JP2950021B2 - 自動変速機付電気自動車のモータ制御装置 - Google Patents

自動変速機付電気自動車のモータ制御装置

Info

Publication number
JP2950021B2
JP2950021B2 JP4154310A JP15431092A JP2950021B2 JP 2950021 B2 JP2950021 B2 JP 2950021B2 JP 4154310 A JP4154310 A JP 4154310A JP 15431092 A JP15431092 A JP 15431092A JP 2950021 B2 JP2950021 B2 JP 2950021B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
motor
automatic transmission
output
tmo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4154310A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05319144A (ja
Inventor
哲浩 石川
航一 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP4154310A priority Critical patent/JP2950021B2/ja
Publication of JPH05319144A publication Critical patent/JPH05319144A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2950021B2 publication Critical patent/JP2950021B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機付電気自動車
のモータ制御装置に係り、特に、摩擦係合装置を係合さ
せて一方向クラッチをロック状態からフリー状態とする
ことにより自動変速機をアップシフトする際の電動モー
タのトルク制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気自動車の一種として、複数の変速段
を有する自動変速機を介して電動モータの出力を駆動輪
に伝達する形式のものが考えられている。図3は、この
ような電気自動車に利用可能な自動変速機の一例で、特
公昭63−47939号公報に記載されているエンジン
駆動車両における自動変速機の一部を用いたものであ
り、一対の遊星歯車装置24および26と、摩擦係合装
置としての2つのクラッチC−1,C−2および3つの
ブレーキB−1,B−2,B−3と、2つの一方向クラ
ッチF−1およびF−2とを備えて構成されており、電
動モータに連結された入力軸28の回転を変速して出力
軸32から出力する。かかる自動変速機は、図4に
「○」印で示されているようにクラッチC−1,C−
2、ブレーキB−1,B−2,B−3が選択的に係合さ
せられることにより、前進3段の変速段が成立させられ
る。なお、図4の「△」印は、電動モータを発電機とし
て利用するために車輪側からモータ側へ動力が伝達され
るようにする場合の係合を表しており、一方向クラッチ
F−1,F−2の欄の「○」印はロック状態を表してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記自動変
速機において、1st変速段から2nd変速段へアップ
シフトする際には、ブレーキB−2が係合させられると
ともに一方向クラッチF−2がロック状態からフリー状
態とされ、2nd変速段から3rd変速段へアップシフ
トする際には、クラッチC−2が係合させられるととも
に一方向クラッチF−1がロック状態からフリー状態と
されるが、このように摩擦係合装置を係合させて一方向
クラッチをロック状態からフリー状態とすることにより
アップシフトを行う場合、摩擦係合装置のトルクが増加
するとともに一方向クラッチのトルクが低下するトルク
相において、自動変速機の出力トルクが一時的に低下
し、変速ショックを生じるという問題があった。
【0004】図3の自動変速機の1→2アップシフトを
例として具体的に説明すると、遊星歯車装置24のギヤ
比(サンギヤFsの歯数ZFs/リングギヤFrの歯数Z
Fr)をρF 、遊星歯車装置26のギヤ比(サンギヤRs
の歯数ZRs/リングギヤRrの歯数ZRr)をρR 、入力
トルクすなわち電動モータのトルクをTmo、ブレーキB
−2のトルクをTB2とすると、1→2アップシフト時の
トルク相における自動変速機の出力トルクTout は次式
