JP2949386B2 - カラー画像形成方法 - Google Patents

カラー画像形成方法

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JP2949386B2
JP2949386B2 JP32902791A JP32902791A JP2949386B2 JP 2949386 B2 JP2949386 B2 JP 2949386B2 JP 32902791 A JP32902791 A JP 32902791A JP 32902791 A JP32902791 A JP 32902791A JP 2949386 B2 JP2949386 B2 JP 2949386B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、短時間の処理によって
高画質な画像を安定して得ることのできるハロゲン化銀
写真感光材料を用いたカラー画像形成方法に関するもの
である。特に、磁気媒体等に記録されたソフト情報か
ら、レーザー等を用いた高照度短時間露光によって優れ
た階調を持つ写真画像を安定して得ることできるハロゲ
ン化銀写真感光材料を用いたカラー画像形成方法に関す
るものである。
【0002】
【発明の背景】ハロゲン化銀写真感光材料、特にハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料は、高感度であること、階調
性にすぐれていることから、今日、非常に多く用いられ
ている。しかしながら、ハロゲン化銀カラー写真感光材
料の現像処理は、いわゆる湿式処理であって、処理液調
製に手間がかかる、汚れる、種々の薬品を含んだ廃液が
出る、暗室が必要である、操作を始めてから最初のプリ
ントが得られるまでの時間が長い等の欠点があった。こ
うした欠点を補い、前述したハロゲン化銀カラー写真感
光材料の長所を生かすため、これまでは、もっぱら、少
数の大きな現像所においてカラーネガの現像からカラー
プリントの作製までを熟練した技術者が集中して行う方
式がとられてきた。
【0003】ところが、最近では湿式処理という本質は
変わりがないものの、プリンター、自動現像機等の機器
の改良、現像処理液の改良、ハロゲン化銀カラー写真感
光材料及びその包装形態の改良などが積み重ねられ、写
真店の店頭等のわずかなスペースでカラーネガの現像か
らカラープリントの作製までを一貫して行うことができ
るいわゆるミニラボが急速に普及してきている。
【0004】特に、高濃度に塩化銀を含有するハロゲン
化銀乳剤を採用することによって、現像処理時間は著し
く短縮されてきている。しかし、高濃度に塩化銀を含有
するハロゲン化銀乳剤は相反則不軌が大きく、低照度長
時間露光、高照度短時間露光での減感、階調の変化が大
きいという欠点を有していた。
【0005】また、今日、エレクトロニクスの分野で
は、CCD等の撮像素子及び磁気記録媒体の著しい進歩
により、これまでのハロゲン化銀を使った写真と同じ手
軽さで写真撮影を行い、直ちにテレビに写しだしてこれ
を楽しむことを可能としてきた。こうした画像データか
ら紙の上に記録された画像を得るには、感熱転写方式、
インクジェット方式、電子写真方式などの種々の方式が
実用化されているが、こうした分野でもハロゲン化銀写
真感光材料のもつ豊かな階調性は他の方式に比べ群を抜
いたものであって優れた描写力を有している。しかし、
ハロゲン化銀写真感光材料は、マイクロ秒あるいはそれ
以下の露光時間になると、感度が低下したり階調が軟調
化するといった写真特性の変化がおこり、しかもこの現
象は、露光時間が短いほど顕著であった。
【0006】第VIII族金属化合物を含有させること
によって、相反則不軌の改良とともに高感度化が図れる
ことが開示されている。また、特公昭49-33781号、特開
昭50-23618号、同52-18310号、同58-15952号、同59-214
028号、同61-67845号等には、ロジウム化合物やイリジ
ウム化合物を含有させることによって相反則不軌の改良
とともに硬調化が図れることが開示されている。こうし
た技術によって高濃度に塩化銀を含有するハロゲン化銀
乳剤の相反則不軌は改良されるものの、未だ十分な感度
が得られないという欠点があり、また、露光からごく短
時間の間の潜像の変動が大きくなり、露光から現像まで
の時間によって特性が変化するという現象が見られ、安
定した仕上がりを得ることが困難であった。
【0007】特開平1-183647号には全粒子の70モル%以
上が塩化銀からなり、かつ該粒子の内部または表面に臭
化銀含有率70モル%未満の臭化銀局在相を有し、更に該
粒子中に鉄イオンを含有するハロゲン化銀写真感光材料
によって高感度、硬調でしかも露光時の温度や湿度によ
る写真性能の変化が小さくなることが開示されている。
このハロゲン化銀乳剤を用いた場合には、高感度が得ら
れ相反則不軌も改良されるものの、露光からごく短時間
の潜像の変動は大きく、さらに芳香族一級アミン発色現
像主薬を用いた発色現像液により25秒以下の時間の現像
処理によってカラー画像を得ようとすると特性曲線の直
線性が損なわれ、ハイライト部のコントラストが顕著に
低下するという現象が見られた。また、この現象は露光
から現像までの時間が短くなるほど顕著に現れ、露光、
現像するたびに得られる仕上がりが変化し、再現性に乏
しい結果を与えた。
【0008】還元増感技術に関しては、多くの先行技術
が知られているが、例えば特開平2ー136852号にはアスコ
ルビン酸またはその誘導体の存在下に還元増感を行う技
術が、特開平3-21944号には、アスコルビン酸誘導体に
より還元増感された単分散ハロゲン化銀乳剤の技術が、
特開平3ー168632号にはアスコルビン酸またはその誘導体
で還元増感された、(100)面の比率が(111)面より高いハ
ロゲン化銀乳剤の技術により高感度でカブリが低く、未
露光試料の保存性が改良されることが開示されている。
しかし、これらの各公報には高濃度に塩化銀を含有する
ハロゲン化銀乳剤について述べられておらず、また、高
濃度に塩化銀を含有しさらに他の部分より高濃度の臭化
銀を有する部分が局在したハロゲン化銀乳剤では、発色
現像時間を短くした時に特性曲線の直線性が損なわれ、
脚部の軟調化が起こるという欠点のあることについて
も、それを改良し得る方法についても何等述べられてい
なかった。
【0009】
【発明の目的】本発明の目的は、短時間の処理によって
高画質な画像を安定して得ることのできるハロゲン化銀
写真感光材料を用いたカラー画像形成方法を提供するこ
とにある。また、磁気媒体等に記録されたソフト情報か
ら、レーザー等を用いた露光装置によって短時間に優れ
た階調を持つ写真画像を安定して得ることのできるハロ
ゲン化銀写真感光材料を用いたカラー画像形成方法を提
供することにある。
【0010】
【発明の構成】本発明者らは、レーザーを用いて露光す
るための高塩化物ハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化
銀写真感光材料を鋭意研究するうち、本発明の目的が、
支持体上に少なくとも一層の高塩化物ハロゲン化銀乳剤
層を有するハロゲン化銀写真感光材料を、芳香族一級ア
ミン発色現像主薬を含有し、実質的にベンジルアルコー
ルを含有しない発色現像液で処理した後、漂白定着処理
し、水洗処理することによりカラー画像を形成する方法
において、前記高塩化物ハロゲン化銀乳剤層が、30モル
%以上の臭化銀含有率の部分を有し、かつ還元増感され
ている、95〜99.9モル%が塩化銀からなるハロゲン化銀
乳剤粒子を含んでおり、かつ前記発色現像時間が25秒以
下であり、発色現像処理時間、漂白定着処理時間及び水
洗処理時間の全処理工程が合計2分以内であることを特
徴とするカラー画像形成方法により達成されることを見
いだし本発明を完成するに到った。
【0011】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いられるハロゲン化銀乳剤は、塩化銀を95〜99.9モル
%含有することを特徴とするが、実質的に沃化銀を含ま
ない塩臭化銀が好ましい。塩化銀の含有量は97〜99.9モ
ル%がより好ましい。さらに短い時間での現像や発色現
像液の補充量を低下させる場合には、99.5〜99.9モル%
であることがより好ましい。
【0012】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、臭化銀
含有率が30モル%以上の部分を有していることが特徴で
ある。この高濃度に臭化銀を含有する部分は、ハロゲン
化銀乳剤粒子にエピタキシー接合していても、いわゆる
コア・シェル乳剤であってもよいし、完全な層を形成せ
ず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけであっ
てもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン
化銀粒子の形成段階で作られてもよいし、それ以降の化
学熟成段階、あるいは塗布液調製段階で作られてもよ
い。また、粒子内部と表面の組成が異なる場合、連続的
に組成が変化しても良いし不連続に変化してもよい。
【0013】ハロゲン化銀乳剤粒子全体の組成にも依存
するが、臭化銀含有量が1モル%程度の時は、高濃度に
臭化銀を含有する部分の臭化銀含有率は、40モル%以上
であることが好ましい。このようなハロゲン化銀粒子の
例としては、特開昭58-95736号、同58-108533号、特開
平1ー183647号に記載された粒子などがある。臭化銀を高
濃度に含有する部分の臭化銀含量は、特開平1-183647号
第22頁右上欄に記載の方法などを用いて求めることがで
きる。このようにして求めた臭化銀含量が幅をもつ場合
には、本願にいう高濃度に臭化銀を含有する部分の臭化
銀含量とは、その最大値を意味する。
【0014】本発明に係るハロゲン化銀乳剤に重金属イ
オンを含有させてもよい。これらの化合物は相反則不軌
を改良する上で有用であが、露光後から現像までの時間
によって性能が変化しやすいという欠点がある。本発明
によればこの欠点が改良され相反則不軌を改良するとい
う長所を発揮でき、本発明の好ましい実施態様である。
このような目的に用いることの出来る重金属イオンとし
ては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、
ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第V
III族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第II
族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステ
ン、クロムの各イオンを挙げることができる。中でも
鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、オスミウムの遷移
金属イオンが好ましい。
【0015】これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形で
ハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。中でも錯塩
の形で乳剤に添加される方が、ハロゲン化銀乳剤中に組
み込まれ易く、さらに本発明の効果が大きくなり好まし
い。
【0016】前記重金属イオンが錯体を形成する場合に
は、その配位子としてはシアン化物イオン、チオシアン
酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオ
ン、沃化物イオン、カルボニル、アンモニア等を挙げる
ことができる。中でも、チオシアン酸イオン、イソチオ
シアン酸イオン、シアン酸イオン等が好ましい。
【0017】以下に本発明に係るハロゲン化銀乳剤に好
ましく用いることの出来る重金属化合物を示すが本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0018】 (1) FeCl2 (2)FeCl3 (3)(NH4)Fe(SO42 (4)K3[Fe(CN)6] (5) K4[Fe(CN)6] (6)K2[IrCl6] (7) K3[IrCl6] (8)K2[PtCl6] (9) K2[Pt(SCN)4] (10)K2[NiCl4] (11) K2[PdCl6] (12)K3[RdCl6] (13) CdCl2 (14)ZnCl2 (15) K2[Mo(CO)4(CNO)2] (16) K3[Re(CNO)6] (17)K3[Mo(OCN)6] (18) K4[Fe(CNO)6] (19) K2[W(CO)4(CNO)2] (20) K2[Cr(CO)4(CNO)] (21) K4[Ru(CNO)6] (22) K2[Ni(CN)4] (23) PbCl2 (24) K3[Co(NH36] (25) K5[Co2(CNO)11] (26) K3[Re(CNO)6] (27) K4[Os(CNO)6] (28) K2[Cd(CNO)4] (29) K2[Pt(CNO)4] (30) K3[IrBr6] 本発明に係るハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有さ
せるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形
成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の
形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すれば
よい。このためには、例えばこの重金属化合物を水溶液
としておいて所望のタイミングで添加すればよい。ある
いは、ハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の
間にわたって連続的に添加してもよい。
【0019】前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に
添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り 1×10-9
ル以上 1×10-2モル以下がより好ましく、特に 1×10-8
モル以上 1×10-3モル以下が好ましい。
【0020】本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任
意のものを用いることが出来る。好ましい一つの例は、
(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、
米国特許4183756号、同4225666号、特開昭55-26589号、
特公昭55-42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグ
ラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21、39(19
73)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四
面体、十二面体等の形状を有する粒子をつくり、これを
用いることもできる。さらに、双晶面を有する粒子を用
いてもよい。
【0021】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の
形状からなる粒子を用いてもよいし、種々の形状の粒子
が混合されたものでもよい。
【0022】本発明に係るハロゲン化銀粒子の粒径は特
に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他の写真
性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μm、更に
好ましくは、0.2〜1.0μm の範囲である。なお、上記粒
径は当該技術分野において一般に用いられる各種の方法
によって測定することが出来る。代表的な方法として
は、ラブランドの「粒子径分析法」(A.S.T.M. シンポ
ジウム・オン・ライト・マイクロスコピー、94〜122
頁、1955)または、「写真プロセスの理論 第3版」
(ミース及びジェームス共著、第2章、マクミラン社
刊、1966)に記載されている方法を挙げることができ
る。
【0023】この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値
を使ってこれを測定することができる。粒子が実質的に
均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積とし
てかなり正確にこれを表すことができる。
【0024】本発明のハロゲン化銀粒子の粒径の分布
は、多分散であっても良いし、単分散であってもよい。
好ましくは変動係数が 0.22 以下、更に好ましくは 0.1
5 以下の単分散ハロゲン化銀粒子である。ここで変動係
数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって
定義される。
【0025】変動係数=S/R (ここに、S は粒径分布の標準偏差、R は平均粒径を
表す。) ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合は
その直径、また、立方体や球状以外の形状の粒子の場合
は、その投影像を同面積の円像に換算したときの直径を
表す。ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法としては、当
業界において公知の種々の方法を用いることができる。
【0026】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、酸性
法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであっ
てもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよ
いし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を
作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なって
もよい。
【0027】また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩
を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時
混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時
混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一
形式として特開昭54-48521号等に記載されているpAgコ
ントロールド・ダブルジェット法を用いることもでき
る。
【0028】また、特開昭57-92523号、同57-92524号等
に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀
塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ド
イツ公開特許2921164号等に記載された水溶性銀塩及び
水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して添
加する装置、特公昭56-501776号等に記載の反応器外に
反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することにより
ハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成
を行なう装置などを用いてもよい。
【0029】更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有す
る化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のよう
な化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形
成終了の後に添加して用いてもよい。
【0030】本発明に係るハロゲン化銀乳剤を還元増感
するには、公知の方法を用いることが出来る。例えば、
種々の還元剤を添加する方法を用いることもできるし、
銀イオン濃度が高い条件で熟成する方法や、高pHの条
件で熟成する方法を用いることが出来る。
【0031】本発明に係るハロゲン化銀乳剤の還元増感
に用いる還元剤としては、塩化第一スズ等の第一スズ
塩、トリーt-ブチルアミンボラン等のボラン類、亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩、アスコルビ
ン酸等のレダクトン類、二酸化チオ尿素等を上げること
ができる。このうち、好ましく用いることができる化合
物として、二酸化チオ尿素、アスコルビン酸及びその誘
導体、亜硫酸塩を挙げることができる。熟成時の銀イオ
ン濃度やpHを制御することにより還元増感を行う場合
と比べ、上記のような還元剤を用いる方法は再現性に優
れており好ましい。
【0032】これらの還元剤は、水、アルコール等の溶
媒に溶解してハロゲン化銀乳剤中に添加して熟成を行う
か、あるいはハロゲン化銀粒子の形成時に添加して粒子
形成と同時に還元増感を行ってもよい。
【0033】これらの還元剤を添加する量は、ハロゲン
化銀乳剤のpH、銀イオン濃度などに応じて調整する必
要があるが、一般には、ハロゲン化銀乳剤1モル当り10
-7〜10-2モルが好ましい。
【0034】還元増感後に還元増感核を修飾したり、残
存する還元剤を失活させるために少量の酸化剤を用いて
もよい。このような目的で用いられる化合物としては、
ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、ブロモサクシン
イミド、p-キノン、過塩素酸カリウム、過酸化水素水等
を挙げることが出来る。
【0035】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は還元増感
されるとともに、金化合物を用いる増感法、カルコゲン
