして外側から完全に押さえ込んでい
るため、上蓋8の抜け防止がより完全となる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係わるテープカセ
ットにおいて、請求項1記載によると、前蓋及び前蓋と
連結した上蓋を閉蓋した状態で、上蓋の互いに対向する
側面を、前蓋の互いに対向する側面で外側から押さえる
ことにより、上蓋の側面方向の移動を規制して上蓋の互
いに対向する側面の内側に形成した一対のボスがカセッ
ト筐体の互いに対向する側面の外側に形成した一対の案
内溝から抜けでることを防止したため、これにより、テ
ープカセットの携帯姿勢において、上蓋がカセット筐体
及び前蓋から落下、振動時に外れる危険性がなくなり、
テープカセットの品質及び信頼性の向上に寄与できる。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1実施例のテープカセットを
説明するための斜視図である。
【図2】本発明に係わる第1実施例のテープカセットに
おいて、閉蓋時に上蓋の互いに対向する側面を前蓋の互
いに対向する側面で押さえた状態を説明するための図で
ある。
【図3】本発明に係わる第1実施例のテープカセットに
おける開蓋動作を説明するための側面図である。
【図4】応用例のテープカセットにおいて、閉蓋時に上
蓋の互いに対向する側面をカセット筐体のうちで下ハー
フ部材の互いに対向する側面で押さえた状態を説明する
ための図である。
【図5】応用例の変形例のテープカセットを説明するた
めの側断面図である。
【図6】応用例の変形例のテープカセットを説明するた
めの側断面図である。
【図7】従来例における一例のテープカセットを説明す
るための図である。
【図8】従来における他例のテープカセットを説明する
ための図である。
【符号の説明】
1…テープカセット、 2…カセット筐体、2A…上ハーフ部材、2B…下ハー
フ部材、 2a…ローディングポケット、2b,2c…側面、2b
1,(2c1)…軸孔、2b2,2c2…案内溝(ヘ字
状案内溝)、 3,4…一対のリール、 7…前蓋、7a,7b…側面、7a1,(7b1)…
軸、 8…上蓋、8a,8b…側面、8a1,(8b1)…
軸、 8a2,(8b2)…ボス、 9…後蓋、T…磁気テープ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープを巻回した一対のリールをカセ
    ット筐体内に収納し、このカセット筐体の前方部位に開
    口したローディングポケットの前方に前記磁気テープを
    張架し、且つ、張架した前記磁気テープの前方を覆う前
    蓋と、前記ローディングポケットの上方を覆う上蓋とを
    少なくとも備えると共に、 前記前蓋の互いに対向する側面の内側に形成した一対の
    軸を、前記カセット筐体の互いに対向する側面に軸抜け
    防止を図って開閉自在に支持する一方、 前記上蓋の前方部位に形成した軸を前記前蓋の上方部位
    に回動自在に連結し、且つ、該上蓋の互いに対向する側
    面の内側に形成した一対のボスを前記カセット筐体の互
    いに対向する側面の外側に形成した一対の案内溝に摺動
    自在に係合させたテープカセットにおいて、 前記前蓋及び該前蓋と連結した前記上蓋を閉蓋した状態
    で、前記上蓋の互いに対向する側面を、前記前蓋の互い
    に対向する側面で外側から押さえることにより前記上蓋
    の側面方向の移動を規制して前記一対のボスが前記一対
    の案内溝から抜けでることを防止したことを特徴とする
    テープカセット。
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