(1)で表され、モータトルクTmoが一定であれば出力
トルクTout はブレーキB−2のトルクTB2の増加に伴
って低下するのである。トルク相開始前のブレーキB−
2のトルクTB2は0であるため、その時の出力トルクT
out 1は上記(1)式から次式(2)で表される一方、
トルク相における一方向クラッチF−2のトルクTF2
次式(3)で表され、トルク相終了時にはトルクTF2
0すなわちρF ・Tmo−TB2=0となるため、TB2=ρ
F・Tmoとなり、これを上記(1)式に代入すると、ト
ルク相終了時における出力トルクTout 2は次式(4)
で表される。したがって、トルク相における出力トルク
Tout の低下量ΔTout は次式(5)で表され、この出
力トルクTout の低下に起因して変速ショックが生じ
る。
【0005】
【数1】 Tout ={(ρF +ρR +ρF ・ρR )Tmo−TB2}/ρR ・・・(1) Tout 1=(ρF +ρR +ρF ・ρR )Tmo/ρR ・・・(2) TF2=(ρF ・Tmo−TB2)・(1+ρR )/ρR ・・・(3) Tout 2=(1+ρF )Tmo ・・・(4) ΔTout =Tout 1−Tout 2=(ρF /ρR )Tmo ・・・(5)
【0006】なお、このような変速ショックは、摩擦係
合装置を係合させて一方向クラッチをロック状態からフ
リー状態とすることによりアップシフトを行う変速段を
有する他の自動変速機についても同様に生じることであ
り、従来からこのような自動変速機が搭載されていたエ
ンジン駆動車両でも問題となっていたことである。
【0007】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、摩擦係合装置を係合
させて一方向クラッチをロック状態からフリー状態とす
ることによりアップシフトを行う際のトルク相における
出力トルクの変動を抑制することにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するためには、前記(1)式から明らかなように、摩擦
係合装置のトルク増加に対応させてモータトルクを増大
させれば良く、第1発明は、図1のクレーム対応図の
(1)に示すように、複数の変速段を有する自動変速機
を介して電動モータの出力を駆動輪に伝達する自動変速
機付電気自動車において、摩擦係合装置を係合させて一
方向クラッチをロック状態からフリー状態とすることに
より前記自動変速機をアップシフトする際に、前記電動
モータのトルクを制御するモータ制御装置であって、前
記アップシフト時に前記摩擦係合装置のトルクが増加す
るとともに前記一方向クラッチのトルクが低下するトル
ク相において前記電動モータのトルクを一時的に増加さ
せるモータ出力増大手段を有することを特徴とする。
【0009】
【第1発明の作用および効果】このようにすれば、モー
タ出力増大手段によりトルク相において電動モータのト
ルクが一時的に増大させられるため、摩擦係合装置のト
ルク増加に起因する自動変速機の出力トルクの低下がそ
の電動モータのトルク増加によって抑制され、出力トル
ク低下に起因する変速ショックが軽減される。ここで、
上記トルク増大制御を行うタイミングは、例えばアップ
シフトを行うための変速指令等を基準として、トルク相
の開始に合わせて電動モータのトルクを増加させるよう
に予め実験やシミュレーション等によって求められた所
定のタイミング時間を経過した時に行うようにしても良
いが、電動モータのトルク応答性は極めて高いため、ト
ルク相の開始を検出してトルク増大制御を行うことも可
能である。また、電動モータのトルク増加量は、運転状
態等に応じて予め定められた一定値或いは一定の割合等
であっても良いが、上記のように電動モータのトルク応
答性は優れていることから、自動変速機の出力トルクが
略一定となるように摩擦係合装置のトルク増加に対応し
て漸増させることもできる。なお、トルク応答性が悪い
エンジン駆動車両では、トルク相の開始とエンジントル
ク増大とのタイミングを適合させることが困難で、この
ようなトルク制御でトルク相における変速ショックを軽
減することは極めて難しかったのである。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】前記目的を達成す
るための第2発明は、図1のクレーム対応図の(2)に
示すように、前記第1発明におけるモータ出力増大手段
に加えて、前記トルク相が終了して前記自動変速機の入
力軸回転速度が低下するイナーシャ相において、前記電
動モータのトルクを一時的に低下させるモータ出力低減
手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