増感剤を用いる増感法を組み合わせて用いることが出来
る。本発明に係るハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲ
ン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テル
ル増感剤などを用いることが出来るが、イオウ増感剤が
好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、アリルチ
オカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シ
スチン、p-トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン等
が挙げられる。
【0036】本発明に係るハロゲン化銀乳剤に適用する
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金、チオ硫酸金等の
他各種の金錯体として添加することができる。用いられ
る配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシ
アン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
ール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハ
ロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条
件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1
モル当たり 1×10-4 モル〜1×10-8 モルであること
が好ましい。更に好ましくは 1×10-5 モル〜1×10-8
モルである。
【0037】本発明に係るハロゲン化銀乳剤には、ハロ
ゲン化銀写真感光材料の調製工程中に生じるカブリを防
止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に
生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安
定剤を用いることが出来る。こうした目的に用いること
のできる化合物の例として、特開平2-146036号第7頁下
欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げ
ることができ、その具体的な化合物としては、同公報の
第8頁に記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(I
Ib−1)〜(IIb−7)の化合物及び、1-(3ーメト
キシフェニル)ー5ーメルカプトテトラゾール等を挙げる
ことができる。これらの化合物は、その目的に応じて、
ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学
増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加さ
れる。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合に
は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5モル〜5×10-4
ル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添
加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル
〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜5
×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、
ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀
1モル当り1×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ま
しく、1×10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。ま
たハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗
布被膜中の量が、1×10-9モル〜1×10-3モル程度の量
が好ましい。
【0038】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料を
カラー写真感光材料として用いる場合には、イエローカ
プラー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わ
せて400〜900nm の波長域の特定領域に分光増感された
ハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳
剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含
有する。
【0039】本発明に係るハロゲン化銀乳剤に用いる分
光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いるこ
とができるが、青感光性増感色素としては、特願平2-51
124号明細書第108頁〜第109頁に記載のBS−1〜8を
単独でまたは組み合わせて好ましく用いることができ
る。緑感光性増感色素としては、同明細書の第110頁に
記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増
感色素としては同明細書111〜112ページに記載のRS−
1〜8が好ましく用いられる。本発明に係るハロゲン化
銀写真感光材料を半導体レーザーを用いたプリンターに
より露光する場合には、赤外に感光性を有する増感色素
を用いる必要があり、赤外感光性増感色素としては、特
願平3-73619号明第12頁〜第14頁に記載のIRS−1〜
11の色素が好ましく用いられる。また、同明細書第14
頁〜第15頁に記載の強色増感剤SS−1〜SS−9をこ
れらの色素に組み合わせて用いるのが好ましい。
【0040】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
を、レーザーを用いて露光する場合には、半導体レーザ
ーを用いた露光装置を用いるのが装置の小型化等の面で
有利である。走査露光においては、一画素当たりの露光
時間がハロゲン化銀乳剤が実際に受ける露光時間に対応
するが、一画素当りの露光時間とは、レーザー光による
走査露光のような場合には、その光束の強度の空間的な
変化において、光強度が最大値の1/2になるところを
もって光束の外縁とし、走査線と平行であり、かつ光強
度が最大となる点を通る線と光束の外縁の交わる2点間
の距離を光束の径とした時、 (光束の径)/(走査速度) をもって一画素当りの露光時間と考えればよい。一画素
当りの露光時間が短くなるに従って、露光時間と発色濃
度の関係は複雑になる傾向にあり、一画素当りの露光時
間の短い装置を用いた場合に本発明は特に有効である。
【0041】こうしたシステムに適用可能と考えられる
レーザープリンター装置としては、例えば、特開昭55-4
071号、特開昭59-11062号、特開昭63-197947号、特開平
2-74942号、特開平2-236538号、特公昭56-14963号、特
公昭56-40822号、欧州広域特許77410号、電子通信学科
合技術研究報告80巻244号、及び映画テレビ技術誌1984/
6(382)、34〜36ページなどに記載されているものがあ
る。本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料には、イラ
ジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波
長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目
的で、公知の化合物をいずれも用いることが出来るが、
特に、可視域に吸収を有する染料としては、特願平2-51
124号明細書117〜118ページに記載のAI−1〜11の
染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料としては、特
開平1-280750号公報の2ページ左下欄に記載の一般式
(I)、(II)、(III)で表される化合物が好ま
しい分光特性を有し、ハロゲン化銀写真乳剤の写真特性
への影響もなく、また残色による汚染もなく好ましい。
好ましい化合物の具体例として、同公報3頁左下欄〜5
頁左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げ
ることができる。
【0042】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体と
カップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極
大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかな
る化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物と
しては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有する
イエローカプラー、波長域500〜600nmに分光吸収極大波
長を有するマゼンタカプラー、波長域600〜750nmに分光
吸収極大波長を有するシアンカプラーとして知られてい
るものが代表的である。
【0043】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
好ましく用いることのできるイエローカプラーとして
は、特願平2-234208号第8頁に記載の一般式(Y−I)
で表されるカプラーを挙げることができる。具体的な化
合物は、同明細書第9頁〜第11頁にYC-1〜YC-9として記
載されているものを挙げることができる。中でも同明細
書第11頁に記載されているYC-8、YC-9は好ましい色調の
黄色を再現でき好ましい。
【0044】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
好ましく用いることのできるマゼンタカプラーとして
は、特願平2-234208号第12頁に記載の一般式(M−
I)、(M−II)で表されるカプラーを挙げることが
できる。具体的な化合物は、同明細書第13頁〜第16頁に
MC-1〜MC-11として記載されているものを挙げることが
できる。中でも同明細書第15頁〜第16頁に記載されてい
るMC-8〜MC-11は青から紫、赤に到る色の再現に優れ、
さらにディテールの描写力にも優れており好ましい。本
発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に好ましく用いる
ことのできるシアンカプラーとしては、特願平2-234208
号第17頁に記載の一般式(C−I)、(C−II)で表
されるカプラーを挙げることができる。具体的な化合物
は、同明細書第18頁〜第21頁にCC-1〜CC-9として記載さ
れているものを挙げることができる。本発明に係るハロ
ゲン化銀写真感光材料に用いられるカプラーを添加する
のに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸
点150℃ 以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じ
て低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解
し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活
性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、攪拌
機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミ
キサー、超音波分散機等を用いることができる。分散
後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工
程を入れてもよい。カプラーを溶解して分散するために
用いることの出来る高沸点有機溶媒としては、ジオクチ
ルフタレート等のフタル酸エステル、トリクレジルホス
フェート等のリン酸エステル類が好ましく用いられる。
【0045】また、高沸点有機溶媒を用いる方法に代え
て、カプラーと水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー
化合物を、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機
溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー
中に界面活性剤を用いて種々の分散手段により乳化分散
する方法をとることもできる。この時用いられる水不溶
性で有機溶媒可溶性のポリマーとしては、ポリ(N-t-
ブチルアクリルアミド)等を挙げることができる。
【0046】発色色素の吸収波長をシフトさせる目的
で、特願平2-234208号明細書33ページに記載の化合物
(d-11)、同明細書第35頁に記載の化合物(A'-1)等の
化合物を用いることができる。また、これ以外にも米国
特許4774187号に記載の蛍光色素放出化合物を用いるこ
とも出来る。
【0047】カプラーの塗布量としては、十分に高い濃
度を得ることが出来れば、特に制限はないが、好ましく
は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-3〜1×10-5モル、
更に好ましくは、1×10-2〜1×10-1モルの範囲で用い
られる。
【0048】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
は、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であ
るが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼ
ラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外
のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一ある
いは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性
コロイドも用いることができる。
【0049】本発明に係る反射支持体としては、どのよ
うな材質を用いてもよく、白色顔料含有ポリエチレン被
覆紙、バライタ紙、塩化ビニルシート、白色顔料を含有
したポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持
体などを用いることができる。中でも白色顔料を含有す
るポリオレフィン樹脂層を表面に有する支持体が好まし
い。本発明に係る反射支持体に用いられる白色顔料とし
ては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることが
でき、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば
硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カル
シウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合
成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミ
ナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、
クレイ等があげられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリ
ウム、酸化チタンである。本発明に係る反射支持体の表
面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、耐水
性樹脂層中での含有量として10重量%以上であることが
好ましく、さらには13重量%以上の含有量であることが
好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。本
発明に係る紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散
度は、特開平2-28640号公報に記載の方法で測定するこ
とができる。この方法で測定したときに、白色顔料の分
散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以下である
ことが好ましく、0.15以下であることがより好ましく、
0.10以下であることがさらに好ましい。
【0050】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照
射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体
表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬
さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他
の特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介
して塗布されていてもよい。
【0051】ハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光材料の
塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用い
てもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布す
ることの出来るエクストルージョンコーティング及びカ
ーテンコーティングが特に有用である。
【0052】本発明において用いられる芳香族一級アミ
ン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができ
る。これらの化合物の例として下記の化合物を上げるこ
とができる。
【0053】 CD-1 N,N-ジエチルーp-フェニレンジアミン CD-2 2-アミノ-5-ジエチルアミノトルエン CD-3 2-アミノー5ー(N-エチル-N-ラウリルアミノ)ト
ルエン CD-4 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-ブトキシ
エチル)アニリン CD-5 2-メチル-4-(N-エチル-N-(βーヒドロキシエ
チル)アミノ)アニリン CD-6 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-(メタン
スルホンアミド)エチル)-アニリン CD-7 N-(2ーアミノ-5-ジエチルアミノフェニルエチ
ル)メタンスルホンアミド CD-8 N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン CD-9 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-メトキシエチ
ルアニリン CD-10 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-エトキシ
エチル)アニリン 本発明に係る画像形成方法に用いる場合に、特に短時間
の現像処理の観点からは、下記一般式(CD−I)で表
わされる化合物がより好ましく用いられる。
【0054】一般式(CD−I)
【0055】
【化1】
【0056】式(CD−I)中、Rは炭素数3の直鎖ま
たは分岐のアルキレン基であり、m及びnはそれぞれ1
〜4の整数であり、HAは無機または有機の酸を表わし、
例えば、塩酸、硫酸、硝酸、p-トルエンスルホン酸等を
表わす。
【0057】これらの発色現像主薬は、ジャーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー 73巻、3100
(1951)に記載の方法で容易に合成できる。一般式(CD
−I)で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0058】
【化2】
【0059】
【化3】
【0060】本発明に係る発色現像主薬は、通常、現像
液1リットル当り1×10-2〜2×10-1モルの範囲で用い
られ、迅速処理の観点からは発色現像液1リットル当り
1.5×10−2〜2×10-1モルの範囲で好ましく用い
られる。
【0061】本発明に係る画像形成方法に用いる発色現
像主薬は単独でもよいし、また、公知の他のp-フェニレ
ンジアミン誘導体と併用してもよい。本発明に係る画像
形成方法において、一般式(I)で表わされる化合物と
組み合わせて用いる化合物としては、(CD-5)、(CD-6)、
(CD-9)が好ましい。
【0062】これらのp-フェニレンジアミン誘導体は、
硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、p-トルエンスルホ
ン酸塩などの塩の形で用いられるのが一般的である。
【0063】本発明に係る発色現像液には上記成分の他
に以下の現像液成分を含有させることができる。アルカ
リ剤として、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、メタホウ酸ナトリウム、メタホウ酸カリウム、リン
酸3ナトリウム、リン酸3カリウム、ホウ砂やケイ酸塩
等を単独でまたは組み合わせて、沈澱の発生がなく、p
H安定化効果を維持する範囲内で併用することができ
る。さらに調剤上の必要性から、あるいはイオン強度を
高くするためなどの目的で、リン酸水素2ナトリウム、
リン酸水素2カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリ
ウム、ホウ酸塩等の各種の塩類を使用することができ
る。
【0064】また、必要に応じて、無機及び有機のかぶ
り防止剤を添加することができる。現像抑制の目的に
は、ハロゲン化物塩イオンが用いられることが多いが、
本発明に係る画像形成方法においては、ごく短時間に現
像を終了する必要があるため主に塩化物イオンが用いら
れ、塩化カリウム、塩化ナトリウム、等が用いられる。
塩化物イオンの量は、おおよそ発色現像液1リットル当
り3.0×10-2モル以上、好ましくは、4.0×10-2〜5.0×1
0-1モルである。臭化物イオンは、本発明の効果を損な
わない範囲において用いることが出来るが、現像を抑制
する効果が大きく、おおよそ発色現像液1リットル当り
1.0×10-3モル以下、好ましくは、5.0×10-4以下である
ことが望ましい。
【0065】さらにまた、必要に応じて、現像促進剤も
用いることができる。現像促進剤としては、米国特許26
48604号、同3671247号、特公昭44-9503号公報で代表さ
れる各種のピリジニウム化合物や、その他のカチオン性
化合物、フェノサフラニンのようなカチオン性色素、硝
酸タリウムのような中性塩、米国特許2533990号、同253
1832号、同2950970号、同2577127号及び特公昭44-9504
号公報記載のポリエチレングリコールやその誘導体、ポ
リチオエーテル類等のノニオン性化合物、特公昭44-950
9号公報記載の有機溶剤や有機アミン、エタノールアミ
ン、エチレンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン等が含まれる。また、米国特許2304925号
に記載されているフェネチルアルコール及びこの他、ア
セチレングリコール、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、ピリジン、アンモニア、ヒドラジン、チオエー
テル類、アミン類等が挙げられる。
【0066】さらに本発明に係る発色現像液には、必要
に応じて、エチレングリコール、メチルセロソルブ、メ
タノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、βーシク
ロデキストリン、その他特公昭47-33378号、同44ー9509
号各公報記載の化合物を現像主薬の溶解度を上げるため
の有機溶媒として使用することができる。
【0067】さらに、現像主薬とともに補助現像剤を使
用することもできる。これらの補助現像剤としては、例
えばN-メチルーp-アミノフェノール硫酸塩、フェニド
ン、N,N'ージエチルーp-アミノフェノール塩酸塩、N,N,
N',N'ーテトラメチルーp-フェニレンジアミン塩酸塩等が
知られており、その添加量としては、通常、現像液1リ
ットル当り0.01〜1.0g用いられる。この他にも必要に応
じて競合カプラー、かぶらせ剤、現像抑制剤放出型カプ
ラー(いわゆるDIRカプラー)、現像抑制剤放出化合
物等を添加することができる。
【0068】さらにまた、その他のステイン防止剤、ス
ラッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いるこ
とができる。
【0069】上記発色現像液の各成分は、一定量の水に
順次添加・攪拌して調製することができる。この場合水
に対する溶解性の低い成分はトリエタノールアミン等の
前記の有機溶媒等と混合して添加することができる。ま
た、より一般的には、それぞれが安定に共存し得る複数
の成分を濃厚水溶液、または、固体状態で小容器に予め
調製したものを水中に添加、攪拌することにより本発明
に係る発色現像液を調製することもできる。
【0070】本発明においては、上記は色現像液を任意
のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5
〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8
〜12.0の範囲で用いられる。
【0071】本発明に係る発色現像の処理温度は、35℃
以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処
理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあま
り高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理する
ことが好ましい。発色現像時間は、従来一般には3分30
秒程度で行われているが、本発明では25秒以内とする。
さらに20秒〜3秒の範囲で行うことが好ましい。
【0072】処理工程は、実質的に発色現像工程、漂白
定着工程、水洗工程(水洗代替の安定化処理を含む)か
らなるが、本発明の効果を損なわない範囲において工程
をつけ加えたり同等の意味をもつ工程に置き換えること
ができる。例えば、漂白定着工程は、漂白工程と定着工
程に分離したり、漂白定着工程の前に漂白工程をおくこ
とも可能である。本発明の画像形成方法に用いる処理工
程としては、発色現像工程後直ちに漂白定着工程を設け
ることが好ましい。
【0073】本発明の画像形成方法に用いる漂白定着液
に使用することができる漂白剤は限定されないが、有機
酸の金属錯塩であることが好ましい。該錯塩は、ポリカ
ルボン酸、アミノポリカルボン酸または、シュウ酸、ク
エン酸等の有機酸が鉄、コバルト、銅等の金属イオンに
配位したものである。このような有機酸の金属錯塩を形
成するために用いられる最も好ましい有機酸としては、
ポリカルボン酸またはアミノポリカルボン酸が挙げられ
る。これらのポリカルボン酸または、アミノポリカルボ
ン酸はアルカリ金属塩、アンモニウム塩もしくは水溶性
アミン塩であってもよい。
【0074】これらの具体的化合物としては、特開平1-
205262号第58頁〜第59頁に記載の化合物[2]〜[20]
を挙げることができる。
【0075】これらの漂白剤は漂白定着液1リットル当
り5〜450g、より好ましくは20〜250gで使用する。漂白
定着液には前記のごとき漂白剤以外にハロゲン化銀定着
剤を含有し、必要に応じて保恒剤として亜硫酸塩を含有
する組成の液が適用される。またエチレンジアミン四酢
酸鉄(III)酸漂白剤と前記ハロゲン化銀定着剤の他
に臭化アンモニウムのごときハロゲン化物を多量に添加
した組成からなる漂白定着液、さらにはエチレンジアミ
ン四酢酸鉄(III)酸漂白剤と多量の臭化アンモニウ
ムのごときハロゲン化物との組合せからなる組成の特殊
な漂白定着液などを用いることができる。前記ハロゲン
化物としては、臭化アンモニウムの他に塩酸、臭化水素
酸、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨ
ウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化アンモニウム
等を用いることもできる。
【0076】漂白定着液に含まれる前記ハロゲン化銀定
着剤としては通常の定着処理に用いられるようなハロゲ
ン化銀と反応して水溶性の錯塩を形成する化合物、例え
ばチオ硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸ア
ンモニウムのごときチオ硫酸塩、チオシアン酸カリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウ
ムのごときチオシアン酸塩、チオ尿素、チオエーテル等
がその代表的なものである。これらの定着剤は漂白定着
液1リットル当り5g以上、溶解できる範囲の量で使用
するが、一般には70〜250gで使用する。なお、漂白定着
液にはホウ酸、ホウ砂、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウ
ム、重炭酸カリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、水酸化ア
ンモニウム等の各種pH緩衝剤を単独あるいは2種以上
を組み合わせて含有せしめることができる。さらにま
た、各種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤を含
有せしめることもできる。また、ヒドロキシルアミン、
ヒドラジン、アルデヒド化合物の重亜硫酸付加物などの
保恒剤、アミノポリカルボン酸等の有機キレート剤ある
いはニトロアルコール、硝酸塩などの安定剤、メタノー
ル、ジメチルスルホンアミド、ジメチルスルホキシド等
の有機溶媒などを適宜含有せしめることができる。
【0077】本発明に係る漂白定着液には、特開昭46-2
80号、特公昭45-8506号、同46-556号、ベルギー特許770
910号、特公昭45-8836号、同53-9854号、特開昭54-7163
4号及び同49-42349号等に記載されている種々の漂白促
進剤を添加することができる。
【0078】漂白定着液のpHは4.0以上で用いられる
が、一般にはpH4.0〜9.5の範囲で使用され、望ましく
はpH4.5〜8.5で使用される。最も好ましくは、pH5.
0〜8.5の範囲で用いられる。処理の温度は80℃以下、望
ましくは55℃以下で蒸発などを抑えて使用する。漂白定
着の処理時間は3〜45秒が好ましく、より好ましくは5〜
30秒である。
【0079】本発明に係る現像処理においては、前記発
色現像、漂白定着工程に続いて水洗処理が施されるが、
以下、水洗処理の好ましい実施態様について説明する。
【0080】水洗液に好ましく用いられる化合物として
は、鉄イオンに対するキレート安定化定数が8以上であ
るキレート剤が好ましい。ここにキレート安定化定数と
は、L.G.Sillen、A.E.Martell著、「Stability Consta
nts of MetalionComplexes」、The Chemical Societ
y,London(1964) や S.Chaberek、A.E.Martell著、「O
rganic Sequestering Agents」、Wiley(1959) 等に
より一般に知られた定数を意味する。
【0081】水洗液に好ましく用いられる鉄イオンに対
するキレート安定度定数が8以上であるキレート剤とし
ては、有機カルボン酸キレート剤、有機リン酸キレート
剤、無機リン酸キレート剤、ポリヒドロキシ化合物など
が挙げられる。なお上記鉄イオンは第2鉄イオンを意味
する。第2鉄イオンとのキレート安定度定数が8以上で
あるキレート剤の具体的化合物としては、特開平1-2051
62号第63頁15行目〜第64頁17行目に記載の化合物を挙げ
ることができる。上記キレート剤の使用量は水洗液1リ
ットル当り0.01〜50gが好ましく、0.05〜20gがより好ま
しい。さらに水洗液に添加する化合物として、アンモニ
ウム化合物が特に好ましい化合物として挙げられる。こ
れらは各種の無機化合物のアンモニウム塩によって供給
されるが、具体的には特開平1-205162号第65頁5行目〜
第66頁11行目に記載の化合物が挙げられる。アンモニウ
ム化合物の添加量は、水洗液1リットル当り1.0×10-5
モル以上が好ましく、より好ましくは0.001〜5.0モルの