【第2発明の作用および効果】かかる第2発明において
は、モータ出力増大手段の作用により前記第1発明と同
様にトルク相における自動変速機の出力トルク低下が軽
減されるばかりでなく、アップシフトに伴う変速比の変
化に応じて電動モータや自動変速機各部の回転速度が変
化するイナーシャ相では、モータ出力低減手段によって
電動モータのトルクが一時的に低下させられるため、電
動モータや自動変速機各部の慣性トルクに起因する自動
変速機の出力トルクの増大が抑制され、アップシフト時
における変速ショックが全体として軽減される。上記ト
ルク低減制御は、前記トルク増大制御の場合と同様に、
例えばアップシフトを行うための変速指令等を基準とし
て予め定められた所定のタイミング時間を経過した時に
行うか、イナーシャ相の開始を検出したりして行うこと
ができる。また、トルク低減量は、運転状態等に応じて
予め定められた一定値或いは一定の割合等であっても良
いが、イナーシャ相における出力トルクの増加は主とし
て電動モータの慣性トルクに起因するもので、摩擦係合
装置のトルク増加に略対応して増加するため、その摩擦
係合装置のトルク増加に対応して漸減させることも可能
である。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2は、本発明が適用された電気自動車
の駆動系統の概略を示す構成図で、電動モータ10はバ
ッテリ等の電源12からインバータ14を経て駆動電力
が供給されることにより正逆両方向へ回転駆動され、自
動変速機16および差動歯車装置18を介して駆動輪2
0を回転駆動する。インバータ14は、モータ制御用コ
ンピュータ22から供給される制御信号SCに従って駆
動電力の周波数や電圧を変更することにより電動モータ
10のモータトルクTmoを制御するとともに、電動モー
タ10が強制回転させられることにより発生した電力を
電源12に供給する。
【0013】自動変速機16は、図3に示すように一対
の遊星歯車装置24,26と、摩擦係合装置としての2
つのクラッチC−1,C−2および3つのブレーキB−
1,B−2,B−3と、2つの一方向クラッチF−1お
よびF−2とを備えて構成されている。遊星歯車装置2
4は、サンギヤFsとリングギヤFrとキャリヤFcに
回転可能に配設されてサンギヤFs,リングギヤFrに
噛み合わされたプラネタリギヤFpとを備えており、遊
星歯車装置26は、サンギヤRsとリングギヤRrとキ
ャリヤRcに回転可能に配設されてサンギヤRs,リン
グギヤRrに噛み合わされたプラネタリギヤRpとを備
えている。前記電動モータ10の回転軸に直結された入
力軸28は、クラッチC−1を介してリングギヤFrに
連結されるとともに、クラッチC−2を介して互いに一
体的に連結されたサンギヤFsおよびRsに連結される
ようになっており、それ等のサンギヤFsおよびRs
は、ブレーキB−1によってケース30に連結されると
ともに、直列に配設された一方向クラッチF−1および
ブレーキB−2によってもケース30に連結されるよう
になっている。また、キャリヤFcはリングギヤRrと
共に出力軸32に一体的に連結されており、キャリヤR
cは一方向クラッチF−2またはブレーキB−3を介し
てケース30に連結されるようになっている。なお、図
3は中心線より下半分を省略した骨子図である。
【0014】上記クラッチC−1,C−2およびブレー
キB−1,B−2,B−3(以下、特に区別しない場合
には単にクラッチC,ブレーキBという)は、複数の摩
擦材を有する多板式のクラッチやブレーキ、或いはバン
ドブレーキなどであり、何れも油圧アクチュエータによ
って係合させられるようになっている。図6はブレーキ
B−2を示す図で、一方向クラッチF−1に連結された
連結部材34には、相対回転不能且つ軸方向への僅かな
相対移動可能に複数の摩擦板36が設けられているとと
もに、ケース30にも、回転不能且つ軸方向への僅かな
移動可能に複数の摩擦板38が設けられており、ケース
30に配設された油圧アクチュエータ40により、それ
等の摩擦板36および38が互いに密着させられて受け
板42に押圧されると、連結部材34はケース30に回
転不能に固定される。アキュムレータ44は、ブレーキ
B−2の係合,解放時における油圧アクチュエータ40
内の油圧PB2の過渡特性を制御するためのものであり、
油圧センサ46は油圧PB2を検出するためのものであ
る。
【0015】そして、かかる自動変速機16は、トラン
スミッション制御用コンピュータ48(図2参照)から
出力される変速信号STに従って図示しない油圧回路が
切り換えられ、各油圧アクチュエータが選択的に作動さ
せられて上記クラッチCやブレーキBが係合させられる