範囲であり、更に好ましくは0.002〜1.0モルの範囲であ
る。
【0082】また、水洗液にバクテリアの発生等がない
範囲で亜硫酸塩を含有することが望ましい。水洗液に含
有させる亜硫酸塩は亜硫酸イオンを放出するものであれ
ば、有機物、無機物などいかなるものでもよいが、好ま
しくは無機塩であり、好ましい具体的化合物としては、
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウ
ム、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫
酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸
カリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム及びハイドロサル
ファイト、カルタルアルデヒドビス重亜硫酸ナトリウ
ム、コハク酸アルデヒドビス重亜硫酸ナトリウム等が挙
げられる。
【0083】上記亜硫酸塩は水洗液1リットル中に少な
くとも1.0×10-5モル添加されることが好ましく、5.0×
10-5〜1.0×10-1モルがより好ましい。添加方法は水洗
液に直接添加してもよいが、水洗補充液に添加しておく
ことが好ましい。
【0084】本発明において用いられる水洗液は、望ま
しくは防黴剤を含有しておりこれによって硫化防止、画
像保存性の向上などを果たすことができる。本発明に係
る水洗液に用いることのできる防黴剤としては、ソルビ
ン酸、安息香酸系化合物、フェノール系化合物、チアゾ
ール系化合物、ピリジン系化合物、グアジニン系化合
物、モルホリン系化合物、四級ホスホニウム系化合物、
アンモニウム系化合物、尿素系化合物、イソオキサゾー
ル系化合物、プロパノールアミン系化合物、スルファミ
ド系化合物、ピロノン系化合物及びアミノ系化合物であ
る。具体的な化合物としては、特開平1-205162号明細書
68ページ10行目〜72ページ16行目に記載の化合物が挙げ
られる。これらの化合物の中で特に好ましく用いられる
化合物は、チアゾール系化合物、スルファミド系化合
物、ピロノン系化合物である。
【0085】水洗液への防黴剤の添加量は、水洗液1リ
ットル当り0.001〜30gの範囲で用いられることが好まし
く、より好ましくは0.003〜5gの範囲で用いられる。
【0086】本発明に係る水洗液にはキレート剤と併用
して金属化合物を含有することが好ましい。かかる金属
化合物としては、Ba、Ca、Ce、Co、In、La、Mn、Ni、B
i、Pb、Sn、Zn、Ti、Zr、Mg、Al、Srの化合物を挙げる
ことができる。これらの金属化合物はハロゲン化物塩、
硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩等の無機、有機の塩
や水酸化物あるいは水溶性キレート化合物として供給で
きる。これらの化合物の添加量としては、水洗液1リッ
トル当り1.0×10-4〜1.0×10-1モルが好ましく、4.0×1
0-4〜2.0×10-2モルがより好ましい。
【0087】本発明に係る水洗液に含有するものとして
は、上記の他にアルデヒド基を有する化合物を用いても
よい。具体的な化合物としては、特開平1-205162号第73
頁〜第75頁に記載された例示化合物1〜例示化合物32を
挙げることができる。
【0088】このアルデヒド基を有する化合物は水洗液
1リットル当り0.1〜50gの範囲で用いられることが好ま
しく、特に、0.5〜10gの範囲で用いられることが好まし
い。また、本発明に係る水洗水にはイオン交換樹脂によ
り処理したイオン交換水を用いてもよい。
【0089】本発明に適用できる水洗水のpHは、5.5
〜10.0の範囲である。本発明に適用できるpH調整剤
は、一般に知られているアルカリ剤、酸剤のいかなるも
のも使用することができる。
【0090】水洗処理の処理温度は15℃〜60℃が好まし
く、20℃〜45℃の範囲がより好ましい。また、水洗処理
の時間は5〜60秒が好ましく、5〜50秒がさらに好まし
い。
【0091】複数槽で水洗処理を行う場合には、前の槽
ほど短時間で処理し、後ろの槽ほど処理時間が長いこと
が好ましい。特に前槽の20%〜50%増しの処理時間で順
次処理することが好ましい。
【0092】本発明に係る水洗処理工程での水洗液の供
給方法は、多槽カウンターフローカレント方式にした場
合、後浴に供給して前浴にオーバーフローさせることが
好ましい。もちろん単槽で処理することもできる。上記
化合物を添加する方法としては、水洗槽に濃厚液として
添加するか、または水洗槽に供給する水洗液に上記化合
物及びその他の添加剤を加え、これを水洗補充液とする
等の各種の方法が用いられる。
【0093】本発明に係る水洗工程における水洗水量
は、感光材料単位面積当り前浴(通常漂白定着液または
定着液)の持込み量の0.1〜50倍が好ましく、特に0.5〜
30倍が好ましい。本発明に係る水洗処理における水洗槽
は1〜5槽であることが好ましく、1〜3槽であること
がより好ましい。
【0094】本発明の画像形成方法に用いるハロゲン化
銀写真感光材料の現像処理装置としては、公知のいかな
る方式の装置を用いてもよい。具体的には、処理槽に配
置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラ
ートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料
を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよ
いが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処
理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理
液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担
体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式
なども用いることができる。
【0095】本発明の画像形成方法において、露光から
現像までの時間はどのようなものであってもよいが、全
体の処理時間を短くする上では短時間である方が好まし
い。また、本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は、
露光から現像までの時間が30秒以下の場合にも画像濃度
の変化が小さく、高画質な画像を安定して得ることがで
きるので、有利に用いることができる。
【0096】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0097】実施例1 坪量180g/m2の紙パルプの両面に高密度ポリエチレンを
ラミネートし、紙支持体を作製した。但し、乳剤層を塗
布する側には、表面処理を施したアナターゼ型酸化チタ
ンを15重量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレン
をラミネートし、反射支持体を作製した。この反射支持
体上に以下に示す構成の各層を塗設し、多層ハロゲン化
銀写真感光材料、試料101を作製した。塗布液は下記の
ごとく調製した。
【0098】イエローカプラー(Y−1)26.7g、色素
画像安定化剤(ST−1)10.0g、色素画像安定化剤
(ST−2)6.67g、添加剤(HQ−1)0.67g および
高沸点有機溶媒(DNP)6.67g に酢酸エチル60mlを加
え溶解し、この溶液を15%界面活性剤(SU−1)9.5ml
を含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナ
イザーを用いて乳化分散させてイエローカプラー分散液
を作製した。この分散液を下記条件にて作製した青感光
性ハロゲン化銀乳剤(銀8.68g含有)と混合し、第1層
塗布液を調製した。第2層〜第7層塗布液も上記第1層
塗布液と同様に調製した。また、硬膜剤として第2層及
び第4層に(H−1)を、第7層に(H−2)を添加し
た。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(S
U−3)を添加し、表面張力を調整した。
【0099】なお、層構成は、下記表の如くである。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【化4】
【0103】
【化5】
【0104】
【化6】
【0105】
【化7】
【0106】
【化8】
【0107】(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)40℃に
保温した2%ゼラチン水溶液 1000ml 中に下記(A液)
及び(B液)をpAg=6.5、pH=3.0 に制御しつつ 30 分
かけて同時添加し、さらに下記(C液)、及び(D液)
を pAg=7.3、pH=5.5 に制御しつつ 180 分かけて同時
添加した。この時 pAg の制御は特開昭 59-45437号記載
の方法により行い、pHの制御は硫酸または水酸化ナト
リウムの水溶液を用いて行った。
【0108】(A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.07g 水を加えて 200ml (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml (C液) 塩化ナトリウム 102.7g 臭化カリウム 2.10g 水を加えて 600ml (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った
後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.85μm、変動
係数(S/R)=0.07、塩化銀含有率99.0モル%の単分散
立方体乳剤EMP−1を得た。
【0109】上記乳剤EMP−1に対し、下記化合物を
用い50℃にて90分化学熟成を行い、青感性ハロゲン化銀
乳剤(Em−B1)を得た。
【0110】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モル AgX 塩化金酸 0.5mg/モル AgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モル AgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モル AgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モル AgX (緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法) (A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)
の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして、
平均粒径0.43μm、変動係数(S/R)=0.07、塩化銀含
有率99.0モル%の単分散立方体乳剤EMP−2を得た。