ことにより、前記電動モータ10の正回転時に前進3段
の変速段が成立させられる。図4は、各変速段とそれを
成立させるクラッチCおよびブレーキBの係合作動を示
す図で、クラッチCおよびブレーキBの欄に示されてい
る「○」印は係合作動を表しており、「△」印は電動モ
ータ10を発電機として利用するために駆動輪20側か
ら電動モータ10側へ動力が伝達されるようにする場合
の係合作動を表している。また、一方向クラッチF−
1,F−2の欄の「○」印はロック状態を表している。
各変速段の変速比(入力軸28の回転速度/出力軸32
の回転速度)は、1st変速段から3rd変速段へ進む
に従って小さくなり、3rd変速段では1.0である。
なお、図5は共線図である。
【0016】図2に戻って、前記モータ制御用コンピュ
ータ22には、前記油圧センサ46からブレーキB−2
の油圧PB2を表す油圧信号SPB2が供給される他、ブレ
ーキセンサ50,モータ回転速度センサ52,アクセル
操作量センサ54,出力軸回転速度センサ56から、そ
れぞれフットブレーキの操作状態を表すブレーキ信号S
B,電動モータ10の回転速度Nmoすなわち入力軸28
の回転速度を表すモータ回転速度信号SNmo,アクセル
ペダルの操作量Acを表すアクセル操作量信号SAc,
出力軸32の回転速度Nout を表す出力軸回転速度信号
SNout が供給されるようになっている。アクセル操作
量信号SAcおよび出力軸回転速度信号SNout は、ト
ランスミッション制御用コンピュータ48にも供給され
る。モータ制御用コンピュータ22およびトランスミッ
ション制御用コンピュータ48には、上記各信号の他シ
フトレバーの操作レンジなどを表す信号が供給されるよ
うになっているとともに、それ等のモータ制御用コンピ
ュータ22とトランスミッション制御用コンピュータ4
8との間でも必要な情報が授受される。トランスミッシ
ョン制御用コンピュータ48から出力される前記変速信
号STは、モータ制御用コンピュータ22にも供給され
る。
【0017】上記モータ制御用コンピュータ22,トラ
ンスミッション制御用コンピュータ48は、何れもCP
U,RAM,ROM,A/Dコンバータ,入出力インタ
フェース回路等を備えて構成され、RAMの一時記憶機
能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従
って信号処理を行うようになっており、モータ制御用コ
ンピュータ22は、前記各信号に基づいて電動モータ1
0のモータトルクTmoを制御したり、電動モータ10が
強制回転させられることにより発生した電力を電源12
に供給して蓄電したりする。また、トランスミッション
制御用コンピュータ48は、基本的にはアクセル操作量
信号SAcおよび出力軸回転速度信号SNout に基づい
て、予め定められた変速マップに従って前記自動変速機
16の変速段を切換制御する。
【0018】ここで、前記自動変速機16を1st変速
段から2nd変速段へアップシフトする際には、前記図
4から明らかなようにブレーキB−2が係合させられる
とともに一方向クラッチF−2がロック状態からフリー
状態とされるが、この時のモータ制御用コンピュータ2
2による電動モータ10のトルク制御を図7のフローチ
ャートを参照しつつ説明する。なお、ここでは図4にお
いて「△」印で示されている発電のための係合制御は行
われていないものとする。
【0019】先ず、ステップS1では、1st変速段か
ら2nd変速段へアップシフトする1→2変速指令が為
されたか否かを、トランスミッション制御用コンピュー
タ48から出力される変速信号STに基づいて判断す
る。1→2変速指令が為されていない場合には、ステッ
プS8においてフラグFを「0」にするとともに、ステ
ップS9において、予め定められたデータマップ或いは
演算式等に基づいてアクセル操作量Acに応じたモータ
トルク指令値Tmo* を算出し、そのモータトルク指令値
Tmo* に対応する制御信号SCをインバータ14へ出力
することにより、電動モータ10の実際のトルクTmoが
モータトルク指令値Tmo* となるように制御する。ま
た、1→2変速指令が為されると、ステップS1に続い
てステップS2以下を実行する。図8の時間t1 は、1
→2変速指令が為されて自動変速機16の油圧回路が切
り換えられた時間であり、ブレーキB−2の油圧アクチ
ュエータ40内に作動油が供給されるようになって、そ
の油圧PB2が上昇し始める。
【0020】ステップS2ではフラグFが「0」か否か
を判断するが、フラグFは前記ステップS8において
「0」とされるため、1→2変速指令が為された後の最
初のサイクルではF=0であり、続いてステップS3を
実行する。ステップS3では、現在のモータ回転速度N
moを基準回転速度No に設定するとともに、現在のモー
タトルク指令値Tmo* を基準トルクtmoに設定する。次
のステップS4では、ブレーキB−2の油圧PB2が予め
定められた基準油圧Po より大きいか否かを油圧信号S
B2に基づいて判断し、PB2>Po となるまでは、前記
ステップS8,S9およびステップS1以下を繰り返し
実行し、ステップS3において基準回転速度No および
基準トルクtmoの設定値を順次更新する。上記基準油圧
Po は、油圧アクチュエータ40内に作動油が充填され
てブレーキB−2の摩擦板36,38が互いに密着させ
られ、ブレーキB−2にトルクTB2が発生する油圧に定
められている。ブレーキB−2にトルクTB2が発生する
と、一方向クラッチF−2のトルクTF2は、前記(3)
式のようにトルクTB2の上昇に伴って低下する。すなわ
ち、上記ステップS4は、トルク相が始まったか否かを
判断するためのものである。図8の時間t2 はPB2>P
o となった時間であり、トルク相の開始時間と略一致す
る。
【0021】PB2>Po となってステップS4の判断が
YESになると、ステップS5においてフラグFを
「1」とする。これにより、以後のサイクルではステッ
プS2の判断がNOとなってステップS3が実行されな
くなるため、基準回転速度No ,基準トルクtmoには、
それぞれトルク相開始時におけるモータ回転速度Nmo,
モータトルク指令値Tmo* が設定されることになる。次
のステップS6では、入力軸28の回転速度であるモー
タ回転速度Nmoが基準回転速度No から検出誤差等を考
慮して予め定められた微小値αを差し引いた判断値(N
o −α)より小さいか否かを判断し、Nmo<(No −
α)となるまでは続いてステップS7を実行し、Nmo<
(No −α)になると前記ステップS8,S9を実行す
る。モータ回転速度Nmoが判断値(No −α)より小さ
くなるのは、ブレーキB−2のトルクTB2の上昇に伴っ
て一方向クラッチF−2がロック状態からフリー状態と
なり、トルクTF2が0になると、アップシフトに伴う変
速比の減少に伴って電動モータ10の回転速度Nmoが低
下し始めるからである。すなわち、上記ステップS6
は、トルク相が終了してイナーシャ相が始まったか否か
を判断するためのものである。図8の時間t3 はNmo<
(No −α)となった時間であり、トルク相の終了すな
わちイナーシャ相の開始時間と略一致する。
【0022】上記ステップS6の判断がNOの期間、す
なわちトルクTB2が上昇するとともにトルクTF2が低下
するトルク相の期間に実行するステップS7では、次式
(6)に従ってモータトルク指令値Tmo* を算出すると
ともに、そのモータトルク指令値Tmo* に対応する制御
信号SCをインバータ14へ出力することにより、電動
モータ10の実際のトルクTmoがモータトルク指令値T
mo* となるように制御する。トルク相においては、前記
(1)式から明らかなようにモータトルクTmoが一定で
あるとブレーキB−2のトルクTB2の上昇に伴って自動
変速機16の出力トルクTout は低下するため、そのよ
うな出力トルクTout の低下を防止するためにはトルク
B2の上昇に応じてモータトルクTmoを上昇させる必要
がある。(6)式は、出力トルクTout を一定に維持す
るように、トルクTB2の上昇に応じてモータトルクTmo
を上昇させるためのモータトルク指令値Tmo* の演算式
である。すなわち、トルク相開始時の出力トルクTout
は、その時のモータトルクTmoである基準トルクtmoを
用いて次式(7)で表されるため、この(7)式の出力
トルクTout を(1)式に代入し、その(1)式のモー
タトルクTmoをモータトルク指令値Tmo* として求める
ことにより、(6)式が得られるのである。なお、
(6)式および(7)式のρF は遊星歯車装置24のギ
ヤ比(サンギヤFsの歯数ZFs/リングギヤFrの歯数
Fr)であり、ρR は遊星歯車装置26のギヤ比(サン
ギヤRsの歯数ZRs/リングギヤRrの歯数ZRr)であ
る。また、ブレーキB−2のトルクTB2は、油圧PB2
パラメータとするマップまたは演算式等から算出され
る。
【0023】
【数2】 Tmo* ={TB2/(ρF +ρR +ρF ・ρR )}+tmo ・・・(6) Tout =(ρF +ρR +ρF ・ρR )tmo/ρR ・・・(7)
【0024】トルク相の期間中かかるステップS7が繰
り返し実行されることにより、モータトルク指令値Tmo
* すなわち実際のモータトルクTmoは、図8において実
線で示されているようにトルクTB2の上昇に対応して上
昇させられ、自動変速機16の出力トルクTout は略一
定に維持される。これに対し、モータトルクTmoの増大