【0111】EMP−2に対し、下記化合物を用いて55
℃で120分化学熟成を行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤
(Em−G1)を得た。
【0112】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モル AgX 塩化金酸 1.0mg/モル AgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モル AgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モル AgX (赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法) (A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)
の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして、
平均粒径0.50μm、変動係数(S/R)=0.08、塩化銀含
有率99.0モル%の単分散立方体乳剤EMP−3を得た。
【0113】EMP−3に対し、下記化合物を用いて60
℃で90分化学熟成を行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤(E
m−R1)を得た。
【0114】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モル AgX 塩化金酸 2.0mg/モル AgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モル AgX 増感色素 RS−1 1×10−4モル/モ
ル AgX
【0115】
【化9】
【0116】
【化10】
【0117】40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1000
ml中に下記(E液)及び(F液)をpAg=6.5、pH=3.0に
制御しつつ30分かけて同時添加し、さらに下記(G
液)、及び(H液)をpAg=7.3、pH=5.5に制御しつつ18
0分かけて同時添加した。この時pAgの制御は特開昭59-4
5437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸または
水酸化ナトリウムの水溶液を用いて行った。次いで(I
液)、及び(J液)を2分かけて同時添加した。こうし
て、平均粒径0.43μm、変動係数(S/R)=0.08、塩化
銀含有率99.0モル%の単分散立方体乳剤EMP−4を得
た。X線を用いた解析により臭化銀を高濃度に含む部分
の臭化銀含量の最大値は61モル%であることが分かっ
た。
【0118】(E液) 塩化ナトリウム 3.44g 水を加えて 200ml (F液) 硝酸銀 9.9g 水を加えて 200ml (G液) 塩化ナトリウム 103.2g (K液) 50ml 水を加えて 600ml (H液) 硝酸銀 297g 水を加えて 600ml (I液) 臭化カリウム 2.17g 水を加えて 15ml (J液) 硝酸銀 3.1g 水を加えて 15ml (K液) 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール メタノール溶
液(1%) 緑感性乳剤(Em−G1)の調製において、乳剤(EM
P−2)に代えて乳剤(EMP−4)を用いた以外同様
にして、緑感性乳剤(Em−G2)を調製した。
【0119】次ぎに、緑感性乳剤(Em−G1)、(E
m−G2)の調製において、二酸化チオ尿素を0.3mg添
加した以外同様にして(Em−G3)、(Em−G4)
を調製した。各乳剤の内容を下記表3に示した。
【0120】
【表3】
【0121】試料101の調製において、緑感光性乳剤
(Em−G1)を(Em−G2)〜(Em−G4)に変
更した以外同様にして、試料102〜104を調製した。
【0122】試料を各々2枚用意し常法により露光時間
0.5 秒で光楔露光した後、下記現像処理工程A、Bで
現像処理を行った。
【0123】 (処理工程A) 処理工程 処理温度 時間 補充量 発色現像A 38.0±0.3 ℃ 20秒 80ml/m2 漂白定着A 35.0±0.5 ℃ 20秒 120ml/m2 水洗A 30〜34 ℃ 60秒 150ml/m2 乾燥 60〜80 ℃ 30秒 (処理工程B) 処理工程 処理温度 時間 発色現像B 35.0±0.3 ℃ 45秒 162ml/m2 漂白定着B 35.0±0.5 ℃ 45秒 216ml/m2 水洗B 30〜34 ℃ 90秒 248ml/m2 乾燥 60〜80 ℃ 60秒 現像処理液の組成を下記に示す。
【0124】 発色現像液Aタンク液 純水 800ml トリチレンジアミン 2g ジエチレングリコール 10g 臭化カリウム 0.01g 塩化カリウム 3.5g 亜硫酸カリウム 0.25g N-エチル-N-(βメタンスルホンアミドエチル) -3-メチルー4ーアミノアニリン硫酸塩 6.0g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g トリエタノールアミン 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 蛍光増白剤(4,4'-ジアミノ スチルベンスルホン酸誘導体) 2.0g 炭酸カリウム 30g 水を加えて全量を1リットルとし、pH=10.10に調整する。
【0125】 発色現像液A補充液 純水 800ml トリエチレンジアミン 3g ジエチレングリコール 10g 亜硫酸カリウム 0.5g N-エチル-N-(βメタンスルホンアミドエチル) -3-メチル-4-アミノアニリン硫酸塩 10.0g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 6.0g トリエタノールアミン
10.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩
2.0g 蛍光増白剤(4,4'-ジアミノ スチルベンスルホン酸誘導体) 2.5g 炭酸カリウム 30g 水を加えて全量を1リットルとし、pH=10.60に調整する。
【0126】 発色現像液Bタンク液 純水 800ml トリエタノールアミン 10g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 5g 臭化カリウム 0.02g 塩化カリウム 2g 亜硫酸カリウム 0.3g 1-ヒドロキシルエチリデン-1,1-ジホスホン酸 1.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g カテコール-3,5-ジホスホン酸二ナトリウム 1.0g N-エチル-N-(βメタンスルホンアミドエチル) -3-メチル-4-アミノアニリン硫酸塩 4.5g 蛍光増白剤(4,4'-ジアミノ スチルベンスルホン酸誘導体) 1.0g 炭酸カリウム 27g 水を加えて全量を1リットルとし、pH=10.60に調整する。
【0127】 発色現像液B補充液 純水 800ml トリエタノールアミン 10g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 5g 亜硫酸カリウム 0.4g 1-ヒドロキシルエチリデン-1,1-ジホスホン酸 1.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g カテコール-3,5-ジホスホン酸二ナトリウム 1.0g N-エチル-N-(βメタンスルホンアミドエチル) -3-メチルー4ーアミノアニリン硫酸塩 8.0g 蛍光増白剤(4,4'-ジアミノ スチルベンスルホン酸誘導体) 1.3g 炭酸カリウム 30g 水を加えて全量を1リットルとし、pH=10.60に調整する。
【0128】 漂白定着液Aタンク液及び補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g ジエチレントリアミン五酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール 2.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH=6.5に調 整する。
【0129】 漂白定着液Bタンク液及び補充液 エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH=5.7に調 整する。
【0130】 水洗液Aタンク液及び補充液 オルトフェニルフェノール 1.0g 5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリンー3ーオン 0.02g 2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1-ヒドロキシエチリデン-1、1-ジホスホン酸 1.8g BiCl3(45%水溶液) 0.65g MgSO4・7H2O 0.2g PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g ニトリロ酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸またはアンモニア水でpH=7.5に調整 する。
【0131】 水洗液Bタンク液及び補充液 5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 1.0g エチレングリコール 1.0g 1-ヒドロキシエチリデン-1、1-ジホスホン酸 2.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 水酸化アンモニウム(20%水溶液) 3.0g 蛍光増白剤(4,4'-ジアミノスチルベンスルホン酸誘導体) 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸または水酸化カリウムでpH=7.0に調 整する。
【0132】得られた試料をPDA−65濃度計(コニカ
株式会社製)を用いて緑濃度を測定した。感度は、濃度
0.75を与える露光量の逆数に基づいて定義し、脚部階調
は特性曲線の濃度0.3と濃度0.75の点間の平均勾配で定
義した。結果を下記表4に示した。
【0133】
【表4】
【0134】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料、
試料104と比較試料101、102、103を比べると、45秒現像
では還元増感した乳剤を用いた場合に若干の軟調化は見
られるもののほとんど差のない性能を得ることができる
ことが分かる。20秒現像になると全般に軟調化する傾向
が認められ、さらに試料101と102の比較で見られるよう
に、臭化銀を高濃度に含有する部分を有する乳剤を用い
た102でその傾向が著しい。試料101と103の比較では還
元増感を行った乳剤で軟調化が大きくなるが、本発明に
係る感光材料、試料104では軟調化が見られなかった。
また、高感度であることが確かめられた。