制御を行わない従来の場合には、点線で示されているよ
うに出力トルクToutがトルクTB2の上昇に伴って低下
するのである。本実施例では、モータ制御用コンピュー
タ22による一連の信号処理のうち、ステップS4,S
6,およびS7を実行する部分が、油圧センサ46およ
びモータ回転速度センサ52と共にモータ出力増大手段
を構成している。なお、図8の時間t4 は、モータ回転
速度Nmoが、出力軸回転速度Nout に対して2nd変速
段における変速比に対応した回転速度となり、ブレーキ
B−2が完全係合して1→2変速が終了した時間であ
る。
【0025】このように本実施例では、トルク相におい
て電動モータ10のトルクTmoが漸増させられ、ブレー
キB−2のトルクTB2の上昇に拘らず自動変速機16の
出力トルクTout が略一定に維持されるため、1→2変
速時における出力トルクTout の変動に起因する変速シ
ョックが軽減される。特に、本実施例では出力トルクT
out が略一定に維持されるようにトルクTB2に対応して
モータトルクTmoを上昇させるようにしているため、ト
ルク相における出力トルクTout の変動が効果的に防止
されるのである。
【0026】なお、上記実施例ではトルク相が終了する
とステップS9において通常のモータトルク制御が行わ
れるようになっているため、アップシフトに伴う変速比
の変化に応じて電動モータ10や自動変速機16の各部
の回転速度が変化するイナーシャ相(時間t3 〜t4
では、それ等の慣性トルクに起因して出力トルクTout
が増加する。図9の実施例は、かかるイナーシャ相にお
ける出力トルクToutの増加を抑制するために、モータ
トルクTmoのダウン制御を行うようにした場合である。
【0027】図9において、ステップS1〜S9は前記
実施例と全く同じであり、ステップS10およびS11
を新たに追加した点が相違する。ステップS10は、前
記ステップS6の判断がYESとなった場合、すなわち
トルク相が終了してイナーシャ相が始まった時に実行さ
れ、入力軸28の回転速度であるモータ回転速度Nmoと
出力軸回転速度Nout とが2nd変速段で同期したか否
か、言い換えればモータ回転速度Nmoが出力軸回転速度
Nout に対して2nd変速段における変速比に対応した
回転速度となったか否かを、次式(8)を満足するか否
かによって判断する。(8)式のiは2nd変速段の変
速比であり、βは検出誤差等を考慮した微小値である。
そして、(8)式を満足するようになるまではステップ
S11を実行し、前記基準トルクtmoから低減値ΔTを
差し引いた値(tmo−ΔT)をモータトルク指令値Tmo
* として算出するとともに、そのモータトルク指令値T
mo* に対応する制御信号SCをインバータ14へ出力す
ることにより、電動モータ10の実際のトルクTmoがモ
ータトルク指令値Tmo* となるように制御する。上記低
減値ΔTは、基準トルクtmoやモータ回転速度Nmo等を
パラメータとして、出力トルクTout の増加を抑制する
ように予め定められたデータマップなどから算出され
る。
【0028】
【数3】 Nmo<Nout ×i+β ・・・(8)
【0029】このようにすれば、図10に示されている
ように、時間t3 〜t4 ´のイナーシャ相においてモー
タトルクTmoがトルク相開始時の基準トルクtmoよりΔ
Tだけ低い値に制御されるため、電動モータ10や自動
変速機16の各部の慣性トルクに起因する出力トルクT
out の増大が抑制され、前記実施例と同様にトルク相に
おける出力トルクTout が略一定に維持されることと相
俟って、1→2変速時における変速ショックが全体とし
て軽減される。モータ制御用コンピュータ22による一
連の信号処理のうち、ステップS6,S10,およびS
11を実行する部分が、モータ回転速度センサ52およ
び出力軸回転速度センサ56と共にモータ出力低減手段
を構成している。
【0030】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0031】例えば、前記実施例ではブレーキB−2を
係合させて一方向クラッチF−2をロック状態からフリ
ー状態とする1→2アップシフトについて説明したが、
クラッチC−2を係合させて一方向クラッチF−1をロ
ック状態からフリー状態とする2→3アップシフトにつ
いても、同様に本発明を適用することが可能である。
【0032】また、前記実施例では油圧PB2に基づいて
トルク相の開始を検出するようになっていたが、一方向
クラッチF−2のトルクTF2の変化からトルク相を検出
することもできる。油圧PB2がリニアソレノイド弁によ
って制御される場合には、そのリニアソレノイド弁に対
する制御信号のデューティ比や実効値などからトルク相
を判断したり、ブレーキB−2のトルクTB2を求めたり
することも可能である。
【0033】また、前記実施例における電動モータ1
0,自動変速機16の配設形態や構成はあくまでも一例
であり、自動変速機の変速段の数が2段或いは4段以上
であったり、電動モータおよび自動変速機が車両の幅方
向に配設されていたりする場合など、本発明は種々の態
様の自動変速機付電気自動車に適用され得る。
【0034】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例であるモータ制御装置を備え
た電気自動車の駆動系統の概略構成を説明する図であ
る。
【図3】図2の電気自動車に搭載されている自動変速機
の骨子図である。
【図4】図3の自動変速機の変速段とそれを成立させる
ためのクラッチおよびブレーキの係合状態を示す図であ
る。
【図5】図3の自動変速機の共線図である。
【図6】図3の自動変速機におけるブレーキB−2部分
の具体的構成を示す断面図である。
【図7】図2の実施例において1→2アップシフトが行
われる際のモータトルク制御に関する作動を説明するフ
ローチャートである。
【図8】図7に従ってモータトルク制御が行われる際の
回転速度やトルク等の変化を示すタイムチャートであ
る。
【図9】本発明の他の実施例を説明するフローチャート
である。
【図10】図9の実施例における回転速度やトルク等の
変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10:電動モータ 16:自動変速機 20:駆動輪 22:モータ制御用コンピュータ 46:油圧センサ 52:モータ回転速度センサ 56:出力軸回転速度センサ B−2:ブレーキ(摩擦係合装置) F−2:一方向クラッチ ステップS4,S6,S7:モータ出力増大手段 ステップS6,S10,S11:モータ出力低減手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 41/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の変速段を有する自動変速機を介して
    電動モータの出力を駆動輪に伝達する自動変速機付電気
    自動車において、摩擦係合装置を係合させて一方向クラ
    ッチをロック状態からフリー状態とすることにより前記
    自動変速機をアップシフトする際に、前記電動モータの
    トルクを制御するモータ制御装置であって、 前記アップシフト時に前記摩擦係合装置のトルクが増加
    するとともに前記一方向クラッチのトルクが低下するト
    ルク相において前記電動モータのトルクを一時的に増加
    させるモータ出力増大手段を有することを特徴とする自
    動変速機付電気自動車のモータ制御装置。
  2. 【請求項2】前記トルク相が終了して前記自動変速機の
    入力軸回転速度が低下するイナーシャ相において、前記
    電動モータのトルクを一時的に低下させるモータ出力低
    減手段を有する請求項1に記載の自動変速機付電気自動
    車のモータ制御装置。
JP4154310A 1992-05-21 1992-05-21 自動変速機付電気自動車のモータ制御装置 Expired - Lifetime JP2950021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4154310A JP2950021B2 (ja) 1992-05-21 1992-05-21 自動変速機付電気自動車のモータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4154310A JP2950021B2 (ja) 1992-05-21 1992-05-21 自動変速機付電気自動車のモータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05319144A JPH05319144A (ja) 1993-12-03
JP2950021B2 true JP2950021B2 (ja) 1999-09-20

Family

ID=15581324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4154310A Expired - Lifetime JP2950021B2 (ja) 1992-05-21 1992-05-21 自動変速機付電気自動車のモータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2950021B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3468046B2 (ja) * 1997-08-20 2003-11-17 トヨタ自動車株式会社 車両ヨーイング制御装置