【0135】この現象の原因は明かではないが、緩やか
な現像ではむしろ軟調な像しか与えない還元増感が、短
時間に急激に現像反応が進むような場合には、現像液中
で起こる電位の変化などに対する耐性の強い潜像核を形
成するのに寄与しているものと考えられる。
【0136】次いで還元増感剤を亜硫酸ナトリウム、ア
スコルビン酸に代えて乳剤を調製し、同様に評価したと
ころ、本発明の効果が得られることが確かめられた。
【0137】次いで、青感性乳剤、赤感性乳剤層の乳剤
で同様に、臭化銀を高濃度に含有する乳剤を調製し、こ
れを還元増感した乳剤を調製し、同様に評価したところ
感色性に関係なく本発明の効果が得られることが確かめ
られた。
【0138】実施例2 実施例1の発色現像液の調製において、発色現像主薬を
N-エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-3-メ
チル-4-アミノアニリン硫酸塩(例示化合物(CD−
6))から等モルの例示化合物(I−2)、(CD−
5)、(CD−9)、及び(I−2)と(CD−6)の
等量の混合物に置き換えた以外同様にして発色現像液を
調製し実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表5
に示した。
【0139】
【表5】
【0140】発色現像主薬(I−2)、(CD−5)、
(CD−9)ともに実施例1で用いた例示化合物(CD
−6)と比べ現像の活性に優れ、しかも本発明の効果を
得ることができることが分かった。中でも発色現像主薬
(I−2)はその効果が大きく、また、(CD−6)と
の混合物も同様に優れた効果を示すことが確かめられ
た。
【0141】実施例3 実施例1のEMP−2の調製において、(C液)に重金
属化合物の例示化合物(5)をハロゲン化銀1モル当た
り10-6モル添加した以外同様にしてEMP−5を、例示
化合物(6)をハロゲン化銀1モル当たり10ー8モル添加
した以外同様にしてEMP−6を調製した。
【0142】次に実施例1のEMP−4の調製におい
て、(G液)に重金属化合物の例示化合物(5)をハロ
ゲン化銀1モル当たり10-6モル添加した以外同様にして
EMP−7を、例示化合物(6)をハロゲン化銀1モル
当たり10-8モル添加した以外同様にしてEMP−8を調
製した。
【0143】この乳剤を実施例1の(Em−G1)、
(Em−G3)と同様にして化学熟成を行い(Em−G
5)〜(Em−G12)を調製した。乳剤の番号と高濃
度に臭化銀を含有する部分の有無、還元増感の有無、重
金属化合物の種類を下記表6にまとめた。
【0144】
【表6】
【0145】この試料を用いて実施例1と同様の処理を
行い脚部の階調を調べたところ、下記表7のようになっ
た。
【0146】
【表7】
【0147】重金属化合物を含有させることにより、処
理工程Aでの脚部軟調化が若干大きくなる傾向にある
が、本発明の効果は明らかに認められ、しかもこの軟調
化を十分補う効果であった。 実施例4 実施例1の試料101〜104と実施例3の試料301〜308を露
光してから放置時間を変えて処理工程Aで現像を行っ
た。放置時間変化による感度の変動を、各々の露光後1
分での現像の時の感度を基準に相対値で表した。結果を
下記表8にまとめた。
【0148】
【表8】
【0149】試料101〜104と試料301〜304を比較すると
重金属化合物を含有させることにより感度変動が大きく
なることが分かる。試料101と102あるいは、試料301、3
02と303、304との比較をみると臭化銀を高濃度に含有す
る部分を有するか否かは、この感度変動にはあまり影響
していないことが分かる。試料101〜102と103〜104の比
較、試料301〜302と305〜306の比較から還元増感する事
により感度変動が小さくなることが分かる。しかし、そ
の効果は未だ十分ではない。本発明に係るハロゲン化銀
写真感光材料を用いてはじめて十分な効果が得られるこ
とが分かる。
【0150】実施例5 実施例1のEMP−4の調製において(I液)に添加す
る臭化カリウムの量を変化させ、あるいは臭化カリウム
と塩化ナトリウムとし、それに伴って(J液)の硝酸銀
をハロゲン化物塩と等モルになるように増減し、その変
化分をそれぞれ(G液)の塩化ナトリウム、(H液)の
硝酸銀の量で調整した。調製した乳剤を実施例1の(E
m−G1)、(Em−G3)と同様にして化学熟成を行
い下記表9に示す乳剤を得た。
【0151】
【表9】
【0152】実施例1の試料101の調製において緑感性
乳剤(Em−G1)に代えて上記の乳剤を用いた以外同
様にして試料501〜509を作製した。実施例1と同様に評
価を行い、その結果を下記表10にまとめた。
【0153】
【表10】
【0154】臭化銀を高濃度に含有する部分の臭化銀含
有率が低い場合には, 短時間現像における軟調化が小さ
いが十分ではなく、また、還元増感を施した時の階調の
硬調化の効果も小さいことが分かる。特に、粒子全体の
臭化銀含有率が0.3モル%と低いにもかかわらず、大き
な効果が得られることは意外なことであった。
【0155】実施例6 実施例1のハロゲン化銀乳剤(EMP−1)、(EMP
−3)の調製において、臭化銀を高濃度に含む部分を作
るように添加液の濃度、量を調整し、例示重金属化合物
(6)をハロゲン化銀1モル当たり1×10-8モル添加し
た以外同様にしてハロゲン化銀乳剤を調製し、二酸化チ
オ尿素をハロゲン化銀1モル当たり0.3mg添加した以外
(Em−B1)、(Em−R1)と同様にして青感性、
赤感性ハロゲン化銀乳剤を調製した。試料101の調製に
おいて青感性、赤感性ハロゲン化銀乳剤を上記のものに
代え、緑感性乳剤を(Em−G12)に代えた以外同様
にして試料601を作成した。試料101と601を用いてレー
ザー露光によりプリントを作製した。
【0156】画像のデータは、4×5 インチサイズのカ
ラースライドの画像(ポートレート)をスキャナーによ
り一画素当り、80×80μmの大きさでデジタル数値化し
たものを用いた。
【0157】露光装置は、青の光源として、ヘリウム・
カドミウムレーザー(約442nm)、緑の光源としてヘリ
ウム・ネオンレーザー(約544nm)、赤の光源としてヘ
リウム・ネオンレーザー(約633nm)を用意し、光学系
を組み立てた。3本のレーザーを発した光は、画像デー
タに応じて変調された後1本のビームに集束され、20mm
/秒の速度で搬送されるハロゲン化銀写真感光材料に、
その搬送方向に直角に160m/秒の主走査速度で走査露光
した。この時のビーム径は約80μmであり、一画素当り
の露光時間は500ナノ秒であった。
【0158】試料601を用いた場合には、優れた画像を
得ることができたが、試料101の場合には、特に赤の光
に対する感度が不足しており、シアン濃度の低い画像し
か得ることが出来なかった。また、露光後すぐに現像し
た場合と、露光後10分経ってから現像したプリントを比
較したところ、試料101では濃度低下が起きるだけでは
なく、顔の所々に疑似輪郭を生じており、著しく品質の
低下した画像しか得られなかった。これに対して、本発
明に係る試料601ではほとんど濃度変動もなく優れた画
像を得ることが出来た。
【0159】また、露光装置を連続運転しておき、最初
のプリントの作成から2時間後に次のプリントを露光し
すぐに現像した。この時、試料101では最初のプリント
と比べわずかではあるが顔の所に疑似輪郭を生じている
ことが分かった。これに対し試料601では若干の濃度上
昇が見られたが、カラーバランスの変動はなく優れた画
像が得られた。
【0160】次に赤外感光性のハロゲン化銀写真感光材
料を作製し、同様の評価を行った。 (赤外感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−IR1)の調
製)実施例1の緑感性乳剤(Em−G12)の調製法に
おいて、増感色素を(IRS−1)に変更した以外、同
様にして赤外感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−IR1)
を、増感色素を(IRS−2)に変更した以外同様にし
て赤外感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−IS2)を調製
した。
【0161】
【化11】
【0162】実施例1の試料101の調製において、青感
性ハロゲン化銀乳剤を赤外感光性ハロゲン化銀乳剤(E
m−IR1)に、緑感性ハロゲン化銀乳剤を赤外感光性
ハロゲン化銀乳剤(Em−IR2)に、赤感性ハロゲン
化銀乳剤を試料601の作成に用いた赤感性ハロゲン化銀
乳剤に変更した以外同様にして試料602を調製した。
【0163】感光材料の露光用装置として、アルミニウ
ム・ガリウム・インジウム・リン半導体レーザー(約 6
70nm)、ガリウム・アルミニウム・ヒ素半導体レーザー
(約780nm)、ガリウム・アルミニウム・ヒ素半導体レ
ーザー(約 830nm)を用意し、光学系を組み立てた。光
ビームの径、搬送速度などの仕様は前記のレーザープリ
ンターの仕様に一致させた。この装置を用いて前記の試
料602に画像を出力したところ優れた画質のカラープリ
ントを得ることができた。露光後にすぐに現像処理を行
ったものと約10分後に現像したものとを比較したがその
差は僅かであり、赤外感光性のハロゲン化銀写真感光材
料に用いた場合にも本発明の効果が有効に得られること
が確かめられた。
【0164】
【発明の効果】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
は、高塩化物ハロゲン化銀写真乳剤を用いており、極短
時間の処理によって高画質な画像を得ることができる。
露光から現像までの時間の変化によって写真特性が変化
することが少ないため、この高画質な画像が安定して得
られるという特徴を有する。さらに、磁気媒体等に記録
されたソフト情報から、レーザー等を用いた高照度短時
間露光によって写真画像を得る場合にも、安定して優れ
た階調性を有する画像を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/035 G03C 1/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層の高塩化物ハ
    ロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料
    を、芳香族一級アミン発色現像主薬を含有し、実質的に
    ベンジルアルコールを含有しない発色現像液で処理した
    後、漂白定着処理し、水洗処理することによりカラー画
    像を形成する方法において、前記高塩化物ハロゲン化銀
    乳剤層が、30モル%以上の臭化銀含有率の部分を有し、
    かつ還元増感されている、95〜99.9モル%が塩化銀から
    なるハロゲン化銀乳剤粒子を含んでおり、かつ前記発色
    現像時間が25秒以下であり、発色現像処理時間、漂白定
    着処理時間及び水洗処理時間の全処理工程が合計2分以
    内であることを特徴とするカラー画像形成方法。
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