JP3575479B2 (ja) * 2002-03-08 2004-10-13 日産自動車株式会社 車両の駆動力制御装置
KR100428298B1 (ko) * 2002-05-15 2004-04-28 현대자동차주식회사 전기자동차용 변속충격 완화장치 및 그 제어방법
JP5338471B2 (ja) * 2009-05-13 2013-11-13 日産自動車株式会社 電動車両の変速制御装置
JP5741029B2 (ja) 2011-02-04 2015-07-01 日産自動車株式会社 電動車両の踏み込みダウンシフト制御装置
KR101361797B1 (ko) * 2011-12-23 2014-02-11 대동공업주식회사 전기구동식 다목적 운반차량의 변속충격 저감을 위한 제어시스템 및 제어방법
KR101327864B1 (ko) * 2011-12-23 2013-11-11 대동공업주식회사 전기구동식 다목적 운반차량의 변속충격 저감 시스템
JP2013100095A (ja) * 2012-12-19 2013-05-23 Nissan Motor Co Ltd 車両の制御装置
JP6111652B2 (ja) * 2012-12-26 2017-04-12 日産自動車株式会社 電動車両の変速制御装置
JP2020088950A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 日本精工株式会社 変速装置及び駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05319144A (ja) 1993-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7469758B2 (en) Electric vehicle drive control device and control method therefor
US7492114B2 (en) Electric vehicle drive control device and control method therefor
JP3915698B2 (ja) ハイブリッド車輌の制御装置
US5427196A (en) Electric motor drive system
US5735770A (en) Control system for vehicular drive unit
US6692402B2 (en) Drive control apparatus for oil pump
JP3351823B2 (ja) 変速制御方法およびその装置
JP3750260B2 (ja) 車両用駆動装置及びその制御方法
JP6320280B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP2950021B2 (ja) 自動変速機付電気自動車のモータ制御装置
JP3634947B2 (ja) 自動変速機のニュートラル制御装置
US6736757B2 (en) Speed shift control apparatus of automatic transmission
US6543593B2 (en) Shift control apparatus for automatic transmission
WO2016159124A1 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP2006143000A (ja) 車両の制御装置
JP5803182B2 (ja) 車両用動力伝達装置の制御装置
JP3651469B2 (ja) 変速機の制御装置
JP3799866B2 (ja) ハイブリッド車両の制動力制御装置
JP3702567B2 (ja) 車両用駆動装置の変速制御装置
JP4161999B2 (ja) 電動車両駆動制御装置及び電動車両駆動制御方法
JP3663699B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2009138768A (ja) 自動変速機の制御装置
JP4675039B2 (ja) 車両用駆動力制御装置
JP2791374B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JPH08219278A (ja) 自動変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term